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裁判所

執行官の採用選考実施結果―平成21年度から令和6年度まで(AI作成)

* 令和7年度執行官採用選考実施結果を追加しました。

第1 この記事が扱う資料と集計方法

1 対象と基準日
2 応募者数と欠測値の扱い

第2 年度別の執行官採用選考実施結果

1 平成21年度から令和6年度までの一覧
2 最終合格者数と採用人数は同じとは限らないこと

第3 執行官の採用選考に関する現行資料

1 現行の選考資格及び試験内容
2 法令,資格基準及び選考通達
3 結果資料の保存期間と令和7年度の取扱い

第4 平成27年度神戸地裁の数値に関する補足
第5 平成31年の国会答弁と女性登用に関する附帯決議

1 平成31年4月10日の衆議院法務委員会答弁
2 参議院答弁,附帯決議及び現行の募集案内

第6 関連情報
出典・参考資料

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執行官―職務,権限,監督,採用選考及び最高裁判例(AIリライト)

第1 執行官の地位と制度の概要

1 各地方裁判所に置かれる裁判所職員

2 独立した司法機関と地方裁判所の監督

3 手数料制と国庫補助

第2 執行官の主な職務

1 建物明渡し及び動産執行

2 不動産競売の現況調査

3 裁判関係文書の送達

4 子の引渡し

5 その他の法定職務

第3 職務執行の権限と手続上の制約

1 威力の使用及び警察上の援助

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平成26年度裁判所職員採用試験の採点処理ミス―24人の不合格判定と事後対応(AIリライト)

目次

第1 この記事が扱うのは平成26年度の採点処理である第2 原報告書に記載された誤りと点検の問題1 憲法の得点と受験者の対応関係を誤ったこと2 入力の確認と合否判定資料の確認を区別する第3 誤った不合格判定後の対応1 第2次試験の合格判定と第3次試験2 特例による一般職試験の追加合格第4 掲載している当時の原資料第5 関連記事
第1 この記事が扱うのは平成26年度の採点処理である

平成26年度の裁判所職員採用試験では,採点処理の過程で誤りが生じ,本来,総合職試験の第2次試験に合格すべき17人と,特例制度により一般職試験に合格すべき7人が不合格とされた。
この17人と7人を合わせた24人という数字は,当初の誤った不合格判定の人数を表すものであり,その後の再試験による最終合格者数とは区別する必要がある。

この記事は,当時の最高裁判所人事局長の報告及び関連する処分文書を紹介する歴史資料の記事である。
現在の試験区分,受験資格,科目及び日程については,「裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用まで」及び裁判所の公式採用試験情報を参照されたい。

第2 原報告書に記載された誤りと点検の問題
1 憲法の得点と受験者の対応関係を誤ったこと

平成26年11月14日付の最高裁判所人事局長報告の「2 非違行為等の概要等」は,総合職試験の大卒程度試験・法律経済区分について,第2次試験の結果をパソコン入力し,偏差値化や得点順の並べ替え等を行う過程で,憲法の受験者と得点の対応関係を誤ったと説明している。
その誤りを含んだまま合否判定資料が作成されたため,本来合格とすべき者が不合格とされたという経過である。

2 入力の確認と合否判定資料の確認を区別する

報告書は,合否判定資料の記載内容を答案等の原資料と照合して点検することなく決裁に上程したことに言及している。
また,入力後に入力結果一覧と答案原本を複数回照合していた職員についても,システムのデータ処理段階では誤りが生じないとの思い込みから,出力された合否判定資料の記載内容を点検しなかったと説明している。

したがって,当時の報告が指摘した問題は,単に手入力の確認回数だけで整理できるものではない。
入力時の照合と,その後の並べ替え・処理を経た合否判定資料の照合は,異なる段階の確認であった。この記事では,この報告書に記載された当時の事実を紹介しており,現在のシステムや点検手続を同じものと評価するものではない。

第3 誤った不合格判定後の対応
1 第2次試験の合格判定と第3次試験

報告書は,誤りの是正により総合職試験の第2次試験合格の判定を受けることになった17人のうち,第3次試験の受験を希望する者に再試験を実施したと説明している。
再試験の結果,総合職試験では新たに3人の最終合格者が追加されたと報告されている。

2 特例による一般職試験の追加合格

同じ報告書は,特例制度による一般職試験の最終合格者として,合計13人が追加されたことにも言及している。
当初誤って不合格とされた17人・7人,再試験の受験希望者,総合職の追加最終合格者及び特例による一般職の追加最終合格者は,異なる段階・区分の人数である。

これらを合算して独自の被害人数や採用人数を算出してはならない。
また,最終合格者の追加と,実際に各裁判所へ採用された人数も別の事項である。合格後の一般的な採用手続は,「裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れ」を参照されたい。

第4 掲載している当時の原資料

① 職員の非違行為について(平成26年11月14日付の最高裁判所人事局長報告)―誤りの内容,事後対応及び関係職員の職責等を記載した報告書である。

② 平成26年11月19日付の懲戒処分書,処分説明書及び受領書(各2通)―当時の処分に関する文書である。

当時の文書に記載された処理や人数は,令和8年度以降の試験条件及び実施結果を示すものではない。
最新の募集条件と年度別実施結果は,公式の当該年度の資料を確認する必要がある。

第5 関連記事

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裁判所職員採用試験の得点分布と成績通知―平成29年度答申と現在の情報提供(AIリライト)

目次

第1 得点分布の開示と個人の成績通知を区別する第2 平成29年度(最情)答申第21号が判断した対象1 平成28年度の得点分布が分かる文書の開示申出2 第1次試験の得点別人数等に関する判断3 第2次・第3次試験の得点分布に関する判断第3 現在案内されている個人の試験結果の情報提供1 対象となる受験者2 マイページからダウンロードする方法3 郵送で申出をする方法第4 倍率や合格基準を調べるときの注意点第5 原資料と関連記事第6 以前から掲載している通知書式等の参考画像
第1 得点分布の開示と個人の成績通知を区別する

裁判所職員採用試験について,全受験者の得点別人数や割合を知ることと,自分の試験結果の情報提供を受けることは,異なる手続・情報である。
得点分布に関する過去の不開示判断があることだけから,受験者本人も成績を確認できないと考えてはならない。

この記事では,平成28年度の得点分布を対象とした平成29年度の答申と,令和8年10月8日に確認した裁判所の個人成績通知の案内を区別して説明する。
試験区分,受験資格,科目及び採用までの全体像は,「裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用まで」を参照されたい。

第2 平成29年度(最情)答申第21号が判断した対象
1 平成28年度の得点分布が分かる文書の開示申出

平成29年度(最情)答申第21号は,平成29年7月24日の情報公開・個人情報保護審査委員会の答申である。
件名は職員採用試験得点度数分布表の一部開示の判断に関するもので,開示申出の対象は,平成28年度の裁判所職員採用試験における得点分布が分かる文書であった。

最高裁判所事務総長は,第1次試験の基礎能力試験及び専門試験に係る得点度数分布表を対象文書として特定し,一部を不開示とした。
委員会は,この文書の特定及び一部不開示の判断を妥当とした。対象と結論は答申書1頁,対象文書の一覧は5頁に掲載されている。

2 第1次試験の得点別人数等に関する判断

答申書3頁では,不開示部分には各試験種目の得点別の受験者数,積算数及び割合が記載されていると認定されている。
したがって,この答申を「第1次試験の資料は一切開示されなかった」という意味で紹介するのは正確ではない。対象文書は一部開示され,その中の得点別人数等が不開示とされたものである。

最高裁判所事務総長は,試験種目ごとに下限の得点を定めて合否を決めていることを踏まえ,得点別人数等が開示されると,照会等の増加や適正な合否判定への支障が生じるおそれがあると説明した。
委員会はその説明を不合理とはいえないとし,適正な試験事務の遂行に支障を及ぼすおそれを理由に,当時の答申でいう行政機関情報公開法5条6号の不開示情報に相当すると判断した。

これは司法行政文書の開示判断を検討した委員会の答申であり,裁判所の判決ではない。
また,答申書は,司法試験の得点分布が公表されている一方,他の試験では公表事項が異なることも検討している。司法試験で公表されていることだけを理由に,裁判所職員採用試験でも同一の情報が公表されると判断することはできない。

3 第2次・第3次試験の得点分布に関する判断

苦情申出人は,小論文,専門記述,政策論文及び人物試験についても,得点分布が分かる文書は当然に作成されているはずだと主張した。
これに対し,最高裁判所事務総長は,特定した第1次試験の対象文書以外には,開示申出に該当する文書を作成・取得していないと説明した。

委員会は,試験方式等を考慮すると直ちに得点分布が分かる文書を作成する必要があるとはいえず,その説明を不合理とはいえないとした。
他に保有をうかがわせる事情も認められないとして,対象文書以外に開示申出に該当する文書を保有していないと認定した。判断理由は答申書3頁~4頁に掲載されている。

この認定は,平成28年度の資料について,当該開示申出及び答申の審査で判断されたものである。
それだけから,現在の全年度・全試験種目について,得点分布の資料が常に存在しないと一般化してはならない。

第3 現在案内されている個人の試験結果の情報提供
1 対象となる受験者

令和8年10月8日に確認した裁判所「採用試験に関するお知らせ」は,採用試験の第2次試験以降の全試験種目を有効に受験した者について,試験結果の情報提供の申出ができると案内している。
第1次試験を受験した全員が,この案内と同じ条件で成績通知を受けられるという意味ではない。

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裁判所職員採用試験の倍率・合格最低点・採用者数―裁判所事務官等の年度別データ

目次

第1 採用データの読み方と令和8年度の実施結果1 受験者数,最終合格者数及び採用者数は別の数字であること2 令和8年度の裁判所事務官の実施結果3 高裁別の倍率4 採用試験と総研入所試験を分けて読むこと5 令和8年度の家庭裁判所調査官補の実施結果第2 年度別の試験実施結果と採用者数の原資料第3 合格最低点・合格最高点の比較第4 男女別合格率の計算と読み方第5 男女別統計と選考基準の関係第6 得点分布と個人の成績通知第7 裁判所職員総合研修所の研修生に関する資料第8 関連資料と関連記事

第1 採用データの読み方と令和8年度の実施結果

裁判所事務官の一般職・大卒程度に対応する区分の倍率は,平成16年度20.9倍から令和8年度4.5倍へ下がっている。
平成16年度以降の全年度の倍率表,旧Ⅰ種・総合職の比較及び難易度の変化は,裁判所職員採用試験の合格倍率の推移―平成16年度以降と難易度の変化にまとめた。
本記事は,各年度の実施結果・合格最低点・採用者数等の原資料と,近年の高裁別データを調べるための資料集である。

受験資格・試験科目・日程の全体像は,裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用までを,名簿の有効期間,推薦及び意向照会は,裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れを参照されたい。
本記事には,合格最低点・最高点及び採用者数等の原資料への案内も掲載している。

1 受験者数,最終合格者数及び採用者数は別の数字であること

本記事は,裁判所事務官及び家庭裁判所調査官補の採用試験について,年度別の実施結果,合格最低点・最高点及び採用者数等の原資料を掲載する資料集である。試験区分と年度をそろえ,第1次試験有効受験者数,最終合格者数及び採用者数を分けて読む必要がある。
裁判所が実施結果で表示する倍率は,「第1次試験有効受験者数÷最終合格者数」である。申込者数を分子にした倍率とは異なり,最終合格者数を採用者数と読み替えることもできない。採用者数の資料には,名簿の年度と集計時点の違いにも注意が必要である。

裁判所「試験の実施結果」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/siken/jissi/index.html
裁判所「受験から採用までの流れ」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/siken/saiyo/index.html

(1) 一般職・大卒程度の全国倍率と公式資料

平成16年度以降の全年度の人数・倍率は,一般職・大卒程度の全年度比較を参照されたい。
本記事の下記第1の3には,令和6~8年度の高裁別比較を掲載している。

最近の一般職・大卒程度の公式実施結果は次のとおりである。
令和4年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2022/XC-11kekka/C-11-kekka.pdf
令和5年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2023/saisi/XC-12-kekka/03-C-12-kekka.pdf
令和6年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2024/saisi/XC-13-kekka/03-C-13-kekka.pdf
令和7年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2025/saisi/XC-14-kekka/03-C-14-kekka.pdf
令和8年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/03-C-15-kekka.pdf

(2) 一般職・高卒者区分の全国倍率と公式資料

平成16年度以降の人数・倍率は,高卒者に対応する区分の全年度比較を参照されたい。
令和8年10月16日現在,令和8年度の最終倍率は未確定であり,以下は令和7年度までの確定結果である。

令和4年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2022/d-11kekka.pdf
令和5年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2023/saisi/d-12kekka.pdf
令和6年度:https://www.courts.go.jp/saiyo/vc-files/saiyo/2024/saisi/D-13kekka.pdf

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尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言

目次第1 尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言第2 講演を現在の実務に用いる際の注意1 講演中の数値と制度上の要件を区別する2 尋問によって何を証明するかを具体化する3 尋問の採否に関する裁量とその限界4 不採用を争うために記録しておく事項5 追記部分の出典6 唯一の証拠方法でも,未実施・再尋問・実施障害を区別する第3 関連記事

第1 尋問の必要性等に関する東京高裁部総括の講演での発言
・ 29期の富田善範東京高裁14民部総括判事(当時)は,平成28年2月8日の講演「現代の民事裁判における裁判所の役割」(平成27年度司法研修所特別研究会7(現代社会における法と裁判)2/2参照)において,尋問の必要性等に関して以下の発言をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。

1(1) 私は訟務に2回,合計13年行っておりました。現場の法廷に立つ訟務検事としても6年ぐらいはやっております。ですから,国の立場ではありますけれども,当事者の心理といいますか,やり方というものもよく分かるところがあります。
(2)   皆さん御承知のように,民事裁判は,当事者主義によって成り立っており,当事者に主張立証を任せれば自分に有利な主張立証をどんどん出してくるであろうから,当事者主義によって訴訟資料は充実するはずだと,民事訴訟法を習った段階ではそのように理解していました。
   現実はどうかというと,代理人をやってみると分かるのですが,率直に言って,当事者双方は,本来裁判所が審理の対象とすべき証拠のせいぜい2,3割ぐらいしか出してきません。
   その原因は何かというと,明らかに自分に有利な証拠はもちろん出しますが,明確に有利な書証というのはそんなにあるわけではありません。
   多くの資料は,自分にとって有利にもなるが, 不利にもなります。そうすると,少しでも不利になりそうなものは自分からは自主的に出さないのです。これが当事者の心理なのです。
(3)   ですから,訴訟段階で最初に出てくる書証は,客観的資料である登記簿とか,戸籍とかそういうものは出ますし,契約書があれば契約書が出てくる。
   しかし,それ以外のものというのは, なかなか普通の民事事件では出てこないことになります。しかも,事件のポイントになるところは余り書面化されていないことも多いわけです。
(4)   このようなことから,私は,民事裁判はミステリー小説ではないかと思っています。要するにぽつん,ぽつんと書証がありますが,その書証をつなぐものが直接ないのです。
   特に訴訟の最初の段階では余り出てこないものですから,裁判官には事実関係がよく分からないわけです。
   このように書証をつなぐものがはっきりしないとなれば,事件のストーリー,全貌は少しも浮かび上がってこないということになります。
(5)   ある先輩の裁判官は,これをクロスワードパズルと言っておられましたが,いずれにしてもこのミステリー小説のような状態をどう理解し解明していくかというのがなかなか難しいということになります。
   しかも,当事者は事実がどういうものかを知っています。代理人が全部知っているかどうか分かりませんが,当事者は真実というものを知っているわけです。代理人は少なくとも裁判所よりはよく知っています。
   そして,裁判所には分からないと思いますが,当事者同士では共通の事実認識も結構あります。6,7割は少なくとも当事者間で共通の事実認識があって,最後の少しは違ってくるかもしれませんが,代理人も当事者本人から話を聞けば,大体事件の全貌は浮かび上がってきます。
   ところが,これを裁判において,裁判所に説明する段階になると,お互いの見合いになってしまうわけです。
   とりあえず,必要最小限度の主張立証をして,相手の出方を見ながら,ここは反論しなければいけないというところだけは一所懸命反論しますが,それ以外の部分については,自分にとって有利か不利か分からないとなると, 急に身構えて主張立証を出し渋ってしまうのが当事者の心理です。
(6)   このような当事者主義に任せているとどういう結果になるかというと,当事者は一応の主張はするが,非常に資料が乏しく,何でこういう紛争になったのかとか,いろいろな経緯,動機とか背景事情とか,そういったものを余り出してこないことになります。
   そして,現にそういった当事者の主張立証が不足している事件がすごく増えているように思います。
   私は,民事裁判においては,このように当事者だけに主張立証を任せている限りはそうなりやすいことをよく考えておかなければならないと思います。
2(1) 私は,昨年6月に知財高裁から高裁民事部に移りまして,平成21年以来久しぶりに民事事件をやっているのですが,このような統計と歩調を合わせたように,原審で人証を調ぺていない,そして本人尋問すらしていない事件が以前に比べて目立って増えています。
   さらには陳述書すら出ていないという事件も増えております。
(2)   そういう事件では,一審の記録を見ると,書証以外は当事者の主張だけなのです。そうすると,その紛争に至った経緯とか動機とか背景事情は主張の中には少し述べられていますが,証拠上は全くないわけです。
   例えば,契約書はあるが,その契約書の成立等を争っていても,当事者が陳述書を出さないまま終結になっている事件が結構目につきます。
   そうすると,契約書をつくったけれども,これはこういう趣旨だったというようなことについては主張があるだけですので,裁判所の判断は,抽象的にそういう主張を認めるに足る証拠がないとか,あるいはこういう契約書がある以上,そういうことはないはずだとか,そういう判決になっていることが多いのです。
   しかし,そういう事件だと,高裁としては,この事件の実態がよく分からないということになります。その結果,当部の主任裁判官の合議メモでは,事件の経緯が分からないから,主張をやり直させなければならないとか,まずは陳述書を出させ,尋問しなければならないという意見が多くなっております。
   さすがに高裁段階で全部尋問するわけにもいかないので,ー応,事情を聞くために弁論準備や和解にすればいろいろ話をしてくるので,それによって,かなりの事件が和解で終わりますが,それだけではすまないので,今は,月に1,2件は証拠調べをするという状態です。

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最高裁判所の常置委員会―昭和期の定期開催と平成28年答申の説明

目次
1 最高裁判所の説明
2 昭和32年当時の説明
3 関連記事

1 最高裁判所の説明
・ 平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申,原文:https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/file1/28saijou11.pdf)の「第4 最高裁判所事務総長の説明の要旨」には,常置委員会の開催状況について,以下の記載があります。
この答申は,平成27年1月1日以降に開催された常置委員会の議事録及び配付資料について,最高裁判所が保有していないとした判断を妥当としたものです。
引用中の「現在」や「当該議決後も常置委員会は開催されていない」は,答申当時の説明であり,その後の全期間について不開催を示すものではありません。

