第1 結論と記録の範囲
令和8年9月2日現在,法務省の年齢別公表資料で確認できる現行司法試験の最低合格年齢は,令和6年司法試験の17歳である。
令和7年司法試験の最低合格年齢は18歳であり,令和6年の17歳という記録を更新していない。
本記事の「最年少記録」は,平成18年に始まった現行司法試験について,法務省が公表した各年の合格者の最低年齢を比較したものである。
法務省の年齢別資料は氏名,生年月日及び受験資格を結び付けて公表していないため,最低年齢の合格者個人又は予備試験経由であったかを同資料だけで確定することはできない。
第2 司法試験に年齢制限はあるか
司法試験法4条は,司法試験の受験資格として,法科大学院課程の修了,予備試験の合格又は法科大学院在学中の受験資格を定めている。
一定年齢以上であることを独立の受験資格とする規定はないが,いずれかの受験資格を満たさなければ司法試験を受けることはできない。
法科大学院在学中の受験資格は令和5年司法試験から利用できるようになった。
これに対し,予備試験については受験資格及び受験期間の制限がないため,若年の司法試験合格者が生じる経路となり得る。
第3 法務省資料で確認できる最低年齢
1 令和6年司法試験
法務省の令和6年司法試験の採点結果によれば,合格者の最低年齢は17歳であった。
年齢は令和6年12月末現在のものであり,受験日又は合格発表日当日の満年齢とは基準日が異なる点に注意が必要である。
2 令和7年司法試験
法務省の令和7年司法試験の採点結果によれば,合格者の最低年齢は18歳であった。
同資料は比較欄で令和6年の最低年齢を17歳と表示しているため,直近2年の公表値は同一資料でも確認できる。
第4 予備試験の最年少記録との違い
司法試験と予備試験は別の試験であり,最低年齢も別々に集計される。
令和6年予備試験の最終合格者の最低年齢は17歳であった一方,令和7年予備試験では19歳であった。
同じ年に最低年齢が一致しても,同一人物であること又はその人が翌年の司法試験に合格したことを集計表から推測してはならない。
司法試験の最年少記録を説明するときは,司法試験の合格年,年齢の基準日及び受験資格の公表範囲を分けて示す必要がある。
第5 氏名を伴う記録の限界
報道,学校資料又は本人インタビューにより氏名と合格年齢が明らかになる場合があるが,それらは法務省の匿名集計とは資料の性質が異なる。
本人の受験時年齢,合格発表時年齢及び年末年齢が混在すると順位を誤るため,氏名を伴う比較では基準日をそろえる必要がある。
本記事では,法務省の公表値を最年少記録の基礎とし,個人名を公式統計から推測しない。
氏名を伴う既存の整理は,関連記事に掲げた従来記事を参照されたい。
第6 関連記事
氏名を伴う過去の報道及び判事補任官年齢との関係については,法科大学院在学中の司法試験合格者,及び司法試験合格者・判事補任官の最年少記録等(AIリライト)を参照されたい。
司法試験の制度全体については,司法試験とは―受験資格,5年間の受験期間,試験科目,合格判定及び合格後の流れ(AI作成)を参照されたい。
予備試験については,予備試験とは―受験資格、試験科目、年間スケジュール及び法科大学院ルートとの合格率比較(AI作成)を参照されたい。
出典
① e-Gov法令検索「司法試験法」4条及び5条。
② 法務省「令和7年司法試験の採点結果」。
③ 法務省「令和6年司法試験の採点結果」。
④ 法務省「令和8年司法試験予備試験に関するQ&A」。
⑤ 法務省「令和7年司法試験予備試験口述試験(最終)の結果」及び「令和6年司法試験予備試験口述試験(最終)の結果」。