第1 この記事が扱う対象1 比較の枠組みと本記事の射程2 7か国の中で日本だけが持つ組合せ第2 裁判所の組織と規模1 単一の頂点をもつ構造2 庁数と職員定員第3 裁判官の任用,身分保障及び規律1 条文が予定する給源と実際の給源2 任期,身分保障及び定年3 規律をめぐる大法廷の判断第4 違憲審査――明文があり憲法裁判所がないこと1 昭和27年大法廷判決2 司法権の限界3 大法廷回付という担保第5 裁判の公開と非訟事件第6 国民の司法参加1 裁判員法の評決要件2 合憲判断3 実績4 国民審査第7 法曹人口――国際比較の系列が途絶していること1 日本の実数2 2019年時点の人口当たり比較3 単純比較を妨げる要素4 2020年以降の公的な比較の不存在第8 民事手続――弁護士強制主義を採らないこと第9 刑事手続と検察1 令状主義,国家訴追主義及び起訴裁量主義2 検察官に対する指揮権3 有罪率,勾留率及び保釈率第10 判決情報の公開出典・参考資料1 法令2 外国の法令3 裁判例4 公文書・開示文書5 統計・データ6 ウェブ資料第1 この記事が扱う対象1 比較の枠組みと本記事の射程
最高裁判所に対する司法行政文書開示請求により開示された「諸外国(米英独仏豪加)及び我が国の司法制度の概要(対照表)」は,アメリカ,イギリス(イングランド及びウェールズ),ドイツ,フランス,オーストラリア,カナダ及び日本の7か国を列に並べ,裁判所の基本的組織,憲法裁判所及び行政裁判所の有無,裁判官の任用,陪審制・参審制,弁護士資格,法曹養成制度並びに民事・刑事の裁判手続の特徴を行に配置した1枚の表である。7点の開示文書の一覧,対照表の各欄に何が記載されているか,及びその読み方については,諸外国(米英独仏豪加)の司法制度――最高裁判所の開示文書7点と対照表の読み方で整理している。
本記事は,対照表が設定した比較の項目を出発点としつつ,そこに並んだ日本の欄を,現行の条文,最高裁判所の裁判例及び公表された統計によって確かめ直すものである。すなわち,対照表という資料の説明ではなく,日本の司法制度が7か国の中でどの位置にあるのかを,e-Gov法令検索の現行条文,裁判所ウェブサイト掲載の裁判例,最高裁判所『裁判所データブック2026』,日本弁護士連合会『弁護士白書』及び法務省『犯罪白書』の数値によって確定することを目的とする。生成AIを用いて,これらの一次資料を1件ずつ照合して構成した。
対照表の日本欄の記述と現行制度とのずれ(証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度,検察審査会の起訴議決,法定審理期間訴訟手続及び拘禁刑の創設)については前掲の記事で扱っているため,本記事では繰り返さない。各国側の制度の詳細は,アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,オーストラリア及びカナダの各記事を参照されたい。
2 7か国の中で日本だけが持つ組合せ
対照表を3つの欄に絞って読むと,7か国は2つの型に分かれる。アメリカ,イギリス,オーストラリア及びカナダは,憲法裁判所を置かず,行政裁判所を置かず,裁判官の任用を「法曹一元」とする。フランス及びドイツは,憲法裁判所を置き,行政裁判所を置き,裁判官の任用を「キャリアシステム」とする。それぞれの型の内部では,3つの欄の記載が一貫している。
日本は,このいずれの型にも属さない。憲法裁判所も行政裁判所も置かない点では前者の4か国と同じでありながら,裁判官の任用は後者の2か国と同じ「キャリアシステム」とされているからである。7か国のうち,「憲法裁判所なし・行政裁判所なし・キャリアシステム」という組合せを持つのは日本だけであり,本記事では,これを外国と比べた日本の司法制度の最も基本的な特徴として整理する。以下の各節は,この組合せがそれぞれの場面で具体的に何を意味するかを,条文,裁判例及び数値によって確かめるものである。
第2 裁判所の組織と規模1 単一の頂点をもつ構造
日本国憲法76条1項は「すべて司法権は,最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と定め,同条2項は「特別裁判所は,これを設置することができない。行政機関は,終審として裁判を行ふことができない。」と定める。これを受けて裁判所法2条1項は,下級裁判所を高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所の4種類とする。行政機関による審判は,裁判所法3条2項が「行政機関が前審として審判することを妨げない」と定めることにより,前審としてのみ許される。