   常置委員会は,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程第1号)7条の規定に基づき,裁判官会議を招集することができないときなどに司法行政事務をつかさどるために招集されるもので,常置委員会の構成員は,最高裁判所長官及び小法廷ごとに一人ずつ選出された裁判官である常置委員3人であるが,平成27年1月1日以降は,常置委員会は開催されていない。
   苦情申出人が主張するように,昭和27年12月20日開催の裁判官会議議事録(以下「昭和27年議事録」という。)に,「常置委員会は原則として毎週一回定期(水曜日午後)に開くものとすること。」との記載があるところ,常置委員会は,昭和37年頃までは月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されることはなくなり,その状況は現在も続いている。常置委員会がほとんど開催されなくなった事情は必ずしも明らかではないが,昭和38年頃から,裁判官会議が,昭和27年議事録に記載されている毎月1回(土曜日)ではなく,ほぼ毎週1回原則として水曜日に開催されてきた事情に鑑みると,この毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる。
   なお,平成26年12月3日開催の裁判官会議においては,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する。」としており,当該議決後も常置委員会は開催されていない。

2 昭和32年当時の説明
・ 最高裁判所事務総局情報課「最高裁判所十年の回顧」には,以下の記載があります(昭和32年刊行の法曹時報9巻10号50頁)。
引用中の「現在」は昭和32年当時を指し,「昨年末」は昭和31年末を指します。

司法行政の面では、裁判所の行政を行う裁判官会議は、最高裁判所発足当初は、連日開かれ、昭和二十三年ころから原則として毎週一回開催されてきた。
その後、昭和二十八年から長官と各小法廷から選出された三名の裁判官(二か月ごとに交替)で常置委員会を構成し、司法行政事務のうち、とくに重要な事項を除いた事務を取り扱い、その結果を全員による裁判官会議に報告することにした。
この常置委員会は、原則として毎週一回定期に開かれ、裁判官会議は、毎月一回定期的に開催され、その余力を裁判事務に集中することになって、現在にいたっている。
これらの会議は、最高裁判所発足以来昨年末(山中注:昭和31年末)までに全員の裁判官会議が五八一回、常置委員会が七五回開催されている。
この裁判官会議の重要な仕事の一つとして最高裁判所規則の制定がある。規則の制定のためには、昭和二十二年十一月十三日、最高裁判所規則第八号によって、裁判官、検察官、弁護士、国会議員、学識経験者など二十五人以内で組織する民事、刑事、家庭および一般の各規則制定諮問委員会が設けられ、また、特別の必要があるときは特別の委員会を設けて、これに諮問し、その答申にもとづいて規則を制定することにした。
昭和三十一年末で施行されている規則は、訴訟手続に関する規則四五件、裁判所内部規律に関する規則三◯件その他の規則一九件と規程が三八件となっている。

3 関連記事
・ 最高裁判所裁判官会議
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長

アジア太平洋最高裁判所長官会議

目次
1 総論
2 過去の開催状況
3 第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議
4 関連記事その他

1 総論

(1) アジア太平洋最高裁判所長官会議は,アジア太平洋地域の最高裁判所長官等が司法に共通する課題を討議する会議です。
香港司法機関の令和4年11月16日付公表は,LAWASIAの司法部門が組織する隔年の会議として説明しています。
同公表によれば,第18回は香港司法機関が主催し,令和4年11月16日・17日に初めてオンラインで開催されました。
香港政府による司法機関の公表を参照してください。

(2) アジア太平洋最高裁判所長官会議は,「アジア太平洋地域を中心とした高位法曹が集う,法の支配を基本理念とした国際会議」(平成29年5月付の最高裁判所長官談話「憲法記念日を迎えるに当たって」参照)です。

2 過去の開催状況
(1) アジア太平洋最高裁判所長官会議の開催状況(第1回から第16回までの分)を掲載しています。
(2) アジア太平洋最高裁判所長官会議の開催日程に関する文書を以下のとおり掲載しています。
第 7回,第 8回,第 9回,第10回
第11回,第12回,第13回,第14回,第15回
第16回,第17回,
(3) 裁判所HPに「第10回アジア太平洋最高裁判所長官会議」(東京開催)が載っています。
(4) 平成27年11月にオーストラリアで開催された,第16回アジア太平洋長官会議に関する出席報告書を掲載しています。

(5) 令和2年7月時点では,2019年秋に開催される予定であった第18回アジア太平洋最高裁判所長官会議は,まだ開催されていませんでした。
その後,第18回は令和4年11月にオンラインで開催されています。

R020803 最高裁の不開示通知書(司法の独立原則に関する北京声明(平成7年8月にアジア太平洋長官会議で採択されたもの)の日本語訳)を添付しています。 pic.twitter.com/vopVtilk73

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) August 4, 2020

アジア太平洋長官会議の開催状況(第1回から第16回までの分)を添付しています。 pic.twitter.com/JBUmrR2DJm

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) June 29, 2020

(続きを読む...)アジア太平洋最高裁判所長官会議

裁判部門から司法行政部門への情報伝達の在り方

◯古川龍一事件に関する平成13年3月14日付の最高裁判所調査委員会報告書の「4 裁判部門から司法行政部門への情報伝達の在り方」の「(1) 一般的な検討」には以下の記載があります。

裁判部門は,独立してその職権を行使するのであるから,裁判部門の情報は,原則として当該部門内にとどめられるべきものであり,みだりに司法行政部門に開示することは,裁判の公正を確保する見地から許されない。しかし,同時に司法行政部門は,裁判が適正迅速に行われるよう,これを支援するためにあるのであるから,このような目的を達するために合理的な必要がある限りにおいては、裁判部門から司法行政部門に対して情報を伝達することも,許されると解すべきである。この場合においても,令状請求事件については,捜査の密行性の要請がとりわけ強く,また,令状請求の時点では,一般的にいえば司法行政上の必要性も限られたものであることが通例であるから,その情報については,特に厳格な取扱いを要するというべきであり,このような情報提供が許されるのは例外的な場合に限られよう。
  司法行政上の措置を必要とする場合として通常想定されるのは,(1)当該令状請求事件の裁判を担当する裁判官をはじめとする裁判関係者や,宿舎,庁舎の警備が必要となる場合,(2)忌避,回避の問題を生じて,裁判官の配置を変更したり,担当事務に変更を加えることを考えなければならないときなど,当該事件の裁判の公正性,適正性に対する信頼を確保するために必要な場合,(3)極めて例外的であるが,裁判官本人及び裁判官の妻子が犯罪の被疑者として捜査の対象となっているときのように,公正な裁判の遂行に対する差し迫った障害があり,当該裁判官がそのまま裁判事務を統けることが相当かどうかを検討しなければならない場合などであろう。
 このような場合,司法行政部門はこのような裁判部門からの情報のみによって行動しなければならないわけではなく,必要に応じ,然るべきルートを通じて,捜査の責任者から差し支えない範囲で情報を開示してもらう場合も少なくないが,そのような司法行政上の手段をとる前提として,必要最小限の情報が裁判部門から司法行政部門に伝えられる必要がある。
  なお,裁判部門から司法行政部門に裁判情報を伝えるかどうかの判断に際しては,原則的に当該令状事務を担当した裁判官の判断を経るものとすることも考えられるところである。
  次に,伝達することが許容される情報の範囲は,伝達する目的に照らして相当なものであることが必要であり,ことにここでは捜査資料という高度の秘密性のある情報が対象であるから,必要最小限のものに限られるべきであって,通常は,(1)令状が発付された事実と令状の種類,(2)被疑者名,(3)被疑事実の概要のほか,上記の司法行政上の目的との関係で,(4)警備を必要とする事情や被疑者と親族関係にある裁判所職員の存在などが伝達の許容される限度であると考えられる。それ以上の詳細な情報は,上記のとおり,捜査機関から司法行政上の正規のルートで獲得すべきものであろう。なお,例えば,被疑事実が複雑であるなど特別な事情がある場合に令状請求書の被疑事実の部分のコピーを取ることが一切許されないとは言えないにしても,捜査書類のコピーをとって報告資料とすることは,極めて例外的な場合に限られるであろう。
  伝達の経路については,被疑者の関係者を経由することがないようにすることは当然として,捜査情報を知る者が必要最小限の者に限られるよう,各庁の実情に応じた経路を定めておく必要がある。

会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

目次
1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
2 関連資料
3 関連記事その他

1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表
(1) 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表として以下の検査年次のものを掲載しています(ファイル名は「会計検査院第1局司法検査課の令和6検査年次実地検査日程表」といったものです。)。
(令和時代)
令和2検査年次,令和3検査年次,令和4検査年次,
令和5検査年次,令和6検査年次,令和7検査年次,

(平成時代)
平成24検査年次,平成25検査年次,平成26検査年次
平成27検査年次,平成28検査年次,平成29検査年次
平成30検査年次,平成31検査年次
(2) 会計検査院第1局司法検査課は,裁判所,会計検査院,国家公安委員会,法務省及び日本司法支援センターを担当しています(会計検査院HPの「第1局」参照)。

予算には関心高いけど、決算には清々しいほどに無関心な人大杉。
確定検査のお作法が旧態依然のままなのは、検査の合理化が偉い人の関心事項ではないから。
検査する側が未だに紙の証憑に拘り、検査される側は電子データがあるのにプリントアウトして渡す優しい世界。
電卓忘れずに持って行かなきゃ!

— 霞が関一般職 (@NonCareer55) March 15, 2022

1 RoootSの導入計画の見直し(令和5年11月16日付の最高裁判所事務総局会議議事録)を添付しています。
RoootSの先行導入の時期を令和6年1月から令和6年5月以降にするというものです。

2 RoootSは,裁判所職員向けのe事件管理システムのことです。https://t.co/V1BykBYYhW pic.twitter.com/CM77H1Zave

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 19, 2024

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裁判所職員の旧姓使用

目次
1 裁判所職員の旧姓使用に関する文書
2 裁判官を含む裁判所職員が旧姓を使用できる場合
3 銀行口座等の旧姓使用に係る協力要請
4 官報,最高裁判所の裁判官会議議事録及び裁判所時報における使い分け
5 関連記事その他

1 裁判所職員の旧姓使用に関する文書
(平成13年9月の文書)
① 裁判所職員の旧姓使用について(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局長の通達)
② 裁判所職員の旧姓使用について(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局給与課長及び任用課長事務連絡)
(平成29年7月の文書)
③ 裁判所職員の旧姓使用について(平成29年7月3日付の最高裁判所事務総長の通達)
④ 非常勤職員の旧姓使用について(平成29年7月13日付の最高裁判所人事局長の通達)

裁判官の旧姓使用について(令和元年度新任判事補研修の資料)を添付しています。 pic.twitter.com/8FAsBvLIIP

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 20, 2020

2 裁判官を含む裁判所職員が旧姓を使用できる場合
(1) 裁判官を含む裁判所職員は,平成13年10月1日以降,以下の場合に旧姓を使用できることとなりました。
1 職場での呼称
2 座席表
3 職員録(各裁判所で作成しているもの)
4 電話番号表
5 原稿執筆
6 人事異動通知書
7 出勤簿
8 休暇簿
(2) 裁判官を含む裁判所職員は,平成29年9月1日以降,裁判関係文書を含む以下の場合に旧姓を使用できることとなりました。
1 職場における呼称

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地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会――仕組み,沿革及び意見反映の実例(AIリライト)

第1 制度の目的と法的位置付け

1 目的及び所掌

2 司法行政の決定機関との違い

3 個別事件は扱わない

第2 制度の沿革

1 昭和24年に始まった家庭裁判所委員会

2 司法制度改革審議会意見書

3 平成15年の新設及び全面改組

第3 委員の構成,任期及び運営

1 委員数,任命及び任期

2 委員長,部会及び庶務

3 制度設計時の四つの確認事項

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ハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見

1   平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のうち,裁判所HPに掲載されているもの以外は,同月27日までに廃棄されました(平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日答申))。

2 答申には以下の記載があります。なお,本件開示申出文書というのは,平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のことです。
   最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書に該当する可能性がある文書としては,①記者会見の日時・場所等を記載した文書,②取材の集合時間・注意事項等を記載した文書,③配布資料があったとした上で,①及び②については,いずれも報道機関に配布することでその目的を果たすことから,報道機関に配布するための部数しか作成しておらず,報道機関等からの問合せがあった際に確認するための控えについても,記者会見終了時点において,事務処理上使用することが予定されておらず,保有する必要がないため,短期保有文書として随時廃棄しており,本件開示申出の時点において存在しないと説明している。
   そこで検討すると,①及び②の文書は,いずれも記者会見の準備のための事務に用いられるものであると考えられるから,その内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であるということができる。そうすると,これらについて,保存期間を1年以上にする必要がない短期保有文書として扱っていることは,前記1の各通達に沿った取扱いであり,相当である。そして,①及び②の文書が上記のような文書であることからすると,記者会見の日の2日後である本件開示申出の時点において,①及び②の文書が,いずれも廃棄済みであって存在しないとする説明は合理的であり,これを覆すに足りる事情はない。したがって,これらはいずれも廃棄済みであると認められる。
  また,③の配布資料については,いずれも裁判所ウェブサイトに掲載されたものであるとする最高裁判所事務総長の説明が不合理であるとする事情も見当たらない。したがって,本件開示申出の内容に照らすと,これは,本件開示申出文書に当たらないと認められる。

* 自由と正義2021年8月号の「ひと筆」として,「ハンセン病訴訟から学んだもの」(筆者は大分県弁護士会の徳田靖之弁護士)が載っています。

憲法週間における最高裁判所判事の視察(AIリライト)

毎年5月の憲法週間には,最高裁判所の判事が全国各地の下級裁判所を視察している。
本記事は,この視察の仕組みと,視察の日程・関係文書がどのように作成され,廃棄され,又は開示されているかを,情報公開請求で得た最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申や不開示通知書等の一次資料に基づいて整理し,あわせて視察の実態に関する当事者の証言・見解を紹介するものである。
特定の事件処理や法律相談を目的とするものではない。

目次

第1 総論——憲法週間における最高裁判所判事の視察

1 視察の概要
2 視察日程の作成に関する文書

第2 視察日程・関係文書の情報公開上の取扱い

1 最高裁判所が受領した文書の廃棄
2 視察先の下級裁判所における文書の廃棄
3 水戸地裁の視察日程等についての部分開示判断
4 短期保有文書としての取扱い

第3 視察時の概況説明資料の取扱い

1 高等裁判所が提供する概況説明資料の位置づけ
2 大阪高裁の説明資料の廃棄

第4 視察の実態に関する証言・見解

1 元裁判所職員による説明
2 田原睦夫弁護士による説明

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最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領

目次
第1 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
第2 通知の時点及び射程
第3 関連記事その他

第1 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
・ 「最高裁判所における法廷内カメラ取材について(通知)」(平成2年12月6日付の最高裁判所広報課長通知)によれば,平成3年1月1日から,裁判所又は裁判長が相当と認める事件につき,以下の運用要領でカメラ取材が認められるようになっています。

運用要領

1    許可申請
   法廷内カメラ取材を希望する社は,取材希望事件の開廷期日のおおむね2日(休日及び土曜日を除く。)前までに,広報課に許可申請をする。
2   取材人員
   カメラ取材のため入廷できる人員は,1社1人とする。
3   撮影機材
   1社が使用できる撮影機材は, 1人で操作できる携帯用小型のビデオカメラ(1台)又はスチールカメラとし,ビデオ撮影用照明機材,録音機材,中継機材等の補助機材は使用できない。
4   撮影時期・時間
   撮影は,裁判官の入廷開始時からとし,裁判官全員の着席後で開廷宣告前の間における2分以内とし,その開始及び終了は裁判長の命を受けた裁判所職員の合図による。
5   撮影位置
   撮影位置は,傍聴席後部の裁判長が指定する場所とする。
6   撮影対象
   撮影対象は,入廷中の裁判官並びに裁判官席及び当事者席とし(傍聴席が付随的に入ることは可),次に掲げる撮影は認めない。
(1) 音声を録音すること。
(2)   特定の人物(裁判官を除く。)の拡張・拡大写真を撮影すること (トリミング等の方法により,これらの特定人物を際立たせることを含む。)。
(3)   傍聴席にいる特定の者を個別的に撮影対象とすること。
(4)   弁護人,代理人又は傍聴人が宣伝的行為や法廷の秩序を乱す行為に出た場合に,これを撮影対象とすること(退廷命令の執行を撮影対象とすることを含む。)。
7   撮影中止
   取材要員は,裁判長又はその命を受けた裁判所職員から撮影中止の指示があった場合には,直ちに撮影を中止し,退廷しなければならない。
8   条件違反の取材に対する措置
   この要領又は裁判長の命じた事項に違反する取材が行われた場合には,裁判長の権限に基づく処置,一定期間の取材停止その他必要な措置を執ることがある。

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裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

目次
1 規程及び通達
2 裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条
3 関連記事

1 規程及び通達
① 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和43年6月10日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 別紙として,「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」(昭和43年6月10日最高裁判所規程第4号)が添付されています。
② 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和60年12月28日付の最高裁判所事務総局経理局長通達)
③ 法廷秩序維持等のための警備状況の報告について(平成4年12月24日付の最高裁判所刑事局長通達)

2 裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条
・ 「裁判所構内における注意事項」(リンク先は那覇地家裁のものです。)の根拠条文となっている,裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条は以下のとおりです。
    管理者は、庁舎等において次の各号の一に該当する者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。ただし、管理者が第九号又は第十号に該当する者に対し、庁舎等の管理に支障がないものと認め、その行為を許可した場合は、この限りでない。
一 銃器、凶器、爆発物その他の危険物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
二 職員に面会を強要した者
三 立入りを禁止した区域に立ち入り、又は立ち入ろうとする者
四 放歌高唱し、若しくはねり歩き、又はこれらの行為をしようとする者
五 宣伝カーを持ち込み、又は持ち込もうとする者
六 座り込み若しくは通行の妨害になるような行為をし、又はしようとする者
七 寄付を強要し、又は押売りをする者
八 裁判所の禁止に反し写真機、録音機その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
九 旗、のぼり、プラカード、拡声器その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
十 はちまき、ゼツケン、腕章その他これらに類する物を着用する者
十一 前各号に掲げる者のほか、庁舎等の管理に支障がある行為をし、又はしようとする者
2 管理者は、庁舎等の管理のため必要があると認めるときは、庁舎等において、文書、図画、びらその他これらに類する物を頒布し、又は頒布しようとする者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。
3 第九条の規定は、第一項ただし書の許可をする場合に準用する。

3 関連記事
・ 司法修習生による,司法研修所構内の写真撮影禁止に関する文書は存在しないこと

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法廷における弁護士の起立問題

目次
1 法廷における弁護士の起立問題
2 関連記事その他

1 法廷における弁護士の起立問題
本記事の「起立問題」は,弁護士が法廷で発言するときに立つか,着席したまま発言できるかという問題です。
弁護士の懲戒一般を意味する「規律問題」とは異なります。
以下では,昭和27年当時の最高裁判所と日弁連の意見の違いを,通知とその別紙から整理します。

昭和27年11月29日付の通知には,同日付の事務総長から日弁連会長への回答,昭和27年7月10日付の日弁連の意見書,及び同年11月18日付の各弁護士会長宛て日弁連文書が収録されています。
以下の引用は,そのうち最高裁判所側の回答です。

