目次
mintsアカウントの登録情報は,変更する項目によって手続が異なる。
メールアドレス及び電話番号等はアカウント設定画面から利用者自身で変更できるが,氏名,住所及び生年月日は自分では変更できず,裁判所への届出が必要である。
また,アカウントの削除は,係属事件との関連付けや補助者設定を整理した後に行う必要がある。
本記事では,登録情報を安全に変更する順序,弁護士の事務所移籍,法人代表者の交代及び補助者の退職時の注意点並びに親ユーザ・補助者ユーザのアカウント削除を説明する。
第1 変更方法の早見表
最初に,変更したい情報と必要な手続を切り分ける。
氏名,住所及び生年月日の変更を,メールアドレスや電話番号の変更と同じ操作で済ませることはできない。
| 変更・削除するもの | 主な手続 | 注意点 |
|---|---|---|
| 氏名 | 裁判所への変更届出 | 変更内容に応じた証明書類が必要となることがある |
| 住所 | 裁判所への変更届出 | 士業者の事務所所在地を含む |
| 生年月日 | 裁判所への変更届出 | 自分では変更できない |
| メールアドレス | アカウント設定画面で編集・更新 | サインイン及び通知受信への影響を確認する |
| 電話番号 | アカウント設定画面で編集・更新 | 連絡先と二要素認証用連絡先を区別する |
| 親ユーザに登録した補助者ID | 親ユーザが対象IDを削除して更新 | 親ユーザ自身のアカウント削除とは別である |
| アカウント自体 | 事件との関連付け等を整理した後に削除 | 事件が表示されている親ユーザは先に裁判所へ連絡する |
第2 氏名・住所・生年月日の変更
1 裁判所への届出が必要である
登録済みの氏名,住所及び生年月日は,利用者がアカウント設定画面で直接変更することができない。
住所には,弁護士,司法書士及び弁理士の事務所所在地が含まれる。
これらの情報に変更が生じた場合は,裁判所のmintsアカウント登録ガイド~アカウント情報変更編~に従って届け出る必要がある。
同ガイドは,既に登録されているアカウント情報の変更を対象とする。
新規登録時の入力誤りを訂正する場合は,一般個人編,士業者編,法人編等の各登録ガイドを確認する。
2 係属事件の有無で届出先が異なる
係属中の事件がある場合は,その事件を担当する裁判所へ問い合わせて変更を届け出る。
複数の事件が係属している場合は,そのいずれかを担当する裁判所への届出で足りると案内されている。
係属中の事件がない場合は,裁判所ウェブサイトのmintsについてに掲載された「親ユーザ用の変更登録申請フォーム」又は「補助者ユーザ用の変更登録申請フォーム」を利用する。
国・行政機関の代表者又は指定代理人のアカウントは変更ガイドの対象外であるため,所属機関又は担当裁判所へ確認する。
3 証明書類のアップロードと変更後の確認
証明書類が必要な変更では,先にアカウント設定画面の「本人・資格確認資料」欄へ書類データをアップロードし,「更新」ボタンを押した上で,変更申請フォームから届け出る。
公式ガイドは,弁護士等の氏名変更について日弁連・日司連若しくはその単位会又は日本弁理士会が発行する身分証明書・印鑑証明書,一般個人の氏名又は住所の変更について運転免許証・住民票の写し等,法人アカウントの代表者氏名又は住所の変更について法人の登記事項証明書等を例示している。
補助者アカウントは証明書類のアップロードが不要であるが,氏名,住所又は生年月日の変更届出自体は必要である。
マイナンバーカードはmints上にアップロードしてはならない。
変更が完了した場合も,届出の不備によって変更できない場合も,裁判所から個別の連絡は行われないとされているため,届出後はアカウント設定画面を開いて反映を確認する。
第3 メールアドレスの変更
1 アカウント設定画面から変更する
メールアドレスは,左側メニューの「アカウント設定」を開き,画面右上の「編集」を押して変更し,最後に「更新」を押して保存する。
氏名又は住所の変更と異なり,通常は裁判所への変更届出を要しない。
メールアドレスはmintsへのサインインに使う情報であり,各種通知の受信にも関係する。
