判事補の採用に関する国会答弁

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目次
1 平成26年3月27日の国会答弁
2 平成29年12月5日の国会答弁
3 平成30年3月30日の国会答弁
4 平成31年3月22日の国会答弁
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1 平成26年3月27日の国会答弁
(1) 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年3月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 私どもといたしましても、修習生の中で裁判官としてふさわしい者につきましてはできる限り多数任官してもらいたいと考えております。その考えというのはこの間一貫しておるところでございます。ただ、裁判官にふさわしい資質、能力を備えてもらっていることがまず重要でありますし、他方で、修習生の側にも弁護士として活躍したいという希望を持つ者もおりまして、そこの関係で、結果として現在の数字になっておるところでございます。
   法科大学院との関係でお尋ねがございました。法科大学院へは、御承知のとおり、法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律に基づきまして、実務家教員として多数の現職の裁判官が法科大学院に派遣され、主に実務科目の講義を担当しておるところでございます。

   この講義、それから講義終了後のいろんなやり取りの中で、裁判官の裁判に対する考え方や人柄に触れながら裁判官の仕事にやりがいや魅力を感じる学生も多いというふうに聞いておるところでございます。また、そうした講義などを通じまして、裁判官の職務に関心を持った法科大学院生が実際に裁判の傍聴にやってくるということも少なくないと聞いております。
   いずれにいたしましても、裁判官としてふさわしい者につきましては数多く採用してまいりたいと考えておるところでございます。
② 今年一月に六十六期修習生から裁判官に任官した女性の割合に関する数字は、委員が今おっしゃられたとおりでございます。
 私どもといたしまして、新任判事補の採用に当たりまして男女別で何か基準を設けることはしておりませんが、裁判官としてふさわしい人につきましては、男女を問わずできる限り任官してもらいたいと考えているところでございます。
 今年一月に女性の新任判事補が多かったことの原因ということのお尋ねでございますけれども、私どもの方で思いますのは、多くの女性修習生が実務修習等を通ずる中で、あるいは、先ほども御答弁させていただきましたが、法科大学院に派遣しております裁判官教員に触れる中で、裁判官の職務をやりがいのあるものとして希望してくれた結果ではないかと見ておるところでございます。
(2) 40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成26年3月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 弁護士の数につきましては、委員御指摘のとおり、平成十二年から平成二十五年で約二倍ということになっております。他方、民事訴訟事件数ということでいいますと、それほど大きな差がないというのが実態でございます。ただ、弁護士数の増加につきましては、長期的に見ますと事件数の増加要因になるというふうに考えておりますし、また審理の在り方にも影響を及ぼしていくのではないかというふうに考えております。
 裁判官の増員につきましては、実際に提起される事件動向を踏まえる必要がございますし、司法制度改革で目標としていました審理期間の短縮、複雑困難な事件に対応するための合議率の向上といった将来の事件動向を踏まえた種々の要素ということを総合的に考慮して、全体としてどの程度の人数の裁判官が必要かということを考えていかなければならないというふうに考えています。その観点で申し上げますと、弁護士の増加比率に応じて裁判官が増員すべきという関係にはないというふうに考えているところでございます。
 また、裁判官への増員ということになりますと、裁判官の給源が限られているということ、その資質、能力が一定必要だということがありますので、やはり計画性を持った増員をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 そういう観点から、なかなか現時点で明確な数字で増員目標ということを申し上げるのは困難なところではございますが、今後ともより一層適切かつ迅速な裁判の実現ということを図っていくために、事件動向を見守りつつ、計画性を持った人的体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
② 複雑困難な事件に対して対応するためには、裁判官という観点でいいますと、やはり合議による審理の活用というのが重要であろうかと思っております。
 このような観点で、合議率を一〇%に上げたいということの目標を申し上げて計画的な増員を図ってきたところでございます。事件数の急増もございまして、平成二十五年度、事件数全体での合議率はまだ四・一%ということで、まだ目標には達成していないところでございますが、判決で終局した事件の合議率については徐々に上がってきているというふうに考えておりまして、計画的な増員の効果は出てきているように感じております。
 また、専門的知見を要する訴訟について、先ほど申し上げましたけれども、専門集中的に処理する部の体制整備、あるいは鑑定人、専門委員といった知見を円滑に利用する手段ということも整備してまいったところでございます。
 今後、裁判の適正を維持しつつ審理期間の短縮を図るために、訴訟関係人の理解と協力を得ながら審理の充実と運営改善に努めてまいりたいと考えているところでございます。

2 平成29年12月5日の国会答弁
   40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成29年12月5日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。

