裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場

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目次
第1 総論
1 根拠法規
2 叙勲の実施時期
3 勲章の授与基準
4 勲章の授与方法
第2 裁判所関係者に対する叙勲の相場
1 最高裁判所裁判官に対する叙勲の具体的な相場
2 下級裁判所裁判官に対する叙勲の具体的な相場
3 裁判官以外の裁判所職員に対する叙勲の具体的な相場
第3 弁護士に対する叙勲の相場
第4 弁護士の叙勲に否定的な意見
第5 調停委員に対する叙勲の相場及び褒章
第5の2 再叙勲
第6 報道機関への情報提供の内容
第7 勲章の褫奪(ちだつ)
第8 生存者叙勲の開始にあたっての内閣総理大臣談話
第9 瑞宝重光章の受章者が受章後に起こした交通事故
1 平成30年2月18日の交通事故
2 平成31年4月19日発生の東池袋自動車暴走死傷事故
第10 参考になる外部HP
第11 関連資料
第12 関連記事その他

第1 総論
1 根拠法規
(1) 憲法7条7号の「栄典」は,勲章,褒章等を意味しています(昭和50年6月5日の衆議院決算委員会における秋山進総理府賞勲局長の答弁)。
(2) 栄典法等の法律が存在しないため,叙勲制度は,勲章制定の件(明治8年4月10日太政官布告第54号)等に基づいて運営されています。
(3) 栄典制度の在り方に関する懇談会報告書(平成13年10月29日付)を踏まえた,栄典制度の改革について(平成14年8月7日閣議決定)に基づき,平成15年秋の叙勲及び褒章から現在の制度に移行しました(内閣府HPの「栄典制度の改革」参照)。
(4) 勲章の授与はいかなる特権も伴いません(憲法14条3項前段)。
(5) 内閣府HPの「栄典に関する資料集」に関係法令が載っています。
2 叙勲の実施時期
(1) 生存者に対する叙勲は毎年2回実施されていて,春の叙勲は4月29日に実施され,秋の叙勲は11月3日に実施されています。
(2) 死亡者に対する叙勲(死亡叙勲)は,死亡した日の日付で実施されています。
3 勲章の授与基準
(1) 「勲章の授与基準(平成15年5月20日閣議決定)」「第一 基本的事項」によれば,「弁護士、公認会計士、弁理士等の業務に従事し、公益に寄与した者」については旭日章を授与することとされ(2項11号),「国及び地方公共団単体の公務(中略)に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた者」(例えば,幹部公務員)に対しては瑞宝章を授与することとされています(3項柱書)。
(2) 「勲章の授与基準(平成15年5月20日閣議決定)」「第二 授与基準」によれば,最高裁判所長官に対しては旭日大綬章を授与することとされ(1項3号ア),最高裁判所判事に対しては旭日重光章又は旭日大綬章を授与することとされています(1項3号イ)。
(3)ア 平成15年春の叙勲までは,同じ勲等の場合,旭日章,宝冠章,瑞宝章の順番で序列になっていたほか,宝冠章は,女性に対してだけ授与されていました。
イ 平成15年秋の叙勲以降,宝冠章は一般の叙勲では授与されなくなりました。
(4) 平成15年秋の叙勲以降でも,裁判官としての功績及び弁護士としての功績の両方が考慮されて,旭日重光章又は旭日中綬章が授与されている人もいます。
4 勲章の授与方法
   桐花大綬章,旭日大綬章及び瑞宝大綬章は宮中において天皇が親授し,旭日重光章及び瑞宝重光章は宮中において内閣総理大臣が伝達し,裁判所関係者及び弁護士に対するそれ以下の勲章は最高裁判所において最高裁判所長官が伝達します(勲章、記章、褒章等の授与及び伝達式例(昭和38年7月12日閣議決定)参照)。


