第1 この記事の対象
令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目について,第1問・第2問を別々に扱う16記事を一覧にする。
対象は倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系)である。
主要7科目及び短答式試験は対象に含めない。
令和8年10月10日時点の公開子記事の評価表に基づく総項目数は661項目,重み5は180項目である。
評価項目と重みは各記事の独自分析であり,法務省の公式採点基準・項目別配点ではない。
まず一覧から問題を選び,概要・設問の指定・重み5の事項を確認した上で,子記事の評価表,答案及び解説を読む構成である。
第2 16記事の一覧
| 科目・問題 | 主な論点 | 評価項目 | 重み5 |
|---|---|---|---|
| 倒産法第1問 | 役員責任の保全・査定,破産者の情報収集,相当価格・廉価処分の否認 | 40項目 | 10項目 |
| 倒産法第2問 | 再生計画案の決議,届出・自認債権の扱い,継続的売買契約の解除 | 38項目 | 8項目 |
| 租税法第1問 | 譲渡所得,解除後の更正の請求,違約金の一時所得,貸倒損失 | 56項目 | 19項目 |
| 租税法第2問 | 学資金と源泉徴収,誤徴収の回収,減価償却,会員権の取得費・損益通算 | 60項目 | 18項目 |
| 経済法第1問 | メーカー・卸業者の相互拘束,非当事者,離脱・終期,課徴金 | 34項目 | 8項目 |
| 経済法第2問 | 参入妨害,地域市場,不公正な取引方法,排除型私的独占 | 40項目 | 11項目 |
| 知的財産法第1問 | 技術的範囲と出願経過,無効の抗弁,新規性喪失の例外,数量制限 | 41項目 | 14項目 |
| 知的財産法第2問 | 建築の著作物,絵はがきの自由利用,絵画の写り込み,同一性保持権 | 40項目 | 7項目 |
| 労働法第1問 | 管理監督者,賞与の支給日在籍要件,退職金の不支給・一部減額 | 32項目 | 12項目 |
| 労働法第2問 | 団交拒否・不誠実団交,チェック・オフ,ユニオン・ショップ,救済命令 | 40項目 | 12項目 |
| 環境法第1問 | 地域脱炭素化促進事業の特例,情報的・経済的手法,公害調停 | 31項目 | 12項目 |
| 環境法第2問 | 廃棄物分類と許可,既存業者の原告適格,欠格要件,通知・措置命令 | 42項目 | 14項目 |
| 国際関係法(公法系)第1問 | 尚早の国家承認,自決原則,安保理の棄権,拒否権後の救済経路 | 38項目 | 11項目 |
| 国際関係法(公法系)第2問 | 公海衝突の刑事管轄,慣習国際法,不干渉・武力の威嚇,国家責任 | 35項目 | 5項目 |
| 国際関係法(私法系)第1問 | 営業所の業務関連性,契約準拠法,外国の期間制限,仲裁合意 | 51項目 | 8項目 |
| 国際関係法(私法系)第2問 | 養子縁組の分配的適用・反致,保護要件と公序,録画遺言,遺留分 | 43項目 | 11項目 |
評価項目の細かさは問題ごとに異なる。
項目数の大小から科目の難易度,公式配点又は合格可能性を推計するものではない。
第3 科目別の概要と重み5の事項
以下の番号は,子記事の現在の公開評価表の通し番号であり,子記事ごとに1から始まる。
項目本文に示された必須・高評価・負例・許容分岐及び適用条件は,重みと別の区分として読む。
根拠の頁・箇所は各子記事の評価表で確認できる。
1 倒産法
(1) 第1問
子供服店を営むA社と役員Bの破産を素材に,Dによる役員責任の保全・査定,Bの資産情報の収集及び事業譲渡の否認を検討する。
相当価格の譲渡は161条,廉価譲渡は160条1項1号を主ルートとする。
問題文の指定に従い,法令の基準時は令和6年1月1日である。
子記事の答案は両譲渡の否認を肯定するが,相当価格の譲渡についての結論を公式の唯一指定結論とは扱わない。
重み5は10項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:【必須】Dが177条1項に基づくBの財産の保全処分を裁判所へ申し立てられることを示す。
②番号3:【高評価】保全の必要性を,B自身の預金の隠匿・費消による回収困難のおそれに結び付ける。
③番号5:【必須】Dが178条1項に基づく役員責任査定を裁判所へ申し立てられることを示す。
④番号6:【必須】査定の趣旨を,通常訴訟より簡易迅速な決定手続による債務名義取得として説明する。
⑤番号11:【必須】B個人が40条1項1号の破産者として必要な説明をする義務を負うことを示す。
⑥番号15:【必須】裁判所が81条1項に基づきB宛て郵便物等をDへ配達する旨を嘱託できることを示す。
⑦番号20:【必須】4000万円の価値に同額の金銭対価を得た処分として161条1項を選択する。
⑧番号25:【必須】期限到来済みの本旨弁済をする意思は原則として隠匿等処分意思と同視できないことを検討する。
⑨番号30:【必須】廉価譲渡として160条1項1号の要件を主位的に検討する。
⑩番号33:【必須】H以外の債権者の引当財産が減少するため,債務引受けによって詐害性が否定されないと説明する。
記事:令和6年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
再生計画案の人数・議決権額の可決要件,開始前後の損害金,外貨債権及び未届出顧客の扱いを検討する。
自認された799人と,認否書から漏れたDの取扱いを分け,独立した設問2では野菜の継続的売買契約の法定解除と違約金条項を扱う。
子記事の答案ではBの議決権額は510万円,Cは2億8000万円であり,自認された799人に議決権はない。
Dには権利変更後の弁済時期の劣後がある。
Eに損害が生じない見込みという仮定を維持し,公序良俗違反を検討せず,本件の法定解除には違約金条項が適用されないとの構成を採る。
