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情報公開・個人情報保護審査会への意見書の書き方と提出方法―理由説明書の読み方,構成,資料の付け方及び電子メール提出(AI作成)

第1 本記事の対象と結論

本記事は,行政機関の不開示決定等に対して審査請求をした審査請求人が,情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に意見書又は資料を提出するときの手順と書き方を整理するものである。
対象は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)に基づく開示請求の事件であり,根拠条文は令和8年10月5日時点の情報公開・個人情報保護審査会設置法(以下「設置法」という。)による。

結論として,意見書は,諮問庁の理由説明書が前提としている事実と論理を一つずつ点検し,各不開示情報の「おそれ」について具体的に反論する書面として作る。
提出期限が定められたときはその期間内に出す必要があり(設置法11条ただし書),提出した意見書や資料は諮問庁に送付され又は閲覧され得る(同法13条)ので,その適否についての回答もあわせて出す。
資料は,ウェブページなら印刷日とURLが分かる形で綴り,立証趣旨を書いておく。

第2 審査会の手続の流れ

1 諮問と諮問通知

開示決定等について審査請求があったときは,審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は,審査請求が不適法で却下する場合や全部を開示する場合等を除き,審査会に諮問しなければならない(法19条1項)。
諮問をした行政機関の長は,審査請求人及び参加人等に対し,諮問をした旨を通知しなければならない(同条2項)。
この通知書には諮問番号(例えば「令和○年(○○)諮問第○号」の形のもの)が記載されており,以後の審査会とのやり取りはこの番号で特定する。

なお,開示決定等についての審査請求には,行政不服審査法の審理員の指名(同法9条)等,審理員による審理手続に関する規定が適用されない(法18条1項)。
そのため,一般の審査請求のような審理員意見書は作られず,審査会の調査審議が手続の中心になる。

2 理由説明書の写しと提出期限の通知

諮問の後,審査会から,諮問庁が審査会に提出した理由説明書の写しとともに,意見書又は資料を提出できる旨と提出期限を知らせる通知が届く。
設置法11条は,審査請求人等は審査会に意見書又は資料を提出することができるとし,ただし,審査会が提出すべき相当の期間を定めたときは「その期間内にこれを提出しなければならない」と定めている。
提出期限は通知書に日付で示されるので,届いた時点で期限を管理する。

3 調査審議

審査会は,必要があると認めるときは,諮問庁に行政文書の提示を求めることができ,その場合,何人も提示された行政文書の開示を求めることができない(設置法9条1項)。
審査会だけが不開示部分を見て判断するこの仕組みは,いわゆるインカメラ審理である。
審査会は,審査請求人等に意見書又は資料の提出を求めることもできる(同条4項)。
調査審議の手続は公開されない(同法14条)。

4 答申とその後

審査会は,答申をしたときは,答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに,答申の内容を公表する(設置法16条)。
その後,諮問をした行政機関の長が裁決をする。
審査会の答申は公表されるので,自分の事件と同種の答申を探して意見書で引用することができる(答申の探し方と引用の注意は,情報公開の答申を調査・引用する方法で整理している。)。

第3 理由説明書の読み方

1 原処分の理由と比べる

(1) 不開示理由の条文と表現

最初に,原処分の通知書に書かれた不開示の理由と,理由説明書の理由を並べて比べる。
理由説明書で条文が追加・削除されていないか,原処分の文言を引用するときに語が加えられていないかを確かめる。

(2) 存否情報の定義

存否応答拒否(法8条)の事件では,存否を答えることで明らかになるとされる情報(存否情報)の定義が重要である。
理由説明書が,原処分よりも広い事実まで存否情報に含めていることがある。
定義が広がっているときは,広がった部分について諮問庁の主張が成り立つかを検討する。

2 前提とされている事実を確かめる

理由説明書は,諮問庁が把握している事実を前提に書かれている。
原処分の時点で既に公表されていた事実,報道された事実,当事者自身が明らかにしていた事実が考慮されていないことがある。
審査会は,当該事実関係が既に公表されているかどうかを,事務局職員にウェブサイト等を確認させて認定することがあるから(例えば令和5年度(行情)答申第798号・同答申書8頁),意見書でその事実と資料を示すことに意味がある。

3 「おそれ」の具体性を点検する

法5条2号イ(法人等の正当な利益)や6号(事務の適正な遂行)の「おそれ」について,理由説明書がどのような経過で支障が生じるのかを具体的に説明しているかを点検する。
内部管理態勢についての憶測を招く,報告者が今後非協力的になるといった説明が,どの事実を前提にどのような経過で不利益につながるのかを示していなければ,その点を指摘する。

4 審査請求人の主張の要約を確かめる

理由説明書には,審査請求人の主張を要約して反論する部分がある。
要約が審査請求書の趣旨と違っていたり,主張していない条文を援用したものとして読み替えられていたりすることがあるので,審査請求書の該当頁と照らし合わせる。
読み替えがあれば,意見書で本来の主張を示し,諮問庁の反論が前提を欠くことを指摘する。

第4 意見書の構成

1 頭書と前文

意見書は任意の様式でよいとされている。
頭書には,①諮問番号,②表題(「意見書」),③作成日,④宛先(「総務省情報公開・個人情報保護審査会 御中」),⑤審査請求人の住所・氏名・連絡先を書く。
前文では,「諮問庁の理由説明書に対し,下記のとおり反論する。」のように意見書の趣旨を示し,後記第6の3の送付・閲覧についての考えも一言書いておくと分かりやすい。

