立仙早矢裁判官(69期)の経歴


生年月日 H3.1.7
出身大学 神戸大院
定年退官発令予定日 R38.1.7
R6.4.1 ~ 京セラ(研修)
R4.4.1 ~ R6.3.31 大阪地家裁判事補
R2.4.1 ~ R4.3.31 那覇地家裁判事補
H31.4.1 ~ R2.3.31 神戸地家裁判事補
H29.1.16 ~ H31.3.31 神戸地裁判事補

*0 69期の立仙諭裁判官の判事補任官時点の氏名は「進藤諭」でしたところ,令和2年4月1日以降につき,69期の立仙諭裁判官及び69期の立仙早矢裁判官の勤務場所は似ています。
*1 令和6年2月28日現在,大阪地裁第2民事部に所属していました。
(高齢者虐待防止法に関する大阪地裁令和6年2月28日決定)
*2の1 私が訴訟代理人として関与した大阪地裁令和6年2月28日決定(担当裁判官は49期の横田典子53期の田辺暁志及び69期の立仙早矢)は,下記の事案(本ブログ記事末尾掲載の決定書の記載です。)において,同居しながら介護していた娘さん(「マイ」と題するアカウントの人です。)が,東成区役所職員及び成年後見人の同席する中で,写真及び動画の撮影まで禁止された状態で1ヶ月に1回,約30分程度面会できることをもって,娘さんについて「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」とはいえないとして,重度の認知症等を患っている母親Xさん(抗血小板薬の副作用により見た目は酷く見える転倒事故による内出血が娘さんの虐待によるものであると東成区役所によって認定されました。)との面会制限の執行停止を認めませんでした(執行停止の申立てが令和6年1月中旬になったのは弁護士の交代その他の事情によるものであって,娘さんの責任では全くありません。)。

   

大阪市長から権限の委任を受けた大阪市東成区保健福祉センター所長は、令和5年2月22日付けで、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(以下「高齢者虐待防止法」という。) 9条2項及び老人福祉法11条1項2号に基づき、申立人の母に対し、同人を特別養護老人ホームに入所させる措置(以下「本件入所措置」という。)を採るとともに、同日、高齢者虐待防止法13条に基づき、申立人について申立人の母との面会を制限した(以下「本件面会制限」という。) 。
    申立人は、上記のうち本件面会制限について、これが処分に当たるとした上で、申立人が申立人の母を虐待したことがないにもかかわらず、本件面会制限がされており、本件面会制限は違法であるなどとして、本件面会制限の取消し等を求める訴訟を提起した。
    本件は、原告が、上記訴訟を本案として、本件面会制限の効力の停止を求める事案である。

*2の2 令和5年6月23日に提起された本案事件と全く同じ書証を提出して娘さん及びXさんの健康状態について詳細な主張をした(疎甲53まで提出しました。)ものの,大阪地裁令和6年2月28日決定の理由中の判断では全く言及されませんでした。
    また,49期の横田典子裁判官が大阪市に対して指示した反論事項は,娘さんとXさんとの面会実施の内容(日時,場所,立会人等)だけでしたから,この点について再反論をするだけでいいと思いましたが,全く別の理由で執行停止の申立てを却下されました。

*2の3 高齢者虐待に関する保全事件の裁判例として大阪市の代理人が提出した大阪地裁令和3年5月17日決定及び大阪高裁令和3年9月8日決定は同種事案の参考になるものの,大阪地裁令和6年2月28日決定は先例として参考になるところは全くないと思いました。

(児童虐待防止法に関する大阪地裁令和4年4月23日判決及び控訴審である大阪高裁令和5年8月30日判決との比較)

