その他裁判所関係

検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書

目次
1 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
2 検事正経験者の弁護活動に関する懲戒処分の実例
3 検事長経験者が起こした自分の交通事故への対応例
4 関連記事その他

* 「各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書」も参照してください。

1 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
(1) 首相官邸HPの「閣議」に基づいて内閣官房内閣総務官に開示請求をした上で,以下のとおり閣議書を掲載しています。
・ 小弓場文彦 仙台高検検事長任命の閣議書(令和7年11月21日付)
・ 川原隆司 東京高検検事長,菊池浩 大阪高検検事長,松本裕 名古屋高検検事長,山本真千子 福岡高検検事長及び山田利行 札幌高検検事長任命の閣議書(令和7年6月24日付)
・ 浦田啓一 広島高検検事長及び瀬戸毅 高松高検検事長任命の閣議書(令和6年11月22日付)
・ 鈴木眞理子 仙台高検検事長任命の閣議書(令和6年9月3日付)
(令和6年8月13日に上冨敏伸大阪高検検事長が死亡退官したため,同月30日に中村孝仙台高検検事長が大阪高検検事長に任命された。)
・ 畝本直美 検事総長,齊藤隆博 東京高検検事長,山元裕史 次長検事,菊池浩 名古屋高検検事長及び松本裕 福岡高検検事長任命の閣議書(令和6年6月28日付)令和6年7月9日付の裁可書
・ 上冨敏伸 大阪高検検事長,中村孝 仙台高検検事長及び山本真千子  札幌高検検事長任命の閣議書(令和6年2月13日付)
・ 齋藤隆博 次長検事,久木元伸 福岡高検検事長,上冨敏伸 仙台高検検事長及び佐藤隆文 高松高検検事長任命の閣議書(令和5年6月30日付)
・ 畝本直美 東京高検検事長,小山太士 大阪高検検事長,高嶋智光 名古屋高検検事長,和田雅樹 広島高検検事長及び神村昌通 札幌高検検事長等任命の閣議書(令和4年12月23日付)
・ 甲斐行夫 検事総長,落合義和 東京高検検事長,山上秀明 次長検事,畝本毅 高松高検検事長,田辺泰弘 福岡高検検事長,小山太士 札幌高検検事長任命の閣議書(令和4年6月17日付)令和4年6月24日付の裁可書
・ 大塲亮太郎 名古屋高検検事長及び辻裕教 仙台高検検事長任命の閣議書(令和3年8月27日付)
・ 甲斐行夫 東京高検検事長,中原亮一 福岡高検検事長,畝本直美 広島高検検事長,曽木徹也 大阪高検検事長,山上秀明 高松高検検事長任命の閣議書(令和3年6月25日付)
・ 田辺泰弘 札幌高検検事長任命の閣議書(令和3年3月26日付)
・ 林眞琴 検事総長,堺徹 東京高検検事長,落合義和 次長検事任命の閣議書(令和2年7月14日付)令和2年7月17日付の裁可書
・ 曽木徹也 高松高検検事長任命の閣議書(令和2年6月5日付)
・ 林眞琴 東京高検検事長及び中川清明 名古屋高検検事長任命の閣議書(令和2年5月26日付)
・ 中原亮一 広島高検検事長及び大塲亮太郎 仙台高検検事長任命の閣議書(令和2年3月24日付)
・ 片岡弘 札幌高検検事長任命の閣議書(令和元年12月23日付)
・ 甲斐行夫 広島高検検事長任命の閣議書(令和元年8月22日付)
・ 黒川弘務 東京高検検事長任命の閣議書(平成31年1月8日付)平成31年1月18日付の裁可書
・ 稲田伸夫 検事総長,堺徹 次長検事,八木宏幸 東京高検検事長及び大谷晃大 仙台高検検事長任命の閣議書(平成30年7月10日付)平成30年7月25日付の裁可書
・ 榊原一夫 福岡高検検事長及び井上宏 札幌高検検事長任命の閣議書(平成30年2月16日付)
・ 林眞琴 名古屋高検検事長及び小川新二 高松高検検事長任命の閣議書(平成29年12月26日付)


(これ以前の閣議書は検事総長又は東京高検検事長任命を伴う閣議書だけです。)
・ 稲田伸夫 東京高検検事長及び堺徹 仙台高検検事長任命の閣議書(平成29年8月1日付)
・ 西川克行検事総長,田内正宏東京高検検事長,八木宏幸次長検事,寺脇一峰大阪高検検事長,青沼隆之名古屋高検検事長,野々上尚福岡高検検事長,酒井邦彦広島高検検事長,稲田伸夫仙台高検検事長及び田内正宏東京高検検事長任命の閣議書(平成28年8月15日付)平成28年9月5日付の裁可書
・ 西川克行東京高検検事長,伊丹俊彦大阪高検検事長,青沼隆行次長検事及び三浦守札幌高検検事長任命の閣議書(平成27年12月1日付)
・ 大野恒太郎検事総長,渡辺恵一東京高検検事長,伊丹俊彦次長検事,尾崎道明大阪高検検事長,田内正宏広島高検検事長及び酒井邦彦高松高検検事長任命の閣議書(平成26年7月4日付)平成26年7月18日付の裁可書
・ 小津博司検事総長,大野恒太郎東京高検検事長,北村道夫仙台高検検事長,池上政幸名古屋高検検事長及び渡辺恵一次長検事任命の閣議書(平成24年7月13日付)平成24年7月20日付の裁可書
・ 笠間治雄検事総長,小貫芳信東京高検検事長,小津博司次長検事,藤田昇三名古屋高検検事長,梶木壽広島高検検事長,北田幹直札幌高検検事長及び勝丸充啓高松高検検事長任命の閣議書(平成22年12月24日付)平成22年12月27日付の裁可書
・ 大林宏 検事総長,笠間治雄東京高検検事長,柳俊夫大阪高検検事長,藤田昇三広島高検検事長,岩村修二仙台高検検事長,梶木壽高松高検検事長任命の閣議書(平成22年6月11日付)平成22年6月17日付の裁可書
・ 樋渡利秋検事総長,大林宏東京高検検事長,渡邉一弘札幌高検検事長,有田知徳仙台高検検事長及び伊藤鉄男高松高検検事長任命の閣議書(平成20年6月24日付)平成20年7月1日付の裁可書
・ 樋渡利秋 東京高検検事長,鈴木芳夫 広島高検検事長及び大泉隆史 仙台高検検事長任命の履歴書(平成18年12月15日付)
・ 但木敬一検事総長,上田廣一東京高検検事長,横田尤孝次長検事,樋渡利秋広島高検検事長,櫻井正史名古屋高検検事長任命の閣議書(平成18年6月30日付)平成18年6月30日付の裁可書
・ 松尾邦弘検事総長,但木敬一東京高検検事長,書上由紀夫大阪高検検事長,坂井一郎福岡高検検事長,斉田国太郎広島高検検事長及び田上廣一高松高検検事長任命の閣議書(平成16年6月15日付)平成16年6月25日付の裁可書
・ 松尾邦弘東京高検検事長及び古田佑紀次長検事任命の閣議書(平成15年9月26日付)平成15年9月29日付の裁可書
・ 甲斐中辰夫最高裁判所判事,木藤繁夫東京高検検事長及び坂井一郎広島高検検事長他4名任命の閣議書(平成14年10月4日付)
・ 甲斐中辰夫東京高検検事長及び松尾邦弘次長検事任命の閣議書(平成14年1月18日付)平成14年1月18日付の裁可書
・ 原田明夫検事総長,松浦恂東京高検検事長,甲斐中辰夫次長検事及び宗像紀夫高松高検検事長任命の閣議書(平成13年6月26日付)平成13年7月2日付の裁可書
・ 原田明夫東京高検検事長,松浦恂次長検事及び河内悠紀仙台高検検事長任命の閣議書(平成11年12月21日付)平成11年12月22日付の裁可書
・ 村山弘義 東京高検検事長,吉村徳則 名古屋高検検事長及び石川達紘福岡高検検事長任命の閣議書(平成11年4月23日付)
・ 北島敬介検事総長,則定衛東京高検検事長及び東條伸一郎札幌高検検事長任命の閣議書(平成10年6月19日付)平成10年6月23日付の裁可書
・ 北島敬介東京高検検事長及び堀口勝正次長検事,並びに特命全権大使3名任命の閣議書(平成9年12月2日付)平成9年12月2日付の裁可書
・ 土肥孝治検事総長,濱邦久東京高検検事長及び中靏聳札幌高検検事長任命の閣議書(平成8年1月16日付)平成8年1月16日付の裁可書
・ 土肥孝治東京高検検事長,増井清彦大阪高検検事長,緒方重威仙台高検検事長及び山口悠介札幌高検検事長任命の閣議書(平成7年7月28日付)
・ 根来泰周東京高検検事長任命の閣議書(平成5年12月21日付)平成5年12月22日付の裁可書
・ 吉永祐介検事総長任命の閣議書(平成5年12月10日付)平成5年12月13日付の裁可書
・ 吉永祐介東京高検検事長,土肥孝治大阪高検検事長,井嶋一友次長検事,敷田稔名古屋高検検事長,栗田啓二広島高検検事長,増井清彦仙台高検検事長及び村田恒高松高検検事長他3人任命の閣議書(平成5年6月29日付)
・ 岡村泰孝検事総長,藤本幸治東京高検検事長及び土肥孝治次長検事任命の閣議書(平成4年5月26日付)
・ 岡村泰孝東京高検検事長,吉永祐介大阪高検検事長,藤永幸治次長検事,敷田稔広島高検検事長,当別当季正高松高検検事長等の任命の閣議書(平成3年12月10日付)
・ 筧栄一検事総長及び根岸重治東京高検検事長任命の閣議書(平成2年5月8日付)
(2)ア 閣議書には,検事総長等に任命される人の履歴書が含まれています。
イ すでに検事長の身分を有していて,所管の高等検察庁を変更するだけの場合,閣議決定の対象にはならず(検察庁法15条1項参照),法務大臣の補職(検察庁法16条1項)しかないものの,便宜上,ファイル名に含めています。


 検事正経験者の弁護活動に関する懲戒処分の実例
・ 自由と正義2015年10月号89頁には,札幌地検検事正及び最高検察庁総務部長を経験した後に弁護士となった人の弁護活動に関する「戒告」事例(カナロコHPの「容疑者妻連れ検事総長と面会 横浜弁護士会、検察出身弁護士を懲戒」(2015年11月12日付)参照)が載っていますところ,当該事例における「処分の理由の要旨」は以下のとおりです。
(1) 被懲戒者は、2013年6月30日に懲戒請求者に接見し、その強制わいせつ被疑事件を受任したが、その際委任契約書を作成せず、弁護士報酬についての説明も十分しなかった。
(2) 被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、「自己の罪を認めて深く反省し」などと記戦した2013年7月18日付けの懲戒請求者名義の誓約書を担当検察官に提出したが、誓約書の提出に当たり懲戒請求者の意思を確認しなかった。
(3) 被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、懲戒請求者が勾留されている間に懲戒請求者の妻を帯同して担当検察官やその上司である検察官、更に検事総長や検察幹部と面会し、被懲戒者の元検察官としてのキャリアや人脈等を強く印象付け、刑事処分の公正に対して疑惑を抱かせる行為を行った。
(4) 被懲戒者は、上記(1)の事件に関し、被害者との示談交渉の席に懲戒請求者の姉の内縁の夫であったAを同席させ、その後の示談交渉もAと共同して行っていたが、示談交渉及び書面の作成に関して、懲戒請求者の意思を確認し内容を確定して起案するなどの行為を中心となって行わなかった。
(5) 被懲戒者は、上記示談交渉に際し、Aが懲戒請求者から相当額の示談金を受領する可能性を予見できたにもかかわらずこれを回避する措置を採らず、結果として、被懲戒者が関与しないままAが懲戒請求者から示談金名目の700万円を受領し保管した。
(6) 被懲戒者は、2013年9月7日に上記(1)の事件の弁護人を辞任したが、懲戒請求者からの弁護士報酬の返還請求に対し、脅迫的な意味合いを有し、返還請求をちゅうちょさせるような文言が記載された同年10月11日付けの書面に署名押印した。
(7) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第29条及び第30条に、上記(2)、(4)及び(5)の行為は同規程第46条に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
・ 弁護士職務基本規程77条は,「弁護士は、その職務を行うに当たり、裁判官、検察官その他裁判手続に関わる公職にある者との縁故その他の私的関係があることを不当に利用してはならない。」と定めていますものの,なぜか同条への言及がありません。


