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死刑執行に反対する日弁連の会長声明等――年表・基本方針・政府見解(AI作成)

第1 2026年8月21日の執行と,時点を付けて読む必要性

日弁連は,2026年8月21日,大阪拘置所で1人の死刑が執行されたことに対し,会長声明を公表し,死刑廃止の立法と,結論までのすべての執行停止を求めた。2024年11月の懇話会報告書の公表後には,2025年6月27日と2026年8月21日に執行があった。2026年声明、2025年6月27日の法務大臣会見・同日の会長声明

2025年の会見で示された執行後の死刑確定者105人,再審請求中49人という数字は,同年6月27日の説明であり,現在人数として更新せずに使い続けるべきではない。大臣の方針説明と,調査の正確な集計値も区別する必要がある。

日弁連は生命権,誤判,改善更生,国際的動向等を重視して廃止を求めている。一方,政府は重大犯罪の状況,国民の支持,刑事司法への信頼等を踏まえて存置する立場を示している。両者の主張を記録する年表と,個々の主張の事実上・法的な当否の検討は分けて読む。

2016年10月7日の福井宣言後から2026年8月21日までの執行人数は,公表資料を組み合わせると29人となる。2017年から2025年の法務省年次統計の合計27人に,宣言後の2016年11月11日1人と,2026年8月21日1人を加えた集計である。2016年3月の2人は宣言前なので含めない。2016年の大阪弁護士会声明、同年の東京弁護士会声明

集計対象執行人数
2016年10月7日後の2016年分1
2017年4
2018年15
2019年3
2020年0
2021年3
2022年1
2023年0
2024年0
2025年1
2026年8月21日までの同年分1
合計29

2016年から2025年の実執行の年次値は,矯正統計表16の2020年版(2016~2020年の欄)と2025年版(2021~2025年の欄)で確認した。2020年矯正統計の原表、2025年矯正統計の原表。検察統計表65の執行指揮人数も照合したが,執行指揮と実際の執行は別の指標であり,同一視しない。宣言前後の切分けと2026年分は当日の執行を記録した弁護士会・日弁連の声明で確認した。これは複数の公表資料による再計算であり,法務省の一つの資料が29人と公表したという意味ではない。基準日後の執行を含む現在の累計として,無条件に引用しない。

第2 死刑執行に対する日弁連会長声明等の年表

1 令和元年以降

令和元年12月の声明まで,平成28年人権擁護大会宣言が掲げた「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」との期限が表題に現れていたが,令和3年以降の声明は,廃止のための立法措置と,廃止までの全ての執行停止を直接求める表現となっている。

2 平成24年から平成30年まで

平成23年の人権擁護大会宣言を受け,平成24年から平成27年までの表題は,執行停止に加えて死刑廃止についての「全社会的議論」を求めるものとなった。平成28年10月の人権擁護大会宣言後は,「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」との具体的な目標が表題に加わった。

3 平成16年から平成22年まで

4 平成5年から平成15年まで

上記は,日弁連ウェブサイトの公開アーカイブから本文を確認できた文書の一覧である。特定の年月又は会長在任期間に項目がないことは,声明が出されなかったことの証明ではない。

第3 日弁連の方針が形成された経緯

1 2002年の提言と2004年の決議

日弁連は,2002年11月22日の提言で,一定期間の死刑執行停止を時限立法として定める法律,死刑制度をめぐる議論及び代替する最高刑の検討等を求めた。2004年10月8日の人権擁護大会決議では,死刑執行停止法の制定,制度に関する情報公開及び衆参両院への死刑問題調査会の設置を求めた。

この段階の執行停止・調査・国民的議論の要求と,後の廃止方針を,同じ内容の決定として扱うべきではない。継続した問題意識と,方針が具体化した時期を分ける必要がある。

2 2011年の宣言と,特別な手続保障の要求

2011年10月7日の高松での人権擁護大会宣言は,罪を犯した人の社会復帰の確保という視点から,死刑制度について全社会的議論を直ちに開始すること,その間の執行停止,情報公開等を求めた。犯行時20歳未満への死刑を廃止する要求は,当時の日弁連の提案であり,現行少年法の死刑に関する年齢区分と同一ではない。

死刑判断の全員一致,自動上訴,検察官の上訴の禁止,捜査・公判・再審・執行段階を通じた弁護・防御の保障及び死刑確定者の処遇なども,改革を求める論点として区別して読む必要がある。現在すべて実現している制度という説明にはしない。