重み5は8項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:人数要件と議決権額要件の双方を満たす必要があると説明する。 必須/両者由来
②番号8:開始後損害金の議決権を87条2項により排除する。 必須/両者由来
③番号16:自認された799人にも議決権がないことを説明する。 必須/両者由来
④番号21:Dの債権も181条1項3号により156条の一般的基準に従って変更されると説明する。 必須/両者由来
⑤番号22:Dの変更後権利へ181条2項の弁済時期の劣後を適用する。 必須/両者由来
⑥番号28:本件を双方未履行双務契約の49条1項に基づく解除の問題と位置付ける。 必須/両者由来
⑦番号29:49条1項の特別な解除選択権を,円滑迅速な契約整理と事業維持再生の趣旨から説明する。 必須/両者由来
⑧番号36:条項が有効か・解除可能かだけで止めず,本件解除に違約金条項が適用されるかを結論づける。 必須/両者由来
記事:令和6年司法試験倒産法第2問の模範解答・評価項目―38項目と5段階の重み付け(AI作成)
2 租税法
(1) 第1問
居宅用地の売却と未払代金を理由とする解除,現実の原状回復,違約金の取得及び売掛債権の貸倒れを扱う。
手付の私法上の性質と収入の帰属年,課税要件事実の消滅から更正の請求への接続を区別する。
子記事の答案では令和5年分の譲渡所得は350万円,解除と現実の原状回復後は通常の更正の請求を行う。
違約金300万円は令和6年分の一時所得,貸倒損失2000万円は令和5年分事業所得の必要経費とする。
問題の配点は40点であるが,本記事の項目数・重みの合計とは別である。
令和6年1月1日施行の法令を用い,租税特別措置法を考慮しない。
重み5は19項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:33条3項の総収入金額・取得費・譲渡費用・特別控除の計算構造から検討する。 必須
②番号2:36条1項の「収入すべき金額」を権利確定主義によって解釈する。 必須
③番号4:譲渡における権利確定を売主の全債務履行・同時履行の抗弁消滅に具体化する。 必須
④番号5:解約手付・違約手付を兼ねる300万円の私法上の性質を踏まえる。 必須
⑤番号8:令和5年の履行・代金充当により手付金を同年の総収入に含める。 必須
⑥番号22:解除によって売買契約の法的基礎が遡及的に失われることを示す。 必須
⑦番号23:解除だけで足りず,現金返還と土地回復という現実の原状回復を必要とする。 必須
⑧番号25:私法の変動から資産譲渡・収入の課税要件事実の消滅へ架橋する。 必須
⑨番号28:23条1項1号の計算が法規に従わなくなったという要件に当てはめる。 必須
⑩番号29:税額過大という23条1項1号の要件に当てはめる。 必須
⑪番号33:契約存続中の回収不能特例である所得税法64条1項・152条を本件解除に適用しない。 負例
⑫番号37:代金の原状回復と別の違約金取得から譲渡所得該当性を否定する。 必須
⑬番号41:一時所得についても36条1項の権利確定を用いて帰属年を論証する。 必須
⑭番号46:貸倒損失を所得税法51条2項の問題として処理する。 必須
⑮番号47:Bの債権が事業遂行上生じた売掛金であると当てはめる。 必須
⑯番号48:貸倒れの基準として金銭債権全額の回収不能を定立する。 必須
⑰番号49:全額回収不能が客観的に明らかであるという基準を定立する。 必須
⑱番号51:2000万円を令和5年分事業所得の必要経費に算入する。 必須
⑲番号54:反復継続する事業所得では貸倒年の費用として調整する制度趣旨を説明する。 高評価
記事:令和6年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
貸与奨学金の免除益,違法な源泉徴収額の回収,未検収機械の減価償却及び相続したゴルフ会員権の譲渡を検討する。
国・給与支払者・受給者の法律関係,機械の取得・所有に関する私法評価,取得費と損益通算制限の趣旨を分ける。
子記事の答案は免除益を給与所得と把握した上で学資金として非課税とし,国への還付請求と支払者への給与請求を区別する。
令和元年末の機械取得と減価償却費の損金算入を否定し,会員権の名義書換料の取得費算入を認め,譲渡損失と給与所得との通算を否定する。
設問2では徴収が違法という仮定に切り替え,訴訟類型の列挙を主題にしない。
令和6年1月1日施行の法令を用い,租税特別措置法を除く。
重み5は18項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:所得税法183条1項を源泉徴収の判断の出発点に置く。 〔必須〕
②番号4:免除益について所得税法9条1項15号の非課税を検討する。 〔必須〕
③番号7:内側の括弧により,通常給与への加算給付を除外の例外として読む。 〔必須〕
④番号8:使用人本人への給付が役員等の列挙項目に当たらないことを当てはめる。 〔必須〕
⑤番号12:Bの源泉徴収義務とAの申告納税義務が別個であると説明する。 〔必須〕
⑥番号13:国・BとB・Aの法律関係をそれぞれ分ける。 〔必須〕
⑦番号17:Aが確定申告の税額控除で誤徴収額を国から直接回収できないと説明する。 〔必須〕
⑧番号18:所得税法120条1項4号を,正当に徴収された又はされるべき税額に限定して解釈する。 〔高評価〕
⑨番号19:AがBに対して未払給与の一部債務不履行による支払を請求できると説明する。 〔必須〕
⑩番号27:減価償却に係る別段の定めとして法人税法31条1項を適用する。 〔必須〕
⑪番号29:年度末に有する・取得するという要件を,引渡しや所有権移転の私法評価と結び付ける。 〔高評価〕
⑫番号37:丙会員権を資産と評価し,第三者への譲渡損失が譲渡所得上のものと確認する。 〔高評価〕
⑬番号39:所得税法60条1項1号の所有継続擬制と取得費の引継ぎを問題にする。 〔必須〕
⑭番号41:相続前後の増加益の合計を超えて所得を把握しないという趣旨から付随費用を控除する。 〔必須〕
