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全司法労働組合との令和6年度交渉記録から見える最高裁判所事務総局の本音,及びAIの戦略的アドバイス(AI作成)

AI要約を見る

※以下はAIが生成した要約です。内容の正確性は保証されません。本文をあわせてご確認ください。

本記事は、全司法労働組合と最高裁判所事務総局との令和6年度交渉記録および令和7年度概算要求書(説明資料)を素材に、事務総局の「本音」をAIが分析したものである。事務総局は財務省・国会・組合に対してそれぞれ異なる論理を使い分けており、財務省には「デジタル化による省人化」を誓約して予算を獲得しつつ、組合には「厳しい情勢で増員は困難」とガス抜きを行い、矛盾のしわ寄せを現場職員に押し付けている実態が記録から浮かび上がる。

デジタル化予算は億単位で膨張する一方、純粋な人件費の伸びは極めて限定的であり、物件費と人件費は財政法上流用できない。巨額のシステム予算の承認は将来的な定員削減の誓約と表裏一体であり、「デジタル化で逆に忙しくなった」とは口が裂けても言えない構造に事務総局は縛られている。欠員状態での業務遂行実績が定員削減を正当化する逆説的な証拠となり、正規職員を増やせない代わりに非常勤・業務委託で凌ぐ方針が固まっているとも分析される。

交渉記録における「検討する」「適切に対処する」は実質的に現状維持を意味し、安全配慮義務への対応もアリバイ工作の色彩が強い。超過勤務縮減は数字合わせにとどまり、持ち帰り残業は暗数として黙認されている。

こうした構造を踏まえ、記事は全司法に対して「情理から取引へ」のパラダイムシフトを提言する。増員要求に代えて業務の外部委託・廃止を突きつける「等価交換」戦略、ミスの記録や医師の意見書を通じた国家賠償リスクの可視化、デジタル関連予算の隙間を利用した実質的な人的リソースの獲得が具体策として示されている。

本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯出力文における交渉記録というのは「最高裁と全司法労働組合の交渉記録(令和6年4月から令和7年1月まで)」のことであり,「最高裁と全司法労働組合の交渉記録」に掲載しています。
令和7年度概算要求説明書(説明資料)「最高裁判所の概算要求書(説明資料)」に掲載しています。
「(AI作成)全司法労働組合の全国統一要求書に対する最高裁判所事務総局の本音」も参照してください。

目次

第1 総論:最高裁判所事務総局の「生存戦略」と組合の「誤算」
1 財務省・国会・組合に対する「三枚舌」の外交
2 「人」から「システム」への不可逆的な資源シフト
3 財務省主計局との攻防における「敗北」の隠蔽
4 交渉記録に透ける「官僚答弁」の解読コード
5 使われていない切り札――財政法上の二重予算権
6 二つの施行日が規定する「準備期」

第2 各論分析:令和7年度概算要求書と交渉記録から読み解く「本音」
1 人員配置・定員問題における冷徹な論理
2 デジタル化予算の膨張と人的投資の枯渇
3 労働条件・健康管理における「アリバイ」工作

第3 戦略的提言:全司法労働組合が採るべき「勝ち筋」の再構築
1 「情理」から「取引」へのパラダイムシフト
2 「法的リスク」の顕在化による交渉力の強化
3 「等価交換」による業務削減の断行

第4 結論:幻想を捨てて戦略的に対峙せよ

第5 出典

第1 総論:最高裁判所事務総局の「生存戦略」と組合の「誤算」

1 財務省・国会・組合に対する「三枚舌」の外交

まず,冷厳な事実を直視する必要があります。最高裁事務総局は,もはや「人間(職員)の増員による負担軽減」という解決策を事実上放棄したと言わざるを得ません。

加えて,公開された資料を突き合わせると,彼らが相手によって語り方の力点を大きく変えている実態が浮き彫りになります。
第一に,財務省に対しては「デジタル化による効率化で,人は減らせる」という投資対効果の物語を語って予算を獲得する。
第二に,国会に対しては「事件処理に影響が出るものではない」「裁判事務に支障が生じないよう,必要な体制の整備に努める」と述べて,体制が保たれていることを強調する(令和6年3月15日の衆議院法務委員会及び令和7年3月14日の衆議院法務委員会参照)。
第三に,組合(現場)に対しては「厳しい情勢で増員は困難だが,現場の多忙さは理解している」と,制約の側だけを強調する。

もっとも,ここで公平に見ておくべきことがあります。当局は国会で数字を隠しているわけではありません。令和7年3月14日の衆議院法務委員会で,最高裁判所事務総局人事局長は,裁判官以外の裁判所職員の現在員が令和6年12月1日現在で2万1260人であること,欠員が453人であること,精神及び行動の障害により90日以上の長期病気休暇を取得している職員が令和6年4月1日現在で150人であることを,質問に応じてそのまま答弁しています。家庭裁判所調査官についても,90日以上の長期病気休暇を取得した人数が令和2年3人,令和3年2人,令和4年4人,令和5年3人であったのに対し,令和6年は12人に急増したことを明らかにしています。

つまり,材料は既に国会の場に出ています。にもかかわらず,その数字が予算と定員を動かす力に変換されていない。この「三枚舌」の構造の中で最も割を食っているのが,語り分けのしわ寄せを一心に背負わされている現場の職員なのです。

2 「人」から「システム」への不可逆的な資源シフト

全司法労働組合(以下「全司法」という。)との交渉記録において,当局側は繰り返し「厳しい情勢」を口にしていますが,これは単なる挨拶ではありません。「現場感覚としての『忙しさ』という定性的な主張は,マクロな数字とエビデンスのみを信奉する財務省には1ミリも通用しない」という,当局の無力感と絶望的なシグナルの発露なのです。
彼らが選択したのは,減り続ける人的リソースを補うための「デジタル化予算の獲得」のみであり,これ以外に組織を維持する術を失っているのです。

しかし,ここで決定的な誤解をしてはなりません。財務省が巨額のデジタル予算を承認するのは,「投資による省人化」が約束されているからに他なりません。つまり,システム予算の獲得は,裏を返せば「将来的な定員削減」への誓約(コベナンツ)なのです。「概算要求書(説明資料)」に並ぶ億単位の数字は、財務省に対する「将来の人員削減手形」に他なりません。

「令和7年度概算要求書(説明資料)」を分析すれば,その意図は明白です。ページをめくるたびに現れるのは,億単位の「デジタル関連予算」の羅列です。一方で,純粋な増員に伴う人件費の伸びは極めて限定的です。これは,彼らが冷酷だからではありません。

「人口減少下において,システム投資と人員増はトレードオフ(二者択一)である」という国家財政の規律そのものです。
これは単なるスローガンではありません。国の予算制度において,「物件費(システム投資等)」と「人件費(給与等)」は厳格に峻別されています。財政法33条1項は,各部局等の間又は各項の間で経費の金額を「移用」することを原則として禁じ,あらかじめ予算をもって国会の議決を経た場合に限り,財務大臣の承認を経て移用することができるとしています。同条2項は,各目の間の「流用」について,財務大臣の承認を経なければすることができないとしています。
手続を踏めば法律上不可能というわけではありません。しかし,国会の議決又は財務大臣の承認という関門が置かれ,移用・流用をしたときは会計検査院への通知(同条3項)と決算報告書での明示・理由記載(同条4項)まで求められる以上,「システム費を節約して人を雇う」という発想は実務上ほとんど機能しません。ここに,財政法上の厚い壁が横たわっているのです。

