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弁護士バッジを紛失したときの再交付手続(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

一般に「弁護士バッジ」又は「弁護士バッチ」と呼ばれるものの正式名称は「弁護士記章」であり,規則上は「再発行」ではなく「再交付」という。本記事は,弁護士記章の本体を紛失した弁護士が,令和8年8月10日現在の日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)の規則に従って再交付を受ける手続を扱う。

再交付は日弁連の制度であるため基本的な流れは全国共通であるが,申請書式,添付物,提出方法,支払方法及び受取方法の細部は所属弁護士会の現行案内による。記章本体が手元にある毀損の場合及び留め具だけを紛失した場合は,後記第6のとおり,本体を紛失した場合と区別する必要がある。

第2 紛失直後にすること

1 所属弁護士会への連絡と再交付申請

弁護士記章規則7条によれば,記章を紛失した弁護士は,所属弁護士会を通じて,速やかに,日弁連へ書面による紛失届を提出するとともに,記章の再交付を申請しなければならない。日弁連へ直接提出するのではなく,所属弁護士会が窓口となり,紛失届には紛失した事情を記載する。

連絡前に,①紛失に気付いた日時,②最後に記章を確認した日時及び場所,③その後の移動経路,④記章本体と留め具のどちらを失ったか,⑤盗難の疑いの有無を記録しておくと,紛失事情を正確に説明しやすい。所属弁護士会には,現行書式,添付物,提出方法,費用の支払方法,再交付までの見込期間及び受取方法を確認する必要がある。

大阪弁護士会所属者については,同会が登録事務担当の連絡先として,総務部総合管理課の電話06-6364-1225及びメールアドレス[email protected]を公表している。ただし,公開ページでは紛失時の提出書類一式まで確認できないため,実際の申請時に担当課へ照会する必要がある。

2 警察への遺失届又は盗難の申告

弁護士記章規則7条から12条までには,警察への遺失届,その受理番号又は遺失物届出証明書を再交付の要件とする明文はない。したがって,警察への届出を済ませなければ規則上の再交付申請ができないとまではいえない。

もっとも,発見時の連絡を受けるため,警察へ遺失届を提出し,受理番号を記録しておくのが安全である。盗難の疑いがあるときは,単なる遺失と決め付けず,その事情を警察及び所属弁護士会へ伝えるべきである。また,所属弁護士会が内部事務として警察の受理番号等を求める可能性があるため,現行書式と併せて確認する必要がある。

第3 官報公告と記章の再交付

1 官報公告と紛失届受理証明書

日弁連は,紛失届を受けると,直ちにその旨を弁護士名簿へ記載又は記録し,官報に公告する。さらに,紛失届を受けたことを証する書面を,所属弁護士会を通じて本人へ交付する。官報公告費用は,原則として紛失した弁護士が所属弁護士会を通じて納付する。

日弁連は,紛失届を受けたとき及び記章を再交付したとき,記章番号及び弁護士の氏名を最高裁判所及び検事総長へ通知する。弁護士名簿への記録,官報公告及び関係機関への通知を伴うため,単に同じ物品を購入し直す手続ではない。

2 銀製記章と金製記章の再交付費用

令和8年8月10日までに公表された費用改定通知によれば,紛失による再交付費用は次のとおりであり,いずれも官報公告料を含む。

記章の種類紛失による再交付費用適用される申請備考
銀製1万4060円令和7年4月1日以降に弁護士会が受け付ける申請官報公告料を含む
金製11万3360円令和6年12月1日以降に弁護士会が受け付ける申請官報公告料を含み,タイタック式のみ

金製記章の費用は金価格等により,銀製記章の費用も製造費や官報公告料により改定され得る。したがって,申請時には所属弁護士会へ最新額を確認すべきであり,過去の記事に掲載された費用をそのまま用いるべきではない。

3 再交付される記章

日弁連は,官報公告後,所属弁護士会を通じて新しい記章を再交付し,弁護士名簿へ再交付の旨を記載又は記録する。再交付された記章の裏面には,「再」の文字と再交付回数が刻印される。

公開資料だけでは,全国一律の標準処理日数を確認できない。裁判所への出頭その他の予定がある場合は,申請時に再交付の見込時期と受取方法を所属弁護士会へ確認する必要がある。

