裁判所の情報化の流れ

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目次
第1 ワープロ導入に関する事情
1 平成元年5月当時の説明
2 平成2年5月当時の説明
3 平成3年5月当時の説明
4 平成5年5月当時の説明
5 平成8年5月当時の説明
第2 平成15年度までの裁判所のIT化の流れ
1 事件処理用パソコンの導入状況
2 個人別パソコンの導入状況
3 システムOAの導入状況
(1) 大都市簡裁督促システム,不動産執行システムの開発,少年事件前歴検索システム及び調停事件管理システムの導入
(2) 期日進行管理プログラムの導入
(3) 民事裁判事務処理システムの導入
(4) 刑事裁判事務処理システムの導入
(5) 民事及び刑事の裁判事務処理システムの導入拡大の凍結
(6) 平成11年5月時点においてシステムOAは不可欠となっていたこと
第3 ロータス・ノーツを基盤とした裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)
1 全国展開の中止前後の経緯
2 平成15年当時のロータス・ノーツに対する否定的評価
第4 平成17年1月1日以降の,裁判所の情報化の流れ
第5 J・NET,MINTAS及びKEITAS
1 J・NET(司法情報通信システム)
2 MINTAS(民事裁判事務支援システム)
3 KEITAS(刑事裁判事務支援システム)
第6 NAIVUS(裁判事務支援システム)
第7 mints(民事裁判書類電子提出システム)
第8 関連記事その他

第1 ワープロ導入に関する事情
1 平成元年5月当時の説明

・ 25期の菅原雄二最高裁総務局第二,第三課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成元年5月12日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第107号10頁)。
   昭和六三年度末に、裁判官及び書記官室に対して裁判官約八〇〇台、書記官室約六五〇台という相当の台数のワープロを裁判部に導入しました。これは、昭和六二年度末の補正予算で配布したワープロの使用状況、裁判官、書記官を初めとした裁判所職員の私物ワープロの利用状況等を踏まえて、裁判官用ワープロについては裁判書起案の効率化の観点から、書記官室用ワープロについては、供述調書を始めとする各種の調書の作成の効率化の観点から、ワープロが極めて有用であり、配布の希望も多いということで実行したものです。なお、書記官室用ワープロとして配布されたワープロのうち、大型プリンタを備えたものについては、裁判書作成の補助用ワープロとしての役割も併せて考慮しているところです。
2 平成2年5月当時の説明
・ 25期の菅原雄二最高裁総務局第二,第三課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成2年5月11日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第111号14頁)。
   平成元年度中に、裁判官及び書記官室に対して、裁判官約一〇〇〇台、書記官室約五五〇台という相当の台数のワープロを導入しました。そのうち、裁判官用ワープロについては、これまで配布を受けていなかった高・地・家裁判官のうち配布を希望する裁判官全員に配布したものです。書記官室用ワープロについては、調書作成用として立会率五〇%以上の立会書記官に対し、五人以上の支部、独立簡裁を中心として、二人に一台の割合を目処に配布しました。
   今後のワープロ等の導入計画としては、ワープロ、パソコン、ファクシミリ等の単体OA機器を個別の事務処理用に配布する予定です。裁判官用ワープロについては、希望する簡裁判事全員に一・二年のうちに配布し、書記官の調書作成用ワープロについては、先に申し上げたような計画を、今後一・二年で実行するほか、将来的には立合書記官二人に一台の比率を見直していくことも検討したいと考えております。
3 平成3年5月当時の説明
・ 25期の菅原雄二最高裁総務局第一課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成3年5月14日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第116号14頁)。