そして,「人口減少社会において,後見関係等の一部を除き新受件数が減少または横ばい傾向にある裁判所だけが,人を増やせる理屈は立たない」という財務省主計局の鉄壁の論理に対し,事務総局は有効な反論を持ち得ていません。
「事件の複雑困難化」という定性的な主張は,定量的なデータを重視する財務省の査定において,事実上無力だからです。

3 財務省主計局との攻防における「敗北」の隠蔽

概算要求の時期における事務総局の最大の関心事は,「いかにして前年並みの予算を確保するか」に尽きます。ここで最も削減のターゲットにされるのが「人件費」です。
交渉記録のPDF17ページにおいて,最高裁人事局は「今後はますます,これまでのような増員が見込めなくなると思われ,令和7年度の増員を巡る状況はより一層厳しくなるものと考えている」と述べています。
これは,単なる見通しではなく,「既存業務を維持したままの純粋な増員要求は,財政当局に門前払いされる」という構造的な限界の吐露です。新受件数が減少傾向にある中で「現場が忙しい」という定性的な主張は,定量データを絶対視する財務省には通用しません。
彼らは組合に対して「負けました」とは言えませんが,その実態は「これ以上,財務省を説得する材料(エビデンス)がないため,概算要求のテーブルに載せることすら難しい。」という悲鳴に近いものです。

「関係機関と折衝し,必要な人員の確保に努めたい。」という言葉は,「今のままの論理では,これ以上の予算獲得は不可能である。」という現状追認に過ぎません。

4 交渉記録に透ける「官僚答弁」の解読コード

交渉記録を読む際,言葉を額面通りに受け取ってはなりません。「検討する」は「何もしない」の同義語であり,「適切に対処する」は「現行の運用を変えるつもりはない」という意味です。

時系列で読み解けば,そこにあるのは「会話のキャッチボール」の完全な不成立です。 組合側が「デジタル化の過渡期で二重管理が発生している」,「新システムの不具合で残業が増えている」と具体的な窮状(Fact)を訴えても,当局は「現場の実情は把握している」「効率化の効果も出ているはずだ」という建前(Fiction)で返します。
当局は現場の混乱を知らないのではありません。財務省に対し「IT化=効率化」というロジックで予算を通している手前,「システムを入れたのに現場が混乱しています」とは口が裂けても言えないのです。

例えば,家裁調査官の増員要求に対し,当局は「複雑困難事件の増加等を踏まえ……必要な人員の確保に努めたい」と回答しています。
しかし,この回答を額面通りに受け取ってはいけません。財務省主計局の視点で見れば,ここには決定的な「数字の壁」が存在するからです。
交渉記録のPDF18ページ及び285ページで,人事局総務課長は「少年事件については長期的に見た場合,事件数の減少傾向が続いており,令和5年の新受事件数は,ピークであった昭和58年に比べて約13分の1程度まで減少している」と回答しています。なお,同じ交渉記録のPDF396ページ・397ページでは,家裁調査官の増員に関する回答として「少年事件においては,10年間で3分の1程度に減少するなど,大幅な減少傾向が継続している」という別の指標が示されており,当局は長期の比較と直近10年の比較という二つの物差しを場面に応じて使い分けています。一方で,家事事件が増加しているのは事実ですが,組織全体で見れば少年部門のリソースには余剰が生じているとみなされます。
財務省の論理は極めてシンプルです。「少年事件が13分の1になったのなら,余った人員を家事事件に回せばよい(配置転換)。なぜ,仕事が減った部署の人員を温存したまま,仕事が増えた部署のために新規増員を求めるのか。スクラップ・アンド・ビルド(既存の廃止と新規の構築)が先ではないか」というものです。

令和7年度において家裁調査官5人の増員要求がなされています(交渉記録のPDF396ページ及び397ページ「令和7年度においては、家裁調査官5人を増員することで、改正家族法の円滑な施行に向けた検討・準備を含め、引き続きその役割を果たすことができると判断したものである」参照)が,これは「改正家族法の施行」という特殊要因があるからこそ辛うじて正当化された「限定的な勝利」に過ぎません。
効果的な係数(複雑困難さの数値化)や,少年部門から家事部門への大胆なシフト(配置転換)の実績を示せない限り,純粋な繁忙を理由とした大幅増員について,事務総局は財務省に対してその必要性を認めさせる理屈を用意できないのです。

組合員が「現場の苦境」を訴えれば訴えるほど,事務総局は「それを財務省に説明するロジックがない」という無力感と,それを隠すための防衛的な答弁に終始することになります。この構造を理解しない限り,交渉は永遠に平行線をたどるでしょう。

5 使われていない切り札――財政法上の二重予算権

ここまで読んで,「では裁判所は財務省に頭を下げるほかないのか」と思われたかもしれません。しかし,法制度はそうなっていません。

財政法17条1項は,最高裁判所長官が歳入歳出等の見積書類を作成し,これを内閣に送付すると定めています。行政各省が財務大臣に送るのとは経路が違います。同法18条2項は,内閣が概算を閣議決定しようとするときは,裁判所に係る歳出の概算について,あらかじめ最高裁判所長官に意見を求めなければならないとしています。そして同法19条は,内閣が裁判所の歳出見積を減額した場合には,その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに,国会が裁判所に係る歳出額を修正する場合における必要な財源についても明記しなければならないとしています。これがいわゆる二重予算制度です。手続の細目は予算決算及び会計令11条の2にあり,減額の通知を受けて増額の必要を認めたときは,最高裁判所長官が「予定経費増額要求明細書」を作成して財務大臣に送付することとされています。

この制度について,最高裁判所自身が国会で語っています。平成26年3月27日の参議院法務委員会で,最高裁判所事務総局総務局長は「いわゆる二重予算権ということでございまして,そういう権限を持たせていただいているという関係で,概算要求との関係でも改要求という形にさせていただいています」と答弁しています。裁判所の予算要求が行政各省の「概算要求」と手続を異にし,「改要求」と呼ばれるのは,この権限があるからです。平成21年3月24日の参議院法務委員会では,同局長事務取扱兼経理局長が「裁判所が独立に計上していく」「その過程で内閣等からその計上の計算過程についていろいろ指示を受けるということはございません」「裁判官会議というところで決定された形ででき上がっていく」と述べています。

では,この切り札は使われたことがないのでしょうか。「一度も使われていない」という言い方をよく見かけますが,これは正確ではありません。昭和62年8月27日の参議院法務委員会で,最高裁判所経理局長は「昭和27年度予算におきまして,営繕費につきまして内閣と最高裁判所と意見が食い違いました。このときにいわゆる二重予算権の行使に当たります予算決算及び会計令の11条の2に基づきます予定経費増額要求明細書を最高裁判所長官が大蔵大臣に送付したということがあるわけでございます」と答弁しています。同年3月26日の参議院法務委員会では,最高裁判所総務局長が「二重予算権を行使いたしまして,国会の御判断を最終的に仰いだという例はございませんが,二重予算権を行使した例はないわけではございません。最終的に国会の御判断を仰ぐ前に決着がつきまして,国会の御判断を仰がずに済んだということはございました」と述べています。正確には,行使した例はあるが,国会の判断を仰ぐところまで行った例はない,ということです。