第2 裁判所関係者に対する叙勲の相場

1 最高裁判所裁判官に対する叙勲の具体的な相場
(1) 平成15年秋の叙勲以降,①最高裁判所長官経験者に対しては桐花大綬章が授与され,②最高裁判所判事経験者に対しては旭日大綬章が授与されています。
(2) 令和2年9月現在,①旭日大綬章しかもらえなかった最高裁判所長官経験者,及び②旭日重光章しかもらえなかった最高裁判所判事経験者はいません。
2 下級裁判所裁判官に対する叙勲の具体的な相場
(1)ア 高裁長官を経験した後,公害等調整委員会委員長又は情報公開・個人情報保護審査会会長を経験した場合,瑞宝大綬章又は瑞宝重光章が授与されます。
    なお,叙勲の実例はまだありませんが,人事院総裁及び国家公務員倫理審査会会長についても同様であると思います。
イ それ以外の高裁長官経験者に対しては常に瑞宝重光章が授与されます
(2)ア 高裁本庁の部総括判事経験者に対しては原則として瑞宝重光章が授与されます。
イ 高裁支部の部総括判事経験者に対しては瑞宝中綬章が授与されます。
(3)ア   大規模地家裁所長(東京地裁,横浜地裁,さいたま地裁,千葉地裁,大阪地裁,京都地裁,神戸地裁,名古屋地裁及び福岡地裁の所長,並びに東京家裁及び大阪家裁の所長)の経験者に対しては常に瑞宝重光章が授与されます。
イ それ以外の地家裁所長の経験者に対しては原則として瑞宝中綬章が授与されます。
(4)ア 地家裁本庁の部総括判事経験者に対しては原則として瑞宝中綬章が授与されます。
イ 地家裁支部の部総括判事経験者に対しては原則として瑞宝小綬章が授与されます。
(5) 判事をしている間に死亡退官した場合,死亡叙勲として瑞宝小綬章が授与されることがあります。
(6) 簡裁判事経験者に対しては瑞宝小綬章が授与されます。


 裁判官以外の裁判所職員に対する叙勲の具体的な相場
(1) ①裁判所の一般職経験者に対しては瑞宝中綬章又は瑞宝小綬章が授与され,②裁判所の技官経験者に対しては,瑞宝単光章が授与されます。
(2)ア 瑞宝中綬章を授与される裁判所の一般職経験者としては以下のものがあります。
① 最高裁判所のポスト
・ 最高裁大法廷首席書記官
・ 最高裁訟廷首席書記官
・ 最高裁家庭審議官
② 高等裁判所のポスト
・ 東京高裁事務局次長
・ 大阪高裁事務局次長
イ 叙勲の実例はまだありませんが,平成30年7月1日に裁判所の一般職向けに増設された最高裁判所事務総局審議官についても同様であると思います。
ウ 指定職俸給表3号棒又は2号棒のポストです。
エ 瑞宝中綬章を授与されるポストを経験した後に簡裁判事をした場合,勲章受章者名簿における主要経歴としては,瑞宝中綬章を授与されるポストが記載されます。
(3) 瑞宝小綬章を授与される裁判所の一般職経験者としては以下のものがあります。
① 最高裁判所のポスト
・ 小法廷首席書記官
→ 指定職俸給表2号棒です。
・ 事務総局の局の課長
・ 司法研修所事務局次長
・ 裁判所職員総合研修所事務局長
→ 指定職俸給表2号棒です。
・ 最高裁判所図書館副館長
② 高等裁判所のポスト
・ 事務局次長(東京高裁及び大阪高裁は除く。)
→ 指定職俸給表2号棒です。
・ 民事又は刑事の首次席書記官
③ 地方裁判所のポスト
・ 事務局長
→ 東京地裁事務局長に限り指定職俸給表2号棒です。
・ 民事又は刑事の首席書記官
④ 家庭裁判所のポスト
・ 事務局長
・ 首席書記官
・ 首席家裁調査官
→ 高松家裁以外の高裁所在地の家裁に限り指定職俸給表2号棒です。
(4) 瑞宝単光章を授与される裁判所の技官経験者としては以下のものがあります。
① 最高裁判所のポスト
・ 車庫長
② 高等裁判所のポスト
・ 車庫長
③ 地方裁判所又は家庭裁判所のポスト
・ 車庫長
・ 民事又は刑事の廷吏長
・ 守衛長