   OA機器に関係する事項の所管は総務局の制度調査室ですが、書記官に対するワープロ配布について御説明しますと、平成二会計年度までに立会い書記官二人に一台の割合で約一八〇〇台配布しました。この中の四〇〇台ぐらいが補助用ワープロを兼ねるということですが、これで一応支部、簡裁等も含めて二人に一台の割合の配布は完了したと見ております。
   ここでの立会い書記官とは、立会いが業務量の中で五〇パーセント以上を占める書記官を指します。
4 平成5年5月当時の説明
・ 25期の菅原雄二最高裁総務局第一課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成5年5月21日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第123号13頁及び14頁)。
   口頭弁論調書等各種の調書については、平成元年度にワープロ実験での成果を踏まえて、ワープロで比較的容易に作成し得るような書式及び紙質の用紙を配布したところです。調書用の辞書の開発や、調書作成用のソフトの開発は、種々の問題について相当検討を加える必要があると考えられ、直ちには困難と言わざるを得ません。
   なお、紙質等の改良については今後もさらに検討していきたいと考えています。
5 平成8年5月当時の説明
(1) 28期の服部悟最高裁総務局第一課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成8年5月31日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第135号22頁)。
   書記官用ワープロの配布については、昨年度、主として立会事務を担当している書記官に一人一台の配布割合となるように、書記官用ワープロの増配布を行ったところです。
   書記官用ワープロの機種については、操作性及びデータ等の互換性を確保するため、富士通オアシス40APを標準機種としています。キーボードの選択については、各庁の実状に合わせてJISあるいは親指シフトのキーボードを選択していただくこととなっています。
(2) 親指シフトとは,「親指キーを押す場合」と,「親指キーを押さない場合」とで全く違う文字が出る入力方式であり,1970年頃に登場した入力方式です(ヨッセンスHP「親指シフトってなに? かな入力・ローマ字入力とも違う「指がしゃべる」入力方式」参照)。

第2 平成15年度までの裁判所のIT化の流れ
1 事件処理用パソコンの導入状況
(1) 平成4年5月までに,刑事事件の量刑の参考に資するため,量刑資料検索用パソコンが約40台,破産事件実験用,督促事件実験用等のパソコンが約150台,執行事件の配当用パソコンが約220台配布されました(全国裁判所書記官協議会会報第119号16頁)。
(2) 平成7年5月までに,破産事件処理用,督促事件処理用及び執行事件配当用として事件処理用パソコンが配布されましたし,刑事事件の量刑の参考に資するため,全国の高裁本庁,地裁本庁及び大規模支部に量刑検索用パソコンが配布されました(全国裁判所書記官協議会会報第131号16頁)。
2 個人別パソコンの導入状況
(1) 平成7年度には,裁判官1人に1台の割合で,書記官室には原則として各部に1台の割合で,パソコンが整備されました(全国裁判所書記官協議会会報第135号21頁)。
(2) 平成10年度には,全国の高・地裁本庁及び規模の大きい約40庁の地裁支部の民事及び刑事書記官室に,書記官2人に1台の割合でノート型パソコンを整備し,これを,既整備の書記官室パソコン及び裁判官室パソコンと簡易LANで接続し,各部で裁判官室と書記官室によるネットワーク環境が構築されました(全国裁判所書記官協議会会報第147号21頁)。
(3) 平成12年度には,全国の裁判所に更新を含めて相当多数に上る台数のパソコンが配布された結果,書記官には1人1台(事件処理用システムを利用している一部の部署を除く。)のパソコンが整備され,事務官については,民事執行事件又は破産事件担当部署においては1人1台,その他の部署においてもおおむね1.5人に1台以上の整備密度となりました(全国裁判所書記官協議会会報第155号31頁)。
3 システムOAの導入状況
(1) 大都市簡裁督促システム,不動産執行システムの開発,少年事件前歴検索システム及び調停事件管理システムの導入
ア 平成2年5月当時,裁判事務処理システムの中で今後3年ないし5年程度の中長期的なOA化の方向として考えられるのは,大都市簡裁督促システム,不動産執行システムの開発及び少年前歴検索システムの導入拡大でした(全国裁判所書記官協議会会報第111号14頁参照)。