・ 「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)には,以下の記載があります。

   法廷において事件の当事者および関係人が発言に際して起立することは,久しきにわたって確立された慣行であり,今日まできわめて自然に励行されているところであります。
  そして,この慣行は,法廷の品位を保ち,手続が秩序正しく,かつ,円滑に行われる上によい効果をもたらすものであり,いまにわかにこれを改めねばならぬ理由はないものと思料します。ただ証人尋問に際して手控をとる場合等着席のままの発言が便宜である場合,発言者が裁判長の承認のもとに着席して発言することを妨げないことは申すまでもありません。
   なお,さきにこの問題について当方から口頭をもって連絡しましたところも,右と全く同じ趣旨であり,従って各弁護士会あてに発せられた昭和27年11月18日付日弁連総第189号に記載されたところは,当方の趣旨とするところと著しく相違するものであることを,念のため,申し添えます。

これに対し,別紙の日弁連の昭和27年7月10日付意見書は,弁護士が発言する際の起立・着席を自由とすることを求めています。
最高裁判所側の回答は,起立を確立した慣行として維持する考えを示しつつ,証人尋問中に手控えを取る場合等には,裁判長の承認の下で着席して発言することを妨げないとしています。
両者の見解が一致していたという資料ではありません。

この通知は,発言時の起立という当時の慣行と,着席を認める取扱いを知るための資料です。
通知だけを根拠に,現在のあらゆる手続で起立が法律上の絶対的義務である,あるいは自由に拒めると断定することはできません。
裁判長の秩序維持の権限や監置・過料との違いは,法廷警察権の解説(AI作成)を参照してください。

2 関連記事その他
(1) 石山豊太郎 京都地裁判事の「法廷礼法の在り方」では,「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)について言及されています(昭和33年6月15日付の判例タイムズ81号40頁)

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裁判所に設置されている主な委員会等――現行組織・活動終了・廃止の区別(AIリライト)

第1 委員会等を調べる際の基本的な区別

1 公式の「各種委員会」ページと組織図は役割が異なる
2 「設置」と「近時の活動」は同じではない

第2 最高裁判所の現行の正式組織

1 裁判所データブック2026に掲載された22組織
2 判例委員会と訴訟支援型委員会の実務
3 組織図外で現に活動を確認できる主な組織

第3 高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の委員会

1 高等裁判所
2 地方裁判所
3 家庭裁判所

第4 現行組織として扱うべきでない委員会等

1 活動を終えたことを確認できる組織
2 平成29年に廃止された3委員会
3 公表資料上の現状を確認できない組織

第5 委員会等の現行性を確認する手順
第6 関連記事
第7 出典・参考資料

1 裁判所・法令資料

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東京地裁の幹部連絡会及び裁判官会議終了後に行われる概況説明

目次
1 東京地裁の幹部連絡会
2 東京地裁の裁判官会議終了後に行われる概況説明
3 関連記事その他

1 東京地裁の幹部連絡会
・ 東京地裁の幹部連絡会は,通達等に開催根拠がある会合ではないものの,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),首席書記官,次席書記官,事務局長,東京簡易裁判所事務部長及び同首席書記官が参加し,各部署の懸案事項,事務処理態勢やその運用状況及び行事予定等の現状を情報共有するために行われている連絡会としての会合であり,この会合で組織として意思決定を行うものではありません。

2 東京地裁の裁判官会議終了後に行われる概況説明
(1) 裁判官会議終了後に行われる概況説明は,通達等にその実施について定めがあるものではないものの,定例裁判官会議後,必ず行われている説明です。
(2) 参加者は,定例裁判官会議出席者と同様,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),判事,判事の権限を有する判事補,判事の権限を有しない判事補,事務局長,首席書記官,東京第一検察審査会事務局長,総務課長及び総務課庶務第一係長であり,同人らが各部署の事件動向等について情報共有し,庁全体の現状を把握するために行われる連絡会としての会合であり,この会合で組織としての意思決定を行うものではありません。

3 関連記事その他
(1) 東京地裁の幹部連絡会の報告資料及び裁判官会議終了後に行われる概況説明の資料は, 報告又は説明終了直後に廃棄されていました(平成28年度(情)答申第12号(平成28年10月24日答申))。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 東京高裁裁判官会議の概況説明資料
・ 東京修習の情報
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料

下級裁判所の裁判官会議が行う司法行政事務―裁判所別の権限と所長等への委任(AIリライト)

第1 裁判官会議が司法行政事務を処理する根拠

1 司法行政事務と裁判権の区別
2 権限の帰属と委任後の処理主体
3 司法行政上の監督と裁判官人事の限界

第2 裁判所の種類による違い
第3 地方裁判所の裁判官会議に属する主な司法行政事務

1 裁判事務に関する事項
2 裁判官に関する事項
3 裁判官以外の職員に関する事項
4 司法委員及び鑑定委員に関する事項

第4 裁判官会議から所長等への委任

1 委任,緊急処理及び会議運営
2 最高裁平成10年12月1日大法廷決定
3 東京地裁及び大阪地裁の公開規程

第5 公開資料から確認できる実際の運用

1 最高裁判所への報告
2 大阪地裁の近時の議事録
3 公開資料の限界

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平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達

目次
1 裁判所会計事務規程及び関連通達
2 関連記事その他

1 裁判所会計事務規程及び関連通達
・ 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達を以下のとおり掲載しています。

以下の資料は,リンク先に表示した制定・発出日又は掲載版の記録として参照してください。
後年の日計の検閲に関する資料も含まれますが,この一覧だけで各規程・通達の現行性を確認したものではありません。
個別の手続を行う際は,改正後の規程と当該裁判所の最新案内を確認する必要があります。
保管金の処理を調べるときは⑥と⑧,検査員の取扱いは⑤,会計検査は⑦,日計の検閲は⑨と⑩が資料探索の入口になります。
これらを担当者が用いる現行様式と直ちに同一視しないでください。
現在の電子納付と還付については,裁判所「保管金の電子納付について」を確認してください。
同案内は,電子納付では保管金受領証書を交付しないこと,還付口座の変更では新たな利用者登録と係属事件のある各裁判所への連絡が必要であることを説明しています。
制度の使い分けと事件別精算は,裁判所の保管金・予納金の還付―電子納付,口座名義・変更と法律事務所の事件別精算(AI作成)を参照してください。

① 裁判所会計事務規程(平成29年3月15日最高裁判所規程第4号)
② 用途廃止等の承認申請を必要としない場合について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
③ 経理計画について(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
④ 裁判所会計事務規程に基づく指定等について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑤ 裁判所会計事務規程に基づく検査員の任命方法等に関する取扱いについて(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
⑥ 裁判所会計事務規程等に規定する保管金等の処理に関する書類及び帳簿諸票の様式について(平成7年3月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑦ 会計検査の実施に関する事務の取扱いについて(平成7年3月30日付の最高裁判所経理局長依命通達)
⑧ 保管金事務処理システムを利用した保管金に関する事務処理の運用について(平成29年3月31日付の最高裁判所経理局長通達)
⑨ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(平成30年9月18日付の最高裁判所経理局長の通達)
⑩ 裁判所会計事務規程に基づく日計の検閲等に関する取扱いについて(令和3年11月30日付けの最高裁判所経理局監査課長の事務連絡)

2 関連記事その他
(1) ①修習資金貸与要綱4条等の支出負担行為担当官,及び②修習資金貸与要綱16条2項等の歳入徴収官は,最高裁判所事務総局経理局長のことです(裁判所会計事務規程別表第二参照)。
(2) 法廷の椅子の管理者は告訴権を有します(最高裁昭和29年7月14日決定)。

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司法行政の監督権

目次
1 司法行政の監督権
2 司法行政の監督権の限界
3 裁判所の事務の取扱い方法に対する不服
4 一般職の管理職の権限は裁判官等の権限に影響を及ぼすことはないこと
5 関連記事

1 司法行政の監督権
(1)   司法行政の監督権は,以下のとおり行われています(裁判所法80条)。
①   最高裁判所は,最高裁判所の職員並びに下級裁判所及びその職員を監督します。
②   各高等裁判所は,その高等裁判所の職員並びに管轄区域内の下級裁判所及びその職員を監督します。
③   各地方裁判所は,その地方裁判所の職員並びに管轄区域内の簡易裁判所及びその職員を監督します。
④   各家庭裁判所は,その家庭裁判所の職員を監督します。
⑤   簡易裁判所司法行政事務掌理裁判官(裁判所法37条)は、その簡易裁判所の裁判官以外の職員を監督します。
(2)ア 司法行政の監督権の主体は組織体としての裁判所であって,長官又は所長ではありません。
   そのため,最高裁判所,高等裁判所,地方裁判所及び簡易裁判所における司法行政の監督権は,原則として裁判官会議の決議に基づいて行われています。
イ 明治憲法下の裁判所構成法135条では,司法行政の監督権の主体は司法大臣,大審院長,控訴院長及び地方裁判所長とされていました。

2 司法行政の監督権の限界
(1) 司法行政の監督権は,裁判官の裁判権に影響を及ぼし,又はこれを制限することはできません(裁判所法81条)。
(2) 裁判所構成法143条は「此ノ編ニ掲ケタル前各條ノ規程ハ裁判上執務スル判事ノ裁判權ニ影響ヲ及ホシ又ハ之ヲ制限スルコトナシ」と定めており,裁判所法81条と同趣旨のことを定めていました。

3 裁判所の事務の取扱い方法に対する不服
(1) 裁判所の事務の取扱い方法に対して申し立てられた不服は,司法行政の監督権により処分されます(裁判所法82条))(「裁判官の職務に対する苦情申告方法」参照)。
(2) 裁判所構成法140条は「司法事務取扱ノ方法ニ對スル抗告殊ニ或ル事務ノ取扱方ニ對シ又ハ取扱ノ延滞若ハ拒絶ニ對スル抗告ハ此ノ編ニ掲ケタル司法行政ノ職務及監督權ニ依リ之ヲ處分ス」と定めており,裁判所法82条と同趣旨のことを定めていました。

4 一般職の管理職の権限は裁判官等の権限に影響を及ぼすことはないこと
・ 大法廷首席書記官等に関する規則に定める大法廷首席書記官,小法廷首席書記官,訟廷首席書記官,首席書記官,知的財産高等裁判所首席書記官,次席書記官,総括主任書記官,主任書記官,主任速記官,訟廷管理官,裁判員調整官及び速記管理官の権限は,裁判所法その他の法令に定める裁判官,裁判所書記官及び裁判所速記官の権限に影響を及ぼし,又はこれを制限することはありません(大法廷首席書記官等に関する規則8条)。

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平成31年3月20日発生の,東京家裁前の殺人事件に関する国会答弁

目次
第1 平成31年3月22日の衆議院法務委員会における質疑応答
第2 平成31年3月26日の衆議院法務委員会における質疑応答
第3 関連記事その他

第1 平成31年3月22日の衆議院法務委員会における質疑応答
・ 村田最高裁判所長官代理者は,42期の村田斉志最高裁判所総務局長であり,階猛(しなたけし)は平成19年7月29日から衆議院議員をしている人です。

○階委員 国民民主党の階猛です。
(中略)最近の東京家裁前の殺人事件、これはちょうど、三月二十日、私どもが理事懇に入った三時二十分ごろの事件だというんですね。白昼堂々と、堂々とかどうかは知りませんけれども、でも、東京家裁の前ですよ、そこで殺人事件、しかも事件の当事者の間で起きている。とんでもないことだと思っています。
 裁判所として警備面等で反省すべき点はないのかどうか、最高裁、お答えください。
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 三月二十日午後三時過ぎ、委員御指摘のとおり、東京家庭裁判所におきまして、家事調停事件の当事者が刃物で刺され、病院に搬送された後に死亡するという事件が発生いたしました。
 多くの国民の方が来庁される裁判所におきましてこのような重大な事件が生じたということは極めて深刻な事態であるというふうに受けとめておりまして、亡くなられた被害者の方、またその御遺族の方には心よりお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
 東京家庭裁判所におきましては、入庁時に所持品検査を実施していたところではございますけれども、今回の事件の発生状況や経緯につきましては、警察による捜査が進められているところでございまして、裁判所としては、警察の捜査に引き続き可能な協力をするとともに、事実関係の把握に努めまして、それを踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
 反省すべき点があるかないかというところでございますけれども、裁判所内の安全の確保は極めて重要なことであると認識しております。
 現段階では、事実関係が十分把握できておりませんので、警備面等での不備の有無、こういったことについては十分にお答えができないというところでございまして、今後、事実関係の把握に努めまして、それを踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
○階委員 これは重大な問題だと思いますよ。法の支配を貫徹するべき裁判所で、力の支配のようなことが行われるということはあってはならないと思います。これは、徹底的に事実を明らかにした上で、この場で反省と再発防止のための見解をしっかり述べてください。これも後日、取り上げます。

第2 平成31年3月26日の衆議院法務委員会における質疑応答
○階委員 最高裁、この間の家庭裁判所での殺人事件について、警備体制に不備があったのではないかという問題意識をお伝えしたと思います。
   不備があったかどうかという前に、事実関係ですね、警備の人員がこれまでどうなってきたのか。同じ質問ですので繰り返しませんが、ファクトだけ、まず教えてください。
○村田最高裁判所長官代理者 まず、警備業務に従事する守衛の減少数でございます。
   前回、平成二十九年から平成三十年にかけての守衛の減少数、十六人とお答えしたんですけれども、これは下級裁の人数でございまして、このほかに最高裁の減少もございましたので、平成二十九年度から平成三十年度にかけての全国の守衛の減少数は十八でございました。このうち、東京地裁、東京家裁管内はいずれも減少なしでございました。
   その上で、委員の御質問であるところの平成二十一年度から平成三十年度にかけての全国の守衛の減少数ですが、下級裁判所で百三十七人、最高裁判所分を含めますと全国で百四十五人の守衛の減少となっております。
   このうち、東京地裁管内を担当する守衛は十一の減少でございまして、東京家裁管内を担当する守衛は六人の減少でございました。(階委員「ちょっと、まだ質問通告されていますよね、ほかの数字もありました」と呼ぶ)
   その場合の外部委託の予算額でございますけれども、守衛の削減分と直接の対応関係がないので、そこだけ切り出せないというのは前回申し上げたとおりでございますが、外部委託費を申し上げますと、平成二十一年度は約七億円でございました。平成三十年度が約十四億円、平成三十一年度が約十五億円となっております。
   東京高裁及び東京地家裁管内の予算額につきましては、平成二十一年度が約一・八億円、平成三十年度が約二・四億円になってございます。
○階委員 今のような数字で、警備業務の人数は定員減少に伴ってかなり減っているということがわかりました。

(続きを読む...)平成31年3月20日発生の,東京家裁前の殺人事件に関する国会答弁

裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議

目次
第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和 8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
9 令和 7年3月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第217回国会)
8 令和 6年3月15日の衆議院法務委員会の付帯決議(第213回国会)
7 令和 5年3月10日の衆議院法務委員会の付帯決議(第211回国会)
6 令和 4年3月 9日の衆議院法務委員会の付帯決議(第208回国会)
5 令和 3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議(第204回国会)
4 令和 2年4月 3日の衆議院法務委員会の付帯決議(第201回国会)
3 平成29年3月31日の衆議院法務委員会の付帯決議(第193回国会)
2 平成28年3月18日の衆議院法務委員会の付帯決議(第190回国会)
1 平成25年3月26日の衆議院法務委員会の付帯決議(第183回国会)
第2 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する参議院法務委員会の附帯決議
1 令和 8年4月23日の参議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
第3 69期以降の司法修習生組別志望等調査表は存在しないこと
第4 法曹の質の検証
第5 関連記事その他

* 附帯決議は,法律案の可決に際して政府及び最高裁判所に配慮を求める委員会の決議であり,裁判官等の員数そのものは裁判所職員定員法の改正によって変わります。法律で員数を定める理由と総定員法との違いは,裁判所職員定員法と総定員法の違い―裁判所の定員を法律で定める理由と国会答弁を参照してください。

第1 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
10 令和8年4月14日の衆議院法務委員会の付帯決議(第221回国会)
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。
二 当委員会においてこれまでに付されてきた附帯決議の趣旨を尊重し、最高裁判所において、判事補の定員の充足に努めるとともに、その実員の増減の見通しを着実に立てた上で、定員の在り方について不断の検討を行うこと。
三 判事補を安定的に確保することが重要であることに鑑み、裁判官の全体的な処遇改善に向けた必要な検討を行うこと。
四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を引き続き国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。
六 両親の離婚時における子どもの利益確保の要請等への対応、その他価値観の多様化に伴う家事事件の複雑化・困難化の動向等に対して、家庭裁判所における多角的な対応が適切かつ十分に行われるよう、裁判官・家庭裁判所調査官の充実を含め、家庭裁判所の人的・物的体制の強化を進めること。

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全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見