3 検事長経験者が起こした自分の交通事故への対応例
(1) 平成21年春の叙勲で瑞宝重光章を受賞した石川達紘 元名古屋高検検事長(17期。令和3年4月現在,光和総合法律事務所所属の弁護士です。)は,平成30年2月18日,一緒にゴルフに行く予定であった20代半ばの女性がトランクに荷物を積み込もうとした際にレクサス(トヨタの高級車)が急発進した結果,対向車線の歩道を歩いていた男性をはねて死亡させ,そのまま通り沿いの店に突っ込むという交通事故を起こしました(現代ビジネスHPの「20代女性と早朝ゴルフで「暴走ひき殺し」超有名弁護士・78歳の転落」(2018年3月15日付)参照)。
(2)ア 石川達紘は無罪を主張していましたし,令和2年11月26日の最終意見陳述では,被害者への謝罪を早口で述べた後、ロッキード事件で関係者から聞いた話として「「『新しい飛行機は不具合が生じる』『コンピューターは絶対ではない。最後は人が操作するのだ』と聞いた。釈迦に説法ですが、そのことを申し上げたい」」と述べたそうです(ヤフーニュースの「「私も被害者」レクサス急発進事故 元特捜部長の“放言”に裁判官もあぜん」(2020年12月5日付)参照)。
イ 東京地裁の三上潤裁判長(52期)は,令和3年2月15日,アクセルペダルの踏み間違いによる暴走事故だったと認定した上で,遺族との間で示談が成立していること,前科が存在しないこと等を考慮して,懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。
ウ 石川達紘は即日,東京高裁に控訴した他,主任弁護人は,「電子制御技術が発達した現代の自動車に対する知見に乏しい証人らの証言を基にした検察官の主張をそのまま鵜呑みにしたものであり、かつ、被告人の運転体勢に関する弁護人らの検証請求を却下するなど、およそ真実解明の姿勢に欠けた裁判体による極めて不当な判決であって、到底受け入れることはできない」というコメントを発表したみたいです(ヤフーニュースの「《レクサス暴走裁判》「罪と向き合え」「不当な判決だ」元事件捜査のプロと巨大組織はなぜ法廷で争ったのか」(2021年2月26日付)参照)。

4 関連記事その他
(1) 野村二郎 朝日新聞社会部 元記者は,平成6年11月29日の衆議院法務委員会において,参考人として以下の発言をしています(改行を追加しています。)。
     人事でしばしば指摘されるのは、特捜部出身の検事は大阪高検検事長にしかなれないという言い方があります。
    しかし、これは見方によって、大阪高検検事長にもなれるんだという見方もできると思います。官庁の組織については、行政官として適切な人と、いわば現場の専門職として適切な人と両方あると思います。そういうものを一緒くたにして、大阪高検検事長しかなれないんだというふうな見方をするのは間違いだと思います。
     ですから、私は特捜部に配置する検事の適性ということを見きわめながら、また特捜部に配置された後の検事の力量、資質というものを見きわめながら人事をすることが一番いいんではないかというふうに思います。
(2) 永年保存文書は,現用のものを除き,作成・取得後30年が経過するまでに国立公文書館に移管することになっています(公文書等の移管の仕組み(平成16年1月26日付の内閣府の文書)参照)。
(3)ア 朝日新聞デジタルの「(ひと)畝本直美さん 全国初の女性検事長として広島高検に着任した」(2021年9月8日付)には「夫は大阪地検の検事正だ。」と書いてありますところ,41期の畝本毅は2021年4月8日に大阪地検検事正に任命されています。
イ 畝本直美は40期です。
(4)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 検事総長任命に関する閣議書(平成5年12月13日から令和6年7月9日まで)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 法務省作成の検事期別名簿
・ 親任式及び認証官任命式
・ 東京高検検事長の勤務延長問題
・ 黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題
・ 百日裁判事件(公職選挙法違反)
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
・ 最高裁判所判事任命の閣議書
・ 高等裁判所長官任命の閣議書
・ 内閣法制局長官任命の閣議書
・ 衆参両院の議院運営委員会に提示した国会同意人事案
・ 各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書
・ 令和への改元に関する閣議書等

・ 動画の6分54秒から7分7秒にかけて,「官記を受け取ったら,本当は頭より上に掲げて降ろさないようにお辞儀をすることになっています。検事総長は恐らく初めての認証式ではないので上に掲げていたから中身が見えるんです。」というナレーションが流れます。

判事補の外部経験の概要

目次
第1 判事補の外部経験の説明文書
第2 個別の外部経験先(平成26年度の文書参照)
1 訟務検事
2 法務省
3 弁護士
4 行政官庁
5 在外公館
6 法整備支援
7 民間企業研修
8 海外留学
9 その他
第3 判事補の外部経験に関する国会答弁
第4 外部経験から復帰後の異動の方針
第5 関連記事その他

第1 判事補の外部経験の説明書
・ 「判事補の外部経験の説明文書」を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
令和6年度
(平成時代)
平成26年度平成27年度平成28年度
平成29年度平成30年度平成31年度
* 「判事補の外部経験の説明文書(令和4年度)」といったファイル名であり,「新任判事補研修の資料」に掲載している資料からの抜粋です。


第2 個別の外部経験先(平成26年度の文書参照)
1 訟務検事
訟務事務を担当し,期間は原則として2年であり(本省は原則として2年又は3年),10名程度です。
   勤務場所は,高裁所在地の各法務局訟務部又は法務省訟務局(平成27年4月10日再設置)です。
   出向中の身分は検事です。

2 法務省
法務行政事務(裁判官としての法律知識,経験を活用して行政事務を行います。)を担当し,期間は原則として2年又は3年であり,10名程度です。
   勤務場所は,法務省(司法法制部,民事局,刑事局,人権擁護局),法務総合研修所(研修部(東京),国際連合研修協力部(東京),国際協力部(大阪))です。
   出向中の身分は検事です。

3 弁護士
弁護士職務を担当し,期間は原則として2年であり,10名程度です。
   勤務場所は,原則として東京,大阪又は名古屋の法律事務所です。
   出向中の身分は裁判所事務官(弁護士職務従事職員)・弁護士です。

4   行政官庁
(1) 行政官庁研修
ア   行政官庁における行政事務(主として,裁判事務とは直接関連しない行政事務を行います。)を担当し,期間は原則として2年であり,数名程度です。
   勤務場所は,内閣官房(内閣官房副長官補付),金融庁(総務企画局,検査局),総務省(自治行政局,総合通信基盤局),外務省(総合外交政策局,北米局,国際法局),財務省(国際局),厚生労働省(労働基準局),農林水産省(食料産業局),経済産業省(経済産業政策局,通商政策局),国土交通省(鉄道局)です。
   出向中の身分は検事(出向先省庁の事務官に併任)です。
イ 事前研修的な趣旨で,出向前に短期間,最高裁判所事務総局に配置されることがあります。
(2) 公正取引委員会,金融庁,証券取引等監視委員会,公害等調整委員会,中央労働委員会,国税不服審判所
行政事務(準司法的事務を含む。)(裁判官としての法律知識,経験を活用して事務を行う。)を担当し,期間は原則として2年であり,数名程度です。
   勤務場所は,公正取引委員会事務総局,金融庁,証券取引等監視委員会事務局,公害等調整委員会事務局,中央労働委員会事務局,国税不服審判所(東京,大阪,名古屋)です。
   出向中の身分は,公正取引委員会は審判官(検事に併任),金融庁は金融庁審判官(検事に併任),証券取引等監視委員会は内閣府事務官(検事に併任),公害等調整委員会は総務事務官(検事に併任),中央労働委員会は特別専門官(検事に併任),国税不服審判所は検事(財務事務官(国税審判官)に併任)です。

5   在外公館
(1)   在外公館における外交事務又は領事事務を担当し,期間は原則として約2年であり,若干名です。
   勤務場所は,在アメリカ合衆国日本国大使館,在中国日本国大使館,在ジュネーブ国際機関日本政府代表部,在ストラスブール日本国総領事館,国際連合日本政府代表部です。
   出向中の身分は外務事務官(一等若しくは二等書記官又は領事)であり,判事任命資格に算入されません。
(2) 平成27年の場合,同年秋に外務省研修所において約4ヶ月間,判事補身分で赴任前研修に参加しました。
   その後,派遣までの間,東京又は周辺の裁判所において勤務します。なお,事前研修的な趣旨で,出向前に短期間,最高裁判所事務総局に配置されることがあります。


6   法整備支援
(1)   海外における法整備支援(裁判官としての法律知識,経験を活用して法整備支援を行う。)を担当し,期間は1年又は2年であり,若干名です。
   勤務場所は,ベトナム(ハノイ)又はカンボジア(プノンペン)です。
   出向中の身分は検事(国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律による派遣職員たる検事)であり,独立行政法人国際協力機構(JICA)長期専門家です。
(2) 派遣前に判事補身分で研修に参加します。なお,派遣先に1年間勤務し,帰国後,法務省に1年間勤務する可能性もあります。

7   民間企業研修
民間企業又は日本銀行における業務を担当し,期間は1年であり,10名程度です。
   勤務場所は,東京,大阪,名古屋,福岡地区所在の民間企業又は日本銀行です。
   出向中の身分は判事補です。

8   海外留学
海外の大学又は裁判所等における在外研究を担当し,期間は1年又は2年であり,30数名程度です。
   勤務場所は,アメリカ,イギリス,カナダ,オーストラリア,フランス,ドイツ,ベルギーの各国です。
   出向中の身分は判事補です。

9   その他
(1) 立法機関
立法機関における事務を担当し,期間は原則として2年であり,1名程度です。
   勤務場所は,衆議院法制局です。
   出向中の身分は衆議院法制局参事です。
(2) シンクタンク等における研修
シンクタンク等における企画・研究業務を担当し,期間は原則として1年であり,1名程度です。
   勤務場所は,一般社団法人日本経済団体連合会21世紀政策研究所です。
   出向中の身分は判事補です。
(3) 預金保険機構
預金保険機構における業務(裁判官としての法律知識,経験を活用して事務を行います。)を担当し,期間は原則として2年であり,若干名です。
   勤務場所は,預金保険機構(東京)です。
   出向中の身分は預金保険機構職員であり,判事任命資格に算入されません。

第3 判事補の外部経験に関する国会答弁
41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成27年5月14日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 判事補の外部経験といたしましては、民間企業等への派遣、弁護士職務経験、海外留学、行政官庁への出向等などを行ってきているところでございます。
概要を申し上げますと、民間企業等は、毎年十五人程度を一年間派遣をしております。
   弁護士職務経験につきましては、毎年十人程度を二年間派遣をしております。
   また、海外留学は、毎年三十五人程度が一年又は二年間の期間派遣をされてきているところでございます。
   さらに、行政官庁等には、毎年三十五人程度が、これは行き先によっても期間、長短がございますが、原則として二年間出向をしております。
   今後もより多くの若手の裁判官がこれらの外部での様々な経験を通じて、幅広い視野あるいは柔軟でバランスの取れた考え方というものを身に付けることができるよう、新たな外部経験先の確保等も含めた充実というものを検討してまいりたいというふうに考えております。

② 民間企業研修の意義あるいは必要性について御理解をいただいております日本経団連加入の企業等の中から、毎年、業種あるいは業態のバランスなども勘案しながら研修先を選定しているというところでございます。
③ 派遣先の企業等との関係で、公平性と申しますか中立性と申しますか、の担保が必要でございますので、そのようなことも配慮して行き先を変えますとか、あるいは、同一の業界の中で不均衡がないようにするとかそういったようなことも検討しているところでございます。

第4 外部経験から復帰後の異動の方針
   以下の記載は,平成27年2月5日及び6日に開催された,最高裁の実務協議会(冬期)の人事局配付資料を丸写ししたものであり,外部経験から復帰した裁判官の転勤パターンが分かります。

外部経験から復帰後の異動の方針について

1 前任地から引き続き地域的異動を伴わずに外部経験をする場合
   当該地の異動条件により異動

2 地域的異動を伴って外部経験をする場合
   外部経験(民間企業研修又はシンクタンク等における研修を除く。)後,希望すれば,引き続き同一地域の裁判所で2年間勤務可能
   同一地域を希望しない場合は,当該地の異動条件により異動

3 例外的に外部経験先コース,地域が希望外となった場合には,復帰後の異動について上記よりも有利に取り扱うことがある。
※ 勤務地別の異動条件(当面,外部経験の実施が予定されている地のうち,異動条件の付されているもの)
東京,横浜,さいたま,千葉,大阪,京都,神戸,名古屋,広島,福岡(いずれも「最高裁指定庁」)
※ 留学は地域的異動を伴わないものとして扱う。ただし,留学からの帰国後は,従前の異動条件にかかわらず,「最高裁指定庁」の異動条件が付されたものとして扱う。
※ 地域的異動を伴って民間企業研修又はシンクタンク等における研修をする場合,異動後の配属庁における任期のうち,最初の1年が民間研修,その後が裁判所での勤務となる。
※ 在外公館,法整備支援の海外勤務は派遣地を「東京」とみなす。
※ 「東京・横浜・さいたま・千葉」(各管内を含む。)又は「大阪・京都・神戸」(各管内を含む。)はそれぞれ同一地域とみなす。

第5 関連記事その他
1 「裁判官とは何者か?-その実像と虚像との間から見えるもの-」(講演者は24期の千葉勝美 元最高裁判所判事)には以下の記載があります(リンク先のPDF16頁)。
     マスコミ研修、民間企業、弁護士事務所への派遣研修、法務省等の行政府庁、公害等調整委員会、証券取引等監視委員会、公正等取引委員会等の国の準司法的機関への出向(検事に転官して法曹としての知識経験を生かすもの)、内閣法制局で法案チェック等、在外公館への出向等(大使館へのアタッシェ)は、裁判官の育成と法律家としての公的仕事への貢献という二莵をねらったもの。行政官的センスが身に着く一方、司法官のエートスは保持しており、これがミソ(法理論と行政的思考等を使い分けることができるか、独立心のある態度等が誉められるのか、けなされるのか⁇)。
2 「裁判官は劣化しているのか」(2019年2月23日出版)(著者は46期の岡口基一裁判官)129頁及び130頁には以下の記載があります。
     最近は、「裁判官の世間知らず」を解消するための「判事補の外部経験」とやらで、判事補は、仕事の基礎の基礎を教わるべき一番大事な時期に、2年間も裁判所を離れてしまいます。
     2年間の外部経験から裁判所に戻った判事補は、いきなり単独民事訴訟事件を担当させられて、一人で法廷の壇上に座らされます。そこでは、「わからない、知らない、できない、とは言わせない」という鬼のルールが存在し、判事補といえども、ベテラン裁判官と同様に、誰にも頼らず訴訟を担当し判決を書くことを強いられます。
3 以下の記事も参照してください。
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
・ 行政機関等への出向裁判官
・ 裁判官の種類
→ 判事新任のタイミングについても説明しています。
・ 裁判官の民間企業長期研修等の名簿
・ 判事補の海外留学状況

