第1 最新の最終合格率と数字の読み方
令和7年(2025年)司法試験の受験者は3837人,最終合格者は1581人であり,受験者を分母とする合格率は41・20%である。法務省が公表した受験者数には途中欠席者も含まれる。
令和8年10月11日現在,令和8年司法試験は短答式の結果まで公表されている。令和8年の短答式で必要な成績を得た者の割合を,最終合格率として表示しない。
このページでは,平成18年~令和7年の全体の推移と,令和5年~令和7年の三つの受験資格別の人数・割合を整理する。各表の合格率は「最終合格者数÷受験者数×100」で計算し,小数第3位を四捨五入した値である。
受験資格の要件と受験期間は,司法試験とはで説明している。
第4の4では,平成18年から令和7年までの最低ライン点未満実人員と総合評価対象者の人数を掲げる。
法科大学院ごとの受験者数・最終合格者数・合格率は,司法試験の合格率を法科大学院別に比較に整理している。
同記事では大学院別の一覧と区分別の比較を扱い,本記事では全国の年度推移と受験資格別の比較を扱う。
第2 平成18年~令和7年の合格者数と合格率
| 年度 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 3,837人 | 1,581人 | 41.20% |
| 令和6年 | 3,779人 | 1,592人 | 42.13% |
| 令和5年 | 3,928人 | 1,781人 | 45.34% |
| 令和4年 | 3,082人 | 1,403人 | 45.52% |
| 令和3年 | 3,424人 | 1,421人 | 41.50% |
| 令和2年 | 3,703人 | 1,450人 | 39.16% |
| 令和元年 | 4,466人 | 1,502人 | 33.63% |
| 平成30年 | 5,238人 | 1,525人 | 29.11% |
| 平成29年 | 5,967人 | 1,543人 | 25.86% |
| 平成28年 | 6,899人 | 1,583人 | 22.95% |
| 平成27年 | 8,016人 | 1,850人 | 23.08% |
| 平成26年 | 8,015人 | 1,810人 | 22.58% |
| 平成25年 | 7,653人 | 2,049人 | 26.77% |
| 平成24年 | 8,387人 | 2,102人 | 25.06% |
| 平成23年 | 8,765人 | 2,063人 | 23.54% |
| 平成22年 | 8,163人 | 2,074人 | 25.41% |
| 平成21年 | 7,392人 | 2,043人 | 27.64% |
| 平成20年 | 6,261人 | 2,065人 | 32.98% |
| 平成19年 | 4,607人 | 1,851人 | 40.18% |
| 平成18年 | 2,091人 | 1,009人 | 48.25% |
令和7年の最終合格者数は,令和6年より11人少ない1581人である。合格率は42・13%から41・20%へ変化している。
ただし,合格率は合格者数だけでなく受験者数によっても変わる。受験者の資格構成や受験回数が異なり,在学中受験が始まった令和5年をまたぐ比較でもあるため,この表だけで試験の難易度が変化したと断定しない。
出典は,法務省の令和5年・令和6年・令和7年の採点結果1頁にある人数表である。令和4年の人数は令和5年資料の前年欄で確認した。
平成18年から令和3年までの人数は,第7の1④の各年の採点結果1頁で確認した。
第3 法科大学院修了・在学中受験・予備試験の比較
1 令和7年の受験資格別
| 受験資格 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 法科大学院修了 | 2,013人 | 441人 | 21.91% |
| 法科大学院在学中 | 1,352人 | 712人 | 52.66% |
| 予備試験合格 | 472人 | 428人 | 90.68% |
3経路の受験者数を足すと3837人,最終合格者数を足すと1581人となり,第2の全体の数と一致する。法科大学院修了者と在学中受験者をまとめた合格率と,在学中受験者だけの合格率は異なる。
資格別の分類は,当該司法試験の受験資格に基づく分類である。例えば,予備試験合格資格で受験した者の中にも法科大学院の在学生又は修了者が含まれ得るため,「予備試験合格者」を法科大学院と無関係な人だけの集団と読まない。
2 令和5年・令和6年の受験資格別
| 年度・受験資格 | 受験者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和6年・法科大学院修了 | 2,072人 | 471人 | 22.73% |
| 令和6年・法科大学院在学中 | 1,232人 | 680人 | 55.19% |
| 令和6年・予備試験合格 | 475人 | 441人 | 92.84% |
| 令和5年・法科大学院修了 | 2,505人 | 817人 | 32.61% |
