日弁連設立時から平成18年度までの日弁連会長選挙の結果

Pocket

第1 代議員会による日弁連会長選挙の結果(昭和49年度まで)
1 代議員会による日弁連会長選挙は以下の5回だけです(日本弁護士沿革史356頁ないし359頁,並びに関東十県会三十年の歩み245頁ないし247頁参照)。
昭和25年度
有馬忠三郎(第一東京): 96票(当選)
庄野 理一(東  京): 90票
昭和26年度
奥山 八郎(東  京):151票(当選)
大西 耕三(大  阪): 78票
昭和29年度
塚崎 直義(東  京):156票(当選)
林  逸郎(第二東京): 91票
昭和30年度
大西 耕三(大  阪):175票(当選)
島田 武夫(第一東京):116票
昭和44年度
阿部 甚吉(大  阪)(当選)
大貫 大八(栃  木  県)
2(1)ア 東京弁護士会百年史943頁には以下の記載があります。
   日本弁護士連合会会長は、日本弁護士連合会代議員会で選任されるが、実際には、東京弁護士会、第一、第二、大阪各弁護士会でまわりもちをする慣行ができ、代議員会で選挙が行われたのは、昭和二一年から昭和五十年(会員による直接選挙となる)までに五回しかない。
右の各弁護士会では、長老有志が鳩首協議して、他の弁護士会の長老有志の了解をとって、代議員会では無競争で選任することが長年の例であった。
イ 長老有志の協議がどのようなものであったかについては,法曹三国志(昭和58年1月8日発行)に非常に詳しく書いてあります。
(2) 関東十県会三十年の歩み249頁には,「大貫選挙の後も、昭和五二年まで日弁連発足後三十年間四大会以外地方の四九単位から会長に就任した者も、立候補した者も,大貫選挙以外皆無であった。」(原文ママ)と書いてあります(全国の弁護士会の数は,沖縄弁護士会を含めて52個です。)。
3 塚崎直義弁護士(東京・法友会)は昭和5年度及び昭和22年度の東京弁護士会会長であり,昭和22年8月4日,東京弁護士会会長を辞任して最高裁判所判事となり,昭和26年2月に最高裁判所判事を定年退官した後,昭和29年度日弁連会長になりました。
4(1)ア 昭和25年度日弁連会長選挙で破れた庄野理一弁護士(東京・法友会)は,昭和21年度東京弁護士会会長であり,舌禍事件を起こして昭和23年6月26日に最高裁判所判事を依願退官した人です。
イ 舌禍(ぜっか)事件の中身は,庄野理一最高裁判所判事が,昭和23年2月10日にあった東弁法友会・緑新会の会合において,当時の農水大臣の公職追放を巡る発言で当時の官房長官に対する名誉毀損があったということで,GHQ民政局次長のケーディス大佐が激怒した結果,辞任に追い込まれたというものです(舌禍事件については,最高裁全裁判官31頁及び32頁,並びに法曹三国志(昭和58年1月8日発行)131頁ないし137頁が詳しいですが,後者は庄野理一に同情的です。)。
(2) 昭和26年度日弁連会長選挙で破れた大西耕三弁護士(大阪)は昭和30年度日弁連会長となりました。
(3) 昭和29年度日弁連会長選挙で破れた林逸郎弁護士(第二東京)は昭和37年度日弁連会長となりました。
(4) 昭和30年度日弁連会長選挙で破れた島田赳夫弁護士(第一東京)は昭和33年度日弁連会長となりました。
(5) 昭和44年度日弁連会長選挙で破れた大貫大八弁護士(栃木県弁護士会)は,最高裁大法廷昭和48年4月4日判決(尊属殺重罰規定違憲判決)における弁護人でしたが,判決言渡し前の昭和46年7月22日に死亡しました(日経ビジネスHP「「父殺しの女性」を救った日本初の法令違憲判決」(平成28年3月16日付)参照)。

