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司法試験・司法修習

司法試験の過去問・参考答案一覧―平成29年~令和8年の年度別・科目別ガイド(AI作成)

目次

第1 過去問と答案を探すときの入口1 公式資料とブログの答案を区別する2 年度と科目から2段階で探す第2 主要7科目の年度別一覧第3 選択科目8科目の年度別一覧第4 参考答案を使った復習方法1 読む前に自分の答案又は構成を書き残す2 設問への応答,理由付け,当てはめを分けて点検する3 5段階の重みを得点に換算しない4 不足した一段落を書き直す5 旧司法試験の過去問は基礎を補うために選ぶ6 周回数よりも現行問題での改善を確かめる第5 公式問題・短答式正解・出題趣旨・採点実感の探し方1 法務省の資料を年度別に探す2 制度と合格判定を確認する第6 出典及び確認範囲
第1 過去問と答案を探すときの入口

司法試験の過去問を復習するときは,まず公式の問題文を取り出し,自分で答案を書いた後に,出題の趣旨・採点実感と参考答案を照合する。

このページは,山中弁護士ブログで公開している主要7科目の平成29年~令和8年と,選択科目8科目の令和元年~令和8年について,年度別の一覧記事への入口をまとめたものである。

短答式の問題と正解,それ以前の年度及び予備試験の公式資料は,第5の資料案内から探すことができる。

試験制度から調べたい場合は,司法試験とは―受験資格・受験期間・試験科目・合格判定・合格後の流れを先に参照されたい。

1 公式資料とブログの答案を区別する

法務省が公表する問題,出題の趣旨及び採点実感と,このブログが独自に作成した答案・評価項目は別の資料である。ブログの「模範解答」という題名も,法務省の公式答案又は唯一の正解という意味ではない。
令和8年の一覧は参考答案と予想される評価項目を扱う。各記事の出典欄で,公式資料を読んだ範囲,問題文・法令・判例から予想した範囲及び確認時点を確かめてから使う必要がある。

2 年度と科目から2段階で探す

第2又は第3で年度を選び,リンク先の科目一覧から個別記事へ進む。個別記事では問題の概要,評価項目,答案,解説及び出典を確認できる。
一覧に掲載していない年度・科目について,記事がないことや未作成であることを一律に示すものではない。ここでは,下表の公開一覧を案内する。

令和8年度については,科目別の参考答案に加え,主要7科目の出題の趣旨の予想PDF・ファイル情報を掲載している。
参考答案は答案の組立てを確認する資料であり,出題の趣旨の予想は設問の狙いを整理する資料である。
年度別の公式資料と混同しないよう,予想の作成時点とファイル情報を確認した上で利用されたい。

第2 主要7科目の年度別一覧

主要7科目は,憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法である。年度別一覧から,必要な科目の答案と解説へ進むことができる。

年度ブログ内の案内一覧の位置付け令和8年主要7科目の一覧参考答案・予想評価項目令和7年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和6年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和5年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和4年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和3年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和2年主要7科目の一覧模範解答・評価項目令和元年主要7科目の一覧模範解答・評価項目平成30年主要7科目の一覧模範解答・評価項目
平成29年主要7科目の一覧模範解答・評価項目

平成29年司法試験民事系第3問(民事訴訟法)の模範解答と評価項目

公法系第1問は憲法,第2問は行政法,民事系第1問は民法,第2問は商法,第3問は民事訴訟法,刑事系第1問は刑法,第2問は刑事訴訟法に対応する。
過去問を年度順に解く場合も,苦手な科目を複数年度で比べる場合も,個別記事の冒頭で対象年度と問題番号を確認する。

第3 選択科目8科目の年度別一覧

各年度の一覧は,倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系)をまとめている。

国際関係法(公法系・国際公法)を年度別・論点別に探す場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。国際私法との違いや法源から確認する場合は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項に進める。

年度ブログ内の案内一覧の位置付け令和8年選択科目8科目の一覧参考答案・予想評価項目令和7年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和6年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和5年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和4年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和3年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和2年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目令和元年選択科目8科目の一覧模範解答・評価項目

主要7科目の一覧には選択科目の答案は含まれないため,選択科目はこの表から探す。選択科目の学習に使うときは,各科目の第1問・第2問と設問ごとの指定を確認する。
評価項目数や重みの合計は,科目選択の有利不利又は学習時間を示す数値ではない。

第4 参考答案を使った復習方法
1 読む前に自分の答案又は構成を書き残す

(続きを読む...)司法試験の過去問・参考答案一覧―平成29年~令和8年の年度別・科目別ガイド(AI作成)

司法研修所の寮ガイド―いずみ寮・ひかり寮の部屋,寮費,持ち物と生活(AI作成)

目次

第1 司法研修所の寮を利用する前に確認すること1 司法修習生の寮はどこにあるか2 入寮希望者全員が必ず入れるとは限らない第2 部屋と備品―持参する物を決めるための確認表1 いずみ寮とひかり寮の建物2 部屋にある物と,自分で用意する物第3 寮費と申込み―金額だけでなく対象期間を確認する1 寮費は期・修習の段階・対象期間と一緒に読む2 第80期の採用選考日程と入寮申込期限は別第4 寮での生活―食事・洗濯・通信・持込みの制限1 食事と洗濯2 インターネットは無料Wi-Fiと決めつけない3 上履き・門限・電気製品第5 入寮当日と荷物―許可通知書で配達日・宛名・入口を確認する1 発送前の確認2 いずみ寮・ひかり寮へ行くときのバス停と入口第6 寮と給付金―住居費と引越し費用を分けて考える第7 よくある確認事項1 入寮は義務か2 寮費だけで食費や通信費も賄えるか3 持ち物リストはどの資料を見ればよいか4 寮に入る日はどのバス停で降りるか5 退寮するときに何を片付けるか第8 参照資料と関連記事

司法研修所のいずみ寮・ひかり寮で暮らす準備は,部屋の備品を確認し,自分で用意する物を決め,入寮許可通知書に従って寮費の支払いと荷物の発送を進める順序で考えると分かりやすい。

本記事は,主に第78期集合修習に関する令和7年9月8日付の入寮許可通知書と別紙に基づき,寮の部屋,設備,持ち物,食事,洗濯,通信を整理する。これは当時の案内であり,第79期・第80期の寮費,申込期限,部屋の割当て,設備や生活上の条件が同じであることを示すものではない。入寮する期の案内と,自分宛ての許可通知書を優先して確認する。

第1 司法研修所の寮を利用する前に確認すること
1 司法修習生の寮はどこにあるか

司法研修所の寮は,埼玉県和光市南二丁目3番8号にあるいずみ寮A棟・B棟及びひかり寮である。
令和7年9月8日付の寮務係資料は,これらの寮の所在地を同じ住所で示している。
さいたまの実務修習先がある浦和の住居と,和光市の寮を分けて考える必要がある。

導入修習の入寮申込みと,集合修習の入寮・退寮手続は区別する。
いずれも実務修習地での賃貸住宅探しとは確認する資料が異なり,所在地が分かることと,入寮が許可されることは別である。
入寮日の入口・降車停留所は第5の2,希望者の扱いは後記2で確認する。

導入修習の手続は導入修習の入寮申込み,集合修習の期別資料は集合修習の入寮・退寮手続を参照する。賃貸・実家との比較は司法修習の住まい選びにまとめている。

本記事が中心に扱うのは,司法修習生が利用する司法研修所のいずみ寮・ひかり寮である。
司法研修所と裁判所職員総合研修所(総研)は別の研修機関であり,本記事の寮費や設備を,総研の職員研修中の宿泊条件として扱うことはできない。

もっとも,第77期の司法修習生に総研寮を割り当てた通知書や,第78期入寮者向けの総研の注意事項もある。
機関の違いと,実際に割り当てられた宿泊施設は分けて確認する必要がある。
総研寮を利用する期別資料は導入修習の入寮申込み,両機関の違いは総研の位置付けと寮資料の説明を参照されたい。

2 入寮希望者全員が必ず入れるとは限らない

第78期の令和7年7月10日付入寮申込み案内は,入寮希望の有無を全員に回答するよう求め,定員を上回った場合には通所圏外からの希望者を優先し,通所圏内でも所要時間の長い者から順に許可し,抽選となる場合があるとしている。希望を出した段階と,入寮が許可された段階を区別する必要がある。

同じ第78期でも,7月10日付の案内はひかり寮を男女いずれの利用もあり得る施設としていた一方,9月8日付の別紙は女性用としている。寮棟の用途や割当てを,古い体験談や別の期の案内だけで判断しないことが大切である。

第2 部屋と備品―持参する物を決めるための確認表
1 いずみ寮とひかり寮の建物

第78期の令和7年9月8日付案内では,いずみ寮はA棟・B棟とも7階建てで,A棟が男性用,B棟が女性用,ひかり寮は3階建ての女性用とされている。いずれもエレベーターがある。これは当該案内時点の区分であり,入寮者が自由に寮棟を選べるという意味ではない。

2 部屋にある物と,自分で用意する物

同案内は,居室を1人部屋で約18平方メートル(ベランダを含む。)とし,次の設備・備品を挙げている。

項目案内に記載された設備・備品準備のポイント勉強・収納机,椅子,本棚,電気スタンド,クローゼット・押入れ学習道具や衣類を持参する。収納用品は部屋の寸法を確認してから選ぶ。空調・冷蔵エアコン,縦横約50センチの小型冷蔵庫大型家電を当然に必要と考えず,設置済みの設備を確認する。浴室・トイレトイレ付きユニットバス。温水洗浄便座はない。トイレットペーパー,シャンプー,リンスは備え付けではないとされる。タオル等の日用品も用意する。寝具ベッド,マットレス,枕,掛け布団,ベッドパット案内にはリネン類の週1回の交換も記載されている。自分で用意する寝具の範囲は当該期の案内で確認する。電話・通信内線電話,無線LANルーターインターネット接続は個別契約・有料とされる。ルーターの設置と無料通信の提供は別である。テレビ備え付けのテレビはない。必要性と搬入条件を検討する。

トイレットペーパー等の「備え付けではない物」は資料に明記されている。これに対し,ハンガー,延長コード,掃除用品等を準備するかは,生活の仕方,最新の設備案内,持込みの制限を確認して判断する。資料に記載がない物を「必須の指定持参物」とは扱わない。

第3 寮費と申込み―金額だけでなく対象期間を確認する
1 寮費は期・修習の段階・対象期間と一緒に読む

第78期の令和7年9月8日付入寮許可通知書には,寮費30,600円と,9月30日を振込期限とする記載がある。

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司法修習生の履歴書・志望動機・面接準備―社会人経験と修習経験の伝え方(AI作成)

目次

第1 応募書類は募集要項から逆算して準備する1 本記事の対象と資料の読み方2 履歴書や職務経歴書は必ず必要か3 提出物を一つの確認表にする第2 履歴書と職務経歴書に書く事実を整理する1 学歴・職歴・資格の年月をそろえる2 社会人経験は担当・行動・結果を分ける3 新卒型の応募者は実際の活動から説明する第3 志望動機は応募先の業務と自分の経験を結び付ける1 なぜ弁護士か,なぜその事務所かを分ける2 架空の例で具体化の方法を確認する3 理由を聞かれたときの説明を準備する第4 修習経験は秘密を出さずに学びを説明する1 事件の内容と自分の学習過程を分ける2 生成AIへの入力と提出前の確認第5 面接は提出書類の説明と条件確認を準備する1 面接ではどのような説明を準備するか2 応募者から確認する事項を用意する3 修習との重複,連絡及び面接方法を確認する第6 提出前の確認順序第7 出典・参考資料
第1 応募書類は募集要項から逆算して準備する
1 本記事の対象と資料の読み方

本記事は,司法修習生又は司法修習予定者が法律事務所への応募書類を作成し,面接に備える際の確認順序を説明するものである。
最高裁判所への司法修習生採用選考の申込みとは別の手続であり,企業,法テラス,判事補又は検事の選考に同じ書式をそのまま使うことを勧めるものではない。

公開資料の確認日は令和8年10月10日である。
以下では,個別事務所の公表した応募条件と,書類を整理するための本記事の提案を区別する。例文は架空のものであり,実際の応募者の経歴,特定の事務所の採点基準又は採用を保証する文章ではない。