| 令和5年・法科大学院在学中 | 1,070人 | 637人 | 59.53% |
| 令和5年・予備試験合格 | 353人 | 327人 | 92.63% |
令和5年から,法科大学院在学中の所定要件を満たす者にも司法試験の受験資格が認められた。在学中受験者と修了者は,修了時点や受験回数等の構成が異なるため,単年度の割合を教育課程そのものの効果と同一視しない。
未修者と既修者を比較する場合も,受験資格,受験年度及び分母をそろえる必要がある。詳しくは,法学未修者の司法試験合格率を参照されたい。
第4 合格率から進路を考えるときの注意点
1 予備試験合格者の司法試験合格率と予備試験の合格率は違う
令和7年の90・68%は,予備試験合格資格で司法試験を受験した472人のうち,428人が司法試験に最終合格したという割合である。予備試験を受け始めた人全体の割合ではない。
予備試験合格という前段階の選抜を通過した集団であるため,この数字だけから,予備試験ルートの方が短期間又は少ない学習負担で法曹へ進めると結論付けることはできない。
制度と年間日程は,予備試験とはで確認できる。
2 単年度の合格率と修了後の累積合格率は違う
このページは,各年度に受験した人を分母とする単年度の合格率を示している。特定の年度の入学者又は修了者が,その後の受験可能期間中に何人合格したかという累積合格率ではない。
学校を比較する場合は,単年度の合格率,修了後の累積合格率,途中退学や留年,受験資格の認定及び学習・費用の条件を分けて確認する。同じ「合格率」という名称でも分母が違う資料を並べない。
3 合格者数と司法修習生採用者数は違う
司法試験に合格した後,司法修習生になるためには別途採用選考の申込みが必要である。司法試験合格者数と,同じ時期の司法修習生採用者数を同じ人数として扱わない。
数字の違いは,司法試験合格者数と司法修習生採用者数が一致しない理由で整理している。
4 総合評価対象者を分母にすると割合は変わる
司法試験の合否は,短答式試験の合格に必要な成績を得た者(A)のうち,論文式試験の各科目で素点の25%点(最低ライン点)以上となった者について,総合点で判定される。
Aから最低ライン点未満実人員(B)を引いた人数が総合評価の対象者であり,最終合格者数をこの人数で割ると,受験者数で割った第2の合格率とは大きく異なる数字になる。
平成18年から令和7年までの法務省の採点結果により,各年の人数を整理すると次のとおりである(単位は人)。
| 年 | 短答式で必要な成績を得た者(A) | 最低ライン点未満実人員(B) | 総合評価対象者(A-B) |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 2,902 | 113 | 2,789 |
| 令和6年 | 2,958 | 172 | 2,786 |
| 令和5年 | 3,149 | 219 | 2,930 |
| 令和4年 | 2,494 | 245 | 2,249 |
| 令和3年 | 2,672 | 229 | 2,443 |
| 令和2年 | 2,793 | 181 | 2,612 |
| 令和元年 | 3,287 | 251 | 3,036 |
| 平成30年 | 3,669 | 188 | 3,481 |
| 平成29年 | 3,937 | 343 | 3,594 |
| 平成28年 | 4,621 | 210 | 4,411 |
| 平成27年 | 5,308 | 360 | 4,948※ |
| 平成26年 | 5,080 | 684 | 4,396 |
| 平成25年 | 5,259 | 401 | 4,858 |
| 平成24年 | 5,339 | 456 | 4,883 |
| 平成23年 | 5,654 | 382 | 5,272 |
| 平成22年 | 5,773 | 374 | 5,399 |
| 平成21年 | 5,055 | 237 | 4,818 |
| 平成20年 | 4,654 | 238 | 4,416 |
| 平成19年 | 3,479 | 71 | 3,408 |
| 平成18年 | 1,684 | 12 | 1,672 |
※平成27年は,A-Bが4948人であるのに対し,同年の総合点別人員調(総合評価)の最後の累計人数は4947人であり,1人の差がある。
公表資料からは,この差の理由を確認できない。
平成18年から平成26年までの採点結果は総合評価対象者の人数を明記しており,いずれもA-Bと一致する。
平成27年以降は人数の明記がないため,A-Bで計算し,総合点別人員調(総合評価)の最後の累計人数と照合した。
最低ライン点未満の人数は科目ごとにも公表されているが,2科目以上で最低ライン点未満となった者が重ねて数えられているため,Bには実人員を用いた。
同じ年の受験者数と最終合格者数を並べ,最終合格者数を総合評価対象者(A-B)で割った割合を示すと,次のとおりである(人数の単位は人)。
