第1 この記事の対象
令和元年司法試験の論文式試験について,選択科目を除く主要7科目7問の模範解答記事を一覧にしたものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目と短答式試験は対象に含まれない。
令和8年10月8日時点の7子記事の公開評価表から再集計した評価項目は合計486項目,重み5は合計135項目である。
7記事とも重み1~5の5段階であり,必須,高評価,負例及び許容分岐の区分・適用条件は重みとは別に確認する。
模範解答はAIが作成した答案例であり,法務省の公式解答ではない。
評価項目の切り分けと重みは子記事独自の分析であり,公式採点基準・項目別配点・予測得点を表すものではない。
第2 7記事の一覧
| 科目 | 主な論点 | 評価項目 | 重み5 |
|---|---|---|---|
| 公法系第1問(憲法) | 虚偽表現の刑罰規制,選挙時のSNS削除と手続保障 | 67 | 19 |
| 公法系第2問(行政法) | 土地収用,違法性の承継,無効確認の補充性,裁量審査 | 70 | 25 |
| 民事系第1問(民法) | 建築請負の所有権・工作物責任,将来賃料譲渡,動機の錯誤 | 68 | 23 |
| 民事系第2問(商法) | 少数株主の自主招集と提案,買収防衛策,総会決議と取締役責任 | 74 | 19 |
| 民事系第3問(民事訴訟法) | 管轄合意・留置,請求追加と自白,死亡した作成者の日記 | 65 | 16 |
| 刑事系第1問(刑法) | カードすり替え,事後強盗の共犯,被救助者への傷害 | 73 | 11 |
| 刑事系第2問(刑事訴訟法) | 別件逮捕・勾留,公判前整理手続後の訴因変更 | 69 | 22 |
第3 各問題の概要と重み5の事項
以下の番号は,各子記事の現在の公開評価表の通し番号である。
項目本文と区分・条件を一件ずつ対応させており,旧IDを推測して補っていない。
根拠資料の頁・節と重みの判断理由は,リンク先の評価表及び重みの分布の説明に示されている。
1 公法系第1問(憲法)
虚偽の情報が店舗への殺到や選挙の公正への懸念を生じさせたことを背景に,A省への立法助言を行う問題である。
措置①の一般的な虚偽表現の禁止・処罰と,措置②の選挙時のSNS上の表現の削除を分け,投稿者とSNS事業者の自由,過剰削除及び削除命令の手続保障を検討する。
法律家として自己の見解と異なる見解への応答を示し,独立行政委員会という制度自体の合憲性は論じない。
国外事業者への適用に必要な法整備は行われる前提である。
子記事の答案は①を現案のままでは違憲とし,②にも実体的要件と手続の修正が必要とするが,これが唯一の指定結論という意味ではない。
重み5は19項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:A省への立法助言として自己の見解を軸に論じる。 区分:必須
②番号3:①と②を独立して審査する。 区分:必須
③番号4:①の一般的刑罰規制と②の限定された削除規制の差を示す。 区分:必須
④番号5:保障・制約・審査規範・具体的当てはめの順で合憲性を判断する。 区分:必須
⑤番号9:厳格な審査規範を適用段階で理由なく緩めない。 区分:必須
⑥番号10:自己の立場を明確にして異なる立場へ具体的に応答する。 区分:高評価
⑦番号14:虚偽又は故意を理由に無検討で保障外・低価値としない。 区分:必須
⑧番号20:①はSNSに限られず何人にも適用されると把握する。 区分:必須
⑨番号25:虚偽の恣意的認定が真実の表現を萎縮させる危険を示す。 区分:必須
⑩番号29:明確性だけで終えず目的・手段審査も行う。 区分:必須
⑪番号30:①を制限の強い表現内容規制と評価する。 区分:必須
⑫番号35:現実に生じた混乱自体を対象とする代替規制を検討する。 区分:高評価
⑬番号38:②で投稿者の表現の自由への制約を示す。 区分:必須
⑭番号39:②でSNS事業者の表現の自由への制約を示す。 区分:必須
⑮番号47:②を合憲とするなら厳格な規範の下で削除の不可避性を具体的に示す。 区分:必須
⑯番号53:13条の故意・重過失のない誤削除免責が予防的過剰削除を誘発すると示す。 区分:高評価
⑰番号61:20条が事前の告知・弁明の機会を除外すると把握する。 区分:必須
⑱番号62:20条が理由提示も除外すると明示して評価する。 区分:必須
⑲番号67:採用した審査規範と事実評価から一貫した結論・修正助言を導く。 区分:必須
記事:令和元年司法試験公法系第1問の模範解答・評価項目―67項目と5段階の重み付け(AI作成)
2 公法系第2問(行政法)
道路事業の事業認定と権利取得裁決という二段階の処分を通じた救済を扱う。
設問1は事業認定の違法を裁決の取消訴訟で争えるか,設問2(1)はC市への民事訴訟と裁決無効確認訴訟の救済効果の比較,設問2(2)は事業の利益衡量と判断過程の審査を問う。
