令和4年1月1日以降の裁判所時報


目次

1 令和4年1月1日以降の裁判所時報
2 令和3年12月15日号までの裁判所時報は市販されていたこと等
3 毎年4月15日付の裁判所時報
4 開示文書の利用目的は一切問われないこと等
5 裁判所時報に載らない裁判官人事
6 関連記事その他

1 令和4年1月1日以降の裁判所時報
(1) 「裁判所時報◯◯◯◯号(令和◯年◯月◯日付)」というファイル名です。
(2) 裁判所時報5月15日号及び11月15日号の別紙として「勲章受章者名簿」が含まれています。
(令和6年)
1月1日1月15日2月1日2月15日
3月1日3月15日4月1日4月15日
5月1日5月15日6月1日6月15日
7月1日7月15日8月1日8月15日
9月1日9月15日10月1日10月15日
11月1日,11月15日,12月1日,12月15日 
(令和5年)
1月1日1月15日2月1日2月15日
3月1日3月15日4月1日4月15日
5月1日5月15日6月1日6月15日
7月1日7月15日8月1日8月15日
9月1日9月15日10月1日10月15日
11月1日11月15日12月1日12月15日 
(令和4年)
1月1日1月15日2月1日2月15日
3月1日3月15日4月1日4月15日
5月1日5月15日6月1日6月15日
7月1日7月15日8月1日8月15日
9月1日9月15日10月1日10月15日
11月1日,11月15日12月1日12月15日

2 令和3年12月15日号までの裁判所時報は市販されていたこと等

(1)ア 裁判所時報編集マニュアル(平成27年9月9日)19頁には以下の記載があります。
※ 裁判所時報は法曹会から一般販売されているが,著作権料は徴収していない。これは,「裁判所時報の内容は,広く,あまねくこれを知らしめる必要がある」との発刊の趣旨からのことと思われる。
イ 令和3年6月2日法律第52号による改正後の著作権法32条2項は「国等の周知目的資料は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。」と定めています。
ウ 国等の周知目的資料とは,国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物をいいます(著作権法31条1項1号)。
(2) 「裁判所時報」の発行終了について(令和3年12月15日付の一般財団法人法曹会出版部長からの手紙)には以下の記載がありました。
    皆様に御購読いただいております「裁判所時報」ですが,同封の「裁判所時報第1780号」及び令和4年2月発行予定の「裁判所時報総目次(1757~1780)」をもって発行が終了されることとなりました。

3 毎年4月15日付の裁判所時報

・ 毎年4月15日付の裁判所時報に4月1日付の人事が載りますところ,以下の特徴があります。
(1) 個々人の記載事項
ア 1行目に異動先のポスト(4月1日付の発令事項)が書いてあり,2行目に1文字の字下げの後,異動前のポスト(現任庁・現官職)及び氏名が書いてあります。
イ 行政機関等の職員(行政機関職員のほか,衆議院法制局参事,国立国会図書館参事及び預金保険機構参与をいいます。)の出向先から戻ってきた裁判官,弁護士職務経験から戻ってきた裁判官及び弁護士任官した裁判官の場合,異動先のポストだけが書いてあります。
(2) 人事異動の記載の順番
ア 異動前のポストを基準として以下の順番で書いてあります。
① 最高裁勤務の裁判官の異動
・ (a)異動の前又は後のポストが最高裁調査官→(b)異動の前又は後のポストが事務総局勤務の裁判官→(c)異動の前又は後のポストが司法研修所教官→(d)異動の前又は後のポストが司法研修所所付→(e)異動の前又は後のポストが裁判所職員総合研修所教官の順番です。
② 高裁及び地家裁の判事の異動
・ 高裁単位で,東京→大阪→名古屋→広島→福岡→仙台→札幌→高松の順番で管内の異動が記載されます。
③ 地家裁の判事補の異動
・ 高裁単位で,東京→大阪→名古屋→広島→福岡→仙台→札幌→高松の順番で管内の異動が記載されます。
④ 簡裁判事の異動
・ 高裁単位で,東京→大阪→名古屋→広島→福岡→仙台→札幌→高松の順番で管内の異動が記載されます。
⑤ 一般職の異動
イ 異動先のポストだけが書いてある裁判官の場合,異動先のポストを基準として書いてあります。
    例えば,東京高裁判事に弁護士任官した場合,異動前のポストが東京高裁判事の人の最後に書いてあります。
ウ 職務上使用している旧姓と戸籍名が異なる場合,以前は戸籍名が書いてあったものの,裁判所職員の旧姓使用について(平成29年7月3日付の最高裁判所事務総長の通達)が施行された後は,職務上使用している旧姓が記載されるようになったみたいです。
    この点については,ウエストロー・ジャパンの法曹界人事と同じです。
(3) 独自に記載されている人事
ア 任官3年目の地裁判事補から地家裁判事補となる人事,及び司法研修所所付の人事が書いてあります。
イ これらの人事は,ウエストロー・ジャパンの法曹界人事には書いていません。
(4) 記載されていない人事
ア 弁護士職務経験判事補となる裁判官(身分上は裁判所事務官となります。),及び民間企業長期研修を開始する裁判官は書いてありません。
イ 行政機関等に出向する裁判官は書いてありません。
→ 3月1日付その他3月上旬に最高裁の局付判事となったり,3月31日付で東京地裁判事補等となったりしている場合,4月1日付で行政機関等に出向している可能性が高いです。
ウ 異動前後のポストが部総括判事であるかどうかは書いてありません。
エ 同一庁での部総括発令は書いてありません。
(5) その他
ア 3月25日付で高裁所在地の地裁判事補となっている場合,裁判所時報に記載されないものの,4月1日付で弁護士職務経験判事補となるか,又は民間企業長期研修を開始している可能性が高いです。
    ただし,東京地家裁判事補等から直接,弁護士職務経験判事補となったり,民間企業長期研修を開始したりする人もいます。
イ 人事異動の原稿の入手先は,裁判官については,人事局任用課任用第一実施係となっており,一般職については,人事局任用課任用第二実施係となっています。