   
第3 弁護士に対する叙勲の相場 
1 弁護士の場合,①日弁連会長経験者に対しては旭日重光章が授与され,②日弁連副会長経験者に対しては旭日中綬章が授与され,③日弁連事務総長,日弁連常務理事,日弁連理事又は司法研修所弁護教官の経験者に対しては旭日小綬章が授与されています。
2(1) 日弁連副会長を経験した後に日弁連事務総長に就任した人としては,仙台弁護士会の荒中弁護士(平成24年度同25年度)及び東京弁護士会の渕上玲子弁護士(令和2年度同3年度)がいます。
(2) 日弁連事務総長経験者に旭日小綬章が授与された事例としては,平成17年春の叙勲及び平成18年春の叙勲があります。
    ただし,平成7年秋の叙勲では,日弁連事務総長経験者に対し,勲三等瑞宝章が授与されました。
3 「一見落着、再び 私の日弁連事務総長物語」(筆者は稲田寛弁護士)142頁及び143頁には以下の記載があります。
(142頁の記載)
・ 良し悪しはともかく国家による表彰制度の最たるものは文化勲章と叙勲であり、文化勲章は別格としても、褒賞や叙勲はさまざまな業界に一定の枠があるのである。弁護士も叙勲の対象となるが、この対象は最高裁判所の枠の中にあり、毎年人数も限定されている。そこで、日弁連では、最高裁に叙勲候補者を推薦するに当たり、会長・副会長など一定の役職経験者と最高裁の司法研修所の教官経験者などにしぼって、満七〇歳に達した人たちを順番に推薦している。
(143頁の記載)
・ 私がたまたま日弁連の事務総長に就任していた時のこと、ある先輩などは、すでに勲三等の授与を受けていたが、後に予定外の役職を歴任したところから勲二等の叙勲の資格が取れたので、「三等を返還すれば二等をもらえるのではないか」と相談に見えたことさえあった。もし、仮に日弁連において、叙勲候補者の推薦に当たってその人たちの功績など実質的に審査することにしたりすれば、恐らく収拾がつかなくなり、「皆辞退しろ」ということになってしまうのではないかと考えたりもしたものである。

第4 弁護士の叙勲に否定的な意見
1 東京弁護士会期成会HPに掲載されている,東京弁護士会として叙勲受章会員のお祝い会は開催するべきではないという趣旨の,平成28年7月11日付の意見書に以下の記載があります。
① 現状の叙勲制度は,日弁連正副会長・理事など限定された役職者等を対象にしたものであり,表彰されるべき者としては限定的といえる。
② 現在の叙勲対象者の決定システムは,日弁連の依頼により,当会が,慣行に基づく対象候補者に受章の意思確認を行い,叙勲を受章する旨の意思を示した会員を報告するというものに過ぎない。
③ 叙勲制度に対しては多様な意見があり,当会においても,叙勲受章の候補者推薦について辞退する会員が少なからずいるという状況がある。
2 東弁リブラ2017年2月号「追悼 故 増岡章三会員(4期)」には以下の記事も参照してください。
     勲章(名誉)欲しさに談合してなった会長がいい仕事をするはずはなく,増岡先生は,常々,弁護士会の選挙や人事を悪くしてきた要因は勲章にあると喝破されていた。
3 「一見落着、再び 私の日弁連事務総長物語」(筆者は稲田寛弁護士)142頁及び143頁には以下の記載があります。
     私が弁護士になったばかりの頃、多くのは酒の席で、「弁護士は在野法曹なのだから在朝法曹と同じように叙勲を受けるのはどうか」という議論がある一方で、「最高裁長官が勲一等なのに日弁連会長が勲二等とはおかしい」という意見もあって、「最高裁から推薦されても辞退すべきである」とする意見も少なくなかった。しかし、こうした意見を述べていた先輩弁護士も、やがて日弁連の役職を務めた後、叙勲適齢期に近づくと「辞退」のトーンが格段に低くなり、後輩の私などにもそれとなく相談されたりするので、私は「素直にもらっておけばいいじゃないですか」と答えることにしていた。
   
第5 調停委員に対する叙勲の相場及び褒章
1 調停委員経験者に対しては瑞宝双光章又は瑞宝単光章が授与されています。
2 内閣府HPの「勲章・褒章制度の概要」には「会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方又は国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方を対象とする藍綬褒章があります。」と書いてあります。

第5の2 再叙勲
・ 栄典事務の手引(内閣府賞勲局作成の平成30年の文書)19頁には,「② 再叙勲について」として以下の記載があります。
     春秋叙勲により既に勲章を授与されている者については、その者が抜群の功績を挙げ、かつ、先に勲章を授与された後の経過年数が原則として7年以上あるものに限り、再度、勲章の授与を検討することができるものとされている。
     なお、再叙勲の対象者は、現在、原則として抜群の功労のあった者であって、かつ、中綬章以上に擬叙されるものとしている。
     ただし、小綬章以下に擬叙される者であっても、先に勲章を授与された後の経過年数が7年以上あり、かつぐ年齢80歳以上の者で前回の勲章の授与後上位の職に就き、顕著な功績を挙げた者などについては、例外的に検討の対象とすることができるものとされている。