入力誤りがあると次回のサインイン又は通知受信に支障が生じるため,保存した文字列を確認する。
2 旧メールアドレスを止める前に変更する
事務所移籍,担当者交代又はメールサービス変更により旧メールアドレスを停止する場合は,旧アドレスを利用できる間に新アドレスへ変更する。
更新後は,保存された新アドレスを確認し,サインイン及び必要な通知の受信に問題がないことを確かめてから旧アドレスを停止する。
メーリングリスト,共有アドレス又は退職者しか管理できないアドレスを登録したままにしない。
複数のmintsアカウントを管理している場合は,アカウントごとに変更後の状態を確認する。
3 使用済みアドレスでエラーになる場合
別のmintsアカウントで使用したことがあるメールアドレスを指定すると,「サーバ処理が失敗しました(エラー)」と表示され,更新できない場合がある。
裁判所の操作マニュアルは,この場合,mintsのチャットボットで「お問合せ窓口を知りたい」を選び,案内される問い合わせフォームから連絡するよう説明している。
第4 電話番号の変更
1 連絡先と二要素認証用連絡先を区別する
電話番号も,アカウント設定画面の「編集」から利用者自身で変更し,「更新」で保存する。
ただし,mintsの「連絡先」と「二要素認証用連絡先」は別の項目である。
単に連絡先電話番号を変更しただけでは,次回サインイン時のSMS又は自動音声通話の送信先が切り替わっていないことがあるため,どちらの番号を変更したかを確認する。
2 新しい番号での認証を確認する
旧電話番号を解約し,又は退職者の端末を返却する予定がある場合は,先に継続利用する番号へ切り替え,新しい認証手段でサインインできることを確認する。
旧番号の停止を先行させると,認証コードを受け取れず,アカウントに入れなくなるおそれがある。
メールアドレス,パスワード又は二段階認証のためにサインインできない場合は,mintsにログインできない場合の対処法を参照されたい。
第5 弁護士・法人・補助者に特有の変更
1 弁護士が事務所を移籍する場合
弁護士の事務所移籍では,①事務所所在地等の変更届出,②メールアドレス及び電話番号等の連絡先変更,③旧事務所の補助者との関連付け解除を別々に確認する。
所在地の変更が完了しても,補助者との関連付けが自動的に解除されるとは限らない。
旧事務所の連絡先を停止する前に,新しい連絡先でのサインイン及び通知受信を確認する。
補助者IDの解除後は,アカウント設定画面を開き直し,旧補助者のIDが表示されていないことも確認する。
2 法人代表者が交代する場合
法人代表者が交代した場合は,新しい法人アカウントを重ねて作成するのではなく,既存の法人アカウントに登録された代表者氏名の変更を届け出る。
公式ガイドは,代表者氏名又は法人住所の変更に関する証明書類の例として法人の登記事項証明書等を挙げている。
代表者名の変更と,実際にサインインするためのメールアドレス・電話番号の変更は別の項目である。
代表者交代の引継ぎでは,両方の反映を確認する必要がある。
3 補助者の氏名変更・異動・退職
補助者の氏名等を変更するときは,補助者ユーザ用変更登録申請フォームから届け出る。
補助者は証明書類をアップロードする必要がないが,利用者自身が氏名欄を書き換えることはできない。
補助者が異動又は退職により補助者でなくなった場合は,まず親ユーザがアカウント設定画面で対象の補助者IDを削除し,「更新」を押して関連付けを解除する。
その補助者アカウントを今後使用しない場合は,関連付けの解除後に補助者本人が自分のアカウントを削除する。
詳しい手順は,mintsの補助者アカウント―登録方法・権限・上限と退職時の解除を参照されたい。
第6 mintsアカウントの削除
1 親ユーザのアカウントを削除する場合
事件登録一覧画面に1件以上の事件が表示される親ユーザは,アカウント設定画面だけで自分のアカウントを削除することができない。
削除を希望する場合は,係属裁判所へ連絡し,すべての事件との関連付けを解除してもらった後に,アカウント設定画面から削除する。
削除前には,未提出書類,未処理の通知,送達関係のファイル及び期限管理を確認し,今後も保存が必要な情報を整理する。
