田中健治裁判官(41期)の経歴


生年月日 S38.7.5
出身大学 京大
定年退官発令予定日 R10.7.5
R5.11.14 ~ 大阪高裁7民部総括
R3.6.10 ~ R5.11.13 奈良地家裁所長
R2.1.28 ~R3.6.9 那覇地裁所長
H27.9.12 ~ R2.1.27 神戸地家裁尼崎支部長
H24.4.1 ~ H27.9.11 大阪地裁7民部総括(租税・行政部)
H22.4.1 ~ H24.3.31 大阪地裁7民判事
H18.4.1 ~ H22.3.31 那覇地裁1民部総括
H15.4.1 ~ H18.3.31 大阪地裁2民判事
H11.4.11 ~ H15.3.31 金沢地家裁判事
H8.8.1 ~ H11.4.10 名古屋地裁判事補
H6.7.11 ~ H8.7.31 最高裁行政局付
H5.6.1 ~ H6.7.10 東京地裁判事補
H3.4.1 ~ H5.5.31 那覇地家裁判事補
H1.4.11 ~ H3.3.31 大阪地裁判事補

*1 以下の記事も参照してください。
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所の専門部及び集中部

*2 私が訴訟代理人として関与した大阪高裁令和6年4月25日決定(担当裁判官は41期の田中健治40期の上田卓哉及び45期の島岡大雄)は,同居しながら介護していた娘さん(「マイ」と題するアカウントの人です。)(元になった事案は,令和6年3月8日付の大阪市監査委員の結果通知書に書いてあるとおりです。)が,東成区役所職員及び成年後見人の同席する中で,写真及び動画の撮影まで禁止された状態で1ヶ月に1回,約30分程度面会できることをもって,娘さんについて「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」とはいえないとして,重度の認知症等を患っている母親Xさん(抗血小板薬の副作用により見た目は酷く見える転倒事故による内出血が娘さんの虐待によるものであると東成区役所によって認定されました。)との面会制限の執行停止を認めず,大阪地裁令和6年2月28日決定(担当裁判官は49期の横田典子53期の田辺暁志及び69期の立仙早矢)に対する即時抗告を棄却しました。


*3の1 児童虐待防止法による一時保護及び面会制限の違法性が争われた大阪地裁令和4年4月23日判決(担当裁判官は47期の山地修54期の新宮智之及び67期の山田慎悟)の事案では,児童の救急搬送先かつ入院先の病院の通報により平成30年12月21日に大阪府の池田子ども家庭センターによる一時保護が開始し,平成31年2月27日に母親(原告)が児童の予防接種への同行が認められ,3月19日に医師の鑑定書について大阪家裁から疑問が呈されつつも「引き続いての一時保護」を認める審判があり,3月20日に池田子ども家庭センター内での面会が認められ(1週間から2週間に1回の頻度でした。),5月8日に児童の入所先である乳児院での面会が認められ,6月12日以降は毎日の面会が認められ,8月9日に一時保護が解除されました。
    また,大阪地裁令和4年4月23日判決は,平成31年1月9日から同年2月27日の面会制限,及び同年4月19日(審判の1月後)から同年8月9日までの一時保護は国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして,違法な面会制限につき30万円,違法な一時保護の継続につき70万円の合計100万円の損害賠償を命じました。
*3の2 控訴審である大阪高裁令和5年8月30日判決(担当裁判官は40期の黒野功久53期の馬場俊宏及び53期の田辺麻里子)は,損害賠償額を32万円増額して132万円とした(関西テレビHPの「「一時保護延長と面会制限は不当」判決を受け、吉村知事「面会制限というのは例外的」今後の対応への影響は」参照)。)ところ,SBS(揺さぶられっ子症候群)を考えるブログ「速報:大阪高裁、面会制限の違法を認める!」には以下の記載があります(引用先の「誓約」は「制約」に訂正しました。)。
    大阪高裁は、この法医学鑑定について「判断及びその前提となる画像読影の正確性に疑義を挟まざるを得ない」「結論を導くための医学的知見及びそれを裏付ける医学文献等が何ら示されておらず…医師からはこれを補うような意見等も特段示されなかった…その…内容を信用するのは困難といわざるを得ない」としました。実際、この鑑定書は、本文はわずか16行、原判決も認定するとおり、画像誤読の上に、医学的根拠を全く示していないという代物で、どうみても「鑑定」の名に値しないものでした。
(中略)