就職活動を始める時期,修習時間中の面接及び進路別の条件確認は,司法修習中の就職活動を参照されたい。
制度全体は,司法修習生とはで説明している。

2 履歴書や職務経歴書は必ず必要か

RITA総合法律事務所の採用情報は,司法修習生の応募について,写真付きの様式自由の履歴書,司法試験成績通知書の写し,予備試験合格者の予備試験成績通知書の写し,自己PR・志望動機等を掲げている。
他方,同ページの職務経歴書の指定は,アソシエイト・中途採用等の別区分にある。社会人経験がある司法修習生にも必ず職務経歴書の提出が求められる,という一般的な条件を示すものではない。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所の司法修習生予定者向け案内は,令和8年に司法試験を受験した者の個別事務所訪問について,応募フォームと,顔写真,大学専門学部・法科大学院の成績証明書,該当者の予備試験成績通知書等を指定している。
応募時点で成績証明書等を提出することが難しい場合の扱いも示している。これは当該訪問募集の条件であり,他の事務所にも同じ扱いがあるとは限らない。

履歴書,職務経歴書,エントリーシート及び成績資料が必要かどうかは,応募先と募集区分によって異なる。
社会人経験があることだけで職務経歴書が必須になるとは限らず,提出する書類と書式は募集要項の指定を先に確認する。

指定書式,記入欄又は字数があるときはその指定を優先し,別紙を追加する前に,添付が認められるかを確認するとよい。

3 提出物を一つの確認表にする
確認項目応募前に記録する内容対象者司法試験年度,修習期,修習予定者か修習中の者か書式専用フォーム,履歴書の様式,写真,字数,ファイル形式・容量成績資料等どの試験・学校の資料が必要か,原本か写しか,未取得の場合の扱い提出経路・期限フォーム,メール,郵送の別,必着・消印有効,追加提出の期限受領と連絡送信完了表示,受領メール,面接連絡の方法,問い合わせ先

募集ページは変更されることがあるため,確認日とURLを記録し,応募時点の募集要項を保存する方法が有用である。
写真や成績資料を含む添付ファイルは,宛先と募集主体を照合してから送信する。提出物の不足に気付いた場合は,独自に期限を延ばしたことにせず,公表された問い合わせ方法で確認する必要がある。

第2 履歴書と職務経歴書に書く事実を整理する
1 学歴・職歴・資格の年月をそろえる

履歴書では,所属,入学・卒業・修了・退職の年月及び資格の取得・登録状況を,確認できる資料と対応させる。
入学と編入,卒業と修了,資格取得と登録,司法試験合格と司法修習生採用は別の出来事であるため,実際の状態に合う言葉を用いる必要がある。

採用前は「司法修習予定」,修習中は実際の修習状況を記載し,まだ得ていない合格,登録又は資格を取得済みのものとして記載しない。
年月の表記は応募書式に合わせて統一し,履歴書,フォーム,志望動機及び面接で説明する経歴の間に食い違いがないかを確認するとよい。

2 社会人経験は担当・行動・結果を分ける

社会人経験を示す際は,会社名や役職だけで終えず,自分の担当範囲,直面した課題,取った行動及び確認できる結果を分けて整理する方法が考えられる。

(続きを読む...)司法修習生の履歴書・志望動機・面接準備―社会人経験と修習経験の伝え方(AI作成)

令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

目次

第1 この記事の対象第2 16記事の一覧第3 科目別の概要と重み5の事項1 倒産法2 租税法3 経済法4 知的財産法5 労働法6 環境法7 国際関係法(公法系・国際公法)8 国際関係法(私法系)第4 16記事に共通する作り方1 評価項目の抜き出し方2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目について,第1問・第2問を別々に扱う16記事を一覧にする。
対象は倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系)である。
主要7科目及び短答式試験は対象に含めない。

令和8年10月10日時点の公開子記事の評価表に基づく総項目数は661項目,重み5は119項目である。
評価項目と重みは各記事の独自分析であり,法務省の公式採点基準・項目別配点ではない。
まず一覧から問題を選び,概要・設問の指定・重み5の事項を確認した上で,子記事の評価表,答案及び解説を読む構成である。

第2 16記事の一覧
科目・問題主な論点評価項目重み5倒産法第1問役員責任の保全・査定,破産者の情報収集,相当価格・廉価処分の否認40項目6項目倒産法第2問再生計画案の決議,届出・自認債権の扱い,継続的売買契約の解除38項目8項目租税法第1問譲渡所得,解除後の更正の請求,違約金の一時所得,貸倒損失56項目11項目租税法第2問学資金と源泉徴収,誤徴収の回収,減価償却,会員権の取得費・損益通算60項目13項目経済法第1問メーカー・卸業者の相互拘束,非当事者,離脱・終期,課徴金34項目8項目経済法第2問参入妨害,地域市場,不公正な取引方法,排除型私的独占40項目6項目知的財産法第1問技術的範囲と出願経過,無効の抗弁,新規性喪失の例外,数量制限41項目8項目知的財産法第2問建築の著作物,絵はがきの自由利用,絵画の写り込み,同一性保持権40項目6項目労働法第1問管理監督者,賞与の支給日在籍要件,退職金の不支給・一部減額32項目6項目労働法第2問団交拒否・不誠実団交,チェック・オフ,ユニオン・ショップ,救済命令40項目4項目環境法第1問地域脱炭素化促進事業の特例,情報的・経済的手法,公害調停31項目4項目環境法第2問廃棄物分類と許可,既存業者の原告適格,欠格要件,通知・措置命令42項目8項目国際関係法(公法系)第1問尚早の国家承認,自決原則,安保理の棄権,拒否権後の救済経路38項目7項目国際関係法(公法系)第2問公海衝突の刑事管轄,慣習国際法,不干渉・武力の威嚇,国家責任35項目6項目国際関係法(私法系)第1問営業所の業務関連性,契約準拠法,外国の期間制限,仲裁合意51項目8項目国際関係法(私法系)第2問養子縁組の分配的適用・反致,保護要件と公序,録画遺言,遺留分43項目10項目

評価項目の細かさは問題ごとに異なる。
項目数の大小から科目の難易度,公式配点又は合格可能性を推計するものではない。

第3 科目別の概要と重み5の事項

以下の番号は,子記事の現在の公開評価表の通し番号であり,子記事ごとに1から始まる。 項目本文の適用条件と注意を併せて読む。注意は重要度や減点点数を示す区分ではない。 根拠の頁・箇所は各子記事の評価表で確認できる。

1 倒産法
(1) 第1問

子供服店を営むA社と役員Bの破産を素材に,Dによる役員責任の保全・査定,Bの資産情報の収集及び事業譲渡の否認を検討する。
相当価格の譲渡は161条,廉価譲渡は160条1項1号を主ルートとする。

問題文の指定に従い,法令の基準時は令和6年1月1日である。
子記事の答案は両譲渡の否認を肯定するが,相当価格の譲渡についての結論を公式の唯一指定結論とは扱わない。

重み5は6項目であり,現在の公開表では次の事項である。

番号20:4000万円の価値に同額の金銭対価を得た処分として161条1項を選択する。
番号25:期限到来済みの本旨弁済をする意思は原則として隠匿等処分意思と同視できないことを検討する。
番号30:廉価譲渡として160条1項1号の要件を主位的に検討する。
番号33:H以外の債権者の引当財産が減少するため,債務引受けによって詐害性が否定されないと説明する。
番号39:161条の構成を採るなら,対価が共同担保へ流入せず他の債権者の責任財産が減少する点を丁寧に処理する。(【適用条件】②を161条の問題として構成する場合。160条による主たる構成に39・40を一律に追加しない。
番号40:162条の構成を検討するなら,譲渡当時に支払不能・支払停止を認める事実がないことを処理する。(【適用条件】②を162条の問題として検討する場合。本件譲渡当時に支払不能・支払停止を示す事実がない点を処理する。

(続きを読む...)令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和6年司法試験環境法第2問の模範解答・評価項目―42項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問12 設問2⑴3 設問2⑵4 設問35 設問4⑴6 設問4⑵7 答案全体8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験・環境法第2問の模範解答と評価項目を,公式資料と当時の法令・判例に基づいて整理する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 環境法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目42項目(重み5:8項目)重みの合計162(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2376字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和6年司法試験の環境法第2問について,法務省の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した42評価項目と,2500字以内の模範解答を示す。重み5は8項目,重みの合計は162である。法務省の公式採点基準・配点・予測得点ではない。

本問の中心は,廃棄物の分類と許可の範囲,一般廃棄物処理業の計画許可・既存業者の原告適格,実質役員の欠格要件,適正処理困難通知から管理票交付者の措置義務及び行政命令への接続である。原告適格は判例に沿って肯定する構成を採る。許容される別構成や補強の省略も評価表に含めるため,全42行を全答案への累積要求とするものではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

各行は一つの判定対象に分け,適用条件・注意・許容分岐を重みと別に表示する。注意は避けるべき記述,許容分岐は条件に応じた評価上の取扱いである。判例名の省略や任意の補強の省略を,それだけで欠落と評価しない。頁はPDFの物理頁を示す。「記載なし」は対象範囲を実読した結果であり,未読を意味しない。公式の語句を必要最小限掲げ,基準への言い換えと重み付けは本記事の分析である。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。全件を「高く評価」と読み替えない。今回は該当0件であり,段階ごとの件数を割り当てていない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

本問の重み4は,評価又は具体的な誤りの指摘を通じて取り上げられた事項を含む。全件を「高く評価された」と読み替えず,各項目の根拠欄に従っている。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

甲社はカマボコ工場の製造残渣及び社員食堂の調理くず・残飯の処理をC社へ委託しようとしている。C社の既存許可は金属くずと廃プラスチック類の2品目に限られる。社員食堂の収集運搬の許可を新たに得たC社に対し,同じB市で同種の許可を有する乙社は取消訴訟を検討する。C社に実質的影響力を持つGは私的傷害で逮捕・勾留中である。さらにC社の施設が故障し,搬入を続けた結果,保管上限を超え,道路へ廃プラスチック類が崩落する。

設問1は委託違法の理由,設問2は許可制度の比較と原告適格,設問3は現在の欠格要件への非該当理由,設問4はC社・甲社の対応と甲社への行政措置を問う。廃掃法上の権限は全てB市長にあるとの問題文の前提に従う。原告適格の設問では本案の許可違法や国家賠償まで論じない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1甲社の委託C社の既存許可は金属くず・廃プラスチック類。各廃棄物の分類と委託が違法となる理由を示す。設問2⑴許可制度の比較廃掃法上の権限は全てB市長。許可の性質・範囲と制度を比較する。設問2⑵乙社の原告適格本案の許可違法や国家賠償は論じない。許可制度の利益保護から原告適格を論じる。設問3Gと欠格要件私的傷害により逮捕・勾留中。実質役員と現在の非該当理由を説明する。設問4⑴C社・甲社の対応施設故障・保管上限到達・継続搬入。通知,管理票と具体的対応を示す。設問4⑵甲社への行政措置道路への崩落という支障。措置の要件と処理責任を具体的に論じる。
第4 評価項目と重み
1 設問1

本記事で重み5とした評価項目は,元番号1・2・13・20・22・26・31・35の8項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1製造残渣を,製造原料に係る固形状不要物として産業廃棄物に分類する。
【適用条件】全答案5物理34頁・環境法 第2問 設問1
「魚の残渣や野菜くずが産業廃棄物に該当」物理34頁・環境法 第2問/⑴ 設問1
「魚の残渣や野菜くずが産業廃棄物に該当」

(続きを読む...)令和6年司法試験環境法第2問の模範解答・評価項目―42項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年司法試験倒産法第2問の模範解答・評価項目―38項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴2 設問1⑵3 設問1⑶4 設問1⑷5 設問2⑴6 設問2⑵7 答案全体8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験・倒産法第2問について,法務省公式資料から独自に整理した38の評価項目と5段階の重み付け,約2100字の模範解答を示す。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 倒産法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目38項目(重み5:8項目)重みの合計146(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2076字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験の出題の趣旨に対応する倒産法第2問である。再生計画案の決議と再生債権の確定,継続的売買契約の法定解除を扱う。Bの議決権額は510万円,Cは2億8000万円である。自認された799人にも議決権はなく,Dには権利変更後の弁済時期の劣後がある。違約金条項については,本件の法定解除に適用されないとの構成を採る。

公式資料から独自に抽出した評価単位は38項目であり,重み5は8項目である。重み5の番号は1・8・16・21・22・28・29・36である。法務省の公式採点基準又は項目別配点ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象に分けた。出題の趣旨から設問構造と条文連鎖を,採点実感から評価の深度と誤りの回避を抽出した。各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。注意は誤った記載を避けるための項目であり,その誤りの文言を書くことを要求するものではない。番号32は不適用説を採る場合の分岐であり,全ての答案へ同じ結論を強制するものではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

