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最高裁判所事務総局とは―役割・組織・7局の仕事と裁判官会議との関係(AI作成)

第1 最高裁判所事務総局とは

最高裁判所事務総局は,最高裁判所の裁判官会議を補佐し,人事,予算,庁舎,裁判手続の制度整備などの面から裁判所の運営を支える司法行政の組織である。根拠は裁判所法13条であり,最高裁判所の庶務を担当するために設けられている。

「最高裁事務総局」と略されることもある。本記事では,令和8年10月11日に確認した裁判所の公式資料に基づき,その役割,組織と7局の仕事を説明する。具体的な局・課・係の構成を調べる際は,規則・分課規程・組織通達を併せて読む必要がある。

1 裁判部門と司法行政部門の違い

最高裁判所の裁判部門は,大法廷・小法廷で上告事件などを審理し,判決・決定をする。一方,事務総局は,人や設備,制度の面から裁判の運営を支える事務を扱う。例えば,裁判所職員の人事に関する事務と,個別事件の証拠を評価して判決をする仕事は区別される。

最高裁判所全体の構成については,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

2 裁判官会議・最高裁判所長官・事務総長との関係

裁判所法12条は,最高裁判所が司法行政事務を行うのは裁判官会議の議によるものとし,最高裁判所長官がこれを総括すると定める。裁判官会議は最高裁判所の全裁判官で構成され,長官が議長となる。

事務総局を率いる最高裁判所事務総長は,長官の監督を受けて事務総局の事務を掌理し,職員を指揮監督する(裁判所法53条)。したがって,裁判官会議,長官,事務総長と事務総局は,同じ名称の機関ではなく,それぞれの役割を持っている。

裁判官会議を補佐する事務総局の位置付けと事務総長の職務の詳細は,司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長及び最高裁判所事務総長とはを参照されたい。

第2 事務総局の組織を見渡す

1 7局と秘書課・広報課

最高裁判所事務総局分課規程1条は,秘書課,広報課,総務局,人事局,経理局,民事局,刑事局,行政局及び家庭局を置くと定める。これが「7局」の基本的な構成である。同条には,サイバーセキュリティ管理官とデジタル基盤管理官も規定されている。

次の図は,組織の構成を読みやすくまとめたものであり,職員全員の配置や個々の職の上下関係を示すものではない。

最高裁判所事務総局
 事務総長/事務次長・審議官・デジタル審議官・家庭審議官等
 秘書課・広報課
 総務局・人事局・経理局
 民事局・刑事局・行政局・家庭局
 サイバーセキュリティ管理官・デジタル基盤管理官

秘書課は,裁判官会議・裁判官の庶務,文書事務,文書の開示,渉外連絡などを担当する(分課規程2条)。広報課は広報事務を担当する(同3条)。各課の過去の具体的な事務分掌は,秘書課の事務分掌及び広報課の事務分掌に掲載している。

2 デジタル審議官と情報政策課の組織変更

事務総局規則3条の2の2は,デジタル審議官について,デジタル化の推進,情報セキュリティ,情報システムの整備・管理,統計情報に関する重要事項の企画・立案に参画し,関係事務を総括整理する職と定める。

情報政策課は令和6年3月31日まで存在した組織であり,令和6年4月1日の組織変更後の現行分課規程では,同課に関する3条の2と3条の3が削除されている。古い組織図に情報政策課が掲載されていても,そのまま現在の組織とみなすことはできない。

役割と組織変更の詳細は,最高裁判所事務総局デジタル審議官及び最高裁判所事務総局情報政策課(平成17年1月1日~令和6年3月31日)を参照されたい。

第3 7局はどのような仕事をするのか

以下は,現行分課規程の所掌事務を局単位で要約した比較表である。右欄の事務分掌記事に掲載した開示資料は,それぞれの作成時点の具体的な課・係の仕事を示しており,現在の細部まで一致するとは限らない。