目次
第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
第2 関連記事

第1 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
○全司法本部の中矢正晴中央執行委員長は,参考人として招致された平成29年3月24日の衆議院法務委員会において以下の意見を述べています(ナンバリングを追加しました。)(全司法新聞2017年4月号(2262号)の「中矢委員長 衆議院参考人招致 裁判所の職場実態を国会で述べる」参照)。
1 おはようございます。私は、裁判所職員でつくっております全司法の中央執行委員長をやっております中矢と申します。
  最初に、このような機会を与えていただいたことに対して、皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
  私は、裁判所職員の職員団体ということでありますし、私自身、昭和六十三年から、全司法の委員長に就任しますまで二十七年間、裁判所書記官として仕事をしてまいりましたので、その裁判所職員の立場から、今般提出されております裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、私なりの考え方をお話ししたいと思っております。
2(1)  最初に結論を申し上げますと、大変失礼な言い方になって恐縮ではありますが、あえて申し上げるなら、十分なものではないと言わざるを得ないと思っております。その理由は、次に述べる三点であります。
  第一点目でありますが、裁判官、裁判所書記官について、今年度の増員を下回る増員数となっている点であります。
  定員振りかえを除く実質的な増員数で見ますと、今年度の増員数は、裁判官三十二人、書記官三十九人でしたが、平成二十九年度の増員数として示されているものは、裁判官が二十七人、書記官が二十四人となっております。職場実態からしますと、本来はもっと多くの増員が必要だと考えておりますが、少なくとも、今年度と比較してその増員数を下回る理由はないのではないかと思っております。
  裁判官の増員も重要ですが、私のきょうの立場でありますので、職員のことを中心にお話をさせていただきたいと思います。
(2)ア  現在、裁判所の中でとりわけ増員の必要性が高いのが家庭裁判所であります。事件数も増加傾向にあることに加えて、三点申し上げます。
  一つ目として、離婚や子供をめぐる問題など家庭を取り巻く社会環境が複雑になっているもとで、裁判所に求められる役割も大きくなっております。
  また、二つ目ですが、平成二十五年から家事事件手続法が施行され、これまで以上にきめ細かな事件の処理が求められるようになっている点であります。
  第三点目に、成年後見制度でありますが、認知症などの方に裁判所が後見人や保佐人をつけるシステムでありますので、高齢化社会が進むもとで、今後ますます重要になります。昨年四月には成年後見利用促進法が成立をし、今月中にも政府における基本計画が策定されて、これに従った取り組みが実施されていくというふうに承知をしておりますので、これを踏まえた人的体制の整備が必要であります。
  この成年後見のように、家庭裁判所の手続には、民事や刑事の訴訟、いわゆる争いとは違って、申し立てに基づいて裁判所が事実を調査し決定をする、いわゆる非訟事件と呼ばれる手続が多く存在します。こういう手続では、裁判官の指示を受けて実際の実務を担当する書記官が、当事者との調整を行ったり判断に必要な資料をそろえたりと、大きな役割を果たします。また、家庭裁判所においては、弁護士を頼まずに当事者御本人が申し立てをする事件も多いことから、手続を進めていく上で、書記官が時間をかけて丁寧に説明するという必要性も大きくなっております。
イ  家裁の体制が実際に必要だということで、この数年間、全国の家庭裁判所に一定数の書記官が増配置をされてきました。しかし、毎年の増員数が家庭裁判所に増配置するだけの人数に足りないために、その大部分は地方裁判所や簡易裁判所からの配置がえ、私どもは人員シフトと呼んでおりますが、この人員シフトによって行われております。
(3)  それでは、人員が減らされている地方裁判所の方はどうかというふうに見ますと、民事事件では、昨今の社会経済情勢を受けて、ますます複雑困難化する事件について適正迅速に処理することが必要であります。
  刑事事件でありますが、このところ、準抗告といいまして、勾留など、被告人などの身柄の決定に対する不服申し立ての手続ですとか、医療観察といいまして、心神喪失等の状態で重要な行為を行った者に対して入院を決定するような手続が増加をしております。また、国対被告人の関係で、犯罪を犯した者を処罰するというのが刑事手続の基本的な構造でありますが、近年は、被害者保護のためのさまざまな手続が導入をされ、事件関係者の情報の秘匿ということも求められるということであります。
  敷衍しておきますと、裁判の公開という基本的な考え方がありますので、かつては、裁判所に出されたものは公開されるものだという考え方が主流でありましたが、現在では、個人情報の秘匿については、刑事事件だけではなく、民事や家事の事件においても厳格になってきておりまして、その分、慎重さが求められ、事務量もふえているという問題もございます。
  このように、従来の刑事裁判という枠におさまり切らない事務もふえてきており、それに従って、事件数にあらわれない現場の負担も増加をしているところであります。とりわけ、昨年五月に刑事訴訟法が改正をされ、順次施行されておりますことから、今後これに対する対応も必要になります。
  地方裁判所についていいましても、これまでにお話ししてきましたとおり、家裁へのシフトの受け皿ということではなくて、むしろ、それぞれの分野について人的体制の整備を図る必要があると考えております。
  また、人員シフトという問題では、地方から都市への人員シフトという問題もあります。家裁を中心に大都市の人員が必要であることから、この間、毎年地方の庁の職員が減員をされており、今年度でいえば、札幌高裁管内で七名、広島高裁管内で十一名、高松高裁管内で七名、福岡高裁管内で十五名が削減をされました。決して地方の職場に余裕があるわけではありませんし、人数の少ない小規模庁において人員を削減するということの影響は、大規模庁と比較しても大きいものがあります。また、地方における国民の司法アクセスという観点からも、地方へのしわ寄せは限界があります。
  以上のことから、法案の数にとどまらない、大幅増員が必要であると考えております。この点が一点目であります。
3(1)  第二点目として、家庭裁判所調査官の増員がない点であります。
  家裁調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの専門的知識を活用し、調査、調整活動を行う専門職であります。本日お配りをしてあります資料の最初がレジュメになっておりますが、開いていただきますと、三ページ、四ページあたりのところに、現場の家裁調査官からの聞き取りをもとに作成をしました家裁調査官の役割と昨今の職場実態について記載してありますので、ごらんをいただければ幸いに思います。
  ここでは、家裁調査官の仕事について簡単に説明をさせていただきますと、少年事件でいいますと、未成年者が引き起こした事件は、まず、原則として全件家庭裁判所にやってきます。その中で、家庭裁判所調査官が最初に面談を行って、非行の原因や背景、少年の状況などを調査し、それを踏まえて処分に対する意見を述べています。調査官の取り組みは、単なる事実の調査ではなく、少年の立ち直りや再犯防止のために大きな役割を果たしております。家事事件について申しますと、夫婦関係を調整する事件における子供の意思を調査したり、子供と離れて暮らしている親との面会交流をコーディネートしたりする。あるいは、成年後見において、成年後見を受ける本人の調査や、複雑困難な事件の調査をするといった役割を担っております。
  このように、家庭裁判所における調査官の役割は極めて大きく、かつ、調査官の調査の対象になっております少年や子供、家庭をめぐる状況がどんどん複雑になっているわけですから、その仕事も年を追うごとに複雑になり繁忙になっております。人と向き合う仕事でありますので、時間で区切ることも難しく、きちんと行おうとすればするほど非常に時間と労力を要する仕事であることを御理解いただきたい、こういうふうに考えております。

(続きを読む...)全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見

平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

目次
1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
2 関連記事その他

1 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
・ 最高裁が作成した平成27年8月31日付の「全司法本部との応答メモ」にある記載を,以下のとおり抜粋します(全司法とは,全司法労働組合のことです。)。

(1) 平成28年度概算要求(増員関係)について
    国家公務員の定員について,政府は,平成26年7月25日,業務改革を推進して定員の合理化に強力に取り組むこと等を内容とする「国家公務員の総人件費に関する基本方針」を閣議決定し,同日,毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を閣議決定しており,国の財政状況が逼迫している中,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど,増員を取り巻く情勢は非常に厳しい状況になっている。
    他方,司法制度改革については,法制度の枠組みが完成し,裁判員制度をはじめとして実施・運用の段階に入っているところ,裁判所としては,これらの制度改革をより実効性のあるものとするため,引き続き種々の見直しを行うとともに,裁判所の人的態勢についても国民の負託に応えていく裁判を実現するための充実強化を図っていく必要がある。具体的には,社会経済情勢の変化等を背景として個々の事件がより一層複雑困難化している民事訴訟事件の審理を充実させるとともに,家事事件について,平成25年1月に施行された家事事件手続法の趣旨に沿った適正な手続を実現するとともに,引き続き増加する成年後見関係事件に適切に対応するためには,裁判部門の処理態勢を更に強化する必要がある。
    そこで,平成28年度は,極めて厳しい財政状況の下ではあるが,裁判官(判事)32人,書記官39人,合計71人の増員要求を行うとともに,速記官から書記官へ5人の振替要求を行った。
   なお,平成28年度については,先に述べた閣議決定を踏まえた協力要請を受けて,裁判所では,定員合理化計画に協力するため,71人の定員削減を予定している。

(2) 質疑応答部分
(増員要求数)
① 裁判官の増員要求数を昨年と同じ判事32人としたのはなぜか。
→ 現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果,判事32人の増員を要求することとしたものである。

② 裁判官の増員要求数は昨年と同じであるのに,書記官の振替を含めた増員要求数は昨年よりも1人減ったのはなぜか。
→ 書記官は,裁判所の基幹官職として,適正迅速な裁判を実現していく中で重要な役割を果たしていると認識しており,これまでも事件動向等を踏まえながら,必要な人員の確保に努めてきたものである。具体的には,平成9年からの15年間で振替を含めて2600人を超える大幅な増員を行ったほか,平成24年度に80人,平成25年度に48人,平成26年度に44人,平成27年度に39人の増員をして,繁忙庁を中心に配置し,必要な体制整備を行ってきたところであり,平成28年度については,書記官44人を増員すれば,現有人員の有効活用と併せて,より適正かつ迅速な事件処理を行っていけると判断したものである。

③ 司法制度改革審議会で大幅に増員すべきである旨意見されたのであるから,更に大幅な増員要求を行うべきである。
→ 司法制度改革審議会において,裁判官については大幅な増員,裁判所書記官等の裁判所職員については,その質,能力の向上を一層推し進めるとともに,その適正な増加を図っていく必要があると意見されたことはそのとおりであるが,これまでも繰り返し説明しているとおり,国家財政は極めて厳しく,行政省庁は既存業務の増大への対応を定員の再配置により対処するよう求められている状況にある。国家公務員の定員を巡る情勢は,これまでにない極めて厳しいものであり,人員増に対する風当たりはますます強くなっている。
    さらに,書記官については,財政当局から,ここ数年にわたる定員振替による増員効果を指摘されており,事件数の動向の上でも,成年後見関係事件を除いて各種事件で減少又は横ばいとなっているものの,司法制度改革審議会において意見を述べた裁判部門の充実強化に向けた必要な人員の確保という観点を踏まえた要求を行うこととしたものである。

④ 東日本大震災からの復興においては法的紛争が増加すると思われるが,これに対応するための増員要求はしないのか。
→ 復興に関連して様々な法的紛争が提起されることを想定し,これらの紛争を適切に解決できるよう人的態勢を整備しておく必要があると考えており,平成24年4月に,被害の大きかった沿岸部に所在する庁を中心に書記官等の増配置を行ったところである。一方,阪神淡路大震災の経験を踏まえると,震災に伴う法的紛争の増加は一時期に集中し,一定期間経過後には収束に向かうと予想されることから,今回の増員を含めて,現有人員を有効活用することにより,震災による法的紛争の増加に対応することとし,震災を理由とした増員要求を行わないこととしたものである。

⑤ 成年後見関係事件の増加が著しいにもかかわらず,なぜ,家裁調査官の増員を要求しないのか。
→   家事事件は,後見関係事件が引き続き増加傾向にあるものの,少年事件については長期的に見た場合,減少傾向が続いており,平成26年の新受事件数は,近年のピークであった昭和58年に比べて約6分の1程度まで減少しており,家事,少年の事件全体を通じても,平成26年の新受件数の合計は,近年のピークであった昭和59年のそれを約7万件下回っている状況にある。これだけの減少は,財政当局との折衝に当たってかなり大きなインパクトを持つものと言わざるを得ない。その上,家裁調査官については,平成12年度から平成16年度まで毎年5人ずつ増員するとともに,平成15年度から平成18年度まで合計43人の事務官からの振替を行い,平成21年度については,5人の増員を行っており,平成28年度においては,現有人員の有効活用をすることによって,家事事件の適正迅速な処理を図ることができると判断したものである。

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最高裁判所事務総局勤務の裁判官に関する国会答弁

1 21期の金築誠志最高裁判所人事局長は,平成12年3月28日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 裁判所の司法行政事務の中には、裁判に密接に関係する事務がございます。裁判官人事もそうでございますし、裁判所の施設等もやはり裁判事務と非常に密接な関係がございます。それから、最高裁判所規則の立案等、非常に法律知識を必要とするという仕事も最高裁の事務総局の中には少なくないわけでございます。
 こういう事務につきまして裁判官の資格、経験を有する人が企画立案等の事務に当たるということで初めて司法行政事務が円滑にいく、そういう根拠から、司法行政の重要事項の企画立案等をつかさどる職には裁判官を充てる、こういうことになっているわけでございます。
② 高等裁判所の事務局は、やはりそれはそれで裁判に関係する事務を取り扱っております。
特に、事務局長の場合、裁判官の人事につきましても、高等裁判所長官の命を受けまして、いろいろ管内の実情を調査したり最高裁判所や管内の所長との連絡調整に当たったり管内裁判官の配置の調整に当たるというふうなことがございまして、やはり裁判官の経験がある人でないと困るという面があるわけでございます。

2 21期の金築誠志最高裁判所人事局長は,平成13年3月16日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
① 現在、最高裁事務総局におります裁判官の資格を有する者は五十七名でございます。
   御指摘ありました年の数をちょっと今持ち合わせておりませんが、そういうふうな数になりましたのは、その後、司法制度改革審議会の対応部署を設置いたしましたり、それから、少年法改正に伴う事務などが増加いたしましたために、若干ふえているという現状でございますが、今申しましたような事項は司法にとりまして極めて重要な課題でございまして、これに取り組むためのものであるという御事情を理解していただきたいと存じます。
② 最初に申し上げましたように、司法行政に携わる裁判官の数はできるだけ抑えたいという方針でやっておりますが、今御指摘ありましたように、いわゆる官房事務といいますか、人事とか経理とか総務とかいうところにも裁判官がおるわけでございます。
   この点、人事ですと、それは裁判官の人事でございますので、やはりそういう裁判官人事に携わるところの部局には裁判官の資格者がいないと困るということがございます。
   総務局の場合は、これは、司法制度、裁判所の制度関係を所管しておりまして、現在、司法制度改革審議会に対応するような仕事も担当しております。これは、裁判制度、裁判手続の全般にわたる問題を取り扱っておりますので、やはり裁判や法律に通じた方がいないと困る。
   経理の方も、営繕課長は裁判官ではございませんが、局長とか総務課長、主計課長は裁判官資格を持っておりますけれども、裁判所の予算というのは結局裁判をやるための予算でございますので、裁判の手続、あり方というものに非常に裁判所の予算というのは深くかかわってきております。そういうことで、やはり裁判の現場、裁判のあり方、仕方というものについて通じていないといけない。一つ施設面なんかをとらえましても、これは法廷のあり方とかそういうところにかかわってくるということがあるわけでございまして、その辺のところを御理解いただければと思っております。

3 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 幹部裁判官の定年予定日
・ 最高裁判所裁判官会議の議事録
・ 親任式及び認証官任命式
・ 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 最高裁判所事務総局人事局の任用課長及び参事官
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)

最高裁判所調査官とは?職務・調査報告書・判例解説を解説(AIリライト)

目次

第1 最高裁判所調査官とは1 法的根拠と役割2 裁判官とは別の官職であること3 家庭裁判所調査官との違い4 最高裁判所調査官のよくある質問第2 裁判官を最高裁判所調査官に充てる仕組み1 昭和24年の法改正2 任用基準と発令実例を区別する必要性第3 調査官室の組織と事件の配てん1 調査官室の構成2 首席調査官,上席調査官及び一般の調査官3 事件の配てんと共同担当第4 事件の調査,調査報告書及び審議1 調査から判断までの流れ2 調査報告書の内容3 調査報告書は公開されるか4 審議への「陪席」ではなく立会いであること第5 最高裁判所判例解説1 判例解説の執筆は公務ではない2 調査報告書と判例解説の違い第6 東京高等裁判所の裁判官会議との関係1 公表されている取扱い2 取扱いの事実と法的評価第7 「調査官裁判」という批判と制度上の責任1 「調査官裁判」は法令上の用語ではない2 人事評価と経歴上の位置付け第8 出典・参考資料1 法令,国会会議録及び裁判所資料2 書籍及び論文3 関連する当ブログの記事

最高裁判所調査官の調査報告と,最高裁判所裁判官が合議体として行う判断は区別する必要がある。本記事では調査官の官職,調査・報告の仕事と判例解説との違いを説明する。裁判所の組織全体と大法廷・小法廷の関係は,最高裁判所とは―役割・裁判官・大法廷と小法廷・判例の調べ方を参照されたい。

第1 最高裁判所調査官とは
1 法的根拠と役割

裁判所法57条1項は,最高裁判所,各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置くと定めている。

同条2項によれば,裁判所調査官は裁判官の命を受け,事件の審理及び裁判に関して必要な調査その他の法律で定める事務を担当する。

ただし,地方裁判所の裁判所調査官が同項に基づいて調査する事件は,知的財産又は租税に関する事件に限られる。

最高裁判所調査官は,上告事件その他の最高裁判所の事件について,記録,先例,学説等を調査し,裁判官の審理及び判断を補助する裁判所調査官である。

最高裁判所調査官は裁判体の構成員ではなく,判決又は決定をする権限は最高裁判所の裁判官にある。

2 裁判官とは別の官職であること

裁判所法上,裁判所調査官と裁判官は別の官職である。

他方,裁判所法附則は,最高裁判所が当分の間,特に必要があるときは,裁判官を裁判所調査官に充てることができると定めている。

したがって,「裁判所調査官は法律上当然に裁判官である」という説明は正確ではない。

実務上は裁判官を最高裁判所調査官に充てる運用が行われてきたが,これは附則に基づく運用であり,裁判所調査官という官職自体が裁判官であることを意味しない。

3 家庭裁判所調査官との違い

最高裁判所調査官と家庭裁判所調査官は,名称に「調査官」を含むものの,法的根拠と専門領域が異なる。

裁判所法61条の2に基づく家庭裁判所調査官は,家事事件及び少年事件等において,人間関係諸科学の知識及び技法を用いて調査や働き掛けを行う。

これに対し,最高裁判所調査官の中心的な役割は,最高裁判所の事件について法律上の問題を調査し,裁判官の判断を補助することにある。

家庭裁判所調査官の職務は,裁判所HPの「家庭裁判所調査官」で確認できる。

4 最高裁判所調査官のよくある質問
(1) 最高裁調査官の年収はいくらか

最高裁判所調査官の年収を,調査官という役職名だけから一律に決めることはできない。
裁判官を調査官に充てる場合には,適用される報酬の号,勤務地,手当の支給条件及び在職期間などを確認する必要がある。
報酬月額表は号別の月額を示す資料であり,最高裁調査官全体の平均年収又は特定の調査官の年間支給額を示す資料ではない。

給与制度と推定計算は,裁判官の年収のうち最高裁判所調査官に関する説明を参照されたい。

(2) 最高裁判所調査官はエリートか

最高裁判所調査官は,最高裁の事件について必要な法律上の調査を行い,裁判官の判断を補助する職である。
「エリート」は法令上の資格又は官職名ではなく,任用の理由や将来の昇進をこの呼称だけで確定することはできない。
経歴上の位置付けを検討するときは,一般の調査官,首席調査官及び上席調査官を区別し,個々の就任・退任の発令を確認する必要がある。

人事評価と経歴を読む際の留意点は,第7の2で説明している。

(続きを読む...)最高裁判所調査官とは?職務・調査報告書・判例解説を解説(AIリライト)

裁判所法第82条に基づき裁判所の事務の取扱方法に対して最高裁判所に申し出がなされた不服の処理状況

目次
1 不服の処理状況に関する文書
2 裁判所法の関係条文
3 詳細な取扱いが書いてある文書
4 関連記事その他

1 不服の処理状況に関する文書
   「裁判所法第82条に基づき裁判所の事務の取扱方法に対して最高裁判所に申出がなされた不服の処理状況(令和5年4月1日から令和6年3月31日までの分)」といったファイル名で以下のとおり掲載していますであって(不服の内容等は真っ黒です。)。
    なお,少なくとも平成27年6月9日以降に監督権が行使された事例は1件もありません。
◯ 令和6年4月1日から令和7年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は224件であり,長官決裁による処理件数は2件であり,局長等による専決処理件数は219件であり,課長等による専決処理件数は0件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数219件のうち,裁判事務関係が延べ172件であり,司法行政事務関係が延べ61件でした。
◯ 令和5年4月1日から令和6年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は147件であり,長官決裁による処理件数は5件であり,局長等による専決処理件数は141件であり,課長等による専決処理件数は1件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が106件であり,司法行政事務関係が35件でした。
◯ 令和4年4月1日から令和5年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は108件であり,長官決裁による処理件数は0件であり,局長等による専決処理件数は108件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が91件であり,司法行政事務関係が17件でした。
◯ 令和3年4月1日から令和4年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は124件であり,長官決裁による処理件数は0件であり,局長等による専決処理件数は124件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が107件であり,司法行政事務関係が17件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約94%を占めていました。
◯ 令和2年4月1日から令和3年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は146件であり,長官決裁による処理件数は1件であり,局長等による専決処理件数は145件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が122件であり,司法行政事務関係が23件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約94%を占めていました。
◯ 平成31年4月1日から令和2年3月31日までの分
・ 不服の総処理件数は103件であり,長官決裁による処理件数は3件であり,局長等による専決処理件数は100件であり,その全部が監督権不行使でした。
・ 局長等による専決処理件数のうち,裁判事務関係が71件であり,司法行政事務関係が29件でした。
・ 申出人の類型としては,事件当事者からのものが約95%を占めていました。