根拠欄はPDFの物理頁と該当小問を示す。「記載なし」は本問関連範囲を実読した結果,その具体的指摘がないことを意味する。制度趣旨などの一般記載からの推論は「間接」と区別する。条文の手続期間など,公式に個別評価として示されていない補足は評価項目の数へ追加していない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5=採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格。
重み4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
重み3=一方が明示する中核の理由付け。
重み2=一方が軽い表現で触れる補強又は典型的な誤り。
重み1=一方が控えめに触れる事項。

本問の重み4は「両資料で取り上げた」という基準であり,全てを「高く評価された」と表示するものではない。重み5でも,許容分岐や条件付きの検討を全答案の必須事項に変更しない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

A社は令和5年2月1日に再生手続開始を申し立て,同月10日に開始決定を受けた。レストラン事業から撤退し,ワイン事業に集中する方針である。設問1では,可決要件,Bの開始前後の遅延損害金,Cのユーロ建て債権,前払代金を返還されない顧客の債権が問題となる。

顧客1000人のうち200人は届け出たが,800人は届け出ていない。A社が認否書に記載したのは799人であり,Dだけ転記漏れがある。設問2は独立した事例であり,Eとの野菜の継続的売買契約に,1年前の解除予告と不足期間に応じた違約金(即時解除では1200万円)が定められていた。監督委員の同意を得たA社の即時解除後,Eは違約金を届け出たが,A社が否認した。Eには損害が生じない見込みという仮定を維持し,公序良俗違反は検討しない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1⑴再生計画の可決人数と議決権額を区別。双方の可決要件を示す。設問1⑵Bの遅延損害金開始前後の損害金を区別。議決権額の扱いを示す。設問1⑶Cのユーロ建て債権法定の換算基準時を用いる。議決権額を計算する根拠を示す。設問1⑷未届顧客の権利自認記載済み799人と転記漏れDを区別。議決権と認可後の権利変更・失権を示す。設問2⑴否認されたEの届出設問1と独立した事例。否認解消の査定等の手続を示す。設問2⑵即時解除の違約金Eに損害が生じない見込み。公序良俗違反は除く。再生法上の解除選択権と条項適用を具体的に論じる。
第4 評価項目と重み1 設問1⑴

本記事で重み5とした評価項目は,元番号1・8・16・21・22・28・32・36の8項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1人数要件と議決権額要件の双方を満たす必要があると説明する。
/両者由来524頁・設問1⑴
「双方が必要とされていること」3頁・設問1⑴
「各要件が「いずれも」必要」2頭数の分母を集会出席者又は書面等投票者に限定する。
/両者由来424頁・設問1⑴
「条文に則して正確に可決要件の内容を説明」3頁・設問1⑴
「母数が債権者集会に出席し又は書面等投票をしたものに限る」3頭数要件を当該分母の過半数の同意と説明する。
/両者由来424頁・設問1⑴
「条文に則して正確に可決要件の内容を説明」3頁・設問1⑴
「条文に即した丁寧な説明」4大口債権者だけで決めず小口債権者の意思を反映する頭数要件の趣旨を説明する。
/両者由来424頁・設問1⑴
「頭数要件についてはその趣旨を踏まえつつ」3頁・設問1⑴
「頭数要件の趣旨を説明」5金額要件を全議決権者の議決権総額の2分の1以上の同意と説明する。
/両者由来424頁・設問1⑴
「議決権額要件と頭数要件」3頁・設問1⑴
「条文の知識を問う」2 設問1⑵番号評価項目重み出題の趣旨採点実感6開始前の元本・損害金の議決権を87条1項4号の債権額として扱う。
/両者由来424頁・設問1⑵
「第87条第1項第4号」3頁・設問1⑵
「第87条第1項第4号」7開始後損害金も84条2項2号の再生債権であると分類する。
/両者由来424頁・設問1⑵
「第84条第2項第2号」3頁・設問1⑵
「第84条第2項第2号」8開始後損害金の議決権を87条2項により排除する。
/両者由来524頁・設問1⑵
「議決権を有しない旨」3頁・設問1⑵
「議決権を有しないこと」9Bの議決権額を開始前元本500万円+損害金10万円=510万円と算定する。
/両者由来424頁・設問1⑵
「それぞれの事例に正確に適用」3頁・設問1⑵
「具体的な議決権額を検討」3 設問1⑶番号評価項目重み出題の趣旨採点実感10外貨建て金銭債権へ87条1項3号ニを適用する。
/両者由来424頁・設問1⑶
「第3号」3頁・設問1⑶
「第3号ニ」11議決権の換算基準を再生手続開始時とする。
/両者由来424頁・設問1⑶
「それぞれの事例に正確に適用」3頁・設問1⑶
「評価基準時という問題を設定」
原典照合補足:換算基準時は条文に従う。採点実感PDF実頁3頁末~4頁冒頭の基準時への言及は、明文があるのに独立の解釈問題を設定した答案への批判であり、基準時を自由に選べるとの説明ではない。12Cの議決権額を200万ユーロ×140円=2億8000万円と算定する。
/両者由来424頁・設問1⑶
「それぞれの事例に正確に適用」3頁・設問1⑶
「具体的な議決権額を検討」13明文がある換算基準時を円安の利益衡量で自由に変更しない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)3頁・設問1⑶
「明文の規定があるにもかかわらず」4 設問1⑷番号評価項目重み出題の趣旨採点実感14自認記載済み799人と記載漏れDの権利変更を分けて説明する。
/両者由来424頁・設問1⑷
「顧客Dの債権に分けた上で」4頁・設問1⑷
「799人とDとを対比」
原典照合補足:採点実感PDF実頁4頁の799人とDの投票可否の対比は誤答例。権利変更の根拠は同頁の157条・179条・181条の説明及び出題趣旨24頁による。15知っている未届出債権を101条3項に基づき自認記載する義務を説明する。
/両者由来424頁・設問1⑷
「自認義務があったにもかかわらず」4頁・設問1⑷
「第101条第3項」16自認された799人にも議決権がないことを説明する。
/両者由来524頁・設問1⑷
「議決権を有しないこと」4頁・設問1⑷
「自認債権に議決権がないこと」17799人は投票可・Dだけ不可という区別をしない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)4頁・設問1⑷
「799人に議決権を認めてDに議決権を認めない」18157条1項により自認債権の変更対象と変更後内容を再生計画に定めると説明する。
/両者由来424頁・設問1⑷
「第157条第1項」4頁・設問1⑷
「第157条第1項」19799人の権利が認可確定により179条1項に従って変更されると説明する。
/両者由来424頁・設問1⑷
「第179条第1項」4頁・設問1⑷
「第179条」20799人は債権が確定した場合に変更後の権利を行使できると説明する。
/両者由来424頁・設問1⑷
「権利変更がされた権利の行使」4頁・設問1⑷
「第179条」21Dの債権も181条1項3号により156条の一般的基準に従って変更されると説明する。
/両者由来524頁・設問1⑷
「第181条第1項第3号」4頁・設問1⑷
「第156条、第181条第1項第3号」22Dの変更後権利へ181条2項の弁済時期の劣後を適用する。
/両者由来524頁・設問1⑷
「権利行使の時期的劣後」4頁・設問1⑷
「弁済に関する時期的劣後」5 設問2⑴番号評価項目重み出題の趣旨採点実感23A社の否認に対してEが105条1項本文の再生債権査定を申し立てると説明する。
/両者由来424頁・設問2⑴
「第105条第1項本文」4頁・設問2⑴
「第105条第1項」24査定に不服があれば106条1項の異議の訴えを提起すると説明する。
/両者由来424頁・設問2⑴
「第106条第1項」4頁・設問2⑴
「第106条第1項」25債権確定訴訟の判決が111条1項により全再生債権者へ効力を持つと説明する。
/両者由来424頁・設問2⑴
「第111条第1項、第2項」4頁・設問2⑴
「第111条第1項、第2項」26異議訴訟の不提起又は却下の場合,査定裁判が111条2項により全再生債権者へ確定判決同様の効力を持つと説明する。
/両者由来424頁・設問2⑴
「第111条第1項、第2項」4頁・設問2⑴
「第111条第1項、第2項」27102条1項による他債権への調査異議をE自身の否認解消手続と取り違えない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)4頁・設問2⑴
「第102条第1項」6 設問2⑵番号評価項目重み出題の趣旨採点実感28本件を双方未履行双務契約の49条1項に基づく解除の問題と位置付ける。
/両者由来525頁・設問2⑵
「双方未履行双務契約」4頁・設問2⑵
「第49条第1項」2949条1項の特別な解除選択権を,円滑迅速な契約整理と事業維持再生の趣旨から説明する。
/両者由来425頁・設問2⑵
「契約関係を円滑・迅速に整理」4頁・設問2⑵
「同条項の趣旨」30本件の1年前予告・不足期間に比例する違約金という条項内容を具体的に評価する。
/両者由来425頁・設問2⑵
「本件違約金条項の内容」4頁・設問2⑵
「本件違約金条項の適否の検討」31Eに損害が生じない見込みという事実を条項適用判断で評価する。
/出題の趣旨由来425頁・設問2⑵
「Eには損害が生じない見込みである」記載なし(具体的記載。一般的弊害記述は間接)32不適用の構成を採る場合,条項が解除選択権を事実上制限することを説明する。
/両者由来。不適用説を採る場合の検討。【適用条件】違約金条項の不適用を導く構成の場合。適用を認める構成にも同じ結論を必須としないが、49条の趣旨・具体的条項・衡平の検討は必要。525頁・設問2⑵
「解除選択の権限を事実上制限」4頁・設問2⑵
「再生手続上の弊害」331条の目的・権利濫用という抽象論だけで条項適用を否定しない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)4頁・設問2⑵
「抽象的な説明をするだけ」34契約自由という抽象論だけで条項適用を肯定しない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)4頁・設問2⑵
「契約自由の原則を指摘するだけ」3549条5項・破産法54条1項の実損害賠償との均衡を踏まえ,他の再生債権者との衡平を検討する。
/出題の趣旨由来425頁・設問2⑵
「他の再生債権者との間の衡平を害する」記載なし(具体的記載。一般的弊害記述は間接)36条項が有効か・解除可能かだけで止めず,本件解除に違約金条項が適用されるかを結論づける。
/両者由来525頁・設問2⑵
「同条項の適用の有無」4頁・設問2⑵
「適用されるか否かを解答しないと」3749条の解除問題を落とし,開始前原因の債権かという検討だけに終始しない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)4頁・設問2⑵
「開始前の原因に基づいた請求権に該当するかを専ら検討」7 答案全体番号評価項目重み出題の趣旨採点実感38直接根拠の条・項・号を正確に示し,論点名の列挙で終わらない。
/採点実感由来2記載なし(関連範囲実読)1頁・答案全体
「条文番号の摘示が不十分、不正確」8 重みの分布

重み1は0項目,2は7項目,3は0項目,4は23項目,5は8項目である。総数N=0+7+0+23+8=38,重みの単純合計W=1×0+2×7+3×0+4×23+5×8=146である。件数や合計から公式得点,合格可能性又は難易度を推計しない。

番号1:人数要件と議決権額要件の双方を満たす必要があると説明する。
二つの多数要件の累積は,可決判断の入口そのものであり,一方だけでは小問に答えられないため,答案の骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号8:開始後損害金の議決権を87条2項により排除する。
再生債権該当性と議決権の有無を分けることが,開始後損害金を含める誤答と正しい議決権額を分けるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号16:自認された799人にも議決権がないことを説明する。
自認による債権の把握と手続参加の届出を区別しなければ,799人の議決権という直接の問いに答えられないため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号21:Dの債権も181条1項3号により156条の一般的基準に従って変更されると説明する。
認否書から漏れたDの債権へ181条の別ルートを適用することが,799人との法的扱いの区別を決めるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号22:Dの変更後権利へ181条2項の弁済時期の劣後を適用する。
Dの権利変更だけでなく弁済時期の劣後まで閉じることが,認可確定後の取扱いという問いへの直接の効果であるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号28:本件を双方未履行双務契約の49条1項に基づく解除の問題と位置付ける。
約定解除や一般的な倒産解除条項の有効性に移る前に,49条の双方未履行双務契約を主ルートへ置くことが設問全体の法的構造を決めるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号29:49条1項の特別な解除選択権を,円滑迅速な契約整理と事業維持再生の趣旨から説明する。
条項適用の結論を理由付けるには,通常の解除と異なる特別な選択権の趣旨が不可欠であり,採点実感も十分な趣旨理解からの論述を求めるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