子記事の答案は違法性の承継と補充性を肯定する構成を採り,交通量,池の環境・教育価値,代替ルート,地下水及び防災井戸への影響を評価する。
手続は適法に履行されているとの前提を維持し,設問1の正当理由,設問2(2)の重大明白性・土地収用法20条4号・手続違反は検討しない。
別構成を採る場合も,制度・判決効・具体的事実に即した理由付けを要するという子記事の説明を踏まえて読む。
重み5は25項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:【必須】先行認定と後行裁決が別個の処分であるため違法性の承継が問題になると示す
②番号2:【必須】独立の取消訴訟・出訴期間による法的安定性を不承継原則の根拠にする
③番号4:【必須】事業認定が裁決の法的前提となることを関係法令で示す
④番号5:【必須】二段階が結合して一つの収用効果を完成することを説明する
⑤番号6:【必須】手続的保障を例外判断の観点として規範に置く
⑥番号7:【高評価】説明・告示・長期縦覧・補償周知を列挙して制度上の保障を具体化する
⑦番号8:【高評価】個別の任意交渉だけでなく制度に内在する救済時期を分析する
⑧番号11:【高評価】安全認定の制度と土地所有者への保障の違いを検討する
⑨番号19:【必須】行訴法36条後段の補充性に問題を限定する
⑩番号20:【必須】より直截的で適切な争訟形態という判例の比較基準を示す
⑪番号21:【必須】裁決無効を前提とするC市への所有権確認訴訟を示す
⑫番号23:【必須】民事訴訟を行訴法45条の争点訴訟として位置付ける
⑬番号26:【必須】争点訴訟には行訴法33条の拘束力がないと示す
⑭番号27:【必須】無効確認認容判決の拘束力を38条1項・33条で根拠付ける
⑮番号28:【必須】C市とB県収用委員会の主体差を判決効の比較へ結び付ける
⑯番号29:【必須】既存の権利取得裁決を前提とした将来の明渡裁決を問題にする
⑰番号30:【高評価】認定告示後1年の新規裁決申請制限をB県の反論として検討する
⑱番号31:【高評価】第三者効の有無を民事との比較に位置付ける
⑲番号32:【高評価】32条1項の明文準用がなく拘束力と第三者効が異なると示す
⑳番号34:【高評価】執行停止の可能性を行政的救済の具体的利点として比較する
㉑番号47:【必須】法20条3号の要件充足に裁量があると明示する
㉒番号51:【必須】法1条を踏まえ増進公益と失われる利益を比較衡量する
㉓番号53:【必須】重要事実の欠如と判断過程の合理性を裁量審査基準に置く
㉔番号58:【高評価】B県の政策的・技術的反論を具体的事実に即して検討する
㉕番号68:【高評価】調査・考慮の欠落から著しい不合理という最終審査基準まで論証する
記事:令和元年司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―70項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 民事系第1問(民法)
建築請負で完成した建物の所有権帰属と工作物責任,先行する将来賃料債権譲渡と賃貸人の交代,免責的債務引受けに関する動機の錯誤を扱う。
設問1では完成前に代金の80%を支払った事情を評価し,後半ではA所有との指定仮定に従って負傷したCへの責任を検討する。
設問2ではHとFの主張を強く構成して当否を論じ,設問3ではFの主張が正当との仮定の下でGとの債務引受契約の無効を検討する。
子記事の答案は完成時のAへの帰属,Fの優先,賃料取得の動機に関するHの錯誤無効を採るが,理由付けと当てはめが整合する別構成も区別している。
以下の請負人帰属原則や支払による例外に関する項目は,記載された構成を採る場合に適用する。
重み5は23項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:完成建物が敷地と別個独立の所有権客体であることを示す。 【必須】全答案
②番号2:帰属合意を契約自由の原則によって優先する。 【必須】全答案
③番号3:合意がなければ材料提供者への帰属を原則とする。 【必須】請負人帰属を原則とする構成を採る場合
④番号9:例外の支払基準を全額か大半か明示する。 【必須】支払による帰属の例外を論ずる場合
⑤番号10:支払による例外の根拠と判断基準を一貫させる。 【必須】支払による帰属の例外を論ずる場合
⑥番号15:8割という数字だけで帰属を決めず根拠に沿って当てはめる。 【負例】支払割合による帰属の当てはめを行う場合
⑦番号19:設置・保存の瑕疵を通常備えるべき安全性の欠如とする。 【必須】全答案
⑧番号26:占有者免責後に所有者が二次的責任を負う構造を示す。 【必須】全答案
⑨番号27:必要注意をその種の占有者が通常尽くすべき注意とする。 【必須】必要注意を通常水準と捉える場合