4 開示文書の利用目的は一切問われないこと等

(1) 最高裁平成19年4月17日判決の裁判官藤田宙靖の補足意見には以下の記載があります。
    本件条例(注:愛知県公文書公開条例のこと。)をも含む我が国の情報公開法制は,「情報」そのものではなく,「情報」の記載された「文書」を開示の対象として採用しており,また,文書を特定して開示請求がされる以上,その開示が請求者にとってどのような意義を持つ(役に立つ)のか,また,開示された文書をどのような目的のために利用するのか等を一切問うことなく,(例外的に法定された不開示事由に該当する情報が記載された文書を除き)請求の対象とされた文書の全体を開示することを原則として構築されている。
(2) 裁判所をめぐる諸情勢について(令和3年6月の最高裁判所事務総局の文書)45頁には以下の記載があります。
    司法行政文書を適切に管理することは,司法行政事務の適正かつ効率的な運営に不可欠であるとともに,文書開示手続を通じて,国民に対する説明責任を全うする土台となるものであり,それができない場合には裁判所に対する国民の信頼を著しく失墜させることにつながりかねない。

5 裁判所時報に載らない裁判官人事

(1) 例えば,以下の裁判官人事は裁判所時報に載りません(裁判所時報編集マニュアル(平成27年9月9日付)13頁参照)。
・ 転勤に際して部総括に指名されたこと
・ 同一庁において部総括に指名されたこと
・ ◯◯地裁裁判所事務官(弁護士職務経験)になったこと
・ 民間企業長期研修を開始したこと
(2)ア 2年間の弁護士職務経験を開始する場合,その直前の3月25日付で東京地裁又は大阪地裁の判事補(地「家」裁の判事補ではないです。)になることが多いです。
イ 1年間の民間企業長期研修を開始する場合,その直前の3月25日付で研修先の近くの地家裁の判事補になることが多いものの,1年間だけであることもあって,直前の転勤がないことも多いです

6 関連記事その他

(1) 令和4年1月1日以降の裁判所時報のデータベースになるようにブログ記事を作成しています。
(2) 平成31年4月1日現在,裁判所時報の編集及び刊行に関する事項は,最高裁判所総務局第二課判例法令係が担当しています(最高裁判所事務総局総務局事務分掌(平成31年4月1日現在)参照)。
(3) CiNiiの「裁判所時報」に,全国の大学図書館における,裁判所時報第1号(昭和23年1月1日付)から第1780号(令和3年12月15日付)までの所蔵状況が載っています。
(4)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判所時報の組版,校正及び製本等(単価契約)に関する,令和3年8月20日付の請負契約書(受注者は星野製版印刷株式会社)
・ 裁判所時報マニュアル(令和3年11月の開示文書)
・ 一元的な文書管理システム教材の改訂版(令和2年3月24日付の配布文書)
・ 文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)
・ ホームページ,裁判所時報,民集又は裁判集の仮名処理について
イ 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の退官情報
・ 50歳以上の裁判官の依願退官の情報
 判事補時代に退官した元裁判官の名簿(令和時代)
・ 叙位の対象となった裁判官
・ 裁判所時報マニュアル(平成31年4月に開示されたもの)
 裁判官の民間企業長期研修等の名簿
・ 判事補及び検事の弁護士職務経験制度
 歴代の最高裁判所総務局長
・ 最高裁判所事務総局総務局の事務分掌


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