番号36:条項が有効か・解除可能かだけで止めず,本件解除に違約金条項が適用されるかを結論づける。
条項の一般的有効性や解除の可否だけでは違約金請求への回答が閉じず,本件解除への適用の判断が設問の終点となるため,骨格とした。 適用対象は本問の対応する小問であり,違約金条項について特定の結論だけを全答案へ強制するものではない。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

法令は問題文の指定に従い,令和6年1月1日現在の施行法を基準とする。試験日は令和6年7月10日である。答案は空白・改行を除いて2076字であり,1→(1)の階層で設問1・2を独立に処理する。違約金条項は本件の法定解除に適用しないとの見解を採り,Eの反論と他債権者との衡平を検討する。判例原文に基づく「判例同旨」等の表示は用いていない。

2 答案

1 設問1

(1) ⑴について

民事再生法(以下「法」という。)172条の3第1項により,可決には,①債権者集会に出席し又は書面等投票をした議決権者の過半数の同意と,②議決権者の議決権総額の2分の1以上を有する者の同意の双方が必要である。人数の分母は実際の参加者であるが,金額の分母は参加者だけでなく議決権者全体の議決権総額である。金額要件に加えて頭数要件を置くのは,大口債権者だけで計画を決定することを防ぎ,小口債権者の意思も反映させるためである。

(2) ⑵について

Bの売掛金500万円と開始前日までの遅延損害金10万円は,開始前の原因に基づく再生債権であり(法84条1項),法87条1項4号により合計510万円の議決権を有する。

開始後の遅延損害金も再生債権ではあるが(法84条2項2号),法87条2項により議決権を有しない。A社が届出内容を認め,他の届出再生債権者も異議を述べていないため,議決権額は510万円で確定する(法104条1項)。

(3) ⑶について

外国通貨で額を定めた債権の議決権は,開始時の評価額による(法87条1項3号ニ)。Cは200万ユーロ×140円=2億8000万円の議決権を有し,異議がないのでこの額が確定する(法104条1項)。その後の円安で議決権額は増加しない。これは議決権算定であり,債権自体を円建てへ変更するものではない。

(4) ⑷について

再生手続参加には届出を要する(法94条1項)。800人は届出をしておらず,自認された799人にも議決権はなく(法104条1項括弧書き),800人はいずれも再生計画案の決議で議決権を行使できず,可決要件の人数及び議決権総額にも算入されない。

A社は知っている未届出債権を認否書に記載する義務を負う(法101条3項)。799人について,計画には変更する権利と一般的基準に従った変更後の内容を定める(法156条,157条1項)。その権利は認可決定の確定により再生計画に従って変更され,債権が確定した場合は変更後の権利を行使できる(法179条1項・2項)。残額は法178条の免責に服する。

Dの債権も,A社が知りながら記載しなかった債権として,認可確定により法156条の一般的基準に従い変更される(法181条1項3号)。ただし,変更後の権利は,計画の弁済期間満了まで弁済・受領等による消滅が禁止される。期間満了前に計画弁済が完了又は計画が取り消された場合はその時までであり,免除は除かれる(同条2項)。Dの債権が単に全額免責されるわけではない。

2 設問2

(1) ⑴について

A社が認めないEの債権は異議等のある再生債権である。開始時の係属訴訟や執行力ある債務名義等は示されていないため,Eは,債権調査期間の末日から1月の不変期間内に,A社を相手方として再生裁判所に再生債権査定を申し立てる(法105条1項・2項)。他の届出再生債権者にも異議があれば,その全員を相手方とする。査定に不服があれば,送達から1月の不変期間内に,異議者等の全員を被告として再生裁判所に異議の訴えを提起できる(法106条1項・2項・4項)。債権確定訴訟の判決は再生債権者全員に効力を有する(法111条1項)。異議の訴えが期間内に提起されず又は却下された場合,査定裁判は全再生債権者に対し確定判決と同一の効力を有する(同条2項)。

(2) ⑵について

本件は有機野菜の継続供給と買取りを内容とし,開始時に双方の履行が未完了の双務契約である。A社は法49条1項により解除を選択できる。監督委員の同意も得ており,事業再生方針に沿った解除は有効である。

Eは,即時解除という条項の要件を満たし,違約金は損害賠償額の予定と推定されるから(民法420条3項),実際の損害がなくても1200万円を請求できると主張する。法49条5項が準用する破産法54条1項も,解除に伴う損害賠償を再生債権として認めている。

これに対しA社は,約定解除に関する予告期間の拘束は法49条の法定解除権を制限できず,その不足期間を金銭に置き換えた本件条項も適用されないと反論する。

法49条は,契約関係を円滑・迅速に整理して事業の維持再生を図るための,法律上特別な選択権を与える一方,相手方の損害は再生債権として調整する制度である。したがって解除の自由からあらゆる賠償約定の無効を導くことはできない。しかし本件条項は予告不足期間に比例する額を定め,1年前の予告を金銭的に担保するものであり,法定解除にも適用するとその行使を事実上制約する。Eは生産物を容易に他へ販売でき,損害も生じない見込みである。実損害があれば法49条5項・破産法54条1項によって再生債権として補償されるが,本件で実損害賠償が認められないのに定額の違約金だけを認めることは,他の再生債権者との衡平も害する。こうした条項内容と事情から,本件の法定解除には適用されないと解する。

よって,本件違約金条項は本件解除に適用されず,1200万円の請求権は認められない。別途の実損害賠償も,設問上の無損害の前提では認められない。

以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
評価項目と答案の対応表

主な評価項目及び条件付きの項目の参照箇所を示す。注意は誤った記述を避けるための項目であり,別構成の記載を一律に求めるものではない。
表に掲げない番号は,13・17・27・31・33~35・37~38である。対応する設問の答案と,以下の解説を併せて参照する。

評価項目と答案の対応(重み5・4及び条件付きの項目)番号重み評価項目答案の該当箇所・留保15人数要件と議決権額要件の双方を満たす必要があると説明する。 /両者由来答案1(1)24頭数の分母を集会出席者又は書面等投票者に限定する。 /両者由来答案1(1)34頭数要件を当該分母の過半数の同意と説明する。 /両者由来答案1(1)44大口債権者だけで決めず小口債権者の意思を反映する頭数要件の趣旨を説明する。 /両者由来答案1(1)54金額要件を全議決権者の議決権総額の2分の1以上の同意と説明する。 /両者由来答案1(1)64開始前の元本・損害金の議決権を87条1項4号の債権額として扱う。 /両者由来答案1(2)74開始後損害金も84条2項2号の再生債権であると分類する。 /両者由来答案1(2)85開始後損害金の議決権を87条2項により排除する。 /両者由来答案1(2)94Bの議決権額を開始前元本500万円+損害金10万円=510万円と算定する。 /両者由来答案1(2)104外貨建て金銭債権へ87条1項3号ニを適用する。 /両者由来答案1(3)114議決権の換算基準を再生手続開始時とする。 /両者由来答案1(3)124Cの議決権額を200万ユーロ×140円=2億8000万円と算定する。 /両者由来答案1(3)144自認記載済み799人と記載漏れDの権利変更を分けて説明する。 /両者由来答案1(4)154知っている未届出債権を101条3項に基づき自認記載する義務を説明する。 /両者由来答案1(4)165自認された799人にも議決権がないことを説明する。 /両者由来答案1(4)184157条1項により自認債権の変更対象と変更後内容を再生計画に定めると説明する。 /両者由来答案1(4)194799人の権利が認可確定により179条1項に従って変更されると説明する。 /両者由来答案1(4)204799人は債権が確定した場合に変更後の権利を行使できると説明する。 /両者由来答案1(4)215Dの債権も181条1項3号により156条の一般的基準に従って変更されると説明する。 /両者由来答案1(4)225Dの変更後権利へ181条2項の弁済時期の劣後を適用する。 /両者由来答案1(4)234A社の否認に対してEが105条1項本文の再生債権査定を申し立てると説明する。 /両者由来答案2(1)244査定に不服があれば106条1項の異議の訴えを提起すると説明する。 /両者由来答案2(1)254債権確定訴訟の判決が111条1項により全再生債権者へ効力を持つと説明する。 /両者由来答案2(1)264異議訴訟の不提起又は却下の場合,査定裁判が111条2項により全再生債権者へ確定判決同様の効力を持つと説明する。 /両者由来答案2(1)285本件を双方未履行双務契約の49条1項に基づく解除の問題と位置付ける。 /両者由来答案2(2)29449条1項の特別な解除選択権を,円滑迅速な契約整理と事業維持再生の趣旨から説明する。 /両者由来答案2(2)304本件の1年前予告・不足期間に比例する違約金という条項内容を具体的に評価する。 /両者由来答案2(2)325不適用の構成を採る場合,条項が解除選択権を事実上制限することを説明する。 /両者由来。不適用説を採る場合の検討。【適用条件】違約金条項の不適用を導く構成の場合。適用を認める構成にも同じ結論を必須としないが、49条の趣旨・具体的条項・衡平の検討は必要。答案2(2)。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。365条項が有効か・解除可能かだけで止めず,本件解除に違約金条項が適用されるかを結論づける。 /両者由来答案2(2)
(1) 答案と評価項目の対応

設問1(1)は番号1~5,(2)は6~9,(3)は10~13,(4)は14~22に対応する。設問2(1)は23~27,(2)は28~37に対応し,番号38は答案全体の条文精度を点検する。注意は対応する段落で回避している。

(2) 可決要件と議決権額

頭数は実際に集会へ出席し又は投票した者を分母とする過半数,金額は全議決権総額の半分以上である。Bの開始後損害金は再生債権に含まれるが,議決権の対象にはならない。Cの開始時換算は明文の効果であり,円安を理由に別の基準時を作らない。

(3) 自認債権と記載漏れ

799人とDとの違いは,投票権の有無ではない。双方とも議決権を行使できない。他方,799人は計画に個別の変更内容を定め,確定した債権に基づく変更後権利を行使する。Dの権利も一般的基準に従って変更されるが,弁済時期に劣後がある。自認漏れを全額免責と説明してはならない。

(4) 査定から効力まで

Eが他人の債権に対して調査異議を述べる手続と,自分の否認債権を確定する査定申立てを分ける。査定・異議の訴えという入口だけで終わらず,民事再生法111条1項・2項が定める再生債権者全員への効力まで説明する。

(5) 違約金条項の適用

公式出題趣旨は,不適用という「方向性」を例示している。条項の有効性一般と,本件の49条1項による法定解除への適用を分けることが重要である。予告期間を金銭的に担保する条項が解除選択を事実上制限する点と,実損害のないEに違約金だけを与えることによる他債権者との不均衡を具体化する。民法420条3項を踏まえたEの反論は本記事の一次法令による補足であり,公式に示された独立評価項目ではない。

(6) 答案の弱点と扱わなかった事項

直接対応する判決原文を確認していないため,不適用構成を確立判例の結論としては表示しない。別の結論を採る場合も,49条の制度趣旨と本件条項・無損害の事実を踏まえた具体的理由が必要である。公序良俗違反,架空の係属訴訟又は債務名義の存在を前提とする手続は扱っていない。

第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

倒産法第1問
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令和6年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1――学資金と源泉徴収2 設問2――誤徴収額の回収3 設問3――機械の減価償却4 設問4――相続と名義書換料5 設問5――ゴルフ会員権の損益通算6 答案全体7 設問2の補充的な許容分岐8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

本記事は,令和6年司法試験租税法第2問の模範解答と,法務省の出題の趣旨・採点実感から抽出した60の評価項目を示すものである。学資金の非課税,誤徴収額の回収,機械の減価償却,ゴルフ会員権の取得費及び損益通算を,条文と事実を結び付けて検討する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 租税法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目60項目(重み5:13項目)重みの合計212(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2275字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は,令和6年司法試験論文式試験問題〔選択科目・租税法第2問〕である。出題の趣旨及び採点実感〔選択科目〕を参照し,評価項目を答案から充足の有無を判断できる形にした。法務省の公式採点基準又は配点表ではない。

本答案は,設問1では免除益を給与所得と把握した上で学資金として非課税とし,設問2ではB法人の国への還付請求とAのB法人への給与請求を分ける。設問3では令和元年末の取得を否定して減価償却費の損金算入を否定する。設問4では名義書換料の取得費算入を認め,設問5では娯楽目的の資産に係る譲渡損失の給与所得との通算を否定する。