⑩番号36:Hの主張・Fの主張・当否を順に分けて論ずる。 【必須】全答案
⑪番号37:当然承継の前提となるEの引渡しと借地借家法31条の対抗力を示す。 【必須】全答案
⑫番号44:債務者対抗要件467条1項と第三者対抗要件同2項を分ける。 【必須】全答案
⑬番号46:HからDは自己取得する債権しか処分できずHに発生する債権に効力が及ばないと主張する。 【必須】全答案
⑭番号48:Fから同じ賃貸借から生ずる債権に先行譲渡の効力が及ぶと主張する。 【必須】全答案
⑮番号51:単なる対抗要件の先後でなく譲渡効の射程自体を比較する。 【負例】全答案
⑯番号52:採用説を理論面と実質的妥当性の両方から根拠付け反対論に応答する。 【高評価】全答案
⑰番号54:問題となる動機を賃料取得の誤認か売買代金債務負担の誤認か明確に特定する。 【必須】全答案
⑱番号57:動機錯誤に95条を当然適用せず採用する無効要件と理由を示す。 【必須】全答案
⑲番号60:動機の表示と法律行為の内容化を別の判断として行う。 【必須】全答案
⑳番号61:内容化の意味について了解説か効力前提受入説か等の基準と理由を示す。 【高評価】全答案
㉑番号62:Gの認識と一体取引の見返りを内容化の基準へ当てはめる。 【必須】全答案
㉒番号63:採用する内容化説と整合して錯誤の重要性を判断する。 【必須】全答案
㉓番号65:95条ただし書の重過失を事実に即して判断する。 【必須】全答案
記事:令和元年司法試験民事系科目第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け(AI作成)
4 民事系第2問(商法)
投資ファンド乙社が上場する甲社の遊休資産売却と増配を求める事案である。
設問1は少数株主による自主招集と定時総会での株主提案を比較し,振替法の手続は検討しない。
設問2は乙社だけが行使できず取得対価も1円となる新株予約権無償割当ての差止めを扱い,総会手続は適法との前提に立つ。
設問3は決議結果を反転させ,定款変更とP倉庫売却が可決された後,地震でP倉庫が必要になった事情とAの責任を検討する。
子記事の答案は差止め,定款変更の有効性,事情変更後の株主意思確認を怠ったAの責任を肯定する構成を採る。
平等原則ルート,不公正ルート及び再決議義務構成の条件付き事項を全答案へ累積要求しない。
子記事に掲げられた設問間の配点割合は30:50:20である。
重み5は19項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号2:【必須】招集請求には総議決権3%以上の6か月継続保有を要すると示す。
②番号9:【必須】議題提案には1%以上又は300個以上の議決権の6か月継続保有を示す。
③番号12:【必須】議案要領通知請求を議題提案と別の権利として説明する。
④番号20:【必須】議事運営への乙の意向反映を二経路で具体的に比較する。
⑤番号21:【必須】自主招集では乙が招集・開催の費用を負担し定時総会利用では甲が負担すると比較する。
⑥番号29:【必須】差別的条件による株主地位の実質的変動から247条類推を根拠付ける。
⑦番号31:【必須】247条1号の法令・定款違反と平等原則の主張を接続する。(適用条件:平等原則ルート採用時)
⑧番号34:【必須】株主資格に基づく割当てと278条2項から109条1項の趣旨が及ぶと理由付ける。(適用条件:平等原則ルート採用時)
⑨番号38:【高評価】株主自身の必要性判断は正当性を失わせる重大な瑕疵がなければ尊重すると示す。(適用条件:平等原則ルート採用時)
⑩番号39:【高評価】定款の総会権限追加がないため承認は勧告的決議であることを評価する。
⑪番号42:【必須】必要性と差別的取扱いの相当性を分離し総会可決だけで相当性を肯定しない。(適用条件:平等原則ルート採用時)
⑫番号43:【高評価】1円の取得対価が乙に経済的損害を与えることを検討する。
⑬番号45:【高評価】撤退可能性が相当性を支える反論を認識し影響又は影響しない理由を論ずる。(適用条件:平等原則ルート採用時)
⑭番号55:【高評価】勧告的総会決議の存在を考慮して主要目的ルールから結論へ進む接続を論証する。(適用条件:不公正ルート採用時)
⑮番号57:【必須】定款で総会決議事項を追加できる295条2項の文言を出発点にする。
⑯番号62:【必須】決議1の効力から決議2の効力へ接続する。
⑰番号64:【必須】有効な総会決議の遵守義務を355条で示す。(適用条件:有効説採用時)
⑱番号67:【許容分岐】重大な事情変化後の再度の株主意思確認を怠った任務懈怠を論証する。(適用条件:再決議義務構成採用時)
⑲番号74:【必須】決議の効力・遵守義務・事情変化を任務懈怠と過失の判断へ一貫して接続する。