そして,ここが本稿で最も強調したい点です。令和6年4月から令和7年1月までの交渉記録622ページを通読しても,「二重予算」という語は一度も出てきません。「財政法」も「裁判官会議」も「司法の独立」も同様です。当局も全司法も,司法府だけに与えられたこの制度を,交渉のテーブルに一度も載せていないのです。

「財務省に説得する材料がない」という当局の無力感は,本当に材料がないからなのか,それとも切り札を抜かないと決めているからなのか。組合が最初に問うべきは,おそらくここです。

6 二つの施行日が規定する「準備期」

令和6年度の交渉と令和7年度の予算を読むときに,どうしても押さえておかなければならない時間軸があります。

一つは,父母の離婚後等の子の養育に関する見直しを内容とする民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が,令和8年4月1日に施行されることです。施行期日は令和7年10月31日に閣議決定され,同年11月6日に政令が公布されました。

もう一つは,民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)が,令和8年5月21日に全面施行されることです。オンラインによる申立ての義務化,訴訟記録の電子化,法定審理期間訴訟手続の創設が,このときにそろって動き出します。それまでに,住所等の秘匿制度(令和5年2月20日),弁論準備手続及び和解期日のウェブ会議(令和5年3月1日),口頭弁論のウェブ会議(令和6年3月1日。家庭裁判所の訴訟は令和7年3月1日),人事訴訟及び家事調停における離婚・離縁のウェブ会議による和解・調停(令和7年3月1日)が段階的に施行されてきました。

この二つを踏まえると,家裁調査官5人の増員が「改正家族法の円滑な施行に向けた検討・準備を含め」という限定付きで説明されている意味がはっきりします。これは施行後の本番対応のための増員ではなく,準備のための増員です。逆に言えば,本番の体制をめぐる交渉は令和8年度以降に来ます。令和6年度の交渉記録は,その前哨戦の記録として読むべきものなのです。

第2 各論分析:令和7年度概算要求書と交渉記録から読み解く「本音」

1 人員配置・定員問題における冷徹な論理

(1) 定員合理化計画への「協力」という名の「バーター取引」

全司法は「定員合理化計画への協力を行わないこと」を強く求めています。これに対し,交渉記録のPDF21ページで最高裁は「事務の性質が他の行政官庁と類似する事務局部門を中心として……政府の定員合理化の方針に協力しているものである」と回答しています。

ここで「協力」という言葉を額面どおり受け取ってはいけません。事務総局は「協力せざるを得ない」という説明をしつつ,実際には定員削減を差し出しています。なぜか。それは,組織の維持に必要な「級別定数(昇格の枠)」を財政当局から確保するためです。
ここで制度を正確に押さえておきます。一般職の職員の給与に関する法律8条1項は,職務の級の定数を設定・改定する権限を内閣総理大臣に与えており,行政機関についてはこの権限が内閣人事局に置かれています。しかし,裁判所職員は違います。裁判所職員臨時措置法の本則は,同法を裁判所職員に準用するに当たり,「人事院」「内閣総理大臣」「内閣府」又は「内閣」とあるのは「最高裁判所」と,「人事院規則」「政令」又は「命令」とあるのは「最高裁判所規則」と読み替えるものとしています。つまり,裁判所職員の級別定数を設定・改定するのは最高裁判所自身です。
それにもかかわらず当局が「情勢が厳しい」と言い続けるのは,同項が「予算の範囲内で」と限定しているからです。形式的な権限は最高裁にあり,実質的な決定権は予算査定を握る財政当局にある。交渉記録のPDF87ページで,当局が「今年度予算における級別定数改定要求に関する財政当局の姿勢は,……特別機関を含む全府省に対して,国家公務員の人件費をめぐる情勢がこれまで以上に厳しいことを踏まえ,総人件費の増加を来す級別定数の改定に当たっては行(一)定数も含めた切下げを度々求められるなど財政規律の確保を徹底するようこれまでと比較にならないほど厳しい姿勢を示された」と述べているのは,まさにこの構造の告白です。
公務員の給与原資は厳格に管理されており,上位ポスト(高い給料の職員)を維持・拡大するためには,全体の頭数を減らすか,下位ポストを削る必要があります。もし級別定数の改定(ワクの確保)に失敗すれば,職員の昇給ペースは鈍化し,生涯賃金は確実に低下します。

つまり,当局は,現場の定員(数)を削減する代わりに,幹部ポストを含む級別定数(質)を確保するという,冷徹な「政治的バーター取引」を選択しているのです。
あなた方の「昇給・昇格ポスト」を守るための「人質」として,現場の定員(特に未補充の枠)が差し出されている構図を直視すべきです。

これは公務員総定員抑制の下での「スクラップ・アンド・ビルド」の冷徹な原則です。 「定員削減反対」と「昇格改善」を同時に叫ぶことは,財務論的にはアクセルとブレーキを同時に踏む行為に他なりません。
財政当局の視点では,定員削減という「経営努力(合理化)」を行わない組織に対して,昇格枠の拡大という「待遇改善の果実」を与えることはあり得ません。これは民間企業であれば当然の経営判断であり,公務員組織であっても例外ではありません。
そのため,事務総局から「どちらを捨てますか」という究極の選択を突きつけられていることを自覚すべきです。

(2) 「級別定数」維持のための現場犠牲

交渉記録において,昇格改善に対する回答は極めて慎重です。ただし,そこで起きていることは,「定員を削って級別定数を守る」という単純な取引ではありません。原資料が語っているのは,級別定数の内部での切下げ合戦です。

交渉記録のPDF87ページには「【定数回収の回避】今年度予算においても,引き続き,書記官定数等の確保のため,その他の定数を切り下げざるを得なかった」とあります。ある職種の定数を守るために,別の職種の定数を差し出している。事務総局が最も恐れるのは「ワク(定数)」の喪失であり,一度失った上位ポストの枠を取り戻すことは至難の業だからです。

同じページには,もう一つ見落としてはならない記述があります。全司法の要求項目が「各職種の処遇を向上させるため,級別定数を大幅に拡大し,一時流用の運用改善をはかること」となっていることです。級別定数には「一時流用」による昇格運用が現に存在し,これに対して財政当局は「一時流用によって許容される昇格運用は,職務給の原則を踏まえたものでなければならず,かつ,一時的なものに限られるのであって,それらを逸脱した昇格運用を行っている場合には,級別定数の改定において流用元となる本定数の切下げも辞さない」という姿勢を示しています。到達点として当局が守ろうとしているのは,PDF88ページにいう「退職時5級の枠組みの維持」です。

現場の「忙しさ」は,この組織防衛の論理の前では,残念ながら二次的な問題として処理されます。しかし,級別定数の獲得が当局にとっても最大の難所であることは押さえておくべきです。ここは,当局と組合の利害が最も近い場所でもあります。