(続きを読む...)裁判所法第82条に基づき裁判所の事務の取扱方法に対して最高裁判所に申し出がなされた不服の処理状況

裁判所における一般職の職員―職種・身分・定員・採用(AIリライト)

目次

第1 「一般職」という呼称と記事の対象1 本記事で扱う職員2 国家公務員法上は特別職であること3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い第2 裁判官以外の主な裁判所職員1 裁判所書記官と裁判所事務官2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官4 司法行政,研修及び図書館の法定職5 執行官と廷吏第3 令和8年度の定員と平成29年度からの変化1 令和8年度の職種別定員2 平成29年度との比較3 令和8年度改正の内訳第4 採用,養成,給与及び人事異動1 裁判所事務官の採用2 裁判所書記官と家庭裁判所調査官の養成3 給与,昇進及び服務4 人事異動で考慮される事情第5 関連する資料記事第6 出典・参考資料1 法令2 裁判所資料3 国会資料
第1 「一般職」という呼称と記事の対象
1 本記事で扱う職員

裁判所には,裁判官のほか,裁判所書記官,裁判所事務官,家庭裁判所調査官,裁判所速記官,裁判所調査官,裁判所技官,秘書官及び執行官等が勤務している。本記事では,最高裁判所が作成した「裁判所における一般職の職員」の資料価値を残しつつ,裁判所法上の職,令和8年度の定員及び現在の採用・養成制度を整理する。

ここでいう「一般職」は,裁判官以外の職員を便宜上まとめる呼称であり,国家公務員法上の一般職を意味しない。裁判所の公表資料でも「一般職(秘書官含)」という集計上の表現が用いられることがあるが,法令上の身分区分とは分けて読む必要がある。

2 国家公務員法上は特別職であること

国家公務員法2条3項13号は,「裁判官及びその他の裁判所職員」を特別職としている。したがって,裁判所書記官,裁判所事務官及び家庭裁判所調査官等も,国家公務員法上は一般職ではなく,特別職の国家公務員である。

もっとも,裁判所職員臨時措置法は,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員について,採用試験,任免,給与,人事評価,分限,懲戒,服務及び退職管理等に関する一般職の国家公務員の法律を,必要な読替えをして準用している。法的身分は特別職である一方,勤務条件には一般職の制度が広く準用されるという関係である。

3 裁判所職員と司法手続への参加者の違い

裁判所データブック2026は,裁判所の職員に続けて,調停官,調停委員,司法委員,参与員,鑑定委員,専門委員,精神保健審判員,精神保健参与員,労働審判員並びに裁判員・補充裁判員を掲載している。これらは司法手続に参加する者であるが,裁判所書記官や裁判所事務官等の常勤職員とは制度上の位置付けが異なる。

労働審判員は,このうち労働審判委員会の構成員として,調停だけでなく労働審判の評議及び議決にも参加する非常勤の裁判所職員である。任命,事件ごとの指定,除斥,守秘義務及び裁判例については,「労働審判員の任命,役割,権限及び裁判例(AI作成)」で整理している。

特に,裁判所調査官と専門委員を混同してはならない。裁判所調査官は裁判所法57条に基づく裁判所職員であるのに対し,専門委員は,民事事件等に関与して専門的知見に基づく説明等を行う司法手続への参加者であり,令和8年4月1日現在1795人のうち知的財産権関係は249人である。

第2 裁判官以外の主な裁判所職員
1 裁判所書記官と裁判所事務官
(1) 裁判所書記官

裁判所法60条は,各裁判所に裁判所書記官を置くと定める。裁判所書記官は,事件記録その他の書類又は電磁的記録の作成・保管,法令及び判例調査の補助等を担当し,裁判所の採用案内によれば,裁判所書記官が立ち会わなければ法廷を開くことができない。

裁判所書記官には裁判手続の進行を支える固有の役割があり,法廷立会いや調書作成だけでなく,当事者や訴訟代理人等との連絡・調整,書面・証拠の提出に関する働き掛け等を行う。書類だけでなく電磁的記録も職務の対象であることは,裁判手続のデジタル化を踏まえた現在の条文上も明記されている。

裁判所書記官の仕事内容,裁判所事務官・家庭裁判所調査官・裁判所速記官との違い及び採用から養成・任命までの通常の経路は,裁判所書記官とはでまとめている。

(2) 裁判所事務官

裁判所法58条は,各裁判所に裁判所事務官を置くと定める。裁判所事務官は,裁判部では裁判所書記官の下で裁判事務を担当し,事務局では総務,人事,会計等の司法行政事務を担当する。

事務局長は,裁判所法59条に基づき,各高等裁判所,各地方裁判所及び各家庭裁判所に置かれ,裁判所事務官の中から補される。事務局長は,裁判所長等の監督を受けて事務局の事務を掌理し,職員を指揮監督する。

2 裁判所調査官と家庭裁判所調査官
(1) 裁判所調査官

裁判所法57条は,最高裁判所,各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置くと定める。裁判所調査官は,裁判官の命を受けて事件の審理及び裁判に必要な調査等を行い,地方裁判所では知的財産事件だけでなく,租税事件も職務の対象となる。

したがって,裁判所調査官を「一部の高裁及び地裁に配置され,知的財産事件を担当する職員」とだけ説明するのは正確でない。法律上の配置先と,個々の庁における実際の勤務配置は区別して記載する必要がある。

(2) 家庭裁判所調査官と家庭裁判所調査官補

裁判所法61条の2は,各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置くと定める。家庭裁判所調査官は,家事事件,人事訴訟事件及び少年事件等について,心理学,社会学,社会福祉学,教育学等の行動科学の知見を用いて調査・調整を行う。

もっとも,法律上の配置と支部への常駐状況は一致しない。令和8年4月14日の衆議院法務委員会における最高裁判所の説明では,全国203か所の家庭裁判所支部のうち家庭裁判所調査官が配置されている支部は113か所,約55%であり,未配置庁では近隣庁の調査官が出向くなどして対応している。

3 裁判所速記官,裁判所技官及び秘書官
(1) 裁判所速記官

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最高裁判所の事件記録符号規程

目次
1 最高裁判所の事件記録符号規程(平成31年3月現在)
2 関連記事その他

1 最高裁判所の事件記録符号規程(平成31年3月現在)① 民事事件記録符号規程(平成13年1月31日最高裁判所規程第1号)
② 行政事件記録符号規程(昭和38年10月1日最高裁判所規程第3号)
③ 刑事事件記録符号規程(平成13年2月7日最高裁判所規程第2号)
④ 没収の裁判の取消事件記録符号規程(昭和38年7月23日最高裁判所規程第2号)
⑤ 家庭事件記録符号規程(昭和26年9月15日最高裁判所規程第8号)
⑥ 医療観察事件記録符号規程(平成17年6月29日最高裁判所規程第6号)
⑦ 法廷等の秩序維持に関する法律違反事件記録符号規程(昭和27年10月20日最高裁判所規程第15号)
⑧ 裁判官の分限事件記録符号規程(昭和24年2月1日最高裁判所規程第3号)

ワネは地裁1審から高裁への控訴事件ですね。ハロは、ありません。簡裁の支払督促がロ、それに異議が出て通常移行するとハになります。
上訴提起事件という意味では、簡裁1審で控訴が出るとハレになります。更に上告するとツになるので、部内ではハレツと呼ばれています😁 https://t.co/J3JB1w9C6C

— 西園寺金持 (@nanacocard77) October 7, 2021

2 関連記事その他
(1) 令和5年度(最情)答申第3号(令和5年10月3日答申)には以下の記載があります。
    事件番号は、各裁判所において、事件を受理した日の属する年、当該事件の種類ごとに付される符号及び事件を受理するたびに同符号ごとに付される一連の番号によって構成されるものであり、同一の裁判所において、同一の事件番号が重複して付されることはないことが認められる。このような事件番号の性質に照らすと、当該事件が係属する裁判所名とその事件番号という情報から、対象となる事件を確実に特定することが可能となる。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所における主なシステム
・ 裁判所の情報化の流れ
・ 裁判統計報告
・ 最高裁判所が作成している事件数データ

最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトル

目次
1 最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書
2 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍
3 関連記事

1 最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書
(令和時代)
令和元年分,令和2年分,令和3年分,令和4年分,
令和5年分,令和6年分,令和7年分,
(平成時代)
平成29年分,平成30年分
* 「最高裁判所の雑誌・資料受入簿(令和6年分)の抄本→最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書(令和6年分)」といったファイル名です。

2 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍
・ 平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍のタイトルが分かる文書によれば,平成29年中に最高裁判所調査官室が購入した書籍は以下のとおりです。

1 A.I . P. P. I
2 NBL
3 季刊 刑事弁護
4 季刊 労働法
5 季報 情報公開・個人情報保護
6 警察学論集
7 刑事法ジャーナル
8 刑法雑誌
9 月刊 税務事例
10 検察統計年報
11 現代消費者法
12 国会制定法律集(国会制定法審議録)
13 国会便覧
14 国家学会雑誌

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裁判文書及び司法行政文書がA4判・横書きとなった時期(AIリライト)

目次

第1 結論と時系列

第2 裁判所の事件記録に関する文書

1 平成13年1月1日からの取扱い
2 旧民事訴訟規則と様式の法的性質
3 移行当時の標準的な書式
4 平成29年の判決書の標準設定
5 平成13年より前の横書き文書
6 令和8年5月21日以後の民事訴訟

第3 司法行政文書

1 昭和61年1月1日の左横書き化
2 平成7年1月1日のA列化
3 実際の文書に現れた変化

第4 読点の変更

第5 関連資料

第6 出典

1 公文書・歴史資料
2 文献

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上告審から見た書記官事務の留意事項

目次
1 上告審から見た書記官事務の留意事項
2 上告審から見た書記官事務の指導ポイント
3 関連記事その他

1 上告審から見た書記官事務の留意事項
(令和時代)
令和 元年分,令和 2年分,令和 3年分,
令和 4年分,令和 5年分,令和 6年分,
(平成時代)
平成24年分,平成25年分,平成26年分,
平成27年分,平成28年分,平成29年分,
平成30年分
(令和6年分を読む際の留意点)
令和6年分は,当事者・代表者・代理権,送達,上告理由書等,記録編成,閲覧制限及び秘匿のほか,刑事事件の署名,弁護人選任,身柄及び被害者情報等について,記録送付後に発見された不備を挙げています。
ただし,同資料には作成部署,決裁主体及び配布範囲を示す表紙又は発出文書が収録されていないため,裁判所の公式通達又は一般的な法解釈そのものとしてではなく,書記官事務上の留意事項をまとめた資料として読む必要があります。
代理人側の提出前確認へ置き換えたものとして,上告審から逆算する民事上訴の提出前チェックリストがあります。

1 上告審から見た書記官事務の留意事項(令和2年分)を掲載しています。https://t.co/9tYQtCdMSh

2 平成24年分以降のバックナンバーにつきhttps://t.co/swYYr1GOdn pic.twitter.com/C9BLvcwEez

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 11, 2021

2 上告審から見た書記官事務の指導ポイント
・ 上告審から見た書記官事務の指導ポイント(平成29年11月 1日付)
・ 上告審から見た書記官事務の指導ポイント(平成28年10月13日付)
→ 平成28年10月13日付の文書には,「本書面は,平成23年から平成27年までに送付された上告等事件記録から,書記官として,適正かつ効率的な事務を確保していく上で留意すべき事項を抽出し,根拠条文や参考となる判例等を補足したものです。また,年度欄に複数年記載されている事項は,誤りやすい事項であり,事務処理をするに当たって,注意を要する事項でもあります。」と書いてあります。

3 関連記事その他

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書記官事務等の査察―目的,対象,実施主体及び査察結果報告書(AIリライト)

目次

第1 書記官事務等の査察の目的と位置付け

1 査察の対象

2 司法行政監督と裁判権との境界

3 査閲と査察の違い

第2 下級裁判所を対象とする査察

1 査察庁と被査察庁

2 査察事務担当者

3 査察事項と実施方法

4 重点事項が指定された過去の例

5 結果報告,事後措置及び活用

第3 最高裁判所による高等裁判所の査察

1 担当者と実施方法

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戦前の裁判文書の保存(AIリライト)

明治から昭和の戦前期にかけて,裁判所が作成し保管する裁判文書(民事・刑事の訴訟記録と判決原本)の保存は,司法省が定める規程・訓令によって規律されていた。
この記事では,戦前の裁判文書の保存を定めた主な規程の沿革と,刑事記録の保存を定めた各時代の刑事手続法とを,制定年月日・法令番号・保存期間とともに整理する。

あわせて,これらの規程に登場する裁判所の名称(大審院・控訴裁判所・始審裁判所)が,明治期の裁判所の改称沿革のどの段階に対応するのかを確認し,戦前の裁判文書がどこで保管されていたかまでを扱う。記載は令和8年7月時点で確認できた法令・公文書・研究資料に基づく。

目次

第1 裁判文書の保存を定めた司法省の規程

1 明治18年 大審院並裁判所書類保存規程

(1) 規程の位置づけ
(2) 保存の対象と起点
(3) 保存期間

2 大正7年 民刑訴訟記録保存規程

第2 刑事記録の保存を定めた刑事手続法の変遷

1 治罪法(明治15年施行)
2 明治23年の刑事訴訟法(明治23年施行)
3 大正11年の刑事訴訟法(大正13年施行)

第3 戦前の裁判文書はどこで保管されていたか
第4 裁判所の名称の変遷(補足)
出典・参考資料

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司法行政文書の国立公文書館への移管(AIリライト)

第1 総論――移管の法的根拠

1 公文書管理法14条による移管の仕組み
2 平成21年8月5日の申合せと公文書管理法附則3条
3 「司法行政文書」と「裁判事務に関する文書」との違い

第2 実務レベルの申合せ

1 令和6年1月30日の申合せへの全部改正
2 移管すべき司法行政文書の範囲
3 移管の手続

第3 移管すべき司法行政文書の類型
第4 司法行政文書に関する公文書等移管計画
第5 移管の実績
第6 移管された文書の利用
第7 関連資料及び関連記事
出典・参考資料

法令
公文書・行政資料
統計・データ
文献

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裁判関連文書は国立公文書館への移管が予定されていないこと

本記事でいう裁判関連文書は,事件記録には当たらないが裁判に密接に関連し,裁判部で管理されている申合せ等の文書を指す。
平成28年度(最情)答申第24号は,そのような文書の内閣総理大臣への移管方法について,最高裁判所が内閣府と取り交わした文書を保有していないとした判断を妥当としたものである。

不存在とされたのは移管方法を取り決めた文書であり,裁判関連の内部資料が一切存在しないという判断ではない。
また,判決原本や司法行政文書を含む裁判所の文書全般について,移管が行われていないという意味でもない。

〇平成28年度(最情)答申第24号(平成28年7月15日答申)における最高裁判所事務総長の理由説明書には以下の記載があります(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 裁判所は,公文書等の管理に関する法律附則4条の規定による改正前の国立公文書館法15条1項の規定に基づき,内閣総理大臣と協議して定めるところにより,裁判所の保管に係る歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置を講じ,その措置として,内閣総理大臣に対して裁判所の保管に係る歴史資料として重要な公文書等を移管している。
2 上記「歴史資料として重要な公文書等」については,平成21年8月5日付け内閣総理大臣・最高裁判所長官申合せ「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について」及び平成25年6月14日付け内閣府大臣官房長・最高裁判所事務総局秘書課長・同総務局長申合せ「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について(平成21年8月5日内閣総理大臣・最高裁判所長官申合せ)の実施について」(以下「本件各申合せ」という。)によって申合せがされ,最高裁判所は,本件各申合せに係る文書を保有している。
   裁判所から内閣総理大臣に移管する「歴史資料として重要な公文書等」の範囲は,本件各申合せにより,歴史資料として重要な判決書等の裁判文書並びに裁判所の過去の主要な活動を跡づけるために必要な,司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定及びその意思決定に至るまでの審議,検討又は協議の過程及びその決定に基づく施策の遂行過程が記録された司法行政文書であるとされている。
3 本件開示申出書記載の「事件記録に該当しないものの,裁判に密接に関連する文書」とは,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書等を意味するものと理解されるが,そのような文書は,上記記載の「歴史資料として重要な公文書等」に当たらないので,本件各申合せは本件開示申出文書ではない。
   また,その他の文書の移管方法について,最高裁判所と内閣府との間で取り交わした文書は存在せず,したがって,「事件記録に該当しないものの,裁判に密接に関連する文書」の移管方法に係る文書も存在しない。

以上は,平成28年7月15日答申の理由説明書に記載された当時の説明である。
同答申の結論と判断理由は,答申書の第1及び第6(PDF1頁・3頁~4頁)に記載されている。

その後,令和6年1月30日の実施申合せ及び移管手続に関する申合せが,それぞれ平成25年6月14日付けの同名申合せを廃止して新たな取扱いを定めた。
実施申合せは,裁判文書と司法行政文書の移管を別々に規定し,民事事件の判決原本等の対象と除外事由を定めている。
このため,平成28年答申の紹介と,現在の移管対象・移管計画の説明は区別して読む必要がある。

関連資料:令和6年1月30日付け実施申合せ,同日付け移管手続申合せ。

関連記事:裁判事務に関する文書の意義,司法行政文書の国立公文書館への移管,民事事件の判決原本の国立公文書館への移管。

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民事事件の判決原本の国立公文書館への移管(AIリライト)

第1 判決原本の永久保存原則とその起点
第2 判決原本廃棄方針の撤回と国立十大学法学部への一時保管(平成6・7年)
第3 国立公文書館への移管の実現(平成12年度〜23年度)
第4 移管された判決原本の目録公開と学術的な活用
第5 保存期間満了後の民事判決書等の継続的な移管
第6 令和の記録廃棄問題と特別保存の枠組みの全面改正
第7 国立公文書館の今後の体制と移管範囲の拡大に向けた議論
出典

民事事件の判決原本は,戦前から一貫して永久保存の対象とされてきたが,平成4年の規程改正によって一時は50年で廃棄される方針に転換され,これに反対する保存運動を経て,現在は国立公文書館へ移管される仕組みが確立している。この記事では,判決原本の永久保存原則がどのように維持・変更され,どのような経路で国立公文書館に移管されるに至ったかを,制定年月日・法令番号とともに時系列で整理する。あわせて,令和に入って発覚した裁判記録の大量廃棄問題が,この移管の枠組みそのものにどのような影響を及ぼしたかについても扱う。

