◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯以下の記事も参照してください。
・ 離婚に関するメモ書き
・ 家事調停に関するメモ書き
・ 平成21年度から令和6年度までの許可抗告事件の分析(AI作成)
・ 平成21年度から令和6年度までの最高裁民事破棄判決の分析(AI作成)
第1 結論の要点
祖父母等と子との交流を検討するときは,①令和8年4月1日より前の民法の下で申立適格を否定した最高裁令和3年3月29日決定と,②同日から施行されている民法766条の2を分けて読む必要がある。
旧法下の最高裁決定は,事実上子を監護してきた祖父母であっても,民法766条の適用又は類推適用によって自ら面会交流を申し立てることはできないとした。しかし,現行法は,父母以外の親族と子との交流を定めるための明文の規律を置き,限定された範囲で親族自身の申立ても認めた。
もっとも,現行法は祖父母等に一般的な交流請求権を与えたものではない。親族自身が申立人となるには「他に適当な方法がない場合」であることが必要であり,裁判所が交流を定めることができるのも「子の利益のため特に必要があると認めるとき」に限られる。
第2 最高裁令和3年3月29日決定(旧法)
1 祖父母と子との面会交流
最高裁令和3年3月29日第一小法廷決定(令和2年(許)第4号)は,母方祖父母が子の父を相手方として,祖父母と子との面会交流を定める審判を申し立てた事案である。祖父母は,母による監護を補助していたが,母の死亡後は父が子を監護していた。
原審は,父母以外の第三者でも,事実上子を監護してきて,子との間に父母と同視し得るような親密な関係があり,面会交流が子の利益にかなう場合には,民法766条1項及び2項の類推適用により申立てを認める余地があるとした。
最高裁はこれを否定した。当時の民法766条2項は,同条1項の協議主体である父母の申立てにより家庭裁判所が子の監護に関する事項を定めることを予定しており,監護の事実だけで第三者を父母と同視することはできないとした。子の利益を最優先に考慮すべきことも,第三者に申立てを許容する法的根拠にはならないとして,原決定を破棄し,祖父母の即時抗告を却下した。
2 祖母を監護者に指定する申立て
最高裁令和3年3月29日第一小法廷決定(令和2年(許)第14号)は,事実上子を監護してきた祖母が,自らを子の監護者に指定するよう申し立てた事案である。
最高裁は,旧民法766条の適用又は類推適用によって,父母以外の第三者が子の監護者指定の審判を申し立てることはできないとし,原決定を破棄して祖母の申立てを却下した。
3 二つの決定を混同しないこと
令和2年(許)第4号は「祖父母と子との面会交流」,同第14号は「祖母を子の監護者に指定すること」が対象である。現行民法766条の2が新たに規定したのは父母以外の親族と子との交流であって,第三者からの監護者指定申立てを一般に認める規定ではない。
第3 令和8年施行の民法766条の2
令和6年法律第33号による改正民法は令和8年4月1日に施行された。法務省の改正法案内及びe-Gov法令検索「民法」で現行規定を確認できる。
1 原則は父又は母による申立て
裁判所の手続案内によれば,父母以外の親族と子との交流について話合いがまとまらない場合又は話合いができない場合,原則として父又は母が,家庭裁判所に調停又は審判を申し立てる。
したがって,「交流を希望する親族が常に申立人になる」という仕組みではない。まず,父又は母による協議・申立てで扱うことができるかを確認する必要がある。
2 親族自身が申し立てられる場合
父母の一方の死亡や行方不明等により,父母間の協議や父母による申立てができないなど,子との交流について定めるために他に適当な方法がない場合には,次の親族が申立人となり得る。
- 子の直系尊属(祖父母等)
- 子の兄弟姉妹
- 上記以外の親族で,過去に子を監護していた者
「祖父母だから当然に申し立てられる」のではなく,他に適当な方法がないという手続上の限定が付されている点が重要である。
3 交流を定める実体要件