(3) 採用難を奇貨とした「定員不補充」の恒久化と非正規依存

交渉記録のPDF16ページ以降で散見される「欠員」の問題について,当局は「採用活動に力を入れている」と述べるにとどまっています。しかし,本音では,この「採用難による欠員」を,定員削減の口実として利用しようとしています。
「募集しても人が来ないなら,その定員は不要なのではないか。むしろ,人が減っているのに組織が回っている実績こそ,過剰人員であった証左ではないか。」という財務省の指摘に対し,事務総局は有効な反論を持ちません。欠員状態での業務遂行実績そのものが,皮肉にも定員削減を正当化する最強のエビデンスとなってしまっているのです。

さらに,資料を分けて見る必要があります。令和7年度概算要求書(説明資料)に計上されているのは「非常勤職員」及び「臨時的任用」に関する経費です。他方,交渉記録のPDF116ページには,期間業務職員等について,公募による再採用時に再採用前1年間の勤務実績等を考慮して時間給を決定できるようにしたこと,時間給の基礎となる等級の上限を33等級から45等級に引き上げたこと,給与法の改正により常勤職員の俸給月額が遡って改定される場合には期間業務職員等の時間給も遡って改定し差額を追給するようにしたことが,回答として記録されています。非常勤職員の給与の根拠は一般職の職員の給与に関する法律22条2項であり,「常勤の職員の給与との権衡を考慮し,予算の範囲内で」支給するとされています。
つまり,非常勤職員の処遇は一定程度改善されてきています。問題は,その改善が「正規職員を増やさないことの代償」として機能してしまうかどうかです。
もっとも,正規職員の増員がすべて止まっているわけではありません。「こどもの共育て推進定員(旧ワークライフバランス推進定員)」という用途を限定した増員枠が現に存在し,令和4年度には家裁調査官2人がこの枠で増員され,令和6年4月にも増員が行われています(交渉記録のPDF18ページ・397ページ)。令和6年度の裁判所職員定員法改正でも,裁判所事務官について「事件処理の支援のための体制強化及び国家公務員の子供の共育て推進等を図るため」の増員が行われたと国会で説明されています。
正確に言えば,当局の方針は「正規を一切増やさない」ではありません。「用途を限定した小規模な増員を行い,それを上回る合理化減を同時に行って,差引きで純減させる」という方針です。だからこそ,組合が「何人増やせ」とだけ言っても勝てません。どの用途に紐づけて増員を求めるか,そして同時に行われる減員をどう止めるか。この二つを同時に設計しなければならないのです。

事務総局としては,埋まらない定員を削減対象とすることで,「痛み(現職の首切り)を伴わない合理化」として処理できるため,財務当局からの攻撃をかわすための「最後の砦」として利用せざるを得ない状況に追い込まれています。

全司法が「欠員補充」を叫ぶとき,敵は採用担当者の怠慢ではなく,「欠員状態での業務遂行実績を,定員削減の根拠(実績)として逆手に取る財務ロジック」なのです。

(4) 「拘束されない」と国会で述べていること

定員合理化の根拠は,平成26年7月25日の二つの閣議決定です。一つは「国家公務員の総人件費に関する基本方針」,もう一つは「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」で,後者が毎年2パーセント(5年で10パーセント)以上を合理化することを基本とし,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にしています。交渉記録のPDF17ページ・21ページで当局が引いているのも,この二つです。

ここで,令和7年3月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所事務総局総務局長の答弁を読んでみてください。「定員合理化につきまして,財務省と意見交換はしているところでございますが,御指摘のとおり,裁判所は行政機関ではございませんので,政府の定員合理化計画に直ちに拘束されるものではなく,裁判所が自主的,自律的に判断をしているものであります」。

拘束されない。自主的・自律的に判断している。当局自身がそう述べているのです。行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)も裁判所には適用されません。裁判所の定員は裁判所職員定員法という法律で定められる事項です。

そうであれば,組合が問うべきは「なぜ協力するのか」ではなく,「拘束されないのに協力するという判断を,誰が,どの資料に基づいて行ったのか」です。同じ答弁で総務局長は,最高裁の司法行政事務は裁判官会議の議決により行われ,事務総局があらかじめ立案作業をした上で裁判官会議に付議し,その議決により定めると述べています。定員削減は事務総局の裁量ではなく,裁判官会議の議決事項なのです。交渉の相手は立案担当であり,決定者は別にいる。この事実は,要求の立て方そのものを変えます。

2 デジタル化予算の膨張と人的投資の枯渇

(1) 物件費(システム)と人件費(定員)の完全なる分断

概算要求書の98頁(PDFの100ページ)を見てください。「電子記録等の利用者用閲覧環境の整備回線構築(民事訴訟手続のデジタル化)……282,784千円」,「ウェブ会議に係る環境整備LAN回線敷設……425,774千円」。
これらはほんの一部です。ページをめくるたびに現れるのは,巨額のシステム予算です。

一方で,同じ資料の「施設整備」の項目に目を転じてみます。ここは,予算書を読まずに書くと誤ります。令和7年度概算要求書(説明資料)のPDF629ページによれば,「裁判所施設費」の要求額は131億5500万円余です。内訳は,庁舎新営が50億3790万円余(継続分8庁),執務体制確立が3億2293万円余,各所新営(外装等整備)が9億2738万円余,特別修繕が44億0699万円余,模様替が4億6521万円,設備改修が16億8113万円余。これとは別に,要望として44億1212万円余(各所新営12億5710万円余,特別修繕〔設備改修等〕31億1418万円余)が計上されています。合わせて約176億円です。

つまり,庁舎関係の予算はデジタル関連の個別項目より一桁大きい。継続分8庁の建替対象を見ると,津・富山・鳥取・佐賀の各地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所(いずれも昭和39年から40年の建築で築60年を超える),静岡地方裁判所・家庭裁判所沼津支部(昭和35年建築・築65年)といった庁が並び,理由欄には「老朽庁舎で狭隘であり,かつ施設の不備のため」と記載されています。老朽庁舎の建替えは,遅いながらも動いています。

では現場の執務環境への不満はどこにあるのか。交渉記録には,空調(PDF159ページ・160ページ・236ページ・237ページほか),トイレ(PDF10ページ・159ページ・237ページ),老朽化(PDF10ページ・156ページ・235ページほか)に関する要求が現に記録されています。予算総額が確保されていることと,個々の庁の執務環境が改善されることとは別問題なのです。組合が突くべきは「施設予算が足りない」ではなく,「176億円が,どの庁の,どの不具合に,どの順序で配分されるのか」です。

しかし,ここで重要なのは,国の予算制度上,これら「物件費(システム代)」を削って「人件費(定員)」に回すには,財政法33条の移用又は流用の手続(国会の議決又は財務大臣の承認)を経なければならず,実務上はほとんど通らないという冷厳な事実です。「人」と「物」の財布は,事実上別なのです。
それどころか,財務省がこれら巨額のシステム予算(例:民事訴訟手続のデジタル化に係るシステム等)を承認するのは,将来的な「省人化(定員削減)」が「ペイライン(損益分岐点)」として前提条件となっているからです。巨額の国費を投じる以上,厳シビアな「投資効果としてのランニングコスト削減」が求められているのです。