| 年 | 受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格者数÷(A-B) |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 3,837 | 1,581 | 56.69% |
| 令和6年 | 3,779 | 1,592 | 57.14% |
| 令和5年 | 3,928 | 1,781 | 60.78% |
| 令和4年 | 3,082 | 1,403 | 62.38% |
| 令和3年 | 3,424 | 1,421 | 58.17% |
| 令和2年 | 3,703 | 1,450 | 55.51% |
| 令和元年 | 4,466 | 1,502 | 49.47% |
| 平成30年 | 5,238 | 1,525 | 43.81% |
| 平成29年 | 5,967 | 1,543 | 42.93% |
| 平成28年 | 6,899 | 1,583 | 35.89% |
| 平成27年 | 8,016 | 1,850 | 37.39% |
| 平成26年 | 8,015 | 1,810 | 41.17% |
| 平成25年 | 7,653 | 2,049 | 42.18% |
| 平成24年 | 8,387 | 2,102 | 43.05% |
| 平成23年 | 8,765 | 2,063 | 39.13% |
| 平成22年 | 8,163 | 2,074 | 38.41% |
| 平成21年 | 7,392 | 2,043 | 42.40% |
| 平成20年 | 6,261 | 2,065 | 46.76% |
| 平成19年 | 4,607 | 1,851 | 54.31% |
| 平成18年 | 2,091 | 1,009 | 60.35% |
Bが最も多かったのは平成26年の684人で,Aの13・46%に当たる。
令和7年のBは113人で,Aの3・89%である。
令和7年の最終合格者数は,受験者3837人に対しては41・20%であるが,総合評価対象者2789人に対しては56・69%になる。
合格率を比べるときは,どの段階の人数を分母にしたかをそろえる必要がある。
最低ライン点未満実人員と総合評価対象者の読み方は,司法試験の合格発表で法務省が報道機関に配る資料で説明している。
第5 令和8年の短答式結果と最終合格率の区別
法務省の令和8年短答式結果によれば,受験者は3871人,採点対象者は3822人,短答式で必要な成績を得た者は3068人である。受験者3871人に対する3068人の割合は79・26%となる。
これは短答式段階の割合であり,論文式を含む最終合格率ではない。また,採点対象者3822人を分母にした割合とも異なる。
最終結果の公表前は,第2・第3の最終合格率の表へ令和8年の短答式の割合を入れない。短答式の足切りと総合判定は,司法試験の合格点・採点・成績通知を参照されたい。
第6 関連記事
①司法試験とは。
②司法試験の合格点・採点・成績通知。
③司法試験の過去問・参考答案一覧。
④法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在。
第7 出典及び確認範囲
1 全体の受験者数・合格者数
①法務省「令和7年司法試験の採点結果」1頁。
②法務省「令和6年司法試験の採点結果」1頁。
③法務省「令和5年司法試験の採点結果」1頁(令和4年の前年欄を含む)。
④法務省の平成18年から令和4年までの各年の採点結果(平成27年以前の題名は「新司法試験の結果」又は「司法試験の結果」)。第2及び第4の4の表に用いた。平成18年,平成19年,平成20年,平成21年,平成22年,平成23年,平成24年,平成25年,平成26年,平成27年,平成28年,平成29年,平成30年,令和元年,令和2年,令和3年,令和4年。
2 受験資格別の人数と令和8年の短答式結果
①法務省「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数等」1頁の法科大学院合計・予備試験合格者・総計と,末尾の予備試験合格者の最終学歴別表。
②法務省「令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等」1頁の合計行。
③法務省「令和5年司法試験法科大学院等別合格者数等」1頁の合計行。
④法務省「令和8年司法試験(短答式試験)の結果」1頁・2頁。
3 計算と確認時点
以上の資料を令和8年10月11日に確認した。表の人数は原資料の受験者数と最終合格者数を転記し,合格率は同じ分母で計算した。経路別の人数の合計は,各年度の全体の人数と照合した。令和5年の経路別割合及び年度間の人数差も本記事の計算である。
第2の表の平成18年から令和3年までの行及び第4の4の表は,令和8年10月17日に各年の採点結果で確認した。
これらの合格率,総合評価対象者数及び割合は本記事の計算である。
法務省の最新資料は,司法試験の結果についてから確認できる。