目次
第1 通常第一審における危険運転致傷罪の量刑分布(地裁)
第2 関連記事その他
第1 通常第一審における危険運転致傷罪の量刑分布(地裁)
・ 平成30年
懲役総数292人(うち,10年以下は0人,5年以下は5人,3年は21人,2年以上は68人,1年以上は160人,6月以上は38人であり,全部執行猶予率は92.3%),無罪が0人,その他が4人
・ 平成29年
懲役総数341人(うち,10年以下は2人,5年以下は6人,3年は20人,2年以上は61人,1年以上は208人,6月以上は44人であり,全部執行猶予率は92.5%),無罪が2人,その他が3人
・ 平成28年
懲役総数338人(うち,10年以下は2人,5年以下が4人,3年が16人,2年以上が84人,1年以上が206人,6月以上が26人であり,執行猶予率は91.9%),無罪が0人,その他が1人
・ 平成27年
懲役総数327人(うち,10年以下は2人,5年以下が9人,3年が14人,2年以上が93人,1年以上が181人,6月以上が28人であり,執行猶予率は86.7%),無罪が0人,その他が2人
・ 平成26年
懲役総数233人(うち,10年以下は1人,5年以下が6人,3年が21人,2年以上が63人,1年以上が130人,6月以上が12人であり,執行猶予率は81.4%),無罪が0人,その他が2人
・ 平成25年
懲役総数163人(うち,10年以下は4人,5年以下が7人,3年が19人,2年以上が55人,1年以上が77人,6月以上が1人であり,執行猶予率は79.6%),無罪が0人,その他が2人
・ 平成24年
懲役総数169人(うち,10年以下は1人,5年以下が7人,3年が16人,2年以上が54人,1年以上が88人,6月以上が3人であり,執行猶予率は73.9%),無罪が0人,その他が1人
・ 平成23年
懲役総数168人(うち,10年以下は2人,5年以下が7人,3年が13人,2年以上が54人,1年以上が92人であり,執行猶予率は82.4%),無罪が0人,その他が2人
第2 関連記事その他
1 毎年2月1日発行の法曹時報の図表143→図表138がデータの出典です。
2 執行猶予率は,執行猶予言渡人員を懲役・禁固3年以下の有罪人員で除して100を乗ずることで算出しました。
3 「その他」は,公訴棄却,移送等です。
4(1) 平成26年5月20日,自動車運転死傷行為処罰法の制定により,危険運転致死傷罪の成立範囲が広がりましたから,従前は自動車運転過失致傷罪で起訴されていたものの一部が危険運転致傷罪で起訴されるようになりました。
(2) 法務省HPの「自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会 第1回会議(令和6年2月21日)」に「危険運転致傷罪等の改正の経緯」が載っています。
5 本記事を含む量刑分布データは以下のとおりです。
① 通常第一審における危険運転致死罪の量刑分布(地裁)
② 通常第一審における危険運転致傷罪の量刑分布(地裁)
③ 通常第一審における過失運転致死罪(従前の自動車過失運転致死罪を含む。)の量刑分布(地裁及び簡裁)
④ 通常第一審における過失運転致傷罪(従前の自動車過失運転致傷罪を含む。)の量刑分布(地裁及び簡裁)
⑤ 略式手続における過失運転致死罪(従前の自動車過失運転致死罪を含む。)の量刑分布
⑥ 略式手続における過失運転致傷罪(従前の自動車過失運転致傷罪を含む。)の量刑分布
交通の研修会で話題に上った事項の備忘録
・自転車事故や物的損害で自賠3条書く人は一旦正気に戻ろう。
・あおり運転事案で故意主張する人がいるが保険の故意免責は考慮したか?
・治療費全額既払いで損害計上しない時でも治療経過(期間・実日数)は明示しよう。過失争われそうなときは治療関係費も。— 中村真 (@lawyer_makoto) March 14, 2023