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弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況(AIリライト)

第1 この記事が扱う資料と委員会の仕組み

1 下級裁判所裁判官指名諮問委員会の設置と構成

下級裁判所の裁判官は,最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命する(憲法80条1項,裁判所法40条1項)。下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,この指名の過程に外部の目を入れるため,下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号。平成15年5月1日施行)によって最高裁判所に置かれた諮問機関であり,最高裁判所の諮問に応じ,下級裁判所の裁判官として任命されるべき者を指名することの適否を審議して答申する。最高裁判所の説明によれば,司法制度改革審議会意見が,最高裁判所に指名されるべき適任者を選考して意見を述べる機関を設置すべきであると提言したことを踏まえ,一般規則制定諮問委員会の審議及び答申を経て設置されたものである。

委員会は委員11人で構成され,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者の中から最高裁判所が任命する。委員の任期は3年で再任することができる。委員会の下部組織として,全国8か所の高等裁判所所在地ごとに,指名候補者に関する情報収集を行って委員会に報告する地域委員会が置かれている。委員会は平成15年6月9日の第1回から令和8年4月10日の第125回まで開催されており,各回の議事要旨が最高裁判所のウェブサイトで公表されている。

2 弁護士任官候補者が答申されるまでの流れ

弁護士任官候補者に関する委員会の審議は,任官期ごとに2回に分かれる定型的なサイクルをとっている。4月期に任官する候補者については,前年9月開催の委員会で情報収集の在り方を審議して地域委員会に情報収集を依頼し,その結果を受けて同年12月開催の委員会で指名の適否を答申する。10月期に任官する候補者については,同年2月開催の委員会で情報収集の在り方を審議し,同年7月開催の委員会で答申するという形で,全体が約6か月ずれる。したがって,ある任官期について応募者がいたかどうかは,これらの回の議題に「弁護士任官候補者」の項目が立てられているかどうかで判別することができる。

委員会の審議に至るまでには,その前段として弁護士会側の推薦手続がある。東京弁護士会の会報であるLIBRA2017年11月号の特集「弁護士任官制度〜あなたも裁判官に〜」が説明しているところによれば,前年3月の申込締切の後,①弁護士委員のみで構成される適格性調査部会による第1回面接,②弁護士委員7人及び外部委員5人で構成される任官候補者審査部会による第2回面接,③弁護士任官推進委員会及び理事者会における推薦の決定,④弁護士会連合会への進達,⑤日本弁護士連合会への進達,⑥最高裁判所への推薦という順で進む。最高裁判所に進達された後は,地域委員会による情報収集,11月頃の健康診断及び最高裁判所の局長等による面接を経て,12月開催の委員会で審議される。委員会の答申を受けて最高裁判所の裁判官会議が採用の内定を決定し,本人には電話で結果が伝えられ,翌年3月の裁判官会議で指名が決定して4月1日に内閣が任命する。

3 この記事の収録範囲と議事要旨の限界

この記事は,平成16年4月任官に係る答申から,令和8年4月任官に係る答申までを収録している。委員会の議事要旨は,最新のものが令和8年4月10日開催の第125回であり,令和8年10月期の弁護士任官候補者については,令和8年2月16日開催の第124回で情報収集の在り方が審議された段階にとどまる。令和8年10月期の答申を扱う回の議事要旨は,この記事の作成時点では公表されていない。

議事要旨から読み取れる情報には限界がある。議事要旨は候補者の氏名を記載せず,不適当と答申した理由も明らかにしていないから,誰が答申の対象になったのかは,その後に任官した者の氏名から推認するほかない。また,委員会の答申は最高裁判所に対する意見であって,指名するかどうかを決定するのは最高裁判所であるから,「不適当」との答申がされたことと,その者が実際に採用されなかったこととは,論理的には別の事柄である。もっとも,全125回の議事要旨を通読しても,最高裁判所が答申と異なる決定をした旨の記載は見当たらない。ただし,議事要旨の多くは「最高裁判所における審議結果が報告された」と記すのみでその内容を明らかにしていないから,この点は答申と異なる決定が存在しないことの証明にはならない。

第2 弁護士任官候補者に関する答申の一覧

平成16年4月任官から令和8年4月任官までの各任官期について,議事要旨に記載された答申の内容を一覧にすると次のとおりである。「取下げ」は,答申の前に任官希望を取り下げ又は撤回したことにより審議の対象から外れた者であり,「諮問」の人数には含めていない。

