平成13年2月当時の,弁護士任官に対する最高裁判所の考え方

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裁判官制度の改革について平成13年2月19日開催の第48回司法制度改革審議会配布資料)には以下の記載があります。

(1)弁護士任官の推進
   裁判官に多様な人材を確保するためには,従来から行われている弁護士の任官を,今後さらに推進していくことが,最も現実的であり,意義のある方策でもある。より多くの優れた弁護士が裁判官を希望するようになるためには,弁護士事務所の共同化・大規模化等,弁護士側の態勢の整備が重要であるが,裁判所としては,次のような諸方策を検討したい。
①   任官者の経験,希望に応じて,特定の専門的分野,例えば倒産事件,知的財産権事件,家庭事件等の特化した領域の裁判事務を担当する形態での任官を推進する。こうした事件に経験や関心が深い弁護士にとって,任官することの魅力や任官し易さが増すのではないかと思われる。また,これにより,裁判官の専門化にも資することになろう。
②   弁護士任官者の配置については,これまでは,例えば,最初は比較的入りやすいと考えられる保全事件などを担当しながら,通常部で陪席を務めるといった形で,裁判官の仕事や生活への移行の円滑化を図ってきたが,弁護士任官をさらに組織的に進めるという観点から,弁護士から任官した後相当年数の経験を経た裁判官を部総括とする部を設け,弁護士任官者をまずその部に配置するなど,移行を円滑化できるための方策を採用することが考えられる。
③   弁護士任官者に対する研修は,数年前から司法研修所において実施しているが,弁護士任官者の意見を聞き,さらにこれを充実していきたい。
なお,任地,報酬等の任官条件については,現在の弁護士任官要領においても,弁護士経験15年以上の者については,その希望により居住地またはその周辺の裁判所を任地とすることになっており,報酬についても同期の裁判官に準ずることとされているので,これ以上の優遇は難しい。
(注)英米においては充実した年金制度が裁判官任官の魅力の一つであるとされているようであるが,現在の国家公務員の退職共済年金は掛金制度であるから,在任が短期間の場合の適用には困難な問題があろう。退職手当も,永年勤続に対する報償的性格が強いとされているので,同様の問題がある。

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