3 2016年の福井宣言と2017年の実現本部

2016年10月7日の福井での人権擁護大会では,「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し,2020年までの死刑廃止を目指す方針を示した。2020年という目標と,現在実現している法律の状態は異なる。

代替刑として,仮釈放の可能性のない終身刑,又は仮釈放可能時期を20年・25年等へ延ばす重無期刑の導入を検討し,服役後の事情に応じた裁判所等の判断による無期刑への減刑や,恩赦等による刑の変更の可能性にも言及した。2017年6月には,死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部を設置した。その後も,代替刑の制度設計の提言や,市民に向けて死刑を多角的に考えるシンポジウム等の取組が続けられている。2018年のシンポジウムの共催大学による案内

4 2019年の基本方針と2022年の制度設計

2019年10月15日の基本方針は,法令上の死刑を廃止し,現在の死刑確定者及び将来死刑を科され得る人に代替刑を設ける考え方を示した。例外的な減刑手続の具体的内容を,今後の主な検討事項とする方針も示している。例外的な減刑の余地を持つ終身刑を,単に「無期刑と同じ」と理解すべきではない。

2022年11月15日の「死刑制度の廃止に伴う代替刑の制度設計に関する提言」は,通常の仮釈放を認めない終身拘禁刑と,顕著な改悛の情その他の事情に基づく裁判所による例外的減刑を提案した。特別な減刑手続を新たな法律で創設する構想である。

15年又は20年という期間は,特別減刑を申し立てるために必要な期間の二案であり,いずれかに確定したものではない。
期間の経過だけで減刑又は釈放が認められるという提案ではない。
提言は現行法そのものではない。
申立て,裁判所の審理,減刑後の仮釈放の違いは,日弁連の死刑代替刑案とは―終身拘禁刑・特別減刑・仮釈放の違いで説明している。

2022年提言の案内・原文

5 2024年の懇話会と11月14日の会長声明

「日本の死刑制度について考える懇話会」は,2024年2月29日に発足し,同年11月13日まで12回の会議を開いた。委員は16人で,所属組織の代表ではなく個人として参加し,委員の報告を含む25人からの意見聴取を行った。日弁連が事務局と経費を担うことも運営の申合せに明記されている。報告書と資料編

全員一致の提言は,現状の制度と運用をそのままにせず,国会及び内閣の下に公的な会議体を設け,情報公開と国民の意見聴取を行い,法律の在り方について具体的に検討するというものである。検討期間中の執行停止立法又は事実上の差控えの是非も検討対象に含むが,死刑廃止そのものや直ちに停止することが,全委員一致の結論となったわけではない。

日弁連の2024年11月14日会長声明は,この提言に賛意を示した上で,1年ないし2年といった短期間の集中的検討と,死刑廃止に向けた立法措置を求め,結論までの執行停止も要求した。これは懇話会の合意の説明に加え,廃止を目指す日弁連自身の要求を示した声明である。会長声明

2026年10月28日時点では,2024年11月13日の公表から2年はまだ経過していない。資料の作成予定日と現在の経過期間を混同してはならない。

6 袴田事件と,5件の死刑再審無罪

免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件に続き,袴田事件では2024年9月26日に再審無罪判決があり,10月9日に確定した。1966年6月30日未明の静岡県清水市で,一家4人が殺害され,売上金等の入った布袋が奪われ,家屋が放火された事件をめぐるものである。袴田氏が犯人であると説明するものではない。1980年12月12日の死刑確定から,無罪判決まで約44年を要した。静岡県警察・検証資料、最高検察庁・検証結果報告書の事案概要

これらは,死刑執行後に無罪となった5件という意味ではない。事件の存在は重大な誤判の危険を示すが,5件だけから現在の全事件の誤判率を算出することはできない。また,誤判防止は犯人性だけでなく,責任能力,役割,計画性,有利な量刑事情の見落とし等を含めて検討する必要がある。

7 被害者支援と刑罰理論も別に検討する

日弁連は2017年10月6日の人権擁護大会決議で,犯罪被害者の権利保障と支援の充実を求め,一元的な支援を提供する犯罪被害者庁の創設に向けて議論を深める方針も示した。2023年3月16日には「犯罪被害者等補償法制定を求める意見書」を公表した。同意見書の立替払等の要求は,現在日本で損害賠償の全額が自動的に国から支払われるという制度説明ではない。2017年決議、警察庁掲載の2023年意見書原文