イ 大都市簡裁督促事件処理システムは,平成5年4月,新大阪簡裁において運用を開始し,平成7年1月,東京簡裁において運用を開始しました。
ウ 少年事件前歴検索システムは,平成6年5月までに,千葉家裁,浦和家裁,神戸家裁,横浜家裁,名古屋家裁及び福岡家裁において実験を開始し,平成7年4月,東京家裁において実験を開始しました。
エ 調停事件管理システムは,平成7年3月,東京簡裁及び東京家裁において本稼働を開始しました。
(2) 期日進行管理プログラムの導入
ア 平成8年5月までに,書記官室のパソコン用として,民事,刑事,家事及び少年事件用の期日進行管理プログラムが配布されましたところ,これは,裁判官用パソコン等の実験部において作成したプログラムを参考にして,これを標準化する形で最高裁において作成したものです(全国裁判所書記官協議会会報第135号21頁)。
イ 期日進行管理プログラム(民事通常事件版)については,平成9年度に改訂版が配布され,平成11年3月に三訂版が配布されました。
   期日進行管理プログラム(刑事通常事件版)については,平成8年に配布したプログラムを大幅に回収し,現場のニーズに応える改訂版が平成11年2月に配布されました(全国裁判所書記官協議会会報第147号22頁)。
ウ 平成16年5月から,新潟簡裁,岐阜簡裁及び福島簡裁において,期日進行管理プログラムの試験運用が開始しました。
エ 平成10年5月までに,出頭カードや開廷表等をプログラムを利用して印刷することにより,従来,事務官や書記官が1週間分の全事件について手書きで作成すると通算して半日程度の時間を要していたものが30分程度で作成できるようになりました(全国裁判所書記官協議会会報第143号21頁)。
(3) 民事裁判事務処理システムの導入
ア 平成10年度には,地裁の民事訴訟事件を対象に,事件の受付から終局後の統計処理,記録管理までの手続の流れに沿った裁判事務処理のシステム化に関する検討を行いました。
     具体的には,東京地裁,浦和地裁及び宇都宮地裁において,コンサルタント業者に委託して,訟廷管理官,書記官糖に対するヒアリング等により実際の事務の状況の調査を行ったところであり,その結果を踏まえながら,民事裁判事務のシステム化について検討を行いました(全国裁判所書記官協議会会報第147号21頁)。
イ 民事裁判事務処理システムは,平成12年9月,宇都宮地裁において本格稼働を開始しましたところ,従来導入されてきた期日進行管理プログラムは部単位のネットワークを基盤とし,部内における期日進行管理を主たる目的としていたのに対し,民事裁判事務処理システムは,部を超えたネットワークを構築し,民事訴訟事件の受付から終局までの手続全般を対象としたシステムです。
     具体的には,①事件簿,担当簿,期日簿といった帳簿等の電子化,②開廷表,出頭カード,呼出状等の帳票類の作成機能,③統計機能,④郵便料管理の機能,⑤記録の管理等に関する機能(例えば,記録の授受についてバーコードを利用してシステムで管理する。)及び⑥情報共有の機能(裁判官室,書記官室及び訟廷事務室のみならず,総務課,会計担当,統計関係部署が書く事件の情報を共有する。)といったものが想定されていました(全国裁判所書記官協議会会報第151号19頁)。
ウ 民事裁判事務処理システムは,平成13年6月に大津地裁及び岐阜地裁,同年9月にさいたま地裁,岡山地裁,長崎地裁,福島地裁,旭川地裁及び高松地裁で稼働を開始し(全国裁判所書記官協議会会報第159号29頁),平成14年9月に京都地裁,金沢地裁及び秋田地裁で稼働を開始し,同年12月から平成15年3月にかけて横浜地裁,広島地裁,熊本地裁,宮崎地裁,青森地裁,札幌地裁及び徳島地裁において稼働を開始しました(全国裁判所書記官協議会会報第163号29頁)。
(4) 刑事裁判事務処理システムの導入
ア 平成12年5月当時,刑事裁判事務についても,民事裁判事務処理システムと同様のシステム化についてコンサルティング業者による業務分析が実施されていました(全国裁判所書記官協議会会報第151号20頁)。
イ 平成13年5月当時,刑事裁判事務処理システムの機能として,①事件簿,担当簿,期日簿といった帳簿等の電子化,②開廷表,召喚状,各種決定書等の帳票作成機能,③統計機能,④身柄関係情報の管理機能,⑤記録管理機能(例えば,記録の授受についてバーコードを利用してシステムで管理する。),⑥押収物の管理機能(押収物についてバーコードを利用してシステムで管理する。)といったものが想定されていました(全国裁判所書記官協議会会報第155号30頁及び31頁)。