アカウントを削除するために,係属中の事件を放置したり,必要な連絡先を先に停止したりしない。
2 補助者IDの解除と補助者アカウントの削除
親ユーザの設定画面にある補助者ID欄からIDを削除する操作は,親ユーザと補助者ユーザとの関連付けを解除する操作である。
これに対し,同じ設定画面の補助者ID欄の下にある「アカウント削除」を押すと,親ユーザ自身のアカウントが削除される。
補助者の退職時に,親ユーザがこの「アカウント削除」を押してはならない。
補助者ユーザ自身のアカウントを削除する場合は,親ユーザによる関連付け解除を確認した後,補助者本人が自分のアカウント設定画面から削除する。
親ユーザによる補助者IDの削除,親ユーザ自身のアカウント削除及び補助者ユーザ自身のアカウント削除は,三つの別の操作である。
3 1年間サインインしない場合の自動削除
mints利用規約によれば,事件との関連付けがない利用者がサインインをしないまま1年を経過した場合は,原則として利用許諾が終了し,アカウントが削除される。
ただし,所定の規則に基づいてアカウントが付与された者はこの自動削除の対象外であり,操作マニュアルは,士業者登録番号を入力した士業者アカウントは自動削除されないと説明している。
今後使用する見込みがないアカウントについては,自動削除を待つのではなく,事件との関連付け及び補助者設定を確認した上で,利用者自身が削除手続を行うのが原則である。
第7 変更・削除前後のチェックリスト
登録情報を変更し,又はアカウントを削除するときは,次の順で確認するとよい。
①変更する項目が,自己変更できるメールアドレス・電話番号等か,裁判所への届出を要する氏名・住所・生年月日かを確認する。
②係属事件の有無を確認し,届出先又は関連付け解除の依頼先を決める。
③必要な証明書類と変更申請フォームを確認する。
④旧メールアドレス及び旧電話番号を利用できる間に,新しい連絡先へ切り替える。
⑤更新又は届出後にアカウント設定画面を開き直し,変更内容を確認する。
⑥メールアドレス又は二要素認証用連絡先を変更した場合は,新しい認証手段でのサインイン及び通知受信を確認する。
⑦補助者の異動・退職時は,親ユーザによる補助者IDの解除と,補助者本人によるアカウント削除を区別する。
⑧アカウント削除前は,すべての事件との関連付けが解除され,未処理事項がないことを確認する。
第8 よくある質問
1 氏名又は住所をアカウント設定画面で変更できますか。
できない。
氏名,住所及び生年月日の変更は裁判所への届出が必要であり,係属事件の有無に応じて担当裁判所又は変更登録申請フォームを利用する。
2 メールアドレス及び電話番号の変更にも裁判所への届出が必要ですか。
通常は必要ない。
アカウント設定画面の「編集」から変更して「更新」を押す。
ただし,電話番号は連絡先と二要素認証用連絡先が別であるため,変更対象を確認する。
3 係属事件があってもアカウントを削除できますか。
事件登録一覧に事件が表示される親ユーザは,そのままでは削除できない。
係属裁判所へ連絡し,すべての事件との関連付けを解除してもらった後に削除する。
4 補助者が退職した場合,親ユーザがアカウント削除を押せばよいですか。
押してはならない。
親ユーザは対象の補助者IDを削除して更新し,関連付けを解除する。
補助者アカウント自体を今後使わない場合は,その後に補助者本人が自分のアカウントを削除する。
第9 関連記事
①mintsの登録方法―個人・弁護士・法人・補助者別の必要書類と本人確認
②mintsの補助者アカウント―登録方法・権限・上限と退職時の解除
③mintsにログインできない場合の対処法
④mints利用規約の解説
⑤mints操作マニュアルの目的別索引
⑥mintsに関するQ&A(弁護士向け)
第10 出典・参考資料
①最高裁判所「mintsについて」
②最高裁判所「mintsアカウント登録ガイド~アカウント情報変更編~」PDF1頁~2頁
③最高裁判所「mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~2.3版」(令和8年7月15日改訂)25頁~29頁
④最高裁判所「民事裁判書類電子提出システム利用規約」(令和8年5月21日施行)6条・9条