2 本文の章立て

本文は,例えば次の順で章を立てる。
①はじめに(意見書の目的,審査請求書との関係,新たに提出する資料)
②諮問庁の前提事実認識の欠落(理由説明書が見落としている事実)
③不開示情報ごとの反論(法5条2号イ,6号柱書き,6号イ等,諮問庁が挙げた号ごと)
④諮問庁が審査請求人の主張を読み替えた点の指摘
⑤法8条(存否応答拒否)の適用に対する反論(存否応答拒否の事件の場合)
⑥資料の立証趣旨
⑦結論(求める答申の内容)

各章の最後に「小括」を置き,結論の章では各章の要点を丸数字で並べたうえで,求める答申(例えば「原処分を取り消し,本件対象文書の存否を明らかにした上で改めて開示決定等をすべきである旨の答申」)を書くと,審査会が論点を追いやすい。

3 答申と条文の引用

答申を引用するときは,年度・区分・番号・答申日・諮問庁を示し,公表答申書の頁を付ける。
答申書の「審査会の判断の理由」の中にも諮問庁の説明を紹介する部分があるので,引用する文が審査会の判断なのか諮問庁の説明なのかを確かめる。
結論が「妥当」の答申の中で示された一般論を援用するときは,その一般論の表現(「考えられる」等の留保)をそのまま引く。

条文は,e-Gov法令検索で現行の条文を確かめてから引用する。
理由説明書が引用する条文の文言も,原文と照らし合わせる。

第5 資料の付け方

1 資料番号と綴り

資料には,「資料1」「資料2」のように番号を付け,各資料の1枚目に番号を表示する。
複数の資料を1つのPDFに綴る場合は,全体の頁数を意見書に書いておく。
審査請求書で既に提出した資料と番号が重ならないようにする。

2 ウェブページを資料にするとき

ウェブページは,ブラウザの既定の設定で印刷すると,各頁の上部に印刷日時が,下部にURLと頁番号が入るので,そのまま資料にできる。
報道記事やプレスリリースは後に削除されることがあるので,提出前の印刷物を資料として残しておく意味がある。
印刷物の最初の頁だけに必要な記載がある場合は,意見書の立証趣旨の欄に「印刷の1枚目」と書いておくと,頁番号の表示(例えば「1/7」)と綴った枚数の食い違いを説明できる。

3 立証趣旨

資料ごとに,何を証明するための資料かを箇条書きで書く。
立証趣旨には,資料の該当頁を付ける(例えば「(59頁)」)。
官公庁の指針等の一部の頁だけを綴るときは,表紙も綴って版(改正年月)が分かるようにしておく。

第6 提出方法

1 提出期限と提出方法

意見書は,提出期限までに,審査会事務局へ持参,郵送,ファクシミリ又は電子メールで提出する。
提出方法は,理由説明書の写しとともに届く通知書と案内に記載されている。

2 電子メールで提出するとき

審査会事務局から理由説明書の写しとともに送付される「電子メールによる意見書等の提出方法について(御案内)」によれば,電子メールで提出する場合には次の点に注意する必要がある。
①件名は「令和○年(○○)諮問第○号に対する意見書」とする。
②本文には,審査請求人の氏名,代理人の氏名(選任されている場合),今後の審査会からの文書を電子メールで受け取ることを希望するか否か,及び送付・閲覧についての回答(PDFで添付する場合は不要)を書く。
③意見書はPDFで提出し,ファイル名を「令和○年(○○)諮問第○号に対する意見書」とする。
④資料もPDFで提出し,「令和○年(○○)諮問第○号に対する参考資料」などと明記する。
⑤受信できる添付ファイルは合計9MBまでであり,超える場合は分割するかCD-R等で提出する。

同じ案内によれば,最初に電子メールでの送付を希望すると,その後に郵送への変更はできない。
また,提出用のメールアドレスは文書の送受信専用であり,個別の諮問事件についての問合せには回答しないとされている。

3 送付・閲覧についての回答

設置法13条1項は,審査会は,意見書又は資料の提出があったときは,その写しを提出者以外の審査請求人等に送付するものとすると定めている(第三者の利益を害するおそれがあると認められるとき,その他正当な理由があるときを除く。)。
同条2項は,審査請求人等は,審査会に提出された意見書又は資料の閲覧を求めることができると定めている。

審査会からの通知には,「提出する意見書又は資料の取扱いについて」という別紙が付いており,提出する意見書又は資料を諮問庁に送付し又は閲覧させることについて,「差支えがない」か「適当ではない」(理由を記載)かを回答する。
意見書に第三者の個人情報や秘密にすべき事情を書いていなければ,「差支えがない」と回答し,その別紙を意見書に添付する(電子メールならPDFで添付する)。

第7 口頭意見陳述と閲覧

審査会は,審査請求人等から申立てがあったときは,口頭で意見を述べる機会を与えなければならない(設置法10条1項本文)。
ただし,審査会がその必要がないと認めるときは,この限りでない(同項ただし書)。
審査請求人は,審査会の許可を得て,補佐人とともに出頭することができる(同条2項)。
書面で十分に主張できる事件では意見書の提出で足りることが多いが,事実関係の説明が込み入っている事件では,口頭意見陳述の申立ても検討に値する。

諮問庁が補充の理由説明書や資料を提出した場合には,前記の設置法13条1項により写しが送付されることがあり,送付されないものについても同条2項により閲覧を求めることができる。
諮問庁の追加の主張に反論が必要なら,改めて意見書を提出する。

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第9 出典

1 法令

①行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条・8条・18条・19条(e-Gov法令検索)
②情報公開・個人情報保護審査会設置法9条~14条・16条(e-Gov法令検索)

2 情報公開・個人情報保護審査会の答申・資料

①令和5年度(行情)答申第798号(令和6年3月22日,諮問庁・消費者庁長官)
②情報公開・個人情報保護審査会事務局「電子メールによる意見書等の提出方法について(御案内)」(理由説明書の写しとともに審査請求人に送付される案内文書)