目次
1 令和への改元に関する閣議書及び内閣府決裁文書
2 新元号に関する公式説明及び元号法
3 天皇の退位関係のメモ書き
4 元号に関する内閣法制局長官の答弁
5 関連記事その他
1 令和への改元に関する閣議書及び内閣府決裁文書
(閣議書)
① 平成31年4月1日付の閣議書(元号を改める政令)
② 平成31年4月1日付の閣議書(元号の読み方に関する内閣告示)
③ 平成31年4月1日付の閣議書(改元に際しての内閣総理大臣談話)
(閣議請議書)
④ 改元に際しての内閣総理大臣談話について(平成31年4月1日付の閣議請議書)
(内閣府決裁文書)
⑤ 改元に際しての内閣総理大臣談話について(平成31年4月1日付の内閣府決裁文書)
2 新元号に関する公式説明及び元号法
(1) 首相官邸HPに「新元号の選定について」(令和元年5月23日付)が載っています。
(2) 参議院議員小西洋之君提出元号を「令和」と改める政令の閣議決定及び公布に関する質問に対する答弁書(平成31年4月23日付)には以下の記載があります。
御指摘の「記者会見」で安倍内閣総理大臣が述べたとおり、新元号については、閣議決定を行った後に、宮内庁を通じていずれも速やかに天皇陛下及び皇太子殿下に伝えられたものである。
また、天皇陛下による元号を改める政令の公布文への署名及び御指摘の「菅官房長官による新元号「令和」の発表」は、御指摘の「お伝え」の後、並行して行われたものである。
(3) 元号法(昭和54年6月12日法律第43号)は以下のとおりです。
1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。
3 天皇の退位関係のメモ書き
(1) 「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成28年8月8日)を考慮して制定された,天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年6月16日法律第63号)に基づき,平成31年(2019年)4月30日,天皇が退位しました(首相官邸HPの「天皇の退位等に関する皇室典範特例法について」参照)。
そのため,2019年12月23日は天皇誕生日ではありません。
(2) 天皇の退位日が事実上決定したのは,平成29年12月1日開催の皇室会議においてでした(天皇の退位等に関する皇室典範特例法附則1条2項。なお,宮内庁HPの「皇室会議」参照)。
(3) 次期天皇となる予定の皇太子徳仁(なるひと)親王の生年月日は昭和35年2月23日ですから,国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)の改正により,2020年以降,2月23日が天皇誕生日となります。
(4) 国立国会図書館HPの「調査と情報」に,「天皇の退位をめぐる主な議論」(平成29年2月23日発行の943号)が載っています。
(5) 国立国会図書館HPのレファレンス平成30年5月号に「旧皇室典範における男系男子による皇位継承制と永年皇族制の確立」が載っています。
4 元号に関する内閣法制局長官の答弁
(1) 真田秀夫内閣法制局長官は,昭和54年4月20日の衆議院内閣委員会において以下の答弁をしています。
旧憲法のもとにおける元号と、現在事実上の慣習として行われており、かつ今度の法案が成立すれば、その法律の基礎のもとに行われるであろう元号制度とは、紀年方法の一種であるという役割りは全く同じなんですが、その性格は非常に違う。それは制定権者が違う。旧憲法下の元号制度は主権天皇という制度と不可分の関係にあったものでありますし、今度の新しい元号は国会、つまり国民がつくるものであって、きのうですか、中川委員が天皇元号か、内閣元号か、国民元号かという表現でおっしゃいましたが、まことに非常に当を得た表現であると私も思った次第でございます。
(2) 工藤敦夫内閣法制局長官は,平成2年5月24日の参議院内閣委員会において以下の答弁をしています。
登極令(注:「とうきょくれい」と読みます。)の規定につきまして逐条網羅的に検討をしているわけではございませんので、すべての規定について申し上げるのは困難ではございますけれども、例えば登極令の中の二条、三条といったところに元号の規定がございます。天皇が元号を改めるというふうなところでございますけれども、御承知のとおり新憲法下久しくいわゆる昭和という元号が事実上のものとして使われ、その後元号法が制定されたというところから見ましても、憲法の趣旨と相入れないものとして考えられていたというふうに思いますし、あるいは大嘗祭を国の儀式として行うという部分につきましても、新皇室典範におきましてその部分を取り入れなかったというふうなことでございます。そういう意味で、今のような規定が問題になると申しますか、新憲法下におきます検討としてはあるのではなかろうか、かように考えております。
5 関連記事その他
(1)ア 明治憲法下では,元号は皇室典範(明治22年2月11日制定)12条並びに登極令(明治42年2月11日皇室令第1号)2条及び3条に基づいて定められていました。
イ 国立公文書館が運営している公文書にみる日本のあゆみHPの「元号建定ノ詔書案」に,昭和に改元した際の閣議書(1926年12月25日付)が載っています。
(2) 司法書士内藤卓のLEGAL BLOGに,「改元に伴う登記事務等の取扱いについて(通達)」(昭和64年1月7日付け法務省民一第19号法務省民事局長通達)が載っています。
(3) 首相官邸HPの「皇室典範に関する有識者会議」に,女性天皇及び女系の天皇を認めるべきとする平成17年11月24日付の報告書が載っています。
(4) 国立国会図書館HPに以下の記事が載っています。
① 旧皇室典範における男系男子による皇位継承制と永世皇族制の確立(平成30年5月20日付)
② 改元をめぐる制度と歴史(短報)(平成30年8月20日付)
(5) 昭和54年4月13日の衆議院内閣委員会の議事録に,元号法案に対する林修三 元内閣法制局長官の賛成意見が載っています。
(6)ア 以下の閣議書を掲載しています。
① 平成31年4月19日付の閣議書(退位礼正殿の儀を国の儀式として行うことについて)
② 令和元年5月1日付の閣議書(剣璽等承継の儀を国の儀式として行うことについて)
③ 令和元年5月1日付の閣議書(即位後朝見の儀を国の儀式として行うことについて)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 閣議
・ 元号の改定に伴う訟廷事務及び執行官事務の取扱い
・ 天皇の生前退位に関する国会答弁
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
・ 最高裁判所判事任命の閣議書
・ 高等裁判所長官任命の閣議書
・ 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
・ 内閣法制局長官任命の閣議書
・ 各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書