この構造は,最高裁判所が民事,刑事,行政,家事,少年,労働及び知的財産のすべてについて単一の終審となることを意味する。対照表の基本的組織の欄をみると,ドイツは区裁判所,地方裁判所等,高等裁判所等,連邦通常裁判所等及びその他特別裁判所を掲げ,フランスは小審裁判所,大審裁判所,重罪院,控訴院及び破毀院に加えて憲法院及びコンセイユ・デタを別系統として置き,オーストラリア及びカナダは連邦の裁判所と州の裁判所を並べて掲げている。これに対し日本の欄は,簡易裁判所,地方裁判所,家庭裁判所,高等裁判所及び最高裁判所の5種類のみである。ドイツのような裁判権の系列の並立も,フランスのような司法・行政の二元制も,連邦制3か国のような連邦と州の二元構造も持たない点で,日本の裁判所の構造は7か国の中で最も単純な部類に属する。
2 庁数と職員定員
最高裁判所『裁判所データブック2026』1頁によれば,裁判所の庁数は,最高裁判所1,高等裁判所が本庁8及び支部6(このほか東京高等裁判所の特別の支部として知的財産高等裁判所が置かれる),地方裁判所が本庁50及び支部203,家庭裁判所が本庁50,支部203及び出張所77,簡易裁判所が438(地方裁判所の本庁又は支部に併置されたもの253及び独立簡易裁判所185)であり,検察審査会は165置かれている。
令和8年度の裁判所職員(執行官を除く。)の定員は,同書22頁によれば合計25,366人であり,その内訳は,①最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官23人,②判事2,155人,③判事補842人,④簡易裁判所判事806人(以上,裁判官の合計3,826人),⑤裁判所書記官9,878人,⑥裁判所速記官180人,⑦家庭裁判所調査官1,613人,⑧裁判所事務官9,317人,⑨その他552人(裁判官以外の合計21,540人)である。女性裁判官数は,令和7年12月1日現在で873人とされている。同書は,これらの定員の根拠法令として裁判所法及び裁判所職員定員法を掲げており,裁判官の員数が法律事項とされていることが確認できる。
第3 裁判官の任用,身分保障及び規律1 条文が予定する給源と実際の給源
裁判所法42条1項は,高等裁判所長官及び判事を,判事補,簡易裁判所判事,検察官,弁護士,裁判所調査官・司法研修所教官・裁判所職員総合研修所教官並びに大学の法律学の教授又は准教授の職に通算10年以上在職した者の中から任命すると定める。条文の建付けは,給源が複数あることを前提としている。他方,裁判所法43条は「判事補は,司法修習生の修習を終えた者の中からこれを任命する。」と定め,判事補については司法修習の修了者に限っている。
日本弁護士連合会は,弁護士任官の推進に関するウェブサイトにおいて,現在の日本の裁判官は司法試験合格後に司法修習を経て直ちに判事補に任官し「そのほとんどが10年後にそのまま『判事』になっていきます」と記述し,弁護士経験のある者から裁判官を任用する常勤任官について,2024年10月1日現在で60名の弁護士任官者が全国で活躍しているとしている。裁判官の定員3,826人に対し,弁護士から常勤の裁判官となった者は60名であるから,条文が予定する給源の多元性は,数の上では実現していない。司法制度改革の過程では判事補の他職経験が方策として採られ,判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律1条は,判事補及び検事が「一定期間その官を離れ,弁護士となってその職務を経験するために必要な措置を講ずる」ことを目的とすると定めているが,これは給源そのものを変える仕組みではない。日本国内の議論の経緯については法曹一元を参照されたい。
2 任期,身分保障及び定年
憲法78条は「裁判官は,裁判により,心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては,公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は,行政機関がこれを行ふことはできない。」と定め,憲法79条6項及び80条2項は在任中の報酬の減額を禁ずる。裁判所法48条も,公の弾劾又は国民の審査による場合及び心身の故障により職務を執ることができないと裁判された場合を除き,その意思に反して免官,転官,転所,職務の停止又は報酬の減額をされることはないと定める。行政機関による懲戒を憲法典で全面的に禁じている点は,比較法的にみて強い保障である。
他方,憲法80条1項は,下級裁判所の裁判官について「その裁判官は,任期を十年とし,再任されることができる。」と定める。任期及び定年は対照表の比較項目に含まれていないため,比較対象6か国の憲法又は法律を確認すると,次のとおりである。
