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二回試験の不合格発表―合否が判明する経路,罷免及び再受験手続(AIリライト)

第1 二回試験の結果を関係先へ連絡すること

知り合いの司法修習生が二回試験に合格しているか否かは,本人だけでなく周囲の関係者にとっても関心事である。
そのため,次の対応が望ましい。

①合格していた場合は,内定先,弁護士修習先,世話になった実務家その他自分の結果を気にしている可能性がある人に対し,できる限り早く電話又はメール等で結果を報告してから,本格的に喜ぶとよい。
②不合格であった場合は,少なくとも内定先及び司法研修所の教官には直ちに連絡し,今後の対応を相談するとよい。

弁護士中所克博は,二回試験に不合格となった者が取るべき対応として,教官への連絡,内定先への事実の伝達,成績通知による不合格科目の把握,記憶が鮮明なうちの答案の再現,教官による敗因分析,同期の連絡網への参加,再起計画の立案及び当面の生活費の確保という一連の流れをX(旧Twitter)で示している。

第2 二回試験の合否が対外的に判明する経路

二回試験の結果は司法修習生本人には司法研修所を通じて直接通知されるが,判事補,検察官又は弁護士のいずれになるかによって,対外的に判明する経路が異なる。

1 一斉登録による弁護士登録の場合

一斉登録によって弁護士登録をする者については,日弁連HP又は日弁連会員専用ページ内の弁護士情報検索により判明する。
かつての例では,71期司法修習生の場合,平成30年12月14日に更新されていた。
もっとも,後記5のとおり二回試験の実施時期自体が期によって変動しているため,更新される曜日や時期を一律に一般化することはできない。

2 検察官に任官する場合

検事になる者については,新任検事に関する法務省人事がインターネット版官報に掲載されることで判明する。
かつての例では,71期司法修習生の場合,平成30年12月21日に掲載された。
直近の77期では,新任検事辞令交付式が令和7年4月7日に行われている。
司法修習生の検事採用までの具体的な日程は,「司法修習生の検事採用までの日程」を参照されたい。

3 判事補に任官する場合

判事補になる者については,任命日の直後にウエストロー・ジャパンへ掲載されることで判明する。
任命日はかつて1月16日であったが,直近の77期では判事補の内定が令和7年4月16日に出ており,任命の時期も4月下旬頃へ移行しているとみられる。
新任判事補の内定通知から辞令交付式までの具体的な日程は,「新任判事補の内定通知から辞令交付式までの日程」を参照されたい。

4 いずれにも進まない場合

判事補,検察官又は弁護士のいずれにもならない者については,「司法修習生の修習を終えた者」に関する官報公告が出るまで,二回試験の合否を対外的に知ることができない。
かつては,この官報公告は翌年1月中旬頃に出ていた。
もっとも,後記5の実施時期の変動に伴い,現在の公告時期がかつてと同じであるかどうかは,本記事執筆時点で確認できていない。

5 二回試験の実施時期が構造的に変動していること

二回試験の実施及び発表の時期は,近年,二段階で構造的に変動している。
第一に,74期(令和4年4月19日発表)では,従前の12月頃から令和4年4月頃へ実施時期が移った。
これは,新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年司法試験の実施自体が延期された(令和2年8月実施)ことに伴い,修習開始及び修習終了の時期が後ろ倒しになったためとみられる。
第二に,77期(令和7年3月25日発表)以降は,実施時期が3月下旬頃へ恒久的に移行したとみられる。
これは,令和5年司法試験から法科大学院在学中受験制度が導入され,司法試験の実施時期が変更されたことに連動しているとみられる。
もっとも,これらの背景事情について,最高裁判所又は法務省が明示的に理由を説明した一次資料までは確認できていない。