⑮番号48:69条2項から62条1項・施行令178条1項2号へ条文連鎖をたどる。 〔必須〕
⑯番号49:消費支出の性格又は帰属所得の非課税との見合いから,損失を担税力の減殺要素にしない理由を示す。 〔高評価〕
⑰番号51:複合目的の主目的を判断する客観的要素と,それを重視する理由を示す。 〔高評価〕
⑱番号52:Aの値上がり・節税への関心と,優先利用権・毎月の利用を比較して当てはめる。 〔高評価〕
公開記事の第2では内部の追跡IDと公開番号の対応を説明しているが,公開評価表の番号欄には旧IDの併記がないため,ここでは現在の番号だけを用いる。
記事:令和6年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 経済法
(1) 第1問
メーカー9社と卸業者Yが,55団体向け製品の供給予定者・入札価格を調整した事案である。
指名資格を持つ販売業者の非当事者性,X2の離脱,取決め全体の終期及びYの課徴金を検討する。
子記事の答案ではYの課徴金を1億5000万円と算定する。
Yが中小卸売業者ではないことを設問の前提とし,Yによる情報集約・価格指定・卸取引の確保を具体的に検討する。
重み5は8項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:本件取決めを2条6項の不当な取引制限として分類し,3条後段へ接続する。 [必須]
②番号5:販売業者は本件取決めの当事者でないことを踏まえ,その意思の連絡を認定できない理由を示す。 [必須]
③番号10:メーカー各社がYの指示価格に従うことで,相互に自主的事業活動を制約する構造を説明する。 [必須]
④番号11:Yが必ず卸取引に入る合意を分析し,Yとメーカー間の相互拘束を説明する。 [必須]
⑤番号16:競争の実質的制限を,市場支配力の形成・維持・強化又は価格等を自由に左右できる状態として定義する。 [必須]
⑥番号29:7条の3第2項3号ロの「違反行為の実行としての事業活動について指定」の要件を示す。 [必須]
⑦番号30:Yの指定行為が180件の供給調整を「容易にすべき重要なもの」に当たることを当てはめる。 [必須]
⑧番号31:直接のメーカー間交渉を避ける談合の仕組みを,Yの情報集約・落札者と価格の指示が支える中核的役割として評価する。 [高評価]
記事:令和6年司法試験経済法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した34項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
放射性医薬品αの既存供給者X社が,卸業者への供給停止,医療機関への供給停止及び新型自動投与装置γに関する根拠のない説明でY社の参入を妨げた事案である。
南関東・近畿の各α市場と,γの取引からαの競争への影響を区別する。
設問はX社の行為を中立的に検討するものである。
子記事の答案は排除型私的独占を主として論じ,(a)(b)の不公正な取引方法と,(c)のγ取引への妨害を別個に検討する。
許容分岐は適切な構成を選んで理由を示すものであり,全ての構成の併記を要求しない。
重み5は11項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号2:私的独占と不公正な取引方法の両規制を検討する。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
②番号6:短い利用可能時間と同じ12地域の拠点から二地域の各市場を画定する。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
③番号12:Z経由の供給断念と高費用の直接供給への移行を競争上の不利益と評価する。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
④番号19:多くの医療機関の購入断念を取引機会喪失の事実として使う。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑤番号23:X社がγを販売しなくてもαで競争するY社が競争関係のある事業者であると理由付ける。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑥番号26:未検査・根拠欠如を競争手段の不公正さとして独立に評価する。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑦番号28:人為性と参入・事業活動困難化を含む排除の規範を示す。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑧番号31:γ導入の妨害からαの需要拡大・販売促進阻害への因果経路を示す。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑨番号32:三行為の排除効果を総合的に評価する。 【高評価】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑩番号33:市場支配力の形成・維持・強化として実質的制限の規範を示す。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
⑪番号36:(a)(b)に偏らず(c)と私的独占の検討を完結させる。 【必須】 適用:全答案(許容分岐は選択肢のいずれか一つで充足)
記事:令和6年司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
4 知的財産法
(1) 第1問
合金の特許について,請求項・明細書・意見書を踏まえた技術的範囲,無効の抗弁及び自己公表の扱いを検討する。
独立した設問2は,通常実施権者の数量超過分が第三者へ販売された場合の販売停止請求と反論を問う。
設問1⑴は均等論を除き,⑵では訂正を考慮しない。