国任期及び定年根拠日本下級裁判所の裁判官は任期10年(再任可)。定年は最高裁判所及び簡易裁判所の裁判官が70歳,高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の裁判官が65歳憲法80条1項,裁判所法50条アメリカ最高裁判所及び下位の裁判所の裁判官は良好な行状の間その職を保持するものとされ,任期及び定年の定めはない合衆国憲法第3編第1節イギリス定年は75歳(当該職についてより低い年齢が定められている場合はその年齢)1993年裁判官年金及び退職法26条1項ドイツ終身裁判官は原則として67歳に達した月の末日に退職する。退職の時期を延ばすことはできないドイツ裁判官法48条1項・2項フランス司法官の定年は67歳。破毀院の第一院長及び検事総長は68歳1958年12月22日オルドナンス第58-1270号76条オーストラリア連邦最高裁判所の裁判官は70歳に達するまで。議会が創設した裁判所の裁判官の上限も70歳(議会はこれより低い年齢を定めることができる)オーストラリア憲法72条カナダ上級裁判所の裁判官は良好な行状の間その職を保持するものとされるが,75歳に達したときに退職する1867年憲法法99条
この表からは2点を指摘することができる。第1に,定期の任期を定め,その満了ごとに再任の手続を経ることとしているのは,本記事が確認した限りでは7か国のうち日本だけである。アメリカ及びカナダは良好な行状を要件として任期を定めず,イギリス,ドイツ,フランス及びオーストラリアは定年のみを定めている。憲法78条が罷免の要件を厳格に限定する一方で,10年ごとの再任という別の仕組みが置かれていることになる。
第2に,職又は裁判所の種別によって定年年齢が分かれること自体は,日本に固有の現象ではない。フランスは破毀院の第一院長及び検事総長について68歳という別の年齢を定めており,イギリスの1993年裁判官年金及び退職法26条1項も,当該職についてより低い年齢が定められている場合にはその年齢によるとしている。日本の70歳と65歳という区分を,日本だけの特徴として説明することはできない。なお,イギリスの75歳という年齢は,2022年公務員年金及び司法職法121条及び別表1が1993年法26条1項の「70」を「75」に改めたことによるものであり,同法121条は国王裁可の日に施行されている。日本の定年年齢が定められた経緯については裁判官の定年が70歳又は65歳とされた根拠で扱っている。
3 規律をめぐる大法廷の判断
裁判官の規律は,最高裁判所の大法廷が正面から判断してきた領域である。最高裁判所大法廷平成10年12月1日決定は,裁判所法52条1号にいう「積極的に政治運動をすること」とは,組織的,計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいうとした上で,同号の規定は憲法21条1項に違反しないとし,あわせて裁判官分限事件には憲法82条1項が適用されないと判示した。
裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」の意義については,最高裁判所大法廷平成30年10月17日決定が,「職務上の行為であると,純然たる私的行為であるとを問わず,およそ裁判官に対する国民の信頼を損ね,又は裁判の公正を疑わせるような言動をいう」と判示し,情報ネットワーク上の投稿がこれに当たるとされた事例を示した。同じ枠組みは,最高裁判所大法廷令和2年8月26日決定でも用いられている。行政機関による懲戒が禁じられている以上,裁判官の規律は裁判所自身の裁判によって画されることになり,その基準が大法廷の判断として蓄積している点は,日本の制度に固有の現れ方である。
第4 違憲審査――明文があり憲法裁判所がないこと1 昭和27年大法廷判決
憲法81条は「最高裁判所は,一切の法律,命令,規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と定める。この明文の規定にもかかわらず,日本の違憲審査が具体的事件を前提とするものにとどまることを確定させたのが,最高裁判所大法廷昭和27年10月8日判決である。同判決は,判示事項を「具体的事件を離れて最高裁判所は抽象的に法律命令等の合憲性を判断できるか」とした上で,「最高裁判所は,具体的事件を離れて抽象的に法律,命令等が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有するものではない。」と判示した。
対照表において憲法裁判所を「あり」とするのはフランス(憲法院)及びドイツ(連邦及び州の憲法裁判所)だけであり,日本は「なし」の側に置かれている。もっとも,憲法裁判所を置かないことと,憲法典に違憲審査の根拠規定を持たないこととは別である。カナダの1982年憲法法52条1項は,カナダ憲法がカナダの最高法規であり,憲法の規定と抵触する法律はその抵触の限度において効力を有しない旨を定めており,憲法裁判所を置かない国であっても,法律の効力を憲法によって否定する根拠を憲法典に置く例がある。これに対し,アメリカ合衆国憲法第3編は司法権の帰属と管轄の範囲を定めるにとどまり,違憲審査について明文の規定を置いていない。
したがって,日本の憲法81条の位置付けは,明文の規定があるかどうかではなく,その明文の規定を最高裁判所自身が付随的審査に限定して解した点にある。憲法適合性の判断が,専門の機関ではなく通常の民事・刑事・行政の事件の中で行われるという構造は,違憲判断の数と時期がどのような事件が提起されるかに依存することを意味する。最高裁判所が実際に法令を違憲とした事例については最高裁判所の違憲判決一覧|法令違憲14類型で整理している。