なお,直近の77期の二回試験の不合格者は10名,78期(令和8年3月24日発表)の不合格者は5名であった。
期別の発表日,判事補内定日及び新任検事辞令交付式等の詳細な日程は「65期以降の二回試験の不合格発表と修習終了・任官の日程(AI作成)」を,不合格者数の推移は「二回試験の不合格者数の推移等」を,それぞれ参照されたい。

第3 二回試験に不合格となった場合の罷免

1 罷免の法的根拠

裁判所法67条1項の試験(二回試験)に合格しなかった司法修習生は,同項による司法修習生の修習を終えた者とはならない。
司法修習生考試委員会は,修習の成績と考試の結果によって合格又は不合格を定め,最高裁判所に報告する(司法修習生に関する規則16条)。

二回試験の不合格は,裁判所法68条1項が定める罷免事由(成績不良その他修習を継続することが困難である事由として最高裁判所の定める事由があるとき)のうち,司法修習生に関する規則17条1項1号の「成績不良又は心身の故障により,修習を継続することが困難であるとき」に該当するものとして扱われる。
現に,77期の罷免の辞令書(令和7年3月26日付け)にも,「裁判所法第68条第1項及び司法修習生に関する規則第17条第1項第1号により罷免する」と記載されている。

2 罷免の辞令書(70期から77期まで)

二回試験に不合格となった司法修習生に対する罷免の辞令書は,70期から77期まで,次のとおり確認できる。

70期(平成29年12月13日付け)
71期(平成30年12月12日付け)
72期(令和元年12月11日付け)
73期(令和2年12月16日付け)
74期(令和4年4月20日付け)
75期(令和4年12月7日付け)
76期(令和5年12月13日付け)
77期(令和7年3月26日付け)

なお,73期については,本則の罷免とは別に,「73期二回試験の再試験不合格者に対する罷免の辞令書」(令和3年1月27日付け)が別途存在する。
この文書が生じた具体的な経緯は,本記事執筆時点で確認できていない。

3 78期における取扱いの変化

78期については,前記2のような罷免の辞令書そのものが確認できない。
その代わりに,「最高裁の不開示通知書(78期司法修習生の罷免,戒告処分,修習の停止,判事補志望者に対する面接選考)」(令和8年7月28日付け)の存在が確認できる。
この通知書の本文は本記事執筆時点で確認できておらず,不開示とされた具体的な理由は分からない。
そのため,従前の期で行われてきた任意の情報開示の運用が,78期についても維持されているかどうかは,現時点で明らかではない。

第4 二回試験の成績通知及び成績分布

1 成績通知の申出

司法修習生は,申出により,修習及び考試の成績の通知を受けることができる。
成績通知申出書及び成績通知の書式は,「司法修習生の修習及び考試の成績の本人に対する通知概要」(平成20年2月22日付け)に示されている。

2 成績分布の推移

二回試験を含む実務修習,集合修習及び考試の成績分布は,「実務修習,集合修習及び二回試験の成績分布(51期以降)」に,51期から直近の期まで整理されている。

第5 弁護士登録直後に勧誘される日本弁護士国民年金基金

二回試験に合格して弁護士登録をした者は,登録直後に日本弁護士国民年金基金への加入を勧誘されることが多い。
同基金は加入時期によって適用される予定利率が異なり,現在は加入時期に応じて5.5%から1.5%までの幅がある。
また,同基金公式サイトによれば,加入者に占める20歳代の割合は,2025年12月現在で1.0%にとどまっており,若手弁護士の加入率は低い水準で推移している。
予定利率の詳細な推移,年齢階級別の加入者数及び解約の可否等については,「日本弁護士国民年金基金」で整理している。

第6 二回試験に不合格となった場合の再受験

1 再採用を要すること

司法修習生であった者が考試を再度受験するためには,いったん離れた司法修習生としての身分を,改めて採用選考を経て回復する必要がある。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会 平成29年度(最情)答申第38号(平成29年10月2日答申)は,この点について次のとおり述べている。

