裁判所職員採用試験に関する各種データ

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目次
1 裁判所職員採用試験の受験者数,合格者数,採用者数等に関するデータ
2 合格最低点・合格最高点に関するデータ
3 第1次試験合格から最終合格までの合格率につき,顕著な男女差が発生した場合があること
4 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い,及び「大学医学部入学試験制度に関する規範」
5 その他

1 裁判所職員採用試験の受験者数,合格者数,採用者数等に関するデータ
(1)ア 裁判所職員採用試験に関する以下のデータを掲載しています。
① 裁判所職員採用総合職試験の推移表(平成16年度から平成30年度まで)
・ 裁判所事務官(総合職)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が15.5倍であり,女性が10.5倍ですから,その差は1.5倍です。
・ 家庭裁判所調査官補の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が6.4倍,女性が3.8倍ですから,その差は1.7倍です。
② 裁判所職員採用一般職試験の推移表(平成16年度から平成30年度まで)
・ 裁判所事務官(一般職・大卒程度)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が3.7倍であり,女性が2.2倍ですから,その差は1.7倍です。
・ 裁判所事務官(一般職・高卒者)の場合,1次試験→最終の倍率は,男性が5.9倍,女性が2.8倍ですから,その差は2.1倍です。
イ 令和元年5月現在,平成26年度以降の結果については,裁判所HPの「試験の実施結果」に掲載されていますし,平成28年度以降の結果については,男性及び女性の人数の記載があります。
(2) 元データは以下のとおりです。
ア 合格者数
① 平成16年度から平成26年度までの裁判所職員採用試験に関するデータ
② 平成27年度裁判所職員採用試験に関するデータ
③ 平成28年度裁判所職員採用試験に関するデータ
イ 採用者数
① 平成11年度から平成24年度までの採用者数に関するデータ(男女別)
② 平成25年度採用者数に関するデータ(高裁別・男女別)
③ 平成26年度採用者数に関するデータ(高裁別・男女別)
④ 平成27年度採用者数に関する総合職の採用データ(高裁別・男女別),及び一般職(裁判所事務官)の採用データ
⑤ 平成28年度採用者数に関するデータ
 平成28年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 平成28年度名簿からの男女別採用者数(総合職(家庭裁判所調査官補))
 平成28年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
⑥ 平成29年度採用者数に関するデータ
・ 平成29年度名簿からの男女別採用者数(総合職)(裁判所事務官及び家庭裁判所調査官補)
・ 平成29年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
⑦ 平成30年度採用者数に関するデータ
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(総合職(裁判所事務官))
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(総合職(家庭裁判所調査官補))
・ 平成30年度名簿からの男女別採用者数(一般職(裁判所事務官))
2 合格最低点・合格最高点に関するデータ
(1)ア 平成23年度から平成28年度までの,裁判所職員採用試験のうち,裁判所事務官に関する第1次試験の合格最低点が分かる文書を掲載しています。
   高裁ごとに合格最低点が異なることが分かります。
イ 平成29年3月9日付の司法行政文書不開示通知書によれば,平成22年度以前の,裁判所事務官に関する第1次試験の合格最低点が分かる文書は廃棄済となっています。
(2) 裁判所職員採用試験(裁判所事務官)の高等裁判所別合格最低点・合格最高点に関する文書を掲載しています。
・ 平成28年度及び平成29年度
・ 平成30年度
・ 令和 元年度

3 第1次試験合格から最終合格までの合格率につき,顕著な男女差が発生した場合があること
(1) 平成26年度家庭裁判所調査官補採用試験(院卒者区分)の場合,男性の受験者47人(うち,第1次試験合格者は32人)から1人が最終合格したのに対し,女性の受験者74人(うち,第1次試験合格者は49人)から18人が最終合格したため,第1次試験合格から最終合格までの合格率は,男性が3.1%(1/32)であり,女性が36.7%(49/74)であって,男女差は11.8倍でした。
   ただし,ここまで男女の合格率が異なるのは平成26年度だけですし,同じ年度の家庭裁判所調査官補採用試験(大卒程度)の場合,第1次試験合格から最終合格までの合格率の男女差は1.06倍でした(男性の場合,66人→14人,女性の場合,120人→27人)。
(2) 語られない闇を語るブログ「裁判所が平然と女性優遇採用をすることは許されるのか」(平成28年7月7日付)が載っています。
(3)ア ちなみに,性別や年齢によって入試の得点を不当に差別し,減点や優遇などの措置を取っていた事件が2018年8月に明るみになった東京医科大学の医学部医学科の一般入試の場合,2018年度の合格率は男性が8.8%,女性が2.9%であり(男女差は約3倍),2019年度の合格率は男性が16.9%,女性が16.7%でした(huffpostの「東京医科大、男女で合格率に差はみられず。年齢別では19歳がトップ。2019年度入試結果を公表」参照)。
イ Wikipediaの「2018年における医学部不正入試問題」が参考になります。
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4 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い,及び「大学医学部入学試験制度に関する規範」
(1) 裁判所職員採用試験の得点分布の取扱い
ア 裁判所職員採用試験の場合,第1次試験の得点度数分布表の全部が開示された場合,裁判所への質問,照会,中傷等が増加し,試験業務に支障が生じるおそれがあるほか,後日の照会等へのおそれや煩わしさから,適正な合否判定が困難になるため,一部しか開示してもらえません。
イ 裁判所職員採用試験の場合,論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験については,得点分布が分かる文書は存在しません。
   そのため,裁判所職員採用試験において,性差により合格基準に差異が設けられているかどうかを事後的に検証することはできないと思います。
ウ 詳細については,「裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと」を参照してください。
(2) 「大学医学部入学試験制度に関する規範」
   全国医学部長病院長会議が平成30年11月16日に発表した「大学医学部入学試験制度に関する規範」には以下の記載があります。
① 3頁の記載
   2019年春の入学試験では、性差、浪人年数(年齢)に関する不適切事例は処分の対象になります。
② 13頁の記載
   いかに学内の承認があろうとも、学長や入試委員長等の特定の個人だけの判断で合否判定をすることや、合理的理由なく順番を飛ばして合否判定することは、①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難と考えられますので不正といえます(東京医科大学事例)。いわゆる「枠」での入学、編入学に関わる制度は、この範囲でも検証されるべきだと考えます。
③ 15頁の記載
   東京女子医科大学などの前身である女性に特化した医育機関は、医育機関が男性しか受け入れなかった時代に女性に医学教育の機会を与えるために設立されたものであり、国民が広く承認していることから、問題がないと考えます。
④ 16頁の記載
   ①「公平性」および②「医療人確保」に則って判断すると、性差により一律的に判定基準に差異を設けること、および点数操作は不適切であり、決して許容されるものではありません。

5 その他
(1) 「司法試験受験生が裁判所職員採用試験を受ける場合の面接対策」も参照してください。
(2) 「裁判所職員に関する記事の一覧」に,関係記事へのリンクを張っています。
(3) 以下のとおり,裁判所職員総合研修所の研修生に関する資料を貼り付けています。



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