ウ 刑事裁判事務処理システムは,平成13年10月に名古屋地裁において本格稼働を開始しま(全国裁判所書記官協議会会報第155号30頁及び31頁),平成14年9月に宇都宮地裁,京都地裁,岐阜地裁,長崎地裁,福島地裁及び旭川地裁において稼働を開始し,平成14年12月から平成15年3月にかけて前橋地裁,広島地裁,青森地裁,札幌地裁及び松山地裁において稼働を開始しました(全国裁判所書記官協議会会報第163号29頁)。
(5) 民事及び刑事の裁判事務処理システムの導入拡大の凍結
・ 平成14年秋ころから急激なレスポンス低下の状況が発生していたものの,平成15年5月現在は,安定的な状況となっていたため(全国裁判所書記官協議会会報第163号29頁),平成15年度については千葉地裁ほか7庁において民事裁判事務処理システムの稼働開始,神戸地裁ほか8庁において刑事裁判事務処理システムの稼働開始を予定していました。
     しかし,横浜地裁及びさいたま地裁の民事裁判事務処理システムにおいて,平成16年1月初旬ころから,一時的にレスポンスが低下する現象が生じていることが判明し,総務局制度調査室において,システムの開発業者及びロータス・ノーツの供給元業者と連携を図りながら調査したものの,その原因が判明しなかったため,民事及び刑事の裁判事務処理システムの導入拡大が凍結されました(全国裁判所書記官協議会会報第167号35頁参照)。
(6) 平成11年5月時点においてシステムOAは不可欠となっていたこと
・ 35期の永野厚郎最高裁総務局第一課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成11年5月28日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第147号22頁)。
     OAシステムの活用状況については、民事モデル部を中心として、期日進行管理プログラム等の活用により、書記官事務及び事務官事務の効率化が図られており、書記官のコートマネージャーの支援策、廷吏法廷事務の一部を書記官が取り込むに当たっての事務の省力化の方策、裁判官と書記官の協働態勢の形成の支援策として、有効に機能しています。実際、民事モデル部の書記官の実感として、「書記官事務の効率化にとってOA機器の利用は不可欠である。」、「もはやパソコンがなければ仕事にならない状態になりつつある。」、「パソコン及び期日進行管理プログラムは、事件管理のため、なくてはならないものとなっている。」といった報告がされています。


第3 ロータス・ノーツを基盤とした裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)
1 全国展開の中止前後の経緯
(1) 最高裁判所総務局制度調査室は,これまでの稼働状況等を踏まえて,円滑にシステム導入を進めるという観点から,専門業者によるシステム監査を行わせたところ,その結果として,平成15年12月末になって,当時の裁判所のシステムの基盤となっていたロータス・ノーツは,大量かつ複雑なデータ処理が要求される裁判事務処理と適合しない面があり,ユーザ数やデータ量の増加に伴ってレスポンスがさらに低下することが予想されるため,現行のシステム基盤を維持したまま,特大規模庁を含む全国展開を進めることは再考すべきであるとの報告書が提出されました。
    また,平成16年4月になって,システム運用業者から,ノーツのバージョンアップを実施したとしても,コストに比較して微小な改善効果しか見込まれないことから,対策として推奨しない旨の調査結果の報告がありました。
    そのため,最高裁判所は,平成16年4月下旬,ロータス・ノーツを基盤として開発されていた従前のシステム(主たるものは民事裁判事務処理システム及び刑事裁判事務処理システム)のまま全国に展開を進めることを中止しました(全国裁判所書記官協議会会報第167号35頁及び36頁参照)。
(2) 会報書記官第8号29頁には,「裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)」と書いてあります。
(3)ア 民事裁判事務処理システム導入庁は平成20年度中にMINTASが導入されるようになりました(会報書記官第24号127頁及び128頁)。