任官期委員会(開催日)諮問適当不適当留保取下げ
令和8年4月第123回(令和7年12月5日)101
令和7年10月第121回(令和7年7月11日)101
令和7年4月第117回(令和6年12月6日)633
令和6年4月第112回(令和5年12月4日)312
令和5年10月第110回(令和5年7月7日)431
令和5年4月第106回(令和4年12月2日)312
令和3年4月第96回(令和2年12月4日)523
令和2年10月第94回(令和2年7月3日)220
令和2年4月第91回(令和元年12月6日)6321
令和元年10月第89回(令和元年7月5日)3021
平成31年4月第86回(平成30年12月7日)2111
平成30年10月第84回(平成30年7月6日)211
平成30年4月第81回(平成29年12月1日)211
平成29年4月第76回(平成28年12月2日)624
平成28年10月第74回(平成28年7月6日)101
平成28年4月第71回(平成27年12月4日)835
平成27年10月第69回(平成27年7月3日)101
平成27年4月第65回(平成26年12月5日)312
平成26年10月第63回(平成26年6月27日)220
平成26年4月第60回(平成25年12月9日)321
平成25年10月第58回(平成25年7月8日)633
平成25年4月第55回(平成24年12月10日)2111
平成24年10月第53回(平成24年7月5日)101
平成24年4月第50回(平成23年12月2日)752
平成23年10月第48回(平成23年7月8日)202
平成23年4月第45回(平成22年12月3日)853
平成22年10月第43回(平成22年7月2日)101
平成22年4月第40回(平成21年12月1日)312
平成21年4月第35回(平成20年12月5日)8611
平成20年10月第33回(平成20年6月27日)321
平成20年4月第30回(平成19年12月7日)523
平成19年10月第28回(平成19年6月29日)743
平成19年4月第25回(平成18年12月8日)321
平成18年10月第22回(平成18年7月7日)3111
平成18年4月第19回(平成17年12月9日)6411
平成17年10月第16回(平成17年6月10日)4301
平成17年4月第13回(平成16年12月3日)110
平成16年10月第9回(平成16年6月18日)記載なし記載なし記載なし
平成16年4月第6回(平成15年12月2日)1174

平成16年10月任官に係る第9回の議事要旨は,弁護士任官候補者について審議したことと,その結果を最高裁判所に答申することとされたことを記すのみで,候補者の人数も適当・不適当の内訳も記載していない。同期に任官したのは50期の土井文美弁護士1人である。

第3 任官期ごとの答申の内容及び任官者

1 令和の任官期

令和8年4月任官については,令和7年8月8日付けの開示文書によれば,令和7年11月10日に1人の面接があった。指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第123回議事要旨3頁)。

令和7年10月任官については,指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第121回議事要旨3頁)。

令和7年4月任官については,令和6年9月5日付けの開示文書によれば,令和6年11月8日に6人の面接があった。指名候補者6人のうち3人について指名することが適当であると答申され(第117回議事要旨3頁),51期の岡田さなゑ弁護士(大阪弁護士会),59期の石堂一仁弁護士(大阪弁護士会)及び64期の加藤正佳弁護士(札幌弁護士会)が任官した。

令和6年4月任官については,令和5年8月30日付けの開示文書によれば,令和5年11月13日に3人の面接があった。指名候補者3人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第112回議事要旨3頁),70期の新井宏基弁護士(東京弁護士会)が任官した。

令和5年10月任官については,指名候補者4人のうち3人について指名することが適当であると答申された(第110回議事要旨3頁)。59期の内海雄介弁護士(東京弁護士会)及び63期の石本恵弁護士(福岡県弁護士会)が同年10月に任官し,61期の渡邊典子弁護士(福岡県弁護士会)が令和6年1月16日付けで任官した。

令和5年4月任官については,令和4年9月30日付けの開示文書によれば,令和4年11月7日に3人の面接があった。指名候補者3人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第106回議事要旨2頁及び3頁),49期の丸山水穂弁護士(仙台弁護士会)が任官した。

令和3年4月任官については,令和3年3月31日付けの開示文書によれば,令和2年11月9日に2人,同月10日に3人の面接があった。指名候補者5人のうち2人について指名することが適当であると答申され(第96回議事要旨3頁),55期の元芳哲郎弁護士(第二東京弁護士会)及び58期の西村甲児弁護士(奈良弁護士会)が任官した。これに加えて,令和2年4月期の留保者であった50期の柴田義人弁護士(第二東京弁護士会)も同時期に任官しており,日本弁護士連合会の弁護士任官等推進センターニュースは,2021年に常勤裁判官に採用された弁護士任官者について「4月期の応募者5名に対して2名(第二東京55期、奈良58期)及び2020年の留保者1名(第二東京50期)の合計3名でした」と記載している。

令和2年10月任官については,指名候補者2人のいずれについても指名することが適当であると答申された(第94回議事要旨3頁)。1人は48期の真田尚美弁護士(大阪弁護士会)であり,もう1人は前記の柴田義人弁護士であると考えられる。

令和2年4月任官については,令和2年2月4日付けの開示文書によれば,令和元年11月8日に3人,同月11日に3人の面接があった。指名候補者6人のうち,3人については指名することが適当であると,2人については指名することは適当でないと答申され,1人については今回は指名の適否について意見を述べることを留保するとされた(第91回議事要旨2頁及び3頁)。適当とされたのは,55期の糸井淳一弁護士(神奈川県弁護士会),63期の河野申二郎弁護士(東京弁護士会)及び63期の豊平(塩谷)真理絵弁護士(埼玉弁護士会)である。

令和元年10月任官については,指名候補者3人のうち,2人については指名することは適当でないと答申され,1人については追加の情報収集を行った上で更に審議する必要があるとして指名の適否について意見を述べることが留保された(第89回議事要旨3頁)。その結果,令和元年10月に弁護士任官した者はいない。