第6 報道機関への情報提供の内容
    平成29年度(行情)答申第463号(平成30年2月15日答申)には以下の記載があります。
     当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ,内閣府賞勲局においては,特定個人が叙勲を受けた際,受章者の賞賜,功労概要(功労名等),主要経歴(最終経歴等),氏名及び現住所のうちの都道府県及び市区町村のみを一定期間ウェブサイト等で公表しているほか,報道機関への情報提供も行っているとのことであった。
     そこで,報道機関への情報提供について,当審査会事務局職員をして更に諮問庁に確認させたところ,内閣府賞勲局においては,報道機関に対し,上記のウェブサイト等で公表している情報のほか,受章者の本籍地(都道府県のみ)及び詳細な住所が記載された受章者名簿を,報道解禁日の前に一定期間提供しているが,当該受章者名簿を報道機関に配布する際に,個人情報の取扱いに関し,飽くまでも取材等の参考資料として取材の便宜を図るために提供するものである旨を口頭で説明して,報道機関の了承を得た上で配布しており,受章者名簿に記載された受章者個人の情報について,その全てを公にすることを前提に提供しているものではないとのことであった。
    この点,受章者の本籍地(都道府県名のみ)及び詳細な住所は,通常他人に知られたくない機微な情報に当たることに照らせば,当該情報提供の取扱いに関する上記の諮問庁の説明について特段不自然,不合理な点はないことからすると,上記のような報道機関への情報提供をもって直ちに,受章者の本籍地(都道府県名のみ)及び詳細な住所につき,法5条1号ただし書イに該当する事情があるとまではいえない。


第7 勲章の褫奪(ちだつ)
1 懲役刑に処せられたり,3年以上の禁錮刑に処せられたりした場合,勲章を褫奪(剥奪と同じ意味です。)されます(勲章褫奪令1条1項本文)。
2 執行猶予付きの判決を受けたり,3年未満の禁錮刑に処せられたりした場合,勲章を褫奪されることがあります(勲章褫奪令2条1項)。
3 逮捕・勾留されたり,労役場に留置されたりした場合,その期間については勲章を佩用(はいよう)することができません(勲章褫奪令3条前段)。
4 犯罪捜査規範178条1項は以下のとおり定めています。
(供述調書の記載事項)
第百七十八条 被疑者供述調書には、おおむね次の事項を明らかにしておかなければならない。
(中略)
三 位記、勲章、褒賞、記章、恩給又は年金の有無(もしあるときは、その種類及び等級)
(以下略)

第8 生存者叙勲の開始にあたっての内閣総理大臣談話
1 生存者叙勲の開始にあたっての内閣総理大臣談話(昭和38年7月12日閣議決定)は以下のとおりです。
    生存者叙勲は、昭和二十一年五月三日の閣議決定により一時停止された。その後、昭和二十八年九月十八日の閣議決定により、緊急を要するものについて、その例外を開いたのである。国家公共に対する功労者に勲章を授与することは、世界各国に共通する制度であり、これら栄典制度に対する国民の期待を考え、また、すでに相当数の内外人に対し叙勲が行われた事情等を考慮し、現行の勲章制度によって、生存者叙勲を開始することを至当と認め、その旨の閣議決定をした次第である。
    生存者叙勲の開始にあたってもっとも留意しなければならないのは、叙勲の基準である。この際、国家又は公共に対し功労のある者を、各界各層にわたって、広く対象とするように、新たな基準を定めることといたしたい。
    なお、位階令による叙位は、古い歴史もあるので、生存者に対しては、一応現状のまま停止して今後検討する予定である。
2 生存者叙勲を再開した後の第1回叙勲は昭和39年4月29日付で実施されました(内閣府HPの「勲章・褒章制度の概要」参照)。