裁判所の永年勤続者表彰

目次
1 裁判所の永年勤続者の表彰に関する文書
2 関連記事その他

1 裁判所の永年勤続者の表彰に関する文書
・ 永年勤続者の表彰について(平成21年2月2日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
・ 永年勤続者の表彰における被表彰者の決定方法について(平成21年2月2日付の最高裁判所人事局長の通達)
・ 新たな永年勤続表彰制度について(平成21年2月2日付の最高裁判所人事局能率課長の事務連絡)2通
・ 「永年勤続者の表彰について」の発出に伴う留意点(平成21年2月2日付の最高裁判所人事局能率課長の事務連絡)
・ 最高裁判所に勤務する永年勤続者の表彰における被表彰者の決定方法について(平成21年2月9日付の最高裁判所人事局長の通達)
・ 永年勤続者の表彰について(平成28年3月24日付の最高裁判所人事局能率課長の事務連絡)
・ 永年勤続者の表彰の運用について(平成28年6月16日付の最高裁判所人事局能率課長の事務連絡)

2 関連記事その他
(1) 「裁判所の永年勤続者の表彰に関する通達及び事務連絡(令和2年1月当時のもの)」としてひとまとめの文書にしています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)
・ 裁判官の死亡退官
・ 高等裁判所長官を退官した後の政府機関ポストの実例
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 民事調停委員及び家事調停委員に対する表彰制度


新たな永年勤続表彰制度の概要(新たな永年勤続表彰制度について(平成21年2月2日付の最高裁判所人事局能率課長の事務連絡))別紙

裁判員等の日当

目次
1 裁判員等の日当
2 裁判員等の日当の税務上の取扱い
3 裁判員用の特別の有給休暇を取得した場合の取扱い
4 関連記事その他

1 裁判員等の日当
・ 日当の具体的な額は,選任手続や審理・評議などの時間に応じて,裁判員候補者・選任予定裁判員については1日当たり8050円以内,裁判員・補充裁判員については1日当たり1万50円以内で,決められます(裁判員の参加する刑事裁判に関する規則7条)ところ,裁判員等の日当の支給基準について(平成21年3月30日付の最高裁判所刑事局長及び経理局長の通達)によれば,具体的な支給基準は以下のとおりです。
(1) 裁判員及び補充裁判員の日当
ア 執務時間等があった場合
・ 2時間以内の場合,4400円以上4740円以内
・ 2時間を超え4時間以内の場合,4740円を超え5780円以内
・ 4時間を超え7時間以内の場合,5780円を超え8700円以内
・ 7時間を超える場合,8700円を超え1万50円以内
イ 専ら旅行に要した日及びそのほかの日
・ 3950円
ウ 執務時間等には,執務等が午前から午後までにわたって行われた場合におけるいわゆる昼休み時間が含まれます。
   また,基準額には,裁判員又は補充裁判員に選任された日における選任予定裁判員又は裁判員候補者としての日当の額が含まれます。
(2) 選任予定裁判員及び裁判員候補者の日当
ア 手続時間があった場合
・ 2時間以内の場合,4400円以上4740円以内
・ 2時間を超え4時間以内の場合,4740円を超え5780円以内
・ 4時間を超えの場合,5780円を超え8050円以内
イ 専ら旅行に要した日
・ 3950円


2 裁判員等の日当の税務上の取扱い
・ 裁判員等に支給される旅費、日当及び宿泊料に対する所得税法上の取扱いについて(平成20年11月6日付の国税庁課税部審理室長の回答)によれば,税務上の取扱いは以下のとおりです。
① 裁判員等に対して支給される旅費等については、その合計額を雑所得に係る総収入金額に算入する。
② 実際に負担した旅費及び宿泊料、その他裁判員等が出頭するのに直接要した費用の額の合計額については、旅費等に係る雑所得の金額の計算上必要経費に算入する。

3 裁判員用の特別の有給休暇を取得した場合の取扱い
・ 佐賀労働局HPの「従業員の方が裁判員等に選ばれた場合のご質問について取りまとめました」に以下の問答が載っています。

問2 就業規則において、裁判員用の特別の有給休暇を取得した場合に
   (1) 裁判員として受領した日当は使用者に納付する
   (2) 日当を受領した時はその金額について給与から減額する
  などと定めることは問題ないでしょうか。  

答 例えば、(1)のように、裁判員として受領した日当は使用者に納付するという規定を置いた場合、その規定により実質的に労働者が不利益を被るような場合は、裁判員法第100条が禁止している不利益取扱いに該当する可能性があります(例えば、受領した日当が1万円であり、特別の有給休暇に支払われる給与額が6000円である場合には、日当を納付することで4000円の不利益を被ることになります。)。
 また、(2)のように、特別の有給休暇としているにもかかわらず、給与額から裁判員の日当を差し引くことは一般的に認められません。
 なお、例えば、「裁判員用の特別の有給休暇を取得した場合には、1日分に相当する給与額(例えば1万5000円)と日当相当額(例えば1万円)との差額(例えば5000円)を支給する。」というように、給与額と日当相当額との差額を支給するような特別の有給休暇制度にすることは問題がないと考えられます。


4 関連記事その他
(1) 平成28年12月発生の対馬放火殺人事件に関する長崎地裁平成30年3月27日判決(無期懲役判決)の裁判員をした人が開設している悩める裁判員経験者・似蛭田妖のブログ「広島地検・高検のホームページを通して検察にお願いをしました。」には以下の記載があります。
    裁判員の任務終了後、僕は苦しくなり、心を病んで、裁判所指定のメンタルヘルス業者のケアを受けたり、専門の精神科医に受診して、今日に至っています。
    評議の内容を誰にも話せないということが、苦悩をより大きくしているのです。
(2)ア オギ法律事務所HPに「裁判員を辞退したい方へ」が載っています。
イ 東弁リブラ2021年4月号に「裁判員等選任手続きのいろは」が載っています。
ウ 国税庁HPに「証人、裁判員に対する旅費等の支給について」が載っています。
(3) 裁判員制度は憲法31条,32条,37条1項,76条1項,2項及び3項並びに80条1項に違反しませんし,裁判員の職務等は憲法18条後段が禁止する「苦役」に当たりません(最高裁大法廷平成23年11月16日判決)。
(4)ア 令和4年4月1日,満18歳以上の人が成年とされるようになりました(民法4条のほか,法務省HPの「民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について」参照)。
イ 裁判員制度HPの「裁判員に選ばれる年齢が,20歳以上から18歳以上になると聞きましたが,本当ですか。」には「※法改正により,令和4年4月1日から,裁判員になることができる年齢が18歳以上となりましたが,令和4年に使用される裁判員候補者名簿は令和4年より前(具体的には令和3年秋頃)に作成されるため,18歳以上の方が実際に名簿に記載されるのは,その翌年である令和5年分からとなります。」と書いてあります。
(5) 裁判員裁判といえども,他の裁判の結果との公平性が保持された適正なものでなければならないことはいうまでもなく,評議に当たっては,これまでのおおまかな量刑の傾向を裁判体の共通認識とした上で,これを出発点として当該事案にふさわしい評議を深めていくことが求められています(最高裁平成26年7月24日判決)。
(6)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判員等選任手続に関する執務資料
・ 裁判員等選任手続に関する執務資料(横浜版の抄本)(平成31年3月の横浜地方裁判所刑事部の文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 裁判員選任等関係文書の取扱いについて(平成20年7月15日付の最高裁判所刑事局長通達)
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧
・ 証人尋問及び当事者尋問
・ 訴訟費用


第一次世界大戦におけるドイツの賠償金の,現在の日本円への換算等

目次
第1 1921年5月に決定された賠償金の金額等
1 1921年5月に決定された賠償金の金額
2 現在の日本円への換算
3 1928年末までの支払額
第2 1930年5月発効のヤング案で減額された賠償金の金額等
1 1930年5月発効のヤング案で減額された賠償金の金額
2 ナチスドイツによるモラトリアム実施後の経緯
第3 賠償金の配分率等
1 賠償金の配分率
2 1人当たりの賠償金等
3 日本は対日平和条約で賠償請求権を放棄したこと
第4 関連記事その他
1 日本の普通国債の残高
2 東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償実績
3 関連記事

第1 1921年5月に決定された賠償金の金額等
1 1921年5月に決定された賠償金の金額
(1) ドイツの賠償金についてはパリ講和会議で決着が付かなかったため,1919年6月28日に署名されたヴェルサイユ条約では,第八編231条において大戦の結果生じた損失の責任は「ドイツ及びその同盟国」にあることが明記され,232条においてドイツに完全な補償を行う能力がないことを認識した上で,すべての損害に対する賠償が行われるべきこと等が定められるにとどまり,賠償金の決定は先送りされました。
(2)ア ベルサイユ条約(リンク先は英文です。)233条及び244条第二附属書によって設置された連合国賠償委員会は,1921年4月28日,第一次世界大戦におけるドイツの賠償金は1320億金マルク(純金ベースで4万7256トン)であると決定し,同年5月5日,30年間の分割払いとすることを決定し,同年5月11日,ドイツはこれらを受諾しました。
イ 1320億金マルクは,1913年のドイツ国民総所得(GNI)の2.5倍でした(Wikipediaの「第一次世界大戦の賠償」)。
(3) なんぼやHP「金のこれまでの採掘量と地球に残された埋蔵量」(2018年5月23日付)には,「これまで人類が採掘してきた金の総量は約18万tです。」と書いてあります。


2 現在の日本円への換算
(1) 「ドイツのハイパーインフレ」(平成24年5月25日作成)には以下の記載があります。
 1320億マルクがどれくらいのものかを推測してみました。
   【計算1】大戦前の為替レートでは、1マルク=50銭。
   当時の日本の勤労者家族の一か月の平均的な支出は100円くらい。
   これを現代の40万円とすると、当時の1円は現代の4000円に相当します。
   すると、当時の1マルクは現代の2000円、1320億マルクは264兆円になります。
   【計算2】この1マルクは金0.358423グラムと等価の1金マルクです。
   最近金相場は高騰しており、1g=約4600円。
   1320億マルクの金は、218兆円になります。
   どちらにしても、200兆円。なるほど、大変な賠償金です。
(2) 田中貴金属工業HPの「金価格推移」によれば,ドイツが1320億金マルクの賠償金を受諾してから100年後となる2021年5月11日の金1グラムの店頭小売価格は7097円でありますところ,この金額で現代の価格に換算した場合,335兆円になります。
3 1928年末までの支払額
・ 1924年4月9日策定のドーズ案に基づき,ドイツは,ドーズ債(アメリカが中心となって引き受けた賠償金支払のための公債)の導入によって好景気となり,1928年末までに合計60億マルクを支払いました(Wikipediaの「第一次世界大戦の賠償」参照)。



第2 1930年5月発効のヤング案で減額された賠償金の金額等

1 1930年5月発効のヤング案で減額された賠償金の金額
(1) 1929年6月4日にヤング委員会において大枠が合意され,1930年5月17日に発効したヤング案では,ドイツの賠償残額は358億1400万ライヒスマルクとされ,59年間の分割払いとなりました。
(2) ライヒスマルクは,1923年のハイパーインフレに対処するため,パピルスマルクの代替として1924年に導入されたものであり,4.2ライヒスマルクが1米ドルとされていました。
   そのため,ヤング案の賠償金を米ドルに換算した場合,85億2714万2857米ドルとなります。
(3) 1929年10月に大恐慌が発生するまでは,1トロイオンス(31.1035グラム)の金が20.67米ドルと等しいとされていました(1トロイオンスが35米ドルとなったのは1934年から1971年8月15日のニクソンショックまでです。)。
   そのため,ヤング案の賠償金を金(ゴールド)に換算した場合,4億1253万7148トロイオンスとなり,128億3134万9182グラム,つまり,約1万2831トンとなります。
(4) 金相場を1グラム4000円とした場合,約51兆3240億円となります(ただし,直近5年の金相場はもっと高いことにつき,田中貴金属工業HP「金価格推移」参照)。
   そのため,1年当たりの支払金額は約8700億円となります。
2 ナチスドイツによるモラトリアム実施後の経緯
(1) 1933年7月,ナチスドイツは外債のモラトリアム(支払停止)を実施しましたから,ヤング案に基づく賠償金の支払が停止しました。
(2) 1953年2月のロンドン債務協定では、戦前債務135億ドイツマルクが75億ドイツマルクに圧縮されています(「ドイツの戦後補償」参照)ところ,ヤング案に基づく賠償残額との連続性はよく分かりません。
(3) ドイツは,ロンドン債務協定5条1項( Consideration of governmental claims against Germany arising out of the first World War shall be deferred until a final general settlement of this matter.)に基づき,東西ドイツの統一後に,ヤング案に基づく賠償金等の支払を再開しました。
   そのため,ドイツが,ロンドン債務協定で減額された後の,ヤング案に基づく賠償金等の支払を終了したのは2010年10月3日です。