設問2では契約未解除と超過品の識別困難を前提とし,独占禁止法を扱わない。
子記事の答案はXの技術的範囲の主張を認めず,Y1の無効の抗弁を検討し,設問2では反論を示した上で数量超過分の販売停止を肯定する。
肯定・否定が許容される場面では理由と法的効果の一貫性を重視する。
重み5は14項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号2:明細書・意見書と文言のずれを踏まえ,Bの文言どおり範囲を確定できるかを問題にする。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:単なる文言対比で終わらない問題設定が答案骨格。
②番号3:拒絶理由に対して提出した意見書を出願経過として参酌する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:採点実感が一応の水準の分岐点とし,明細書だけの答案を批判。
③番号4:出願経過参酌を,信義則・禁反言等の法的根拠によって正当化する。 区分:高評価。適用条件:全答案 重みの理由:条文上の根拠のない参酌に根拠を示すことを良好・優秀の分岐点とする。
④番号7:無効抗弁では技術的範囲の属否と区別して発明の要旨を認定する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:両資料の中核で,採点実感が多くの答案の混同を指摘。
⑤番号11:6か月前のβ論文を要旨A及びBと対比し,29条1項3号の新規性欠如を主張・評価する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:新規性の具体的対比が無効抗弁の骨格。
⑥番号13:無効にされるべき特許であることから104条の3第1項によるXの権利行使制限へ結び付ける。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:要旨・無効理由から抗弁の法的効果までが答案骨格。
⑦番号17:70条の技術的範囲解釈をそのまま無効判断の要旨認定へ流用しない。 区分:負例。適用条件:全答案 重みの理由:明確な制度分類の混同が無効抗弁全体を崩すため骨格に当たる。
⑧番号22:30条の効果は対象公表を新規性・進歩性判断から除くことであり,出願日の遡及ではないと説明する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:採点実感が見落としの多い効果の理解を明示する重要分岐点。
⑨番号23:9か月前の自己公表への例外適用と分けて,6か月前のβ論文による新規性欠如が残るかを検討する。 区分:高評価。適用条件:全答案 重みの理由:効果を追加先行技術へ戻す比較が設問⑶の骨格で,採点実感は良好・優秀事項とする。
⑩番号25:X側の立論として,最高数量を超えたY2の製造が許諾範囲外の特許権侵害になることを示す。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:数量制限の効力が両対立構成を分ける中心軸。
⑪番号28:Y3の反論として,最高数量制限違反は債務不履行にとどまるという構成を明示する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:対立の核心の主張で,単なる消尽の一般論では代替できない。
⑫番号32:消尽の根拠として,製品の自由な流通・取引の安全を説明する。 区分:高評価。適用条件:全答案 重みの理由:消尽の二根拠の一つであり設問2の利益調整の骨格。
⑬番号33:消尽の根拠として,特許権者の対価確保の機会と二重利得防止を説明する。 区分:高評価。適用条件:全答案 重みの理由:消尽のもう一つの根拠で数量制限の利益との調整に不可欠。
⑭番号37:特許権者の利益と取引の安全のどちらを重視するかを,具体的な理由とともに選択する。 区分:必須。適用条件:全答案 重みの理由:利益調整と理由付けが設問2の最終答案骨格。
記事:令和6年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した41項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
図書館と同じ形への店舗の部分改築,図書館の絵はがきに写り込んだ絵画及び屋根の撤去工事を扱う。
Bの請求と妥当性,C・Dの攻撃防御,Bの工事阻止の請求を分けて論ずる。
子記事の答案は部分改築の複製権侵害を肯定する一方,建物写真の絵はがきの印刷・販売は46条により許されるとする。
絵画について30条の2を認め,Cの販売差止めを否定する。
屋根撤去は実用目的と人格的利益を調整した上で,信義に反する改変として予防請求を認める構成であり,公式の唯一指定結論とはしない。
重み5は7項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号2:〔高評価〕建築の鑑賞性と実用性を区別し,保護に値する美的創作性の判断基準を示す。
②番号7:〔高評価〕建築による複製は46条2号により自由利用から除外されると本件改築に当てはめる。
③番号13:〔高評価〕112条2項の在庫廃棄請求を印刷・販売の停止と区別する。
④番号16:〔高評価〕46条4号が美術の著作物のみを掲げ,建築を掲げない文言差を説明する。
⑤番号22:〔必須〕C側の複製・譲渡主張とD側の抗弁を別々の攻撃防御として配置する。
⑥番号37:〔必須〕未着工の撤去工事について,112条1項の侵害予防請求として中止を求める。
⑦番号39:〔高評価〕建築物の実用目的と人格的利益の調整という例外の趣旨を示す。
記事:令和6年司法試験知的財産法第2問の模範解答・評価項目―40項目と5段階の重み付け(AI作成)
5 労働法
(1) 第1問
長年勤務した上位スタッフ職が,退職予定後の飲酒人身事故により懲戒解雇され,賞与・退職金を不支給とされた事案である。