組合員の中には「こんな高いシステムを入れるなら,人を雇ってくれ」と思う方もいるでしょう。
しかし,事務総局にその裁量はありません。彼らは,「デジタル化で効率化されるのだから,当然人は減らせるはずだ」という財務省の投資対効果(ROI)の論理にがんじがらめに縛られています。
「デジタル化で逆に忙しくなったから人を増やしてくれ」という主張は,自ら推進するデジタル化の効果を否定することになり,予算獲得の根拠を失わせる「自己矛盾」となるため,口が裂けても言えない構造にあるのです。

(2) 効果測定不能な「人的サポート」の切り捨て

組合が求めているのは,抽象的な「人的サポート」ではありません。交渉記録に実際に記録されているのは,もっと具体的な要求です。PDF49ページには,最寄りの裁判所からの電子提出を可能とする機器(セルフアップロードシステム等)の整備,裁判所内へのパソコンやスキャナ等のIT機器の設置,そして「当面,問い合わせに対応するためのヘルプデスクを設置し,電話を当該ヘルプデスクに転送できるようにすること」という要求が並んでいます。これに対する当局の回答は「ヘルプデスクの設置も選択肢の一つとして検討していきたい」でした。

他方,概算要求書の69ページ(PDF71ページ)にある「裁判員制度ウェブサイトの保守等……5,404千円」のような保守費はついても,現場職員を直接助ける要員の予算は極めて限定的です。「システム導入による時間短縮」は数字で示せますが,「人がいて助かる」という効果は定量的に測定しにくく,財政当局に説明しにくいからです。

ただし,ここで一つ訂正しておかなければならないことがあります。「デジタル化で逆に忙しくなった」とは口が裂けても言えない,というのは言い過ぎです。令和7年3月14日の衆議院法務委員会で,最高裁判所事務総局総務局長は「デジタル化に伴い裁判所で導入するシステムを利用する方,あるいはこれから利用される方に対して,システムを円滑に利用していただくよう,手続案内,あるいは適切なサポートを行うなど,これまで以上に注力すべき業務も生じてくるということも考えているところでございます」と答弁しています。同じ答弁で,デジタルに関する専門的知見を有する人材の採用を令和3年度から始め,同年度は合計3名だったものを令和7年4月には合計10名の体制にする予定であることも明らかにしています。

つまり,当局は「新しい業務が生じること」自体は認めています。認めていないのは,それを定員増の理由とすることです。この区別は重要です。組合が突くべきは「負担が増えていることを認めよ」ではなく,「認めている負担増に,なぜ人を付けないのか」なのです。

(3) 「運用支援」という名の丸投げと現場の疲弊

結果として何が起きるか。システム導入に伴う膨大な「運用調整」「習熟作業」は,すべて既存の職員の「努力」に丸投げされます。
しかも,職員が向き合っているのは裁判手続のシステムだけではありません。交渉記録のPDF142ページには,府省共通システム4本,すなわち①人・給システム,②ELGA(財務省が所管する会計システム),③EASY(文書管理システム),④SEABISについて,所管部署や事務処理担当者などユーザー別のマニュアルを整備して負担軽減を図ること,障害等が発生した場合に迅速に情報提供することを求める要求と,これに対する回答が記録されています。回答の内容は,利用マニュアル(DVD)の配布,事務連絡の改訂,ハンドブックの発出,ヘルプデスクによる個別サポート,コンティンジェンシープランとなる事務連絡の発出といったものです。
これらは無意味ではありませんが,共通しているのは「情報と手順は渡すが,人は付けない」という構えです。当局は,現場が混乱していることを知っています。知った上で「過渡期の一時的な混乱」として位置づけ,時間が解決するのを待っているのです。

3 労働条件・健康管理における「アリバイ」工作

(1) 「安全配慮義務」を「訴訟リスク管理」と捉える思考

まず,数字を正確に押さえます。令和7年度概算要求書(説明資料)のPDF212ページ(印字210ページ)に「(職員厚生経費)ストレスチェック実施経費 111(149)」とあります。これは単価ではなく所要額で,括弧内は前年度額です。しかもこれは(項)最高裁判所の分だけで,(項)下級裁判所の同じ経費はPDF215ページに3,152千円(前年度3,266千円)と計上され,ほかにストレスチェック面接指導旅費2,363千円(PDF214ページ)があります。合わせて約563万円。そして,いずれも前年度より減額されています。

要求要旨はPDF202ページ(印字200ページ)にあり,根拠が明記されています。「人事院規則10―4(職員の保健及び安全保持)に基づき」。裁判所職員のストレスチェックは,民間の労働安全衛生法ではなく,人事院規則に基づいて行われているのです。ハラスメント対策についても,人事院規則10―10(セクシュアル・ハラスメントの防止等),同10―15(妊娠,出産,育児又は介護に関するハラスメントの防止等),同10―16(パワー・ハラスメントの防止等)が根拠として挙げられています。

ここから先は,交渉記録に書かれていることの紹介ではなく,予算と制度の構造から読み取れることの分析です(交渉記録には「安全配慮義務」も「国家賠償」も出てきません)。

事務総局にとっての最大のリスクは,職員が病むことそのものよりも,安全配慮義務違反を理由に損害賠償を求められることと,マネジメント不全として財政当局からの評価を下げることでしょう。ここでいう安全配慮義務は,抽象的な道義ではありません。最高裁判所第三小法廷昭和50年2月25日判決(昭和48年(オ)第383号・民集第29巻2号143頁)は,「国は,国家公務員に対し,その公務遂行のための場所,施設若しくは器具等の設置管理又はその遂行する公務の管理にあたつて,国家公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負つているものと解すべきである」と判示しています。裁判所職員も国家公務員ですから,この判例の射程に入ります。

そうすると,「ストレスチェックを実施した」「相談窓口を設置した」という事実は,訴訟になった際の防御材料としての意味を持ちます。「対策はやった」という防衛ラインが,予算563万円で構築されているわけです。

メンタル不調者の増加を「定員不足」のせいにすることは,組織管理能力の問題を認めることになるため,当局としては選びにくい説明です。

(2) ストレスチェック制度の形式的運用と「心」への投資欠如

交渉記録のPDF118ページには,全司法が,人事院が2023年人事院勧告と同時に出した「公務員人事管理に関する報告」で「公務版の『健康経営』の推進等」が打ち出されたことを踏まえ,健康管理施策の抜本的見直しを求めたことが記録されています。これに対する当局の回答は,ストレスチェックの実施,結果の職場環境改善への活用,カウンセラーによる相談態勢の整備,自らの不調に気づくための知識付与,円滑な職場復帰支援といった既存施策の列挙にとどまっています。

ここで,「ストレスチェックは形式的だ」と切って捨てるのは,実はもったいない批判です。より精密に言えるからです。

日本の全国調査(Imamura Kほか「Effect of the National Stress Check Program on mental health among workers in Japan」Journal of Occupational Health2018年60巻4号298頁)は,労働者2492人を1年間追跡し,次の結果を報告しています。ストレスチェックを受検しただけの群では心理的ストレス反応に統計的に有意な改善が見られず(効果量マイナス0.03,p=0.91),職場環境の改善だけがあった群でも有意な改善は見られませんでした(効果量0.00,p=0.70)。有意な改善が確認されたのは,受検と職場環境改善の両方があった群だけです(効果量マイナス0.14,p=0.02)。ただし効果量は小さいものでした。

