平成11年11月までの弁護士任官の状況

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1 首相官邸HPの「法曹一元について(参考説明)」(平成12年4月25日付)には以下の記載があります。

(3) 弁護士からの任官(資料4-1、4-2)
ア 昭和63年以前の状況

 戦前の昭和13年から15年にかけて、約200人の弁護士が判事、検事に任官した。また、戦後施行された裁判所法では、わが国の判事任命資格について、10年間判事補の職にあった者のみならず、10年以上弁護士、検察官、法律学者としての経験を有する者にも認めているが、現行制度発足当時の昭和23年から24年にかけて約100人の弁護士が裁判官に任官した。
 しかし、昭和30年代を境に、弁護士からの任官者が減少し、判事は、司法研修所終了後直ちに判事補に採用され、判事補として10年在職した者から任命されるのが通例であり、10年の任期を終えた判事補は、大部分が判事に任命されるのが現実となり、わが国の裁判官任用制度は、その運用の実際においてキャリア・システムであった。
イ いわゆる「弁護士任官制度」の導入
 昭和63年3月、最高裁判所は、裁判所として社会の高度化、それに伴う紛争の複雑・多様化に対応するためには、裁判官に多様な経験を有する者がいることが望ましいとして、「判事選考要領」(旧要領)を定めて、経験年数15年以上、年齢55歳未満の弁護士から毎年20名程度の判事を採用する、との方針を打ち出し、平成3年9月には、従来の「判事選考要領」を改正して新しく「裁判官選考要領」(新要領)を定め、「5年以上弁護士の職にあり、裁判官として少なくとも5年程度は勤務しうる者であって、年齢55歳位までのもの」を選考対象とし、日弁連を通じて任官希望者を募ることとなった。初任地は、本人の希望、家族状況、充員状況等を考慮して決定し、その後は、同期の裁判官の例に準じて異動を行う。ただし、15年以上弁護士の職にあった者については、本人の希望により、住居地又はその周辺の裁判所を任地とするものとされている。
 なお、これまで、このいわゆる弁護士任官制度で裁判官に任官したのは、平成11年11月1日現在で46人である。

2(1) 「判事選考要領」(昭和63年3月)については,当時の高輪1期の矢口洪一最高裁長官の名を取って「矢口構想弁護士任官」と呼ばれたところ,この制度による判事任官者は4年間で10名にも及びませんでした。
 「弁護士からの裁判官選考要領」(平成3年9月12日付)については,当時の中坊公平日弁連会長と川嵜義徳最高裁事務総長の名を冠して「中坊・川嵜弁護士任官」と呼ばれたところ,この制度による裁判官任官者は平成14年8月までで51名でした。
(2) この部分は,「弁護士任官のすすめ―多元的裁判官制度へ」の「刊行にあたって」等を参照しています。

3 東弁リブラ2018年11月号に「追悼 髙木新二郎先生の業績─弁護士任官者の先駆けとして」が載っていて,東弁リブラ2019年2月号に「1988 年に弁護士から裁判官に任官した第1 号--迷いに迷った半年間」(筆者は2018年8月19日に82歳で死亡した15期の高木新次郎弁護士です。)が載っています。

4 日弁連は,平成3年10月18日,「弁護士任官の発足にあたって」を発表しました。

5 現在の弁護士任官に関する運用は,「弁護士任官等に関する協議の取りまとめ」(平成13年12月7日付)で定められています。

5 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士任官者研究会の資料
 平成13年2月当時の,弁護士任官に対する最高裁判所の考え方
 弁護士任官等に関する協議の取りまとめ(平成13年12月7日付)
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況

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