割増賃金,賞与及び退職金全額の各請求を検討する。
懲戒解雇を承服している前提を守り,解雇無効・地位確認を主題にしない。
実名報道から会社名の報道や具体的損害を補充しない。
子記事の答案は割増賃金請求を認め,賞与請求を否定し,退職金全額不支給は許されないが相当な一部減額は許されるとする。
重み5は12項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号2:管理監督者でなければ労基法37条に基づく割増賃金請求が生じると示す。 区分:必須
②番号4:労働時間等の保護を必要としない実態を持つため規制を除外するという趣旨から規範を導く。 区分:必須
③番号9:スタッフ職では管理監督者と同格以上の待遇上の位置付けを検討する。 区分:高評価
④番号10:スタッフ職が経営上の重要事項の企画立案等を担当するかを検討する。 区分:高評価
⑤番号15:賞与の根拠を合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。 区分:必須
⑥番号18:支給日在籍要件の合理性を賞与の性格・支給制度の目的から検討する。 区分:必須
⑦番号23:退職金請求も合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。 区分:必須
⑧番号24:54条の全部又は一部不支給の定めを特定し,規定の合理性と個別適用を区別する。 区分:必須
⑨番号26:基本給と勤続年数で額が定まる本件退職金の後払い性を具体的に分析する。 区分:高評価
⑩番号27:全額不支給の限定的解釈と,長年の勤続の功を抹消する重大な背信性の基準を示す。 区分:必須
⑪番号28:飲酒人身事故が職務外の非違行為であることに着目して背信性を評価する。 区分:高評価
⑫番号30:全額不支給が許されなくても一部減額・一定割合の支給を検討する。 区分:必須
記事:令和6年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した32項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
業務手当廃止とチェック・オフの団交を求めたX組合に対し,Y社が不十分な説明と交渉拒否をし,別組合Aと二つの協定を結んだ事案である。
X組合の立場から労組法7条2号・3号の主張,求める救済及び予想される命令を論ずる。
労組法5条1項の資格要件は満たすとの仮定を守り,手当廃止の私法上の有効性や個別の解雇無効を独立の主題にしない。
子記事の答案は両号の不当労働行為を認め,誠実交渉命令と再発防止の文書交付・掲示等を求める。
チェック・オフについての3号の否定構成も,交渉経緯を掘り下げた理由付けがあれば許容される。
重み5は12項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:7条2号と3号を分け,両交渉事項・両協定を検討する。(必須)
②番号7:必要な論拠の説明と裏付け資料提示を含む誠実交渉義務を定立する。(必須)
③番号10:廃止の必要性の説明・資料提示の十分さを中心に評価する。(必須)
④番号13:組合費のチェック・オフにも労基法24条1項ただし書の賃金控除協定が必要と示す。(必須)
⑤番号14:少数組合X自身は賃金控除協定の過半数組合としての締結主体になれないと指摘する。(必須)
⑥番号15:過半数代表者を選出して賃金控除協定を結ぶ余地を示す。(必須)
⑦番号16:法的制約と代替手続の双方からYの法律上無理との説明をXの主張と比較して評価する。(必須)
⑧番号18:不誠実団交・正当理由のない拒否があれば誠実交渉命令を求め発令を論ずる。(必須) 適用条件:不当労働行為肯定枝
⑨番号24:使用者は団交を含む全場面で各組合の団結権を平等に尊重し中立を保持するという規範を示す。(必須)
⑩番号26:各組合の組織力・交渉力に応じた合理的・合目的的対応は中立保持義務違反とならないと示す。(必須)
⑪番号27:A組合は過半数組合であるためAとのチェック・オフ協定が労基法24条に抵触しないことを確認する。(必須)
⑫番号33:実際に解雇しなくても協定が事実上Aへの加入を促進する機序を示す。(必須)
記事:令和6年司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
6 環境法
(1) 第1問
国定公園の普通地域と地域森林計画対象民有林での風力発電計画を素材に,認定申請と森林法・自然公園法・環境影響評価法の特例を検討する。
特定排出者の情報公表,排出量取引及び温暖化を理由とする公害調停の対象範囲を扱う。
出力6万キロワット,B町が計画策定市町村で促進区域を指定済み,実行計画協議会は未組織という前提を保つ。
子記事は認定と規制緩和,削減誘因及び法定の公害と温暖化の機序の違いを説明する。
取消訴訟の一般的訴訟要件や気候訴訟のあらゆる救済の成否を論ずる問題とは扱わない。
重み5は12項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号4:事業計画を作成し,温対法22条の2第1項に基づき認定を申請する。 区分:必須
②番号6:22条の2第3項の認定と認定計画に従う行為を特例の前提とする。 区分:必須
③番号8:温対法22条の6第1項により開発許可があったものとみなされると示す。 区分:必須
④番号10:温対法22条の8第2項により自然公園法の関係規定が不適用になると示す。 区分:必須
⑤番号11:出力6万kWを資料の閾値に当てはめ第一種事業と判定する。 区分:必須
⑥番号12:温対法22条の11により計画段階配慮手続が適用除外されると示す。 区分:必須
⑦番号13:特定排出者の算定排出量報告義務を温対法26条に結び付ける。 区分:必須
⑧番号15:情報を用いる手続的誘導を実体的基準の遵守を強制する伝統的規制と比較する。 区分:必須
⑨番号18:クレジット購入により削減義務を履行できると説明する。 区分:必須