2 司法権の限界
裁判所法3条1項は,裁判所が「日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し」と定める。この「法律上の争訟」の外側については,最高裁判所大法廷昭和35年6月8日判決が,衆議院解散の効力を扱い,「衆議院解散の効力は,訴訟の前提問題としても,裁判所の審査権限の外にある。」と判示した。同判決は参照法条として憲法76条,81条,7条及び69条並びに裁判所法3条1項を挙げており,司法権の範囲そのものの画定として位置付けられる。
3 大法廷回付という担保
付随的審査制の下で憲法判断の水準を確保する仕組みが,裁判所法10条である。同条ただし書は,①当事者の主張に基づいて法律,命令,規則又は処分の憲法適合性を判断するとき(意見が前に大法廷でした合憲の裁判と同じである場合を除く。),②これらが憲法に適合しないと認めるとき,③憲法その他の法令の解釈適用について意見が前に最高裁判所のした裁判に反するときは,小法廷では裁判をすることができないと定める。憲法判断を15人の裁判官全員による大法廷に集約する仕組みであり,専門の憲法裁判所を置かない代わりに機能している部分がある。最高裁判所の構成については最高裁判所裁判官とは|現職15人の一覧・任命・定年・国民審査を参照されたい。
第5 裁判の公開と非訟事件
憲法82条1項は「裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行ふ。」と定める。この規定と,公開の法廷によらない非訟の手続との関係は,大法廷が2度にわたって扱っている。最高裁判所大法廷昭和35年7月6日決定は,戦時民事特別法19条2項及び金銭債務臨時調停法7条に従い純然たる訴訟事件についてされた調停に代わる裁判について,同条に違反するばかりでなく,憲法82条及び32条に照らし違憲を免れないと判示した。
これに対し,最高裁判所大法廷昭和40年6月30日決定は,家事審判法9条1項乙類1号の夫婦の同居その他夫婦間の協力扶助に関する処分の審判についての規定が憲法32条及び82条に違反しないとし,あわせて,夫婦の同居義務等を前提とする審判が確定した場合でも同居義務等自体については別に訴えを提起することを妨げないと判示した。両決定を併せて読むと,公開の法廷による裁判を受ける権利が確保されているかどうかが判断の分かれ目であり,実体的な権利義務の存否を終局的に確定する手続は公開の法廷によらなければならないという枠組みが取られていることになる。対照表は各国の家事事件を扱う裁判所の名称を並べるにとどまるが,日本では,どの事件をどの手続で扱うかが憲法問題として争われてきた点に特色がある。
第6 国民の司法参加1 裁判員法の評決要件
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項は,対象事件を,死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件及び裁判所法26条2項2号に掲げる事件であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るものと定め,同条2項は合議体の裁判官の員数を3人,裁判員の員数を6人とする。同法6条1項は,事実の認定,法令の適用及び刑の量定を構成裁判官及び裁判員の合議によるものとし,同条2項は,法令の解釈に係る判断及び訴訟手続に関する判断を構成裁判官の合議によるものとする。
日本の制度の内容を最もよく示すのは評決要件である。同法67条1項は「前条第一項の評議における裁判員の関与する判断は,裁判所法第七十七条の規定にかかわらず,構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。」と定める。単純な多数決ではなく,職業裁判官の意見と裁判員の意見の双方を含む多数でなければならないから,裁判官3人だけの意見でも裁判員6人だけの意見でも結論を決めることはできない。同条2項は,量刑について意見が分かれた場合に,被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加えていく方法を定めている。
対照表には評決要件を比較する行がないため,各国との対比には当該国の法令に当たる必要がある。イギリスについてみると,1974年陪審法17条1項は,刑事法院又は高等法院における陪審の評決について,陪審員が11人以上のときは10人が,10人のときは9人が一致すれば,全員一致でなくてよいと定めている。同条3項は,有罪の多数評決については,陪審長が公開の法廷で評決に同意した者及び同意しなかった者の数を述べた場合でなければ受理しないものとし,同条4項は,2時間以上の評議を経ることを要件としている。同条2項は,郡裁判所の民事の陪審(8人)について7人の一致で足りるとする。すなわち,陪審制を採る国であっても全員一致が要件であるとは限らず,「陪審制か参審制か」という対照表の1語からは評決の要件を読み取ることができない。
