第1 対象と確認範囲
1 この記事で確認できるもの
裁判所時報は,最高裁判所事務総局が原則として毎月1日と15日に発行する資料です。
本記事には,令和4年1月1日以降について,当サイトで公開しているPDF又は国立国会図書館の各号書誌へのリンクを年月順にまとめました。
調査基準日は2026年10月8日です。
同日までに国立国会図書館の書誌で確認できた最新号は,第1894号(令和8年9月15日付)です。
10月1日号以降は,号数と書誌を確認できていないため掲載していません。
2 リンクの見方と利用条件
各年の一覧では,日付をクリックするとPDF又は国立国会図書館の書誌へ移動します。
最近の掲載PDFは,おおむね「裁判所時報第○号(令和○年○月○日付)」の形式で命名されていますが,過去のアップロードには異なるファイル名もあります。
国立国会図書館の各号書誌にテキストデータの表示があっても,PDF本文をインターネット上で自由に閲覧できることを意味しません。
本記事で令和8年分を補完した国立国会図書館の書誌は,確認時点で館内限定公開と表示されているため,実際の利用条件は各書誌で確認してください。
第2 令和4年以降の裁判所時報
第3 市販紙版の終了と電子版への移行
1 第1780号までの市販紙版
国立国会図書館リサーチ・ナビは,冊子体を第1号から第1780号まで,電子版を第1781号以降として案内しています。
したがって,「発行終了」という説明は市販紙版の終了を指すものであり,裁判所時報そのものが廃止されたという意味ではありません。
冊子体の基本書誌と所蔵館は,CiNii Booksの「裁判所時報」書誌でも確認できます。
同書誌の基本範囲は1948年から2021年までですが,所蔵館欄には第1781号以降を含む表示もあるため,必要な号の所蔵は各館の表示で個別に確認する必要があります。
2 第1781号以降の電子版
国立国会図書館リサーチ・ナビは,第1781号(令和4年1月1日付)以降を電子版として案内しています。
各号の発行日,号数及び利用条件を確認するときは,リサーチ・ナビから国立国会図書館サーチの各号書誌へ進む方法が確実です。
当サイトのPDFリンクを更新するときは,国立国会図書館のシリーズ一覧,各号書誌の日付,当サイトのPDF,公開記事のリンクという順で照合します。
自サイトのファイル名だけから号数や日付を推測せず,書誌と現物の表紙を確認することが重要です。
第4 4月15日号の裁判官人事
1 第1884号で確認した掲載範囲
裁判所時報第1884号の表紙には,令和8年4月15日付,第1884号,最高裁判所事務総局発行と記載されています。
目次では,人事異動欄の対象期間が同年3月17日から4月1日まで,開始頁が本文10頁と示され,本文末尾まで4月1日付の異動が続いています。
この現物確認から,4月15日号に4月1日付の裁判官人事が掲載される実例を確認できます。
もっとも,すべての年で同一の頁数又は同一の収録範囲になるとは限らないため,調べる年度の4月15日号を直接確認してください。
2 編集マニュアルから分かること
裁判所時報編集マニュアル(平成27年9月9日)は,人事異動欄の原稿資料,配列及び省略対象を示しています。
同マニュアル13頁では,発令日順とし,同日分は裁判官,一般職,退職者の順にすること,発令日,現職又は新職,氏名を所定の形で配置することが説明されています。
同じ裁判所内の部総括就任など,人事異動欄に掲載しない類型も示されています。
したがって,裁判所時報に記載がないことだけから,人事異動が存在しないと断定することはできません。
3 人事情報を読む際の限界
裁判所時報の記載は,人事発令の確認に有用ですが,出向の理由,研修の目的,氏名表記の根拠などを単独で確定する資料ではありません。
これらを調べる場合は,個別の発令,官報,通達,所属先の公表資料などを別途照合する必要があります。
関連情報として,裁判官の退官情報及び50歳以上の裁判官の依願退官の情報も参照してください。
本記事では,調査期間と確認件数を示せない経験則や,現物を再確認できなかった表彰関係の別紙については扱っていません。
第5 著作権法上の取扱い
1 国等の周知目的資料の転載
著作権法32条2項は,国若しくは地方公共団体の機関,独立行政法人又は地方独立行政法人が,一般に周知させることを目的として作成し,その著作の名義の下に公表する広報資料,調査統計資料,報告書その他これらに類する著作物について,説明の材料として新聞紙,雑誌その他の刊行物に転載できる場合を定めています。
ただし,転載を禁止する旨の表示がある場合は同項を利用できず,同法48条による出所明示も必要です。
文化庁の令和8年度著作権テキストは,一般周知の目的,対象機関の名義での公表,説明の材料としての転載,転載禁止表示がないこと,出所明示という条件を整理しています。
裁判所時報であれば無条件に全文転載できるという規定ではないため,利用する範囲,目的,掲載媒体及び第三者の著作物の有無を個別に検討してください。
2 編集マニュアルの発刊趣旨との関係
裁判所時報編集マニュアル19頁は,裁判所時報について,法曹会による一般販売の方法と,広く世間に知らせるためという発刊の趣旨を説明しています。
この記載は資料の性格を理解するうえで参考になりますが,特定の転載行為が著作権法32条2項の要件を当然に満たすことを保証するものではありません。
なお,令和3年法律第52号による改正では,図書館等の複製に関する規定の整理などが行われました。
国等の周知目的資料に関する転載の根拠は著作権法32条2項であり,令和3年改正によって初めて創設された制度と説明するのは正確ではありません。
第6 司法行政文書開示との関係
1 裁判所独自の開示手続
裁判所が保有する司法行政文書の開示は,行政機関情報公開法による開示請求とは別に,裁判所の司法行政文書開示手続として運用されています。
現行の開示申出書には利用目的欄がありませんが,目的を問わず常に開示される,または開示後に自由な再配布ができるという意味ではありません。
司法行政文書開示の取扱要綱第8の4は,裁判所の事務を混乱又は停滞させることを目的とするなど,開示申出権本来の目的を著しく逸脱する申出を不開示とし得る旨を定めています。
開示を受けた後の利用についても,著作権,プライバシー,名誉・信用及び第三者の権利を別途確認する必要があります。
2 最高裁平成19年4月17日判決の位置付け
最高裁平成19年4月17日判決は,愛知県の公文書公開条例をめぐる事件です。
情報公開制度では請求者が情報を利用する目的や有用性を問われないという説明は,藤田宙靖裁判官の補足意見に示されたものであり,法廷意見そのものではありません。
この補足意見を,現在の司法行政文書開示手続における無制限な原則として引用することはできません。
本記事では,事件の制度,意見の種類及び現行の取扱要綱を区別して位置付けています。
第7 関連資料・記事
1 裁判所時報の編集と文書管理
2 裁判官人事
異動先を調べる場合は,直近1年の最高裁人事一覧,令和8年4月1日付の最高裁人事及び4月1日付人事のバックナンバーを参照されたい。現在の所属先と過去の発令当時の所属先は区別して確認する必要がある。