⑩番号21:排出量取引の経済的手法を自力での基準達成を強制する従来規制と比較する。 区分:必須
⑪番号23:相当範囲の大気汚染等による健康・生活環境被害という公害の定義を示す。 区分:必須
⑫番号25:本件CO2大量排出による温暖化が法定の大気汚染に該当しない理由を示す。 区分:必須
記事:令和6年司法試験環境法第1問の模範解答・評価項目―31項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
工場の製造残渣と社員食堂の調理くず等を,限られた品目の許可しか持たないC社へ委託する事案である。
計画許可と既存業者の原告適格,実質役員Gの欠格要件,処理施設の故障後の通知・管理票交付者の措置及び行政命令を検討する。
設問3は逮捕・勾留中という現在の段階で欠格要件に該当しない理由を問う。
廃掃法上の権限は全てB市長にあるという前提に従い,原告適格の設問で本案の許可違法や国家賠償へ広げない。
子記事は原告適格を肯定する構成であり,その否定構成は対応する許容分岐で扱う。
重み5は14項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:【必須】製造残渣を,製造原料に係る固形状不要物として産業廃棄物に分類する。 条件:全答案
②番号2:【必須】社員食堂の調理くず・残飯は産業廃棄物に当たらず一般廃棄物とする。 条件:全答案
③番号3:【必須】産業廃棄物は委託対象品目の処理業許可を有する業者に委託すべきことを説明する。 条件:全答案
④番号13:【必須】計画許可として市町村長に広い裁量があるため取得の予測が難しいと説明する。 条件:全答案:ラベルだけでなく因果を記述
⑤番号15:【必須】取消訴訟の原告適格が問題であると把握し,利益保護について論理的に論じる。 条件:全答案
⑥番号20:【必須】制度を踏まえて既存業者の営業利益の個別的保護を理由付ける。 条件:本稿の肯定構成。否定構成では22により代替
⑦番号26:【必須】14条5項2号ニ→イ→7条5項4号チの欠格条文を接続する。 条件:全答案
⑧番号27:【必須】Gの私的傷害は廃棄物処理に関連せず,資料2の不正・不誠実のおそれの例に当たらないと説明する。 条件:全答案
⑨番号29:【必須】C社が14条13項の適正処理困難通知を甲社に発出すべきことを示す。 条件:全答案
⑩番号31:【必須】12条の3第8項を直接の根拠として,甲社の状況把握と適正措置を示す。 条件:全答案:管理票制度が評価の分かれ目
⑪番号32:【高評価】堆積廃棄物の中間処理業許可を持つ別業者と甲社が委託契約を締結する。 条件:本件の具体策:高評価であり全答案の一般的義務へ拡張しない
⑫番号33:【高評価】別の処理業者への運搬を確保するよう甲社がC社に指示する。 条件:本件の具体策:措置の具体化として評価。中間処理をC社へ再委託する構成ではない
⑬番号35:【必須】甲社の12条の3第8項違反が19条の5第1項3号ヘの管理票義務違反に該当すると接続する。 条件:全答案:直接根拠が評価の分かれ目
⑭番号37:【必須】排出事業者処理責任又は汚染者支払・原因者負担原則を具体的な命令制度と結び付ける。 条件:全答案:制度原則は少なくとも一つを具体化
記事:令和6年司法試験環境法第2問の模範解答・評価項目―42項目と5段階の重み付け(AI作成)
7 国際関係法(公法系)
(1) 第1問
P州の独立宣言に対するB国の国家承認と軍事介入を素材に,A国の反論,安保理理事国であるA国の棄権義務及び拒否権後の国連内の手段を検討する。
承認時と軍事介入後の実効支配を分ける。
子記事は尚早の承認による反論,内的・外的自決,第6章等と第7章の棄権義務の違いを示す。
総会・ICJ争訟・事務総長の各経路を検討するが,A国と支持7か国の計8か国を安保理の9票と混同しない。
ICJの管轄受諾や付託合意を与件から仮定しない。
重み5は11項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号4:承認時点のP共和国について国家成立要件,特に独立した実効的政府の存在を検討する。 【必須】
②番号5:国家成立要件を満たさない集団への尚早の承認を,A国に対する違法な干渉として構成する。 【必須】
③番号11:植民地独立等の外的自決と国内の政治的地位に関する内的自決を区別する。 【必須】
④番号15:主権平等を形式的な同一投票権に限定せず,加盟国の責任・義務と各機関の任務に即した実質的平等として説明する。 【必須】
⑤番号18:第6章及び52条3項による決定では,紛争当事国に27条3項ただし書の棄権義務が及ぶと示す。 【必須】
⑥番号19:第7章による決定には当該棄権義務が及ばないと反対解釈し,A国に一律の棄権を求める主張を退ける。 【必須】
⑦番号21:常任理事国の拒否権で安保理が機能しない場合,平和のための結集決議による緊急特別総会を提案する。 【必須】
⑧番号24:総会の集団的措置に関する決議は勧告的効力にとどまり,加盟国の参加を法的に義務付けないことを明示する。 【必須】
⑨番号27:A国がB国を被告としてICJに提訴する司法的救済を検討する。 【必須】
⑩番号29:提訴にはICJ規程36条のいずれかの管轄根拠とB国の管轄同意が必要であり,国連加盟のみで管轄は生じないと説明する。 【必須】
⑪番号35:国連事務総長への付託又は注意喚起という救済経路を提示する。 【必須】
記事:令和6年度司法試験国際公法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
公海衝突後にB国がA国籍船長を刑事処罰し,A国がODA停止等を伝えた事案である。
A国の違反主張の根拠,B国の不干渉・武力の威嚇違反の主張へのA国の反論及び判決後の国家責任を検討する。
B国は海洋法条約の非当事国であるため,同内容の慣習国際法への主張を構成する。
子記事はA国の行為がそもそも違反でないという反論を主位に置く。
設問3ではB国の違反認定済みという前提を守り,付託合意は違反の有無だけに限られるため,ICJに救済を命ずる判決を求める問題へ置き換えない。