*3の1 児童虐待防止法による一時保護及び面会制限の違法性が争われた大阪地裁令和4年4月23日判決(担当裁判官は47期の山地修54期の新宮智之及び67期の山田慎悟)の事案では,児童の救急搬送先かつ入院先の病院の通報により平成30年12月21日に大阪府の池田子ども家庭センターによる一時保護が開始し,平成31年2月27日に母親(原告)が児童の予防接種への同行が認められ,3月19日に医師の鑑定書について大阪家裁から疑問が呈されつつも「引き続いての一時保護」を認める審判があり,3月20日に池田子ども家庭センター内での面会が認められ(1週間から2週間に1回の頻度でした。),5月8日に児童の入所先である乳児院での面会が認められ,6月12日以降は毎日の面会が認められ,8月9日に一時保護が解除されました。
    また,大阪地裁令和4年4月23日判決は,平成31年1月9日から同年2月27日の面会制限,及び同年4月19日(審判の1月後)から同年8月9日までの一時保護は国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして,違法な面会制限につき30万円,違法な一時保護の継続につき70万円の合計100万円の損害賠償を命じました。
*3の2 控訴審である大阪高裁令和5年8月30日判決(担当裁判官は40期の黒野功久53期の馬場俊宏及び53期の田辺麻里子)は,損害賠償額を32万円増額して132万円とした(関西テレビHPの「「一時保護延長と面会制限は不当」判決を受け、吉村知事「面会制限というのは例外的」今後の対応への影響は」参照)。)ところ,SBS(揺さぶられっ子症候群)を考えるブログ「速報:大阪高裁、面会制限の違法を認める!」には以下の記載があります(引用先の「誓約」は「制約」に訂正しました。)。
    大阪高裁は、この法医学鑑定について「判断及びその前提となる画像読影の正確性に疑義を挟まざるを得ない」「結論を導くための医学的知見及びそれを裏付ける医学文献等が何ら示されておらず…医師からはこれを補うような意見等も特段示されなかった…その…内容を信用するのは困難といわざるを得ない」としました。実際、この鑑定書は、本文はわずか16行、原判決も認定するとおり、画像誤読の上に、医学的根拠を全く示していないという代物で、どうみても「鑑定」の名に値しないものでした。
(中略)

    児相は、とにかく母親の説明を信用しようとせず、虐待の可能性が否定できない以上、親子分離だ、面会制限だと主張し続けたのです。多くの児相が、一方的な親子分離、面会制限を行うときに取ろうとする態度です。そこにある児相の姿勢は、「とにかく親子分離」「とにかく面会制限」です。事実を見極めようというものではありません。「思考停止」以外の何ものでもないのです。
    このような児相の姿勢はきわめて深刻な実務運用を招いています。虐待などしていないと訴える親と、ひたすら「虐待を疑う」児相側との間で信頼関係ができるはずもありません。逆に強い軋轢を生むことになります。その一方で、本件でもそうだったのですが、児相側が真相を見極めようとする訳でもありません。「原因不明である以上、対策が取れないから分離」の一点張りです。その結果、親子分離も面会制限も長期化してしまうのです。
    児相には、親子分離、面会制限が、「児童及び保護者の権利等に対する重大な制約を伴うものであるし、児童と保護者の分離によって児童の安全が確保され、その福祉を保障できる場合がある一方で、分離が長期化することによって再統合が困難になるなど、分離によって児童の福祉が侵害される場合もあり得る」(判決)という発想が抜け落ちているのです。親子分離、面会制限は、それだけでは「チャイルドファースト」とはいえません。むしろ形を変えた国家による「虐待」となりうることを忘れてはなりません。
*3の3 大阪高裁令和5年8月30日判決に対する大阪府福祉部子ども家庭局家庭支援課の対応が書いてある文書(令和5年9月5日付)を掲載しています。

*3の4 私が訴訟代理人として関与した大阪地裁令和6年2月28日決定(担当裁判官は49期の横田典子53期の田辺暁志及び69期の立仙早矢)の事案の場合,虐待認定の原因となったXさんの怪我に関する通院先の病院から東成区役所に通報されたわけではないのであって,訪問介護事業者及びデイサービス事業所からの通報でしたし,近所の人はほぼ全員が裁判所に提出した書面において娘さんの虐待を否定しています。
    また,東成区役所が娘さんとXさんとの面会を最初に認めたのは令和5年11月21日でしたし,この面会を含めてまだ3回しか面会を認めてもらっていませんし,令和6年2月28日現在,東成区役所はXさんの内出血の原因について医者の意見を聞いたことがないどころか,裁判所に提出している書面において抗血小板薬と抗凝固薬の区別すらできていません(いずれも抗血栓薬として血をサラサラにする薬ですが,作用機序が異なることにつき高松日赤HPの「よく耳にする『血をサラサラにする薬』ってなに?」参照)。