死刑への賛否を問わず支援を行うことと,刑罰の根拠を応報・予防・社会秩序・改善更生のどこに求めるかは,区別して論じる必要がある。2025年6月1日の拘禁刑導入と死刑との理念上の関係も政策論であり,導入によって死刑の規定が失効したわけではない。

懇話会が示した国際社会,誤判,被害者,刑罰理論,抑止力,執行,情報公開・世論という7つの視点と,存置・廃止双方の強い主張は,死刑制度の賛成論・反対論で比較する。

8 弁護士の使命と,組織の方針・個人の見解

弁護士法1条1項は,基本的人権の擁護と社会正義の実現を弁護士の使命とし,2項は,その使命に基づく誠実な職務,社会秩序の維持及び法律制度の改善への努力を定める。日弁連が制度の見直しを求める際の法的・規範的な出発点となる条文である。弁護士法

ただし,その使命から具体的な死刑廃止方針だけが論理的に一義的に導かれるかは別の問題である。
日弁連が死刑廃止を求めていることは,弁護士全員が個人として廃止に賛成していることを意味しない。

奈良弁護士会の2021年11月5日付け「死刑制度に関する意見書」は,存置を主張する日弁連会員から2016年の福井宣言に強い批判が寄せられたことを明記している。
これは当時の異論の存在を示す一次資料であり,現在の全会員の賛否割合を示す調査ではない。
組織が公表した方針,会員個人の意見,資料が確認した時点を分けて読む必要がある。
奈良弁護士会意見書・第1

9 死刑求刑の可能性がある事件の弁護体制

日弁連は,令和7年10月15日の意見書で,死刑求刑の可能性がある事件について,被疑者段階及び被告人段階を通じ,私選・国選を合わせて4人以上の弁護人を選任できる制度と運用を求めた。誤判防止と量刑審理の充実という観点から,死刑制度の存廃だけでなく,制度が存続する間の弁護の質と人的体制も独立の課題として扱った文書である。

第4 現行法上の死刑執行手続と政府見解

1 刑法及び刑事訴訟法の定め

死刑執行の命令,期間,停止をめぐる制度の説明は,刑事事件の裁判の執行の第3を参照されたい。
本稿では,執行に対する日弁連の声明と,次の3で扱う政府見解との関係を中心に整理する。

法務省は,475条2項の6か月を訓示規定と解しており,期間経過によって執行できなくなるとはしていない。また,再審請求中であること自体は執行の法律上の停止事由ではないとするのが政府の立場である。もっとも,同条は再審手続に要した期間を6か月の計算から除外しており,再審請求中の執行をめぐっては,誤判救済の実効性と執行権限の関係が争われている。

2 執行場所,立会い及び休日

刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律178条から179条は,刑事施設内の刑場で執行すること,土曜日,日曜日,祝日及び年末年始の一定日には執行しないこと並びに死亡後5分を経過してから絞縄を解くことを定める。刑事訴訟法477条及び478条は,検察官等の立会いと執行始末書の作成を定めている。

これらの法令には,死刑確定者本人への執行告知時期を直接定める規定がない。現在の同日告知運用の適法性は別の問題であり,法定の執行方法や休日規制と混同すべきではない。

3 令和7年執行後の数値と政府の立場

令和7年6月27日の法務大臣会見は,同日の執行後に死刑確定者が105人,再審請求中の者が49人であると説明した。また,平成27年から令和6年までに執行された者について,死刑確定から執行までの平均期間を約9年6か月としている。6か月という条文上の期間と実際の執行までの期間は,同じ意味の数値ではない。

同会見で法務大臣は,凶悪犯罪が後を絶たず,死刑を科すこともやむを得ないとの国民世論が多数であることを理由に,死刑廃止は適当でないとの政府見解を示した。他国の制度や国際機関の意見は考慮すべきであるが,制度の存廃は各国が独自に判断すべきであるとの立場である。

第5 死刑制度に関する主要裁判例と近時の争点

1 死刑の合憲性と死刑選択の考慮要素

最高裁昭和23年3月12日大法廷判決(昭和22年(れ)第119号,刑集2巻3号191頁)は,死刑そのものは憲法36条の「残虐な刑罰」に当たらないとした。他方,同判決は,死刑を冷厳な刑罰と位置付け,執行方法等が時代と環境によって残虐と評価される余地まで否定したものではない。