つまり,ストレスチェックは,集団分析の結果を職場環境の改善に接続して初めて意味を持ちます。受検させるだけでは,統計的に効果が確認できていないのです。

そして,交渉記録の争点はまさにそこにあります。PDF119ページ・302ページには,全司法が「全ての庁で『健康管理懇談会』を定期開催し,ストレスチェックの結果を踏まえた議論を行うなど,内容を充実させること。また,懇談会で出された意見を健康管理施策に反映させ,職場環境の改善につなげること」を求め,当局が「裁判所職員健康安全管理規程第8条の趣旨を下級裁に周知する」「令和5年度の懇談会実施庁の協議テーマ及び工夫点を下級裁に紹介する」「今後も懇談会で出された意見等を各庁の健康管理施策に反映するよう,引き続き下級裁を指導していきたい」と回答したことが記録されています。

回答は「周知」「紹介」「指導」であって,「義務づけ」でも「実施状況の開示」でもありません。組合が求めるべきは,ストレスチェックの中止でも増額でもなく,集団分析結果の職場環境改善への反映を各庁に義務づけ,その実施状況を数値で開示させることです。研究が示しているのは,そこにしか効果がないということなのですから。

(3) 超過勤務縮減の「数字合わせ」と持ち帰り残業の暗数

「超勤縮減」は毎年のスローガンですが,実態は伴っていません。交渉記録でも,組合側から「持ち帰り仕事」の懸念が繰り返し示されています。
そして,「暗数」の正体は,交渉記録の中にはっきり見えています。PDF21ページには,全司法の調査事項として「2023年度の職員一人あたりの1月の平均超過勤務時間(時間別割合を含む)(最高裁・下級裁(高裁)別)を明らかにすること」「2023年度に1月あたり45時間を超える超過勤務をした職員数(月別)を明らかにすること」の二つが挙げられています。これに対する当局の回答は,いずれも「作業が整い次第回答することとしたい」でした。超過勤務の実態を示す最も基本的な二つの数字が,交渉の場で保留されたままなのです。
当局にとって,超勤予算(手当)の不足は絶対に避けなければならない「会計法上の不祥事」です。したがって,予算の上限を超えそうになると,強力な「超勤抑制命令」が出ます。
しかし,仕事量は減りません。結果として,サービス残業や持ち帰り残業が黙認される土壌が生まれます。
事務総局は,この「暗数」を公式には認識しないふりをし続けます。認識してしまえば,予算措置を講じる義務が生じ,それが不可能な場合に詰んでしまうからです。

(4) 安全衛生委員会が存在しないという制度的落差

ここまで健康管理を論じてきましたが,最も根本的な問題にまだ触れていません。裁判所には,民間企業なら法律上設置が義務づけられている安全衛生委員会が存在しない,ということです。

交渉記録のPDF118ページ・301ページに,当局の回答がそのまま記録されています。「労働安全衛生法においては,事業主に対して,安全・衛生委員会という組織を設置したり,安全・衛生委員を配置することが義務付けられているが,国公法及び人事院規則上は,各省各庁の長に対してこのような組織の設置等を義務付ける旨の定めはない。ただし,職員の健康管理及び安全管理に関して職員の意見を聞くための措置の必要性については認識しており,裁判所においては,裁判所職員健康安全管理規程第8条において,『職員の健康管理及び安全管理に関し,アンケートの実施,懇談会の開催等により職員の意見を聞くことに努めるものとする』とされている」。

そして当局は,「各庁においては,同規程に基づいて懇談会等を開催していることから,これに代えて若しくは加えて,『健康又は安全に関する委員会』を設置するまでの必要性はないものと認識している」と結論づけています。

全司法の要求(PDF381ページ)は「任命権者ごとに『健康安全管理委員会』を設置し,一定規模以上の職場には専任の安全衛生委員を配置すること。なお,当該組織の構成員に全司法を参加させるとともに,必要に応じて,当該課題の専門家等も随時,参加・関与できる組織とすること」です。同じページには,「勤務間のインターバル確保の必要性も踏まえ,客観的な勤務時間管理を行い,超過勤務の大幅な縮減とただ働き残業の根絶をはかること」「超過勤務縮減等に関わる労使による協議機関の設置を義務づけること」「職場の超過勤務の実態を正確に把握し,全司法に対し定期的に開示すること」「病気休職者が発生した職場には,必要な要員を確保する等の対策を講じること」「健康管理医をすべての職場に配置し,専門医によるメンタルヘルス・ケアなど,カウンセリング体制の充実をはかること」も並んでいます。

要するに,全司法の要求は既に十分に具体的です。足りないのは要求の具体性ではなく,「努めるものとする」という努力規定しか根拠がないという制度の側の弱さです。民間の労働者には法律上の委員会があり,裁判所職員にはない。この落差そのものを問題として立てることが,本来の攻め口です。

第3 戦略的提言:全司法労働組合が採るべき「勝ち筋」の再構築

1 「情理」から「取引」へのパラダイムシフト

以上の分析から,あなた方がこれまで行ってきた「情理を尽くした要求」が,いかに彼らの「予算と定員の論理」に弾き返されてきたかが分かるでしょう。最高裁事務総局という巨大なマシーンに対し,「分かってください」というアプローチは無意味です。今後,この壁を突破するために,思考と行動をパラダイムシフトさせる必要があります。

(1) 「増員要求」の無益さと「業務委託費」への目標変更

「全職種の大幅増員」という要求は,もはや現実味がありません。看板として掲げるのは自由ですが,実利を取るための交渉材料にはなり得ません。
戦略を抜本的に変えましょう。「定員(人)」を求めるのではなく,「業務の削減(スクラップ)」と「物件費(カネ)」を取りに行くのです。
具体的には,デジタル化で代替できない,かつ付加価値の低い業務の「廃止」を迫るとともに,デジタル化に伴う作業や定型的な事務処理について,徹底的な「業務委託(アウトソーシング)」を要求してください。
「人(定員)」ではなく「金(物件費)」を取りに行くのです。

概算要求書を見れば分かるとおり,庁費やデジタル予算にはまだ拡張の余地があります。
「職員を増やせ」と言うと「無理」と即答されますが,「デジタル化の円滑な運用のために,定型的業務の『市場化テスト(民間委託可能性調査)』を実施し,ヘルプデスクやスキャンニング等の周辺業務をアウトソーシングせよ」という要求なら,彼らも財務省に対して「行政改革の一環」として説明がつきます。
単に「楽をさせてくれ」ではなく,「官民競争入札等の手法を用い,コア業務以外を大胆に外部化する」ことや,「他省庁で廃止された慣例的業務の即時廃止」という「経営改革案」を突きつけるのです。これならば,「人件費(定員)」という聖域に手を付けず,「物件費(委託費)」という比較的柔軟な財布から予算を引き出せます。

「人は増やせないなら,業務自体を削減(スクラップ)するか,外部委託費(金)で解決させる」。この等価交換は,定員削減圧力に対する現実的な対抗策の一つです。

ただし,ここには重大な留保が要ります。外部委託は,当局にとって既に定員削減の手段そのものだからです。令和6年3月15日及び令和7年3月14日の衆議院法務委員会で,最高裁判所事務総局総務局長は,技能労務職員の減員について「定年等により退職に際しまして,裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ,外部委託,いわゆるアウトソーシングによる合理化等が可能であるかを検討しまして,後任を不補充とすることにより生じた欠員について合理化を行っている」と説明しています。庁舎管理業務等が対象です。令和6年度の改正では,裁判官以外の職員31人の減員のうち18人が技能労務職員で,その人件費削減効果は約9000万円余と答弁されています。