第2 直接選挙による日弁連会長選挙の結果(昭和50年度以降)
・ 候補者については得票順に並べています(特に記載がない場合,データの出典は,株式会社法律新聞社が発行している週刊法律新聞です。)。
1 昭和50年度
・ 辻誠(東京・法友会)が無投票で当選しました。
2 昭和51年度
・ 柏木博(第二東京・日本法曹倶楽部)が無投票で当選しました。
3 昭和52年度(第1回直接選挙)
・ 正式集計によれば,以下のとおりです(日弁連三十年51頁)。
① 宮田光秀(第一東京・全期会)
4827票・37単位会
② 北尻得五郎(大阪・法友倶楽部)
4053票・14単位会
4 昭和53年度(第2回直接選挙)
・ 正式集計によれば,以下のとおりです(日弁連三十年54頁)。
① 北尻得五郎(大阪・法友倶楽部)
4774票・30単位会
② 関谷信夫(水戸)
3892票・19単位会
5 昭和54年度
・ 江尻平八郎(東京・法曹親和会)が無投票で当選しました。
6 昭和55年度
・ 谷川八郎(第一東京・全期会)が無投票で当選しました。
7 昭和56年度(第3回直接選挙)(補欠選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 宮田光秀(第一東京・全期会)
3875票・51単位会
② 吉原正八郎(札幌)
340票・0単位会(釧路で同数)
③ 川本赳夫(千葉)
215票・0単位会
8 昭和57年度同58年度
・ 山本忠義(東京・法友会)が無投票で当選しました。
9 昭和59年度同60年度(第4回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 2期の石井成一(第二東京・紫水会)
5670票・52単位会
② 期前の川本赳夫(千葉)
554票・0単位会
10 昭和61年度同62年度(第5回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 2期の北山六郎(神戸)
5373票・33単位会
② 2期の児島 平(東京)
4103票・16単位会
③ 5期の大坪憲三(高知)
677票・1単位会(高知)
④ 期前の川本赳夫(千葉)
51票・0単位会
11 昭和63年度同64年度(第6回直接選挙)
(1) 期前の藤井英男(東京・法友会)が4期の小林宏也(東京・法曹親和会)及び2期の佐藤庄一郎(第一東京・全期会)を破って当選しました。
(2) 2期の佐藤庄一郎は平成2年2月20日,最高裁判所判事になりました。
12 平成2年度同3年度(第7回直接選挙)
9期の中坊公平(大阪・春秋会)が期前の川本赳夫(千葉)を破って当選しました。
13 平成4年度同5年度(第8回直接選挙)
(1) 6期の阿部三郎(東京・法曹親和会)が期前の川本赳夫(千葉)を破って当選しました。
(2) 期前の川本赳夫(千葉)は合計5回,日弁連会長選挙に立候補しました。
14 平成6年度同7年度(第9回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 12期の土屋公献(第二東京・新風会)
6665票・48単位会
② 6期の川上義隆(第二東京・新風会)
4813票・4単位会
15 平成8年度同9年度(第10回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 12期の鬼追明夫(大阪・春秋会)
8731票・52単位会
② 1期の小野良一(大阪)
1672票・0単位会
16 平成10年度同11年度(第11回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 12期の小堀樹(東京・法友会)
8238票・46単位会
② 12期の前田知克(第二東京)
3079票・5単位会
17 平成12年度同13年度(第12回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 14期の久保井一匡(大阪・春秋会)
7977票・48単位会
② 21期の高山俊吉(東京・憲法と人権の日弁連をめざす会)
3450票・4単位会
18 平成14年度同15年度(第13回直接選挙)
・ 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 15期の本林徹(東京・法友会)
8065票・44単位会
② 21期の高山俊吉(東京・憲法と人権の日弁連をめざす会)
4728票・8単位会
19 平成16年度同17年度(第14回直接選挙)
(1) 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 19期の梶谷剛(第一東京・全期会)
9143票・45単位会
② 21期の高山俊吉(東京・憲法と人権の日弁連をめざす会)
4620票・6単位会
(2) 日弁連HPに「平成16年度同17年度日弁連会長選挙開票結果集計表」が載っています。
20 平成18年度同19年度(第15回直接選挙)
(1) 開票日当日の仮集計によれば,以下のとおりです。
① 16期の平山正剛(東京・法友会)
7732票・40単位会
② 21期の高山俊吉(東京・憲法と人権の日弁連をめざす会)
3694票・4単位会
③ 23期の久保利英明(第二東京・紫水会)
3314票・5単位会
(2) 21期の高山俊吉の立候補はこれが4回目でした。