局主な仕事詳細資料
総務局司法制度・規則,裁判所の設置,国会・内閣・弁護士会との連絡,職員の定員,書記官等の執務に関する事務(4~7条)総務局の事務分掌
人事局裁判官・職員の任用,人事評価,給与・報酬,研修,服務,分限・懲戒,不利益処分の審査等(9~16条)人事局の事務分掌
経理局予算・決算,国有財産,庁舎工事,物品・役務の調達,会計監査,庁舎管理,共済等(17~24条)経理局の事務分掌
民事局民事・商事の法規,民事訴訟・非訟・民事調停,民事執行・保全・倒産の手続と規則,関係資料等(25~28条)民事局の事務分掌
刑事局刑事法規・刑事訴訟手続,検察審査会,医療観察手続,刑事手続の実態調査・執務資料等(29~32条)刑事局の事務分掌
行政局行政・国家賠償・労働・知的財産権に関する法規・手続・資料,労働審判等(33~35条)行政局の事務分掌
家庭局少年審判,家事事件,人事訴訟,家庭裁判所調査官等の執務・研修,関係資料等(37~40条)家庭局の事務分掌

人事局の現行の構成は,総務課,任用課,能率課,調査課,公平課及び職員管理官である(分課規程9条)。古い資料にある給与課を,現在の課として挙げないよう注意が必要である。行政局も現在は第一課・第二課の構成であり,旧資料の第三課とは区別する(同33条)。

各係まで調べる場合は,最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)と,最新の組織通達を照合することになる。係名の一致だけで,過去の業務分担が現在も同一であると判断することはできない。

第4 人事や裁判の独立との関係

1 局長・課長の職と裁判官としての経歴

事務総局規則4条は,局長・課長を置き,裁判所事務官をもって充てると定める。他方,平成30年度(最情)答申第82号は,司法行政上の職務に関する規則1項に基づき,裁判官会議の個別の転補等の議決によって司法行政上の職に判事又は判事補を充てる運用があるとの説明を記載している。人事を調べる際は,職の設置根拠,その職への充て方,その人の経歴を併せて確認する必要がある。

名簿は作成日の職員配置を示す資料である。最新の人事異動を調べる場合は,現職の最高裁判所事務総局局長・課長の一覧を参照し,職名と就任時点を確認する。最高裁判所が作成した過去の名簿は,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿に掲載している。

2 司法行政上の監督と個別事件の裁判は区別される

人事局任用課には,裁判官の指名・補職,人事評価,服務などに関する事務がある(分課規程11条)。しかし,所掌事務に人事があることから,個別事件の判決内容を命令できると結論付けることはできない。

裁判所法81条は,同80条の司法行政上の監督権について,裁判官の裁判権に影響を及ぼし,又はこれを制限することはないと定める。制度上の権限,実際の運用,個別の出来事についての評価は,それぞれの資料に基づいて検討する必要がある。

第5 公式資料・名簿・議事録の調べ方

1 規則・分課規程・組織通達を使い分ける

事務総局規則は,職の設置や職務などの基本事項を定める。分課規程は,局・課等の構成と所掌事務を定める。年度の組織通達は,係・室等の具体的な組織を確認する資料となる。

「最高裁判所事務総局等の組織について」は,平成元年3月22日付けの通達であり,掲載PDFでは令和8年2月16日までの改正が反映されている。この改正は同年4月1日から実施するとされている。各班・各係の事務分掌は,通達2項により,当分の間,各局課長等が定める。古い開示資料と見比べる際は,資料の作成日だけでなく,改正日・実施日も確認する。

本文・資料の入口は,最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達にまとめている。会議の記録を調べる場合は,最高裁判所事務総局会議の議事録を参照されたい。事務総局会議の議事録と裁判官会議の議決は,同じ会議の記録として扱わない。

2 所在地と問い合わせ先

最高裁判所の所在地は,東京都千代田区隼町4番2号であり,代表電話は03-3264-8111である。問い合わせ先は,最高裁判所の所在地及び裁判所へのお問い合わせで確認できる。個別事件の手続や書類提出については,事件を担当する裁判所の窓口・案内を確認する必要がある。

第6 主な根拠資料

・裁判所法12条・13条・53条・80条・81条
・最高裁判所の組織(裁判所公式サイト)
・最高裁判所事務総局規則(掲載PDFの最終改正:令和6年4月18日)
・最高裁判所事務総局分課規程(掲載PDFの最終改正:令和7年1月29日)
・最高裁判所事務総局等の組織について(平成元年3月22日付け通達,令和8年2月16日までの改正を反映,最新改正は令和8年4月1日実施)
・平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申。司法行政上の職に判事又は判事補を充てる運用についての当時の説明)

以上の公式資料の確認日は,令和8年10月11日である。