修習資金貸与金の返還状況

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目次
1 最高裁判所の徴収簿総括表
2 修習資金貸与金の返還状況
3 修習資金貸与金の繰上返還
4 修習資金利用者に対する請求書の誤送付,及びプライバシー権に関する最高裁判例
5 修習資金貸与契約等の約定内容
6 関連記事その他

1 最高裁判所の徴収簿総括表
   修習資金貸与金の返還状況が分かる最高裁判所の徴収簿総括表のうち,以下のものを掲載しています。
・ 令和 3年5月分
・ 令和 2年5月分
・ 令和 元年5月分
・ 平成30年5月分
・ 平成29年5月分
・ 平成25年5月分~平成28年11月分

2 修習資金貸与金の返還状況
(1) 最高裁判所の徴収簿総括表によれば,修習資金貸与金の返還状況は以下のとおりです。
令和 2年度返還分:15億7420万   3円
令和 元年度返還分:11億5605万5061円
平成30年度返還分: 5億9032万4479円
平成29年度返還分:   7032万8000円
平成28年度返還分:   2851万6000円
平成27年度返還分:   4013万1000円
平成26年度返還分:   2619万2000円
平成25年度返還分:   1115万7000円
平成24年度返還分:    322万    円
(2) 新65期司法修習生であった人の修習資金貸与金の返還が開始したのは平成30年7月25日でした(「新65期の場合,平成30年7月25日から修習資金の返還が開始すること」参照)。
   そのため,それ以前の返還分は繰上返還ということになります。

3 修習資金貸与金の繰上返還
   修習資金貸与金については繰上返還をすることができます(司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則7条ただし書)ところ,具体的には以下のとおりです(修習資金貸与要綱19条1項各号)。
① 返還すべき修習資金の残額を一括して返還する方法
② 複数年分の年賦金を一時に納付する方法
③ 納付期限が到来していない年賦金のうち,1年分の年賦金を納付する方法

4 修習資金利用者に対する請求書の誤送付,及びプライバシー権に関する最高裁判例
(1) 裁判所HPの「修習資金の返還に関する納入告知書の誤送付について」に以下の記載があります。
   司法修習期間中に修習資金の貸与を受けていた方(以下「被貸与者の方」といいます。)のうち,その返還期を迎えた方(修習期65期から68期)に対して,先般納入告知書を送付しましたが,そのうち一部の方(862名)については,事務手続上の誤りにより,現在お住まいの住所等ではなく,以前届け出て頂いていた住所等に発送したことが判明しました。
(2)ア 大学が講演会の主催者として学生から参加者を募る際に収集した参加申込者の学籍番号,氏名,住所及び電話番号に係る情報は,参加申込者のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となります(最高裁平成15年9月12日判決)。
イ 通信教育等を目的とする会社が管理している未成年者の氏名,性別,生年月日,郵便番号,住所及び電話番号並びに保護者の氏名は,プライバシーに係る法的保護の対象となります(最高裁平成29年10月23日判決)。

5 修習資金貸与契約等の約定内容
・ 66期司法修習生に対する求償金請求を認容した東京地裁令和2年11月17日判決(判例秘書に掲載)によれば,当該事案における修習資金貸与契約及び保証委託契約の約定内容は以下のとおりです。
 契約名:修習資金貸与契約/保証委託契約
     契約番号:○○○○-○○○○-○○○○-○○○○
      契約日:平成24年10月10日ころ
     貸与期間:13ヶ月(別紙司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則第2条参照)
  本件貸与金の額:金25万5000円/一貸与単位期間(甲1および4、別紙司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則第2条1項参照)
  本件貸与金総額:金331万5000円(甲4)
     支払方法: 修習期間の終了した月の翌月から起算して5年を経過した後10年以内の毎年7月25日(甲4、別紙司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則第7条、別紙修習資金貸与要綱第16条1項)
  期限の利益喪失: 被告が正当な理由なくして本件貸与金を返還すべき日までにこれを返還しなかったとき(別紙司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則第8条1項1号、別紙修習資金貸与要綱第21条)
保証人に対する請求: 訴外最高裁の歳入徴収官は、被告が本件貸与金の返還を遅滞した場合、原告に対し、保証債務の履行を請求する(別紙修習資金貸与要綱第27条)
  保証債務の履行: 原告が訴外最高裁から保証債務の履行を求められた場合、原告は被告に何ら通知することなく、保証債務を履行することができる(甲3・第9条1項)
   求償権の範囲: 被告は、原告が訴外最高裁に対して保証債務を履行した場合、原告の支払額及び求償に要した費用を、直ちに原告の指定する方法により支払う。また、原告の保証債務の履行日の翌日から支払い完了日まで年6.0%の割合による金員を支払う(甲3・第10条1項2項)

6 関連記事
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