日弁連会長の選挙制度の改正経緯(平成19年度以降の分)

Pocket

目次
1 平成19年5月25日の定期総会における改正(会長選挙規程52条及び56条3項)
2 平成20年5月30日の定期総会における改正(会長選挙規程56条2項,56条の2及び58条)
3 平成23年5月27日の定期総会における改正(会長選挙規程7条等)
4 平成27年5月29日の定期総会における改正(会長選挙規程56条の2,56条の3及び58条)
5 平成29年3月3日の臨時総会における改正(会長選挙規程27条の2,38条,50条,51条,53条,56条の2,56条の3及び58条)
6 令和3年6月11日の定時総会における改正(会長選挙規程26条,34条,35条,52条,56条及び58条)
7 関連記事

1 平成19年5月25日の定期総会における改正(会長選挙規程52条及び56条3項)
① 選挙公報の発送期限の変更
・ 改正前の発送期限は投票日の15日前でしたが,改正後は投票日の12日前となりました。
② 選挙公報の日弁連会員専用サイトへの掲載
③ 選挙郵便はがきへの証印の廃止
・ ポスターへの証印制度は維持されました。

2 平成20年5月30日の定期総会における改正(会長選挙規程56条2項,56条の2及び58条)
① 選挙郵便はがきの枚数の変更
・ 改正前は選挙権を有する会員数の5倍以下でしたが,改正後は選挙権を有する会員数の3倍以下となりました。
② 日弁連会員専用サイトを利用した選挙運動の解禁
・ 平成27年5月29日定期総会決議に基づき,日弁連会員専用サイトを利用した選挙運動は廃止されました。
③ 候補者及び会員のウェブサイトによる選挙運動の禁止
・ 平成27年5月29日定期総会決議及び平成29年3月3日臨時総会決議により全面的に解禁されました。

3 平成23年5月27日の定期総会における改正(会長選挙規程7条等)

    選挙管理委員会の委員数の変更(会長選挙規程7条1項の改正前は14人でしたが,改正後は14人以上25人以内となりました。)等がありました。

4 平成27年5月29日の定期総会における改正(会長選挙規程56条の2,56条の3及び58条)

(1) 以下の改正がありました。
① 候補者私設のウェブサイトによる選挙運動の解禁
・ 公職選挙法の一部を改正する法律(平成25年4月26日法律第10号)に基づき,公職選挙においてインターネット選挙運動が解禁されたことを考慮して,改正されました。
・ 選挙運動期間中に限り開設できることとされました(この点に関する規制は現在でも同じです。)。
・ 閲覧者による書き込み,及び他のウェブサイトへのリンクは禁止されたままでしたが,平成29年3月3日臨時総会決議により解禁されました。
② 候補者の電子メールによる選挙運動の解禁
・ 候補者が当該会員に事前に選挙運動用メール送信の可否を問い合わせ,了解した者にのみ送信できるものとされていました。
(2)ア 候補者以外の弁護士がHPやブログで日弁連会長選挙を取り上げることができないことについては批判が出ていた(河野真樹の弁護士観察日記ブログ「おかしなネット日弁連会長選挙」参照)こともあり,平成29年3月3日の臨時総会における改正で,候補者以外の弁護士もHPやブログで日弁連会長選挙を取り上げられるようになりました。
イ 宮武嶺のエブリワンブログ「日弁連選挙管理委員会が削除させた、日弁連会長候補と稲田自民党政調会長に関する当ブログの記事はこれだ!」が載っています。

5 平成29年3月3日の臨時総会における改正(会長選挙規程27条の2,38条,50条,51条,53条,56条の2,56条の3及び58条)