第1 判決原本の永久保存原則とその起点

裁判所が作成する判決原本を永久に保存するという考え方は,昭和になって生まれたものではない。明治18年10月24日の大審院並裁判所書類保存規程(司法省丁第21号達)の段階で,既に民事・刑事の判決の言渡書及び命令書は永久保存とされ,事件記録本体だけが有期保存とされていた。この規程は大正7年の民刑訴訟記録保存規程(司法省法務局庶第7号訓令)によって全面改定されたが,本案に関する判決の原本を永久保存とする原則自体は引き継がれ,同規程40条には史料又は後日の参考となる重要な事件記録を保存期間満了後も保存する旨の規定も置かれていた。これらの規程の詳細な条文・保存期間及び当時の裁判所名称の変遷については,戦前の裁判文書の保存で扱っている。

最高裁判所は,昭和29年1月1日,事件記録等保存規程(昭和28年12月5日最高裁判所規程第9号)を施行した。同規程の下でも,民事事件の判決原本は引き続き永久保存とされている。

最高裁判所は,昭和40年1月1日,事件記録等保存規程(昭和39年12月12日最高裁判所規程第8号)を施行した。この規程でも,民事事件の判決原本は引き続き永久保存とされた。もっとも,同規程9条2項は「記録又は事件書類で史料又は参考記録となるべきものは,保存期間満了の後も保存しなければならない」として,史料としての特別保存義務を明文で定めていたにもかかわらず,この規定はほとんど適用されなかった。この運用の消極性は,後に見るとおり,令和に入ってから重要な裁判記録の廃棄が相次いで発覚する遠因となった。

第2 判決原本廃棄方針の撤回と国立十大学法学部への一時保管(平成6・7年)

最高裁判所は,平成4年1月23日,事件記録等保存規程を改正し,平成6年1月1日以降,判決確定から50年を経過した判決原本(=昭和18年12月31日までに確定した判決原本)を随時廃棄することを決定した。その例外として,事件記録等保存規程の運用について(平成4年2月7日付の最高裁判所事務総長の依命通達)をもって,特別保存に付するものの運用の基準が定められた。

しかし,判決原本の廃棄を憂慮する国立大学法学部教授等がこれに反対する運動を起こした。中心となったのは林屋礼二・東北大学名誉教授を代表とする有志の団体で,8高裁所在地の国立大学法学部が分担してその管内の判決原本を一時的に保管するという構想が示された。この運動には,日本学術会議や日本弁護士連合会からの要望も加わり,最高裁判所への働きかけが続けられた結果,平成5年12月,まさに廃棄が始まる直前のタイミングで,最高裁判所は当面の廃棄を見合わせ,国立十大学法学部への移管を決定するに至った。

その結果,平成6年から平成7年にかけて,高等裁判所所在地の10の国立大学法学部(北海道大学,東北大学,東京大学,名古屋大学,大阪大学,岡山大学,広島大学,香川大学,九州大学及び熊本大学)に移管作業が実施され,各大学で一時保管されることとなった。移管された簿冊は約36,000冊余り,厚さにして約2,200メートル,宅配便の箱に換算すると約6,500箱という規模であった。この保存運動の過程では,議員立法による解決を検討する国会議員の動きや,読売新聞(平成8年8月9日付社説)・朝日新聞(平成8年8月20日付社説)による社説での後押しもあったことが,運動の当事者であった青山善充・元東京大学教授の回顧録に記されている。

(続きを読む...)民事事件の判決原本の国立公文書館への移管(AIリライト)

裁判所の情報公開に関する統計文書

目次
第1 総論
第2 毎月の統計文書
第3 毎年の統計文書
1 令和5年度以降の文書
2 平成27年度から令和4年度までの文書
第4 関連記事その他

第1 総論
1 司法行政文書とは,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって,裁判所の職員が組織的に用いるものとして,裁判所が保有しているものをいいます(「司法行政文書の管理について」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第1.2(1))。
2 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会が設置された平成27年7月1日,現在の方式での統計文書が作成されるようになりました。

第2 毎月の統計文書
   「司法行政文書開示申出に関する統計」を以下のとおり掲載しています(「司法行政文書開示申出に関する統計(令和7年4月分~同年6月分)」といったファイル名です。)。
・ 令和 7年第4期報告分(令和 7年10月分~同年12月分)
・ 令和 7年第3期報告分(令和 7年 7月分~同年 9月分)
・ 令和 7年第2期報告分(令和 7年 4月分~同年 6月分)
・ 令和 7年第1期報告分(令和 7年 1月分~同年 3月分)
・ 令和 6年第4期報告分(令和 6年10月分~同年12月分)
・ 令和 6年第3期報告分(令和 6年 7月分~同年 9月分)
・ 令和 6年第2期報告分(令和 6年 4月分~同年 6月分)
・ 令和 6年第1期報告分(令和 6年 1月分~同年 3月分)
・ 令和 5年第4期報告分(令和 5年10月分~同年12月分)
・ 令和 5年第3期報告分(令和 5年 7月分~同年 9月分)
・ 令和 5年第2期報告分(令和 5年 4月分~同年 6月分)
・ 令和 5年第1期報告分(令和 5年 1月分~同年 3月分)
・ 令和 4年第4期報告分(令和 4年10月分~同年12月分)
・ 令和 4年第3期報告分(令和 4年 7月分~同年 9月分)
・ 令和 4年第2期報告分(令和 4年 4月分~同年 6月分)
・ 令和 4年第1期報告分(令和 4年 1月分~同年 3月分)

(続きを読む...)裁判所の情報公開に関する統計文書

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申

1 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申につき,以下のとおり分類して私のブログで紹介しています。
(1) 最高裁判所の司法行政文書
① 最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書
② 最高裁判所が直ちに廃棄しているとされた司法行政文書
③ 不開示事由に該当するとされた最高裁判所の司法行政文書
④ 司法行政文書開示請求の対象とならないとされた最高裁判所の文書
(2) 下級裁判所の司法行政文書
① 下級裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書
② 下級裁判所が直ちに廃棄しているとされた司法行政文書
③ 不開示事由に該当するとされた下級裁判所の司法行政文書
④ 司法行政文書開示請求の対象とならないとされた下級裁判所の司法行政文書

2 最高裁平成26年7月14日判決は,「ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきもの」と判示しています。

3 以下の資料も参照してください。
① 司法行政文書の管理について(通達)(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 「職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければならない。」などと書いてあります。
② 公文書管理法に対する,平成21年6月23日付の参議院内閣委員会の付帯決議
→ 「軽微性を理由とした文書の不作成が恣意的に行われないようにするとともに、文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとし、作成後、時間を経過した文書が不必要に廃棄されないようにすること。」などと書いてあります。
③ 情報公開法に係る主な答申等について(平成31年3月)
→ 総務省行政管理局情報公開・個人情報保護推進室が作成したものです。

4 以下の記事も参照してください。
① 裁判所の情報公開
② PKO日報問題に関する特別防衛監察結果報告で示された,行政文書管理及び情報公開業務の改善策
→ 「不存在とした開示請求について、開示請求手続と関係のない立場の組織により、情報公開業務の検査等を実施するなど、チェック機能の強化を図る必要がある。」などと書いてあります。

5(1) 総務省HPに,平成16年3月10日付の「勧告及び要望書」が載っています。
日弁連人権擁護委員会が平成15年12月付で作成した,裁判所行政情報開示人権救済申立事件調査報告書(いわゆるロッキード事件において最高裁宣明書が出された件に関する文書の開示を求めたもの。)が含まれています。
(2) 国立国会図書館HPの「調査と情報」に,「行政機関における文書管理-国の説明責務に係る論点と改善方策-」(平成30年2月27日発行の998号)が載っています。

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最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携

目次

第1 掲載資料の位置付けと使い分け第2 民事・刑事書記官実務必携の資料一覧第3 関連文書第4 民事書記官実務必携(平成31年4月1日)からの抜粋第5 刑事書記官実務必携(平成31年4月1日)からの抜粋第6 最高裁判所事件管理システム第7 関連記事

第1 掲載資料の位置付けと使い分け

このページには,最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携を,基準日別に掲載しています。
掲載している民事の令和7年4月1日版及び刑事の令和8年4月1日版は,それぞれの基準日現在の資料であり,現在のすべての事件にそのまま適用できることを示すものではありません。

文書の構成や処理の流れを知りたい場合は,民事書記官実務必携の解説及び刑事書記官実務必携の解説を参照して下さい。
本ページは原資料と旧版の入口とし,詳しい解説は各記事にまとめています。

第2 民事・刑事書記官実務必携の資料一覧

以下の資料は,文書に表示された基準日を区別して利用して下さい。

(1) 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携は以下のとおりです。
① 民事書記官実務必携
・ 令和7年4月1日現在のもの
・ 平成31年4月1日現在のもの(圧縮済み)
・ 平成30年4月1日現在のもの
・ 平成28年4月1日現在のもの
② 刑事書記官実務必携
・ 令和8年4月1日現在のもの
・ 平成31年4月1日現在のもの(圧縮済み)
・ 平成30年4月1日現在のもの1/3,2/3及び3/3
→ サイズを圧縮して一つのファイルにしたものも掲載しています。
・ 平成28年4月1日現在のもの1/2及び2/2
(2) 最高裁判所の裁判部とは,大法廷首席書記官等に関する規則(昭和29年最高裁判所規則第9号)に定める大法廷首席書記官が指導監督する職員が属する組織をいいます(司法行政文書の管理について(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長の通達)第1.2(3)参照)。

第3 関連文書
・ 最高裁判所による書記官事務等の査察について(平成13年9月4日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
・ 民事立会部における書記官事務の指針(平成12年5月)
・ 民事立会部における書記官事務の指針の解説(平成12年5月)
・ 家庭裁判所調査官執務必携(平成20年3月の,最高裁判所事務総局家庭局作成の文書)

第4 民事書記官実務必携(平成31年4月1日)からの抜粋

(続きを読む...)最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携

司法行政文書開示請求の対象とならないとされた下級裁判所の司法行政文書

司法行政文書開示手続の対象外とされること,文書を保有していないこと,文書はあるが不開示情報が含まれることは,区別して読む必要があります。
本記事は,下級裁判所の文書について裁判事務に関する文書に当たるとして開示手続の対象外とされた答申例を紹介するものであり,同種の資料が全国で一律に存在しないという意味ではありません。

裁判部で専ら裁判事務のために用いられる文書については,作成・取得の目的と実際の管理状況が問題となります。
平成28年度(情)答申第7号及び平成30年度(情)答申第24号は,事務局等が司法行政事務を処理する目的で取得した事実がないことも確認しています。
これらは事務局が取得すれば必ず全部開示されると判断した事例ではなく,そのような取得の有無も区別して検討した事例です。

関連する答申:平成28年度(情)答申第7号(平成28年9月1日答申),平成30年度(情)答申第24号(平成31年3月15日答申)。
○行政機関の場合,行政文書該当性については,対象となる文書に係る具体的・客観的状況に基づいて判断すべきものであり,行政機関内部における一般的な取扱いや,行政機関の職員の主観的な認識といった事情により,その判断が左右されるものではありません(内閣法制局長官の国会答弁資料に関する平成28年度(行情)答申第646号(平成29年1月17日答申)9頁)。
これらの答申を読むときは,文書の名称だけでなく,どの事務のために作成・取得され,裁判部と事務局等のどちらがどの目的で管理しているかを確認する必要があります。
裁判所職員の主観的な認識だけで区分が決まるという一般則を,これらの答申から導くことはできません。
〇刑事裁判における公判前整理手続の場合,警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについても証拠開示を命じられることがあります(最高裁平成20年9月30日決定参照)。
以下の第2例では,原判断は文書を作成・取得していないとして不開示としましたが,平成27年度(情)答申第4号は,仮に文書が存在しても司法行政文書開示手続の対象とならないとして,原判断を結論において妥当としています。
答申が文書の存否を確定した場合と,存否にかかわらず開示手続の対象外とした場合を混同しないことが必要です。

○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,下級裁判所の以下の文書は司法行政文書開示請求の対象とならないそうです。

1 弁護士が後見人として一定以上の財産を預かる場合,不正をチェックするために別の弁護士を「後見監督人」として付ける運用の基準を定めた文書(平成27年度(情)答申第3号(平成28年3月8日答申))
→ 「(1) 取扱要綱記第2本文は,「裁判所は,その保有する司法行政文書の開示の申出があった場合は,何人に対しても,当該司法行政文書を開示するものとする。」と定め,取扱要綱記第1は,「この取扱要綱において「司法行政文書」とは,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録(略)であって,裁判所の職員が組織的に用いるものとして,裁判所が保有しているものをいう。」と定めている。そして,司法行政文書には,裁判事務に関する文書は含まれず,裁判事務に関する文書には,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書が含まれると解される。
(2) そこで,本件開示申出文書について検討すると,本件開示申出文書について,最高裁判所事務総長は,後見監督人の選任等に係る個々の事件処理の参
考とするために,当該裁判に密接に関連する事項について東京家庭裁判所の複数の裁判官等が申合せを行った結果を記載した文書であることから,司法行政文書には該当しないと説明する。後見監督人の選任は,家庭裁判所が行う審判事項であり,その法律上の要件は「必要があると認めるとき」とされているにすぎないから(民法849条,家事事件手続法39条参照),後見監督人の選任に係る運用の基準は,家庭裁判所が行う後見監督人選任の審判という裁判に密接に関連する事項に係るものといえ,この点に関する上記説明は合理的である。
また,最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書は,東京家庭裁判所及び立川支部の裁判部である家事部で管理していると説明するところ,上記のような本件開示申出文書の性質に照らすと,この点に関する説明も合理的である。
そうすると,本件開示申出文書は,裁判所の職員が作成したものではあるが,裁判事務に関する文書であるということができるから,取扱要綱記第1にいう「司法行政事務に関する文書」には当たらないというべきであり,その結果,本件開示申出文書は,取扱要綱記第2本文に定める司法行政文書の開示の手続の対象となる司法行政文書には該当しないのであって,同手続の対象とはならない文書であると認められる。」そうです。

2 ①破産管財人の報酬を決定する基準が書いてある文書,及び②破産管財人の報酬の目安が分かる文書(平成27年度(情)答申第4号(平成28年3月8日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件各開示申出文書が存在するとすれば,それらは,破産事件における破産管財人の報酬決定を行う際の基準又は目安について記載された文書であるから,個々の破産事件の処理の参考とするために,裁判事項ないし裁判に密接に関連する事項について複数の裁判官等が申合せを行った結果などを記載したものであるから,専ら裁判事務に関して作成された文書であって,司法行政事務に関して作成された司法行政文書ではないと説明する。破産管財人の報酬の額は,個別の事件ごとに,当該事件の破産管財人につき,その都度裁判所が定めるものであるから(破産法87条1項参照),破産管財人の報酬決定の基準やその目安は,破産管財人の報酬決定という裁判に密接に関連する事項に係るものといえ,この点に関する上記説明は合理的である。
また,最高裁判所事務総長は,神戸地方裁判所において司法行政事務を所掌する事務局に所属する職員がこれらの文書を取得したこともないと説明するところ,上記のような本件各開示申出文書の性質に照らすと,この点に関する説明も合理的である。
そうすると,本件各開示申出文書は,裁判所の職員が作成したものではあるが,裁判事務に関する文書であるということができるから,取扱要綱記第1にいう「司法行政事務に関する文書」には当たらないというべきであり,その結果,本件各開示申出文書は,取扱要綱記第2本文に定める司法行政文書の開示の手続となる司法行政文書には該当しないのであって,同手続の対象とはならない文書であると認められる。」そうです。

3  成年後見人の選任に関して,東京家庭裁判所が特定の団体らとの間で取り交わしている文書(平成27年度(情)答申第5号(平成28年3月8日答申))

(続きを読む...)司法行政文書開示請求の対象とならないとされた下級裁判所の司法行政文書

不開示事由に該当するとされた下級裁判所の司法行政文書

○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書には不開示情報が含まれています。
○行政機関情報公開法6条2項は,「開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。」と定めており,その意義につき,最高裁平成19年4月17日判決の裁判官藤田宙靖の補足意見が参考になります。

下級裁判所の入庁検査の案内文書,検査除外者,民間警備業者との契約書及び全国集計資料についての不開示事例は,裁判所の所持品検査に関する情報公開―検査方法・免除者・契約書の不開示(AI作成)で,対象文書,判断主体及び判断の範囲を分けて整理しています。

1 「東京地裁が,平成28年1月までに,60代の女性書記官を1ヶ月の停職処分にした際に作成し,又は取得した文書」のうち,被処分者の氏名等(平成28年度(情)答申第6号(平成28年9月1日答申))
→ 「原判断庁が本件各対象文書のうち不開示としたのは,①被処分者の氏名,②級号俸,③事件番号,④刑事裁判との関係欄の年月日,⑤具体的な事件に係る期日の月日,⑥事件当事者の呼称,⑦書証番号,⑧被処分者による行為の月日(同人が自己の事務の誤りに気付いたり,認識した月日を含む。)及び⑨被処分者が誤って作成した期日呼出状に記載された期日の年月日の情報(以下「本件不開示情報」という。)である。
本件各対象文書記載の情報(文書2の書式に相当する情報を除く。)は,全体として被処分者を識別することができることとなる情報(法5条1号)に相当する情報であるが,そのうち本件不開示情報以外の情報は,「懲戒処分の公表指針」に従って,報道機関を通じて公表した情報であることから,慣行として公にされる情報(法5条1号イ)に相当する情報であり,本件不開示情報は,同号ただし書イ,ロ及びハのいずれにも相当しない情報である。さらに,本件不開示情報のうち,上記②及び④を除く情報は,事件当事者を識別することができることとなる情報若しくは個人の権利利益を害するおそれのある情報(法5条1号)又は法人等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報(法5条2号イ)に相当する情報である。」そうです。

2 平成28年5月27日の,小池裕最高裁判所判事の水戸地方裁判所視察に関する視察日程案,視察日程細目(平成28年度(情)答申第14号(平成28年10月24日答申))
→ 「最高裁判所は,司法権及び司法行政権の最高機関であるから,最高裁判所判事が要人として犯罪行為等の標的となることは否定できない。そして,憲法週間における最高裁判所判事による下級裁判所の視察が毎年行われるものであることも考慮すると,視察の際の日程等の詳細が公になると,それを蓄積して移動手段や日程等の傾向を分析され,今後の視察の行動を予測されるなどして,犯罪行為等の実行に利用されるおそれがある」そうです。

3 特定の裁判官の退官願のうち,作成年月日,当該裁判官の署名及び押印並びに退官願の理由を記載した部分(平成28年度(情)答申第20号(平成29年2月24日答申))
→ 「本件対象文書を作成した年月日及び退官を願い出る理由については,官報等により公表されているものではないから,法5条1号ただし書イに相当するものではない」そうです。