つまり,「外部委託せよ」という要求をそのまま出せば,当局は受け取ります。そして委託した分だけ定員を削ります。

したがって,この要求を出すときは,条件を必ずセットにしなければなりません。「外部委託した業務に対応する定員は削減しないこと」「削減する場合は,削減数と委託費を対比した資料を交渉の場に出すこと」。この条件抜きの外部委託要求は,自分で自分の定員を差し出す行為になります。

(2) デジタル予算の「隙間」を突く人的リソースの獲得

デジタル関連予算の中に,事実上の「人的支援」を紛れ込ませる知恵を絞ってください。例えば,「法廷通訳フォローアップセミナー」(概算要求書記載)のように,研修やサポートの名目で予算を取り,そこに非常勤職員や外部業者の稼働を充てるのです。

「デジタル化で楽になるはずだが,過渡期の今は逆に負担が増えている。このギャップを埋めるための『運用支援委託費』を出せ」と迫るのです。
これは,彼らの「デジタル推進」というメンツを立てつつ,実質的な労働力を現場に引き込むための現実解の一つです。

(3) 外部の制度改革に増員要求を接続する

「大幅増員はもはや現実味がない」。ここまでそう述べてきました。しかし,歴史を見ると,そう言い切ることはできません。

最高裁判所事務総局で人事局長,事務次長,事務総長を務めた泉徳治氏は,『一歩前へ出る司法 泉徳治元最高裁判事に聞く』(日本評論社,2017年)で,増員交渉の実際を語っています。人事局長になった1990年は判事補の定員増ができず簡裁判事5人にとどまったこと,1997年と1998年に判事補定員20人増を実現したこと,そして2000年には司法制度改革審議会が発足していた影響もあって判事補70人の定員増が認められたこと。さらに,司法制度改革審議会の意見を受けて,2002年から2011年の10年間に,民事訴訟事件の適正かつ迅速な処理等のための増員と,裁判員裁判制度の導入に伴う態勢整備のための150人を含め,合計600人の定員増が実現したことが述べられています。

共通しているのは,増員が動いた局面には,例外なく外部の制度改革という推進力があったということです。「現場が忙しい」では動かなかったものが,「新しい制度を回すために必要だ」となると動く。これは,家裁調査官5人の増員が「改正家族法の円滑な施行に向けた検討・準備」を理由に認められたのと,まったく同じ構造です。

そして今,二つの制度改革が目前にあります。令和8年4月1日に施行される改正家族法と,令和8年5月21日に全面施行される民事訴訟手続のデジタル化です。共同親権をめぐる事件が家庭裁判所にどれだけ来るのか,オンライン提出が義務化された後に書記官事務がどう変わるのか。これらは,まだ誰も数字を持っていない領域です。

現場は,そこで最初に数字を持つことができる立場にいます。施行前後で何がどう変わったかを,庁ごと・部署ごとに記録し,交渉の場に出すこと。「忙しい」ではなく「この制度を回すのに,この庁ではこれだけの工数が増えた」という形にすること。増員が動いた過去の局面が示しているのは,これが最も確度の高い勝ち筋だということです。

なお,泉徳治氏は同書で級別定数についても述べています。「公務員には,級別定数という制度があります。級ごとに定数が定められております。職員を上の級に昇格させるためには,上の級のポストを増やさなくてはなりません」とした上で,「職員や職員組合の関心もここに向いており,大変なプレッシャーでした。私は,人事局付で約三年苦労したと言いましたが,一番苦労したのは,この級別定数獲得なんです」と振り返っています(同書214頁)。級別定数の獲得は,当局にとっても最大の難所なのです。ここは,敵味方が最も近づく場所でもあります。

2 「法的リスク」の顕在化による交渉力の強化

(1) 「忙しさ」ではなく「国家賠償請求リスク」を突きつけよ

「忙しい」という訴えは届きません。これからは言葉を変えてください。

主語を「我々」から「国民」に変えるのです。 「業務過多により職員が疲弊している」ではなく,「現状のリソース不足により,最高裁が国民に対して約束している『適正・迅速な裁判』という『司法サービスの品質維持基準(サービスレベル)』が崩壊しつつある」と警告するのです。
確かに「国家賠償請求」という言葉は強力ですが、あまりに攻撃的すぎると当局は防衛的になり,かえって口を閉ざします。
そうではなく,「現状のままでは、処理期間の延伸やミスの多発により、国民に約束した司法サービスとしてのスペック(品質)を満たせなくなるが、当局はそれを経営判断として容認するのか」と、経営責任を問う形に変えるのです。

ここで,法的な足場を正確にしておきましょう。職員の健康被害について国の責任を問う法的構成は,一般にイメージされる国家賠償法ではなく,国が公務員に対して負う安全配慮義務です。

最高裁判所第三小法廷昭和50年2月25日判決(昭和48年(オ)第383号・民集第29巻2号143頁)は,国が国家公務員に対し,公務遂行のための場所,施設若しくは器具等の設置管理又は遂行する公務の管理に当たって,国家公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負うと判示しました。裁判所職員も国家公務員ですから,最高裁判所は,自らの職員に対してこの義務を負う立場にあります。

彼らが真に恐れているのは,職員の健康そのものよりも,この義務の違反を問われることであり,さらに,事務処理の遅れやミスによる信頼の低下が,財政当局からの評価の低下を通じて次の予算に跳ね返ることでしょう。

だからこそ,抽象的な「健康不安」ではなく,具体的な事実を記録に残すことが効きます。ヒヤリハットの事例,法令上の上限との関係が問題になり得る長時間労働の実態,欠員が生じている部署で何が起きているか。これらを交渉記録という公的な文書に文字として残し続けることが,将来の責任判断の材料になります。

(2) 医師の意見書の最大活用と健康安全管理総括者への報告

裁判所には健康管理医が置かれています。交渉記録のPDF381ページで,全司法が「健康管理医をすべての職場に配置し,専門医によるメンタルヘルス・ケアなど,カウンセリング体制の充実をはかり,心の健康づくり対策を強化すること」を求めているのは,この制度を前提としたものです。

この健康管理医から,医学的な見地に基づく所見を書面で出してもらうことを考えてください。組合の要求は「意見」として処理できても,医師が書面で示した所見は,健康管理を所管する立場の者にとって無視しにくい材料になります。

提出先と場の設定も重要です。裁判所職員健康安全管理規程8条は「職員の健康管理及び安全管理に関し,アンケートの実施,懇談会の開催等により職員の意見を聞くことに努めるものとする」と定めており,各庁ではこれに基づいて健康管理懇談会が開催されています。当局自身が,この懇談会を「職員の健康管理において重要なもの」と位置づけ,「懇談会で出された意見等を各庁の健康管理施策に反映するよう,引き続き下級裁を指導していきたい」と回答しています(交渉記録のPDF119ページ・302ページ)。