イ 刑事裁判事務処理システム導入庁は平成23年10月31日までにKEITASが導入されるようになりました(会報書記官第32号82頁及び83頁参照)。
(4) 歴代の最高裁総務局制度調査室長は以下のとおりです。
・ 44期の絹川泰毅裁判官(H15.4.1 ~ H16.12.31)
・ 40期の細田啓介裁判官(H12.4.1 ~ H15.3.31)
・ 38期の鹿子木康裁判官(H8.9.1 ~ H12.3.31)
・ 35期の永野厚郎裁判官(H6.4.1 ~ H8.8.31)
・ 31期の佐久間邦夫裁判官(H3.7.1 ~ H6.3.31)
2 平成15年当時のロータス・ノーツに対する否定的評価
(1) Wikipediaの「HCL Domino」には「Lotus Notesは1989年に登場した、クライアントサーバー型のグループウェアであり、グループウェアという言葉を市場に浸透させたソフトウエアであるといわれている。」と書いてあります。
(2) Windows用電子メールソフト – 口コミ評判比較ランキングの「18位 (18件中) … Lotus Notes(ロータス ノーツ) … 満足度:11.1%」には,平成15年当時の否定的評価として以下の記載があります。
×これどうしょもないね。なぜこんなヒドイものが存在するんだろう。 (03/12/14)
×これで送ってこられるとめちゃくちゃだよ。普通受信者はノーツなんて使ってないつーの! (03/11/24)
×問題外!!ノーツからのレスは最初はバグかと思った。 (03/10/8)
×ノーツ独自の用語や使い勝手は一般ユーザーにはわかりにくいだけで不便きわまりない。 (03/8/12)
×おもい、つかいにくい、わかりにくい、いいとこなし (03/8/6)
×最低ですね。仕事場で使っておりますが、使いにくい、重い、使えない。こんなもの選んだ担当を恨みたい。 (03/7/4)
×使いにくいです。会社でいやいや使ってます。 (03/6/27)
×つかいにくいよ!ユーザーのことを全く考えないプログラマーの押しつけ的ソフト (03/6/10)
×スタンダードからかけ離れた多くの中途半端な機能は全く役立たず。重いだけで使い物にならない最悪のメーラ。 (03/6/5)
×メールは確かに酷いと思う。 (03/5/25)
×メール機能はひどいの一言につきる (03/5/18)
×使い勝手最低、重い (03/5/5)
×会社で導入しているが酷すぎて使い物にならない。 (03/4/28)
×鈍重、チープ、送られて迷惑、まさにゴミだね。 (03/4/24)
×最低、使いにくいったらありゃしない。おまけに受信者にも迷惑かけがち。 (03/3/30)
×一度これ使ったら他のどんなメーラでも素晴らしく思えてしまうという点で存在価値はある。誰もが二度と使いたくないよなこれ。 (03/2/9)

第4 平成17年1月1日以降の,裁判所の情報化の流れ
・ 「裁判所の情報化の流れ」によれば,以下のとおりです。
平成16年度
・ 情報政策課の設立
平成17年度
・ 全国職員からの意見聴取・情報課戦略計画策定
平成18年度
・ MINTASの開発開始
平成19年度
・ 情報セキュリティポリシーの策定
・ 職員ポータルサイトの運用開始
・ Internet Explorer,Outlook Expressの全国展開完了
平成20年度
・ MINTASの地裁への導入展開開始
・ KEITASの開発開始
平成23年度
・ MINTASの地裁への全国展開完了
・ KEITASの地裁への導入展開開始
・ 情報化戦略計画の改定
平成24年度
・ 高地家裁における情報化担当部署の整備
・ システムの全体最適化計画の策定
・ 最高裁判所データセンタへのサーバ移転計画の実行
・ MINTASの高裁への導入展開開始
・ KEITASの地裁への全国展開完了
平成25年度
・ システムの全体最適化計画の実行
・ 最高裁判所データセンタの運用開始
・ MINTASの高裁への全国展開完了
平成26年度
・ 情報セキュリティポリシーの改定
・ MINTASの家事分野対応改修
平成27年度
・ 情報セキュリティポリシーの改定
・ MINTASの家裁への全国展開完了
平成28年度
・ システムの全体最適化計画の改定
・ 職員貸与パソコン及び共用パソコンの一斉更新
平成29年度
・ 情報セキュリティ室の新設
・ 最高裁データセンタの更改開始(~平成31年度)
平成30年度
・ 情報セキュリティポリシーの改定