最高裁昭和58年7月8日第二小法廷判決(昭和56年(あ)第1505号,刑集37巻6号609頁)は,死刑選択に当たり,犯罪の性質,動機,態様,結果の重大性,遺族の被害感情,社会的影響,犯人の年齢,前科及び犯行後の情状等を総合考慮し,罪責が極めて重大で極刑もやむを得ない場合には死刑選択が許されるとした。一般に「永山基準」と呼ばれるが,機械的な点数表ではなく,個別事情を総合評価する枠組みである。

2 裁判員裁判の死刑判決を破棄した控訴審の審査

最高裁平成27年2月3日第二小法廷決定・平成25年(あ)第1127号と同日第二小法廷決定・平成25年(あ)第1729号は,いずれも裁判員裁判の死刑判決を破棄して無期懲役とした控訴審判決を是認した。両決定は,死刑の慎重な適用と公平性の確保のため,先例の集積から考慮要素とその重み・根拠を検討し,死刑を選択する具体的かつ説得的な根拠を示す必要があるとした。

両事件は同じ裁判年月日の別事件であり,事件番号とリンクを取り違えてはならない。また,いずれも「判決」ではなく「決定」である。裁判員裁判であることだけで従来の量刑傾向から独立した死刑選択が許されるとしたものでも,過去の事例との形式的な一致を要求したものでもない。

3 同日告知,再審請求中の執行及び絞首刑をめぐる訴訟

大阪高裁令和7年3月17日判決(令和6年(行コ)第69号)は,死刑執行の告知と同日に執行されることについて受忍義務がないとの確認請求を不適法として却下した第一審判決の一部を取り消し,大阪地裁へ差し戻した。同日告知の適法性について実体判断を示した判決ではなく,確認訴訟の適法性を認めて審理を続けさせた判決である。

大阪地裁令和7年5月14日判決(令和2年(ワ)第12340号)は,再審請求中に死刑が執行された事件の再審弁護人らによる国家賠償請求を棄却した。この判決は,現行法上,再審請求中であることから直ちに執行禁止の職務上の法的義務が生じるとは認めなかったが,再審請求の実効性をどの制度で確保すべきかという立法政策上の問題まで解消したものではない。

大阪地裁令和8年1月16日判決(令和4年(行ウ)第169号)は,絞首刑による執行差止めと受忍義務不存在確認の訴えを却下し,国家賠償請求を棄却した。医学的主張を含む争点が提出された事件であるが,判決の結論は,絞首刑を廃止又は無効とするものではない。

4 令和8年再審法改正との関係

刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和8年法律第67号)は,令和8年7月17日に成立し,同月24日に公布された。再審請求審における証拠提出命令,裁判官の除斥,審理手続及び再審開始決定に対する検察官の不服申立て等について規定を整備し,主要部分は公布から1年以内の政令指定日に施行される。

この改正は誤判救済手続を具体化したが,再審請求があれば死刑執行を当然に停止する制度を設けたものではない。日弁連は,同法成立時の会長声明で,改正の意義を認めつつ,なお残る課題を指摘している。

第6 無期拘禁刑,仮釈放及び代替刑

1 現行の無期拘禁刑には仮釈放の可能性があること

刑法28条は,無期拘禁刑について,刑の執行開始後10年を経過し,改悛の状があるときに行政官庁の処分で仮釈放できると定める。10年は法的に審査対象となり得る最短期間であり,10年で仮釈放されることを意味しない。

無期刑受刑者の人数,仮釈放,在所期間及び施設内死亡者の年次統計は,常時恩赦等の件数及び無期刑受刑者の仮釈放を参照されたい。
仮釈放の手続と運用は,仮釈放の手続,許可基準及び最新統計で確認できる。
日弁連の代替刑提言は制度改正の提案であり,現行の無期刑の運用統計とは資料の性質が異なる。

2 マル特無期と仮釈放のない終身刑

いわゆる「マル特無期」は,検察官が特に慎重な仮釈放審理を求める運用上の区分であり,法律上の仮釈放のない終身刑ではない。詳細は,マル特無期事件と無期刑受刑者の仮釈放に記載している。