① 裁判官の定員は裁判所職員定員法で定められているところでございますが、民事訴訟が複雑困難化し、家庭事件が増加している中で、適正迅速な裁判を実現するために、裁判所は、事件動向等を踏まえ、毎年定員法の改正をお願いして裁判官の増員を行ってきているところでございます。
 平成三十年度予算の概算要求でも判事五十人の増員をお願いしているところでございますが、今後とも、事件動向や事件の質の変化、法曹人口等の動向、適正迅速な裁判のために望ましい審理形態のあり方等を総合的に考慮しつつ、裁判所に与えられた機能を十分に果たし、国民の期待に応えることができるよう、引き続き、事件処理にたけた判事を増員するなどして人的体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、定員の充足の関係の御質問もございました。あわせてお答えいたしますが、判事については、判事補から判事に任官する者、弁護士任官等により適切に充員ができるものというふうに見込んでおりまして、判事補についても、司法修習生からの採用などによって充員に努めているところでございます。
②  司法修習生の人数が減少しているものの、裁判所としては、できる限り判事補の充員に努めているところでございます。しかし、裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須であるだけではなく、司法修習生の側におきましても、弁護士として活躍する分野の広がりといった事情もあり、裁判官としてふさわしい人材であっても、なかなか裁判官の任官を希望しているという状況であるわけではないということから、結果として、現在の採用数で推移しているところでございます。
 今後とも、司法における需要を勘案しつつ、裁判官にふさわしい人を採用して、裁判の運営に必要な体制を確保するよう努力してまいりたいと考えているところでございます。

3 平成30年3月30日の国会答弁
   41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成30年3月30日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。

① 裁判所といたしましては、できる限りの充員に努めているところではございますが、判事補の給源となります司法修習終了者の人数が減少しておりますことに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているだけではなく、渉外事務所等を中心といたします法律事務所の大規模化、それに伴う弁護士の採用増といったことに伴いまして、採用における競合が激化しているところでございます。
 また、裁判官の場合、全国に均質な司法サービスを提供するなどのため全国的な異動が避けられないところでございますけれども、大都市志向の強まりですとか、配偶者が有職であるということが一般化してきている、そういったことに伴いまして転勤への不安を持つ司法修習生がふえているということにつきましても、判事補の任官につながらない理由となっているものというふうに考えております。
 こういった原因に対してはさまざまな対策をとって、今後とも、裁判官にふさわしい人を採用し、裁判の運営に必要な体制を確保できるように努力してまいりたいと考えているところでございます。
② 判事補の任官者が減少しております原因につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりというふうに考えておりまして、司法修習終了段階における司法修習生の質が低下しているといったことが原因というふうには考えておらないところでございます。
③ 以前の修習生の少なかった時期と比べても任官者がなかなか少なくなっているという点も含めまして、判事補の任官者の減少している原因については、先ほど申し上げたように考えているところでございます。
 司法修習生の質が変化しているのかどうかということを比較するのは難しい面があるわけでございますけれども、例えば、法曹に必要な資質、能力を備えているかどうかを判定する目的で行われております二回試験の不合格者数を見ましても、近年、大きく増加するような状況にはないといったことからいたしますと、司法修習生の質が低下しているというふうに見られる事情はなかなか見当たらないというふうに思っております。
④ 今後、平成三十一年一月までの判事への任官見込み数は百人程度でございまして、次回の新任判事補の採用数を加えなければ欠員数は二百三十人程度ということになります。その欠員数を三十三人程度とするためには、概算でございますが、二百人程度の判事補を採用する必要があるということになります。
⑤ 判事補の採用人数が伸び悩んでおりますことにつきましては遺憾であると考えているところでございますが、その理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少しておりますことに加えまして、大規模法律事務所との競合が激化していることがあるというふうに考えているところでございます。また、大都市志向の強まり、あるいは配偶者が有職であるということが一般化しているということに伴いまして、転勤への不安がふえているものと考えております。

4 平成31年3月22日の国会答弁
   神田眞人 財務省主計局次長は,平成31年3月22日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。

 裁判所の判事補、先ほど数字がございましたように、欠員が三十一年一月現在で百五十七人、これは欠員率にいたしますと一六・五%になります。
 先ほど、先生が他省庁と比べてとおっしゃいました。国の行政機関全体を見ますと、二十九年度末定員は二十九万七千三十人、これに対し欠員は一万一千六百七十一人でございますので、全体の欠員率は三・九%。したがって、階委員御指摘のとおり、相対的に高い欠員率となってございます。
 この要因につきましては、裁判所において審理の促進あるいは家事事件処理の充実強化などに対応するために、判事の不足が想定される中、将来判事となり得る判事補を多く任官すべく定員を確保したいものの、他方、判事補の供給源となる司法修習終了者の人数が減少していることや、法律事務所が大規模化して採用における競合が激しくなっているといった理由から採用が困難になっているのも事実でございまして、こういった採用に当たっての裁判所特有の構造、こういったこともありますので、国の行政機関と一概に比較できるものではないと考えられます。
 なお、裁判所におきましては、二十九年度の裁判所定員法の改正に際しての附帯決議等も踏まえまして、その定員充足に努めつつ、段階的な減員等による欠員の是正、あるいは司法研修所教官等を通じ裁判所勤務の魅力等を伝えてもらうなどの取組を講じているものと承知しておりまして、私ども財務省といたしましても、裁判所と調整しつつ、適正な定員管理がなされるよう努めてまいりたいと存じます。

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