したがって,健康管理医の所見と,ストレスチェックの集団分析結果と,超過勤務の実数とを,この懇談会の議題として正面から上げ,議事の記録を残すことです。当局が自ら「反映するよう指導する」と述べている以上,反映されなかったときには,その不作為自体を次の交渉の材料にできます。制度の外に新しい武器を求めるより,当局が自分で作った枠組みに実質を入れさせるほうが,逃げ道が少ないのです。

3 「等価交換」による業務削減の断行

(1) 「努力義務」を逆手に取った「やらないことリスト」の提示

交渉記録にある「努力したい」という言葉を信じて待っていてはいけません。これからは,「金も人も出せないなら,仕事を減らせ」という等価交換を迫ってください。
「本来の役割・職務に注力して」(交渉記録のPDF17ページ)という彼らの言葉を逆手に取るのです。「注力するために,不要な業務を廃止します」と宣言し,デジタル化で代替できない,かつ法的義務のない付随業務――例えば,形骸化した内部統計の報告,儀礼的な調整会議,紙とデータの二重管理など――の「即時廃止リスト」を突きつけてください。
「仕事は減らさないが,人も増やさない」という現状維持は不可能であることを,業務の「断捨離」リストを通じて可視化するのです。

これは「サボタージュ」ではありません。限られたリソースを最適配分するための「経営判断」を,現場から突き上げるのです。
「定員削減を受け入れる代わりに,業務も削減させる」。この等価交換(バーター取引)こそが,唯一の対抗策です。

(2) 付随的業務の即時廃棄とバーター取引

「増員がゼロ回答なら,我々はこの業務をやめます」というバーター条件を提示するのです。もちろん,スト権のない公務員が職務放棄することはできませんが,「優先順位の低い業務の先送り」や「サービス残業の拒否による業務の停滞」は,管理者にとって強烈なプレッシャーとなります。
事務総局が最も嫌がるのは,「現場が回らなくなること」です。彼らが定員削減を押し付けるなら,現場は「サービスの質(スピードや丁寧さ)の低下」で対抗するしかありません。「資源が足りないのだから,処理が遅れるのは当然である」という開き直りを,組織として共有する覚悟が必要です。

第4 結論:幻想を捨てて戦略的に対峙せよ

あなたは,どこかで「事務総局も同じ裁判所の仲間だ」「話せば分かる」と思っていませんか?その甘さを捨ててください。彼らは,あなた方の敵ではありませんが,味方でもありません。彼らは「国家の予算と定員を管理し,組織を延命させるためのマシーン」です。
彼らは,国会には数字を出しつつ「体制は保たれている」と述べ,財政当局には「効率化する」と説明し,そのしわ寄せを現場の「運用」という名の努力で埋め合わせています。
彼らもまた,財政当局という巨大な壁の前で,論理の枯渇に苦しんでいます。だからこそ,感情論ではなく,彼らの論理(予算制度,効率化,リスク管理)を利用した「交渉」が必要なのです。
「言っても無駄」と諦めてはいけません。交渉記録に「現場の実態(超過勤務の実数,システムの不具合,メンタル不調)」を文字として残し続けることこそが,将来的に彼らが責任を問われる際の「証拠」となり,彼らが最も恐れる「リスク」となるからです。

そして,忘れてはならないことが二つあります。
一つは,裁判所には財政法上の二重予算権があるということです。それは行使できる制度として現に存在し,昭和27年度には実際に発動されました。にもかかわらず,令和6年度の交渉記録622ページには,この語が一度も出てきません。「財務省を説得する材料がない」という説明は,切り札を抜かないという判断とセットで語られるべきものです。
もう一つは,増員が動いた局面には常に外部の制度改革があったということです。令和8年4月の改正家族法施行と,同年5月の民事訴訟手続のデジタル化の全面施行が目前にあります。その前後で現場に何が起きるかを最初に数字にできるのは,現場にいる人たちだけです。

「最高裁は,人件費という財布を簡単には開かない。しかし,物件費という財布と,リスク管理という理屈と,二重予算という制度は,まだ開かれていない」。
この冷厳な現実を直視し,提供された資料(予算書)という「武器」を手に取ってください。そこに書かれている数字は,彼らが財務省と結んだ「契約書」そのものです。

その数字の裏にある「弱点(定員削減の約束と現場実態の乖離)」を突き,彼らが逃げられない論理で「取引」を持ちかけること。
「被害者意識」を捨て,組織のリソースを管理する「経営者」の視座を持ってください。

「木を見て森を見ず」の状態から脱却し,組織全体のリソース配分(スクラップ・アンド・ビルド)を自ら提案するのです。
現場の実情を知るあなた方だからこそ,「どこに人が余っており(例えば減少する少年事件),どこに足りないのか。」を冷静に分析し,痛みを伴う配置転換も含めた対案を示すことができます。
これまでの「お願い(陳情)」を止め,組織の生存をかけた「ビジネスライクな交渉」へと脱皮すること。
それが,財政当局という巨大な壁を前に立ちすくむ事務総局を動かし,ひいてはこの閉塞した状況を打破し,組合員を守るための唯一の道なのです。

第5 出典

法令
財政法17条,18条,19条,33条/予算決算及び会計令11条の2/裁判所職員定員法/裁判所職員臨時措置法/一般職の職員の給与に関する法律8条,22条/国家公務員法98条,108条の2,108条の5/人事院規則10―4(職員の保健及び安全保持)

裁判例
最高裁判所第三小法廷昭和50年2月25日判決(昭和48年(オ)第383号・民集第29巻2号143頁)=裁判所ウェブサイト

国会会議録
衆議院法務委員会令和6年3月15日
衆議院法務委員会令和7年3月14日
参議院法務委員会昭和62年3月26日
参議院法務委員会昭和62年8月27日
参議院法務委員会平成21年3月24日
参議院法務委員会平成26年3月27日

行政機関等の資料
法務省「民事訴訟法等の一部を改正する法律について」
法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」
最高裁判所事務総局「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第11回)」(令和7年7月)

文献
泉徳治ほか『一歩前へ出る司法 泉徳治元最高裁判事に聞く』(日本評論社,2017年)
Imamura Kほか「Effect of the National Stress Check Program on mental health among workers in Japan」(Journal of Occupational Health2018年60巻4号298頁)=PMC

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この記事は,公開資料及び情報公開請求で得た資料から最高裁判所事務総局の「本音」を読み解くシリーズの一本です。扱う資料と論点がそれぞれ違いますので,あわせて参照してください。

(AI作成)全司法労働組合の全国統一要求書に対する最高裁判所事務総局の本音――2020年以降の全国統一要求書の推移を素材に,交渉が形骸化する構造を扱っています。令和8年1月の最高裁判所長官「新年のことば」の読み方も,この記事で扱っています。
(AI作成)裁判官以外の裁判所職員の級別定数に関する最高裁判所事務総局の本音の説明――情報公開請求で得た級別定数表・昇格発令数・年齢構成を素材に,本記事の第2の1で扱った級別定数の問題を数値で掘り下げています。
(AI作成)デジタル化された民事裁判手続における本人サポートに関する最高裁判所事務総局の本音――本記事の第2の2で扱ったデジタル化について,本人サポートの負担が誰に割り振られるのかを扱っています。
(AI作成)最高裁人事局総務課長交渉の回答分析――人事局総務課長交渉の回答文書そのものの構造と読み方を扱っています。