・ NAVIUSの第1次開発(少年・簡裁民事・督促事件部分)開始
平成31年度(令和元年度)
・ NAVIUS(少年事件部分)の家裁への導入・展開開始
・ NAVIUSの第2次開発(高裁・簡裁刑事事件部分)開始



第5 J・NET,MINTAS及びKEITAS
1 J・NET(司法情報通信システム)
(1) J・NET(司法情報通信システム)は,ロータス・ノーツを利用して,平成7年度に導入されました(全国裁判所書記官協議会第151号20頁)。
    平成10年度末には,高地裁の訟廷事務室にJ・NET端末が,家裁の訟廷事務室に訟廷パソコンが整備されました(全国裁判所書記官協議会第147号22頁)。
(2) 平成19年8月より,ロータス・ノーツに代わる情報共有のシステムとして,J・NETポータルが導入され,平成20年4月からは全国の裁判所のIE・OE化(インターネットエクスプローラー(IE)及びアウトルックエクスプレス(OE)の導入)が完成したことにより,OEのメールアドレスが付与されている職員は,各自が利用している端末からJ・NETポータルを閲覧することが可能となりました(会報書記官第16号81頁及び82頁)。
(3) ロータス・ノーツ上の各種データベースについても,平成20年度末までに必要に応じて,J・NETポータル上に移行されました(会報書記官第16号82頁)。
(4) 平成23年度には,J・NETポータル用サーバを更新して最新の機器を導入するとともに,各種設定の見直しを行い,ポータルの起動のみならず,「ダイヤルイン番号一覧」や「裁判所職員総合研修所」(通称「総研コンテンツ」)といった,様々なコンテンツを利用する際のレスポンスが相当向上しました(会報書記官第32号85頁)。
(5) 平成24年度には,裁判官を含む全職員が閲覧できる「書記官事務の整理」が設けられ,平成25年度には各庁での情報共有等に利用できるよう「高地家簡裁掲示板」の運用が開始され,平成26年当時,一日に約2万件のアクセスがありました(会報書記官第40号88頁)。
2 MINTAS(民事裁判事務支援システム)
(1) MINTAS(民事裁判事務支援システム)は平成18年4月から開発が進められ(請負業者は株式会社日立製作所),平成20年2月12日に第1次導入庁であるさいたま地裁に導入し,本格稼働を開始し(会報書記官第16号76頁参照),平成23年1月11日に東京地裁及び大阪地裁での稼働を開始した結果,全国の地裁本庁及び支部への導入が完了しました(会報書記官第28号22頁)。
(2) 平成26年1月,支部を含む全高裁へのMINTAS導入が完了しました(会報書記官第40号85頁)。
3 KEITAS(刑事裁判事務支援システム)
・ KEITAS(刑事裁判事務支援システム)は平成21年9月から開発が進められ(開発請負業者は三菱電機株式会社であり,開発管理支援請負業者は株式会社インテック),平成22年3月までに設計作業が終わり(会報書記官第24号130頁),平成23年1月17日から名古屋地裁本庁で稼働を開始し(会報書記官第28号24頁),平成25年2月末までに全国の地裁本庁及び支部への導入が完了しました(会報書記官第36号84頁)。

第6 NAIVUS(裁判事務支援システム)
1 日本裁判所書記官協議会と,最高裁総務局・人事局・情報政策課との座談会(令和元年6月28日開催)における発言として,会報書記官第61号64頁及び65頁には,「裁判事務支援システム(以下「NAVIUS」という。)の開発状況等について【情報政策課】」として以下の記載があります。
    平成28年6月に「裁判所のシステム最適化計画」が改定されましたが.同計画においては,様々情報システムを統合集約化して運用の合理化を図り,重複投資の排除の観点から,必要な資源を無駄なく裁判所全体で合理的に活用できるように取り組む必要があると定められています。また.システムの開発に当たっては.単に現状の業務を前提として,利便性だけを追求してシステム化するのではなく,本来の業務の在るべき姿を見据えたものとする必要があることも定められています。
    NAVIUSは,この「裁判所のシステム最適化計画」を踏まえ,異なる事件種類の情報システムであっても,可能な限り,共通の機能を利用するというコンセプトの下,複数の既存の情報ステムを順次統合していくことを視野に入れて開発を行っているところであり,システム化すべき業務の範囲についても,利便性という観点最優先で網羅的に決定するのではなく,書記官事務の在り方を踏まえて,真に必要かつ相当なものは何かという観点から検討を行う必要があります。
