2020年の日弁連会長選挙の立候補者の政策の骨子

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目次
第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
第2 選挙運動用ウェブサイトに対する規制
第3 発送する文書に対する規制
第4 選挙運動用ウェブサイトに掲載されている,立候補者の公約の骨子
第5 弁護士職務基本規程の改正案に対する立候補者の立場の骨子
第6 関連記事等

第1 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
1 立候補者の修習期及び所属弁護士会並びに選挙運動用ウェブサイト(氏名にリンクを張っています。)は届出順に,以下のとおりです(日弁連HPの「令和2年度同3年度日弁連会長選挙 選挙公報」参照)。
① 武内更一(38期・東京弁護士会)
② 及川智志(51期・千葉県弁護士会)
③ 荒  中(34期・仙台弁護士会)
④ 山岸良太(32期・第二東京弁護士会)
⑤ 川上明彦(34期・愛知県弁護士会)
2 過去最高立候補者数であった1986年及び2012年の日弁連会長選挙の立候補者数は4人でしたが,2020年の日弁連会長選挙の立候補者数は5人になりました。
3 「2020年の日弁連会長選挙の立候補者」も参照してください。

第2 選挙運動用ウェブサイトに対する規制
1 候補者は,①複数の選挙運動用ウェブサイトを開設してはいけませんし,②日弁連,裁判所,法務省その他の公的機関ウェブサイトへのリンクしか設定できませんし,③投票日の前日までしか更新できませんし,④投票日の午後12時までに閉鎖しなければなりません(日弁連の会長選挙施行細則43条の3)。
2 フェイスブックやツイッターなどのSNS,Youtubeやニコニコ動画等の動画共有サービス,Ustreamやニコニコ動画の生放送等の動画中継サイトは,私設のウェブサイトではありませんから,選挙運動用ウェブサイトとして利用することはできません。
3 「◯◯を考える会」等のHPを,会長選の公示後,選挙運動用ウェブサイトとして利用することはできません。

第3 発送する文書に対する規制
1 文書による選挙運動に関する基準(令和元年7月11日付の日弁連選挙管理委員会の文書)には,「発送する文書について」として以下の記載があります。
(1) 支援者及び運動員同志の間で,並びにこれらの者と候補者の間で発送する文書は,選挙運動に当たらないとする。ただし,次の場合はこの限りでない。
イ 支援者又は運動員を限定せずに文書を発送する場合
ロ 「支援者間文書」等の表示をしていても実態が異なる場合及び実態と異なることが推測される場合
(2) 候補者,支援者及び運動員から,不特定多数の会員等に対して発送する文書は,それが選挙に関わるものである限り,形状及び内容を問わず選挙運動とみなす。
(3) 候補者,支援者及び運動員が不特定多数の会員に対して発送以外の方法で配布する文書は,それが選挙に関わるものである限り,形状及び内容を問わず選挙運動とみなす。
2 私は,いずれかの候補者の支援者又は運動員ではありませんが,「支持者間連絡文書」と題する文書がFAXされてくることがあります。