第3 賠償金の配分率等

1 賠償金の配分率
・ 1920年7月,ベルギーのスパで開催された会議の結果,賠償金の配分率はフランスが52%,イギリスが22%,イタリアが10%,ベルギーが8%,日本及びポーランドが0.75%とされ,残りの6.5%はユーゴスラビア、ルーマニア、ギリシャを含めた協定非署名国のため留保すると定められました(Wikipediaの「第一次世界大戦の賠償」参照)。
2 1人当たりの賠償金等
(1) Wikipediaの「第一次世界大戦の犠牲者」によれば,民間人を含めた連合国の戦没者は約940万人であり,戦傷者は約1280万人でありますところ,計算しやすいように222兆円を2220万人(連合国の戦没者及び戦傷者の合計)で割った場合,1人当たり1000万円となります。
(2) Wikipediaの「第一次世界大戦の犠牲者」には以下の記載があります。なお,補償対象とは別に,船舶賠償,物納・家畜賠償,石炭納入その他の賠償がありました。
   補償対象はヴェルサイユ条約244条第一付属書によって定められた。
・ 戦争行為による戦死者及び負傷者に対する補償
・ ドイツとその同盟国が原因である民間人死者・負傷者への補償
・ ドイツとその同盟国によって行われた民間人に対する不法行為への補償
・ 捕虜虐待への補償
・ 負傷した連合国軍人に対して連合国が支払う恩給金額
・ 兵士・捕虜とその家族に対して連合国が支払う恩給金額
・ ドイツとその同盟国による民間人強制徴用に対する補償
・ 連合国の非軍事物損害への補償
・ ドイツとその同盟国が連合国民に課した罰金・賦課金の補償
3 日本は対日平和条約で賠償請求権を放棄したこと
・ 日本は,太平洋戦争の講和条約である対日平和条約8条(c)に基づき,ドイツに対する第一次世界大戦における賠償請求権を放棄しました。



第4 関連記事その他
1 日本の普通国債の残高
(1) 平成31年3月末時点における日本の普通国債の残高は874兆434億円です(うち,建設国債が270兆1853億円であり,特例国債(いわゆる赤字国債)が573兆4461億円です。)。
(2) 財務省HPに「最近20カ年間の年度末の国債残高の推移(建設・特例・減税特例・国鉄・林野・交付税・復興債・年金特例及び財投債別、種類別)」が載っています。
2 東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償実績
・ 日経新聞HPの「原発事故の賠償、4人世帯で9000万円 東電が実績公表」(平成25年10月26日付)には,「文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は25日、東京電力福島第1原子力発電所の事故の賠償実績を公表した。東電が帰還困難区域の住民に支払った額は4人世帯で平均9000万円だった。」とか,「1人あたり月10万円を支払っている避難指示区域の住民への慰謝料は、避難指示を解除してから1年間払い続ける方向で大筋合意した。」と書いてあります。
3 関連記事
・ ドイツの戦後補償
・ 旧ドイツ東部領土からのドイツ人追放,及びドイツ・ポーランド間の国境確定
・ 日本の戦後賠償の金額等

民事執行事件担当者等の協議会及び事務打合せの資料

目次
1 民事執行事件担当者等協議会及び事務打合せの資料
2 関連記事

1 民事執行事件担当者等協議会及び事務打合せの資料
・ 令和6年度の協議結果要旨
・ 令和 3年度の事前アンケート資料(倒産執行官執行),協議結果要旨(事務打合せ)
・ 令和 元年度の事前アンケート資料(倒産執行子の引渡し),統計資料(倒産民事執行),協議結果要旨(事務打合せ)
・ 平成30年度の協議結果要旨及び資料(協議会)
・ 平成29年度の協議結果要旨(協議会)
・ 平成28年度の配布資料1/22/2及び協議結果要旨(協議会)

2 関連記事
・ 裁判所の協議会等開催計画
・ 民事事件担当裁判官の協議会及び事務打合せの資料

渉外レポート(最高裁判所秘書課渉外連絡室が作成したもの)

目次
1 渉外レポートのバックナンバー
2 関連記事その他

1 渉外レポートのバックナンバー
(1) 渉外レポートのバックナンバーを以下のとおり掲載しています。
* 「渉外レポート第23号(令和4年7月28日付。最高裁秘書課渉外連絡室)」といったファイル名です。
(令和6年分)
26号(2月26日付)
(令和5年分)
24号(2月14日付)25号(9月1日付)
(令和4年分)
21号(1月26日付)22号(6月13日付)23号(7月28日付)
(令和3年分)
17号(1月4日付)18号(4月1日付)19号(7月21日付)20号(10月29日付)
(令和2年分)
13号(1月22日付)14号(4月1日付)15号(6月1日付)16号(10月1日付)
(平成31年分→令和元年分)
なし。
(平成30年分)
 9号(2月2日付)10号(5月7日付)11号(8月1日付)12号(12月21日付)
(平成29年分)
6号(4月26日付)7号(8月23日付)8号(11月7日付)
(2) 第1号から第5号までの渉外レポートは,平成31年1月15日までに廃棄されました(平成31年1月15日付の不開示通知書参照)。

2 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 公用旅券及び外交旅券の発給手続きが書いてある文書(令和2年7月27日付の外務省の開示文書)
・ 在外公館の証明事務のマニュアル
・ 外務省研修所の令和2年度第5部研修要綱(令和2年9月の文書)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 判事補の海外留学状況
・ 歴代の最高裁判所秘書課長兼広報課長
・ 最高裁判所事務総局秘書課の事務分掌

民事調停委員及び家事調停委員に対する表彰制度

目次
1 最高裁判所長官表彰
2 最高裁判所長官表彰の被表彰者名簿
3 高裁長官表彰,並びに地裁所長表彰及び家裁所長表彰
4 関連資料
5 関連記事

1 最高裁判所長官表彰
(1) 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰は,原則として以下の人が対象となります。
① 民事調停委員又は家事調停委員としての実歴年数が15年以上であり,その間の取扱件数が200件以上である者
② 人格識見共に高く,職務に精励して他の模範とされた者
(2) 最高裁判所長官表彰は,最高裁判所において,最高裁判所長官の表彰状を授与し,副賞を贈呈して行われます。
(3) 運用の詳細については以下の通達に書いてあります。
① 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰について(昭和60年12月28日付の最高裁判所事務総長依命通達)
似 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰の被表彰者の決定方法について(平成28年3月24日付の最高裁判所人事局長の通達)
③の1 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰の被表彰人員等について(最高裁判所人事局長の通知)
→ 令和2年度令和3年度
③の2 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰の候補者等について(最高裁判所人事局長の通知)
→ 令和4年度令和5年度令和6年度令和7年度
(4)ア 弁護士法人川越法律事務所HP「細田初男弁護士が、最高裁判所長官より調停委員として表彰されました。」(2016年2月2日付)には,平成27年10月1日付の最高裁判所長官表彰の表彰状が載っています。
イ 山本安志法律事務所HP「調停委員表彰(最高裁判所長官表彰)」には,令和2年10月22日付の最高裁判所長官名義の表彰状が載っています。


2 最高裁判所長官表彰の被表彰者名簿
(1) 被表彰者名簿は以下のとおりです。
(令和時代)
令和元年度令和2年度令和3年度令和4年度
令和5年度令和6年度
(平成時代)
平成25年度平成26年度平成27年度
平成28年度平成29年度平成30年度
* 「令和4年度民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰被表彰者名簿」といったファイル名です。
(2) 令和2年1月31日付の司法行政文書不開示通知書によれば,平成24年度以前の最高裁判所長官表彰被表彰者名簿は,令和2年1月31日までに廃棄されました。

3 高裁長官表彰,並びに地裁所長表彰及び家裁所長表彰
(1) 民事調停委員及び家事調停委員に対する高裁長官表彰
・ 人格識見共に高く,職務に精励し,その功績が顕著な者に対して行われます(民事調停委員及び家事調停委員に対する高等裁判所長官表彰について(平成29年4月28日付の最高裁判所事務総長の通達)参照)。
(2) 民事調停委員に対する地裁所長表彰,及び家事調停委員に対する家裁所長表彰
・ 原則として68歳以上であって,おおむね8年以上にわたり職務に精励し,調停制度の発展に特に貢献したものに対して行われます(民事調停委員及び家事調停委員に対する地方裁判所長表彰又は家庭裁判所長表彰について(平成元年4月1日付の最高裁判所事務総長通達)参照)。

4 関連資料
・ 最高裁判所表彰規程(昭和31年4月1日施行)
・ 最高裁判所長官表彰の金杯等の売買契約書(令和元年5月13日付)
・ 民事調停委員及び家事調停委員の表彰に関する通達及び事務連絡(令和2年1月当時のもの)
→ 調停委員の叙勲,褒章及び表彰の各推薦事務について(平成30年3月1日付の最高裁判所人事局調査課長及び能率課長の事務連絡)等が含まれています。
・ 民事調停委員及び家事調停委員の任免等について(平成16年7月22日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 民事調停委員及び家事調停委員の任免手続等について(平成16年7月22日付の最高裁判所人事局長通達)
・ 民事調停委員の再任等について(平成30年1月24日付の最高裁判所民事局長の事務連絡)
・ 補導委託先の表彰に関する通達及び事務連絡(令和2年1月当時のもの)

5 関連記事
・ 調停委員
 調停委員協議会の資料
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)

外国送達

目次
1 総論
2 領事送達,中央当局送達,指定当局送達,管轄裁判所送達及び公示送達
3 個別の国ごとの所要期間等
4 国際裁判管轄に関するメモ書き
5 執行判決に関するメモ書き
6 関連記事その他

1 総論
(1) 外国在住者に対する訴状等の送達方法については,最高裁判所作成の資料である「送達嘱託手続に関する関係書類の送付経路図」で始まる資料を参照してください。
   民訴条約は,1954年3月1日に作成された,民事訴訟手続に関する条約(昭和45年6月5日条約第6号)のことであり,送達条約は,1965年11月15日にハーグで作成された,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約(昭和45年6月5日条約第7号)のことです。
(2) 最高裁判所作成の資料である「アメリカ合衆国・大韓民国・ブラジル連邦共和国・シンガポール共和国への送達嘱託フローチャート」を見れば,送達嘱託の流れがわかります。
(3) 外国在住者に対して強制執行をしたい場合,少なくとも,訴状等の送達,判決書の送達及び差押命令の送達が必要となりますから,3回は送達する必要がある気がします。
   そのため,民事訴訟法3条の3に基づき,日本に国際裁判管轄がある場合であっても,送達にかかる時間を考えた場合,差押財産が存在する海外の裁判所に直接,訴訟提起した方がいいのかもしれません。
(4) 最高裁判所作成の資料である,「送達嘱託記載例」を掲載しています。
(5) 国名呼称につき,日経スタイルHPの「グルジアはジョージアが正しい?国名呼称の不思議」が参考になります。
(6) 法務省IT化に伴う国際送達及び国際証拠調べ検討会「IT化に伴う国際送達及び国際証拠調べ検討会に関する取りまとめ」(令和3年4月)12頁には以下の記載があります。
    送達は,裁判上の書類のうち,名宛人への到達によって訴
訟上重要な効果が生ずる書類について採られる送付方式であるため,これが国家管轄権の行使としての性質を有する行為であることは否定することができないものと思われる(システム送達による国際送達が外国における執行管轄権の行使に当たらないとする考え方も,送達行為自体が,我が国内にお
ける執行管轄権の行使を含め,一定の国家管轄権の行使に当たることは前提としている。)。
(7) 私は,外国送達に関する業務は一切取り扱っていませんから,この記事に関するご相談には一切お答えできない。