2 合憲判断
裁判員制度の合憲性は,最高裁判所大法廷平成23年11月16日判決が判断した。同判決は,「憲法は,刑事裁判における国民の司法参加を許容しており,憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り,その内容を立法政策に委ねている。」とした上で,裁判員制度は憲法31条,32条,37条1項,76条1項及び80条1項に違反せず,同条3項にも同条2項にも違反せず,裁判員の職務等は憲法18条後段が禁ずる「苦役」に当たらないと判示した。
同判決が参照法条として裁判所法3条3項を挙げている点は見落とされやすい。同項は「この法律の規定は,刑事について,別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。」と定めており,現在も効力を有する。日本法は,裁判員制度を採用した後も,刑事についての陪審制の導入を法律事項として留保したままである。
3 実績
法務省『令和7年版犯罪白書』によれば,令和6年の裁判員裁判対象事件の第一審における新規受理人員の総数は889人,判決人員の総数は848人であり,審理期間の平均は14.2月,開廷回数の平均は5.6回である。他方,同年の通常第一審における終局処理人員は48,388人である。前者を後者で除すると約1.8パーセントであり(本記事において両白書の数値から算出した。),裁判員裁判は刑事の通常第一審の2パーセントに満たない範囲で行われていることになる。国民の司法参加の有無を対照表の1語で比較するときには,それが刑事事件全体のどの範囲に及んでいるかが表れないことに注意を要する。
4 国民審査
対照表には行がないが,日本には比較対象の6か国に存在しない制度がある。憲法79条2項は,最高裁判所の裁判官の任命について,任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民の審査に付し,その後10年を経過した後初めて行われる総選挙の際に更に審査に付すと定め,同条3項は,投票者の多数が罷免を可とするときはその裁判官が罷免されると定める。国民が裁判官を直接罷免し得る制度である。
この制度をめぐっては,最高裁判所大法廷令和4年5月25日判決が,最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは憲法15条1項,79条2項及び3項に違反するとし,国が在外国民に対して次回の審査において審査権の行使をさせないことが違法であることの確認を求める訴えを公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法であるとし,立法措置がとられなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けると判示した。
第7 法曹人口――国際比較の系列が途絶していること1 日本の実数
『裁判所データブック2026』28頁によれば,令和8年の数値は,裁判官定員3,826人(簡易裁判所判事を除くと3,020人),検察官定員2,757人(副検事を除くと1,893人),弁護士48,119人,法曹人口53,032人(簡易裁判所判事及び副検事を除く。),総人口1億2,305万人である。なお,弁護士数については,日本弁護士連合会『弁護士白書2025年版』79頁が2025年3月31日現在46,243人としており,両者は基準日が異なるため一致しない。異なる資料の数値を同一の表に並べる場合には,基準日の差を確認する必要がある。
2 2019年時点の人口当たり比較
日本弁護士連合会『弁護士白書2019年版』65頁から66頁までは,最高裁判所編『裁判所データブック』の該当年版の数値を用いて,「1人あたりの国民数」を各国比較している。2019年の数値は次のとおりである。
区分日本アメリカイギリスドイツフランス弁護士1人あたりの国民数3,075人260人382人498人999人裁判官1人あたりの国民数45,581人10,056人19,687人3,992人11,562人検察官1人あたりの国民数63,989人9,864人25,365人15,045人33,920人法曹三者1人あたりの国民数2,757人247人369人430人895人
同白書は,弁護士について,2019年の日本は約3,100人であるのに対し他の4国はいずれも1,000人以下であるとし,裁判官については,日本は1人あたり約4万6,000人であって他の4国と比べかなり多いとしている。表の数値を割り算すると,裁判官1人あたりの国民数は,日本がドイツの約11.4倍,アメリカの約4.5倍である。法曹三者1人あたりでみても,日本はアメリカの約11.2倍,ドイツの約6.4倍である(いずれも本記事において表の各国の数値で日本の数値を除して算出した。)。日本の司法制度を人的規模の面から特徴付ける数値は,この4行に集約されている。