第4 選挙運動用ウェブサイトに掲載されている,立候補者の公約の骨子
1 武内更一の政策要綱の骨子
・ 貸与金返還請求を撤回させ、給費制を完全復活・遡及適用させよう
・ 弁護士激増政策と法科大学院制度を終わらせよう
・ 法テラスから扶助・国選の運営を取り戻せ
・ 弁護士活動をしばる「職務基本規程」改悪に反対
・ 弁護士自治と強制加入制を堅持しよう
・ 刑事司法大改悪への翼賛を止めよう
・ 憲法9条の破壊と緊急事態条項の新設を阻もう
2 及川智志の重点政策「概要」の骨子
(1) 及川智志でなければできない6つの政策(概要)
① 司法試験の年間合格者は1000人以下
② 誰でも受験できる司法試験にする(法科大学院を要件としない制度に)
③ 給費制の完全復活と「谷間世代」の不公正の是正
④ 立憲主義・恒久平和主義に反する憲法「改正」に反対する
⑤ 日本司法支援センターの報酬見直しと法律援助事業の国費化
⑥ 1人1人の会員が信頼を寄せることができる会務運営
(2) 及川智志の重点政策(概要)
① 弁護士の労働環境の改善
② 男女共同参画の推進
③ 若手弁護士の業務対策の推進
④ 非弁対策の強化
⑤ 憲法違反の悪法廃止、改悪法阻止
⑥ 国選弁護制度のさらなる拡充
⑦ 国選弁護報酬大幅引き上げ
⑧ 貧困問題対策のさらなる拡充
⑨ 消費者問題対策のさらなる発展
⑩ 災害対策・被災者支援活動のさらなる充実
⑪ カジノ解禁反対
⑫ 福島第一原発事故に基づく損害の完全賠償請求
⑬ 原子力発電所の廃止
⑭ 会費減額の検討
⑮ 弁護士偏在対応政策の見直し
⑯ 小規模単位会への補助の拡充
⑰ 地方単位会に過度な負担をかける会務の見直し
⑱ 再審法改正の実現を目指す
3 荒中の「政策要綱」の骨子
(1) 7つの重点政策
① 人権擁護活動をより一層充実させます。
② 国・自治体・法テラス等との連携により、権利擁護活動を持続可能な業務にするための取り組みを強化します。
③ 法の支配を全国津々浦々に行き渡らせるため、司法過疎対策に力を注ぎます。
④ 若手会員の活動を支援します。
⑤ 弁護士自治の堅持と単位会への支援に取り組みます。
⑥ 法曹養成制度改革と法曹人口問題に取り組みます。
⑦ 予算執行が適正であるかを常に見直し、会費の減額も含めて、あり方を検討します。
(2) 政策実現へ向けたアクションプラン
ア 人権擁護活動
① 高齢者・障がい者の権利の拡充
② 災害被災者の権利の確立
③ 被疑者・被告人と弁護人の権利の確立を中心とした刑事司法制度の改革
④ 子どもの権利の拡充
⑤ 犯罪被害者の権利の拡充
⑥ 犯罪加害者家族の権利の確立
⑦ 消費者の権利の拡充
⑧ 労働者・生活困窮者の権利の拡充
⑨ 男女共同参画への対応・性の多様性と平等の保障
⑩ 外国人の権利の拡充
⑪ 患者の権利の確立
⑫ 事業者による法令等の遵守の徹底による権利の実現
⑬ 法教育活動の一層の充実
⑭ 死刑制度廃止に向けて
⑮ 国際水準の人権保障を日本にも
イ 国・自治体等との連携
① 高齢者・障がい者の支援事業との連携等自治体の弱者支援業務との連携の強化
② 大規模災害対応での自治体との連携の強化
③ 児童相談所、学校等との連携の強化
④ DV被害支援事業との連携の強化
⑤ 再犯防止のための地方自治体との連携の強化
⑥ 権利擁護等の活動を支援するための財政的基盤整備
ウ 立憲主義と憲法の基本原理の堅持
エ 司法発展と弁護士業務拡充の取り組み
① 新規の業務、対応不十分な業務への取り組みの強化
② 弁護士費用保険のさらなる充実と適切な運営に向けて
③ 隣接士業との職域明確化等への取り組み
④ 事業者への良質かつ適切なリーガルサービスの提供
⑤ 市民が利用しやすい民事司法の実現
オ 弁護士・弁護士会への信頼を守るための取り組み
4 山岸良太の「政策要綱」の骨子
(1) 立候補にあたり-頼りがいのある司法を築く
・ 憲法・人権・平和で頼りがいのある司法を築く
・ 業務基盤を確立し頼りがいのある司法を築く
(2) 7つの重点政策
① 立憲主義・恒久平和主義を堅持し、弁護士の活動の基盤をゆるぎないものにします
② 弁護士の独立・自治、法律事務の独占を堅持します
③ 弁護士過疎・偏在対策及び中・小規模弁護士会への実効的な支援を実行します
④ 若手弁護士への支援を具体化します
⑤ 弁護士の活動領域と新たな業務の拡大を目指します
⑥ 男女共同参画の更なる推進を~日弁連、弁護士会、弁護士のあらゆる活動場面に男女共同参画の視点を取り込みます
⑦ 法曹養成・法曹人口問題に取り組みます
(3) 持続性をもって発展させる重要政策
① 人権擁護活動をさらに推進します
② 刑事司法改革に強力に取り組みます
③の1  市民のための司法サービスとしての頼りがいのある司法を築く-弁護士の活動領域を拡大します
③の2 頼りがいのある民事司法を築く-民事司法改革への取組みを更に強化します
④ 日弁連・弁護士会から社会に情報を発信し、広報の拡充に努めます
⑤ 弁護士の活動環境(保険・年金)を整備します
 川上明彦の「政策紹介」の骨子
(1) 3×3の重点政策 全体像
・ 合格者数1000人
・ 会員ページの刷新
・ 財政の見直しと10%会費減額
・ 若手活躍のための支援・業務拡大
・ 若手のための広報戦略
・ 法テラス報酬の適正化運動
・ 地方と司法
・ 日弁連行事のICTによる活性化
・ 谷間世代の救済運動の継続
(2) 新しい基礎政策への取り組み
・ 対談 近未来の日弁連と憲法・人権問題を考える
・ 刑事司法を変革する3つの運動
・ 真の男女共同参画を目指して

