西川知一郎裁判官(37期)の経歴


生年月日 S35.4.22
出身大学 東大
定年退官発令予定日 R7.4.22
R4.9.2 ~ 大阪家裁所長
R3.5.10 ~ R4.9.1 神戸地裁所長
R1.5.24 ~ R3.5.9 大阪高裁7民部総括
H30.5.5 ~ R1.5.23 大津地家裁所長
H27.9.12 ~ H30.5.4 福岡高裁宮崎支部民事部部総括
H26.8.18 ~ H27.9.11 神戸地家裁尼崎支部長
H25.4.1 ~ H26.8.17 大阪地裁3民部総括
H23.4.1 ~ H25.3.31 大阪国税不服審判所長
H18.4.1 ~ H23.3.31 大阪地裁部総括(民事部)
H15.11.1 ~ H18.3.31 大阪地裁2民判事
H14.4.1 ~ H15.10.31 大阪高裁3民判事
H13.4.1 ~ H14.3.31 大阪地裁判事
H8.4.1 ~ H13.3.31 最高裁調査官
H7.4.12 ~ H8.3.31 東京地裁判事
H6.4.1 ~ H7.4.11 東京地裁判事補
H3.4.1 ~ H6.3.31 福岡地家裁判事補
S63.8.1 ~ H3.3.31 最高裁行政局付
S60.4.12 ~ S63.7.31 東京地裁判事補

*0 以下の記事も参照して下さい。
・ 歴代の大阪家裁所長
・ 歴代の神戸地裁所長
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 最高裁判所調査官

*1の1 文春オンラインの「「灘高校1979年卒」の神童は、大人になってどうなったのか?」には「宮園と灘高時代に成績を競い合ったのが井内摂男、西川知一郎。灘高文系トップ3と言われた。」と書いてあります。
*1の2 37期の西川知一郎大阪家裁所長は,裁判所の許可なく少年審判を録音したことなどを理由に,令和5年6月29日付で,大阪弁護士会に対し,中道一政弁護士の懲戒請求をしました(弁護士ドットコムニュースの「「法廷録音」の中道弁護士を裁判所が懲戒請求 弁護士会、対応迫られる」参照)。


*2 大阪地裁平成17年9月16日判決(判例秘書に掲載)の裁判長として,平成14年度分消費税確定申告書の提出を失念した関西電力株式会社に対する12億3892万5000円の無申告加算税賦課決定処分(平成15年9月30日付け)の取消請求を棄却しました(東弁リブラ2006年6月号の「申告書提出の失念で加算税(関西電力事件)」,及び「消費税納付に関する行政訴訟の控訴断念について」(2005年9月22日付の関西電力株式会社のプレスリリース)参照)。
*3の1 大阪高裁令和3年3月5日判決(判例体系に掲載。担当裁判官は37期の西川知一郎50期の栩木有紀及び58期の森田亮)は結論として以下の判示をしましたところ,最高裁令和4年12月12日判決によって取り消されました。
 契約条項目録記載の18条2項2号のような、原契約賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、一審被告において合理的な手段を尽くしても原契約賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から賃借物件を相当期間利用していないものと認められ、かつ、賃借物件を再び占有使用しない原契約賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときに、原契約賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃借物件の明渡しがあったものとみなす権限を一審被告に付与する条項を含む消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示の差止め等を求める一審原告の請求は、いずれも理由がない。
*3の2 消費者支援機構関西HP「フォーシーズに対する不当条項使用差止請求訴訟を振り返って ~ フォーシーズ(株)事件訴訟弁護団 弁護士 岡本英子 ~」最高裁令和4年12月12日判決の評釈です。)が載っています。


*4 大阪高裁令和3年3月17日判決の裁判長として,奈良県の高校再編計画により廃止される県立平城高校の生徒4人が県に高校の廃止処分取り消しと受けた精神的損害に対する賠償を求めた裁判において,原告らの請求を却下又は棄却しました(日本共産党奈良県支部ニュース「平城高校の存続を求める裁判 控訴審判決」(2021年3月19日付)参照)。
*5 大阪高裁令和2年6月23日判決 (大阪地裁令和元年9月12日判決の控訴審判決)の裁判長として,下記1のツイート(判決文のPDF18頁及び19頁。以下「本件投稿」といいます。)に関して下記2の判示をし(ナンバリング及び改行を追加しています。)
    結論として,「Jが30代でA知事になったとき,20歳以上年上のAの幹部たちに随分と生意気な口をきき,自殺にまで追い込んだこと」に関する真実性の立証がなかったために,リツイート主(フォロワー数は約18万人)に対して33万円の損害賠償を命じました。

記1

ア 平成28年10月の衆議院議員選挙でBの会から立候補して当選したD議員が,同選挙後,ツイッターに「衆院選総括と代表選なしに前に進めない」などと投稿したことに関連して,被控訴人が,平成29年10月24日以降,ツイッターに「お前が勝てたのはMさんが知事をやっているからだ。ボケ!代表選を求めるにも言い方があるやろ。ボケ!」,「DのボケにNの力を学ばせるしかなさそうだ。それとまず言葉遣いから学べ,ボケ!」などと数回にわたり投稿した(乙99ないし102)。
イ 元ツイート主(ユーザー名「@(以下省略)」)は,上記アの投稿後の平成29年10月28日,上記引用にかかる原判決第2の2(2)イのとおり,次の内容のツイート(本件元ツイート)を投稿した。
 「J氏,D議員の党代表「茶化し」2度目...M代表「20歳も年下に我慢している」
headlines.(以下省略)
Jが30代でA知事になったとき,20歳以上年上のAの幹部たちに随分と生意気な口をきき,自殺にまで追い込んだことを忘れたのか!恥を知れ!」
 控訴人は,同月29日,上記引用にかかる原判決第2の2(2)ア(ア)のとおり,元ツイート主(@(以下省略))の本件元ツイートを単純リツイートした(本件投稿)が,その内容は次のとおりである。
「Retweeted (以下省略)C市解体の住民投票は中止な(@(以下省略)):
J氏,D議員の党代表「茶化し」2度目...M代表「20歳も年下に我慢している」
https:(以下省略)
Jが30代でA知事になったとき,20歳以上年上のAの幹部たちに随分と生意気な口をきき,自殺にまで追い込んだことを忘れたのか!恥を知れ!」