(大阪市は,親の同意を前提としても,子どもが高齢の親と面会をする権利の存在自体がないと主張していること)
*4の1 大阪市の訴訟代理人は,「高齢者の同意を前提として、養護者が高齢者と自由に面会などの交流をする権利」など憲法13条及び自由権規約23条1項等で保障された権利ではないとか,「高齢者につき面会制限がなされた場合、養護者は、当該高齢者に面会することができなくなるものの、それは、施設管理権に基づき物理的に高齢者に対し当該養護者との面会を制限することによる事実上の効果が反射的に養護者に及ぶものにすぎない。」などと主張しています。
    なお,大阪地裁令和4年4月23日判決は,「行政処分としての親子の面会制限は児童虐待防止法12条において規定されている以上,強制的に親子の面会制限を実現するためには,同条によらなければならないものと解される」と判示しています(リンク先の82頁)。
*4の2 大阪市の開示文書によれば,大阪市は,大阪市の訴訟代理人に対し,面会制限措置取消訴訟の本訴事件のための着手金(娘さんがXさんと自由に面会できないようにするための着手金)として,令和5年12月に49万5000円を支払いました。
*4の3 自由権規約23条1項は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。 」と定めているところ,Xさんは本件入所措置に先立つ令和5年2月上旬の一時保護措置後,1ヶ月に1回約30分の娘さんとの面会を除き,息子さんを含むすべての友人知人と一切面会できなくなりました。
    また,大阪市長申立てにより娘さんの知らないところで選任されたXさんの成年後見人がいる(やっていることは面会の立会だけですが,東成区役所の職員だけで十分と思います。)ため,大阪地裁令和5年11月9日判決によってやむを得ない事由による措置の取消しを求める原告適格を否定されました。
*4の4 読売新聞HPの「4か月面会制限「理由なし」…堺市が検証結果 」には以下の記載があります。
    堺市で2019年、当時2歳の男児が市の児童相談所に一時保護され、4か月間両親との面会が認められなかった問題で、市は5日、「長期間制限する明確な理由はなかった」とする検証結果を公表した。男児は親による虐待の疑いで保護されたが、その後裁判所が虐待を否定していた。市は保護は妥当だったとした上で、面会の対応に問題があったとして、面会に関する手引を作成し、柔軟に認めていく方針を明らかにした。

(裁判官は弁明せずの法格言等)
*5の1 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)45頁には以下の記載があります。
(5) 個別事件を前提とした取材依頼への対応等
    個別事件を前提とした取材依頼に当該担当裁判官が応じることは相当ではない。「裁判官は弁明せず」の法格言(法諺)があるとおり,個別事件に関する裁判所の判断及び理由は,全て判決や決定の理由の中で示されるもので,これら以外の場面で判決等について弁明したり,コメントしたりすることは不適切であるとされている。また,これを疑わせるような可能性のある取材に応じることも同様である。番組に出演すること自体で,裁判所の中立性,公平性に疑いを持たれることもあり得る。いずれにしても,個別事件を前提とした,あるいはそうとられてもやむを得ないような取材には応じることができない,と肝に銘じておく必要がある。
*5の2 弁護士森脇淳一HP「弁護士生活3年経過の現状報告」(2011年12月5日付)には以下の記載があります。
    「訴訟狂」となった(確かに、精神を病んでいると思われる方も多かった)のも、丁寧にその方が提出する記録(多くは過去の訴訟記録や裁判書)を検討すると、その方が敗訴した過去の裁判が間違っていて、本来その方が守られるべき権利が守られなかったため、どうしてもその権利を取り戻したくて(中には、そのような間違った裁判所に対する復讐心もあって)、何度負けても繰り返し裁判(その多くは再審。その壁は厚く、過去の裁判が見直されることはほとんどない)を起こされているのであった(そのような誤った裁判の結果、精神を病まれた方についての当該裁判官の責任は重いといえよう)。
*5の3 かけ出し裁判官Nonの裁判取説ブログ「”法服”を彩る紅三點」(2023年11月13日付)には以下の記載があります。
 同僚だった裁判官は『追想のひと三淵嘉子』(三淵嘉子さんの追想文集刊行会編)で次のようなエピソードを書かれています。
 和田嘉子さんは 東京地裁の民事を担当していた時 
 洗面所で当事者から刃物を向けられ刺されかけた。
 「当事者をそういう気持ちにさせた自分は 裁判官としての適格を欠くのではないか。
 たまたま行動によって示されたから まだ良いともいえるけれども
 行動に現れないままの不満不信は どんなに多いことか。
 同僚だった裁判官に そう苦悩を訴え
 法を司る者が負う宿命について
 裁判というものの悲劇性について 語り合ったんだとか。