4 特定裁判官が有報酬兼業として自分名義の著作を販売することを許可してもらうために,東京高等裁判所との間で授受した文書(平成28年度(情)答申第24号(平成29年3月17日答申))
→ 「裁判所法52条2号は,裁判官は,在任中,最高裁判所の許可のある場合を除いて,報酬のある他の職務に従事することができない旨規定しているから,特定の裁判官が報酬のある他の職務に従事することの許可を求めた文書の存否を答えることは,当該裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしている事実の有無に係る情報を明らかにすることと同様の結果を生じるものと認められる。
そして,特定の裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしているか否かという情報は,当該裁判官の個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名等により当該裁判官という特定の個人を識別することができるものに当たると認められる。そして,当該情報は,法5条1号ただし書イに規定する法令の規定により又は慣習として公にされ,又は公にすることが予定されている情報であるとは認められないし,同ハに規定する当該裁判官の職務遂行に係る情報であるとも認められない。したがって,当該情報は,法5条1号の不開示情報に相当すると認められる。
この点について,苦情申出人は,当該裁判官が,自分名義の著作を販売していることを自身のツイッターで宣伝していることをもって,慣行として公にされている情報であると主張するが,苦情申出人が主張するような事実をもって当該裁判官が申出に係る許可を受けたか否かに係る情報が,慣行として公にされているとは認められない。さらに,他に裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしているか否かを公表する慣行があると認めるに足りる事情はない。したがって,苦情申出人の上記主張は失当である。」そうです。

5 岡口喜一裁判官に対する厳重注意に関する文書(平成29年度(情)答申第2号(平成29年4月28日答申))
→ 「本件注意は,下級裁判所事務処理規則21条に基づくものであり,同条は,「高等裁判所長官(略)は,所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し,事務の取扱及び行状について注意を与えることができる。」と規定している。
上記の最高裁判所事務総長の説明及び口頭説明の結果を踏まえるならば,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的実質を含んだ処分とは異なるものであると判断される。
そして,裁判官については,憲法上その独立が強く保障されており,懲戒処分も,裁判官分限法に基づく分限裁判によって行われることとされていて(裁判所法48条,49条参照),下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意がされたとしても,そのことにより,当該裁判官に具体的な不利益が課されることは,予定されていない。また,裁判官の懲戒である分限裁判が確定したときは,官報に掲載して公告されることとされている(裁判官の分限事件手続規則9条)のに対し,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,公表が予定されていない。
下級裁判所事務処理規則21条に基づく裁判官に対する注意が上記のような性質のものであることからすると,その運用自体が裁判官の個人的事情に関わる機微なものであるというべきであり,その手続きについては,当該裁判官の行状等の改善に対する実効性を確保する目的で,適切な時期に効果的な形でされるべきであるという観点等から慎重であるべきものと認められる。したがって,司法行政手続の中でその運用においてどのような手続がとられるのか,文書が作成されるのか,作成されるとしてどのような文書が作成,管理,保存されるのかなどについて,本来,これを公にすると,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意という人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
そうすると,本件については,本件対象文書の存否を答えるだけで,上記のような人事管理に係る事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある情報を開示することになるというべきであり,当該情報は,法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する情報であるから,原判断においては,取扱要綱記第5に基づき,本件対象文書の存否を明らかにしないで不開示とすべきであったと認められる。」そうです。
→ 東京高裁長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づき注意を与える際の事務手続が分かる文書が存在しないことは,平成29年3月23日付の司法行政文書不開示通知書によって明らかにされています。

6 名古屋高裁がマスコミに提供した,名古屋高裁平成28年11月28日判決(被告人は藤井浩人美濃加茂市長)の判決要旨(平成29年度(情)答申第4号(平成29年5月25日答申))

(続きを読む...)不開示事由に該当するとされた下級裁判所の司法行政文書

下級裁判所の司法行政文書―短期保有・廃棄・不存在に関する答申(AIリライト)

目次第1 この記事の対象と読み方第2 従来の答申例第3 千葉地方裁判所の修習日誌第4 現行規則による確認事項
第1 この記事の対象と読み方
本記事は,下級裁判所の司法行政文書について,個別の情報公開答申で廃棄済み又は非保有とされた事例を紹介するものである。
答申は,特定の裁判所,対象文書及び開示申出に関する判断であり,全国の裁判所が同種文書を現在も一律に直ちに廃棄するという意味ではない。

修習日誌に関する補足は令和6年3月21日の答申を,現在の管理規則は令和8年3月4日改正・同年4月1日実施の公表通達を基にしている。
過去の廃棄に関する説明と現行の保存・廃棄要件は分けて読む必要がある。

○最高裁平成26年7月14日判決によれば,行政機関の情報公開の場合,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきものとされています。
○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会が公表した答申には,次の個別事例がある。

以下は,委員会が各事案の説明を踏まえ,開示申出時の廃棄済み又は非保有の判断を妥当とした例である。
廃棄までの期間や,組織的に保有する文書に当たるかは,それぞれの用途と保有状況によって異なる。

第2 従来の答申例
1 神戸地裁における,①視察の日時時刻,発着地,事項,配車,乗員,随行の秘書官等の詳細が記載されている基本日程及び詳細日程,③最高裁判所判事との座談会の出席者名簿及び座談会席図,④庁内巡視の順序が分かる文書並びに⑤最高裁判所判事との懇親会の出席者名簿(平成27年度(情)答申第2号(平成28年2月18日答申))→  「苦情申出人が存在するはずであると主張する①から⑤までの文書のうち②の文書以外の文書については,その標題や最高裁判所事務総長の説明に照らすと,最高裁判所判事の視察に関する具体的な日程,出席者及び巡視の流れを記載した当該視察の際に必要となるものといえるが,その後にわたって意思決定に至る過程や事務の実績を検証するために必要とされる内容のものではないといえるから,神戸地方裁判所においてはこれらを内容が軽微かつ簡易なものとして,短期保有文書として扱っていたとする最高裁判所事務総長の説明に不合理な点はない。そして,これらの文書の内容に照らせば,視察日から2か月近くが経過した本件開示申出の時点で廃棄していたとの取扱いは,事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄されたものとして,上記各通達の定めに従ったものであるといえ,他にこれらの文書の存在をうかがわせるような事情はない。」そうです。

2  平成28年1月1日の神戸地裁所長交代時の引継書(添付書類を含む。)(平成28年度(情)答申第4号(平成28年7月15日答申))→ 「最高裁判所事務総長は,現在の神戸地方裁判所長に確認したところ,事務の引継ぎに際しては,メモ程度のものは作成されたが,それは,現所長が前所長から受け取り,読んだ後,必要がなくなったので,1週間程度で廃棄したとのことであったとし,所長の事務の引継ぎの性質に照らすと,これは合理的であると説明する。
上記の説明は,神戸地方裁判所長の事務の引継ぎに際して作成されたメモは,引継ぎを受けた現所長個人の責任で保有し,その個人にとって必要な限度で利用した上で廃棄したというものと解されるのであり,このことは,所長の事務の引継ぎという事務の内容に照らして,不合理なものとは認められない。
」そうです。

3 直近に開催された,首席家庭裁判所調査官協議会及び家事事件担当裁判官等協議会に関する配付資料(平成28年度(情)答申第5号(平成28年7月15日答申))→ 「最高裁判所事務総長は,本件各開示申出文書が短期保有文書として随時廃棄して差支えない文書であり,既に廃棄されているとする原判断庁の説明は合理的であると説明する。本件各開示申出文書は,いずれも,東京高等裁判所で開催された協議会の配付資料で,最高裁判所から東京高等裁判所を通じて協議員に対して協議の参考として配布された文書であるというのであるから,その用途は,協議員が協議の参考にするに止まり,東京高等裁判所においてこれに基づく事務等が予定されているものとは認められない。そうすると,協議会が終了すれば,東京高等裁判所において保有する必要性がなくなるものであるということができるから,東京高等裁判所において,これらについて,保存期間を1年以上にする必要がない短期保有文書として扱っていることは,前記1の各通達に沿った取扱いであり,相当である。以上によれば,本件開示申出の時点において,本件各開示申出文書が,いずれも廃棄済みであって存在しないとする原判断庁の説明は合理的であり,これを覆すに足りる事情はない。
この点につき,苦情申出人は,平成25年2月改訂のJ・NETポータル民事情報データベース操作マニュアル<一般ユーザ編>に,平成19年度の協議会資料が存在するような記載部分があることをもって,本件各開示申出文書が存在すると主張するが,上記の記載は,本件各開示対象文書に係る協議会とは全く別の年度に開催された協議会に関するものである上,マニュアル上の記載が実際の文書の存在を推認させるものでないことはいうまでもないのであるから,採用の限りでない。」そうです。

4 東京地裁立川支部長が東京地裁本庁に定期的に送付している,支部の状況報告に関する書面(平成28年度(情)答申第12号(平成28年10月24日答申))→ ①幹部連絡会の報告資料(月に一度行われる幹部連絡会において,支部長が所長に対して支部の状況を口頭報告する際に使用する補助資料)及び②裁判官会議終了後に行われる概況説明の資料(所長や支部長らが出席する裁判官会議終了後,出席者らが参加し,各部署から口頭で行われる概況説明の際に使用する補助資料)につき,
「上記(1)の説明によれば,資料の配布等の庶務を担当する部署では文書1及び文書2のいずれについても会議又は説明の終了後に廃棄をしたというのであるところ,上記(1)のとおり,幹部連絡会及び概況説明が,いずれも通達等に開催根拠がなく,組織的意思決定を予定していないものであることからすれば,文書1及び文書2について,そのように取り扱っていることは合理的である。したがって,当該部署において保有していた文書1及び文書2は,いずれも廃棄済みであると認められる。
また,上記(1)の説明によれば,文書1及び文書2の配布を受けた参加者は,手持ち資料として持ち帰ることはあっても,その保有又は処分については,参加者個人の自由な判断に委ねられていたというのであり,上記のとおりの幹部連絡会及び概況説明の性質に照らせば,当該説明も合理的であるといえるから,参加者が本件開示申出の時点で文書1又は文書2を保有していたとしても,それは,東京地方裁判所が組織的に用いるものとして保有しているものではなく,司法行政文書を保有していることにはならないことは明らかである。」そうです。

5 東京高裁が,平成30年1月10日にエレベーターの使用中止を決定した際に作成した文書(決裁文書及び裁判所内の回覧文書を含む。)(平成30年度(情)答申第15号(平成31年1月18日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書に該当する文書として,管理職員から職員へ口頭で周知するために,その内容を記載した文書が作成されたが,当該文書は,エレベーター使用停止の措置について,管理職員から職員に対して口頭で周知を行うに当たり,その内容を正確に伝える目的に基づく短期保有文書であり,職員へ口頭で周知したことによりその目的が達成され,事務処理上保有しておく必要がなくなったことから廃棄したとのことであり,本件開示申出の内容に照らして検討しても,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

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下級裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書

○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の文書は下級裁判所が作成又は取得していないそうです。

1 ①広島高等裁判所長官の事務引継書,及び②広島高等裁判所長官が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(情)答申第8号(平成28年10月11日答申))
→ ①の文書につき,
「高等裁判所長官が行う事務の内容からすれば,その具体的な内容については,当該高等裁判所の職員から説明を受けることがふさわしいものが少なくないと考えられ,また,そのような説明によって事務を処理することで支障が生じるような事情もうかがわれない。そうすると,高等裁判所長官の交代に伴い事務引継書を作成することを予定するような定めはなく,他に,事務引継書が作成されていることをうかがわせる具体的な事情がないことも併せ考慮すれば,上記の説明は,合理的であるということができ,広島高等裁判所において,本件開示申出文書1を保有していないものと認められる。」そうです。

2 ①東京高等裁判所長官の事務引継書,及び②東京高等裁判所長官が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(情)答申第9号(平成28年10月11日答申))
→ ①の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,東京高等裁判所長官の交代時においては,後任者が最高裁判所事務総長であったところ,最高裁判所と東京高等裁判所の各庁舎は近接した場所に位置しているため,事務引継ぎは前任者から後任者へ口頭で行われ,事務引継書を作成していないと説明する。
前任者と最高裁判所事務総長であった後任者とが口頭で事務の引継ぎを行うことができたとする上記説明は,最高裁判所と東京高等裁判所の地理的関係に照らせば不合理とはいえない。また,高等裁判所長官が行う事務の内容からすれば,具体的な事務については,当該高等裁判所の職員から補充の説明を受けることがふさわしいものが少なくないとも考えられ,それにより事務に支障が生じるような事情もうかがわれない。
そうすると,高等裁判所長官の交代に伴い事務引継書を作成することを予定するような定めはなく,他に,事務引継書が作成されていることをうかがわせる具体的な事情がないことも併せ考慮すれば,本件開示申出文書1を作成していないとする上記説明は,合理的であるということができ,東京高等裁判所において,本件開示申出文書1を保有していないものと認められる。」そうです。

3 東京高等裁判所管内の裁判官の期別名簿(平成28年度(情)答申第10号(平成28年10月11日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書について,東京高等裁判所管内の裁判官を修習期ごとに並べた名簿と特定すべきと説明するところ,本件開示申出に係る申出書の記載に照らし,上記の特定は合理的である。
そして,同説明によれば,東京高等裁判所において本件開示申出文書は作成し,又は取得しておらず,事務処理上その必要もないとのことであるところ,当該説明が不合理であるとする事情もうかがわれない。」そうです。

4 交通の分野において,大阪地裁を中心とし,京都,神戸等の裁判所の専門部が平成27年度に集まり,情報交換を行った際に,神戸地裁が作成し,又は取得した文書(情報交換に際しての配付資料を含む。)(平成28年度(情)答申第16号(平成28年12月2日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明及び本件対象文書の見分の結果を併せると,本件協議会は,京都地方裁判所,神戸地方裁判所及び大阪地方裁判所の民事交通損害賠償事件担当裁判官が出席して,本件懇談会は,大阪高等裁判所管内の地方裁判所の民事交通事件担当裁判官が出席して,いずれも民事交通事件に関する裁判事務の在り方等について協議することを目的とする会合であると認められるから,その配布資料が存在したとしても,その内容は裁判事務に関するものであると推察され,神戸地方裁判所の事務局において司法行政文書として保有する必要のあるものではないと考えられる。この点について,委員会庶務に調査させたところ,これらの会合の配布資料については,主催する大阪地方裁判所の裁判官から,他の裁判所の出席裁判官に宛てて直接送付されたとのことであり,上記のとおりのこれらの会合の性質に照らせば,そのような手続が踏まれたことも合理的といえる。」そうです。

5 東京高裁が平成28年6月21日付で岡口基一裁判官を口頭注意処分した際に作成した文書(平成29年度(情)答申第1号(平成29年4月28日答申))
→  「本件注意は,憲法及び裁判所法により身分が保障された裁判官に対するものであることや,当該裁判官の特定の行状に関してその改善を求める内容のものであって,当該裁判官個人の私的な事柄に関するものであること等を考慮すると,本件注意の意思決定の過程において文書が作成されなかったとしても,不合理とはいえず,他に本件開示申出文書が存在することをうかがわせる事情はない。」そうです。

6 東京高裁長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づき注意を与える際の事務手続が分かる文書(平成29年度(情)答申第7号(平成29年7月24日答申))
→ 「下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的な効果を伴わない措置であると解されるし,同条によれば,高等裁判所においては,専ら高等裁判所長官の責任において注意の要否やその態様等を決することが予定されており,注意の方法や文書の作成の要否等に関する定めはない。」そうです。

7 平成29年度中に実施された,東京家裁専門部・集中部と,東京三弁護士会との間の懇談会における配布資料及び懇談結果を記載した文書(平成30年度(情)答申第12号(平成30年12月21日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間,本件申出に係る専門部又は集中部と東京三弁護士会又は東京の各弁護士会との間で懇談会を開催していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

8 平成29年度中に実施された,東京地裁専門部・集中部と,東京三弁護士会との間の懇談会における配布資料及び懇談結果を記載した文書(平成30年度(情)答申第13号(平成30年12月21日答申))

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司法行政文書開示請求の対象とならないとされた最高裁判所の文書

○行政機関の場合,行政文書該当性については,対象となる文書に係る具体的・客観的状況に基づいて判断すべきものであり,行政機関内部における一般的な取扱いや,行政機関の職員の主観的な認識といった事情により,その判断が左右されるものではありません(内閣法制局長官の国会答弁資料に関する平成28年度(行情)答申第646号(平成29年1月17日答申)9頁)。
これに対して司法行政文書の場合,裁判所内部における一般的な取扱いや,裁判所職員の主観的な認識といった事情により,司法行政文書に該当するかどうかの判断が左右されている気がします。
〇刑事裁判における公判前整理手続の場合,警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについても証拠開示を命じられることがあります(最高裁平成20年9月30日決定参照)。
○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,最高裁判所の以下の文書は司法行政文書開示請求の対象とならないそうです。

1 憲法週間における最高裁判所判事の視察に際して受領した各高等裁判所及びその管内に関する概況説明資料(平成28年度(最情)答申第19号(平成28年6月28日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,最高裁判所判事が憲法週間に各地の裁判所を視察する際には,視察を受ける裁判所において,当該裁判所の事件動向等のほか,所在する都道府県の地域性及び特色について説明を受けていると聞いているが,最高裁判所事務総局において,当該説明に際して使用される資料の提出を求めてはおらず,当該文書を取得していないと説明するところ,最高裁判所事務総局が,上記資料を利用し,又はこれを保存する必要性はうかがわれないから,上記説明は合理的であると認められる。」そうです。

2 ①最高裁判所事務総長の事務引継書,及び②最高裁判所事務総長が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第27号(平成28年9月1日答申))
→ ①の文書につき
「事務総長の説明によれば,事務総長の交代に当たり,事務引継書を組織的に作成することを予定するような定めはなく,それを作成するか否かは前任者個人の判断に委ねられているとのことである。また,実際に作成されたメモも,前任者個人の判断で作成されて直接後任者に交付され,あくまで個人の手持ち資料として後任者限りで使用及び保管がされているとのことである。
上記の説明を踏まえると,当該メモの作成・利用・保存・廃棄については,そのいずれの過程においても組織としての関与は何ら存在せず,事務総長個人の便宜的判断に委ねられているものと認められるのであって,たとえ事務総長が当該メモをたまたま廃棄せずに保有していたとしても,そのことのみをもって,最高裁判所の職員が組織的に用いるものとして最高裁判所が保有しているものということはできず,当該メモは,取扱要綱記第1に定める司法行政文書に当たらないと認められる。」そうです。
→ ②の文書につき
「事務総長が交代した場合に,どこに挨拶回りをするかについては,何ら定めはなく,そもそも挨拶は儀礼上のものにすぎないと考えられることからすると,一般的にその役職に応じた挨拶回り先として想定されるところがあったとしても,実際にどこに挨拶に行くかについては,個々の事務総長の意向によるとする説明が不合理とはいえない。」そうです。

3 新任の最高裁判所判事が着任したときの事務手続について書いてある文書(平成28年度(最情)答申第38号(平成28年12月2日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書に当たり得るものとして,認証式及び就任行事に関する事務手続を記載した文書と考えたとのことであるが,本件開示申出に係る申出書及び最高裁判所事務総局職員による開示申出人からの電話聴取の内容から,上記の解釈は妥当であると考えられる。
そして,最高裁判所事務総長の説明によれば,認証式については,それを実施する宮内庁から取得した文書も,最高裁判所事務総局が作成した文書もないとのことである。また,就任行事の実施に係る内容やスケジュールの確定は,担当部署の職員が口頭での確認により行っており,他の部署との連絡も口頭又は電話で行っていて,就任行事に関する事務手続について,担当係員が個人的にメモを作ることはあっても,司法行政文書は作成していないとのことである。最高裁判所判事についての認証式及び就任行事に関する事務手続は,これらの行事が滞りなく行われることを目的とするものであると考えられることからすると,事務手続に関して司法行政文書を作成していなかったとしても不合理とはいえず,これらを作成していたことをうかがわせる事情は見当たらない。」そうです。