    児相は、とにかく母親の説明を信用しようとせず、虐待の可能性が否定できない以上、親子分離だ、面会制限だと主張し続けたのです。多くの児相が、一方的な親子分離、面会制限を行うときに取ろうとする態度です。そこにある児相の姿勢は、「とにかく親子分離」「とにかく面会制限」です。事実を見極めようというものではありません。「思考停止」以外の何ものでもないのです。
    このような児相の姿勢はきわめて深刻な実務運用を招いています。虐待などしていないと訴える親と、ひたすら「虐待を疑う」児相側との間で信頼関係ができるはずもありません。逆に強い軋轢を生むことになります。その一方で、本件でもそうだったのですが、児相側が真相を見極めようとする訳でもありません。「原因不明である以上、対策が取れないから分離」の一点張りです。その結果、親子分離も面会制限も長期化してしまうのです。
    児相には、親子分離、面会制限が、「児童及び保護者の権利等に対する重大な制約を伴うものであるし、児童と保護者の分離によって児童の安全が確保され、その福祉を保障できる場合がある一方で、分離が長期化することによって再統合が困難になるなど、分離によって児童の福祉が侵害される場合もあり得る」(判決)という発想が抜け落ちているのです。親子分離、面会制限は、それだけでは「チャイルドファースト」とはいえません。むしろ形を変えた国家による「虐待」となりうることを忘れてはなりません。
*3の3 大阪高裁令和5年8月30日判決に対する大阪府福祉部子ども家庭局家庭支援課の対応が書いてある文書(令和5年9月5日付)を掲載しています。
*4の1 大阪市の高齢者虐待対応マニュアル(令和6年度4月改訂版)8頁には「「高齢者の権利利益の擁護に資する」ことの目的のために養護者支援が必要であると判断した場合には養護者支援を積極的に行います。」と書いてあります。
    しかし,マイさんの母親の場合,マイさんなしに自宅で生活することもできなければ,従前の友人知人と交流することもできませんが,1月に1回30分程度の面会が認められていること(東成区役所の職員及び成年後見人の同席あり。)を除き,マイさんに対する大阪市東成区からの支援は一切ありません。
*4の2 厚生労働省HPの「Ⅰ  高齢者虐待防止の基本」には心理的虐待の例として以下の記載があります。
⑥ 心理的に高齢者を不当に孤立させる行為
・本人の家族に伝えてほしいという訴えを理由なく無視して伝えない。
・理由もなく住所録を取り上げるなど、外部との連絡を遮断する。
・面会者が訪れても、本人の意思や状態を無視して面会させない。 など
(裁判官は弁明せずの法格言等)
*5の1 最高裁判所広報課の,広報ハンドブック(令和2年3月版)45頁には以下の記載があります。
(5) 個別事件を前提とした取材依頼への対応等
    個別事件を前提とした取材依頼に当該担当裁判官が応じることは相当ではない。「裁判官は弁明せず」の法格言(法諺)があるとおり,個別事件に関する裁判所の判断及び理由は,全て判決や決定の理由の中で示されるもので,これら以外の場面で判決等について弁明したり,コメントしたりすることは不適切であるとされている。また,これを疑わせるような可能性のある取材に応じることも同様である。番組に出演すること自体で,裁判所の中立性,公平性に疑いを持たれることもあり得る。いずれにしても,個別事件を前提とした,あるいはそうとられてもやむを得ないような取材には応じることができない,と肝に銘じておく必要がある。
*5の2 弁護士森脇淳一HP「弁護士生活3年経過の現状報告」(2011年12月5日付)には以下の記載があります。
    「訴訟狂」となった(確かに、精神を病んでいると思われる方も多かった)のも、丁寧にその方が提出する記録(多くは過去の訴訟記録や裁判書)を検討すると、その方が敗訴した過去の裁判が間違っていて、本来その方が守られるべき権利が守られなかったため、どうしてもその権利を取り戻したくて(中には、そのような間違った裁判所に対する復讐心もあって)、何度負けても繰り返し裁判(その多くは再審。その壁は厚く、過去の裁判が見直されることはほとんどない)を起こされているのであった(そのような誤った裁判の結果、精神を病まれた方についての当該裁判官の責任は重いといえよう)。
*5の3 かけ出し裁判官Nonの裁判取説ブログ「”法服”を彩る紅三點」(2023年11月13日付)には以下の記載があります。
 同僚だった裁判官は『追想のひと三淵嘉子』(三淵嘉子さんの追想文集刊行会編)で次のようなエピソードを書かれています。
 和田嘉子さんは 東京地裁の民事を担当していた時 
 洗面所で当事者から刃物を向けられ刺されかけた。
 「当事者をそういう気持ちにさせた自分は 裁判官としての適格を欠くのではないか。
 たまたま行動によって示されたから まだ良いともいえるけれども
 行動に現れないままの不満不信は どんなに多いことか。
 同僚だった裁判官に そう苦悩を訴え
 法を司る者が負う宿命について
 裁判というものの悲劇性について 語り合ったんだとか。


*6の1 マイさんの母親の体重は令和6年3月現在,40kgから41kgでありますところ,令和5年4月16日以降,リフレックスという抗うつ薬を毎日45mg(最大量です。)服用させられていて,解任申立てにおいてそのことによる弊害を主張したものの,大阪家裁令和6年4月8日審判(担当裁判官は49期の井川真志)では主張自体を消されました。
*6の2 大阪市HPの「高齢者虐待と身体拘束」には,身体拘束の具体例として「行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる」ことが書いてあります。
    なお,向精神薬は,抗うつ薬や抗不安薬,睡眠導入剤(睡眠薬)など精神科で使うお薬の総称であって(知っていほしいがんと生活のことHP「向精神薬による薬物療法」参照),麻薬及び向精神薬取締法の適用対象となっています。


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