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法務行政修習プログラム(選択型実務修習)――制度・第78期日程・過去資料(AIリライト)

第1 法務行政修習の位置付け

1 選択型実務修習の全国プログラム

最高裁判所の説明によれば,選択型実務修習は,司法修習生が分野別実務修習の4分野を終えた後,進路,興味及び関心に応じて主体的に選択し,設計する課程である。分野別実務修習の成果を深め,補い,又は同修習では体験できない領域を修習することを目的とする。

選択型実務修習では,弁護修習をした法律事務所をホームグラウンドとし,各地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会が提供する個別修習プログラム,全国の司法修習生を対象とする全国プログラム,司法修習生が受入先を開拓する自己開拓プログラム等を組み合わせる。法務行政修習は,法務省が提供する全国プログラムである(最高裁判所「司法修習の概要」選択型実務修習のガイドラインの概要)。

2 本記事の対象時点

令和8年8月8日までに確認できた公開資料のうち,法務行政修習の募集日程及び内容を具体的に掲載する最新の案内は,第78期選択型実務修習における全国プログラム案内である。本記事では,第78期の募集内容を現在確認できる具体例として扱い,第68期から第72期までの資料は当時の実施内容を示す歴史資料として区別する。

第2 第78期法務行政修習の募集内容

1 A班及びB班の日程と対象修習地

第78期の法務行政修習は,A班及びB班の各1週間であり,各班の募集人数は40人であった。A班とB班の区分は,集合修習と選択型実務修習を行う順序が修習地によって異なることに対応している。

プログラムコード対象修習地期間募集人数
A班2101東京(立川を含む。),横浜,さいたま,千葉,大阪,京都,神戸,奈良,大津及び和歌山令和8年1月26日(月)~同月30日(金)40人
B班1101A班の対象修習地以外令和7年12月15日(月)~同月19日(金)40人

2 修習内容,選考及び費用

修習の目的は,法務省の機構を知り,各部局がどのように連携して法務行政を運営しているかを学ぶことにある。案内には,各部局が所管する法務行政に関する講義,演習及び関連施設の見学を行うと記載され,令和6年度の見学実績として,東京出入国在留管理局,東京法務局,国際法務総合センター及び東京拘置所が挙げられている。

第78期案内上,応募条件及び提出書類はなく,応募者が募集人数を超えた場合は抽選とされていた。法務省及び見学施設間の移動に必要な交通費等は自己負担である。なお,同案内は日別の講義時刻表まで公表していないため,第68期又は第72期の時刻表と同じ内容が第78期にも実施されたとみなすことはできない。

3 全国プログラム集計の読み方

第78期の全国プログラム集計によれば,令和7年7月10日現在,全国プログラム全体は185プログラム,募集人数509人,応募人数1068人であった。法務省の欄は5プログラム,募集人数128人,応募人数245人であるが,この5プログラムには法務行政修習のほか,国際仲裁・調停修習及び法制度整備支援修習が含まれる。したがって,応募人数245人を法務行政修習だけの応募人数と読むことはできず,公開集計から法務行政修習単独の応募人数は確認できない。

第3 過去の法務行政修習

1 第68期B班の全日程

第68期B班は,平成27年9月7日から同月11日まで実施され,参加者は20人であった。次の日程は,平成27年度法務行政修習プログラム関係文書のPDF実頁4頁に基づくものであり,現在のプログラムを示すものではない。

時間内容担当・場所
9月7日(月)9:30~9:45オリエンテーション法務総合研究所第3教室
9月7日(月)9:50~10:40刑事局の組織・所管事務法務省刑事局
9月7日(月)10:50~12:30法律が成立するまでの手続,新規立法,罰則審査等法務省刑事局
9月7日(月)12:30~13:30休憩法務総合研究所第3教室
9月7日(月)13:30~14:00法律問題演習事前配布・説明法務省刑事局
9月7日(月)14:10~14:20法務総合研究所の組織・所管業務について法務総合研究所
9月7日(月)14:20~15:00犯罪白書と犯罪情勢について法務総合研究所
9月7日(月)15:00~15:40国連アジア極東犯罪防止研修所について法務総合研究所
9月7日(月)15:50~17:20出入国管理行政について法務省入国管理局
9月8日(火)9:30~10:20不動産登記と筆界特定制度について東京法務局
9月8日(火)10:20~10:40商業・法人登記制度について東京法務局
9月8日(火)10:40~11:00成年後見登記制度について東京法務局
9月8日(火)11:00~11:30庁内見学東京法務局
9月8日(火)11:30~13:10移動・休憩東京法務局から法務総合研究所へ移動
9月8日(火)13:10~15:40民事立法と民事法務行政について法務省民事局
9月8日(火)15:50~17:20矯正の現状について法務省矯正局
9月9日(水)9:30~12:00法律問題演習法務省刑事局
9月9日(水)12:00~13:00休憩法務総合研究所第3教室
9月9日(水)13:00~14:30訟務制度について法務省訟務局
9月9日(水)14:40~16:10人権擁護行政について法務省人権擁護局
9月9日(水)16:20~17:50更生保護行政について法務省保護局
9月10日(木)9:30~12:00債権法の改正について法務省民事局
9月10日(木)12:00~14:00移動・休憩法務総合研究所から東京拘置所へ移動
9月10日(木)14:00~16:00施設見学東京拘置所
9月11日(金)9:30~11:30業務概況説明及び施設見学東京入国管理局
9月11日(金)11:30~13:30移動・休憩東京入国管理局から法務総合研究所へ移動
9月11日(金)13:30~14:30法制度整備支援の概要法務総合研究所
9月11日(金)14:40~15:20オリエンテーション法務総合研究所