第9 瑞宝重光章の受章者が受章後に起こした交通事故
1 平成30年2月18日の交通事故
(1) 平成21年春の叙勲で瑞宝重光章を受賞した石川達紘 元名古屋高検検事長(17期。令和3年4月現在,光和総合法律事務所所属の弁護士です。)は,平成30年2月18日,一緒にゴルフに行く予定であった20代半ばの女性がトランクに荷物を積み込もうとした際にレクサス(トヨタの高級車)が急発進した結果,対向車線の歩道を歩いていた男性をはねて死亡させ,そのまま通り沿いの店に突っ込むという交通事故を起こしました(現代ビジネスHPの「20代女性と早朝ゴルフで「暴走ひき殺し」超有名弁護士・78歳の転落」(2018年3月15日付)参照)。
(2)ア 石川達紘は無罪を主張していましたし,令和2年11月26日の最終意見陳述では,被害者への謝罪を早口で述べた後、ロッキード事件で関係者から聞いた話として「「『新しい飛行機は不具合が生じる』『コンピューターは絶対ではない。最後は人が操作するのだ』と聞いた。釈迦に説法ですが、そのことを申し上げたい」」と述べたそうです(ヤフーニュースの「「私も被害者」レクサス急発進事故 元特捜部長の“放言”に裁判官もあぜん」(2020年12月5日付)参照)。
イ 東京地裁の三上潤裁判長(52期)は,令和3年2月15日,アクセルペダルの踏み間違いによる暴走事故だったと認定した上で,遺族との間で示談が成立していること,前科が存在しないこと等を考慮して,懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。
ウ 石川達紘は即日,東京高裁に控訴した他,主任弁護人は,「電子制御技術が発達した現代の自動車に対する知見に乏しい証人らの証言を基にした検察官の主張をそのまま鵜呑みにしたものであり、かつ、被告人の運転体勢に関する弁護人らの検証請求を却下するなど、およそ真実解明の姿勢に欠けた裁判体による極めて不当な判決であって、到底受け入れることはできない」というコメントを発表したみたいです(ヤフーニュースの「《レクサス暴走裁判》「罪と向き合え」「不当な判決だ」元事件捜査のプロと巨大組織はなぜ法廷で争ったのか」(2021年2月26日付)参照)。
2 平成31年4月19日発生の東池袋自動車暴走死傷事故
(1) 平成27年秋の叙勲で瑞宝重光章を受賞した飯塚幸三 元通商産業省工業技術院院長は,平成31年4月19日,乗用車が暴走して東池袋四丁目の交差点に進入し,歩行者・自転車らを次々にはね,合計11人を死傷(母子2人が死亡,同乗していた妻を含む9人が負傷)するという交通事故を起こしました(Wikipediaの「東池袋自動車暴走死傷事故」参照)。
(2)ア 飯塚幸三は,交通事故の直後に救急搬送されて病院に入院し,5月18日に退院した後は在宅捜査を受けたものの,結果として逮捕されることはありませんでした。
   そのため,過失運転致死傷罪による有罪判決が確定するまでの間,瑞宝重光章を佩用し続けることができると思います。
イ ちなみに,平成31年4月21日に発生した神戸市営バスによる交通事故の場合,バスの運転手は現行犯逮捕されました(朝日新聞HPの「神戸市営バスがはね、男女死亡 容疑の64歳運転手逮捕」参照)。
ウ 犯罪捜査規範219条(身体拘束に関する注意)は「交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない。」と定めています。
(3) livedoor NEWS「池袋の暴走事故で男を逮捕せず 弁護士「警察は後悔している」と憶測」(令和元年6月14日付)が載っています。

第10 参考になる外部HP
1 内閣府賞勲局HPの「栄典に関する資料集」に,受賞者の集計など,関係法令(政令,内閣府令,内閣府告示,閣議決定・閣議了解・内閣総理大臣決定など)が載っています。
2 宮内庁HPの「勲章親授式」に,大綬章等勲章親授式及び文化勲章親授式の説明が載っています。
3 国立国会図書館HPの「調査と情報」(2014年刊行分)No.829「勲章・褒章制度」が参考になります。
4 国立公文書館HPに「栄典のあゆみ-勲章と褒章-」が載っています。
5 exciteニュース「ナンセンスすぎる春秋の叙勲・勲章、呆れた内幕…受賞者の7割は公務員、功績無関係」(平成28年3月8日付)が載っています。
6 額縁のタカハシHP「ケースも飾れる叙勲額」が載っています。