評価項目は60項目,重み5は13項目である。重み5の番号は1・4・7・8・12・13・17・18・19・27・29・37・39・41・48・49・51・52であり,条文の入口,二重括弧,源泉徴収と申告納税の別個性,取得・所有の私法評価,取得費及び損益通算の趣旨・当てはめが中心となる。第4に全項目,第5に2,293字の答案と解説を置く。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象を置き,通し番号を記事全体で連続させた。各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。注意は典型的な誤りを避けるための指標であり,記載量を増やすための要求ではない。許容分岐はその構成を採る場合に限って適用され,互いに異なる構成を全部書く必要はない。53は発展的な視点で,全答案への必須要求ではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

両資料の頁はPDFの1頁目から数えた頁である。引用は対応箇所を見つけるための短い抜粋であり,行末の改行・空白を除いて表示した。「記載なし」は本問の関連範囲を読んだ結果である。包括的な設問説明だけを根拠とする部分は,具体的な要件等を直接述べた採点実感と区別して理解する必要がある。内部の追跡IDは公開番号1~60とそれぞれR1~R60で対応する。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。重み4をすべて「高く評価した」と読み替えない。重みの合計は独自の整理値で,得点・合格可能性・科目間の難易度を示さない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

設問1・2は,医学部在学中に全額授業料に用いた300万円の貸与型奨学金が,B法人の病院で5年間常勤医師として勤務したAについて令和2年3月末に免除された事案である。通常の給与に加えて免除益を受けたAに対する源泉徴収の適否と,違法な徴収を前提とする税額相当額の回収・令和2年分の確定申告との関係を問う。

設問3は,D社がE社へ製作を委託した機械乙について,検収時に引渡し・所有権移転・代金支払をする合意の下,令和元年11月から試運転を兼ねた生産を行ったが不具合が続き,令和2年1月末に検収を終えた事案である。問われるのは令和元年事業年度の減価償却費の全部又は一部の損金算入である。

設問4・5は,令和3年に父Cから丙ゴルフ会員権を単純承認により相続したAが名義書換料を払い,令和5年12月に損失を出して譲渡した事案である。Cは月二,三回趣味で,Aは毎月一回程度利用し,Aには値上がり及び節税への関心もある。名義書換料を無視する60条の読み方と,給与所得からの損失控除の可否・趣旨を分けて検討する。

試験実施日は令和6年7月10日であるが,本問は令和6年1月1日現在施行の法令を用い,租税特別措置法を除くと指定する。この指定を優先する。設問2は回収の法律関係を問うもので,訴訟類型を列挙する問題ではない。設問1の適否は設問2では違法という仮定に切り替える。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1Aへの免除益の源泉徴収令和6年1月1日法。租特法は除く。所得分類と学資金非課税を区別し適否を示す。設問2税額相当額の回収源泉徴収は違法と仮定。訴訟類型の列挙は不要。A・B・国の法律関係と確定申告の関係を示す。設問3令和元年事業年度の償却費検収・所有権移転は翌年。試運転中にも生産。全部又は一部の損金算入の可否を示す。設問4名義書換料と取得費単純承認による相続。所得税法60条の文言・趣旨からAの解釈を検討する。設問5譲渡損失の給与所得からの控除主観的動機と客観的利用を区別。損益通算の可否と制度趣旨を論じる。
第4 評価項目と重み

(続きを読む...)令和6年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―公海衝突・武力の威嚇・国家責任(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1―公海衝突と刑事管轄2 設問2―不干渉・武力の威嚇3 設問3―判決後の国家責任4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問と関連する記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 条約・国際法資料3 裁判例4 確認状態

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和6年・第2問を扱う。主な論点は,公海衝突・武力の威嚇・国家責任である。模範解答,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

令和6年司法試験の国際関係法(公法系)第2問について,公海衝突後の刑事管轄,不干渉・武力の威嚇,判決後の国家責任を整理し,模範解答と35の評価項目を示す。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 国際公法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目35項目(重み5:6項目)重みの合計130(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2156字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験・選択科目問題の42頁である。
以下の評価表は法務省の出題の趣旨と採点実感から独自に抽出した評価単位であり,公式採点基準・配点・予測得点ではない。

本問では,B国が海洋法条約の非当事国であることから慣習国際法への主張を構成し,A国の行為がそもそも違反でないとの反論を主位に置き,ICJの違反認定後に求める具体的救済まで示す。
35項目のうち重み5は6件(番号1・4・12・17・23)である。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

一項目に一つの判定対象を置き,番号は記事全体で連続させている。
各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。
注意は避けるべき記載を意味し,高評価・条件付き分岐を全答案への累積要求とはしない。
公式資料の頁数はPDFの頁番号である。
関連範囲を実読した上で,記載なしと間接的な根拠を区別している。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5=評価の分かれ目又は答案の骨格。
4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
3=一方が明示する中核の理由付け。
2=軽い補強又は典型的な誤り。
1=控えめな言及。
本記事の重み4は「全件を高く評価した」という意味ではない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

公海上でA国船α号とB国船β号が衝突し,B国民8人が死亡した。
B国は上陸後のA国籍船長Xを逮捕・起訴し,拘禁刑を言い渡す。
A国は抗議とODA停止に加え「必要な全ての手段」を用いると伝え,B国は不干渉・武力の威嚇違反を主張する。
A国は軍事大国であるが,両国関係は従前良好であった。
A国のみが海洋法条約の当事国である。

設問1はA国の違反主張の根拠,設問2はA国の反論,設問3はB国の違反をICJが認定した後の責任交渉である。
付託合意は違反の有無だけをICJに判断させるものであり,国家責任上の救済を命じる判決を求める設問ではない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1A国の違反主張海洋法条約の当事国はA国だけ。公海衝突の特別規律と慣習法の根拠を論じる。設問2不干渉・武力の威嚇に対するA国の反論ODA停止と「必要な全ての手段」の発言を区別。規範と具体的事情から反論を構成する。設問3B国の違反認定判決後の交渉付託合意は違反の有無のみ。責任成立を再論証しない。交渉で求める国家責任上の措置と条件を示す。
第4 評価項目と重み1 設問1―公海衝突と刑事管轄

本記事で重み5とした評価項目は,元番号4・12・17・22・23・30の6項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

(続きを読む...)令和6年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―公海衝突・武力の威嚇・国家責任(AI作成)

令和6年司法試験知的財産法第2問の模範解答・評価項目―40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問12 設問2⑴3 設問2⑵4 設問35 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験の知的財産法第2問について,公式の出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み,模範解答を掲載する。
評価表と答案は記事独自の分析であり,法務省の公式採点基準ではない。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 知的財産法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目40項目(重み5:6項目)重みの合計155(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2099字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本問は,建築の著作物の保護と自由利用,絵画の写り込み,建築物の同一性保持権を扱う。公式問題(PDF22頁)を対象とし,設問1,設問2の二つの小問,設問3を順に検討する。

採用答案では,店舗の部分改築はBの複製権を侵害する一方,建物の写真による絵はがきの印刷・販売は46条により許されるとする。
絵画αについては30条の2を認め,Cの販売差止めを否定する。
屋根の撤去は同一性保持権の例外を検討した上で,Bとの関係で信義に反する改変として工事の予防請求を認める構成を採る。
特に設問3では,実用目的との調整を説明することが重要であり,この結論が公式の唯一指定結論であるとはしていない。

評価項目は40件,重み5は6件である。
番号2・7・13・16・22・37・39に対応し,詳しくは重みの分布と枠外解説で説明する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

一つの行を一つの判定対象に分け,答案だけから記載の有無を判断できる形にした。
各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。
項目を全答案の必須条件としたり,条件付きの主張を累積的に要求したりする趣旨ではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

頁はPDFの物理頁である。
出題の趣旨の第2問は30頁,採点実感の本問は主に22~24頁にある。
表の引用は短い原文の抜粋である。
「記載なし」は本問の関連範囲を実読した結果,その粒度の独立した明示がないという意味である。
評価項目は公式資料の説明から独自に抽出したもので,項目数や重みを実際の得点へ換算できない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5=採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格。
重み4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
重み3=どちらか一方が明示する中核の理由付け。
重み2=一方が軽く触れる補強又は典型的な誤り。
重み1=一方が控えめに触れる事項。

本記事の重み4では「高く評価された事項」と「不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項」を区別して確認している。
各段階に件数を割り当てることはしていない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

A市は,誰でも自由に入れる公園に,Bが斬新な屋根と外壁を設計した図書館を建築した。
ホールの奥には,独特の色彩でA山を描いたCの絵画αが展示されている。
Dは店舗を図書館と同じ形に部分改築し,図書館を正面から撮影した絵はがきβも印刷・販売した。
建物は画面の5分の3ほどを占め,絵画は小さいものの代表作と分かる程度に写っている。
入口の扉は開館時間中常に開いている。

建築10年後,市長の嗜好を理由に,屋根の突出部分だけを撤去する計画が立てられた。
設問1はBの著作権侵害,設問2⑴はBの請求と妥当性,⑵はCとDの攻撃防御,設問3はBの工事阻止の請求と妥当性を問う。

2 設問が求めること

(続きを読む...)令和6年司法試験知的財産法第2問の模範解答・評価項目―40項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―国家承認・自決権・国連の紛争解決(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1:国家承認と自決権2 設問2:主権平等と安保理の表決3 設問3:国連内の問題解決手段4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和6年・第1問を扱う。主な論点は,国家承認・自決権・国連の紛争解決である。模範解答,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

令和6年司法試験の国際公法第1問を,国家承認・自決権,安保理の表決,国連内の紛争解決という三つの視点から検討する。
公式資料に対応する評価項目と,2500字以内の完成答案を掲載する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 国際公法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目38項目(重み5:7項目)重みの合計153(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2061字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は国際関係法(公法系)第1問である。法務省の問題PDF,出題の趣旨,採点実感に基づき,判定対象を38項目に整理した。
重みは独自の1~5段階であり,公式配点・公式採点基準ではない。

結論は,B国の国家承認には尚早の承認という反論が可能で,自決原則もP州の当然の分離独立を基礎付けないこと,A国の棄権義務は第6章等と第7章とで異なること,C国の拒否権後も総会・ICJ争訟・事務総長という複数の経路が残ることである。

重み5は7項目である。番号4:承認時点のP共和国について国家成立要件,特に独立した実効的政府の存在を検討する。【適用条件】国家成立の諸要件を本件の承認時点に即して検討する。後日のB国軍派遣による支配確立を承認時点へ遡及させない。 番号5:国家成立要件を満たさない集団への尚早の承認を,A国に対する違法な干渉として構成する。 番号11:植民地独立等の外的自決と国内の政治的地位に関する内的自決を区別する。 番号18:第6章及び52条3項による決定では,紛争当事国に27条3項ただし書の棄権義務が及ぶと示す。【適用条件】第6章又は52条3項の紛争の平和的解決に係る決定の場合。 番号19:第7章による決定には当該棄権義務が及ばないと反対解釈し,A国に一律の棄権を求める主張を退ける。【適用条件】第7章の下の案件について紛争当事国A国に一律の棄権義務を課さない。B国はこの時点の理事国ではない。 番号24:総会の集団的措置に関する決議は勧告的効力にとどまり,加盟国の参加を法的に義務付けないことを明示する。 番号29:提訴にはICJ規程36条のいずれかの管轄根拠とB国の管轄同意が必要であり,国連加盟のみで管轄は生じないと説明する。 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は一つの判定対象を一行にし,答案に必要な内容を具体化した。
各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。
高評価は答案を深める事項であり,全ての答案に累積要求する意味ではない。
番号30~33の管轄根拠と番号38の合意による裁定は条件付きの分岐で,根拠なく全部の成立を仮定しない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

頁はPDFファイルの先頭から数えた頁である。
出題趣旨の第1問は35~37頁,採点実感の第1問は38~39頁である。
表の「記載なし」はこの関連範囲を読んだ結果,「間接」は関連記述からの推論を意味する。
根拠欄の短い語句は定位のための引用で,評価項目全文が公式の逐語記述であるという意味ではない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5=評価の分かれ目又は答案の骨格,4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項,3=一方が明示する中核の理由付け,2=一方の軽い補強又は典型的な誤り,1=控えめな言及である。
本問の重み4は,両資料が取り上げたことを基準とし,全てが「高く評価された」とは扱わない。
重み5は各項目が法的構成・手続・効果の骨格に当たるため付けている。
段階ごとの件数は割り当てていない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。

(続きを読む...)令和6年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―国家承認・自決権・国連の紛争解決(AI作成)

令和6年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した32項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1の評価項目2 設問2の評価項目3 設問3の評価項目4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令・行政一次資料3 裁判例4 確認状態

