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最高裁判所の庁舎情報が不開示とされる理由―裁判官等への襲撃リスクと警備上の判断(AIリライト)

最高裁判所庁舎の写真,平面図,各門の入構方法は,どこまで公開されるのでしょうか。

情報公開・個人情報保護審査委員会の答申では,最高裁判所裁判官,首席調査官及び事務総局幹部への襲撃や,庁舎の警備事務に支障が生じるおそれが,不開示判断の理由として挙げられています。

ただし,本記事でいう「襲撃の対象となるおそれが高い」とは,情報を公開した場合の警備上の危険に関する評価です。

実際の襲撃発生率を統計的に示したものではありません。

第1 最高裁判所裁判官室等の写真が不開示とされた理由

平成29年度(最情)答申第27号は,最高裁判所長官室,最高裁判所判事室及び最高裁判所首席調査官室の写真を一部不開示とした判断を妥当としました。

写真を公開すると,各室の位置や構造が明らかになります。

答申は,最高裁判所長官,最高裁判所判事及び首席調査官について「襲撃の対象となるおそれが高い」とする最高裁判所事務総長の説明を不合理ではないとし,写真の公開によって庁舎管理事務や警備事務に支障が生じるおそれを認めました。

判事室の一部が別のウェブサイトの写真に写っているとの主張もありました。

しかし,答申は,背景として室内のごく一部が写っているだけであり,位置や構造を示す写真とは異なると判断しています。

第2 最高裁判所庁舎の平面図が一部不開示とされた理由

平成28年度(最情)答申第48号は,最高裁判所庁舎の地下2階から5階までの平面図について,一部を不開示とした判断を妥当としました。

同答申は,庁舎全体を一律に非公開としたものではありません。

法廷,待合室,記録閲覧室など,事件当事者,傍聴人や見学者の出入りが予定されている部分は開示対象とされました。

これに対し,最高裁判所判事室や事務総局の中枢部分など,一般の来庁者の出入りが想定されていない部分は,公開すると警備事務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあるとして,不開示とされました。

つまり,一般に公開されている区域と,警備上保護する必要のある区域とを分けて判断しています。

第3 事務総局の局課館長と各門の入構方法

令和元年度(最情)答申第59号は,最高裁判所の正門,東門,西門及び南門の利用資格者が分かる文書について,各門の具体的な入構方法を不開示とした判断を妥当としました。

最高裁判所事務総長は,最高裁判所判事や事務総局の各局課館長が重大な職務を担うことから,襲撃の対象となるおそれが高く,庁舎全体に高度なセキュリティを確保する必要があると説明しました。

この原判断は令和元年5月23日付けで,最高裁判所事務総長の理由説明書は同年6月13日に委員会に収受されています。
当時の最高裁判所事務総長は,平成28年4月から令和元年9月まで在任した今崎幸彦(現在の最高裁判所長官)でした。

答申は,各門の具体的な入構方法を公開すると警備レベルの低下を招き,警備事務の適正な遂行に支障が生じるとの説明を不合理ではないとしています。

第4 公開済みの情報があっても開示されるとは限らないこと

最高裁判所の内部については,書籍,テレビ番組,元最高裁判所判事のインタビューや公開済みの写真から,一定の情報を知ることができます。

しかし,断片的な情報が公表されていることと,正確な平面図や現在の入構方法を公開することは同じではありません。

平成28年度(最情)答申第48号は,公表済みの情報を組み合わせても庁舎内部の具体的な位置関係や間取りが明らかになるとはいえないとして,平面図の一部不開示を妥当としました。

また,令和元年度(最情)答申第59号は,構内図や平面図を含む書籍が存在しても,その書籍には各門の具体的な入構方法が記載されていないため,結論に影響しないと判断しました。

開示の可否を考える際には,公開済み情報と不開示部分の内容,正確性,時点及び組合せによって明らかになる情報を区別する必要があります。

第5 司法行政文書の開示を申し出る場合の留意点

裁判所は情報公開法の対象ではなく,裁判所が定める取扱要綱に基づいて司法行政文書を開示しています。

裁判所の司法行政文書開示手続によると,開示の対象は,裁判所の職員が司法行政事務に関して組織的に用いるものとして保有する文書,図画や電子データです。

事件記録のように裁判事務に関して保有するものは,原則としてこの手続の対象ではありません。

開示申出書は,対象文書を保有する裁判所に提出します。

裁判所は,原則として申出日から30日以内に開示又は不開示を通知します。

全部又は一部を不開示とした判断に不服がある場合,通知の発送日から原則として3か月以内に,最高裁判所へ苦情を申し出ることができます。

庁舎図面などを求める場合は,対象となる施設,時期,部署,文書の種類及び必要な情報をできる限り具体化することが大切です。

また,全面開示だけを求めるのではなく,公開済み部分との比較や,警備上問題のある情報を除いた部分開示の可能性を具体的に示すことも考えられます。

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