最高裁判所裁判官会議の議事録

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目次
1 最高裁判所裁判官会議の議事録
2 裁判所の情報公開の場合,裁判所職員の署名押印は不開示情報であること等
3 毎年7月中下旬及び8月の裁判官会議の開催状況
4 ロッキード事件に関する最高裁判所裁判官会議議事録の不開示に関する裁判例
5 最高裁判所各小法廷の裁判官の配置,代理順序及び裁判事務の分配等について
6 東京地裁令和4年7月13日判決の判示内容
7 関連記事その他

1 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録本文,及び裁判官会議付議人事関係事項(別添文書は除く。)を以下のとおり掲載しています。
(令和4年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分,6月分
7月分,8月分,9月分
10月分,11月分,12月分
(令和3年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分
7月分8月分9月分
10月分11月分12月分
(令和2年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分
7月分8月分(なし。)9月分
10月分11月分12月分
(平成31年→令和元年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分
8月分1/2及び2/29月分
10月分
11月分12月分
(平成30年)
1月分1/2及び2/22月分3月分1/2及び2/2
4月分1/2及び2/25月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成29年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成28年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成27年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成26年)
1月分2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成25年)
1月分
2月分3月分1/2及び2/2
4月分5月分6月分7月分8月分
9月分10月分11月分12月分
(平成24年)
1月分2月分3月分
4月分
5月分6月分7月分8月分
9月分
10月分11月分12月分


2 裁判所の情報公開の場合,裁判所職員の署名押印は不開示情報であること等
(1) 裁判所の情報公開の場合,裁判所職員の署名押印は不開示情報であるのに対し,行政機関の情報公開の場合,行政機関職員の署名押印は開示情報です。
(2) 平成30年度(最情)答申第32号(平成30年9月21日答申)には以下の記載があります。
   本件不開示部分のうち最高裁判所長官及び秘書課長の署名及び印影については,法5条1号に規定する個人識別情報と認められる。裁判官会議の議事録の署名及び押印は,その固有の形状が文書の真正を示す認証的機能を有していることからすれば,これらを公にすれば,偽造され,悪用されるなどして,特段の支障が生じるおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,同号ただし書ロ及びハに相当する事情も認められない。
(3) 平成26年度(行情)答申第216号(平成26年9月25日答申)11頁に以下の記載があります。
   一般的な行政文書において,公務員が職務の遂行に関して氏名を自署する場合は,当該職務の遂行者又は責任者として氏名が記録されるにすぎず,諮問庁において必ずしも自署とすべき必要性があるものではないとしていることからも,活字により記載された氏名に比して,自署の固有の形状等が単なる氏名の記録以上の特段の意味を持つものとは認められず,本件の場合,その固有の形状等が明らかになることにより,悪用され,当該個人の権利利益を害することとなるなど,上記申合せ〔注:「各行政機関における公務員の氏名の取扱いについて」(平成17年8月3日情報公開に関する連絡会議申合せ)における特段の支障が生ずるおそれがあるとも認められない。
(3) 最高裁昭和40年2月21日決定は,筆跡鑑定に関して以下の判示をしています。
    いわゆる伝統的筆跡鑑定方法は、多分に鑑定人の経験と感に頼るところがあり、ことの性質上、その証明力には自ら限界があるとしても、そのことから直ちに、この鑑定方法が非科学的で、不合理であるということはできないのであつて、筆跡鑑定におけるこれまでの経験の集積と、その経験によつて裏付けられた判断は、鑑定人の単なる主観にすぎないもの、といえないことはもちろんである。
    したがつて、事実審裁判所の自由心証によつて、これを罪証に供すると否とは、その専権に属することがらであるといわなければならない。