日弁連の平成28年宣言と令和元年基本方針は,仮釈放のない終身刑又は仮釈放開始期間を長期化した無期刑を検討対象としたが,令和4年提言は,終身拘禁刑を導入する場合にも,裁判所による特別の減刑手続を設ける構想を示した。代替刑を論じる際には,現行無期刑,運用上のマル特無期,絶対的終身刑及び司法的な減刑可能性を持つ終身拘禁刑を区別すべきである。

第7 令和6年度の死刑制度に関する世論調査

1 調査結果

内閣府「基本的法制度に関する世論調査(令和6年10月調査)」では,全1,815人のうち,死刑もやむを得ないとの回答が83.1%,廃止すべきとの回答が16.5%であった。
将来の廃止可能性を尋ねた設問は存置回答者のみを対象とするため,回答者全体の割合と混同しないことが必要である。
質問文,回答対象,理由及び終身刑を仮定した回答は,死刑制度の世論調査をどう読むかに整理した。

2 過去調査と単純比較できないこと

令和6年10月調査は郵送法であり,令和元年11月調査までの面接聴取法による結果とは単純比較を行わないとされている。
日弁連の政策的主張,政府見解及び世論調査の結果は,発言主体と資料の性質を分けて読む必要がある。

第8 国際比較は分類と基準年をそろえる

アムネスティの2025年末の分類では,全面廃止113,通常犯罪についての廃止9,事実上の廃止23,存置54で,対象は計199か国・地域である。前三者の145を,すべて法律上の全面廃止国と呼ぶことはできない。日本政府が承認する国を基にした196や国連加盟国193を分母にして,同じ145だけを流用することも避けるべきである。同年報告書・同年の集計説明

OECDについては,通常犯罪に死刑を残す国と,例外犯罪にのみ残す国を区別する。ロシアの執行停止は全面的な法律上の廃止と同じではなく,米国は州法と連邦法を分ける。2021年の米連邦の執行停止は2025年に解除されており,2024年の報告書の記述を現在の状態として引用してはならない。

国連総会は,2024年12月17日に決議79/179を採択した。2007年以降の同系列の第10回で,賛成130,反対32,棄権22であった。執行停止を求める総会決議,条約上の義務,条約機関の勧告,国内法の効力は区別して論じる。決議原文

自由権規約委員会では1993年,1998年,2008年,2014年,2022年に,拷問禁止委員会では2007年,2013年に,死刑の廃止・見直しや執行・手続等に関する勧告がある。ただし,廃止に向けた措置,当面の最重大犯罪への限定,執行停止の検討など文言は同一ではない。1993年原文・仏語版18段落、外務省・自由権規約の審査資料・2022年総括所見原文、2007年拷問禁止委員会の所見、2013年同所見

普遍的定期審査(UPR)では,2008年,2012年,2017年,2023年の対日審査で,各国による停止・廃止等の勧告が報告書に記録された。審査年と人権理事会での正式採択年は異なる場合があり,2012年審査は2013年,2017年審査は2018年の正式採択である。日本がすべての勧告を受け入れたという意味でもない。各国の勧告を,すべて同一の法的拘束力のある命令に置き換えない。外務省・UPRの概要と審査資料

各国の区分,米国の州,レバノンの議会可決と発効の違いは,死刑制度がある国・ない国を,司法協力への影響,国益,主権と人権の関係についての賛否は,賛成論・反対論の比較を参照されたい。

第9 関連記事

日弁連会長の選出過程と所属事務所については,日弁連会長の所属弁護士会及び法律事務所に記載している。刑事施設の仮釈放運用については,マル特無期事件と無期刑受刑者の仮釈放のほか,死刑又は無期刑の確定者に対する恩赦及び恩赦の種類別件数が関連する。

第10 出典・参考資料

1 法令

2 裁判例

3 公文書・ウェブ資料

4 文献

  • ①井田良『死刑制度と刑罰理論』岩波書店,令和4年,16頁~57頁・119頁~129頁・191頁~228頁
  • ②武内謙治・本庄武『刑事政策学』日本評論社,令和元年,99頁~105頁・268頁
  • ③太田達也『仮釈放の理論』慶應義塾大学出版会,平成29年,67頁~82頁・132頁~133頁・320頁~322頁
  • ④林眞琴ほか『逐条解説 刑事収容施設法〔第3版〕』有斐閣,平成29年,120頁~121頁・943頁~946頁