2 平成の任官期

平成31年4月任官については,平成30年12月10日付けの開示文書によれば,平成30年11月12日に3人の健康診断があった。候補者3人のうち1人が任官希望を取り下げて審議の対象から外れ,残る2人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第86回議事要旨2頁及び3頁),54期の廣瀬一平弁護士(大阪弁護士会)が任官した。

平成30年10月任官については,指名候補者2人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第84回議事要旨3頁),新61期の木上(相井)寛子弁護士(熊本県弁護士会)が任官した。

平成30年4月任官については,平成29年12月11日付けの開示文書によれば,平成29年11月11日に2人の健康診断があった。指名候補者2人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第81回議事要旨3頁),44期の大場めぐみ弁護士(大阪弁護士会)が任官した。

平成29年4月任官については,指名候補者6人のうち2人について指名することが適当であると答申され(第76回議事要旨3頁),58期の矢向孝子弁護士(第二東京弁護士会)及び新63期の今城智徳弁護士(大阪弁護士会)が任官した。平成29年6月12日付けの開示文書によれば,平成28年11月11日に4人,同月14日に2人の健康診断及び面接があった。

平成28年10月任官については,指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第74回議事要旨3頁)。

平成28年4月任官については,指名候補者8人のうち3人について指名することが適当であると答申され(第71回議事要旨3頁),平成27年12月16日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは,50期の安部朋美弁護士(兵庫県弁護士会),50期の金久保茂弁護士(東京弁護士会)及び58期の杉森洋平弁護士(東京弁護士会)である。

平成27年10月任官については,指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第69回議事要旨3頁)。

平成27年4月任官については,指名候補者3人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第65回議事要旨3頁),平成26年12月10日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは57期の大塚博喜弁護士(東京弁護士会)である。

平成26年10月任官については,指名候補者2人のいずれについても指名することが適当であると答申され(第63回議事要旨3頁),平成26年7月2日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは42期の岸本寛成弁護士(大阪弁護士会)及び55期の南部潤一郎弁護士(旭川弁護士会)である。南部弁護士は法テラスのスタッフ弁護士から任官した者であり,同人を紹介する記事が法テラスのウェブサイトに掲載されていた。

平成26年4月任官については,指名候補者3人のうち2人について指名することが適当であると答申され(第60回議事要旨3頁),平成25年12月11日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは59期の石上興一弁護士(愛知県弁護士会)及び61期の津田裕弁護士(兵庫県弁護士会)である。

平成25年10月任官については,指名候補者6人のうち3人について指名することが適当であると答申され(第58回議事要旨3頁),平成25年7月10日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは45期の山田健男弁護士(第二東京弁護士会),51期の山本健一弁護士(第二東京弁護士会)及び53期の黒澤圭子弁護士(東京弁護士会)である。

平成25年4月任官については,候補者3人のうち1人が任官希望を取り下げて審議の対象から外れ,残る2人のうち1人について指名することが適当であると答申され(第55回議事要旨3頁),平成24年12月12日の最高裁判所裁判官会議で採用内定となった。任官したのは54期の山田兼司弁護士(第一東京弁護士会)である。

平成24年10月任官については,指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第53回議事要旨4頁)。

平成24年4月任官については,指名候補者7人のうち5人について指名することが適当であると答申された(第50回議事要旨3頁)。任官したのは48期の榎本康浩弁護士(岡山弁護士会),49期の中尾隆宏弁護士(東京弁護士会),51期の清野英之弁護士(東京弁護士会),54期の木山智之弁護士(大阪弁護士会)及び59期の山根良実弁護士(福岡県弁護士会)である。なお,平成24年10月17日に再び裁判官となった57期の岡部絵理子裁判官は,弁護士任官者ではない。

平成23年10月任官については,指名候補者2人のいずれについても指名することは適当でないと答申された(第48回議事要旨3頁)。

平成23年4月任官については,指名候補者8人のうち5人について指名することが適当であると答申された(第45回議事要旨4頁)。任官したのは36期の泉薫弁護士(大阪弁護士会),44期の遠藤曜子弁護士(第二東京弁護士会),54期の大畑道広弁護士(大阪弁護士会),54期の吉田祈代弁護士(東京弁護士会)及び56期の長丈博弁護士(熊本県弁護士会)である。

平成22年10月任官については,指名候補者1人につき,指名することは適当でないと答申された(第43回議事要旨4頁)。

平成22年4月任官については,指名候補者3人のうち1人について指名することが適当であると答申された(第40回議事要旨3頁)。任官したのは57期の塩原学弁護士(東京弁護士会)である。

平成21年4月任官については,指名候補者8人のうち6人について指名することが適当であると答申され,1人については指名することは適当でないと答申された(第35回議事要旨3頁)。任官したのは43期の菅野正二朗弁護士(第一東京弁護士会),46期の野上(小滝)あや弁護士(大阪弁護士会),47期の渡辺力弁護士(栃木県弁護士会),48期の永田(片岡)早苗弁護士(第二東京弁護士会),51期の下嶋崇弁護士(千葉県弁護士会)及び56期の圓道至剛弁護士(第一東京弁護士会)である。残る1人については慎重な審議という観点から判断が留保されたが,その後,指名することは適当でないと答申された(第36回議事要旨2頁)。