第4 紛失した記章が見つかった場合

1 紛失届を取り下げられる期間

紛失届を提出した記章が見つかり,かつ,紛失届を提出した暦月内であれば,所属弁護士会を通じて書面で紛失届を取り下げることができる。この期間は「届出日から1か月以内」ではなく「届出をした月の末日まで」であるため,月末近くに届け出た場合は短くなる。

取下げ書には,所属弁護士会による発見の事実の証明が必要である。また,紛失届受理証明書を所属弁護士会を通じて日弁連へ返還する必要があり,日弁連は取下げを弁護士名簿へ記載又は記録した上で,納付済みの官報公告費用を所属弁護士会経由で返還する。

2 発見した記章の返還

弁護士記章は日弁連の所有物であり,弁護士に貸与されるものである。取下げの可否とは別に,紛失届を提出した記章を発見したときは,速やかに所属弁護士会を通じて日弁連へ返還しなければならず,自己判断で再び使用してはならない。

官報公告の手続に着手する前に発見した記章が返還された場合,日弁連はその返還された記章を本人へ再交付する。これに対し,既に官報公告手続が進んだ場合の処理は同じではないため,発見日時を記録して直ちに所属弁護士会へ連絡する必要がある。

第5 再交付を待つ間の身分証明

1 記章の携帯と身分証明書による代替

現行の日弁連会則29条2項は,弁護士が職務を行う場合,日弁連制定の記章を携帯することを原則とし,日弁連発行の身分証明書を携帯することで代えることを認めている。現在の会則の文言は「帯用」又は常時の「着用」ではなく「携帯」である。

したがって,有効な日弁連発行の身分証明書が手元にあれば,再交付を待つ間も会則上の携帯義務を満たすことができる。ただし,裁判所,拘置施設その他の訪問先が行う本人確認は各施設の運用にもよるため,必要があれば事前に確認すべきである。

2 紛失届受理証明書の限界

弁護士記章規則11条により交付される紛失届受理証明書と,会則29条2項の日弁連発行の身分証明書とは,規則上別の書面である。紛失届受理証明書だけで身分証明書と同じ取扱いを受けられるとする規定は確認できない。

記章と日弁連発行の身分証明書の双方が手元にない場合は,紛失届受理証明書の交付時期を確認するとともに,職務上訪問する施設で必要となる本人確認資料を所属弁護士会及び訪問先へ事前に照会するのが安全である。

第6 毀損等との区別と災害時の費用免除

1 毀損と留め具だけの紛失

記章本体が手元にあるものの壊れた場合は,弁護士記章規則13条の毀損届,再交付又は修理の手続となり,本体を紛失した場合の官報公告手続とは異なる。ねじ等の留め具だけを失った場合の部品交付,費用及び在庫対応は,所属弁護士会に確認する必要がある。

公開資料からは,大阪弁護士会が留め具だけの紛失を現在どのように扱っているかを確認できない。他の弁護士会における過去の取扱いを,大阪弁護士会又は全国共通の現行実務として用いることはできない。

2 災害による紛失

震災,風水害,落雷,火災その他これらに類する災害により記章を紛失した場合,日弁連は,官報公告費用及び再交付に要する費用の納付を免除することができる。規則は「免除することができる」と定めるため,災害による紛失であれば当然に免除されるという制度ではない。

災害による紛失に当たる可能性があるときは,通常の費用を納付する前に,免除申請の方法及び必要資料を所属弁護士会へ確認する必要がある。

第7 出典・参考資料

1 規則・会則

①日本弁護士連合会「弁護士記章規則」(昭和54年11月2日規則第35号)2条及び7条~14条(PDFビューア2頁~5頁),②日本弁護士連合会「令和7年度版日本弁護士連合会関係法規集」(令和7年9月1日現在)98頁・会則29条(PDFビューア100頁)を参照した。

日弁連が公表する規則の一覧は,日本弁護士連合会「会則・会規・規則等」で確認できる。

2 費用改定通知と大阪弁護士会の案内

①日本弁護士連合会「銀製弁護士記章の再交付費用の改定について」(令和7年2月21日付け日弁連審1第854号,PDFビューア1頁),②日本弁護士連合会「金製弁護士記章の交付費用の改定及び仕様について」(令和6年11月20日付け日弁連審1第608号,PDFビューア1頁),③大阪弁護士会「入会・退会案内」を参照した。