重み5は5項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号1:公海衝突に関する船長等の刑事手続を旗国又は本人の国籍国に限る97条1項の規律を示す。 〔必須〕
②番号4:97条1項と同内容の慣習国際法への違反をA国の主張として構成する。 〔必須〕
③番号12:不干渉の対象を,国家主権に基づき自由に決定できる国内管轄事項に限定する。 〔必須〕
④番号17:軍事大国の外務大臣による「必要な全ての手段」という発言が武力による威嚇となるかを争点化する。 〔必須〕
⑤番号23:B国の違反認定が既にされている前提を保ち,判決後の国家責任上の請求内容を答える。 〔必須〕
記事:令和6年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―35項目と5段階の重み付け(AI作成)
8 国際関係法(私法系)
(1) 第1問
日本法人Xと甲国法人Yの衣料品契約について,日本の国際裁判管轄,法選択のない契約の準拠法及び外国の3年期間制限を検討する。
独立した設問2は,代表者への不法行為請求を仲裁合意により却下した判断過程を問う。
各小問及び設問1・2の独立性を保ち,国際物品売買契約に関する国際連合条約を除外する。
子記事は具体的業務関連性を要求して管轄を否定し,法選択のない契約は日本法,消滅時効は甲国法を適用する。
設問2では却下という与件を守り,主契約と仲裁合意の準拠法を別に検討して甲国法の黙示選択を説明する。
重み5は8項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号5:【高評価】業務関連性について抽象的関連性説と具体的関連性説の対立を認識し,採る基準を明示する。
②番号6:【高評価】業務関連性の自説を応訴予測可能性など制度趣旨に即して理由付ける。
③番号14:【必須】当事者の法選択がない契約の効力を通則法8条1項の最密接関係地法に連結する。
④番号23:【必須】日本法の推定を機械的に確定せず,甲国接点との比較から推定が覆るか理由を示す。
⑤番号24:【必須】外国の3年期間を債権の運命か訴訟手続かという性質決定から検討する。
⑥番号32:【必須】代表者Aへの人的範囲を仲裁合意の効力の問題としてその準拠法により判断する。
⑦番号33:【必須】主契約と仲裁合意の準拠法を別個に検討し,主契約法を直結させない。
⑧番号36:【必須】主契約の甲国法の明示選択から仲裁合意について甲国法の黙示選択を認定する橋を示す。
記事:令和6年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)
(2) 第2問
日本人Aと甲国人Bの夫婦が乙国人Cを養子とする場面で,本国法,管轄一体型規定,試験養育・報告及びFの同意を検討する。
B死亡後の共同預金,録画遺言及びCの遺留分侵害額請求を別に扱う。
管轄,設問2での有効な縁組成立及びFの嫡出性を所与とし,指定小問の反致なしという条件を守る。
子記事は養親子関係ごとの分配的適用,甲国からの隠れた反致の肯定と乙国からの反致の否定,報告主体の手続的代行及び具体的結果の公序による排除を採る。
録画遺言は丙国法により方式上有効,遺留分の準拠法は甲国法とし,遺留分額の計算を求める問題とは扱わない。
重み5は11項目であり,現在の公開表では次の事項である。
①番号2:AC間・BC間の法律関係に分けて分配的に準拠法を決める 【必須】
②番号6:甲国法①を,国際裁判管轄と法廷地法適用を結合する規定と分析する 【必須】
③番号11:両養親子関係に養子Cの乙国法上の保護要件を追加適用する 【必須】
④番号12:乙国法からの反致を検討し,不成立であることを示す 【必須】
⑤番号17:甲国公認ソーシャルワーカーという報告主体の部分を手続問題と区別する 【高評価】
⑥番号19:家庭裁判所調査官の報告が甲国の報告要件と実質的に同等であると理由付ける 【高評価】
⑦番号21:通則法31条1項後段の「第三者」の範囲について規範を先に示す 【必須】
⑧番号28:録画による遺言の可否を遺言の方式と性質決定する 【必須】
⑨番号29:遺言方式法2条の選択的連結により一つの連結法への適合で足りると示す 【必須】
⑩番号34:遺留分の最低保障という趣旨を示して相続と性質決定する 【必須】
⑪番号37:共同預金が丙国法上遺産外でも,その処分による遺留分侵害は相続として扱う理由を示す 【必須】
記事:令和6年司法試験国際私法第2問の模範解答と評価項目―公式資料から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)
第4 16記事に共通する作り方
1 評価項目の抜き出し方
各記事は出題の趣旨と採点実感から,一つの行に一つの判定対象を置いている。
根拠欄の頁・見出しと項目の具体的な内容を対応させ,公式の一般的な記述を答案で判定できる形へ具体化している。
「記載なし」は子記事が対象の関連範囲を読んだ結果であり,「間接」は関連記述から導いた推論として区別される。
必須は本問の骨格,高評価は論述を深める事項,負例は誤りの回避,許容分岐は当該構成を採る場合の取扱いである。
高評価や負例にも重み5が付くため,重みだけから全答案の必須記載に読み替えない。
条件付きの別構成を全て一つの答案へ累積的に要求しない。
2 5段階の重み付け
①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨と採点実感の双方の取上げ方を,各子記事の定義に従って判断した事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が触れる補強又は典型的な誤り。
⑤重み1:一方が控えめに触れる事項。
重み4の表現は一つにまとめない。
倒産法第1問,経済法第2問,知的財産法第1問,国際関係法(公法系)第1問及び国際関係法(私法系)第1問には「取り上げた」という基準があり,補足で具体的な誤りの指摘も含むことを説明している。