平成20年10月任官については,指名候補者3人のうち2人について指名することが適当であると答申された(第33回議事要旨2頁)。任官したのは34期の上田日出子弁護士(兵庫県弁護士会)及び39期の大沼和子弁護士(東京弁護士会)である。

平成20年4月任官については,指名候補者5人のうち2人について指名することが適当であると答申された(第30回議事要旨3頁)。任官したのは48期の本多哲哉弁護士(東京弁護士会)及び51期の佐々木愛彦弁護士(広島弁護士会)であり,本多弁護士の任官日は平成20年6月1日である。

平成19年10月任官については,指名候補者7人のうち4人について指名することが適当であると答申された(第28回議事要旨2頁及び3頁)。任官したのは39期の片山昭人弁護士(第二東京弁護士会),39期の本多久美子弁護士(奈良弁護士会),42期の藤岡淳弁護士(第二東京弁護士会)及び45期の塚原聡弁護士(東京弁護士会)であり,藤岡弁護士の任官日は平成20年1月16日である。

平成19年4月任官については,指名候補者3人のうち2人について指名することが適当であると答申された(第25回議事要旨4頁)。任官したのは41期の河野匡志弁護士(東京弁護士会)及び42期の小倉真樹弁護士(奈良弁護士会)である。

平成18年10月任官については,指名候補者3人のうち,1人について指名することが適当であると,1人について指名することが適当でないと答申され,残る1人については同年9月6日の次回の委員会において面接を行った上で指名の適否の判断を行うこととされた(第22回議事要旨3頁)。任官したのは40期の浅井隆彦弁護士(大阪弁護士会)であり,任官日は平成18年10月1日である。判断が留保された1人は,その後,任官希望を取り下げた(第23回議事要旨2頁)。なお,同期については,第22回の審議に先立ち,候補者のうち1人が任官志望を撤回したことが報告されている(第21回議事要旨2頁)。

平成18年4月任官については,指名候補者6人のうち,4人について指名することが適当であると,1人について指名することは適当でないと答申され,残る1人については判断が留保された(第19回議事要旨4頁)。任官したのは31期の山崎恵弁護士(東京弁護士会),32期の江守英雄弁護士(東京弁護士会),47期の寺澤(水岸)真由美弁護士(福岡県弁護士会)及び51期の前原栄智弁護士(愛知県弁護士会)であり,寺澤弁護士の任官日は平成18年6月1日,前原弁護士の任官日は同年9月1日である。判断が留保された1人は,その後,任官希望を取り下げた(第20回議事要旨2頁)。

平成17年10月任官については,指名候補者4人のうち3人について指名することが適当であると答申され,残る1人については指名することの適否について判断が留保された(第16回議事要旨2頁及び3頁)。任官したのは28期の熊谷光喜弁護士(兵庫県弁護士会),32期の藤本博史弁護士(第一東京弁護士会)及び42期の嶋末和秀弁護士(第一東京弁護士会)である。判断が留保された1人は,その後,任官希望を取り下げた(第17回議事要旨2頁)。

平成17年4月任官については,指名候補者1人について,同人を判事補として指名することが適当であると答申された(第13回議事要旨3頁及び4頁)。任官したのは49期の青木裕史弁護士(東京弁護士会)である。

平成16年10月任官については,議事要旨に人数の記載がないが,審議の結果を最高裁判所に答申することとされた(第9回議事要旨2頁及び3頁)。任官したのは50期の土井文美弁護士(兵庫県弁護士会)である。

平成16年4月任官については,指名候補者12人(うち1人は弁護士任官候補者ではないが,併せて審議した者)のうち,7人について指名することが適当であると,5人(うち4人は弁護士任官候補者)について指名することは適当でないと答申された(第6回議事要旨3頁及び4頁)。弁護士任官候補者だけを取り出せば,11人のうち7人が適当,4人が不適当とされたことになる。任官したのは29期の渡邉康弁護士(第二東京弁護士会),31期の間部泰弁護士(横浜弁護士会),33期の鯉沼聡弁護士(東京弁護士会),38期の藤田光代弁護士(熊本県弁護士会),39期の田口紀子弁護士(第二東京弁護士会),44期の山口格之弁護士及び49期の尾﨑康弁護士(埼玉弁護士会)であり,山口弁護士の任官日は平成16年7月1日である。

弁護士任官者が任官後に何を感じたかを本人が書いた例,及び退官後の経歴が公表された例として,次の投稿がある。

3 諮問がなかった任官期

平成16年4月任官以降の任官期のうち,弁護士任官候補者に関する諮問が委員会の議題に上らなかったのは,平成21年10月,平成29年10月,令和3年10月,令和4年4月,令和4年10月及び令和6年10月の6期である。特に令和3年10月から令和4年10月までは3期連続で諮問がなく,日本弁護士連合会の委員会ニュースは,2022年に常勤裁判官に採用された弁護士がいなかったことについて「現行制度が開始された2004年以降、弁護士任官者が一人も出なかった年はありません。2022年の採用分については応募者すら出てこなかったのですから、いまや弁護士任官離れと形容せざるを得ません」と記載している。

