東京地裁民事第27部(交通部)

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目次
1 法曹時報の記載
2 民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因
3 関連記事その他

1 法曹時報の記載
・ 法曹時報69巻7号(平成29年7月1日発行)73頁及び74頁によれば,東京地裁27民の状況は以下のとおりです(ナンバリングを追加した上での引用です。)。
① 東京地裁27民(交通部)は,平成28年4月以降,裁判官11名ないし12名(平成29年4月1日現在,未特例判事補1名を含む12名),書記官16名(うち主任書記官3名),速記官2名及び事務官3名の総勢32名ないし33名が所属し,合議5係,単独11係を構成して,事件処理に当たっています。
②   東京地裁27民の平成28年度の新受件数は,全体で2091件,うち地方裁判所を第一審とする事件(ワ号事件)は1956件,簡易裁判所を第一審とする控訴事件(レ号事件)は135件でした。
③   東京地裁27民が発足した昭和37年度の新受件数は428件であり,発足後間もないころには,交通事故の増加に比べて訴訟件数が少ないことが課題とされた時期もあったようでしたが,その後,新受件数は次第に増加し,ピークになった昭和45年度には2184件に達しました。
   昭和58年度には457件にまで減少しましたが,平成12年度には再び1000件を超え,以後ほぼ増加の一途をたどり,平成28年度にはついに2000件を超えるに至りました。
   平成20年度(全体で1369件,ワ号事件1313件,レ号事件56件)と比較すると,全体で約52.7%,ワ号事件については約49.0%,レ号事件については約141.1%もの増加(レ号事件は約2.4倍)となっています。

2 民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因
・ 法曹時報69巻7号(平成29年7月1日発行)74頁によれば,交通事故の発生件数自体は平成16年以降減少が続いており,民事訴訟の新受件数も全体としては減少傾向(過払金等事件を除くと横ばい傾向)にある中で,このように民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因として,以下の事情が指摘されています。
① 社会経済情勢の変化により,損害保険会社の保険金の支払の査定が厳しくなる一方,当事者の権利意識が高揚している。
② 高次脳機能障害により高額の将来介護費を請求する事案など,示談では容易に解決し得ない問題を含む事案が増加している。
③ 自動車保険における弁護士費用補償特約により,訴訟経済的には見合わないように思われる事件を含め,少額の訴訟の提起及び控訴も増加している。

3 関連記事その他
(1) 東京地裁HPの「民事第27部(交通部)」に,交通事故事件の訴状,事案の概要及び損害額一覧表の書式が載っています。
(2)ア 東弁リブラ2013年8月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編」が載っています。
イ 交通関係訴訟の実務(著者は東京地裁27民(交通部)の裁判官等)1頁ないし20頁に「被害者側弁護士の弁護活動」が載っていて,56頁ないし69頁に「東京地方裁判所民事第27部における交通関係訴訟の審理」が載っています。
(3) 東北大学法科大学院HPの「民事訴訟における専門部・集中部について」には以下の記載があります。
    下級裁判所においては,部が複数あるとき,係属した事件をどの部で取り扱うかは各裁判所の裁判官会議において予め定められた事務分配規程の定めるところによるが,規模の大きな裁判所では,専門性の強い事件について特定部を取扱部と定めて,一つ又は複数の部に集約して取り扱うこととされていることが多い。例えば東京地裁では,行政・労働・知財・医療・建築・交通・商事の七つの専門訴訟について,専門的に取り扱う部を設け,これらの事件はそれ以外の部では取り扱われない。
    もっとも,このようにして特定の部で取り扱う専門訴訟事件は,各庁ごとにその取扱範囲が定義されており,同じように「行政部」「労働部」「建築部」という表現がされていても,その取り扱う範囲は各裁判所によって微妙に異なっている。東京地裁の場合,行政事件であっても,公務災害不認定処分の取消しなど労働に関する行政事件は労働部に,知的財産権に関する行政処分に関する行政事件は知財部が取り扱うものとされ,「行政部」(2 部・3 部・38 部・51 部)では取り扱われない。
    当該部が専ら特定の種類の事件のみを取り扱い,通常事件の配てんを受けないときには,その部を「専門部」と呼び,通常事件も併せて取り扱うときには,その部を「集中部」と呼んでいる。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 弁護士費用特約

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