他の問題にも「評価又は具体的な誤りの指摘」「具体的説明・評価・誤りの指摘」等の表現がある。
これらを「高く評価した」と同じ意味に読み替えず,各記事の第2の定義と第4の根拠欄で積極的評価,不足の指摘及び誤りの指摘を区別して確認する。
3 模範解答と解説
模範解答は,設問が指定した立場・結論・仮定・除外事項に応じた構成である。
全科目が一つの立場だけを採るわけではなく,主張と反論を分ける問題,独立した小問,判断済みの結論から理由を説明する問題もある。
各子記事の答案と枠外の解説を併せて読み,採用構成と許容される別構成を区別する。
第5 重みの分布の比較
各評価表の実際の行から,重み1~5の件数,項目数及び重みの単純合計を数えた。
N=n1+n2+n3+n4+n5,W=n1+2×n2+3×n3+4×n4+5×n5である。
次の二つの表は同じ16問を同じ順に示す。
| 科目・問題 | 重み5 | 重み4 | 重み3 |
|---|---|---|---|
| 倒産法第1問 | 10 | 14 | 6 |
| 倒産法第2問 | 8 | 21 | 2 |
| 租税法第1問 | 19 | 21 | 8 |
| 租税法第2問 | 18 | 13 | 9 |
| 経済法第1問 | 8 | 14 | 9 |
| 経済法第2問 | 11 | 14 | 12 |
| 知的財産法第1問 | 14 | 18 | 6 |
| 知的財産法第2問 | 7 | 22 | 7 |
| 労働法第1問 | 12 | 15 | 2 |
| 労働法第2問 | 12 | 14 | 6 |
| 環境法第1問 | 12 | 14 | 4 |
| 環境法第2問 | 14 | 19 | 5 |
| 国際関係法(公法系)第1問 | 11 | 10 | 15 |
| 国際関係法(公法系)第2問 | 5 | 13 | 16 |
| 国際関係法(私法系)第1問 | 8 | 17 | 10 |
| 国際関係法(私法系)第2問 | 11 | 17 | 6 |
| 16問の合計 | 180 | 256 | 123 |
| 科目・問題 | 重み2 | 重み1 | 項目数 | 重みの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 倒産法第1問 | 10 | 0 | 40 | 144 |
| 倒産法第2問 | 7 | 0 | 38 | 144 |
| 租税法第1問 | 8 | 0 | 56 | 219 |
| 租税法第2問 | 19 | 1 | 60 | 208 |
| 経済法第1問 | 3 | 0 | 34 | 129 |
| 経済法第2問 | 3 | 0 | 40 | 153 |
| 知的財産法第1問 | 3 | 0 | 41 | 166 |
| 知的財産法第2問 | 4 | 0 | 40 | 152 |
| 労働法第1問 | 3 | 0 | 32 | 132 |
| 労働法第2問 | 8 | 0 | 40 | 150 |
| 環境法第1問 | 1 | 0 | 31 | 130 |
| 環境法第2問 | 4 | 0 | 42 | 169 |
| 国際関係法(公法系)第1問 | 2 | 0 | 38 | 144 |
| 国際関係法(公法系)第2問 | 1 | 0 | 35 | 127 |
| 国際関係法(私法系)第1問 | 16 | 0 | 51 | 170 |
| 国際関係法(私法系)第2問 | 9 | 0 | 43 | 159 |
| 16問の合計 | 101 | 1 | 661 | 2496 |
本記事では,重み5を手続・条文・主体・効果の骨格と,理由付けや具体的評価を深める事項に分けて読むことが有用と整理する。
例えば労働法第1問の番号9・10は高評価の区分であり,国際関係法(私法系)第2問の番号17・19も高評価の深度に関する事項である。
環境法第2問の番号20は子記事の原告適格肯定構成に適用し,否定構成では番号22による代替が示されている。
重み5の全項目を全答案の累積的な必須要件として扱わない。
科目や問題によって評価項目の分解の細かさが異なる。
件数や重みの合計は,難易度,科目選択の有利不利,公式の配点,予想得点又は合格可能性を示す数字ではない。
第6 関連記事
①令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)
②令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答(AI作成)
③令和8年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の参考答案(AI作成)
④法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在―年度別の実施・結果・出題趣旨・採点実感のページ一覧(AI作成)
⑤司法試験の採点実感から学ぶ法律文書の書き方―準備書面・意見書・相談メモのチェックリスト(AI作成)
第7 出典
1 公式資料
①法務省・令和6年司法試験問題
②令和6年司法試験論文式試験問題集[選択科目]
③令和6年司法試験論文式試験出題の趣旨
④令和6年司法試験の採点実感[選択科目]
⑤令和6年司法試験の実施日程等について
2 確認状態
本記事の概要,設問の指定,評価項目及び重みは,令和8年10月10日時点の16子記事を整理したものである。
各公開評価表の行,現在の番号及び5段階の重みを数え直し,題名・導入・分布の記載と照合した。
同日の法務省ページと上記PDFの応答を確認し,問題PDFの科目見出し・掲載順及び資料の表題を確認した。
公式資料のリンクが応答することと,16問の出題の趣旨・採点実感を本記事で独立に審査し直したことは区別する。
本記事では各子記事の分析を整理しており,全問の公式要求,試験当時の全条文又は判決原文を独自に再検証したという意味ではない。
個別の法的根拠と許容構成は,各子記事の評価表・解説・出典で確認する。