記事:令和元年司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した74項目と5段階の重み付け(AI作成)
5 民事系第3問(民事訴訟法)
キャンピングカーのベッド落下事故をめぐり,管轄合意,請求追加後の自白及び死亡した設計者の日記を扱う。
設問1はX側からA地裁での審理を立論し,専属的合意を前提とする小問ではその指定仮定を維持する。
設問2は事故を認める陳述,腕時計修理費の請求追加,認否撤回の順序から自白の成立と拘束を検討し,具体的な撤回事由の成否は論じない。
設問3は日記の提出義務を判断するための要件と考慮事項を整理し,技術・職業の秘密と提出義務の最終結論は検討しない。
子記事の答案は付加的合意と移送規定の類推による留置,主要事実限定説・証明責任説に基づく自白の検討を採り,設問3で結論を出さない構成である。
重み5は16項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:【必須】専属的合意と付加的合意の効果の違いを示す。
②番号2:【必須】Yが複数の法定管轄をB地裁へ絞ったと解する合理的意思の根拠を示す。
③番号3:【必須】Yの専属解釈への反論を経て,付加的合意を採る立論を閉じる。
④番号10:【必須】専属的合意という指定仮定を維持してA地裁審理を立論する。
⑤番号13:【必須】法定管轄の根拠を5条1号の返還債務履行地又は5条5号のA支店業務へ対応させる。
⑥番号15:【必須】17条の類推適用によってA地裁に留置する法的構成を示す。
⑦番号18:【必須】17条の著しい遅滞回避又は当事者間の衡平という必要性を具体的に評価する。
⑧番号29:【必須】自白の成立要件を,弁論としての陳述・一致・事実・自己への不利益の4つとして示す。
⑨番号32:【必須】自白の対象事実の範囲について,採用説と根拠を示す。
⑩番号37:【必須】不利益性について採用説の根拠を示し,対象事実論と整合させる。
⑪番号41:【必須】認める陳述→請求追加→撤回という順序から,拘束の新生・拡張を問題にする。
⑫番号45:【高評価】撤回可否を,自白の意義・訴え変更における被告の保障・双方利益から論理的に結論付ける。
⑬番号50:【必須】220条4号ニの自己利用文書該当性を中心に据える。
⑭番号51:【必須】自己利用文書の要件を内部文書性・看過し難い不利益・特段事情の有無に分ける。
⑮番号58:【高評価】死後の開示可能性が将来の日記作成一般を萎縮させる利益を論ずる。
⑯番号60:【高評価】死亡・相続・萎縮という各事実を提示した自己利用文書の要件へ体系的に配賦する。
記事:令和元年司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け(AI作成)
6 刑事系第1問(刑法)
金融庁職員を装ったカードすり替え,窃盗未遂直後に途中参加した乙の共犯,防衛行為により被救助者D自身を傷害した丙の責任を扱う。
設問1はAに対する罪責が対象であり,翌日のATM行為をその対象へ追加しない。
設問2は事後強盗の共同正犯と脅迫の共同正犯の双方から説明し,自説と根拠を示すことを求める。
設問3はボトルの投擲がDを救う唯一の手段との与件を維持し,丙の責任を否定する複数の理論とそれぞれの難点を示す。
子記事の答案は設問1を窃盗既遂,設問2を身分犯の構成による事後強盗未遂の共同正犯とし,脅迫の共同正犯にとどめる構成も説明している。
重み5は11項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:窃盗と詐欺の区別を処分行為の有無から論じる 必須/常時
②番号2:印鑑を取りに行かせた時点を処分行為の判断場面として特定する 必須/常時
③番号21:事後強盗共同正犯説と脅迫共同正犯説の双方の理論を示す 必須/常時
④番号22:事後強盗の身分犯説と結合犯説を実行行為の違いから区別する 必須/常時
⑤番号32:最終的に自説の構成と結論を明示する 必須/常時
⑥番号33:自説の根拠を示し他説との違いを理由付ける 必須/常時
⑦番号40:甲の逮捕免脱と乙の取返防止という目的差の効果を明示する 高評価/事後強盗構成
⑧番号46:有形力でDに生理的機能障害を与え傷害罪の客観的構成要件を満たすと示す 必須/常時
⑨番号47:責任否定の複数理論を犯罪論の各層で示す 必須/常時
⑩番号50:故意を否定しても過失傷害の成立可能性が残る難点を示す 高評価/故意否定構成を示す場合
⑪番号61:結果被害者が無関係第三者でなく被救助者D自身である特殊性を評価する 高評価/常時
記事:令和元年司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した73項目と5段階の重み付け(AI作成)
7 刑事系第2問(刑事訴訟法)
強盗致死の証拠が足りない状況で,集金3万円の着服という別件による逮捕・勾留中に本件を取り調べた事案を扱う。