2 領事送達,中央当局送達,指定当局送達,管轄裁判所送達及び公示送達
(1) 領事送達
ア 領事送達の根拠は以下の3種類です。
① 領事条約
   日本は,アメリカ合衆国及び英国と領事条約を締結していますところ,領事条約では,領事官は,派遣国の裁判所のために,裁判上の文書を送達することができる旨が定められています(日米領事条約17条1項(e)号(i),日英領事条約25条)。
   そのため,アメリカ合衆国又は英国に在住する者に対しては,日本人であると外国人であるとを問わず,また,送達すべき文書が民事又は商事に関する文書であるか否かを問わず,当該国に駐在する日本の領事館に嘱託して送達をすることができます。
② 民訴条約及び送達条約
・   民訴条約及び送達条約では,各締約国は外国にいる者に対する直接の送達を自国の外交官又は領事官(以下「在外領事等」といいます。)に行わせる権能を有する旨を定めています(民訴条約6条1項3号,送達条約8条1項)。
   そのため,これらの条約の締結国に在住する者に対しては,当該国に駐在する日本の在外領事等に嘱託して送達をすることができます。
   ただし,その国が,嘱託国の国民以外の者に対する領事送達を拒否しているときは,日本人に対してだけ領事送達をすることができます(民訴条約6条2項,送達条約8条2項)。
・ 民訴条約又は送達条約に基づき送達することができる文書は,民事又は商事に関する文書に限られています(民訴条約1条1項,送達条約1条1項)。
③ 個別の応諾
・   国家間において条約等の合意がなくても,相手国が,我が国の在外領事等によるその国に在住する者に対する送達を応諾する場合には,当該国に在住する者に対し,当該国に駐在する我が国の在外領事等に嘱託して送達をすることができます。
   この場合,受送達者は日本人に限られることが多いです。
・ 領事送達は,強制によらないものに限られます(送達条約8条1項ただし書)から,受領拒否のおそれがある場合は利用できません。
(2) 中央当局送達
ア   中央当局送達は,送達条約により認められた送達方法であり,受送達者が在住する国が送達条約の締約国である場合に行うことができます。
   中央当局は,送達の要請を受理し,かつ,処理する責任を負う当局のことであり,各締約国によって指定されています。
イ 送達することができる文書は民事又は商事に関する文書に限られます(送達条約1条1項)。
ウ ルートの選択の目安につき,中央当局送達は,受送達者が日本人であると外国人であるとを問わず実施することができ,また,任意交付の方法による場合を除き,受送達者が受領を拒んでも送達の効力が認められる場合があります。
   しかし,領事送達に比べ時間がかかることも多く,また,送達方法として任意交付以外の方法を希望した場合には受送達者が日本語を解するときでも一般に訳文の添付が求められます。
   そのため,中央当局送達は,外国人に対し領事送達の方法によることができない場合,または受送達者が受領を拒む恐れがある場合に利用することが考えられます。
(3) 指定当局送達
ア 指定当局送達は,民訴条約による送達の原則的形態でありますものの,民訴条約及び送達条約の両条約締約国については送達条約が優先し,中央当局送達によることができません(送達条約22条)。
   そのため,指定当局送達は,送達条約に加入していない国に在住する受送達者に対して行うこととなります。
イ 送達することができる文書は民事又は商事に関する文書に限られます(民訴条約1条1項)。
ウ ルートの選択の目安については,中央当局送達と同じです。
(4) 管轄裁判所送達
ア 管轄裁判所送達の根拠は以下の2種類です。
① 二国間共助取決め
   日本が受送達者の在住する国との間で司法共助の取決めを締結している場合,その取決めに基づき当該国の裁判所に嘱託して送達することができます。
② 個別の応諾
   二国間共助取決めがなくても,受送達者が在住する国が応諾する場合,当該国の裁判所に嘱託して送達することができます。
イ ブラジルは,領事送達を拒否しているうえ,民訴条約や送達条約にも加入っしていないので,ブラジルに在住する者に対して送達を行う方法は,二国間共助の取決め等に本地て,管轄裁判所送達を行うこととなります。
(5) 公示送達
ア 民事訴訟法110条は,一定の要件の下に,外国に在住する者に対して公示送達を行うことを認めています。
イ   受訴裁判所において,民事訴訟法110条1項4号の「外国の管轄官庁に嘱託を発した日」を確認したい場合の取扱いは以下のとおりです。
・ 外国の管轄官庁に嘱託を発した日について,最高裁判所民事局長等が外務省等に送達嘱託の手続をした日と解する場合,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係に電話をして,最高裁判所が外務省等に発出した日付を確認し,確認した結果について,電話聴取書に残す等の方法が考えられます。
・ 外務省→在外日本国大使館→外国の外務省へと送付される場合(管轄裁判所送達の場合等)について,外国の管轄官庁に嘱託を発した日を,実際に在外日本国大使館から外国の外務省(管轄官庁)に送付した日と解する場合,外務省にその日付を確認するため,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係に連絡します。
   外務省から問い合わせ等があるので,公示送達を実施した場合,最高裁判所の国際司法共助事務の担当係あてに電話等で連絡しておきます。
・ ブラジル連邦共和国のように送達実施までの通常の方法で約14か月かかる国に対しては,その点の配慮を行う必要があります。
ウ 民事訴訟手続に関する条約等の実施に伴う民事訴訟手続の特例等に関する法律(昭和45年6月5日法律第115号)28条は,「外国においてすべき送達条約第十五条第一項の文書の送達については、同条第二項(a)、(b)及び(c)に掲げる要件が満たされたときに限り、民事訴訟法第百十条の規定により公示送達をすることができる。」と定めています。
エ 台湾や北朝鮮等国交のない国に在住する者に対して文書を送達する場合,公示送達によらざるを得ません。
   なお,外国に在住する者に対して公示送達を行った場合,民事訴訟規則46条2項後段により,公示送達があったことを受送達者に通知することができます(通知は,日本語による文書を普通郵便で送付することなどが考えられます。)。
オ 外国においてすべき送達についてした公示送達は,掲示を始めた日から6週間を経過することによって,その効力を生じます(民事訴訟法112条2項)。
カ 民事訴訟法118条2号は,敗訴の被告が公示送達その他これに類する送達を受けただけの場合,外国裁判所の確定判決の効力を否定しています。

3 個別の国ごとの所要期間等
(1)   最高裁判所作成の以下の資料を見れば,それぞれの国における送達方法がわかります。領事送達,中央当局送達及び管轄裁判所送達の3種類になっています。
① アメリカ合衆国
→ 領事送達の期間は3か月,中央当局送達の期間は5か月,管轄裁判所送達は先例なし。
② 英国
→ 領事送達の期間は3か月,中央当局送達の期間は4か月,管轄裁判所送達は先例なし。
③ オーストラリア連邦
→ 領事送達の期間は4か月,中央当局送達は先例なし,管轄裁判所送達は9か月
④ カナダ
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は5か月,管轄裁判所送達は7か月
⑤ シンガポール共和国
→ 領事送達は4か月,管轄裁判所送達は4か月
⑥ 大韓民国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は4か月,管轄裁判所送達は6か月
⑦ 中華人民共和国(香港,マカオを含む。)
→ 中国(香港,マカオを除く)の場合,領事送達は4か月,中央当局送達は6か月,管轄裁判所送達は4か月
香港の場合,領事送達は4か月,中央当局送達は5か月,管轄裁判所送達は先例なし。
   マカオの場合,領事送達は3か月,中央当局送達及び管轄裁判所送達は先例なし。
⑧ ドイツ連邦共和国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は4か月,管轄裁判所送達は8か月
⑨ ニュージーランド
→ 領事送達は4か月,管轄裁判所送達は9か月
⑩ フィリピン共和国
→ 領事送達は3か月,管轄裁判所送達は7か月
⑪ ブラジル連邦共和国
→ 管轄裁判所送達は14か月
⑫ フランス共和国
→ 領事送達は4か月,中央当局送達は7か月,管轄裁判所相殺は6か月
⑬ ロシア連邦
→ 領事送達は5か月,中央当局送達は13か月,管轄裁判所送達は先例なし。
(2) 期間については,過去の例において最高裁判所が外務省に通知した日から最高裁判所が嘱託庁に送達結果を通知するまでの平均所要期間が記載されているものの,同一国に対し,同一ルートで嘱託しても期間にかなりの差が出ることがあるそうです。
   また,嘱託庁(多分,受訴裁判所のことと思います。)と最高裁判所との間のやり取りでも時間がかかる気がします。

4 国際裁判管轄に関するメモ書き
(1) 民事訴訟の国際裁判管轄
ア 民事訴訟の国際裁判管轄に関する民事訴訟法の改正法は平成24年4月1日に施行されましたところ,首相官邸HPの「我が国における国際裁判管轄及び準拠法に関する一般的な規律について」には以下の記載があります。
    国際的な要素を有する民事裁判事件について,どのような場合に日本の裁判所が管轄権を有するかという問題が,国際裁判管轄の有無の問題である。
    国際裁判管轄に関する民事訴訟法の主な規律の概要は次のとおり。
(1) 民事訴訟法第3条の2によれば,日本の裁判所は,被告の住所が日本国内にあるときは,管轄権を有するとされている。
(2) 民事訴訟法第3条の3第8号によれば,不法行為に関する訴えは,不法行為があった地が日本国内にあるときは,(被告の住所が日本国内になくても),原則として,日本の裁判所に提起することができるとされている。
イ 最高裁平成9年11月11日判決は「日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例」でありますところ,一般論として以下の判示をしています。
    どのような場合に我が国の国際裁判管轄を肯定すべきかについては、国際的に承認された一般的な準則が存在せず、国際的慣習法の成熟も十分ではないため、当事者間の公平や裁判の適正・迅速の理念により条理に従って決定するのが相当である(最高裁昭和五五年(オ)第一三〇号同五六年一〇月一六日第二小法廷判決・民集三五巻七号一二二四頁最高裁平成五年(オ)第七六四号同八年六月二四日第二小法廷判決・民集五〇巻七号一四五一頁参照)。そして、我が国の民訴法の規定する裁判籍のいずれかが我が国内にあるときは、原則として、我が国の裁判所に提起された訴訟事件につき、被告を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが、我が国で裁判を行うことが当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するという理念に反する特段の事情があると認められる場合には、我が国の国際裁判管轄を否定すべきである。
ウ 最高裁平成28年3月10日判決は,米国法人がウェブサイトに掲載した記事による名誉等の毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟について,民訴法3条の9にいう「特別の事情」があるとされた事例です。
(2) 人事訴訟事件及び家事事件の国際裁判管轄
ア 人事訴訟事件の国際裁判管轄に関する人事訴訟法の改正法,及び家事事件の国際裁判管轄に関する家事事件手続法の改正法は平成31年4月1日から施行されています。
イ 馬場・澤田法律事務所HPの「人事訴訟事件及び家事事件の国際裁判管轄」が非常に参考になります。
(3) 国際的訴訟競合
ア 「一問一答 平成23年民事訴訟法改正-国際裁判管轄法制の整備」177頁には以下の記載があります。
    同部会(山中注:法制審議会国際裁判管轄法制部会)における審議の結果、最終的には、①判決の矛盾抵触を避けるため、外国の裁判所の審理状況を見守るのが適切な場合には、期日の間隔を調整するなどして柔軟に対応すれば足りるのではないか、②中止の要件の判断基準があいまいになり得る上、不服申立手段を設けないのであれば、現在の実務の運用と変わりがなく、あえて規定を設ける必要がないのではないかなどの点が考慮され、特段の規定は設けないこととされ、改正法においても国際的訴訟競合についての規定は設けられませんでした。
イ 38期の小野瀬厚法務省民事局長は,平成30年4月6日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
    委員御指摘のとおり、ある財産権上の訴えが外国の裁判所にも提起され、また日本の裁判所にも提起されまして、それぞれの裁判所が独立に審理、判決するということになりますと、外国の裁判所と日本の裁判所で内容が矛盾する判決がされるおそれがあるなどの問題が生じます。
    これを避けるために、一定の場合に、後から訴えが提起された日本の裁判所の訴訟手続を中止するなどの、こういった規律を設けるべきか否かが問題となり得ますが、我が国の民事訴訟法にはこういった国際的訴訟競合に関する明文の規定はございません。
    このため、同一の事項に関する訴訟が日本の裁判所と外国の裁判所に二重に提起された場合には、日本の裁判所がその事件の審理を進めるか、外国の裁判所の審理状況を見守るかといった点について、現状では、個別具体的な事案において、裁判所の訴訟指揮に委ねられているという状況でございます。
(4) 外国等に対する我が国の民事裁判権
ア 外国国家は,主権的行為以外の私法的ないし業務管理的な行為については,我が国による民事裁判権の行使が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り,我が国の民事裁判権に服することを免除されません(最高裁平成18年7月21日判決)。
イ 平成22年4月1日,外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律が施行されました。
ウ 参議院HPに「主権免除についての国内法の整備~外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律案~」が載っています。
(5) その他

ア 法務省HPに「国際裁判管轄に関する調査・研究報告書」(平成20年4月の社団法人商事法務研究会の文書)が載っています。
イ 経済産業省HPに「国境を越える電子商取引の法的問題に関する検討会報告書」(平成22年9月)が載っています。
ウ 法務省HPに「人事訴訟事件等についての国際裁判管轄に関する外国法制等の調査研究報告書」(平成24年1月の株式会社商事法務の文書)が載っていて,商事法務研究会HPに「人事訴訟事件等についての国際裁判管轄法制研究会報告書」(平成26年3月の公益社団法人商事法務研究会の文書)が載っています。

5 執行判決に関するメモ書き
(1) 民事訴訟法118条1号(法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。)に関する最高裁判例
・ 最高裁平成26年4月24日判決の判示内容
     執行判決を得るためには,民訴法118条各号に掲げる要件を具備する必要があるところ,同条1号所定の「法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること」とは,我が国の国際民訴法の原則からみて,当該外国裁判所の属する国(以下「判決国」という。)がその事件について国際裁判管轄を有すると積極的に認められることをいう(以下,この場合における国際裁判管轄を「間接管轄」という。)。
(中略)
     人事に関する訴え以外の訴えにおける間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきものと解するのが相当である。
(2) 民事訴訟法118条3号(判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。)に関する最高裁判例
ア 最高裁平成10年4月28日判決の判示内容
     訴訟費用の負担についてどのように定めるかは、各国の法制度の問題であって、実際に生じた費用の範囲内でその負担を定めるのであれば、弁護士費用を含めてその全額をいずれか一方の当事者に負担させることとしても、民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」に反するものではないというべきである。
イ 最高裁平成31年1月18日判決の判示内容
     外国裁判所の判決(以下「外国判決」という。)が民訴法118条により我が国においてその効力を認められるためには,判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないことが要件とされているところ,外国判決に係る訴訟手続が我が国の採用していない制度に基づくものを含むからといって,その一事をもって直ちに上記要件を満たさないということはできないが,それが我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものと認められる場合には,その外国判決に係る訴訟手続は,同条3号にいう公の秩序に反するというべきである(最高裁平成5年(オ)第1762号同9年7月11日第二小法廷判決・民集51巻6号2573頁参照)。
ウ 最高裁令和3年5月25日判決の判示内容
    民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分(以下「懲罰的損害賠償部分」という。)が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合,その弁済が上記外国裁判所の強制執行手続においてされたものであっても,これが懲罰的損害賠償部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることはできないというべきである。
(3) 養育費関係
ア 法務省HPの「養育費の算定方法・算定基準に関する諸外国の例」には,日本,米国(ニューヨーク州),英国(イングランド及びウェールズ),ドイツ,フランス及び韓国の事例が載っていますし,法務省HPの「父母の離婚後の子の養育に関する海外法制について」にはG20を含む海外24か国の法制度や運用状況が書いてあります。
イ 2018年発行の国際私法年報20号には「特集 国際扶養に関する諸問題」として以下の論文が載っています。
・ 扶養義務の準拠法に関する法律再考
・ 扶養義務に関する審判事件の国際裁判管轄
・ 外国扶養裁判承認執行制度の現状と課題
・ 国際扶養をめぐる実務的諸問題
ウ 東京高裁平成27年5月20日判決(判例秘書掲載)は,日本人男女間の子の養育費についてアメリカ合衆国カリフォルニア州の裁判所が言い渡した判決について日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないとして執行判決が認められた事例であって,被告は1500万円近くの収入を継続的に得ている以上,月額3416米ドル(1ドル120円の場合,円ベースの年額は491万9040円)の養育費は我が国における公の秩序又は善良の風俗(民事執行法24条5項・民事訴訟法118条3号)に反しないと判断しました。
(4) その他
・ 家事事件手続法79条の2(外国裁判所の家事事件についての確定した裁判の効力)は,「外国裁判所の家事事件についての確定した裁判(これに準ずる公的機関の判断を含む。)については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第百十八条の規定を準用する。」と定めています。
・ 国際法学会HPの「エキスパート・コメント」「外国判決の承認執行制度」及び「人事訴訟法等の改正による国際裁判管轄規定等の新設について」が載っています。