(大阪地裁令和6年2月28日決定の理由中の判断)

*6 大阪地裁令和6年2月28日決定の「第3 当裁判所の判断」は以下のとおりです。
争点(2)(「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」(行政事件訴訟法25条2項)といえるか)について
(1) 行政事件訴訟法25条1項から3項までの文言、趣旨等に鑑みると、同条2項本文にいう「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」といえるか否かについては、処分の効力、処分の執行又は手続の続行(以下「処分の執行等」という。)により維持される行政目的の達成の必要性を踏まえた処分の内容及び性質と、これによって申立人が被ることとなる損害の性質及び程度とを、損害の回復の困難の程度を考慮した上で比較衡量し、処分の執行等による行政目的の達成を一時的に犠牲にしてもなおこれを停止して申立人を救済しなければならない緊急の必要性があるか否かの観点から判断すべきものと解される。
(2) 本件面会制限は、高齢者虐待防止法13条に基づくものであるところ、同条に基づく面会の制限は、養護者による高齢者虐待を受けた高齢者について老人福祉法11条1項2号又は3号の措置が採られたことを前提として、同措置に加えて、養護者による高齢者虐待の防止及び当該高齢者の保護を更に図ること、すなわち、例えば、高齢者と虐待をした養護者とが面会することにより、高齢者が更に虐待を受けたり、恐怖心や精神的苦痛を感じたり、養護者が高齢者を無理に自宅に戻すなどの事態を避け、高齢者を保護することを目的とするものと解される。そうすると、仮に本件面会制限の効力が停止されれば、上記のような面会の制限の目的を達成することが著しく困難になることとなる。
 一方、申立人が主張する、「損害」とは、本件入所措置を含む相手方の一連の行為によって、申立人は不眠、常時の不安感、憂鯵気分等を内容とする適応障害を発症しており、Xの認知機能が低下する中、Xにおいて申立人が自分の長女であることを認識することができる状態で自由な面会をすることができるようにならない限り申立人の損害が回復されないというものである。申立人が「損害」として主張する上記事情は、本件面会制限によるものもあるが、本件入所措置によるものが大きいといえるところ、本件入所措置は、取り消されることなく、有効なものとして存続しているから(疎甲22、審尋の全趣旨)、仮に本件面会制限のみの効力を停止しても、申立人が主張する「損害」を避けることができる範囲は相当限定的なものにとどまるといわざるを得ない。
 また、疎明資料(疎甲6、15、42、44、46、53の5,疎乙51、53から57まで)によれば、令和5年11月21日、同年12月26日及び令和6年1月30日、原告代理人、Xの成年後見人及び大阪市東成区役所の職員立会いの下、原告とXとの面会が実施されたことが認められる。
 このように、現時点では、原告は、上記立会いの下とはいえ、月に約1回の頻度で、実際にXと面会することができる状況にあるといえる。
 以上の事情に加え、前記前提事実(4)のとおり、令和5年7月にXについて後見開始の審判がされ、成年後見人として弁護士が選任されており、Xの法定代理人である成年後見人により、後見の事務が適正に行われることが期待されていること、前記前提事実(3)及び(5)によれば、同年2月22日に本件面会制限がされてから令和6年1月16日に本件申立てがされるまでに既に1年弱もの期間が経過していること等をも併せ考慮すれば、上記の面会の制限の目的の達成を一時的に犠牲にしてもなおこれを停止して申立人を救済しなければならない緊急の必要性があるとは認められず、本件において、「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」とはいえない。
(3) 以上によれば、仮に本件面会制限が「処分」であるといえるとしても、本件面会制限の執行等による行政目的の達成を一時的に犠牲にしてもなおこれを停止して申立人を救済しなければならない緊急の必要性があるとは認められないので、本件において、「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」とはいえない。