(1) 以下の改正がありました。
① 候補者の死亡又は被選挙権の喪失に伴う投票日の延期

・ 補充立候補届出期間経過後に,候補者の死亡又は被選挙権の喪失により候補者が一人となった場合,投票日を延期して,立候補届出の期間を改めて設けられるようになりました。
② 公聴会の実施箇所数の見直し
・ 改正前は9箇所で公聴会を実施することとなっていました(運用上は沖縄を含めた10箇所)が,改正後は7箇所で公聴会を実施することとなりました。
・ 平成30年度同31年度日弁連会長選挙の場合,公聴会の開催場所は7箇所でした。
・ 公聴会につき,テレビ会議システムを利用して質問できる副会場が設置されるようになりました。
③ 候補者による選挙運動用ウェブサイトの運用緩和
・ 会員が候補者の選挙運動用ウェブサイトに問い合わせをすることは可能となりました。
・ 掲示板のように他の閲覧者にも見えるような形をとることはできません。
④ 候補者以外の会員によるウェブサイトの利用の運用緩和
・ 候補者以外の会員は,選挙運動用ウェブサイト「以外の」ウェブサイトへ文書・図画等を掲載したり,選挙運動用ウェブサイト「以外の」ウェブサイトに選挙運動用ウェブサイトをリンク先として表示したり,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用して選挙運動をしたりできるようになりました。
・ 会員の会長選挙への関心を高め,投票率の向上を図る必要がある中,ウェブサイトにおける会員の自由な発言を妨げることは時流に反している面があることにかんがみ,解禁されました。
・ 事実と異なる情報を掲載することは禁止されており,警告等の措置の対象となります。
⑤ 候補者による選挙運動用電子メールの運用緩和
・ 選挙運動用電子メールを送るための候補者からのあらかじめのメールの確認が不要となりました。
・ 送信先の会員から停止の意思表示があった場合,選挙運動用電子メールを送信してはなりません。
(2)ア 候補者は,①複数の選挙運動用ウェブサイトを開設してはいけませんし,②日弁連,裁判所,法務省その他の公的機関ウェブサイトへのリンクしか設定できませんし,③投票日の前日までしか更新できませんし,④投票日の午後12時までに閉鎖しなければなりません(日弁連の会長選挙施行細則43条の3)。
イ フェイスブックやツイッターなどのSNS,Youtubeやニコニコ動画等の動画共有サービス,Ustreamやニコニコ動画の生放送等の動画中継サイトは,私設のウェブサイトではありませんから,選挙運動用ウェブサイトとして利用することはできません。
ウ 「◯◯を考える会」等のHPを,会長選の公示後,選挙運動用ウェブサイトとして利用することはできません。

6 令和3年6月11日の定期総会における改正(会長選挙規程26条,34条,35条,52条,56条及び58条)

(1) 以下の改正がありました。
① 郵便投票遅配時の救済措置の設定
・ 選挙管理委員会の判断により,投票日当日の開票開始までに弁護士会に到着したものについては救済できるようになりました。
② 選挙公報の発行時期の見直し及びそれに伴う立候補届出期間の短縮
・ 立候補届出期間を2日間短縮して3日以内とすることで,選挙公報の作業工程を前倒しし,その分早期に発行できることとなりました。
③ 納付金制度の見直し
・ 最多票を得た弁護士会があること,又は得票数が有効投票総数の3%以上であることを条件として,300万円の納付金のうち,200万円を返還してもらえるようになりました。
④ 文書による選挙運動としてのファクシミリ利用の解禁
・ 費用が廉価でより多くの情報を盛り込めるファクシミリの利用が認められることとなりました。
⑤ 禁止事項の見直し
・ 選挙運動期間中は,会員以外の者から選挙運動費用の寄付を受けることを禁止されました。
(2)ア 候補者からのファクシミリを受信したくないという会員は,送信停止の連絡をすれば,ファクシミリによる書面の送付を停止してもらえます。
イ 及川智志弁護士(千葉県弁護士会)は,令和3年6月11日の定時総会において以下の発言をしています(リンク先45頁及び46頁参照)。
    私は2020年の選挙に立候補させていただいた。でも、何かすごい制約があるなというのを肌で感じた。選挙に何千万もかかるぞと言われたが、結局、私の選挙では皆さん戦っていただいた方の努力で800万円で何とか収めた。
    だけどやはりお金かかり過ぎだなと思う。800万円のうち300万円が納付金であった。
取られっきりであり、それはちょっとあんまりではないのかなと思う。それを変えていただけるということで選挙管理委員会から照会が来たときに本当に嬉しかった。見ていてくださったんだなと思って。
今日の提案理由にも、選挙が活性化して、投票率が上がったということについて、評価されていたので、本当に嬉しいなと率直に思っている。

7 関連記事
・ 日弁連会長選挙
・ 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)
・ 日弁連設立時から平成18年度までの日弁連会長選挙の結果
・ 日弁連会長選挙の前年に活動していた政策提言団体(2007年以降の分)
・ 日弁連会長選挙の選挙運動に対する規制

Pocket

スポンサーリンク