「本件開示文書には,司法修習生の採用選考における審査基準が記載されているところ,その記載内容を踏まえて検討すれば,司法修習生であった者が考試を再度受験するために再採用される際には,本件開示文書に基づいて審査が行われるのであり,本件開示文書以外に司法行政文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」

ここにいう「本件開示文書」とは,後記2の司法修習生採用選考審査基準を指す。

2 司法修習生採用選考審査基準

司法修習生採用選考審査基準は最高裁判所ウェブサイトで公開されており,現行版は令和7年8月27日付けである。
同基準記2⑵は,司法修習生であった者について,次のいずれかに該当する場合を不採用事由として定めている。

①成績不良(裁判所法第67条第1項の試験の不合格を除く。)により修習をすることが困難である者
②修習の態度の著しい不良により,司法修習生たるに適しない者
③裁判所法第67条第1項の試験に連続して3回合格しなかった者(再度司法試験法による司法試験に合格した者を除く。)。ただし,病気その他やむを得ないと認められる事情により,同項の試験の全部又は一部を受験することができなかった場合には,当該試験を受験回数として数えないものとすることができる。
④①又は②に準ずる事由がある者

この規定は,平成28年6月1日付けの旧基準の当時から実質的に変更されていない。

3 連続して3回合格しなかった場合

前記2③のとおり,裁判所法67条1項の試験に連続して3回合格しなかった者は,再度司法試験に合格しない限り,司法修習生として採用されない。
二回試験に3回落ちた者の人数等については,「二回試験に3回落ちた人(三振した人)の数」を参照されたい。

第7 関連記事その他

裁判所HPにおける二回試験の不合格発表の実施経路,及び69期以降の過去の不合格者受験番号は,「二回試験の不合格発表がされる裁判所HP及び過去の不合格者受験番号」に整理している。

法務省は,令和3年度に続き,令和7年3月,「第2回法曹の質に関する検証結果について」を公表した。
同報告書は,最高裁判所の協力を得て二回試験の不合格状況を検証指標として分析し,「司法修習期66期以降は2%程度以下で推移しており,特に70期以降は1%以下と落ち着いた水準で推移」しているとし,「法曹養成課程が期待される養成機能を果たしていないと認めることはできなかった」としている。
若手法曹(司法修習期66期以降)の資質・能力や活動の質についても,「他の法曹と比較して劣っているとの評価は確認できなかった」との結論が維持されている。

以下の記事も参照されたい。

二回試験とは―科目,日程,合否の仕組み,不合格後の再受験及び関連記事
二回試験不合格時の一般的な取扱い――期別の沿革,罷免の根拠条文及び再受験
二回試験不合格と,修習資金貸与金の期限の利益との関係
二回試験の推定応試者数
二回試験の科目別不合格者数
二回試験再受験者の不合格率の推移
64期以降の二回試験に関する,合格者及び不合格者の決定に関する議事録
司法修習終了翌年の確定申告

出典・参考資料

1 法令・最高裁判所規則

裁判所法(昭和22年法律第59号)67条,67条の2,68条。

司法修習生に関する規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第15号)16条,17条(e-Gov法令検索には未収録のため,全文を掲載する山中弁護士ブログの記事による)。

2 最高裁判所及び司法研修所の資料

平成29年度(最情)答申第38号(諮問:平成29年6月5日,答申:平成29年10月2日,最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会)。

司法修習生採用選考審査基準(令和7年8月27日付け,最高裁判所。掲載ページ:司法修習生採用選考)。

③二回試験不合格者に対する罷免の辞令書。70期(平成29年12月13日付け),71期(平成30年12月12日付け),72期(令和元年12月11日付け),73期(令和2年12月16日付け),73期(再試験)(令和3年1月27日付け),74期(令和4年4月20日付け),75期(令和4年12月7日付け),76期(令和5年12月13日付け),77期(令和7年3月26日付け)。

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