3 単純比較を妨げる要素
もっとも,この比較には日本弁護士連合会自身が留保を付している。『弁護士白書2025年版』80頁は,「法律を扱う登録士業としては,弁理士,税理士,司法書士,行政書士,公認会計士等があげられる。諸外国では,これらの職種が扱う業務の一部を弁護士が行うところもあり,諸外国との人口比較においては,注意が必要である。」と明記し,隣接士業等の人口の合計を2025年で314,135人としている。この数は弁護士46,243人を含むものである。
さらに,この合計を人数としてそのまま用いることにも限界がある。弁護士法3条2項は「弁護士は,当然,弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」と定めており,資格の重複が制度上予定されているから,登録数の合計は実人数と一致しない。したがって,隣接士業を含めれば日本の法律関係業務の担い手が諸外国と同水準になる,という形で単純に読み替えることもできない。本記事では,弁護士数だけを比較した数値と,隣接士業を含む登録数とを,いずれも確定した事実として併記するにとどめる。
4 2020年以降の公的な比較の不存在
比較を試みる際に確認しておくべきことがある。前記の4つの比較を掲げているのは『弁護士白書2019年版』であり,2020年版以降の同白書の該当章は「諸外国との弁護士数比較」となっていて,裁判官及び検察官を含む3職種の比較は掲載されていない。他方,これらの比較の基礎とされていた最高裁判所編『裁判所データブック』についても,2026年版の本文には諸外国の法曹人口に関する記載がない。同書の該当章は,日本における法曹人口及び総人口の推移,弁護士の数と人口との関係,司法修習生の数並びに終了者の進路別人数で構成されており,各国の数値を掲げる項目自体が置かれていない。
すなわち,日本の公的資料による法曹人口の国際比較は,本記事が確認した限りでは2019年の数値をもって途絶している。日本の司法制度の人的規模を諸外国と比べようとする者は,現在,日本の公的資料からは2019年より新しい比較を得ることができない。この点は,比較を行う際の制約として明示しておく必要がある。
第8 民事手続――弁護士強制主義を採らないこと
対照表は,フランスの民事の特徴として大審裁判所における弁護士強制主義を,ドイツについて代理人強制主義を掲げる一方,日本の欄には争点整理手続,集中証拠調べの原則化及び少額訴訟手続を掲げるにとどまる。日本の民事訴訟には,地方裁判所以上の事件について当事者に弁護士の選任を義務付ける規定がない。
その帰結は統計に表れている。『裁判所データブック2026』36頁によれば,令和7年の民事第一審通常訴訟既済事件(全地方裁判所)の総数は143,859件であり,弁護士選任状況の内訳は,双方に選任があるもの55,307件,原告側のみ71,280件,被告側のみ4,038件,本人のみ13,234件である。同書はこれを円グラフとして,双方38パーセント,原告側のみ50パーセント,被告側のみ3パーセント,本人のみ9パーセントと表示している。双方に弁護士が付いている事件は4割に満たず,被告側に弁護士が付いていない事件が過半を占めることになる。
弁護士強制主義を採るかどうかは,単に代理人の要否の問題にとどまらない。ドイツでは,区裁判所の管轄訴額の上限が引き上げられると,その範囲の事件について弁護士強制が外れるという関係にあり,管轄の変更が代理人選任の要否の変更を伴う。日本には,訴額の区分が代理人選任の要否を左右するという構造がそもそも存在しない。
なお,民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)は令和4年5月18日に成立し同月25日に公布されたところ,法務省民事局の説明によれば,オンライン提出,訴訟記録の電子化及び法定審理期間訴訟手続の創設を内容とする全面施行は令和8年5月21日である。本記事が掲げた令和7年の弁護士選任状況は,この全面施行より前の数値であり,手続の電子化が本人訴訟の割合にどのような影響を及ぼすかは,今後の統計を待つほかない。改正の全体像については民事裁判手続のIT化を参照されたい。
第9 刑事手続と検察1 令状主義,国家訴追主義及び起訴裁量主義
憲法33条は「何人も,現行犯として逮捕される場合を除いては,権限を有する司法官憲が発し,且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ,逮捕されない。」と定める。対照表がアメリカ,イギリス及びオーストラリアの欄に無令状逮捕を掲げ,日本の欄にのみ令状逮捕を掲げているのは,この憲法上の原則の差である。