設問1は身体拘束そのものの適法性について,自説と理論・結論がともに異なる反対構成,その不採用理由を示す。
余罪取調べの適否だけに問題を置き換えない。
設問2は公判で集金権限の欠如が明らかになり,業務上横領から詐欺への訴因変更が請求されたことを前提に,変更の可否と公判前整理手続後の許否を分けて論じる。
子記事の答案は3月20日までの拘束を適法とし,訴因変更も許可すべきとするが,拘束について適法・違法の一方だけが指定された問題ではない。
重み5は22項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:横領を別件,強盗致死を本件とする別件逮捕・勾留の問題を捉える 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:拘束の問題を取調べの問題から分ける入口。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
②番号2:身体拘束の適法性の自説の判断基準を明示する 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:自説の規範が当てはめを統御する骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
③番号3:採用基準を事件単位の令状審査等の制度的根拠から導く 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:規範を制度から導く論証の骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
④番号4:採用理論から違法になる場合の条件を具体化する 区分:必須。由来:両者由来。 適用:全答案・選んだ基準に対応。 重みの理由:拘束違法へ移る条件を説明する骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑤番号26:各事実が自説の基準に対して持つ具体的な意味を述べ結論へ接続する 区分:高評価。由来:両者由来。 重みの理由:事実の列挙から法律評価への分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑥番号27:自説と理論構成及び結論の双方が異なる反対説を示す 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:設問が比較を要求する二つの出力の骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑦番号28:反対説の違法判断基準を明示する 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:反対説の評価尺度の骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑧番号29:反対説の基準を本件令状審査の保障等の理論的根拠から導く 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:反対説の根拠を示す比較論証の骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑨番号30:反対説に対応する具体的事実を選び異なる結論まで論証する 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:反対説を実際の異なる結論まで閉じる骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑩番号31:反対説を採用しない理由を自説の根拠と連動させる 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:自説と反対説の理由を連動させる分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑪番号33:余罪取調べの適否と身体拘束自体の適否を取り違えない 区分:負例。由来:両者由来。 重みの理由:評価対象となる処分の取り違えを防ぐ骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑫番号35:本件基準説を本件の逮捕・勾留要件充足だけの審査と理解しない 区分:負例。由来:両者由来。 適用:本件基準説を採用又は比較。 重みの理由:本件基準説の基本的意味を保持する骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑬番号39:逮捕,当初勾留,延長後勾留の法律上の単位で全期間の要件を検討する 区分:高評価。由来:両者由来。 