3 毎年7月中下旬及び8月の裁判官会議の開催状況
(1)ア 毎年7月中下旬及び8月の裁判官会議の開催状況は以下のとおりです。
令和 3年:7月21日(第21回),7月28日(第22回),8月25日(第23回)
令和 2年:7月22日(第17回),7月29日(第18回),9月2日(第19回)
令和 元年:7月17日(第22回),8月 2日(第23回),8月28日(第24回)
平成30年:7月18日(第20回),7月25日(第21回),8月29日(第22回)
平成29年:7月12日(第21回),7月19日(第22回),8月30日(第23回)
平成28年:7月13日(第25回),7月20日(第26回),7月27日(第27回),8月24日(第28回),8月31日(第29回)
平成27年:7月15日(第22回),8月26日(第23回)
平成26年:7月16日(第20回),8月27日(第21回)
平成25年:7月10日(第21回),7月17日(第22回),8月28日(第23回)
平成24年:7月11日(第22回),7月18日(第23回),8月29日(第24回)
イ 令和元年8月2日の裁判官会議は金曜日に実施されたものです。
(2)ア 最高裁判所裁判官の人事,及び高裁長官以下の玉突き人事については,閣議決定が出た時点で公表されますところ,安倍内閣が発足した平成24年12月以降の,毎年8月9日頃から同月20日までの定例閣議,及び繰上げ・繰下り閣議の開催状況は以下のとおりです(首相官邸HPの「閣議」参照)。
令和 3年:8月10日(火),8月17日(火)
令和 2年:8月 7日(金),8月11日(火)
令和 元年:8月 8日(木),8月15日(木)
平成30年:8月10日(金),8月15日(水)
平成29年:8月15日(火)
平成28年:8月12日(金),8月15日(月)
平成27年:8月14日(金)
平成26年:8月15日(水)
平成25年:8月15日(木)
イ 8月中旬にも開催されている持ち回り閣議では,人事案件を取り扱っていません。
(3) 「高裁長官人事のスケジュール」も参照してください。

4 ロッキード事件に関する最高裁判所裁判官会議議事録の不開示に関する裁判例
・ 東京高裁平成17年2月9日判決(ロッキード事件に関する最高裁判所裁判官会議議事録の不開示に関する損害賠償請求控訴事件に対するもの)は以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 最高裁判所が司法行政事務を行うのは,裁判官会議の議によるものとされている(裁判所法12条1項)ところ,その手続を律する本件規程は,最高裁判所規則であって,本件要綱2(1)に規定する「法令」に該当する。
   そして,本件規程8条は裁判官会議の非公開を定め,同規程12条は裁判官会議の議事については,裁判所事務官に議事録を作成させること(同条1項),議事録には出席者の氏名,議事の経過の要領及びその結果を記載し,議長及び出席した最高裁判所事務総長又は裁判所事務官がこれに署名しなければならないこと(同条2項)を定めている。
② ところで,司法行政は,一般の行政作用と異なり,裁判所がその本来の使命である裁判権の行使という目的を達成するために必要な人的,物的設備,機構を供給維持し,事務の合理的,効率的な運用を図るための施策を提供すること等を主たる内容とするものである。
   すなわち,司法行政は,裁判官等の人事,裁判所の予算,裁判所の組織,制度の構築及び改革,裁判制度及び手続の在り方等広範な分野に及ぶものであって,裁判権の行使と密接な関連を有しているものである。
   また,最高裁判所裁判官会議における意思決定の過程は,当該意思決定に係る案件のみならず,将来にわたって生起する同種,類似の事案に関する議事に当たっても,先例として参照される可能性が大きいものということができる。
③ そうすると,本件規程8条が最高裁判所裁判官会議を非公開とした理由は,最高裁判所の裁判官会議が上記のような特質を有する司法行政に関する最高の意思決定機関として重大な職責を有していることにかんがみ,裁判官会議がこのような重責を果たし得るためには,審議の過程で,裁判官による意見表明及び議論が何らの制約を受けることなく,自由かっ達,率直に行われることが必要不可欠であり,その意思決定に不当な影響が及ぶおそれを極力排除する必要があるとともに,裁判官等の人事に関する情報や組織,制度,手続の制定,改変等に関する検討途中の未成熟な情報,あるいは将来の同種,類似の事案の処理に影響を及ぼし又は及ぼしかねないととられるおそれのある情報等が開示されることにより,無用な誤解や憶測を招き,関係者ひいては国民の間に混乱を生じさせるおそれを回避しようとする点にあると考えることができる。

5 最高裁判所各小法廷の裁判官の配置,代理順序及び裁判事務の分配等について
・ 「最高裁判所各小法廷の裁判官の配置,代理順序及び裁判事務の分配等について」を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年度令和3年度令和4年度
(平成時代)
平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度平成31年度