第4 答申における適当・不適当の推移

1 弁護士任官をした年度を基準とした推移

弁護士任官をした年度(4月任官期と10月任官期の合計)を基準として答申の内容を集計すると,平成16年度以降の推移は次のとおりである。留保及び取下げがあった年度は,これを併記した。留保とされた者は,後に不適当と答申された場合であっても留保として数えており,その帰趨は後記3のとおりである。

①令和8年度は不適当1人,②令和7年度は適当3人・不適当4人,③令和6年度は適当1人・不適当2人,④令和5年度は適当4人・不適当3人,⑤令和4年度は答申なし,⑥令和3年度は適当2人・不適当3人,⑦令和2年度は適当5人・不適当2人・留保1人,⑧令和元年度は適当1人・不適当3人・留保1人・取下げ1人,⑨平成30年度は適当2人・不適当2人,⑩平成29年度は適当2人・不適当4人,⑪平成28年度は適当3人・不適当6人,⑫平成27年度は適当1人・不適当3人,⑬平成26年度は適当4人・不適当1人,⑭平成25年度は適当4人・不適当4人・取下げ1人,⑮平成24年度は適当5人・不適当3人,⑯平成23年度は適当5人・不適当5人,⑰平成22年度は適当1人・不適当3人,⑱平成21年度は適当6人・不適当1人・留保1人,⑲平成20年度は適当4人・不適当4人,⑳平成19年度は適当6人・不適当4人,㉑平成18年度は適当5人・不適当2人・留保2人,㉒平成17年度は適当4人・留保1人,㉓平成16年度は適当7人・不適当4人である。

平成16年度は,前記のとおり平成16年10月任官に係る第9回の議事要旨に人数の記載がないため,平成16年4月任官に係る第6回の数値のみを示している。同期に土井文美弁護士1人が任官していることからすれば,平成16年度の適当は8人であったと考えられる。答申の人数と実際に任官した人数は,任官日が翌年1月にずれる例(令和5年10月任官に係る渡邊典子弁護士)や,任官日が答申の対象期より後になる例(平成20年4月任官に係る本多哲哉弁護士は同年6月1日任官)があるため,必ずしも一致しない。

2 平成16年4月任官以降の累計

平成16年4月任官から令和8年4月任官までの答申を累計すると,人数の記載がある任官期の指名候補者は145人であり,その内訳は,適当が75人,不適当が64人,留保が6人である。答申の前に任官希望を取り下げ又は撤回した者が別に2人いる。適当とされた割合は,指名候補者145人に対して51.7パーセント,留保を除いた139人に対して54.0パーセントとなる。この数値は,各回の議事要旨に記載された答申の人数を集計したものであり,人数の記載がない平成16年10月任官に係る第9回は集計から除いている。

集計にあたっては,答申の対象を委員会の議題及び議事の見出しによって特定する必要がある。弁護士任官候補者に関する答申は「裁判官に任命されるべき者として指名することの適否」と表現される回が多いものの,「判事に任命されるべき者」(第22回,第28回,第33回,第48回,第53回,第63回,第65回,第69回,第71回,第81回,第86回など)と表現される回や,「判事補に任命されるべき者」(第43回),「同人を判事補として」(第13回)と表現される回もある。官職の表現を手掛かりに答申を拾うと,判事の再任や新任判事補に関する答申と区別できず,特に候補者の全員が不適当とされた任官期が集計から脱落しやすい。

3 留保とされた候補者の帰趨

指名の適否について意見を述べることが留保された候補者は6人であり,その後の経過は議事要旨から次のとおり読み取ることができる。①平成17年10月任官に係る留保者は,平成17年9月9日開催の第16回の後,任官希望を取り下げた(第17回議事要旨2頁)。②平成18年4月任官に係る留保者は,任官希望を取り下げた(第20回議事要旨2頁)。③平成18年10月任官に係る留保者は,面接を経た上で判断することとされたが,その前に任官希望を取り下げた(第23回議事要旨2頁)。④平成21年4月任官に係る留保者は,第36回で指名することは適当でないと答申された(第36回議事要旨2頁)。⑤令和元年10月任官に係る留保者は,第90回で必要な範囲の情報収集を行うこととされた(第90回議事要旨4頁)が,その後の帰趨を記載した議事要旨は見当たらない。⑥令和2年4月任官に係る留保者についても,その後の帰趨を記載した議事要旨は見当たらない。

もっとも,⑥については,前記の弁護士任官等推進センターニュースが2020年の留保者1人が2021年に採用されたと記載していることから,第二東京弁護士会所属の50期の柴田義人弁護士がこれに当たると考えられる。留保とされた候補者について,その後の判断がどうなったかを議事要旨から確認できない場合があるという点は,委員会の審議の透明性を考えるうえで留意すべき点である。