重みの理由:法的処分単位で拘束全期間を評価する骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑭番号41:既に請求された訴因変更の可否と公判前整理後の許否を分ける 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:変更の可否と許否を別層にする入口。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑮番号45:訴因変更制度の意義から同一性を要求する実質的理由を説明する 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:同一性という限界の制度的理由の骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑯番号54:抽象的な社会通念上同一というラベルだけで当てはめを終えない 区分:負例。由来:両者由来。 重みの理由:同一性のラベルと具体的理解を分ける分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑰番号57:公判前整理の目的を充実・継続・計画・迅速な審理と争点証拠整理で説明する 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:終了後変更の制限を導く制度的骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑱番号58:変更により争点証拠整理・審理計画が無意味化する危険を制度的根拠として示す 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:整理手続の無意味化を制限根拠へつなぐ骨格。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑲番号60:制度趣旨を没却するかという許否基準を示す 区分:必須。由来:両者由来。 重みの理由:公判前整理後の許否判断の規範。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
⑳番号61:整理手続中に検察官が変更必要性を意識する契機があったかを検討する 区分:高評価。由来:両者由来。 重みの理由:変更契機の有無という経緯審査の分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
㉑番号64:変更により審理計画がどれほど修正されるかを独立の観点から検討する 区分:高評価。由来:両者由来。 重みの理由:審理計画の修正幅という影響審査の分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
㉒番号66:双方に追加証拠請求がないことを審理計画への影響へ結び付ける 区分:高評価。由来:両者由来。 重みの理由:追加立証の有無を審理計画へつなぐ重要事実評価の分岐。対応する公式箇所の取り上げ方を根拠とする。
記事:令和元年司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した69項目と5段階の重み付け(AI作成)
第4 7記事に共通する作り方
1 評価項目の抽出
各記事は,出題の趣旨と採点実感を問題・設問ごとに対応させ,一つの行に一つの判定対象を置いている。
根拠欄の頁・節から,検討の要求,高評価,具体的な不足・誤りの指摘及び許容される構成を区別して読むことができる。
子記事の「記載なし」は,その記事が示す関連範囲における確認の表示であり,資料全体に言及がないという意味へ広げない。
「間接」とされた対応や評価項目への分解は,資料の明示と記事の推論を分けて読む。
重みのない一般的な答案作法や独自の補足は,本ハブの集計に含めていない。
2 5段階の重み付け
重み5は,採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのものを中心とする。
行政法では,答案の骨格に加え,評価差・良好・優秀答案の理由となる重要な検討として説明されている。
重み3は一方が明示する中核の理由付け,重み2は補強又は典型的な誤り,重み1は一方が控えめに触れる事項を基本とし,各記事の定義に従う。
重み4では,出題の趣旨が検討を求めた事項と,採点実感の取り上げ方を科目別に確かめる必要がある。
憲法・行政法・商法・刑法・刑事訴訟法は評価又は具体的な誤りの指摘を含め,民法は不足・誤りの指摘を含めている。
民事訴訟法は「取り上げた事項」と定義し,具体的な評価・誤りの指摘と「高く評価した」ことを区別している。
これらの表現を同一の高評価基準へまとめず,各記事の定義と両資料の根拠欄を確認する。