第3 昭和53年度日弁連会長選挙に関する詳細な事情
1 昭和53年度日弁連会長選挙では,昭和52年度日弁連会長選挙で落選した北尻得五郎弁護士(大阪弁護士会)が4774票(30の弁護士会で最多票)を獲得したものの,対立候補の関谷信夫弁護士(水戸弁護士会)が3892票(19の弁護士会で最多票)を獲得しました(日弁連三十年51頁ないし54頁)。
2 水戸弁護士会史450頁には以下の記載があります。
   昭和五三年度の会長選挙にあたっては、早くから大阪弁護士会所属の北尻得五郎氏が立候補の意志を明らかにしていた。これに対し東京三会では立候補予定者として何人かの名前が上がっていたが諸般の事情から一人にしぼりきることが困難な情勢にあり、また有力視されていた予定者も健康上の理由から立候補を決意するに至らなかった。
   このような情勢の中で東京三会の中から水戸の関谷会員を立候補させる動きが俄に高くなってきた。関谷会員は水戸弁護士会所属ではあるものの、それまで日弁連副会長、同人権擁護委員長を歴任し、日弁連内部においてもその人格、識見は高く評価されていたところである。
右のような東京三会の意向を受け、水戸弁護士会においても急遽有志による協議会を開き、関谷会員の立候補を支持し積極的に応援していくことを決定した。
しかしこの決定の時期は選挙を約三ヶ月後に控えた昭和五二年暮れのことであり、すでに一年以上も前から入念な準備を重ねてきた北尻候補に対し、当初から出遅れの感は否めなかった。
3(1) 関東十県会三十年の歩み249頁には以下の記載があります。
(注:昭和53年度の日弁連会長選挙の)立候補予定者は、大阪の北尻君と東京の江尻君であった。この二年前会長直接選挙制度がついに発足した最初の選挙であったが、一弁の宮田君と大阪の北尻君、宮田君当選、北尻君捲土重来、引き続きの立候補で江尻君との間で、全国単位会を通じて、会員から推薦状を集める、これが事実上の選挙戦であった。江尻君は、この推薦状の集まり方の大勢を見て、時の勢い利あらずとして、立候補を断念した。
(2) 江尻平八郎弁護士は昭和54年度日弁連会長になりました。

第4 昭和61年度同62年度日弁連会長選挙における,単位会別の得票状況等
1 北山六郎(神戸)が日弁連会長選挙への立候補の意向を表明したのは昭和60年5月頃でした(神戸弁護士会史Ⅱ247頁及び248頁)。
2 昭和61年2月8日の開票日当日の仮集計によれば,北山六郎(神戸),児島平(東京),大坪憲三(高知)及び川本赳夫(千葉)の,単位会別の得票状況は以下のとおりでした(得標順です。)。
候補者  北山   児島    大坪   川本
東京   874票 1532票 145票 10票
第一東京 226票  554票  45票  5票
第二東京 542票  437票  48票  8票
横浜   175票  110票  18票  1票
埼玉    60票   57票   9票  0票
千葉    79票   38票   1票  4票
水戸    10票   33票   4票  0票
栃木    39票   22票   3票  0票
群馬    32票   36票   4票  0票
静岡    91票   56票   1票  0票
山梨    13票   28票   0票  0票
長野    43票   32票   6票  0票
新潟    44票   35票   4票  0票
大阪  1301票  203票 144票 13票
京都   162票   18票   7票  1票
神戸   280票    5票   1票  0票
奈良    31票    4票   0票  0票
滋賀    15票    1票   7票  0票
和歌山   22票   14票   3票  2票
名古屋  276条  107票  27票  4票
三重    19票   16票   4票  0票
岐阜    40票   11票   6票  1票
福井    26票    2票   1票  0票
金沢    35票   25票   3票  0票
富山    16票   20票   3票  0票
広島    74票   75票  19票  0票
山口    27票   23票   1票  0票
岡山    68票   29票   3票  0票
鳥取    17票    2票   1票  0票
島根    16票    1票   1票  0票
福岡   172票   83票  19票  0票
佐賀    11票   12票   1票  0票
長崎    25票   19票   4票  0票
大分    23票   23票   1票  0票
熊本    52票   22票   5票  0票
鹿児島   32票   14票   4票  0票
宮崎    17票   16票   0票  0票
沖縄    59票   65票  18票  1票
仙台    52票   48票   5票  0票
福島    27票   32票   3票  0票
山形    12票   21票   4票  0票
岩手    11票   14票   2票  0票
秋田    24票   13票   0票  0票
青森    20票   11票   3票  0票
札幌    85票   86票   7票  1票
函館    10票   10票   0票  0票
旭川    11票    7票   1票  0票
釧路    11票    8票   1票  0票
香川    28票   33票   8票  0票
徳島    14票   15票   4票  0票
高知     3票    0票  52票  0票
愛媛    21票   25票  16票  0票
合計  5373票 4103票 677票 51票
獲得会   33会   16会   1会  0会

第5 関連記事
① 日弁連の歴代会長及び事務総長
② 日弁連の歴代正副会長(昭和57年度以降)
③ 日弁連の歴代副会長の担当会務
④ 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)
⑤ 日弁連役員に関する記事の一覧
⑥ 弁護士会の会派

スポンサーリンク