6 関連記事その他
(1) 民事訴訟関係書類の送達事務は,受訴裁判所の裁判所書記官の固有の職務権限に属し,裁判所書記官は,原則として,その担当事件における送達事務を民訴法の規定に従い独立して行う権限を有します(最高裁平成10年9月10日判決)。
(2)ア 外務省HPに「外国の裁判所が日本に裁判文書の送達及び証拠調べを要請する方法」が載っています。
イ 自由と正義2016年5月号13頁以下に「当事者や証拠が外国に存在する場合の送達及び証拠調べ」が載っています。
ウ リーガルモールビズ「日本政府、ハーグ送達条約による郵送送達に拒否宣言―日本企業が注意する必要のある点」(2019年8月8日付)が載っています。
エ 判例タイムズ1514号(2024年1月号)に「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(ニューヨーク条約)裁判官向けガイドについて」が載っています。
(3) 相続放棄をしていない相続人の住所が韓国にあることが判明するとともに,EMS(国際スピード郵便)による手紙が届く状態である点で公示送達を利用できない場合,担保不動産競売開始決定等について外国送達が必要になるかもしれない(弁護士ドットコムの「公示送達について教えてください」のベストアンサー参照)ものの,日本の弁護士を代理人に選任してもらえれば,その弁護士に送達できることになりますし,送達場所を届け出ればそこに送達してもらえます(送達の特例に関する民事執行法16条参照)。
(4) 国立国会図書館HPの「調査と情報」「英独仏の離婚制度」(2022年3月28日付の調査と情報1186号)が載っています。
(5)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 民事事件に関する国際司法共助手続マニュアル(令和2年6月に開示された,最高裁判所民事局作成の文書)
・ 民事訴訟手続に関する条約等による文書の送達,証拠調べ等及び執行認許の請求の嘱託並びに訴訟上の救助請求書の送付について(平成3年4月10日付)
・ 在外公館の証明事務のマニュアル
イ 以下の記事も参照してください
・ 送達に関するメモ書き
・ 諸外国の司法制度
・ 在日韓国・朝鮮人の相続人調査
・ 判事補の海外留学状況

転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等

目次
1 転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等
2 関連記事その他

1 転勤した際,裁判所共済組合に提出する書類等
・ 平成29年4月3日付の裁判所共済組合最高裁判所支部のお知らせによれば,転入者及び新採用者は,裁判所共済組合に対し,以下の書類のうちの該当書類を提出する必要があります。
① 被扶養者申告書
② 被扶養者申告書(取消)
③ 長期組合員資格取得届
④ 長期組合員資格変更届
⑤ 国民年金第3号被保険者住所変更届
⑥ 児童手当・特例給付認定請求書
⑦ 財形貯蓄変更申込書(「年金」・「住宅」)
⑧ 財形貯蓄変更申込書(「一般」)
⑨ 旧組合員証・旧組合員被扶養者証・旧限度額適用認定証・旧高齢者受給者証
⑩ (確定拠出年金)第2号加入者に係る事業主の証明申請書

2 関連記事その他
(1) 平成29年8月22日付の司法行政文書不開示通知書によれば,裁判所の新規採用職員が裁判所の共済組合に加入する際,どのような書類を裁判所が作成することになっているかが分かる文書は存在しません。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 毎年4月1日付の人事異動等に関する最高裁判所裁判官会議
・ 裁判官人事の辞令書
・ 裁判官の転勤の内示時期


最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達

目次
1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達
2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること
3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等
4 最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違い
5 関連記事その他

1 最高裁判所事務総局の組織に関する法令・通達
・ 最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)
・ 最高裁判所事務総局分課規程(昭和22年12月1日最高裁判所規程第5号)
・ 最高裁判所事務総局等の組織について(平成元年3月22日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 最高裁判所事務総局等職制規程(昭和43年4月20日最高裁判所規程第2号)
・ 職制の実施について(平成4年7月20日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の標準的な官職を定める規則(平成21年3月31日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則(昭和25年1月20日最高裁判所規則第4号)

裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)別表です。

2 最高裁判所事務総局の職員は本来,裁判所事務官又は裁判所技官であること
(1) 最高裁判所事務総局の職員(裁判所法53条2項)としての事務次長,審議官,家庭審議官,局長,課長,参事官,局付及び課付は本来,裁判所事務官又は裁判所技官を以て充てることになっています(最高裁判所事務総局規則(昭和22年12月1日最高裁判所規則第10号)3条1項,3条の2第1項,3条の3第1項,4条1項,5条1項,6条の2第2項,7条2項)。
(2) 運用上,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項に基づき局長ポストの全部及び課長ポストの相当部分が判事を以て充てられています。
   ただし,2人の審議官のうちの1人は裁判所事務官出身者であり,家庭審議官は家庭裁判所調査官出身者を以て充てられています。
(3) 最高裁判所事務総長(裁判所法53条1項)は常に裁判所事務官です(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申))。

3 司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っていること等
(1)ア 「最高裁判所とともに」(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所長官)180頁及び181頁には以下の記載があります。
   たとえば裁判所の中でも、司法行政に従事する有資格事務官と判事、判事補の格差の問題があったのです。裁判をするかどうか、で形式的に区分することとして発足したのですが、事務総局等司法行政事務部門で有資格者が不可欠である以上、事務官への任命により昨日までの判事の待遇を下回る給与とすることは実務上不可能で、昭和二四年六月には、最高裁判所調査官、研修所教官や司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てることができるようにされています。
イ 昭和24年6月1日法律第177号は,「最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は検察官を以て、司法研修所教官に、裁判官を以て、裁判所調査官に充てることができる。」と定める裁判所法附則3項を追加しましたところ,「司法行政上の職に、判事、判事補を、そのままの身分で充てる」根拠は,司法行政上の職務に関する規則(昭和25年1月17日最高裁判所規則第3号)1項であると思います。
(2) 裁判所法逐条解説上巻111頁には以下の記載があります。
   司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち、最高裁判所において指定するものは、判事または判事補をもってあてることができるものとされており(司法行政上の職務に関する規則)、事務次長、事務総局の各局長その他の職がこれに指定され、東京高等裁判所,東京地方裁判所または東京家庭裁判所の判事または判事補の相当数が、これらの職にあてられている。
(3) 平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申)には以下の記載があります。
   司法行政上の職務に関する規則1項は,「司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち,最高裁判所において指定するものは,判事又は判事補をもってあてる」と定めるところ,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所裁判官会議において個別の裁判官の転補等に係る議決をすることをもって,司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っているため,当該議決とは別に該当する職の指定についての文書や該当する職を一覧的に記載した文書を作成してはいないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。

 最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違い
    最高裁判所規則,最高裁判所規程及び通達の違いは以下のとおりです(文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)参照)。
・ 最高裁判所規則とは,主に訴訟当事者その他一般国民に関係のある事項又は重要な事項について定めるものであって,公布を要するものをいいます。
・ 最高裁判所規程とは,主に裁判所の内部規律等について定めるものであって,公布を要しないものをいいます。
・ 通達とは,上級庁が下級庁に対し,又は上級の職員が下級の職員に対し,職務運営上の細目的事項,法令の解釈,行政運営の方針等を指示し,その他一定の行為を命ずるものをいいます(裁判所法80条参照)。

文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)からの抜粋です。

5 関連記事その他
(1)ア 令和4年7月4日,最高裁判所HPの「最高裁判所の主な規程・通達等」に,①規程,及び②通達・通知・事務連絡等(司法組織法廷訟廷事務民事事件刑事事件家事事件少年事件及びその他)が掲載されるようになりました。
イ 最高裁判所規則は,官報により公布されることによって広く周
知が図られている上,その条文については,不特定多数の者に販売することを目的として発行されている法令集などにより容易に入手可能であることから,司法行政文書開示手続の対象になっていません(平成28年度(最情)答申第39号(平成28年12月2日答申)参照)。
(2) 最高裁判所の訟廷事務につき,昭和38年4月30日までは最高裁判所事務総局訟廷部で取り扱っていたものの,同年5月1日以降,最高裁判所大法廷首席書記官の掌るところとなり(大法廷首席書記官等に関する規則1条3項),最高裁判所事務総局の所掌事務から外れました(裁判所法逐条解説・上巻111頁)。
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 一元的な文書管理システム教材の改訂版(令和2年3月24日付の配布文書)
・ 文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)
・ 
最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)
 裁判所の指定職職員
 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)

最高裁判所事務総局情報政策課

目次
1 情報政策課の設立
2 情報政策課の構成
3 CIO補佐官
4 関連記事その他

1 情報政策課の設立
(1) 最高裁では,司法制度改革審議会意見書(平成13年6月),司法制度改革推進計画要綱(平成14年3月)及び裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)を踏まえて,裁判所の情報化の在り方や中長期的なIT戦略に基づく有効なシステム開発を検討するための態勢を整備する必要性が認識されていました。
   そこで,局課横断的に裁判所全体の観点から,その情報化を計画的に進展させ,多様なシステム相互の最適化を図りつつ,必要なインフラを整備し,システム開発を推進,調整していくため,平成17年1月1日をもって,総務局制度調査室及び統計課が廃止され,新たに,どこの局にも属さない事務総長直属の課として,情報政策課が設立されました(会報書記官(平成18年7月発行)第8号29頁等参照)。
(2) 平成17年12月,情報化戦略計画が策定されました。

2 情報政策課の構成
(1) 情報政策課の職員
ア 平成28年4月1日現在,情報政策課の職員が59人です。
   内訳は,裁判官2人,一般職55人及び民間人2人(CIO補佐官及びCIO補佐官補助者)です。
イ   CIO(Chief Information Officerの略称)は,組織内の情報システムや情報の流通を統轄し,組織の情報戦略を総括する担当責任者です。
   裁判所では,情報政策課長がCIOです。
(2) 情報政策課長以下のポスト
① 参事官(裁判官1人,一般職1人)
→ 参事官ポストの裁判官は平成29年4月1日,情報セキュリティ室長となりました。
② 審査官(庶務主任),課長補佐3人,専門官5人
③ 庶務係,情報企画第一係,情報企画第二係,情報基盤管理係,情報セキュリティ係,情報処理第一係,情報処理第二係,統計情報係及び統計システム係


3 CIO補佐官
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)75頁には,「CIO補佐官【要望】」として以下の記載があります。
<要求要旨>
     政府全体として情報化推進体制を確立し,行政の情報化等を一層推進することにより国民の利便性の向上を図るとともに行政運営の簡素化,効率化,信頼性及び透明性の向上に資することを目的として電子政府の構築が進められており,電子政府の取組を推進し,かつ,府省内の情報化戦略の策定等を行うために各府省に情報化統括責任者(CIO)が置かれているところ,「各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議」において,CIO等に対する支援・助言等を行う者としてCIO補佐官を配置することが決定された。
     CIO補佐官には,業務分析手法,情報システム技術及び情報セキュリティに関する専門的な知識・経験を有する外部専門家を充てることとされており,裁判所においても平成16年度にCIO補佐官の配置経費が,平成17年度にCIO補佐官の補助要員の配置経費が認められた。
     令和3年9月のデジタル庁設置に伴い,同庁が各府省のシステム等を統括することとなるが,裁判所はその対象外であるため,依然,CIO補佐官及び同補助者の支援・助言等が必要である。
     CIO補佐官の業務内容は,①情報化戦略計画に基づき,かつ,政府・民間の動向を踏まえた情報化及び全体最適化の推進に係る指導・支援・助言,②情報セキュリティポリシー,その他個人情報保護の観点を踏まえた情報セキュリティ対策の充実(情報セキュリティポリシーの実効性の向上,情報システム及び最高裁判所データセンタ等の情報化基盤(以下「情報システム等」という。)のセキュリティの向上等)に係る指導・支援・助言,③情報システム等の企画・開発・改修・運用保守等の各段階における作業(仕様書の作成,見積書の取得,提案書の評価,関係事業者との対応等)に係る指導・支援・助言,④情報化関連予算の効果的な作成及び効率的な執行に係る指導・支援・助言,⑤情報システム等の調達に係る指導・支援・助言,⑥情報化を担う職員の育成に係る指導・支援・助言,⑦ITに関する各府省共通の課題等の分析・解決方法の検討に係る指導・支援・助言,⑧その他,最高情報セキュリティアドバイザー等連絡会議等(午後5時以降に開催されることのあるフォーラム等を含む。)への出席,関係資料の作成等,多岐にわたる。
     そこで,令和4年度も,引き続きCIO補佐官及び同補助者を配置するための経費を要求する。