管理監督者,賞与の在籍要件,退職金不支給を,契約上の根拠から法的効果までつなげて解く。32項目の独自評価表と2206字の模範答案を示す。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 労働法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目32項目(重み5:6項目)重みの合計123(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2206字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は令和6年司法試験の労働法第1問を対象とする。公式問題PDF(24〜25頁)の3つの請求について,管理監督者該当性,賞与の支給日在籍要件,懲戒解雇時の退職金不支給を検討する。

採用する答案では,法定時間外の割増賃金請求を認め,7月分の賞与請求を否定する。退職金全額不支給は許されないが,相当な一部減額は許されるため,全額請求はその限度でのみ認める。結論そのものを法務省が唯一の正解として指定したという意味ではない。

評価項目は32項目,重み5は6項目である。重要なのは,スタッフ職の職務・待遇を分けること,賞与と退職金の契約上の根拠を確定すること,退職金の本件での性格と職務外行為の背信性を評価し,一部減額の余地まで示すことである。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

以下は公式資料から独自に抽出した評価単位であり,法務省の公式採点基準・配点ではない。一項目につき一つの判定対象を置き,必須,高評価,注意の回避,許容分岐を区別する。重み5の高評価事項や,先例を選択する場合の条件付き事項を全答案への累積要求にはしない。

頁はリンク先の合冊PDFの頁を指す。出題の趣旨は30〜31頁,採点実感は26〜28頁の第1問部分を用いる。「間接」は公式の一般的な当てはめ要求を本問の事実へ展開した独自の判定基準である。「記載なし」は関連部分を読んだ範囲での確認であり,未読や未到達を意味しない。引用は短い語句に限る。

2 5段階の重み付けの基準重み判断基準5採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのもの。4出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。3一方が明示する中核の理由付け。2一方が軽く触れる補強又は典型的な誤り。1一方が控えめに触れるだけの事項。

本問の重み4は「高く評価した」という表現に限らず,評価や誤りの指摘を通じて取り上げた箇所も対象とする。段階ごとの件数の割当ては行わない。項目数や重みの合計から得点・難易度・合格可能性は推計しない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

Xは投資信託運用会社Y社で31年以上勤務する上位スタッフ職で,重要なレポート業務を担う。年収は1200万円超で上位6%だが,経営方針や人事・労働条件の決定には関与しない。月8日程度の業務期間は社内就業に拘束され,それ以外は出退勤が比較的自由である。

7月31日退職を承認され,7月10日の賞与と退職金の支給見込みを伝えられた後,5月中旬に飲酒運転・信号無視の人身事故を起こした。2人は軽傷で,Xは実名報道された。5月31日の通知により6月末日付けで懲戒解雇され,賞与と退職金は不支給となった。

設問は割増賃金,賞与,退職金全額の各請求の成否を問う。Xが懲戒解雇を承服している前提を守り,解雇無効や地位確認を主題にしない。実名報道から会社名の報道や具体的損害を補充しない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点割増賃金Xの請求上位スタッフ職の実態と待遇。解雇は承服。管理監督者性を具体的に検討する。賞与7月10日支給見込みの賞与懲戒解雇後の在籍要件。地位確認を主題にしない。就業規則を根拠に請求の成否を示す。退職金全額の請求実名報道から会社名報道や損害を補わない。全額不支給の可否を性質・事実から論じる。
第4 評価項目と重み1 設問1の評価項目

本記事で重み5とした評価項目は,元番号5・10・18・24・27・30の6項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1法定労働時間を超える就労を労基法32条の問題として特定する。
4PDF30頁・労働法第1問:法定労働時間(労働基準法第32条)PDF26頁・3⑴第1問について:法定労働時間(労働基準法第32条)2管理監督者でなければ労基法37条に基づく割増賃金請求が生じると示す。
4PDF30頁・労働法第1問:割増賃金(同法第37条)PDF26頁・3⑴第1問について:割増賃金(労働基準法第37条)3適用除外の根拠を労基法41条2号と正確に示す。
4PDF30頁・労働法第1問:同法第41条第2号PDF26頁・3⑴第1問について:同号の摘示がなかった答案4労働時間等の保護を必要としない実態を持つため規制を除外するという趣旨から規範を導く。
4記載なし(関連範囲実読)PDF27頁・3⑴第1問について:の趣旨に遡って適切な規範を定立5経営者との一体性を基準とし,肩書ではなく実態で判断する。
5PDF30頁・労働法第1問:経営者と一体の立場にある者PDF26頁・3⑴第1問について:名称にとらわれず、実態に即して6職務内容・権限・責任と企業全体の重要事項への関与を判断要素にする。
4PDF30頁・労働法第1問:職務内容、権限及び責任の重要性PDF26頁・3⑴第1問について:企業全体の重要事項への関与7勤務態様が労働時間規制になじむかを判断要素にする。
4PDF31頁・労働法第1問:等に対する規制になじまないものかPDF26頁・3⑴第1問について:勤務態様が労働時間規制8賃金等が管理監督者の地位にふさわしい処遇かを判断要素にする。
4PDF31頁・労働法第1問:管理監督者の地位にふさわしい処遇PDF26頁・3⑴第1問について:管理監督者の地位にふさわしい処遇9スタッフ職では管理監督者と同格以上の待遇上の位置付けを検討する。
【適用条件】スタッフ管理職の管理監督者性について検討する視点。肩書だけで結論を出さない。4PDF31頁・労働法第1問:管理職者と同格以上に位置付けられる者PDF27頁・3⑴第1問について:管理職者と同格以上に位置づけられる者10スタッフ職が経営上の重要事項の企画立案等を担当するかを検討する。
【適用条件】同上。待遇と経営上の重要事項への関与を具体的に比較する。5PDF31頁・労働法第1問:経営上の重要事項に関する企画立案等PDF27頁・3⑴第1問について:経営上の重要事項に関する企画立案等11レポート業務の重要性と経営方針・人事等への不関与を対比して職務・権限を評価する。
4間接・PDF31頁・労働法第1問:本問の事実関係を的確に当てはめ間接・PDF27頁・3⑴第1問について:的確に事例を当てはめ12月8日程度の勤務拘束とそれ以外の出退勤自由を両方評価する。
4間接・PDF31頁・労働法第1問:本問の事実関係を的確に当てはめ間接・PDF27頁・3⑴第1問について:的確に事例を当てはめ13年収・社内順位・ライン管理職との待遇比較を実態判断へ結び付ける。
4間接・PDF31頁・労働法第1問:本問の事実関係を的確に当てはめ間接・PDF27頁・3⑴第1問について:的確に事例を当てはめ14条文と事実の引写しだけで結論を出さない。
2記載なし(関連範囲実読)PDF27頁・3⑴第1問について:単に条文の文言と事例を引き写して結論を得ようとする2 設問2の評価項目番号評価項目重み出題の趣旨採点実感15賞与の根拠を合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。
4PDF31頁・労働法第1問:労働契約法第7条参照PDF27頁・3⑴第1問について:まず就業規則を検討すること16就業規則50条の支給日在籍と対象期間勤務という累積要件を特定する。
4PDF31頁・労働法第1問:賞与支給日に在籍し、かつ、評価対象期間に勤務PDF27頁・3⑴第1問について:賞与支給日に在籍し、かつ、評価対象期間に勤務17Xは対象期間勤務済みだが7月10日に不在籍という要件との対応を示す。
4PDF31頁・労働法第1問:評価対象期間中に勤務していたが賞与支給日に在籍していなかったPDF27頁・3⑴第1問について:評価対象期間中に勤務していたが賞与支給日に在籍していなかった18支給日在籍要件の合理性を賞与の性格・支給制度の目的から検討する。
5PDF31頁・労働法第1問:支給日在籍要件は適法かPDF27頁・3⑴第1問について:支給日在籍要件の合理性を論ずる必要19大和銀行判決の在籍要件を合理的とする事例判断を規範の参考にする。
3PDF31頁・労働法第1問:大和銀行事件PDF27頁・3⑴第1問について:大和銀行事件20私傷病死亡の例外事例と懲戒解雇を区別し,在籍要件の本件への適用を検討する。
4PDF31頁・労働法第1問:懲戒解雇された者に対する適用の当否PDF27頁・3⑴第1問について:懲戒解雇された者に対する適用の当否21在籍要件の合理性を検討せず50条但書のやむを得ない事由だけで処理しない。
2記載なし(関連範囲実読)PDF27頁・3⑴第1問について:「やむを得ない事由」の問題であるとして論述22解雇承服の前提を維持し懲戒権濫用論に終始しない。
2記載なし(関連範囲実読)PDF27頁・3⑴第1問について:懲戒権の濫用に関する論証に終始3 設問3の評価項目番号評価項目重み出題の趣旨採点実感23退職金請求も合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。
4PDF31頁・労働法第1問:賞与と退職金の法的根拠は何かPDF28頁・3⑴第1問について:労働契約法第7条に触れることなく2454条の全部又は一部不支給の定めを特定し,規定の合理性と個別適用を区別する。
5PDF31頁・労働法第1問:このような規定の合理性と適用の当否PDF28頁・3⑴第1問について:同規定の合理性と本事例への適用の当否25功労報償性を踏まえて支給制限条項の合理性を説明する。
4PDF31頁・労働法第1問:退職金規則を合理性がないとはいえないPDF28頁・3⑴第1問について:不支給規定の合理性26基本給と勤続年数で額が定まる本件退職金の後払い性を具体的に分析する。
4間接・PDF31頁・労働法第1問:本問の事実関係を的確に当てはめた論述間接・PDF28頁・3⑴第1問について:本事例における退職金の性格をも分析27全額不支給の限定的解釈と,長年の勤続の功を抹消する重大な背信性の基準を示す。
5間接・PDF31頁・労働法第1問:強度な背信性間接・PDF28頁・3⑴第1問について:就業規則の合理的解釈28飲酒人身事故が職務外の非違行為であることに着目して背信性を評価する。
4PDF31頁・労働法第1問:職務外の非違行為PDF28頁・3⑴第1問について:職務外の非違行為であるので、この点に着目29事故の危険性・軽傷・実名報道・勤続と職務上の貢献を規範に沿って総合評価する。
4間接・PDF31頁・労働法第1問:本問の事実関係を的確に当てはめた論述間接・PDF28頁・3⑴第1問について:事例から的確に拾い上げ、適切に評価30全額不支給が許されなくても一部減額・一定割合の支給を検討する。
【適用条件】全額不支給を許さないとする場合にも、全額支給へ直結せず、一部支給・減額の余地を検討する。5PDF31頁・労働法第1問:常に退職金の全額を支給すべきであるとはいえないPDF28頁・3⑴第1問について:常に退職金の全額を支給すべきであるとはいえない31三晃社判決は転職時の減額規定についての事例判断であると位置付ける。
【適用
条件】三晃社判決を引いて支給制限の合理性を補強する場合。転職時の半額支給という事例の射程を明示する。2PDF31頁・労働法第1問:三晃社事件PDF28頁・3⑴第1問について:三晃社事件32公務員の退職手当全部不支給判例を参照する場合,行政裁量審査と民間契約解釈を区別する。
【適用
条件】公務員の退職手当判例を参照する場合。行政裁量審査を民間の就業規則の解釈へそのまま当てはめない。2PDF31頁・労働法第1問:公務員の事案であるが記載なし(関連範囲実読)4 答案全体

重みを付けない一般的な指摘として,基本条文を正確に示し,規範の趣旨・射程から有意な事実を評価して,一貫した結論へ進むことが求められる。採点実感2及び4〜6は,知識の暗記だけでなく,事例分析と緻密な当てはめを重視する。これらは32項目の分布に加算しない。

5 重みの分布

重み1:0項目,重み2:5項目,重み3:1項目,重み4:20項目,重み5:6項目。総項目数N=0+5+1+20+6=32,重みの合計は123である。

重み5は6項目である。番号5:経営者との一体性を基準とし,肩書ではなく実態で判断する。 番号10:スタッフ職が経営上の重要事項の企画立案等を担当するかを検討する。【適用条件】同上。待遇と経営上の重要事項への関与を具体的に比較する。 番号18:支給日在籍要件の合理性を賞与の性格・支給制度の目的から検討する。 番号24:54条の全部又は一部不支給の定めを特定し,規定の合理性と個別適用を区別する。 番号27:全額不支給の限定的解釈と,長年の勤続の功を抹消する重大な背信性の基準を示す。 番号30:全額不支給が許されなくても一部減額・一定割合の支給を検討する。【適用条件】全額不支給を許さないとする場合にも、全額支給へ直結せず、一部支給・減額の余地を検討する。 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