第5 弁護士任官者数の推移

1 弁護士白書による常勤任官者数

日本弁護士連合会が公表している弁護士白書2025年版の資料2-3-13「弁護士任官者数(常勤任官者)―弁護士会連合会別―」(2025年10月1日現在)によれば,任官年度別の常勤任官者数は,平成16年度(2004年)が8人,平成17年度が4人,平成18年度が5人,平成19年度が6人,平成20年度が4人,平成21年度が6人,平成22年度が1人,平成23年度が5人,平成24年度が5人,平成25年度が4人,平成26年度が4人,平成27年度が1人,平成28年度が3人,平成29年度が2人,平成30年度が2人であり,平成時代の合計は60人である。令和元年度が1人,令和2年度が4人,令和3年度が3人,令和4年度が0人,令和5年度が4人,令和6年度が1人,令和7年度が3人であり,令和時代の合計は16人である。したがって平成16年度以降の合計は76人となる。同資料は1992年以降の任官者を通算しており,その総計は135人である。

令和5年度が4人とされているのは,令和6年1月16日付けで任官した渡邊典子弁護士が同年度に含まれるためである。同資料の弁護士会連合会別の内訳も,令和5年度について関東1人・九州2人・東北1人としており,前記の丸山水穂弁護士(仙台弁護士会),内海雄介弁護士(東京弁護士会),石本恵弁護士及び渡邊典子弁護士(いずれも福岡県弁護士会)の4人と対応している。

2 弁護士白書の集計が改められた例

弁護士白書の任官者数は,後の版で改められることがある。弁護士白書2017年版に含まれる「弁護士任官等の実績状況」によれば,2012年の弁護士任官者数は6人(うち関東弁護士会連合会は3人)とされていたが,弁護士白書2018年版の同じ資料では2012年の弁護士任官者数は5人(うち関東弁護士会連合会は2人)となっている。平成23年6月30日に依願退官して弁護士登録をした後,平成24年10月17日に広島地方裁判所及び広島家庭裁判所の判事補に任命された57期の岡部絵理子裁判官が,弁護士任官者から除外されたためであると考えられる。統計上の任官者数を引用するときは,どの版によるものかを示す必要がある。

3 非常勤裁判官及び弁護士職務経験制度

弁護士から裁判所に入る経路は常勤任官に限られない。弁護士白書2025年版の資料2-3-14「弁護士任官者数(非常勤任官者)―所属庁別―」及び資料2-3-15「判事補・検事の弁護士職務経験制度の状況」によれば,民事調停官及び家事調停官として任官した者は,2009年以降の累計で565人である。同資料には,2025年10月1日から水戸,宇都宮,前橋,静岡,長野,奈良,大津,岐阜,岡山,熊本,福島及び盛岡への配置が開始された旨の注記がある。また,同じ資料に掲載された判事補及び検事の弁護士職務経験制度の状況(2025年4月1日現在)によれば,同制度を利用した者は2010年以降の累計で286人である。常勤任官の人数だけを見て弁護士と裁判所の人的交流の全体像を判断することはできない。

第6 選考の基準及び選考後の処遇

1 弁護士任官等に関する協議の取りまとめ

現在の弁護士任官制度は,平成13年12月7日に日本弁護士連合会と最高裁判所との間で成立した「弁護士任官等に関する協議の取りまとめ」に基づくものである。同取りまとめには,日本弁護士連合会が策定した「任官推薦基準及び推薦手続」(別紙1)と,最高裁判所が策定した「弁護士からの裁判官採用選考要領」(別紙2)が付されている。

別紙1が定める形式的基準は,①弁護士経験10年以上の判事任官が望ましいが,当面,弁護士経験3年以上の判事補任官も可とすること,②年齢55歳くらいまでの者を基本とすること,③懲戒処分を受けたことがないことである。別紙2は,選考を受けることができる者を「5年以上弁護士の職にあり,裁判官として少なくとも5年程度は勤務しうる者であって,年齢55歳位までの者」とした上で,当面,3年以上弁護士の職にある者も選考の対象とするとしている。選考の内容は,書面及び面接による考査,職務に耐えられるかどうかについての健康診断,並びに資格の有無及び申込記載事項の真否についての身上調査である。

2 実質的な選考基準

別紙1が定める実質的基準は,法律家としての能力及び識見に関するものと,人物・性格面に関するものとに分かれる。前者は,①事実認定能力・識見,②法令の解釈適用上の法技術能力,③事件処理に必要な理論上及び実務上の専門的知識能力,④幅広い教養に支えられた視野の広さ,⑤人間性に対する洞察力,⑥社会事象に対する理解力である。後者は,①廉直さ,②公正さ,③寛容さ,④忍耐力,⑤決断力,⑥慎重さ,⑦注意深さ,⑧独立の気概,⑨精神的勇気,⑩協調性,⑪積極性,⑫柔軟性,⑬基本的人権と正義を尊重する心情,⑭自己管理能力・自己評価能力,⑮思いやり・親切心である。そのほか,人種,信条,性別,社会的身分,門地及び宗教は考慮しないものとされている。