*7 厚生労働省の市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(令和5年3月改訂)74頁(PDF80頁)には,「養護者に対しても、保護した高齢者と同様に精神的な面での支援が必要であることから、分離後も継続的に養護者に対する支援を行うことが必要です。」と書いてあります。
    また,大阪市の高齢者虐待対応マニュアル(令和6年度4月改訂版)8頁には「「高齢者の権利利益の擁護に資する」ことの目的のために養護者支援が必要であると判断した場合には養護者支援を積極的に行います。」と書いてあります。
    しかし,1月に1回30分程度の面会が認められていること(東成区役所の職員及び成年後見人の同席あり。)を除き,マイさんに対する大阪市東成区からの支援は一切ありません。

*8の1 厚生労働省HPの市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(令和5年3月改訂)8頁(PDF14頁)には心理的虐待の例として以下の記載があります。
⑥ 心理的に高齢者を不当に孤立させる行為
・本人の家族に伝えてほしいという訴えを理由なく無視して伝えない。
・理由もなく住所録を取り上げるなど、外部との連絡を遮断する。
・面会者が訪れても、本人の意思や状態を無視して面会させない。 など
*8の2 厚生労働省の市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(令和5年3月改訂)74頁(PDF80頁)には以下の記載があります。
「やむを得ない事由による措置」等の措置によって高齢者を保護したことで、虐待事案に対する対応が終了するわけではありません。措置入所は、高齢者と養護者の生活を支援する過程における手段のひとつと捉え、高齢者や養護者が安心してその人らしく生活を送ることができるようになることを最終的な目標とすることが重要です。
*8の3 成年被後見人の面会交流支援について -近時の裁判例を題材として-(2021年11月17日公開)には「身体的・精神的自由という重要な人格権の制限について、最終的な正当性の判断を行う機関は後見人ではなく裁判所が適当である。面会交流を行った結果、本人の健康等の身上の利益を著しく害するような可能性が高い等の特別の事情がない限り、後見人を含む第三者が面会交流を妨害する正当な理由があるとは認めがたい。」とか(リンク先のPDF37頁),「本人の安全を確保するために面会の制限が必要と考えるのであるならば、後見人は、本稿の四に示したしかるべき法的手段をとり、そのような制限が適法に行われるよう行動しなければならない。さもなければ、後見人の責務にも、上記の条約(山中注:障害者権利条約14条)にも反して、被後見人に対して違法な人権侵害を行っているとの誹りを免れないであろう。」と書いてあります(リンク先のPDF38頁)。
*8の4 マイさんの母親の場合,マイさんとの面会交流を禁止されている関係で,マイさんを通じて交流していた従前の友人知人との連絡はすべて遮断されていますから,1日中,誰からも話しかけられることがない生活を続けていて,認知症の悪化が進んでいます。

*9の1 施設入所前は抗うつ薬を全く服用していなかったマイさんの母親の体重は令和6年3月現在,40kgから41kgでありますところ,令和5年4月16日以降,リフレックスという抗うつ薬を毎日45mg(最大量です。)服用させられていて,解任申立てにおいてそのことによる弊害を主張したものの,大阪家裁令和6年4月8日審判(担当裁判官は49期の井川真志)では主張自体を消されました。
*9の2 大阪市HPの「高齢者虐待と身体拘束」には,身体拘束の具体例として「行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる」ことが書いてあります。
    なお,向精神薬は,抗うつ薬や抗不安薬,睡眠導入剤(睡眠薬)など精神科で使うお薬の総称であって(知っていほしいがんと生活のことHP「向精神薬による薬物療法」参照),麻薬及び向精神薬取締法の適用対象となっています。


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