    現在,第1次(少年事件部分)の開発が完了し,今年度中に,少年事件を取り扱う本庁及び支部に導入していく予定です。
    また,これと並行して,第1次(簡裁民事,督促事件部分)及び第2次(高裁・簡裁刑事事件部分)の開発も行っており,さらに,令和2年度には,第3次開発として,高裁・地裁民事及び家事事件部分(MINTAS相当部分)の開発も予定しています。
    当課では,前述のような視点に立った上で,ユーザにとって利用しやすいシステムになるよう努力しています。
2 全司法新聞には以下の記載があります。
・ 2354号(2021年5月)
    IT化では「NAVIUSで宛名を作成するだけで相当な時間がかかる」「NAVIUS導入による事務量増加のために増員された」「簡素化・効率化を阻む最大の原因はNAVIUS」と多くの参加者から報告されるなど、NAVIUSには使い勝手の悪さを超えた問題が多くあることが報告されました。
・ 2350号(2021年2月)
    IT化の課題では、NAVIUS、SEABIS等の各種システムの使い勝手の悪さ、毎週木曜日の職員端末のフルスキャンによる事務支障等の実態が報告されました。また、インターネット閲覧専用PCの台数が不足していることや、ウェブ分離ソリューションの概要や導入スケジュールを早期に示してもらいたいとの意見も出されました。
・ 2327号(2020年2月)
    NAVIUSの少年事件部分の導入に関して、「今まで1クリックで済んだ帳票の印刷に多くの手順を踏まなければならず煩雑である、少年事件を全く知らない人が作ったのではないかと思うほど入力項目などに問題がある」(愛知)といった現場の怒りの声が紹介されました。東京地裁支部と京都支部からは、保管金システムや庁舎施設を例に、公契約のあり方について改善を求める発言がありました。
・ 2322号(2019年12月)
   NAVIUSについては、帳票が旧システムより不足していることや差込み印刷機能の使い辛さが報告されました。民事裁判手続のIT化がすすむもとで、システムの不具合が多いとの声も出されました。


第7 mints(民事裁判書類電子提出システム)
1 mints(民事裁判書類電子提出システム)は,令和4年5月頃に甲府地裁本庁及び大津地裁本庁で運用を開始する予定です。
2 令和3年6月現在,甲府地家裁所長は43期の安東章裁判官(元最高裁情報政策課長)であり,大津地家裁所長は40期の冨田一彦裁判官です。


第8 関連記事その他
1 中長期的観点に立った職員制度に関する提言(平成8年3月1日付の最高裁判所人事局参事官室の提言)には以下の記載があります。
    裁判所の事務処理態勢全般の見直し,改善の方策としてOA化を一層推進し,事務処理の効率化を図る。具体的には,事務局事務処理のシステム化,オンライン化のほか,訟廷事務を始めとする裁判事務処理のシステム化,オンライン化を推進する。
2 会報書記官第32号85頁には以下の記載があります。
    平成23年12月より,一部の例外を除いて,裁判所において利用する標準ワープロソフトはワード(Microsoft Word)のみとなりました。また,平成25年度のパソコンの更新時期までには,ほぼすべての職員貸与端末において標準ワープロソフトはワードのみとなります。
3 以下の文書を掲載しています。
・ 民事裁判書類電子提出システムの導入計画について(令和3年6月17日付の最高裁判所情報政策課参事官及び民事局総括参事官の事務連絡)
・ 民事裁判書類電子提出システムの運用開始に関する連絡文書(令和3年6月24日付の,日弁連事務総長宛の最高裁民事局長の文書)
・ 令和3年度情報通信ネットワーク専門官(デジタル推進室)の選考結果(最高裁判所の文書)
・ 最高裁のデジタル化推進を牽引するIT領域のジェネラリストの募集広告を出すために株式会社ビズリーチとの間で授受した文書
4 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の最高裁判所情報政策課長
 最高裁判所事務総局情報政策課
・ 最高裁判所事務総局情報政策課の事務分掌
・ 裁判所における主なシステム
・ 
民事事件の裁判文書に関する文書管理
・ 裁判文書の文書管理に関する規程及び通達
・ 最高裁総務局・人事局・情報政策課との座談会

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