高い重みだけを理由に,高評価事項を最低限の必須事項へ格上げしない。
負例は誤りの回避であり,許容分岐は採用した構成に応じた事項である。
例えば商法の平等原則ルートと不公正ルート,刑法の事後強盗構成と故意否定構成の条件を分け,相互に異なる分岐を全答案に累積要求しない。
3 模範解答と解説
各記事は,問題提起,規範,具体的な事実評価及び結論をつなぐ答案例と,その後の解説を掲載する。
設問指定は問題ごとに異なり,民法の指定仮定,民事訴訟法のX側の立論と結論を出さない設問,刑法の複数説の比較,刑事訴訟法の理論・結論とも異なる反対説を同じ要求へ一般化しない。
本記事では,設問の立場・前提・除外事項を先に固定し,その構成で必要となる項目を理由付けと事実評価に接続する作り方と整理する。
子記事の採用結論を唯一の公式解答としたり,全科目で一つの立場だけを採るとしたりするものではない。
第5 重みの分布の比較
1 重み5・4・3の分布
| 科目 | 重み5 | 重み4 | 重み3 |
|---|---|---|---|
| 憲法 | 19 | 15 | 20 |
| 行政法 | 25 | 19 | 11 |
| 民法 | 23 | 25 | 15 |
| 商法 | 19 | 28 | 12 |
| 民事訴訟法 | 16 | 21 | 9 |
| 刑法 | 11 | 31 | 25 |
| 刑事訴訟法 | 22 | 21 | 19 |
| 合計 | 135 | 160 | 111 |
2 重み2・1,項目数及び重みの合計
| 科目 | 重み2 | 重み1 | 項目数 | 重みの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 憲法 | 10 | 3 | 67 | 238 |
| 行政法 | 15 | 0 | 70 | 264 |
| 民法 | 5 | 0 | 68 | 270 |
| 商法 | 15 | 0 | 74 | 273 |
| 民事訴訟法 | 19 | 0 | 65 | 229 |
| 刑法 | 6 | 0 | 73 | 266 |
| 刑事訴訟法 | 7 | 0 | 69 | 265 |
| 合計 | 77 | 3 | 486 | 1805 |
重み1~5の件数をn1~n5とすると,項目数N=n1+n2+n3+n4+n5,重みの合計W=n1+2n2+3n3+4n4+5n5である。
二つの表は同じ7記事の評価表の各行から再計算した集計である。
3 本記事としての整理
本記事では,規範の名称や事実の列挙にとどまらず,採用した基準から具体的事実の法的意味を説明し,結論まで接続することが共通の着眼点と整理する。
例えば,憲法の番号67は審査規範と修正助言の一貫性,民法の番号52は理論面と実質面の理由付け及び反対論への応答,刑事訴訟法の番号26は具体的事実の意味と結論の接続を扱う。
項目数は設問数,公式資料の記述,項目の切り分け方及び条件付き分岐に左右される。
項目数や重みの合計を公式配点,予測得点,難易度又は合格可能性へ換算しない。
第3で紹介した商法の設問間の配点割合は,独自に集計した重みの合計とは別の数値である。
第6 関連記事
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第7 出典
1 公式資料
①法務省・令和元年司法試験の実施について
②法務省・令和元年司法試験の結果について
③法務省・令和元年司法試験論文式試験問題(公法系)
④法務省・令和元年司法試験論文式試験出題の趣旨
⑤法務省・令和元年司法試験の採点実感(公法系)
⑥平成31年司法試験の実施日程等について
⑦法務省・令和元年司法試験論文式試験問題(民事系科目)
⑧法務省・令和元年司法試験の採点実感(民事系科目)
⑨法務省・令和元年司法試験論文式試験問題(刑事系科目)
⑩法務省・令和元年司法試験の採点実感(刑事系科目)
⑪法務省・令和元年司法試験の採点実感
⑫平成31年司法試験受験案内
2 確認状態
本記事は,令和8年10月8日時点の7子記事の本文,公開評価表,重みの分布,設問指定及び出典欄を根拠として整理したものである。
各行から番号の連続性,重み1~5の件数,総項目数,重み5の全事項及び重みの合計を再計算し,子記事の題名・導入・分布説明と照合した。
公式資料リンクは応答と最終URLを確認し,年度別掲載ページ及びPDFの識別部分から資料名・年度・科目を照合した。
このリンク・識別確認と,問題・出題の趣旨・採点実感の要求を全科目について独立に再審査することは別であり,本ハブは後者を行ったものではない。
評価項目の抽出,重み付け及び答案の採用構成は各子記事の独自分析である。
法令・裁判例の原文確認の範囲,公式資料上の紹介にとどまる事項及び未確認の原典は,各子記事の第7に区別して示されている。
本ハブでは判決原文や法令条文を直接引用せず,子記事の評価項目と分析を案内している。