これらの基準は評価的な要素を多く含むため,具体的な事案でどの要素が決め手になったのかは外部から検証しにくい。委員会の議事要旨も不適当と答申した理由を記載していないから,答申の結果を統計的に整理することはできても,判断の内容にまで立ち入ることはできない。

3 任地,報酬及び任官支援

東京弁護士会の会報によれば,弁護士任官者の最初の任地は希望が相当程度考慮されるが,その後はキャリア裁判官と同様の転勤を前提とする必要があり,配属は,かつては保全部等が多かったものの,近年は高等裁判所の陪席が多くなっている。報酬は同期のキャリア裁判官とほぼ同等とされている。

任官に伴って事務所の業務を整理する必要があることから,日本弁護士連合会は弁護士任官支援事務所の登録制度を設けており,平成29年9月からは,任官希望者を受け入れる都市型公設事務所に対して任官支援補助金100万円及び200万円を限度とする事務所拡張支援補助金を給付する事業も行われている。なお,日本弁護士国民年金基金に加入している弁護士が弁護士任官をした場合は同基金の加入員資格を喪失するため,同基金に対して「国民年金基金 氏名・住所・変更届 資格喪失届」を提出する必要がある。

なお,裁判官への任官のほかに検察官への任官もあり,これについても日本弁護士連合会の弁護士任官等推進センターが窓口となる旨の説明がされている。

第7 弁護士任官の推進をめぐる議論

1 国会答弁にみる当初の目標

平成14年3月28日の参議院法務委員会(第154回国会・参議院法務委員会第5号)では,裁判所職員定員法の一部改正法案の審議において,判事の員数を30人増加させることの根拠が問われた。26期の中山隆夫最高裁判所事務総局総務局長は,判事補の増員の効果が10年を経て現れてきたことに加え,前年12月7日の日本弁護士連合会と最高裁判所との協議を踏まえて弁護士からの裁判官任官を見込んだものであると答弁した。江田五月委員が30人の内訳の目安を尋ねたのに対し,同局長は「私どもとしては、十人は是非ともおなりいただきたいと思っております」と答え,残る20人が判事補の増員の成果に当たることを認めている。制度発足の時点で,最高裁判所は毎年10人程度の弁護士任官を期待していたことになる。

2 第19回司法シンポジウム

平成14年11月15日に開かれた第19回司法シンポジウムは,日本弁護士連合会の司法シンポジウムとして初めて弁護士任官を正面からテーマとしたものである。同シンポジウムの報告によれば,平山正剛・運営委員会委員長は開会あいさつにおいて,1年2か月ほどの準備期間に50名の任官者を確保するという目標を自らに課して活動した結果,目標には及ばなかったものの32名を送り出す準備が整ったと述べた。本林徹・日本弁護士連合会会長は,法曹一元を視野に入れながら弁護士任官等推進センターの設立を決めたことを表明している。

同シンポジウムには,前記の中山隆夫最高裁判所事務総局総務局長もパネリストとして参加し,キャリア裁判官制度について,裁判官が同質化して議論がモノトーン化している,現行制度は制度疲労を起こしており弁護士任官の増加に期待している旨を述べた。また,弁護士など外部の法律家が裁判官の70パーセントを超えるオランダから,弁護士から任官してオランダ最高裁判所判事を務めたアムステルダム高等裁判所のシッパー長官を招き,外部ルートによる任用制度について基調報告と対談が行われた。同シンポジウムの記録は,平成15年5月に『弁護士任官のすすめ――多元的裁判官制度へ』として日本評論社から刊行される予定とされていた。

3 制度発足後の弁護士会側の評価

委員会の発足から3年を経た時点の座談会において,日本弁護士連合会弁護士任官等推進センターの事務局長は,委員会ができてから任官推進の萎縮効果を歴然と感じるとし,最初の年に11人中4人が不適格とされたことに強い衝撃を受けたと述べている。この数値は,前記の第6回議事要旨の記載と一致する。同事務局長は,弁護士会の推薦委員会にも市民委員が加わって適否を判断しているのに,同様の構成をとる委員会で同じ人が不適格とされる理由が分からないこと,弁護士側が用意した資料は把握できるが裁判所側が集めた資料は分からず,候補者に弁明の機会がないまま判断されることを問題として指摘した。また,非常勤裁判官の経験者から不適とされた者がいないことから,裁判所が自ら収集した情報が重視されているのではないかという見方も示している。

発足から6年を経た時点の座談会でも同様の指摘が繰り返されている。推薦委員会の推薦を得た者の40パーセントが不適とされていることへの戸惑い,委員会で面接が行われていないこと,不適とされた場合の理由の開示が不十分であることが挙げられ,制度としての透明性はあっても志望者にとって透明とはいえないという評価が述べられた。さらに,再任の拒否率と比べて弁護士任官の拒否率が高いこと,裁判所が実務処理能力を重視しすぎているように思われることも指摘されている。