この日程からは,当時の法務行政修習が,刑事立法,民事立法,登記,訟務,矯正,更生保護,人権擁護,出入国管理,犯罪研究及び法制度整備支援にまたがっていたことが分かる。日程中の「東京入国管理局」は当時の名称であり,現在の名称は「東京出入国在留管理局」である。

2 第71期及び第72期の関係文書

過去資料として,平成30年の法務行政修習プログラム関係文書(第71期)及び令和元年の法務行政修習プログラム関係文書(第72期)を参照できる。第72期は,B班が令和元年9月2日から同月6日まで,A班が同年10月7日から同月11日まで実施され,各班の参加者は35人であった。

第72期法務行政修習プログラムB班の日程表

第72期法務行政修習プログラムB班の日程表(令和元年当時)

第72期法務行政修習プログラムA班の日程表

第72期法務行政修習プログラムA班の日程表(令和元年当時)

3 受入規模の推移

公表資料から確認できる受入規模は,次のとおりである。第68期,第71期及び第72期の数値は実施資料に記載された参加者数であり,第69期及び第78期の数値は募集人数であるから,同一の確定統計として単純比較することはできない。それでも,法務行政修習の受入規模が拡大してきた経過を確認する資料にはなる。

期・実施年公表された数値数値の性質
第68期・平成27年A班20人,B班20人参加者数
第69期・平成28年A班・B班合計60人,応募155人募集人数・応募人数
第71期・平成30年A班35人,B班35人参加者数
第72期・令和元年A班35人,B班35人参加者数
第78期・令和7年~令和8年A班40人,B班40人募集人数

第69期については,司法修習委員会資料が法務行政の募集人数を40人から60人へ拡大したと記載し,法務省作成の集計表が募集60人,応募155人と記録している(最高裁判所司法修習委員会第31回資料62法務省「司法修習生に対する選択型実務修習について」)。

第4 資料を読む際の注意点

1 歴史的名称と現在の名称

過去の日程表に記載された組織名は,実施当時の名称として読む必要がある。例えば,第68期資料の「法務省入国管理局」及び「東京入国管理局」は当時の名称であり,平成31年4月1日に出入国在留管理庁が設置された後の組織名へ無断で置き換えるべきではない。他方,現在の施設を探す場合は,出入国在留管理庁の公式案内等で現行名称及び所在地を確認する必要がある。

2 法務省の隣接プログラムとの区別

法務省が提供する全国プログラムには,法務行政修習のほか,国際仲裁・調停修習及び法制度整備支援修習がある。第78期の法務省欄に集計された5プログラムはこれらを合わせた数であり,法務行政修習だけの数ではない。法制度整備支援が法務行政修習の日程の一部で扱われた過去の例があっても,独立の全国プログラムとして募集される法制度整備支援修習とは区別しなければならない。

3 期ごとの資料確認

選択型実務修習の時期,対象修習地,募集人数,見学先及び応募方法は,期ごとに異なり得る。応募又は日程調整のために利用する場合は,過去の日程表ではなく,当該期について司法研修所及び配属庁会から示された資料を確認する必要がある。

第5 関連記事

選択型実務修習に関する資料には,自己開拓プログラム,ホームグラウンド,全国プログラムの応募等に関する文書を掲載している。選択型実務修習全国プログラムに関する文書には,第72期から第78期までの全国プログラム案内及び集計を掲載している。司法修習生の司法修習に関する事務便覧には,司法修習全体の事務資料を掲載している。

第6 出典・参考資料

1 現在の制度及び第78期資料

① 最高裁判所「司法修習の概要」(令和8年8月8日確認)。

② 最高裁判所司法修習委員会「選択型実務修習のガイドラインの概要について」資料37,1頁~3頁。

③ 司法研修所「第78期選択型実務修習における全国プログラム案内」PDF実頁4頁(A班)・52頁(B班)。

④ 司法研修所「選択型実務修習全国プログラム集計(第78期)」(令和7年7月10日現在),1頁。

2 過去の実施資料及び組織資料

① 法務省「平成27年度法務行政修習プログラム関係文書」PDF実頁4頁~5頁。

② 法務省「平成30年の法務行政修習プログラム関係文書(第71期選択型実務修習)」。

③ 法務省「令和元年の法務行政修習プログラム関係文書(第72期選択型実務修習)」,全16頁。

④ 最高裁判所司法修習委員会「第69期の選択型実務修習(全国プログラム)拡充の取組」第31回資料62,1頁。

⑤ 法務省「司法修習生に対する選択型実務修習について」1頁。

⑥ 出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律の概要等について」(平成31年4月1日施行,令和8年8月8日確認)。