訴追については,刑事訴訟法247条が「公訴は,検察官がこれを行う。」と定め,同法248条が,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができると定める。起訴裁量主義を採る点ではフランスと共通し,起訴法定主義を原則とするドイツとは異なる。もっとも,日本には,この裁量を統制する仕組みとして検察審査会が置かれており,検察審査会法41条の6第1項は,起訴議決をするには検察審査員8人以上の多数によらなければならないと定める。検察審査会の議決に対する不服申立ての方法については,最高裁判所第一小法廷昭和41年1月13日判決が「検察審査会の議決に対しては,行政訴訟の提起が許されないと解すべきである。」と判示している。
公判の構造についても特徴がある。刑事訴訟法256条6項は「起訴状には,裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し,又はその内容を引用してはならない。」と定める。対照表は,日本のほかアメリカ,イギリス及びオーストラリアの欄に起訴状一本主義を掲げる一方,ドイツ及びフランスの欄には職権主義を掲げ,注記において,担当裁判官が公判前にあらかじめ当該事件に関する一件記録を吟味した上で審理に臨むと説明している。日本は,裁判官の給源についてはドイツ及びフランスと同じキャリアシステムを採りながら,公判の構造についてはアメリカ及びイギリスと同じ起訴状一本主義を採っていることになる。
2 検察官に対する指揮権
検察庁法14条は「法務大臣は,第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し,検察官を一般に指揮監督することができる。但し,個々の事件の取調又は処分については,検事総長のみを指揮することができる。」と定める。個別事件についての指揮を検事総長に対するものに限る点で,法務大臣と検察官との間に一段の遮断が設けられている。検察官の身分や検察庁の組織は対照表の行に現れないため,この点は各国編又は個別の資料によって補う必要がある。日本の検察制度の成り立ちについては検察制度の沿革で扱っている。
3 有罪率,勾留率及び保釈率
日本の刑事司法については,有罪率の高さと身柄拘束の在り方が国内外から指摘されてきた。法務省は,「我が国の刑事司法について,国内外からの様々なご指摘やご疑問にお答えします。」と題する文書において,「日本では,起訴するかどうかを検察官が判断します。最近の統計では,検察官が起訴する事件の割合は37%(起訴人員÷(起訴人員+不起訴人員))です。「99%を超える有罪率」という場合は,起訴された37%の事件が分母となっています。」と説明し,検察当局において「的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に初めて起訴するという運用が定着して」おり,これが有罪率の高さに影響しているとしている。同文書は,取調べへの弁護人の立会いについても,法制審議会における議論を経て導入しないこととされ,代わりに取調べの録音・録画制度が導入された経緯を説明している。
身柄拘束の数値は,『令和7年版犯罪白書』の勾留と保釈に関する記述が示している。通常第一審における勾留率は,地方裁判所では平成17年の82.3パーセントをピークに平成26年まで80パーセント前後で推移した後に低下し,令和6年は71.4パーセントである。簡易裁判所は令和6年で60.4パーセントである。保釈率は,地方裁判所では平成15年の12.7パーセントを境に上昇し,令和6年は32.3パーセントであり,簡易裁判所は同年19.5パーセントである。過去20年をとれば,勾留率は低下し保釈率は上昇しているという方向が数値から読み取れる。
もっとも,この数値をそのまま国際比較に用いることはできない。同白書のいう勾留率は通常第一審の終局処理総人員に占める勾留総人員の比率であり,保釈率は勾留総人員に占める保釈人員の比率であって,いずれも裁判所が処理した人員を母集団とする指標である。母集団及び定義を揃えて日本と6か国とを比較した公的資料は,本記事の調査では確認できなかったため,この数値から国際的な位置付けを述べることはしない。
第10 判決情報の公開
裁判所ウェブサイトの裁判例検索は,その掲載範囲について,全ての裁判例が掲載されているものではないと明記し,収録の対象を,最高裁判所(判例集及び裁判集に登載されたもの並びに最近の主な判決),高等裁判所(高等裁判所判例集に登載されたもの),下級裁判所の主要判決速報,行政事件,労働事件及び知的財産事件の6種としている。日本において公表される裁判例は,判例集への登載を軸としてきたことになる。
この状態を変える立法として,民事裁判情報の活用の促進に関する法律(令和7年法律第49号)が制定された。同法1条は,民事裁判情報の活用の促進に関し,国の責務,法務大臣による基本方針の策定並びに民事裁判情報を加工して第三者に提供する業務等を行う法人の指定等について定めることにより,民事裁判情報の適正かつ効果的な活用のための基盤の整備を図ることを目的とすると定める。同法5条1項は,法務大臣が営利を目的としない法人を全国に一を限って指定することができると定め,同法2条1項3号は,指定法人が最高裁判所から提供を受けた保有民事裁判情報から特定の個人を識別することができないように加工した「仮名加工民事裁判情報」を定義している。同法の内容については民事裁判情報の活用の促進に関する法律の解説で扱っている。