第5 弁護士職務基本規程の改正案に対する立候補者の立場の骨子
1 オギ法律事務所HP「弁護士職務基本規定改正に関する日本弁護士連合会 会長候補者への公開質問状に対する回答内容」の「問1 職務基本規程改正案の意義と課題について」によれば,以下のとおりです(令和2年1月23日更新)。
① 武内更一候補
・ 法令上の根拠のない義務を新たに弁護士に課すものであり、立法事実もないため、反対。

② 及川智志候補
・ 改正の具体的立法事実が存在しない一方、重大な弊害が想定されるので、反対。
③ 荒中候補
・ 現行職務基本規程が制定されて15年が経過し、弁護士を取り巻く環境は大きく変化して いる。時代に合わせた規程へと改正するという目的は理解できる。ただし、人権擁護活動 に支障を来しかねないので、単位会や会員との意見交換をしながら、十分な検討が必要。
④ 山岸良太候補
・ 改正については、慎重に検討すべき。
⑤ 川上明彦候補
・ 改正に必要な立法事実などが明らかにされた上で、会員の納得の得られる改正案が提示されるべき。
・ 23条2項(依頼者以外の名誉等への配慮規定)の新設は反対。
・ 23条の2(依頼者の秘密の利用)については、現行規程とどの程度違いが出るのか不明であるため、過去の事例などについて一般会員に蓄積内容を説明した上で、意見を聴取すべき。
2 オギ法律事務所HP「弁護士職務基本規程改正に関するQ&A(7月12日現在)」には,2019年7月12日当時の改正案に関するQ&Aが載っています。

第6 関連記事等
1 以下の記事も参照してください。
① 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)
② 日弁連設立時から平成18年度までの日弁連会長選挙の結果
③ 日弁連会長選挙の前年に活動していた政策提言団体(2007年以降の分)
④ 2019年に設立された政策提言団体の代表者の意見交換会等への出席状況
⑤ 2020年の日弁連会長選挙の立候補者
⑥ 日弁連役員に関する記事の一覧
⑦ 日本弁護士国民年金基金
⑧ 日本弁護士国民年金基金の年金月額を3万円とするための掛金額の推移
2 32期の山岸良太弁護士は,平成18年度から平成23年度までの間,日本弁護士国民年金基金の資産運用委員長をしていました。


日本弁護士国民年金基金の総括表(平成31年3月22日の第6回財政再計算報告書からの抜粋)

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