生年月日 S33.5.10
出身大学 東大
退官時の年齢 63歳
R4.3.1 依願退官
R3.1.5 ~ R4.2.28 広島高裁第2部部総括(民事)
H30.11.24 ~ R3.1.4 広島高裁松江支部長
H29.5.21 ~ H30.11.23 横浜地家裁小田原支部長
H27.10.2 ~ H29.5.20 東京地裁48民部総括
H25.1.1 ~ H27.10.1 千葉地裁1民部総括(労働部)
H23.4.26 ~ H24.12.31 東京高裁20民判事
H20.4.1 ~ H23.4.25 最高裁民事調査官
H17.4.1 ~ H20.3.31 秋田地裁民事部部総括
H14.7.1 ~ H17.3.31 東京地裁判事
H13.1.6 ~ H14.6.30 法務省民事局参事官
H6.10.1 ~ H13.1.5 法務省民事局付
H6.5.18 ~ H6.9.30 東京地裁判事補
H3.7.1 ~ H6.5.17 旭川地家裁判事補
S63.4.10 ~ H3.6.30 東京地裁判事補
*0 以下の記事も参照してください。
・ 公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの
・ 50歳以上の裁判官の依願退官の情報
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 高等裁判所支部
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 判事補の外部経験の概要
・ 行政機関等への出向裁判官
*1の1 令和4年4月1日,横浜地方法務局所属の横浜駅西口公証センターの公証人になりました。
*1の2 令和5年2月現在,青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科の助教をしている金子直史とは異なります。
広島高裁「合憲」請求棄却 衆院選一票の格差訴訟https://t.co/sq86q9EhPU
高裁判決は3月9日までに出そろい、最高裁が統一判断を示す見通し。— 産経ニュース (@Sankei_news) February 21, 2022
*2の1 日経新聞HPの「障害者雇用、裁判所399人水増し 厚労省発表」には「中央省庁などの障害者雇用水増し問題で、厚生労働省は7日、全国の裁判所で399人、国会で37人の不適切な算入があったと発表した。裁判所と国会は、2017年は計約730人を雇用していたと発表しており、半分以上が水増しになる。」と書いてあります。
*2の2 広島高裁令和3年9月10日判決(担当裁判官は39期の金子直史,52期の光岡弘志及び55期の若松光晴)(判例秘書に掲載)は,「基礎収入年額 391万8880円」としたことについて以下の判示をしています。
不法行為により後遺症が残存した年少者の逸失利益については,将来の予測が困難であったとしても,あらゆる証拠資料に基づき,経験則とその良識を十分に活用して,損害の公平な分担という趣旨に反しない限度で,できる限り蓋然性のある額を算出するように努めるのが相当である。
そこで検討するに,控訴人Aが本件事故の前から抱えていた全盲の視覚障害が労働能力を制限し,又は労働能力の発揮を阻害する事情であることは否定し難く,このことを,本件事故による逸失利益として被控訴人が損害賠償責任を負う額の算定に際して無視することは困難である。
証拠(乙8の1,2,乙9)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故前の控訴人Aと同様の視覚障害のある者の雇用実態は,公的な調査結果によって十分につまびらかになっているとはいい難いものの,厚生労働省による平成25年度障害者雇用実態調査においては,同年10月時点の身体障害者(身体障害のある被調査者の内訳は,視覚障害が8.3%,肢体不自由が43.0%,内部障害が28.8%,聴覚言語障害が13.4%)の平均賃金(超過勤務手当を含む。)は22万3000円であったことが認められ,この額は,当裁判所に顕著な同年の賃金センサス男女計,学歴計,全年齢の平均賃金における「きまって支給する現金給与額」である32万4000円の約7割にとどまっているのであって,身体障害者の中には,職に就くことができず,調査対象とならなかった者も少なくないと推測できることに照らせば,調査対象とならなかった者も含む身体障害者全体の収入については,身体障害のない者と比較して差異があるといわざるを得ない。そして,このような身体障害の中でも,両眼の失明は,多くの損害賠償実務で用いられる自賠法施行令別表第2において,労働能力喪失率が最も大きい等級に位置付けられているところである。このような差異が,社会の現状において,又は近い将来において,全面的かつ確実に解消されることを認定するに足りるまでの証拠はない。
他方,証拠(甲42ないし46,59ないし61,65ないし69,72ないし81,89,90,116,乙8の1,2)によれば,我が国における近年の障害者の雇用状況や各行政機関等の対応,障害者に関する障害者雇用促進法等の関係法令の整備状況,企業における支援の実例,職業訓練の充実,点字ディスプレイ,画面読み上げソフト等のIT技術を活用した就労支援機器の開発・整備,普及等の事情を踏まえると,身体障害者であっても,今後は,今まで以上に,潜在的な稼働能力を発揮して健常者と同様の賃金条件で就労することのできる社会の実現が徐々に図られていくことが見込まれ,活躍の分野もあん摩マッサージや鍼灸に限られず,事務職その他に広がり,現に職場又は家庭において,健常者に劣らない活躍をしている身体障害者も少なくないと認められる。しかも,証拠(甲32,35ないし40,47ないし53,55,甲56の1,2,甲57の1,2,甲59,60,原審控訴人A,原審控訴人C)によれば,こと控訴人Aについては,本件事故時17歳であったこと,平成16年3月にO盲学校小学部を卒業し,同年4月にP盲学校中学部に入学し,その後2年にわたって同校に在学した後,平成18年4月にO盲学校中学部に転校し,平成19年3月にこれを卒業し,同年4月に同校高等部普通科に入学したこと,上記のとおり在学したP盲学校中学部については,平成30年度の卒業生全員が同校上級部に進学し,高等部普通科や専攻科の生徒が大学や短大に進学し,又は就職している例もあること,控訴人A自身については,上記のとおり高等部に在籍中に職業見学や大学見学に参加したり,詩を多く作ったりするなど,自らの能力の向上と発揮に積極的であったことなどの事情が認められる。これらの事情に照らせば,控訴人Aについては,全盲の障害があったとしても,潜在的な稼働能力を発揮して健常者と同様の賃金条件で就労する可能性が相当にあったと推測される。
そうすると,本件事故前の控訴人Aについては,全盲の視覚障害があり,健常者と同一の賃金条件で就労することが確実であったことが立証されているとまではいえないものの,その可能性も相当にあり,障害者雇用の促進及び実現に関する事情の漸進的な変化に応じ,将来的にその可能性も徐々に高まっていくことが見込まれる状況にあったと認めることができる。その他の諸事情も総合すると,本件において損害賠償の対象となる控訴人Aの逸失利益の算定に用いる基礎収入としては,同控訴人の就労可能期間を通じ,平成28年賃金センサス男女計,学歴計,全年齢の平均賃金(489万8600円)の8割である391万8880円を用いるのが相当である。
全盲女性の逸失利益 “全国平均賃金の8割が妥当” 広島高裁 | NHKニュース
2021/9/10
広島高等裁判所の金子直史裁判長は健常者と同じ賃金条件で就労することが確実とはいえないとして、
8割が妥当だと判断しました。そのうえで、介護の費用や慰謝料を含めて賠償を命じましたhttps://t.co/wh4M4IgxUP— 猫の飼い主 (@3515361) September 10, 2021