4 最高裁判所規則(平成28年度(最情)答申第39号(平成28年12月2日答申))
→  「最高裁判所規則は,憲法77条1項の規則制定権に基づき,最高裁判所裁判官会議の議決により訴訟に関する手続,弁護士,裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について定められるものである(裁判所法12条1項参照)。これは,議決後,官報により公布することとされているから(裁判所公文方式規則2条),これにより広く周知が図られている。また,最高裁判所規則の条文については,不特定多数の者に販売することを目的として発行されている法令集等により容易に入手が可能である。それにもかかわらず,これを司法行政文書の開示手続の対象とした場合,図書館代わりの利用など当該手続を設けた趣旨に合致しない利用が見込まれるから,当該手続の対象とする必要はないというべきである。」そうです。
・ 内閣府情報公開・個人情報保護審査会の平成26年度(行情)答申第74号(平成26年6月5日答申)が参照されたみたいです。
また,総務省情報公開・個人情報保護審査会の平成29年度(行情)答申第124号(平成29年6月28日答申)も同趣旨の答申をしています。
・ 現行日本法規は税込みで27万円します(ぎょうせいオンラインの「現行日本法規」参照)し,大阪弁護士会の図書室には置いてありません。
また,法務年鑑(平成27年)81頁によれば,現行日本法規の編成は, 本文50編100巻(125冊),索引3巻,旧法令改廃経過1巻,主要旧法令5巻,参照条文索引3巻及び法定刑一覧一覧の刑113巻(138冊)となっています。
平成27年中に発行した追録は,第10592号から第10891号までの300追録107,622頁です。

5 最高裁判所の各小法廷の審議期日表(平成30年度(最情)答申第45号(平成30年11月16日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書は,審議事件について,審議期日及び審議期日における審議順序が決まった後に,裁判手続である審議及びその準備のために作成されているものであって,司法行政事務の用に供されるものではないとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

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最高裁判所の司法行政文書に関する不開示等の答申42件-平成27年度から平成31年度答申第7号まで(AIリライト)

第1 この記事の対象と読み方1 対象範囲と基準日2 「不開示等」の意味第2 司法行政文書開示制度の法的枠組み1 情報公開法の直接適用ではないこと2 開示原則と不開示情報3 審査委員会と答申の位置付け第3 平成27年度の答申3件第4 平成28年度の答申7件第5 平成29年度の答申5件第6 平成30年度の答申22件第7 平成31年度の答申5件第8 42件に現れた主な不開示理由1 個人識別情報2 人事,採用,試験及び修習の事務3 庁舎警備,情報セキュリティ及び国際関係4 一部開示,存否応答拒否及び不存在の区別第9 部分開示に関する最高裁判例1 最高裁平成19年4月17日第三小法廷判決2 最高裁令和7年6月3日第三小法廷判決第10 平成31年度以後の答申への導線第11 関連記事第12 出典・参考資料1 法令・要綱2 裁判所の公式ページ・答申3 裁判例
第1 この記事の対象と読み方
1 対象範囲と基準日

本記事は,最高裁判所が開示の申出を受けた司法行政文書に関する答申のうち,従前から収録してきた平成27年度から平成31年度(令和元年度)(最情)答申第7号までの42件を整理したものである。
調査の基準日は令和8年9月9日,一覧の資料対象期間は平成27年度から平成31年度答申第7号までであり,行政機関の保有する情報の公開に関する法律は同基準日に施行されている条文を確認した。

収録件数は,平成27年度3件,平成28年度7件,平成29年度5件,平成30年度22件及び平成31年度5件の合計42件である。
この42件は,各年度の答申全件ではなく,当該期間の不開示,一部不開示,存否応答拒否等を知るための収録例である。
平成31年度答申第8号以後を含む年度別の公表答申は,最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の年度別索引から確認できる。

個別答申を他の事件へ援用するときは,対象情報,判断主体及び不開示事由の一致を確認する必要がある。
情報公開の答申を調査・引用する方法及び情報公開で公務員の氏名の不開示を争う方法では,公表答申書の読み方と,開示・不開示方向の答申を比較する方法を整理している。

2 「不開示等」の意味

表の「結果」は,審査委員会が最高裁判所事務総長の原判断をどのように評価したかを示す。
「全部不開示を妥当」と「一部不開示を妥当」のほか,文書の存在の有無に答えること自体が不開示情報を明らかにする「存否応答拒否」,作成又は取得していないことを理由とする不開示,従前の不開示範囲の一部を開示すべきであるとする答申が含まれる。

したがって,ここに掲げた対象名は,必ずしも当該文書の存在や全体の不開示を意味しない。
特に,存否応答拒否の事例から文書の存在を推論することはできない。

第2 司法行政文書開示制度の法的枠組み
1 情報公開法の直接適用ではないこと

裁判所は,「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」の対象ではなく,同法の直接適用はない。
裁判所は,同法の趣旨を踏まえた「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱」を定め,これに基づいて司法行政文書を開示している。

取扱要綱第1の「司法行政文書」は,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録であって,組織的に用いるものとして裁判所が保有するものである。
事件記録のような裁判事務に関して保有する文書は,原則としてこの開示手続の対象ではない。

2 開示原則と不開示情報

取扱要綱第2は司法行政文書の開示を原則とし,法令に別段の定めがあるとき,又は情報公開法5条の不開示情報に相当する情報が記録されているときを例外とする。
表の答申では,個人識別情報,人事管理,試験・研修,庁舎警備,情報セキュリティ,国際的信頼関係等への支障のおそれが問題となっている。

取扱要綱第3は,不開示情報が記録された部分を容易に区分して除けるときの部分開示を定める。
同要綱第5は,文書が存在するか否かを答えるだけで不開示情報を開示することになるときは,存否を明らかにしないで開示しないことができるとする。

3 審査委員会と答申の位置付け

情報公開・個人情報保護審査委員会は,平成27年7月1日に最高裁判所に設置された諮問機関であり,外部有識者3人で構成される。
同委員会は,最高裁判所の諮問に応じ,全国の裁判所による司法行政文書又は保有個人情報の開示・不開示等の判断を調査審議して答申を行う。

答申は裁判や判決ではなく,苦情申出に対する最高裁判所の判断そのものでもない。
裁判所の司法行政文書開示手続によれば,最高裁判所は同委員会の答申を尊重して苦情申出に対する判断を行う。

第3 平成27年度の答申3件

平成27年度は,所長会同,裁判官の転勤内示及び後見監督に関する3件である。
それぞれ,外部との信頼関係,人事管理の機密性,又は後見監督の実効性への支障のおそれが理由とされた。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
1平成27年度(最情)答申第1号(平成27年12月25日)高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同の文書一部不開示を妥当外部団体への評価等を公にすると,信頼関係が損なわれ,裁判所の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある
2平成27年度(最情)答申第5号(平成28年2月22日)裁判官の転勤の内示時期の目安が分かる文書全部不開示を妥当異動への不当な働き掛け等により,公正かつ円滑な人事の確保に支障が生じるおそれがある
3平成27年度(最情)答申第6号(平成28年2月23日)「これからの後見監督の在り方について(参考資料)」の監督区分等一部不開示を妥当監督方法等が分析され,不正又はその隠蔽を容易にし,後見監督事務に支障を及ぼすおそれがある

第4 平成28年度の答申7件

平成28年度は,司法修習生考試,情報セキュリティ,裁判官の昇給及び庁舎警備等に関する7件である。
ホワイトリストに関する答申は存否応答拒否であり,文書の存在を認定したものではない。

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最高裁判所の司法行政文書-短期保有・廃棄・不存在に関する答申12件(AIリライト)

第1 この記事の対象と答申の読み方第2 答申12件の整理1 短期保有文書として廃棄済みとされた例2 一部保有・一部廃棄とされた例3 未作成・交付済み・所在不明とされた例第3 現行の短期保有文書の管理1 保存期間を1年未満とできる文書2 短期保有でも直ちに廃棄するとは限らない3 開示申出等があった文書の保存期間延長第4 近時の答申による補足1 途中段階の文書とファイル管理簿2 別の開示申出による保存と作成・廃棄不明第5 令和6年度の文書管理状況第6 関連記事第7 出典・参考資料1 司法行政文書の管理・開示に関する資料2 答申・裁判例・統計
第1 この記事の対象と答申の読み方

この記事は,最高裁判所が保有する司法行政文書について,平成27年度から平成30年度までに出された情報公開・個人情報保護審査委員会の答申12件を整理したものです。
基準日は令和8年9月9日であり,現行の文書管理ルールと近時の答申も併せて確認しています。

12件の答申には,短期保有文書として事務処理上必要な期間の経過後に廃棄したとされたものだけでなく,文書を作成していなかったもの,執筆者に交付済みで最高裁判所が保有していなかったもの,探索しても見当たらず過去の取扱いも不明であったものが含まれます。
したがって,これらを一括して「最高裁判所が直ちに廃棄している文書」と理解するのは正確ではありません。

裁判所の司法行政文書の開示は,情報公開法が直接適用される手続ではなく,裁判所が定めた司法行政文書開示手続によって行われます。
不開示等の判断に不服がある場合の苦情申出については,最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会が諮問を受けて答申を行います。

第2 答申12件の整理

次の表では,旧記事が取り上げていた12件を,答申が実際に認定した理由に即して整理しています。
答申年月日は各答申書の冒頭記載によります。

番号答申開示申出の対象答申が認めた保有状況・理由

1平成27年度(最情)答申第4号(平成28年2月18日)報道発表資料並びに判決要旨・骨子等の配布物報道機関への配布分又は庁内周知分とその余部であり,短期保有文書として随時廃棄したとの説明を認めた。
2平成28年度(最情)答申第23号(平成28年7月15日)最高裁判所及び下級裁判所ごとの女性裁判官数全国の合計数は内閣府作成資料で情報提供し,裁判所別の文書は作成していないとした。データ提供用文書の廃棄は仮定的な補足であり,現実に直ちに廃棄したとの認定ではない。
3平成28年度(最情)答申第31号(平成28年10月24日)憲法週間における最高裁判所判事の視察日程等視察基本日程,詳細日程,出席者名簿等は,平成28年5月16日,17日又は19日の視察終了後に必要期間が満了して廃棄したとの説明を認めた。
4平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日)ハンセン病患者の裁判に関する記者会見の根拠資料日時・場所の記載文書と記者会見の進行又はメモは,会見後2日以内に廃棄したとの説明を認めた。他方,配布資料は公表済みの調査報告書等であり,開示申出の対象外とした。
5平成28年度(最情)答申第34号(平成28年12月2日)高等裁判所長官事務打合せに関する配布資料通達,開催通知,進行予定及び配布資料の計24文書を特定した。別紙6及び12から24まで以外の文書は打合せ後に廃棄し,前年度資料は作成していないとの説明を認めた。
6平成28年度(最情)答申第37号(平成28年12月2日)最高裁判所調査官室が判例時報への投稿用に作成した統計メモ執筆者の要望に応じて作成されたメモは執筆者に交付済みであり,最高裁判所は保有していないとの説明を認めた。
7平成29年度(最情)答申第7号(平成29年6月9日)第70期司法修習生の導入修習に関する週間日程表平成28年12月12日以降の4文書は開示し,同月9日以前の週間日程表は各週の経過後に必要期間が過ぎたため廃棄したとの説明を認めた。
8平成29年度(最情)答申第8号(平成29年6月9日)第69期司法修習生A班の週間日程表平成28年11月14日から16日までの文書は開示し,同月13日以前の週間日程表は当該週の経過後に必要期間が過ぎたため廃棄したとの説明を認めた。
9平成29年度(最情)答申第72号(平成30年3月23日)司法修習生の配属換えに関して作成又は取得した文書依頼,通知,同意書等を対象文書として特定し,その一部を不開示とした。対象文書以外の文書は配属換え手続の終了後に廃棄したとの説明を認めた。
10平成30年度(最情)答申第15号(平成30年6月15日)平成28年の裁判官・裁判所職員の懲戒処分等について発表の有無が分かる文書紙の文書だけでなくデータも含め,事務処理上必要な期間の満了後に廃棄したとの説明を認めた。
11平成30年度(最情)答申第46号(平成30年11月16日)裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せの作成経緯照会,回答及び報告の10文書を特定した。これら以外の協議文書は申合せの作成後に不要となり廃棄したとの説明を認めた。
12平成30年度(最情)答申第70号(平成31年2月22日)第40期から第48期までの司法修習開始時点の司法修習生配属現員表探索しても見当たらなかった。現行基準の保存期間は30年であるが,当時の保存期間は不明であり,保存期間経過後又は用済み後に廃棄されたものと考えられるとの説明を認めた。

1 短期保有文書として廃棄済みとされた例

第1号,第3号,第4号,第7号,第8号及び第10号は,対象文書又はその一部について,短期保有文書として必要期間の満了後に廃棄したとの説明が認められた例です。

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最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書

○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が作成又は取得していないそうです。

1 最高裁秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領その他これに類する文書(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,視察基本日程(案)は,秘書課で作成又は確認をしているが,その作成又は確認は,その都度個別に検討して行っており,およそ事務処理要領等を作成する必要はなく,それを用いなくても事務処理に支障は生じないというのであるところ,事務視察が,視察者,視察先,視察の時期等によってその内容が異なるものであり,視察基本日程(案)に記載すべき日時や視察内容等の具体的な内容も,個別の視察に応じてその都度検討すべきものであることは容易に想像できるところであるから,上記の説明は合理的であるということができる。」そうです。

2 平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡裁判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書(平成27年度(最情)答申第8号(平成28年2月23日答申))
→ 「本件開示申出文書は,平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡易裁判所判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書であるところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,全国の裁判官は,他に転任する場合の任地希望等をカードに記載して,最高裁判所事務総局人事局長に提出するとのことである。
そうすると,人事局においては,各裁判官がカードに記載した任地希望を把握していることになるが,同説明によれば,人事局が人事異動計画の原案の立案等をする際には,各カードを個別に確認すれば足り,その記載内容を集計する必要はなく,現にその集計は行っていないというのである。人事異動事務が,任地希望を一つの考慮要素としつつも他の要素を含めて総合的に勘案して個別に検討すべき性質の事務であることに照らせば,上記説明に不合理な点は見当たらない。」そうです。

3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会における,年度ごとの重点審議者の数が分かる文書(平成15年度以降の分)(平成27年度(最情)答申第10号(平成28年3月23日答申))
→ 「下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号)に基づき設置され,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者のうちから最高裁判所が任命した11人の委員で組織される委員会(同規則5条,6条)であり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を裁判所法40条1項の規定により指名することの適否その他同項の規定による指名に関する事項を審議すること等の事務をつかさどるものである(同規則2条)。最高裁判所事務総長の説明によれば,重点審議者とは,同委員会において実質的な審議を行うため,多数の指名候補者の中から,指名の適否について慎重な判断を要する者として振り分けられたものであるところ,同委員会における審議が,上記のとおり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を指名することの適否等についてされるものであることからすると,重点審議者は,各諮問に応じ,審議対象となった者の中から,個別具体的な事情により振り分けられるものであり,その数を調整する必要があるとは認められない。また,上記の説明を前提にすると,下級裁判所裁判官指名諮問委員会において各重点審議者に係る指名の適否についての審議が終了すれば,当該諮問に係る審議対象者のうち何人が重点審議者に振り分けられたかという情報は,同委員会においても,また,その庶務を処理する最高裁判所事務総局総務局においても,その後の事務を遂行する上で必要なものではなくなるというのが合理的である。
以上を総合すると,諮問ごとの重点審議者の数という情報をその後の事務処理上保有する必要性は認められず,したがって,年度ごとの重点審議者の数を集計した文書を保有すべき事情も認められない。」そうです。

4 ①平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,持ち回り審議事件と審議室審議事件の事件数が分かる文書,及び②平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,調書決定(民事訴訟規則50条の2)で終結した事件数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第2号(平成28年4月14日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,持ち回り審議と期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数は,いずれも,最高裁判所における事件管理システムには入力項目がなく,統計報告の対象ともされていないのであって,他にこれらに係る事件数は把握していないから,本件各開示申出文書はいずれも作成し,又は保有していないとのことである。
そこで検討すると,最高裁判所事務総長から提出された資料を見分した結果によれば,事件管理システムの入力画面には,個々の事件が持ち回り審議又は期日審議のいずれの方法で行われたかについてや,調書決定で終結したか否かについての入力項目がないことが認められるから,事件管理システムから持ち回り審議の事件の数,期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数を把握することはできないと認められる。また,これらの事件の数は,いずれも統計報告の対象ともされていないことが認められ,他に,これらの事件の数を把握する方法があることはうかがわれない。」そうです。

5 ①司法修習生の兼業許可の具体的基準を定めた文書,及び②司法修習生の実務修習庁会を決定する基準が書いてある文書(平成28年度(最情)答申第3号(平成28年4月14日答申))
→ ①の文書につき,
「司法修習生は,その修習期間中,その修習に専念しなければならないこととされ(裁判所法67条2項),最高裁判所の許可を受けなければ,他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うこと,すなわち兼職や兼業をすることができないものとされ(規則2条),修習専念義務が課されている。また,最高裁判所は,司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは,その司法修習生を罷免することができる(同法68条)とされており,司法修習生には品位保持義務が課されている。
さらに,司法修習生は,修習にあたって知った秘密を漏らしてはならない(規則3条)とされ,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身につけ,裁判官,検察官又は弁護士にふさわしい品位と能力を備えるように努めなければならない(規則4条)とされているから,司法修習生は,その地位の性質上,当然に中立公正性を保持しなければならないということができる。
そうすると,司法修習生から兼業の許可の申請を受けた最高裁判所としては,司法修習の性質上,その兼業の内容等が,上記のような裁判所法又は規則に定められた修習専念義務,品位保持義務及び中立公正性に抵触しないか否かを判断する必要があるということができ,これらが一種の基準となっていると解することができる一方,それ以上の詳細な具体的な基準を作成することは,兼業許可の制度の運用を硬直化することになりかねないとも考えられる。
また,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,平成25年度の司法修習生及び平成26年度の司法修習生についての兼業許可については,上記の裁判所法又は規則上の義務等を考慮して個別に判断する方法で運用されているところ,その許否の判断は適切に行われていると認められる。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,司法修習生の実務修習庁会については,希望及び具体的事情を勘案して決定しており,基準を定めていないと説明するところ,司法修習生の実務修習庁会の決定事務が,基準を定めなければできない性質のものであるとは認められず,他にその基準が存在することをうかがわせる事情も見当たらない。苦情申出人が主張する司法修習生の人数や予算も,基準の存在を基礎づけるものとはいえない。」そうです。

6 ①平成27年度予算における,裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官2567人の内訳が分かる文書及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書(平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申))
→ ①の文書につき,
「裁判所職員については,本件対象文書である「平成26年度一般会計予算」の「裁判所職員予算定員及び俸給額表」に級別内訳が記載されているところ,これは,裁判所職員臨時措置法において準用する一般職の職員の給与に関する法律第8条により,予算の範囲内で,職務の級の定数を設定し,又は改定することができ,その定数の範囲内で,職務の級を決定することとされていて,これに基づき級別定数が定められていることによるものと解される。

(続きを読む...)最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書