裁判例へのアクセスの範囲は,比較の前提そのものに関わる。本記事が引用した裁判例は,いずれも裁判所ウェブサイトに掲載されているものであるが,同サイトの掲載範囲が前記のとおり限定されている以上,ここに掲げた裁判例をもって日本の裁判例を網羅したものということはできない。司法行政文書の開示手続を含む裁判所の情報公開の仕組みについては裁判所の情報公開――通達・司法行政文書の開示手続と判決情報の公開を参照されたい。
出典・参考資料1 法令
①日本国憲法33条・76条・78条・79条・80条・81条・82条(e-Gov法令検索)
②裁判所法(昭和22年法律第59号)2条・3条・10条・42条・43条・48条・49条・50条・52条(e-Gov法令検索)
③裁判所職員定員法(昭和26年法律第53号)(e-Gov法令検索)
④裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号)2条・6条・67条(e-Gov法令検索)
⑤検察庁法(昭和22年法律第61号)14条(e-Gov法令検索)
⑥弁護士法(昭和24年法律第205号)3条(e-Gov法令検索)
⑦刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)247条・248条・256条(e-Gov法令検索)
⑧検察審査会法(昭和23年法律第147号)41条の6(e-Gov法令検索)
⑨判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律(平成16年法律第121号)1条(e-Gov法令検索)
⑩民事裁判情報の活用の促進に関する法律(令和7年法律第49号)1条・2条・5条(e-Gov法令検索)
2 外国の法令
①アメリカ合衆国憲法第3編第1節(アメリカ国立公文書記録管理局)
②1867年憲法法99条及び1982年憲法法52条(カナダ司法省。カナダ憲法の統合版)
③1993年裁判官年金及び退職法26条(legislation.gov.uk)
④2022年公務員年金及び司法職法121条及び同法別表1(legislation.gov.uk)
⑤1974年陪審法17条(legislation.gov.uk)
⑥ドイツ裁判官法48条(連邦司法省・連邦司法庁)
⑦1958年12月22日オルドナンス第58-1270号76条(Légifrance)
⑧オーストラリア憲法72条(オーストラリア連邦議会)
3 裁判例
①最高裁判所大法廷昭和27年10月8日判決(昭和27年(マ)第23号,民集6巻9号783頁,裁判所ウェブサイト)
②最高裁判所大法廷昭和35年6月8日判決(昭和30年(オ)第96号,民集14巻7号1206頁,裁判所ウェブサイト)
③最高裁判所大法廷昭和35年7月6日決定(昭和26年(ク)第109号,民集14巻9号1657頁,裁判所ウェブサイト)
④最高裁判所大法廷昭和40年6月30日決定(昭和36年(ク)第419号,民集19巻4号1089頁,裁判所ウェブサイト)
⑤最高裁判所第一小法廷昭和41年1月13日判決(昭和39年(行ツ)第89号,集民82号21頁,裁判所ウェブサイト)
⑥最高裁判所大法廷平成10年12月1日決定(平成10年(分ク)第1号,民集52巻9号1761頁,裁判所ウェブサイト)
⑦最高裁判所大法廷平成23年11月16日判決(平成22年(あ)第1196号,刑集65巻8号1285頁,裁判所ウェブサイト)
⑧最高裁判所大法廷平成30年10月17日決定(平成30年(分)第1号,民集72巻5号890頁,裁判所ウェブサイト)
⑨最高裁判所大法廷令和2年8月26日決定(令和2年(分)第1号,集民264号41頁,裁判所ウェブサイト)
⑩最高裁判所大法廷令和4年5月25日判決(令和2年(行ツ)第255号,民集76巻4号711頁,裁判所ウェブサイト)
4 公文書・開示文書
①諸外国(米英独仏豪加)及び我が国の司法制度の概要(対照表)(最高裁判所の司法行政文書開示による開示文書,1頁)
②法務省「我が国の刑事司法について,国内外からの様々なご指摘やご疑問にお答えします。」(法務省)
③法務省民事局「民事訴訟法等の一部を改正する法律について」(令和8年3月25日最終更新。改正法の成立日,公布日及び段階的な施行日。法務省)
5 統計・データ
①最高裁判所『裁判所データブック2026』1頁・22頁・28頁・36頁(資料上の頁。PDFでは6頁・27頁・33頁・41頁。裁判所)
②日本弁護士連合会『弁護士白書2019年版』65頁~66頁(資料1-2-20から資料1-2-23まで。日本弁護士連合会)
③日本弁護士連合会『弁護士白書2025年版』79頁(資料1-2-21。日本弁護士連合会)
(続きを読む...)外国の司法制度と比べた日本の司法制度の特徴――米英独仏豪加との比較でみる構造,法曹人口及び裁判例(AI作成)