記2

① ある表現の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは,当該表現についての一般閲読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容に従って判断すべきであり(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁),ツイッターにおける投稿による表現についてもこれと別異に解すべき根拠はないというべきである。
    控訴人は,ツイッターにおける投稿は,SNS上双方向的な議論の空間において,次々と展開される議論・発言の中での表現であって,常に動的なもので可変的であり得,相手方の指摘を受け修正する余地もあれば,より表現の意図が明確になる場合も十分にあり,その方法と手段を双方が持ち得ているという特質があるから,本件投稿のように言論の相手方が公人であった時期の公的評価に関わる言論であり,「対抗言論」の可能性が十分にある中での投稿の内容は,それ自体,社会的評価を低下させるべき性質のものかは疑問である旨主張する。
    しかしながら,控訴人の主張するようなツイッターという表現媒体及びこれを用いた表現行為の特質を踏まえても,その表現内容によって他人の社会的評価を低下させることがあり得ることは他の表現方法と変わりはないことに加え,リツイートによる投稿をも含めて,ツイッターにおける投稿が,当該投稿に係る表現内容を容易な操作により瞬時にして不特定多数の閲読者の閲読可能な状態に置くことができることをも考慮すれば,当該投稿に係る表現の意味内容が他人の社会的評価を低下させるか否かの判断基準を上記説示と異なって解すべき理由はなく,当該表現内容が公人であった時期の公的評価に関わるものであるとの点は,違法性阻却事由の成否において検討されるべきものである。したがって,控訴人の上記主張は採用できない。
② 単純リツイートに係る投稿行為は,一般閲読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,元ツイートに係る投稿内容に上記の元ツイート主のアカウント等の表示及びリツイート主がリツイートしたことを表す表示が加わることによって,当該投稿に係る表現の意味内容が変容したと解釈される特段の事情がある場合を除いて,元ツイートに係る投稿の表現内容をそのままの形でリツイート主のフォロワーのツイッター画面のタイムラインに表示させて閲読可能な状態に置く行為に他ならないというべきである。
    そうであるとすれば,元ツイートの表現の意味内容が一般閲読者の普通の注意と読み方を基準として解釈すれば他人の社会的評価を低下させるものであると判断される場合,リツイート主がその投稿によって元ツイートの表現内容を自身のアカウントのフォロワーの閲読可能な状態に置くということを認識している限り,違法性阻却事由又は責任阻却事由が認められる場合を除き,当該投稿を行った経緯,意図,目的,動機等のいかんを問わず,当該投稿について不法行為責任を負うものというべきである。
③ 事実を摘示しての名誉毀損にあっては,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには,上記行為には違法性がなく,仮に上記行為が真実であることの証明がないときにも,行為者において上記事実を真実と信じるについて相当の理由があれば,その故意または過失は否定されるというべきである(最高裁昭和37年(オ)第815号同41年6月23日第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁最高裁昭和56年(オ)第25号同58年10月20日第一小法廷判決・裁判集民事140号177頁参照)。
④ リツイートによる投稿をも含めて,ツイッターにおける投稿が,当該投稿に係る表現内容を容易な操作により瞬時にして不特定多数の閲読者の閲読可能な状態に置くことができる特性を有するものであるにとどまらず,当該投稿を閲読した者が更にその投稿内容をリツイート等することによってその表現内容を容易な操作により更に多くの閲読者の閲読可能な状態に置き,そのような行為が繰り返されることによって,当該投稿の表現内容が短期間のうちに際限なく拡散していく可能性を秘めており,そのような危険性は抽象的危険の域にとどまらないものというべきであることからすれば,単純リツイートの場合を含めて,ツイッターにおける投稿行為を行う者には,投稿行為に際し,その投稿内容に含まれる表現が,人の品性,徳行,名声,信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価を低下させるものであるか否かについて,相応の慎重さが求められるものというべきである。
    そのような制約は,もとより表現の自由の内在的制約にすぎないのであり,かえって,ツイッターにおける投稿行為がそのような配慮の下に行われることが担保されることによって,控訴人の主張するようなツイッターの表現媒体としての特性が活かされ,ツイッターにおける投稿を通じた自由かつ双方向的な言論空間の形成,発展に資することになるというべきである。
⑤ 人の社会的評価を低下させる表現行為が行われれば,それによる精神的苦痛という損害は直ちに発生するというべきであって,その後の被害者の行為により損害が消滅等するものではなく,控訴人の主張するように被害者において当該表現行為に対し言論をもって反論することが十分に可能であるとしても,当該表現行為が被害者の名誉を毀損する不法行為に該当する限りにおいて,その一事をもって被害者が加害者に対し不法行為による損害賠償を求める方法によってその損害の回復を図るみちが閉ざされるものでないことは明らかというべきである。


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