第11 関連資料
1 最高裁判所人事局長の通達
・ 春秋の叙勲候補者の推薦について(平成28年4月27日付の最高裁判所人事局長の通達。令和2年7月13日最終改正)
・ 春秋の藍綬褒章受賞候補者及び遺族追賞候補者の推薦について(平成28年4月27日付の最高裁判所人事局長の通達。平成30年10月5日最終改正)
・ 高齢者叙勲の候補者の推薦について(平成28年4月27日付の最高裁判所人事局長の通達。平成30年10月5日最終改正)
・ 叙位及び死亡叙勲の候補者の推薦について(平成28年4月27日付の最高裁判所人事局長の通達。令和2年9月8日最終改正)
2の1 内閣府及び内閣官房の文書
・ 令和3年秋の叙勲候補者の選考等について(令和3年2月5日付の内閣官房内閣総務官室恩賞第2担当及び内閣府大臣官房人事課恩賞第2係の文書)
2の2 金融庁の文書

・ 春秋叙勲及び褒章候補者の推薦に関する金融庁の基準
3 警察庁の文書
・ 令和3年秋の叙勲及び第37回危険業務従事者叙勲(警察功労叙勲)候補者の推薦について(令和2年12月4日付の警察庁長官官房首席監察官の文書)
・ 令和3年秋の叙勲及び第37回危険業務従事者叙勲(警察功労叙勲)候補者の推薦要領について(令和2年12月4日付の警察庁長官官房調査官の事務連絡)
・ 令和3年秋の褒章候補者等の推薦について(令和2年12月4日付の警察庁長官官房首席監察官の文書)
・ 令和3年秋の褒章候補者の推薦要領について(令和2年12月4日付の警察庁長官官房調査官の文書)
4 法務省の文書
・ 栄典事務の手引(令和2年4月改訂の法務省大臣官房人事課の文書)
→ 不開示部分の不開示理由については,法務省の理由説明書等(栄典事務の手引)を参照してください。
5 国税庁の文書

・ 栄典事務担当者メモ栄典の概要等別紙推薦書類作成・提出要領確認票審査票様式等記載例
6 その他
・ 栄典事務の手引(平成30年・内閣府賞勲局)
・ 平成26年春の中綬章等勲章伝達式及び受章者夫妻との懇談会
・ 平成26年秋の中綬章等勲章伝達式及び受章者夫妻との懇談会


第12 関連記事その他
1 令和元年12月4日,アフガニスタンにおいて銃撃により死亡した中村哲医師の場合,平成28年秋の叙勲で旭日双光章を受章し,死亡後の令和元年12月27日,首相官邸において旭日小綬章の授与式が実施されました。
 現代新書HPの「『絶望の裁判所』著:瀬木比呂志—『絶望の裁判所』の裏側」(2014年3月9日付)には以下の記載があります。
    そういう人物(山中注:最高裁判所事務総局系の司法行政エリートと呼ばれる人々のこと。)が裁判長を務める裁判部における日常的な話題の最たるものは人事であり、「自分の人事ならいざ知らず、明けても暮れても、よくも飽きないで、裁判所トップを始めとする他人の人事について、うわさ話や予想ばかりしていられるものだ」と、そうした空気になじめない陪席裁判官から愚痴を聞いた経験は何回もある。『司法大観』という名称の、七、八年に一度くらい出る、裁判官や検察官の写真に添えて正確かつ詳細なその職歴を記した書物が彼らのバイブルであり、私は、それを眺めるのが何よりの趣味だという裁判官にさえ会ったことがある。

3 叙勲・褒章関連の専門店である株式会社銀座明倫館(東京都中央区銀座)HPの「叙勲・褒章受章記念祝賀会とは」には,「叙勲・褒章受章の祝賀会は、先生の功績に協力された皆さまへの感謝はもちろん、後進の方がたの発奮や企業・団体の勢威発揚を促す意味でも、受章内容や祝賀会の規模に関わらず、多くの方が催されております。」と書いてあります。
4 以下の記事も参照してください。
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)
・ 裁判官の死亡退官
・ 高等裁判所長官を退官した後の政府機関ポストの実例
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 裁判所の永年勤続者表彰
・ 民事調停委員及び家事調停委員に対する表彰制度
・ 日弁連の歴代正副会長
・ 日弁連の歴代会長及び事務総長
・ 日弁連役員に関する記事の一覧

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