4 関連記事その他
(1)  令和元年6月13日付の理由説明書には以下の記載があります。
     最高裁判所は,我が国唯一の最上級裁判所として裁判手続及び司法行政を行う機関であり,最高裁判所判事や事務総局の各局課館長は,裁判所の重大な職務を担う要人として,襲撃の対象となるおそれが高く,その重大な職務が全うされるように,最高裁判所の庁舎全体に極めて高度なセキュリティを確保する必要がある。
(2) デジタル庁HP「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が載っています。
(3)ア 以下の文書を掲載しています。
・ 最高裁判所事務総局情報政策課事務分掌(平成31年4月1日現在)
・ 裁判統計における参考資料(月報・年表・事件票)→令和元年12月の最高裁判所情報政策課の文書
・ 裁判所の情報化と情報セキュリティについて(平成29年2月16日)
・ 裁判所の現状と課題~情報政策の観点から~(平成29年4月18日)
・ 裁判官用のセキュリティ機能付きUSBメモリの運用要領について(平成31年4月12日付の最高裁判所情報政策課の事務連絡)2通
・ 情報セキュリティポリシーに関するFAQ(令和3年7月1日最終更新の,最高裁判所情報政策課情報セキュリティ室情報セキュリティ係の文書)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の最高裁判所情報政策課長
・ 裁判所における主なシステム
・ 裁判所の情報化の流れ
 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等
 最高裁判所事務総局の各係の事務分掌(平成31年4月1日現在)
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)
・ 裁判統計報告

幹部裁判官の定年予定日

目次
1 幹部裁判官の定年予定日
2 幹部裁判官の名簿
3 裁判官及び検察官の定年等
4 定年に達した日の意義
5 定年制の趣旨
6 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
7 昭和時代の法曹に関する問題意識
8 関連記事その他

1 幹部裁判官の定年予定日
(1) 幹部裁判官の定年予定日のバックナンバーは以下のとおりです。
(令和時代)
令和 元年10月2日令和 2年 8月 5日
令和 3年 8月2日

(平成時代)
平成29年 1月 1日平成29年 7月14日
平成30年 1月29日平成31年 1月 1日
(2) 高裁長官の定年については「高裁長官人事のスケジュール」にも載せていますし,定年退官が発令された時点で,「裁判官の退官情報」に反映させています。


2 幹部裁判官の名簿
(1) PDFファイルのバックナンバーは以下のとおりです。
(令和時代)
令和 元年10月 2日令和 4年 3月 3日
(平成時代)
平成28年 8月 2日平成29年 7月14日
平成30年 1月29日
(2) 歴代の幹部裁判官の一覧表は以下のとおりです。
① 歴代の幹部裁判官の一覧表(平成14年度から平成28年度まで)
② 歴代の幹部裁判官の一覧表(平成 4年度から平成13年度まで)
③ 歴代の幹部裁判官の一覧表(昭和56年度から平成 3年度まで)


3 裁判官及び検察官の定年等
(1) 最高裁判所裁判官の定年は70歳であり(憲法79条5項,裁判所法50条),高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官の定年は65歳であり,簡易裁判所判事の定年は70歳です(憲法80条1項ただし書,裁判所法50条)。
(2) 検事総長の定年は65歳であり,その他の検察官の定年は63歳です(検察庁法22条)。
(3) 昭和30年代後半までは,民間企業の多くで導入されていたのは55歳定年制でした(「国家公務員の定年引上げをめぐる議論」3頁参照)。
(4) 国家公務員法81条の2以下に基づき,検察官及び国立大学の教員を除く一般職の国家公務員について60歳定年制が導入されたのは昭和60年3月31日です(「国家公務員の定年引上げをめぐる議論」4頁参照)。
(5) 定年退官に伴う玉突き人事については,発令日から約4週間前の水曜日の最高裁判所裁判官会議で決定されていることが多いですが,約2週間前の水曜日に決定されていることもあります。


4 定年に達した日の意義
(1) 国家公務員法81条の2第1項の「定年に達したとき」とは,それぞれの職員が定年の満年齢に達する誕生日の前日の午後12時をいい(年齢計算ニ関スル法律2条,民法143条2項,最高裁昭和54年4月19日判決(定型文の判決ですから,裁判所HPには載っていません。)によって支持された東京高裁昭和53年1月30日判決),「定年に達した日」とは当該前日をいいます(逐条国家公務員法<全訂版>691頁)。
(2) 東京高裁昭和53年1月30日判決(判例秘書に掲載)は以下の判示をしています。
     控訴人は、明治四五年四月一日出生の同人が満六〇才に達するのは、昭和四七年三月三一日の満了によるものであるから、出生日の前日である同年三月三一日でなく、同年四月一日であり、同人が昭和四八年三月三一日に退職するに際しては勧奨退職の取扱いがなされるべきであつたと主張する。しかしながら、明治四五年四月一日生れの者が満六〇才に達するのは、右の出生日を起算日とし、六〇年目のこれに応当する日の前日の終了時点である昭和四七年三月三一日午後一二時であるところ(年令計算に関する法律・民法第一四三条第二項)、日を単位とする計算の場合には、右単位の始点から終了点までを一日と数えるべきであるから、右終了時点を含む昭和四七年三月三一日が右の者の満六〇才に達する日と解することができる。したがつて、静岡県教育委員会が控訴人は昭和四七年三月三一日に満六〇才に達するものと解し、昭和四六年度教職員の優遇退職実施要綱により昭和四六年度末(昭和四七年三月三一日)に退職しなければ昭和四七年度以降勧奨退職による優遇措置を行なわない旨昭和四七年三月一八日に控訴人に通知し、控訴人において同年度末に右勧奨に応じて退職せず、昭和四七年度末である昭和四八年三月三一日に至り依願退職するに際しては、退職勧奨ないしこれによる優遇措置をとらなかつたとしても、それは何ら違法、不当ではない。


5 定年制の趣旨
(1) 国家公務員について定年制を導入した国家公務員法の一部を改正する法律(昭和56年6月11日法律第77号)(昭和60年3月31日施行)(当時,「定年法」といわれていました。)の解説が載ってある法令解説資料総覧26号(昭和57年2月発行)12頁には,「定年法の有する意義」として以下の記載があります。
    現在、国家公務員の退職管理は、省庁ごとに一定の退職基準年齢を設けて、個々の職員に対しその退職を勧奨するという方法によって行われている。この退職勧奨は職員の新陳代謝を図る上でそれなりの機能を果たしてきていることは事実であるが、元来勧奨は法令に基づくものでなく、それを受けた職員に対し法的拘束力を有しないため、人口構造の急激な高齢化、高齢者の労働市場の狭隘性等から、将来的には勧奨が十分に機能しにくくなり、職員の高齢化傾向が一層強まるものと考えられる。その結果、組織の老朽化、昇進の停滞による職員の士気の低下等をもたらし、行政の能率的運営に支障を来すおそれがある。このような情勢に対処するため、職員が一定年令に達した場合には自動的に退職することとなる定年制度を導入することは大いに意義のあるところであり、次のようなメリットが期待される。
   ①職員の新陳代謝を促進することにより、組織に活力を与えることができる、②人事の停滞が防止され円滑な昇進管理が図られることにより、職員の士気の高揚が期待される、③毎年度退職する職員数をあらかじめ的確に予測しうるので長期的視野に立った人事管理の計画が立て易い、④退職管理が客観的かつ画一的に行われるので従来の退職勧奨から生じる無用の摩擦、職員間の不公平等が避けられ、退職管理を円満に行いうる、⑤職員にとっても退職の時期があらかじめ明らかになっているので生活設計の目処が立て易い、⑥定年に達するまでは身分が保障されるので安んじでその職務に専念しうる、等である。
(2) 最高裁平成30年6月1日判決は以下の判示をしています。
    定年制は,使用者が,その雇用する労働者の長期雇用や年功的処遇を前提としながら,人事の刷新等により組織運営の適正化を図るとともに,賃金コストを一定限度に抑制するための制度ということができるところ,定年制の下における無期契約労働者の賃金体系は,当該労働者を定年退職するまで長期間雇用することを前提に定められたものであることが少なくないと解される。


6 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
・ 平成22年度3年目フォローアップ研修「事務次官講話」「問題意識、丈夫な頭、健康」と題する講演(平成22年10月4日実施)において,大野恒太郎法務事務次官は以下の発言をしています(リンク先のPDF3頁)。
    (山中注:検事の場合,)地方のポストの格が高いというのも大きな特徴です。例えば、高等検察庁の検事長は認証官とされておりますので、次官よりも格上です。また、本省の局長が検察庁に戻ると、地方検察庁の検事正クラスということになります。こうした地方のポストが高いという特徴も裁判官と同様です。

7 昭和時代の法曹に関する問題意識
(1) 昭和57年出版の書籍に書いてある問題意識
・ 早稲田大学HPに載ってある「河合健司元仙台高裁長官講演会講演録 裁判官の実像」には,横川敏雄の「新しい法律家の条件」(昭和57年)からの引用として以下の記載があります(リンク先のPDF20頁ないし21頁)。
    「私の脳裏には,近ごろの若い法曹の間にしばしばみられる傾向,つまり,自らの眼で見,自らの頭で考えようとしない状況が浮かんだ。ところが,皮肉なことに,かような情況は,研修制度の整備・充実に伴い,研修方法の合理化が進んだ結果現れたように思われる。まさにマス・プロ教育の避けがたい弊で,修習生の数が500人前後という現状では,ある程度やむを得ないであろう。しかし,ジャスティスの実現に奉仕すべき人たちが論理至上主義的・人間疎外的になることは,何とかして避けなければならない。」─を言っておられます。
    この「今どきの若い者は」というのは,私たちの世代(山中注:32期の河合健司裁判官の世代)のことなのですが,物事を考えなくなっていると。「ああ,そうか,横川先生はそう思われていたんだな」と思った次第です。当時は司法修習500人時代でした。この500人でも,先生は,マス・プロ教育の弊害が出ていると言うのですから,今はどうなのだと。今の司法修習を見て,先生はどんな意見をおっしゃるか聞いてみたいと思います。
(2) 昭和63年3月当時の法曹に関する問題意識
・ 40期の裁判官が任官したのは昭和63年4月でありますところ,法曹基本問題懇談会における意見(昭和63年3月)には,「2 現在及び将来における法曹の役割」として以下の記載があります。
    今日,我が国社会は,先進国として高度に発展し,かつ,急速に国際化しているが,それに伴って,個人の生活や活動に関しても,また,国家,企業等の諸組織の活動に関しても,対立する種々の利害の衝突が多発し,複雑多様なものとなっている。民主主義を基盤とする法治国家である我が国において,このような各種の利害の衝突を方によって合理的に,かつ,早期に解決する必要性は,極めて高いものがある。
    我が国の法曹は,このような社会的要請に応えるべく,それぞれの分野において,社会正義の実現と人権の擁護を目的として努力を積み重ねてきている。しかしながら,国民の間からは,法曹界の現状に対して,法曹が国民からなお縁遠い存在であり,また,裁判に時間がかかり過ぎること等から国民の権利を擁護する上で問題が少なくないこと,社会の急速な進展に伴って生じる種々の社会的要請に対する法曹の対応が全体としては立ち後れていること,そして,それらの結果,本来法曹の手で速やかに解決されるべき問題が,しばしば解決されないままに長期間放置され,あるいは,法に拠らない不合理な方法で処理されていること等の指摘や批判が聞かれるところである。また,検察が必ずしも十分な後継者を確保できていない実情にあることについて,国民の期待する検察体制の維持という観点から,危ぐが表明されている。
    我が国社会が今後更に高度化し,また,国際化するにつれ,法的解決を必要とする社会事象はいよいよ増加するとともに,複雑多様なものとなっていくことが予想される。法曹は,当然のことながら,そのような社会の進歩変容に適応して,国民の期待に応えなければならないのである。そして,そのためには,豊かな人間性と人権感覚を備え,柔軟な思考力と旺盛な意欲を持ち,国民の法曹に対する付託に十分応えることのできる能力を有する裁判官,検察官,あるいは,弁護士が国民の身近に存在し,その需要を満たしていくことが,従来にも増して要請されるのである。