4 最高裁判所側の評価

これに対し,最高裁判所判事及び最高裁判所事務総局人事局長を務めた泉徳治は,弁護士任官制度についてどう評価するかを問われ,どんどんやった方がよいと述べたうえで,人事局長の時代から一所懸命に声を掛けていたが希望者があまりおらず,ごく例外的によい人が来てくれたという時代であったと回顧している。また,弁護士会が昭和37年の臨時司法制度調査会設置の頃から法曹一元を一貫して主張してきたのに対し,司法制度改革審議会意見書が法曹一元制度にすべきであるとまでは述べずに弁護士任官を強力に推進すべきであると提言したことについて,現実的な提言であったと評価している。同じ箇所で,再任をしないときに聴聞の手続が設けられていないこと,不服申立てのための第三者機関を設けるべきだという意見があることにも触れている。

もっとも,こうした評価がそのまま制度の成否の判断につながるわけではない。司法制度改革の総括を試みた文献の中には,司法改革が法曹一元制度の採用を拒否し,その代わりに弁護士任官と裁判官評価制度を置いたにすぎないと評価するものもある。弁護士任官制度をどう位置付けるかは,法曹一元をどの程度実現すべきものと考えるかによって変わる。

5 近年の応募状況と第30回司法シンポジウム

前記のとおり,令和3年10月から令和4年10月までは3期連続で諮問がなく,令和4年度の任官者は0人であった。その後は令和5年度に4人,令和6年度に1人,令和7年度に3人が任官しているものの,制度発足時に最高裁判所が期待した年間10人という水準には達していない。

令和6年11月2日に弁護士会館で開かれた第30回司法シンポジウム「司法制度改革の到達点とこれからの課題」では,第1分科会が「多様,柔軟かつ持続可能な裁判官制度の実現」をテーマとし,日本弁護士連合会が長年にわたって取り組んできた弁護士任官の意義を確認したうえで,更なる発展と司法の基盤強化のための具体的な方策を実例も交えて提示したとされている。同シンポジウムはオンライン配信も行われ,500名以上が参加した。第19回から22年を経てもなお,弁護士任官が裁判官制度改革の中心的な論点であり続けていることが分かる。

第8 関連記事

以下の記事も参照されたい。

下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移
判事補の採用に関する国会答弁
判事補採用願等の書類,並びに採用面接及び採用内定通知の日程
新任判事補研修の資料
弁護士任官等に関する協議の取りまとめ(平成13年12月7日付)
弁護士任官者研究会の資料
弁護士任官希望者に関する情報収集の実情
弁護士任官に対する賛成論及び反対論
法曹一元とは―歴史・弁護士任官・現行制度との関係(AIリライト)
修習終了後3年未満の判事補への任官
平成20年度以降,任期終了により退官した裁判官の一覧
最高裁判所裁判官会議の議事録

なお,平成29年4月任官以降については,最高裁判所裁判官会議議事録に記載された採用内定者が開示されなくなっている。

出典・参考資料

1 法令・規則

日本国憲法80条1項(e-Gov法令検索)
裁判所法(昭和22年法律第59号)40条(e-Gov法令検索)
下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号。最高裁判所ウェブサイト)

2 公的資料

①最高裁判所「下級裁判所裁判官指名諮問委員会」(委員会の概要,委員名簿並びに第1回から第125回までの議事要旨。各回の議事要旨へのリンクは本文中に個別に設定した。)
第154回国会参議院法務委員会会議録第5号(平成14年3月28日。国立国会図書館国会会議録検索システム)
③日本弁護士連合会「第19回司法シンポジウム報告」(平成14年11月15日・弁護士会館クレオ)
④日本弁護士連合会「第30回司法シンポジウム報告」(令和6年11月2日・弁護士会館)

3 統計

①日本弁護士連合会「弁護士白書2025年版」資料2-3-13「弁護士任官者数(常勤任官者)―弁護士会連合会別―」(2025年10月1日現在)
②日本弁護士連合会「弁護士白書2025年版」資料2-3-14「弁護士任官者数(非常勤任官者)―所属庁別―」及び資料2-3-15「判事補・検事の弁護士職務経験制度の状況」
③日本弁護士連合会「弁護士白書2017年版」「弁護士任官等の実績状況」
④日本弁護士連合会「弁護士白書2018年版」「弁護士任官等の実績状況」

4 文献

①東京弁護士会「特集 弁護士任官制度〜あなたも裁判官に〜」LIBRA17巻11号2頁~21頁(2017年11月)
②泉徳治ほか『一歩前へ出る司法 泉徳治元最高裁判事に聞く』(日本評論社,2017年)318頁
③鈴木秀幸=水林彪編『司法改革の検証――法科大学院の破綻と弁護士過剰の弊害』(日本評論社,2023年)451頁
④「座談会 下級裁判所裁判官指名諮問委員会発足後の三年間を振り返って」自由と正義2006年10月号89頁
⑤「座談会 下級裁判所裁判官指名諮問委員会の6年間」自由と正義2009年10月号32頁~34頁
⑥日本弁護士連合会「弁護士任官等推進センターニュース 弁護士任官・弁護士職務経験」第9号(日弁連委員会ニュース2022年1月号16頁)
⑦日本弁護士連合会「2022年弁護士任官等の状況」(日弁連委員会ニュース2023年2月号8頁)