調停が成立しない場合は審判に移行する。裁判所が父母以外の親族と子との交流を定められるのは,子の利益のため特に必要があると認められる場合に限られる。
単に親族が交流を望んでいることや,過去に親しかったことだけで結論が決まるわけではない。子の年齢,発達の程度,意見・意向,従前の交流・監護状況,現在の生活環境,交流による利益と負担,父母間又は父母と親族との葛藤が子に及ぼす影響などを,子の利益を中心に具体的に検討する必要がある。
第4 申立てと立証の実務
1 最初に確認する事項
申立てを検討する場合は,少なくとも次の順序で整理することが有用である。
- 求めるのは親族と子との交流か,監護者指定その他の処分か。
- 父又は母が申立人になれるか。親族自身が申し立てるなら,他に適当な方法がないといえる事情は何か。
- 申立人が直系尊属・兄弟姉妹か。それ以外の親族であれば,過去の監護事実を立証できるか。
- 交流が「子の利益のため特に必要」であることを,子を中心とした事実で説明できるか。
- 交流の頻度,時間,場所,受渡方法,連絡方法,第三者機関の利用等を,子に過度の負担を生じさせない形で具体化できるか。
2 子の利益に関する資料
次の事項は,主張・立証を組み立てる際の検討材料となる。ただし,これは公開された裁判所案内と法令から導く実務上の整理であり,現行民法766条の2に関する最高裁判例の判断要素を列挙するものではない。
- 出生後の同居・監護・送迎・通院・学校行事への関与等の客観的経過
- 従前の交流頻度,内容及び中断時期
- 子の年齢・発達・生活リズムと,子自身の意見・意向
- 交流によって維持される具体的利益と,交流に伴う心理的・生活上の負担
- 父母による申立てができない事情及び代替手段の有無
- 当事者間の葛藤を子に持ち込まないための連絡・受渡しの設計
親族側の権利感情ではなく,子にとってなぜ交流が特に必要なのかを,時系列と客観資料で示すことが中心となる。
3 申立先・費用・書類
裁判所の手続案内によれば,申立先は相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所である。申立手数料は,交流の対象となる親族ごと・子一人ごとに収入印紙1200円分であり,別に連絡用郵便切手を要する。
標準的な書類は,申立書及び写し,未成年者の戸籍謄本,事情説明書,進行に関する照会回答書等である。申立人と子との関係を示す戸籍等も必要となる。最新の書式・郵便料は,申立先裁判所の案内で確認する必要がある。
第5 旧判例を現行法の下で引用する方法
最高裁令和3年3月29日決定を現行法下の事件で引用するときは,「祖父母等の申立適格を現在も一律に否定した判例」として扱うべきではない。同決定は,父母以外の第三者の申立権を定める明文規定がなかった旧法を前提に,子の利益という理念だけでは申立適格を創設できないとしたものである。
現行法下では,まず民法766条の2の申立人・手続要件・実体要件を検討する。その上で旧判例は,①申立適格は法令上の根拠に基づいて判断すること,②子の利益の考慮と申立適格の有無は別問題であること,③親族と子との交流と第三者の監護者指定を区別することを示す資料として位置付けるのが適切である。
第6 出典と確認範囲
- 最高裁令和3年3月29日第一小法廷決定(令和2年(許)第4号)(裁判所ウェブサイト掲載PDF)
- 最高裁令和3年3月29日第一小法廷決定(令和2年(許)第14号)(裁判所ウェブサイト掲載PDF)
- e-Gov法令検索「民法」
- 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」
- 裁判所「父母以外の親族と子との交流に関する調停」
最高裁令和3年3月29日決定の内容は裁判所ウェブサイト掲載の判決書PDFで確認した。現行法及び手続はe-Gov,法務省及び裁判所の各公式資料で確認した。判例時報の年次記事は最高裁破棄事件を把握するための二次資料として参照した。判例秘書は今回検索していないため,現行民法766条の2に関する掲載裁判例・評釈の有無は未確認である。