試験日は令和6年7月10日である。法令は当該試験の出題基準である令和6年1月1日施行法を基礎とし,判例・行政解釈は試験日以前のものを用いる。答案は空白・改行を除く文字数で2206字。「1→(1)」の順で,問題提起,規範,当てはめ,結論を示す。参照する最高裁・下級審例の確認範囲は第7に区別して記す。

2 答案

1 法定時間外労働の割増賃金
(1) Xは所定の8時間を超えて就労しており,労働基準法(以下「労基法」という。)32条2項の1日8時間を超える部分について,同法37条1項に基づく割増賃金を請求できるのが原則である。Y社はXを管理監督者として扱うため,同法41条2号による適用除外が問題となる。
(2) 労働時間等の規制は労働者の健康と生活を保護するが,経営者と一体の地位にあり,時間規制になじまない働き方をし,相応の待遇を受ける者は同じ規制による保護の必要性が乏しいため,適用が除外される。管理監督者は,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあり,労働時間規制の枠を超えて活動することが要請される者をいう。名称ではなく,職務内容,責任・権限,勤務態様及び待遇の実態によって判断する。スタッフ職も,管理監督者と同格以上の待遇上の位置付けがあり,経営上の重要事項の企画立案等を担当すれば該当し得る。部下の不存在だけで否定すべきではない。
Xのレポート精査等は高度の専門性があり,投資家の判断とY社の主要収益に影響する重要な仕事である。また,年収1200万円超は上位6%で,ライン副部長の平均を超え,職位にふさわしい厚い待遇といえる。レポート業務のない期間には出退勤の自由があり,遅刻・早退の控除もない。これらは該当性を肯定する事情である。
しかし,Xは管理者ミーティングに参加せず,営業方針,予算,組織・人事制度及び労働条件の決定にも関与しない。専門的なレポート業務の重要性と経営者との一体性は同じではなく,経営上の重要事項の企画立案等を担当するスタッフとも異なる。また,月8日程度は少なくとも所定時間内の社内就業が要求され,多くの日は午後7時30分過ぎまで働く。業務の繁閑による一部の自由があるだけで,時間規制になじまない裁量が十分あるとはいえない。
(3) 厚い待遇を考慮しても,権限と勤務の実態から管理監督者には当たらないと解する。よって,法定時間を超えて労働した時間について割増賃金請求は認められる。

2 令和6年7月分の賞与
(1) 周知された就業規則50条は,評価対象期間に勤務したことに加え,支給日の在籍を要求する。合理的な同規則は労働契約の内容となる(労働契約法7条)。Xは前年10月1日から当年3月31日まで勤務したが,6月30日に解雇され,7月10日には在籍していない。
(2) 賞与には賃金の後払いのほか,功労報償,利益分配,将来の勤務への奨励の性格がある。対象期間の労働だけで具体的請求権が当然発生するとはいえず,支給基準の明確性や将来の勤務確保からも,支給日在籍要件には合理性がある。大和銀行事件最高裁判決も事例判断として同要件の合理性を認めている。
確かに,Xは任意退職日を7月31日とし,評価対象期間を勤務し,支給見込額も連絡されていた。解雇では退職時期を選べないため,要件の適用に疑問を呈し得る。しかし,Xは自らの飲酒人身事故による懲戒解雇を承服しており,会社が賞与を免れるため退職日を操作した事実はない。私傷病で支給日前に死亡した者に賞与を認めた下級審例はあるが,本件ではX自身の重大な非違行為が雇用終了をもたらした。死亡や会社都合の整理解雇と異なり,本件の在籍要件適用が不合理とはいえない。
(3) 5月上旬の連絡も見込みの通知であり,在籍要件を外して無条件に支払う個別合意ではない。したがって,賞与請求は認められない。

3 退職金全額の請求
(1) 周知され合理的な就業規則は労働契約の内容となる(労働契約法7条)。就業規則54条本文及び55条により,退職・解雇時には基本給と勤続年数に応じた退職金の請求権が生じる。他方,54条但書は懲戒解雇者への全部又は一部の不支給を許す。懲戒解雇を承服していても,不支給の有効性は別に検討する必要がある。
(2) 退職金には功労報償のほか,賃金の後払いと退職後の生活保障の性格がある。不支給条項の合理性は認められるが,給与と勤続年数で支給条件が明確な本件では後払いの性格が強い。したがって,全額不支給は永年の勤続の功を抹消するほど重大な不信行為がある場合に限られ,該当しなくても相当な一部減額を許し得るものと限定的に解する。
(3) 飲酒して赤信号を無視し,2台を巻き込んで2名を負傷させた行為は危険かつ重大である。実名報道されており,投資家の信頼に支えられるY社の信用に悪影響を与え得る。高待遇の専門職であることもXの責任を重くする。
しかし,負傷は軽傷にとどまり,業務上の横領・背任のような会社への直接の背信行為ではない。会社名の報道や重大な現実損害は問題文から確認できず,これらを当然の前提にはできない。他方,Xは31年以上勤続し,重要なレポート業務を担っていた。退職金を開業資金及び当面の生活費に予定していたことも,制度の生活保障の側面と対応する。これらを総合すると,勤続の功を全て抹消するほどの背信性があるとまではいえず,全額不支給は許されない。
(4) もっとも,本件の重大な非違行為は功労報償の減額を合理化する。全額不支給が無効でも当然に全額請求が認められるわけではない。54条但書に基づく相当な一部減額は許され,Xの請求は減額後の退職金の限度で認められる。割合を確定する資料はなく,具体額は断定しない。支払期限は56条により支給事由発生から1か月以内である。
以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
評価項目と答案の対応表

主な評価項目及び条件付きの項目の参照箇所を示す。注意は誤った記述を避けるための項目であり,別構成の記載を一律に求めるものではない。
表に掲げない番号は,14・21~22である。対応する設問の答案と,以下の解説を併せて参照する。

評価項目と答案の対応(重み5・4及び条件付きの項目)番号重み評価項目答案の該当箇所・留保14法定労働時間を超える就労を労基法32条の問題として特定する。 答案124管理監督者でなければ労基法37条に基づく割増賃金請求が生じると示す。 答案134適用除外の根拠を労基法41条2号と正確に示す。 答案144労働時間等の保護を必要としない実態を持つため規制を除外するという趣旨から規範を導く。 答案155経営者との一体性を基準とし,肩書ではなく実態で判断する。 答案164職務内容・権限・責任と企業全体の重要事項への関与を判断要素にする。 答案174勤務態様が労働時間規制になじむかを判断要素にする。 答案184賃金等が管理監督者の地位にふさわしい処遇かを判断要素にする。 答案194スタッフ職では管理監督者と同格以上の待遇上の位置付けを検討する。 【適用条件】スタッフ管理職の管理監督者性について検討する視点。肩書だけで結論を出さない。答案1105スタッフ職が経営上の重要事項の企画立案等を担当するかを検討する。 【適用条件】同上。待遇と経営上の重要事項への関与を具体的に比較する。答案1114レポート業務の重要性と経営方針・人事等への不関与を対比して職務・権限を評価する。 答案1124月8日程度の勤務拘束とそれ以外の出退勤自由を両方評価する。 答案1134年収・社内順位・ライン管理職との待遇比較を実態判断へ結び付ける。 答案1154賞与の根拠を合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。 答案2164就業規則50条の支給日在籍と対象期間勤務という累積要件を特定する。 答案2174Xは対象期間勤務済みだが7月10日に不在籍という要件との対応を示す。 答案2185支給日在籍要件の合理性を賞与の性格・支給制度の目的から検討する。 答案2193大和銀行判決の在籍要件を合理的とする事例判断を規範の参考にする。 答案2204私傷病死亡の例外事例と懲戒解雇を区別し,在籍要件の本件への適用を検討する。 答案2234退職金請求も合理的・周知された就業規則の契約内容化(労契法7条)から説明する。 答案324554条の全部又は一部不支給の定めを特定し,規定の合理性と個別適用を区別する。 答案3254功労報償性を踏まえて支給制限条項の合理性を説明する。 答案3264基本給と勤続年数で額が定まる本件退職金の後払い性を具体的に分析する。 答案3275全額不支給の限定的解釈と,長年の勤続の功を抹消する重大な背信性の基準を示す。 答案3284飲酒人身事故が職務外の非違行為であることに着目して背信性を評価する。 答案3294事故の危険性・軽傷・実名報道・勤続と職務上の貢献を規範に沿って総合評価する。 答案3305全額不支給が許されなくても一部減額・一定割合の支給を検討する。 【適用条件】全額不支給を許さないとする場合にも、全額支給へ直結せず、一部支給・減額の余地を検討する。答案3312三晃社判決は転職時の減額規定についての事例判断であると位置付ける。 【適用 条件】三晃社判決を引いて支給制限の合理性を補強する場合。転職時の半額支給という事例の射程を明示する。第5の3(別構成の扱い)。第5の3(採用しない構成の解説)。採用しない先例参照の分岐。322公務員の退職手当全部不支給判例を参照する場合,行政裁量審査と民間契約解釈を区別する。 【適用 条件】公務員の退職手当判例を参照する場合。行政裁量審査を民間の就業規則の解釈へそのまま当てはめない。第5の3(別構成の扱い)。第5の3(採用しない構成の解説)。採用しない先例参照の分岐。
(1) 答案と評価項目の対応

答案1は1〜14番,答案2は15〜22番,答案3は23〜30番に対応する。31・32番は採用しない参照分岐であり,答案へ無理に先例名を追加しない。

(2) スタッフ職の実態を分けて評価する

9・10番では,部下がいないという一点で非該当としない。重要な専門業務,厚い待遇,出退勤の一部自由は肯定事情であるが,経営上の重要事項の企画立案への関与と勤務期間中の拘束を別に検討する。4番の除外趣旨から,3つの考慮要素がなぜ必要かを説明する。

(3) 賞与は要件の合理性と適用を分ける

15番で契約上の根拠を確定し,16・17番で在籍要件の不充足を指摘する。18〜20番では在籍要件の合理性と懲戒解雇への適用を別段階にする。私傷病死亡例は要件の機械的適用に対する比較例であり,本件の結論をそのまま決めるものではない。50条但書や解雇無効論だけで終えることは21・22番の注意に当たる。

(4) 退職金は全額不支給と全額支給の間を検討する

23・24番の根拠と規定解釈を飛ばして,退職金の一般的性格だけで条項を無効としない。26番では55条の算定方法から後払い性を説明し,28番では職務外行為であることの意味を評価する。30番が示すように,全額不支給が許されないことから全額支給へ直結させない。三晃社の転職減額例や公務員の支給制限処分を援用するなら,31・32番の事例・制度差を説明する。

(5) 答案の限界と扱わなかった事項

具体的な時間外労働の総時間,基礎賃金,退職金減額の割合は問題文だけでは確定できない。見込額を確定した支払合意と扱わず,一部減額の割合を捏造しない。時効・付加金や解雇無効訴訟の詳細は3請求の中核を圧迫するため扱わない。異なる結論を採る場合も規範と当てはめを一貫させる必要がある。

第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

1 令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)
2 令和6年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 令和6年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
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令和6年司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
令和6年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け(AI作成)
令和6年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

2 同じ科目の別の年度の記事
①令和7年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け(AI作成)②令和5年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した27項目と5段階の重み付け(AI作成)③令和4年司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した32項目と5段階の重み付け(AI作成)④令和3年司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
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関連記事は読者の追加理解のための案内であり,後年の記事を試験当時の法状態の根拠に用いない。

第7 出典及び確認状態1 公式資料

令和6年司法試験・選択科目問題(PDF24〜25頁),令和6年司法試験論文式試験出題の趣旨(PDF30頁の労働法見出し以降〜31頁第1問),令和6年司法試験の採点実感・選択科目(PDF26〜28頁第1問,30〜31頁の科目共通評価・末尾)。第2問の内容は本記事の判断に用いていない。

令和6年司法試験の実施日程,令和6年司法試験の実施・法令出題基準

2 法令・行政一次資料

労働基準法原文(32・37・41条),労働契約法(7条),労働契約法施行通達(7条の説明)。現行ページの改正履歴を確認し,試験後の改正で当時の答案要求を変えない。

労働政策審議会・第66回資料(管理監督者の解釈例規)の管理監督者節を確認した。昭和63年3月14日基発150号のスタッフ職取扱いと,一般労働者より厚遇であっても実態を欠く者は含まれないという区別を用いる。