6 東京地裁令和4年7月13日判決の判示内容等
(1) 東電株主代表訴訟ブログ「7月13日認容判決」に載ってある東京地裁令和4年7月13日判決の判決要旨には一般論として以下の判示があります(リンク先28頁及び29頁)ところ,結論として,平成21年2月11日午前10時から午前11時50分にかけて行われた中越沖地震対応打合せに出席した清水社長及び勝俣会長は,津波の襲来可能性があるとする見解の信頼性や成熟性が不明であるとして速やかな津波対策を講じない原子力・立地本部の判断が「原子力発電所の安全性確保の観点から著しく不合理であることを容易に理解できた。」と判断されました(リンク先30頁)。
    被告清水及び被告勝俣は、福島第一原発の安全対策に関する社長等の対応としては、特段の事情がない限り、会社内外の専門家の評価ないし判断を尊重すべきところ、原子力発電所の安全確保を担当する原子力・立地本部原子力設備管理部長であつた吉田部長が、前提となる津波をどう考えるか整理する必要があると発言している以上、これに容喙を差し控えることこそ、適切な対応であった旨主張する。
     確かに、取締役が、業務執行の際、特に専門部署からの専門技術的事項に係る情報等については、特に疑 うべき事情があるとか、著しく不合理な評価ないし判断でない限り、それを信頼 しても、直ちに善管注意義務違反とはならないと解されるし、東京電力のような、専門性のある各部署における業務分担を前提として組織運営がされる大企業では、原則として、各専門部署における判断を尊重して経営が行われることこそが適切といえる。
    しかし、そのことは、取締役の経営判断において、専門部署からの情報等であれば、どのようなものであっても直ちに信頼することが許されることまで意味しない。著しく不合理な評価ないし判断であった場合には、信頼することは許されず、また、これを特に疑うべき事情がある場合には、調査、検討義務を負うものと解すべきであり、この理は、判断すべき案件の重要性が高い場合には殊更である。
(2)ア 令和元年6月13日付の理由説明書には以下の記載があります。
    最高裁判所は,我が国唯一の最上級裁判所として裁判手続及び司法行政を行う機関であり,最高裁判所判事や事務総局の各局課館長は,裁判所の重大な職務を担う要人として,襲撃の対象となるおそれが高く,その重大な職務が全うされるように,最高裁判所の庁舎全体に極めて高度なセキュリティを確保する必要がある。そのため,最高裁判所では,各門扉に警備員を配し,一般的に公開されている法廷等の部分を除き,許可のない者の入構を禁止している。
    この点,本件対象文書中,原判断において不開示とした部分は,各門における入構方法に関する具体的な運用が記載されており, この情報を公にすると警備レベルの低下を招くことになり,警備事務の適正な遂行に支障を及ぼすことになるから, 当該部分は,行政機関情報公開法第5条第6号に定める不開示情報に相当する。
   よって,原判断は相当である。
イ 最高裁回想録34頁には以下の記載があります。
    最高裁における司法行政なるものは、事務総局からの報告・提案につき、二〜三の裁判官から若干の質問が出ることはあっても、結果的には裁判官会議としてこれを了承する、ということにならざるを得ないのであって、全国の裁判組織に関するヒト・カネ・モノについて、それがどうあるべきかの詳細を、一五人の裁判官がいちいち検討する等ということが、時間的にも能力的にも出来るわけはないのである。こういった問題については、自ら裁判所組織の内部で長年司法行政に携わって来たキャリアの裁判官はともかくとして、そうでない者にとっては、これを実質的に議論しようとすれば、その準備に莫大な労力を必要とする。そういったことのために、それでなくとも過大な負担となっている裁判事件の処理に当てる時間を割くだけの意義があるとは、到底思われない。

7 関連記事その他
(1) 最高裁判所裁判官会議に関する事項は,最高裁判所事務総局秘書課会議係が担当しています。
(2) 「ジェンダー平等と司法~法曹界における202030を考える~対談 元最高裁判事に聞く~最高裁の男女共同参画」には,櫻井龍子 元最高裁判所判事の発言として以下の記載があります(自由と正義2021年7月号30頁)。
櫻井 今触れられた裁判官会議というのは15人が集まって司法行政を審議して決定する場ですが、十数年前、この会議に初めて参加したときに始まったと思ったら2、3分で終わってしまって驚きました。次からは「ぽつんと1人」の別種の構成員というのを逆手にとって、私がどんどん質問したんです。そうしたら今度は長官が自ら、皆さんの意見を出しやすいようにお話になりましたね。
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 司法行政文書開示手続の手引(平成29年3月21日版)
・ 一元的な文書管理システム教材の改訂版(令和2年3月24日付の配布文書)
・ 文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所裁判官会議
・ 司法修習生の採用に関する最高裁判所の裁判官会議議事録の本文
・ 高裁長官人事のスケジュール
・ 最高裁判所事務総局会議の議事録
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 毎年4月1日付の人事異動等に関する最高裁判所裁判官会議
・ 最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないこと

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