8 関連記事その他
(1) 幹部裁判官の定年退官発令日の午前5時に,日経新聞HPの「速報」の「人事」欄に,地家裁所長クラス以上の最高裁人事が掲載されます。
(2) 現代新書HPの「『絶望の裁判所』著:瀬木比呂志—『絶望の裁判所』の裏側」(2014年3月9日付)には以下の記載があります。
    そういう人物(山中注:最高裁判所事務総局系の司法行政エリートと呼ばれる人々のこと。)が裁判長を務める裁判部における日常的な話題の最たるものは人事であり、「自分の人事ならいざ知らず、明けても暮れても、よくも飽きないで、裁判所トップを始めとする他人の人事について、うわさ話や予想ばかりしていられるものだ」と、そうした空気になじめない陪席裁判官から愚痴を聞いた経験は何回もある。『司法大観』という名称の、七、八年に一度くらい出る、裁判官や検察官の写真に添えて正確かつ詳細なその職歴を記した書物が彼らのバイブルであり、私は、それを眺めるのが何よりの趣味だという裁判官にさえ会ったことがある。
(3)ア  町長が町条例に基づき,過員整理の目的で行なつた町職員に対する待命処分は,55歳以上の高齢者であることを一応の基準としたうえ,その該当者につきさらに勤務成績等を考慮してなされたものであるときは,憲法14条1項及び地方公務員法13条に違反しません(最高裁大法廷昭和39年5月27日判決)。
イ 最高裁昭和56年3月24日判決は,定年年齢を男子60歳女子55歳と定めた就業規則中女子の定年年齢を男子より低く定めた部分が性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法90条により無効とされた事例です。
(4) 労務事情2022年10月15日号に「〈Q&A〉70歳までの就業確保措置と労務管理上の留意点」が載っています。
(5)ア 人事院HPの「定年がもたらすもの」には,「生活環境の変化」として,①収入が減る,②自由に使える時間が増える,③家族と接する時間が増える,④主な活動領域が居住地域になる,⑤公務での価値観や肩書きが通用しなくなる,⑥公務での人間関係が徐々になくなっていく,⑦副次的な避難場所がなくなると書いてあります。
イ ココファンHPに「【一覧で紹介】老人ホームの種類と特徴|違いや費用・施設の選び方まで解説」が載っています。
(6)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判官の定年制について(昭和46年9月10日決裁の,内閣法制局の口頭照会回答要旨)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 戦前の判事及び検事の定年
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 裁判官及び検察官の定年が定められた経緯
・ 裁判官の定年が70歳又は65歳とされた根拠





定期的に更新している記事

目次
1 毎月更新している記事
2 複数の時期に更新している記事
3 特定の時期にだけ更新している記事
4 定期的に作成している記事
5 関連記事

    この記事は,私の更新メモを兼ねた記事です。

1 毎月更新している記事
(1) 司法行政関係
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 最高裁判所事務総局会議の議事録
・ 裁判所ウェブサイト運用支援報告書(平成27年1月以降の分)
・ 最高裁判所家庭局News
・ 令和4年1月1日以降の裁判所時報
・ 叙位の対象となった裁判官(平成31年1月以降の分)
(2) 裁判関係
・ 最高裁の既済事件一覧表(民事)
・ 最高裁判所事件月表(令和元年5月以降)
・ 最高裁判所の口頭弁論期日で配布された,傍聴人の皆様へ
(3) その他
・ 各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書

2 複数の時期に更新している記事
(1) 春の更新
ア 裁判所関係
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)
・ 裁判所の協議会等開催計画
・ 高等裁判所長官事務打合せ
・ 高等裁判所事務局長事務打合せ
・ 平成20年度以降,任期終了により退官した裁判官の一覧
・ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移
・ 裁判所の情報公開に関する統計文書

・ 渉外レポート(最高裁判所秘書課渉外連絡室が作成したもの)
イ 司法修習関係
・ 司法修習等の日程
・ 司法修習期間中の就職説明会の日程(69期以降)
・ 司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿
 司法研修所教官会議の議題及び議事録
 実務修習結果簿
ウ 日弁連関係
 平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度

(2) 夏の更新
ア 裁判所関係
・ 裁判官の号別在職状況
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 保釈保証金の没取
・ 裁判所の情報公開に関する統計文書
・ 渉外レポート(最高裁判所秘書課渉外連絡室が作成したもの)
イ 司法修習関係
・ 司法修習等の日程
 司法研修所教官会議の議題及び議事録
・ 司法研修所の食堂及び西館の弁当販売に関する文書
・ 全国一斉検察起案
(3) 秋の更新
ア 裁判所関係
・ 平成20年度以降,任期終了により退官した裁判官の一覧
・ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会で再任不適当とされた裁判官の数の推移
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)
・ 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(平成19年度以降)
・ 裁判所の情報公開に関する統計文書
・ 渉外レポート(最高裁判所秘書課渉外連絡室が作成したもの)
イ 司法修習関係
・ 司法修習等の日程
・ 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
・ 司法修習生の旅費に関する文書
 司法研修所教官会議の議題及び議事録
・ 司法研修所の食堂及び西館の弁当販売に関する文書
(4) 冬の更新
ア 裁判所関係
・ 裁判官の号別在職状況
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 裁判所の協議会等開催計画
・ 高等裁判所長官事務打合せ
・ 高等裁判所事務局長事務打合せ
・ 裁判所の情報公開に関する統計文書
・ 渉外レポート(最高裁判所秘書課渉外連絡室が作成したもの)
イ 司法修習関係
・ 司法修習等の日程
・ 司法修習期間中の就職説明会の日程(69期以降)
・ 司法修習生の修習事務に関する内部文書
・ 司法研修所の教官組別表,教官担当表及び教官名簿
 司法研修所教官会議の議題及び議事録
・ 全国一斉検察起案
・ 実務修習結果簿
ウ 日弁連関係
・ 平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度
(5) その他随時更新
ア 裁判所関係
(最高裁判所関係)
・ 最高裁判所第一小法廷の裁判官(着任順)
・ 最高裁判所第二小法廷の裁判官(長官以外は着任順)
・ 最高裁判所第三小法廷の裁判官(着任順)
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
・ 最高裁判所判事任命の閣議書
・ 高輪1期以降の,裁判官出身の最高裁判所判事
・ 歴代の女性最高裁判所判事一覧
・ 歴代の女性高裁長官一覧
・ 最高裁判所大法廷の判決及び決定の一覧

(その他関係)
・ 歴代の幹部裁判官の名簿(「各種裁判官名簿のバックナンバー」参照)
・ 高裁長官人事のスケジュール
・ 裁判所の所持品検査
・ 全国の下級裁判所における所持品検査の実施状況
・ 東京地裁の歴代の第一所長代行
・ 大阪地裁の歴代の所長代行者,上席裁判官,大阪簡裁司掌裁判官等
イ 日弁連関係

・ 過去の日弁連会長選挙の結果(平成20年度以降)

・ 日弁連会長選挙の前年に活動していた政策提言団体(2007年以降の分)
・ 日弁連の歴代会長及び事務総長
・ 
死刑執行に反対する日弁連の会長声明等
ウ その他関係
・ 各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書
・ 国会制定法律の一覧へのリンク

3 特定の時期にだけ更新している記事
(1) 春の更新
ア 裁判所関係
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 最高裁判所が作成している,首席家裁調査官等名簿
・ 最高裁判所調査官
・ 裁判所調査官
・ 最高裁総務局・人事局・情報政策課との座談会
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
・ 裁判官の民間企業長期研修等の名簿
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 女性判事及び女性判事補の人数及び割合の推移
イ 司法修習関係
・ 司法研修所の職員配置図,各施設の配置及び平成24年8月当時の門限
・ 司法研修所弁護教官謝金の支給調書
ウ 日弁連関係
・ 日弁連の歴代正副会長(昭和57年度以降)
→ 各弁連管内の単位弁護士会別の,日弁連の歴代副会長を含む。
・ 日弁連の歴代副会長の担当会務
・ 弁護士の自殺者数の推移(平成18年以降)
・ 弁護士の社会保険
エ 法務省関係
・ 法務省の定員に関する訓令及び通達
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移
・ 法務総合研究所
オ 交通事故関係(量刑分布)
・ 通常第一審における危険運転致死罪の量刑分布(地裁)
・ 通常第一審における危険運転致傷罪の量刑分布(地裁)
・ 通常第一審における過失運転致死罪(従前の自動車過失運転致死罪を含む。)の量刑分布(地裁及び簡裁)
・ 通常第一審における過失運転致傷罪(従前の自動車過失運転致傷罪を含む。)の量刑分布(地裁及び簡裁)
・ 略式手続における過失運転致死罪(従前の自動車過失運転致死罪を含む。)の量刑分布
・ 略式手続における過失運転致傷罪(従前の自動車過失運転致傷罪を含む。)の量刑分布
(2) 夏の更新
ア 裁判所関係
・ 最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトル
・ 最高裁判所長官の祝辞(平成26年度以降)
・ 令和元年度以降の長官所長会同の資料及び議事概要
・ 判事補の外部経験の概要に関する文書
イ 司法修習関係
・ 修習資金貸与金の返還状況
・ 集合修習の開始等について
ウ 法務省関係
・ マル特無期事件
エ 国会関係
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
(3) 秋の更新
ア 裁判所関係
・ 裁判所職員採用試験に関する各種データ
・ 幹部裁判官の定年予定日
イ 司法修習1年目関係
 司法修習開始前に送付される資料
・ 新65期以降の白表紙発送実績
・ 司法修習生等に対する採用に関する日弁連の文書(73期以降の取扱い)
ウ 司法修習2年目関係
・ 集合修習期間中の入寮手続及び退寮手続に関する文書
・ 集合修習の日程予定表及び週間日程表
・ 法務行政修習プログラム(選択型実務修習)
・ 二回試験の科目の順番の通知時期
(4) 冬の更新
ア 裁判所関係
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 平成3年度以降の裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット
・ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会委員名簿
・ 裁判所職員総合研修所の研修実施計画等
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況
・ 非常勤裁判官(民事調停官及び家事調停官)の名簿
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
・ 司法修習生指導担当者協議会
・ 調停委員協議会の資料
・ 民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰
イ 司法修習関係
(司法修習1年目)
・ 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 修習開始時点における司法修習生の人数の推移
・ 司法修習生配属現員表(48期以降)
・ 修習専念資金の貸与申請状況
・ 司法研修所弁護教官の任期,給料等
・ 導入修習期間中の入寮手続及び退寮手続に関する文書
・ 導入修習初日の日程
・ 導入修習初日の配布物
・ 導入修習の日程予定表及び週間日程表
・ 導入修習カリキュラムの概要
・ 導入修習チェックシート
・ 選択型実務修習に関する資料
(司法修習2年目)
・ 集合修習カリキュラムの概要
・ 集合修習初日の配布物
・ 司法修習生応試心得(65期以降)
・ 65期以降の二回試験の日程等 
・ 65期以降の二回試験の試験科目の順番
・ 65期二回試験以降の事務委託に関する契約書,及び67期二回試験の不祥事
・ 司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)
・ 64期以降の二回試験に関する,合格者及び不合格者の決定に関する議事録
・ 司法修習生考試委員会委員名簿(65期二回試験以降)
・ 司法修習生考試担当者名簿(65期二回試験以降)
・ 二回試験の不合格発表
・ 二回試験の科目別不合格者数
・ 二回試験再受験者の不合格率の推移
・ 60期以降の二回試験の不合格者数及び不合格率(再受験者を除く。)
・ 二回試験の推定応試者数
・ 弁護士登録番号と修習期の対応関係
ウ 司法修習生の任官・任検関係
・ 新任判事補研修の資料
・ 新任判事補の採用内定通知から辞令交付式までの日程
・ 新任判事補任命の閣議決定及び官報掲載の日付
・ 現行60期以降の,検事任官者に関する法務省のプレスリリース
・ 新60期以降の,新任検事辞令交付式及び判事補の採用内定の発令日
・ 検事の研修日程
エ 法務省関係
・ 恩赦の件数及び無期刑受刑者の仮釈放
・ 新任検事辞令交付式に関する文書
オ 国会関係
・ 政策担当秘書関係の文書
・ 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等


4 定期的に作成している記事
(1) 裁判所関係
・ 修習期順の現職裁判官の名簿
・ ポスト順の現職裁判官の名簿
・ 幹部裁判官の定年予定日
(2) 司法修習関係
・ 第◯◯期司法修習開始前の日程
・ 第◯◯期司法修習の日程
・ 第◯◯期司法修習の問研起案の日程
・ ◯◯期司法修習の終了者名簿

5 関連記事
・ 個別の裁判官の経歴でよくリンクを張っている記事

最高裁判所事件月表(令和元年5月以降)

目次
1 最高裁判所事件月表
2 関連記事その他

1 最高裁判所事件月表
* 「令和◯年◯月の,最高裁判所事件月表」というファイル名です。
(令和7年)
1月2月3月4月5月,6月
7月,8月,9月,10月,11月,12月
(令和6年)
1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月
(令和5年)
1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月
(令和4年)
1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月
(令和3年)
1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月
(令和2年)
1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月
(令和元年)
5月6月7月8月9月10月11月12月

2 関連記事その他
(1) 最高裁判所事件月表によれば,民事上告又は民事上告受理の9割ぐらいは6ヶ月以内に上告棄却決定又は上告不受理決定が出て終結しています。
 また,民事上告又は民事上告受理の「その他」区分の主な中身は,「和解」,「申立ての取下げ」及び「訴えの取下げ」と思います(「最高裁判所における訴訟事件の概況」(リンク先の末尾216頁・PDF18頁)。
(2) 16期の今井功弁護士(平成16年12月から平成21年12月までの間,最高裁判所判事)は,自由と正義2013年6月号13頁において以下のとおり書いています。
  民事事件は,各小法廷で年間1,000件を超えているから,各事件につき,判決書を作成して署名押印し,いちいち法廷を開いて言渡しをすることは,大変な無駄である。旧法時代は,弁論が開かれない上告棄却判決の多くは,傍聴人のいない法廷で,言渡しがされており,当時多くの裁判官から何とかならないかといわれていたものである。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 上告審に関するメモ書き

・ 2000円の印紙を貼付するだけで上告受理申立てをする方法
・ 最高裁の既済事件一覧表(民事)
・ 判決要旨の取扱い及び刑事上訴審の事件統計
・ 最高裁の破棄判決等一覧表(平成25年4月以降の分),及び最高裁民事破棄判決等の実情
・ 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情

・ 弁護人上告に基づき原判決を破棄した最高裁判決の判示事項(平成元年以降の分)
・ 刑事事件の上告棄却決定に対する異議の申立て
・ 最高裁判所調査官
・ 最高裁判所判例解説