3 裁判例

裁判所公開の退職金請求判決原文の第3・1(3)(PDF4〜6頁)で,後払い性,全額不支給の限定と一定割合の支給を確認した。個別事例の支給割合は本問へ移植しない。

大和銀行事件(最判昭和57年10月7日),医療法人佐藤循環器科内科事件(松山地判令和4年11月2日),三晃社事件(最判昭和52年8月9日)及び宮城県・県教委事件(最判令和5年6月27日)は,公式趣旨・採点実感の紹介とその範囲に基づく位置付けであり,各判決原文を独立に全文確認したものではない。

4 確認状態
公式資料の状態資料状態確認範囲・留保出題の趣旨実読済み原記事の確認記録に基づく。対象の版・頁・関連範囲は以下の記録による。採点実感実読済み原記事の確認記録に基づく。関連範囲,資料間の相違と未確認部分の留保は以下の記録による。

問題文・公式資料の上記範囲,行政一次資料及び退職金判決の判断部分は実読した。公式が述べた内容と,本記事が定めた評価単位・重み・事実評価は区別される。個別の先例原文が独立に確認できていない範囲と,具体的請求額・減額割合は未確定であり,その限界から結論を唯一解としない。

令和6年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問12 設問23 設問3①4 設問3②5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 基準時の法令3 裁判例及び確認状態

令和6年司法試験・倒産法第1問について,役員責任の保全と査定,破産者の情報収集,相当価格・廉価での財産処分の否認を整理する。40の評価項目と5段階の重みを示し,2500字以内の完成答案を掲載する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 倒産法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目40項目(重み5:6項目)重みの合計143(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2299字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験の論文式試験・選択科目「倒産法」第1問である。試験日は令和6年7月10日であるが,問題文の指定に従い,法令の基準時は令和6年1月1日とする。

設問1は役員責任の保全処分と査定,設問2は説明義務・重要財産開示・業務及び財産の検査・郵便物の回送等,設問3は①相当価格での処分に関する161条,②廉価処分に関する160条1項1号が主ルートとなる。完成答案は両譲渡の否認を肯定するが,①の結論を公式が唯一指定したものとは扱わない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,出題の趣旨と採点実感の対象範囲から独自に抽出したものであり,法務省の公式採点基準ではない。通し番号は記事全体で1から40までとする。各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。条件付きの別構成を全答案の累積要求にしない。「記載なし」は関連範囲を実読した結果であり,「間接」は関連記述からの推論である。根拠欄はPDFの通し頁と該当箇所を示した要約である。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

2 5段階の重み付けの基準重み判断基準5採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの4出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項3どちらか一方が明示する中核の理由付け2一方が軽い表現で触れる補強,又は典型的な誤り1一方が控えめに触れる事項

本問の重み4は,出題の趣旨が検討を求め,採点実感も評価又は具体的な誤りの指摘を通じて取り上げた事項とした。「高く評価」と明記された場合に限る基準ではない。重み5も高評価の事項と答案の骨格を区別し,一律に必須へ格上げしない。重みは本記事の分析用であり,公式配点ではない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

A社は子供服の小売店10店舗を営んでいたが,債務超過と資金難の中で4店舗の事業を譲渡し,他の6店舗を閉店して事業を停止した。設問1では,BがA社から弟へ独断で1000万円を貸し付け,返済が見込めなくなった事実を基に,Dによる役員責任の追及手続を問う。設問2は,連帯保証債務を負うB自身にも破産開始決定があり,財産隠匿と多額の遊興費の情報がある場合に,Dと裁判所がBの資産情報を収集する制度を問う。設問3①は,価値4000万円の4店舗の事業をE社へ同額で譲渡し,代金全額を取締役Fの期限到来済みの借入金へ弁済した場合,②は同じ4店舗の事業をG社へ譲渡し,1000万円の代金に加えHへの3000万円の債務引受けを行った場合である。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1DによるBの役員責任追及A社から弟への貸付けに関する事実。破産手続内の保全・査定等の手続を示す。設問2Bの資産情報収集B自身も破産開始。財産隠匿・遊興費の情報。Dと裁判所の各制度を区別して説明する。設問3①E社への事業譲渡とFへの弁済事業価値と対価は各4000万円。譲渡と弁済を区別して否認を検討する。設問3②G社への譲渡とHへの債務引受け対価1000万円と3000万円の引受け。行為と受益者を区別し,否認要件を当てはめる。
第4 評価項目と重み1 設問1

本記事で重み5とした評価項目は,元番号20・25・30・33・39・40の6項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1Dが177条1項に基づくBの財産の保全処分を裁判所へ申し立てられることを示す。4PDF23頁・第1問「役員の財産に対する」。PDF1頁・3⑴「保全処分の申立て」。2保全の趣旨を,役員に対する損害賠償請求権の回収の実効性確保として説明する。4PDF23頁・第1問「それぞれの制度趣旨」。PDF2頁・3⑴「回収の実効性を確保する」。3保全の必要性を,B自身の預金の隠匿・費消による回収困難のおそれに結び付ける。4PDF23頁・第1問「要件等の説明」。PDF1頁・3⑴「Bが預金を費消するおそれ」。4保全対象をBのE銀行に対する預金債権として具体化する。3関連範囲に記載なし。PDF1頁・3⑴「保全対象となる財産(銀行預金)」。5Dが178条1項に基づく役員責任査定を裁判所へ申し立てられることを示す。4PDF23頁・第1問「役員の責任の査定の申立て」。PDF1頁・3⑴「役員の責任の査定の申立て」。6査定の趣旨を,通常訴訟より簡易迅速な決定手続による債務名義取得として説明する。4PDF23頁・第1問「それぞれの制度趣旨」。PDF2頁・3⑴「簡易迅速に債務名義を取得する」。7Bによる危機下の弟への独断貸付けと回収不能を,役員責任の要件に当てはめる。4PDF23頁・第1問「忠実義務違反に当たる行為」。PDF1頁・3⑴「事実を各要件に当てはめ」。8査定申立ての原因事実について178条2項の疎明が必要であることを示す。2関連範囲に記載なし。PDF1頁・3⑴「その原因となる事実を疎明」。9申立ての疎明だけで役員責任査定決定をしてよいと誤解しない。2関連範囲に記載なし。PDF1頁・3⑴「疎明があれば役員責任査定決定」。10Dが保全処分・責任査定の裁判を自ら行えると記述しない。2関連範囲に記載なし。PDF1頁・3⑴「申立てと判断の主体を峻別せず」。2 設問2番号評価項目重み出題の趣旨採点実感11B個人が40条1項1号の破産者として必要な説明をする義務を負うことを示す。4PDF23頁・第1問「説明義務」。PDF2頁・3⑴「破産者の説明義務」。1241条に基づき,開始後遅滞なく重要財産の内容を書面で裁判所へ提出する義務を説明する。4PDF23頁・第1問「重要財産開示義務」。PDF2頁・3⑴「重要財産開示義務」。13Dが83条1項前段に基づきBへ破産に関する必要な説明を求められることを示す。4PDF23頁・第1問「説明を求めることができる」。PDF2頁・3⑴「第83条第1項前段」。14Dが83条1項後段に基づき財団に関する帳簿・書類その他の物件を検査できることを示す。4PDF23頁・第1問「物件を検査することができる」。PDF2頁・3⑴「管財人の調査権」。15裁判所が81条1項に基づきB宛て郵便物等をDへ配達する旨を嘱託できることを示す。4PDF23頁・第1問「郵便物等を破産管財人に」。PDF2頁・3⑴「郵便物の管理を摘示できた答案」。1640条1項のBの義務と83条1項前段のDの権限を対応する規律として区別する。4PDF23頁・第1問「破産者の説明義務に基づき」。PDF2頁・3⑴「義務と破産管財人の権限とで分けて」。17重要財産開示・郵便物管理における裁判所と,説明請求・検査をするDの主体を区別する。4PDF23頁・第1問「裁判所は」。PDF2頁・3⑴「管財人と裁判所とを区別」。18Bの個人破産をA社の破産と混同して40条1項3号を適用しない。2関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「第40条第1項第3号」。19情報収集を問う設問に153条以下の換価の規律だけで答えない。2関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「第153条以下の規律」。3 設問3①番号評価項目重み出題の趣旨採点実感204000万円の価値に同額の金銭対価を得た処分として161条1項を選択する。5PDF24頁・第1問「相当な対価を取得」。PDF2頁・3⑴「相当の対価を得てした財産の処分行為」。21161条が160条1項の特則として,実質的減少防止と受益者保護のため厳格な要件を置く趣旨を説明する。4関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「受益者の利益を不当に害しない」。22161条1項1号の隠匿等処分の現実的危険を,事業から金銭への種類変更から客観的に判断する。4PDF24頁・第1問「第161条第1項各号」。PDF2頁・3⑴「財産の種類の変更によって客観的に」。
原典照合補足:採点実感PDF実頁2頁は『第160条第1項第1号』と記すが、直前の161条の説明及び出題趣旨24頁との対応から、本項目は161条1項1号の検討として整理する。公式資料の表記と区別する。23譲渡時の債務超過を実質的危機時期の事情として危険の判断に用いる。2関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「実質的危機時期(債務超過)」。24第1号の客観的危険の認定に,実際のFへの弁済を必須要件として要求しない。2関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「実際の用途(Fへ弁済したこと)」。25期限到来済みの本旨弁済をする意思は原則として隠匿等処分意思と同視できないことを検討する。5PDF24頁・第1問「通常、隠匿等の処分をする意思には含まれない」。PDF2頁・3⑴「本旨弁済の意思は原則として」。26FがA社の取締役という内部者である事情を,通常の本旨弁済と比較して第2号の意思判断に反映する。4PDF24頁・第1問「債権者が破産会社の取締役」。PDF2頁・3⑴「弁済の相手方が内部者たるF」。27A社・E社の代表者が同一のBであることから,161条1項3号のE社の知情を検討する。4PDF24頁・第1問「第161条第1項各号」。PDF2頁・3⑴「A社とE社の代表者が同一」。28E社の知情について161条2項1号・2号を安易に類推適用しない。2関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「上記のような類推適用は適切ではない」。29否認対象を事業譲渡に保ち,Fへの偏頗弁済自体の否認へ答案を置き換えない。4関連範囲に記載なし。PDF2頁・3⑴「問題文の指示と異なる行為」。4 設問3②番号評価項目重み出題の趣旨採点実感30廉価譲渡として160条1項1号の要件を主位的に検討する。5PDF24頁・第1問「第160条第1項第1号」。PDF3頁・3⑴「廉価で売却されているから」。314000万円の事業価値に対し,責任財産に流入した金銭が1000万円であるという実質的減少を説明する。4PDF24頁・第1問「財産の実質的減少を伴うか」。PDF3頁・3⑴「財産減少があったことを指摘」。32金銭対価と3000万円の債務引受けを合わせれば総体として減少がないとの反論を示す。4PDF24頁・第1問「総体としては財産に減少はない」。PDF3頁・3⑴「総体としては財産減少がない」。33H以外の債権者の引当財産が減少するため,債務引受けによって詐害性が否定されないと説明する。5PDF24頁・第1問「債務引受けの対象とならなかった」。PDF3頁・3⑴「H以外の債権者にとっては」。34譲渡時の債務超過を,実質的危機時期における詐害行為の判断に用いる。2関連範囲に記載なし。PDF3頁・3⑴「それが実質的危機時期になされたか」。35A社が危機下の譲渡を自ら行った事情から,破産者の詐害意思を検討する。4PDF24頁・第1問「第160条第1項第1号」。PDF3頁・3⑴「当該行為を自ら行った破産者」。36G社が債務超過・資金難・事業停止の説明を受けた事情から,受益者の悪意を検討する。4PDF24頁・第1問「第160条第1項第1号」。PDF3頁・3⑴「破産者から説明を受けていた受益者」。37他の債権者の引当財産の減少を論じる範囲では,免責的・重畳的債務引受けを区別しなくてもよい。(【適用条件】160条の詐害性を他の債権者の共同担保から判断する範囲。免責的・重畳的の区別を独立した加点要件にしない。2関連範囲に記載なし。PDF3頁・3⑴「区別する必要はない」。38閉店・事業停止予定の説明だけで,支払不能を外部へ表示した支払停止と認定しない。2関連範囲に記載なし。PDF3頁・3⑴「支払不能の旨を外部に表示した」。39161条の構成を採るなら,対価が共同担保へ流入せず他の債権者の責任財産が減少する点を丁寧に処理する。(【適用条件】②を161条の問題として構成する場合。160条による主たる構成に39・40を一律に追加しない。5関連範囲に記載なし。PDF3頁・3⑴「丁寧に論じなければ説得的ではない」。40162条の構成を検討するなら,譲渡当時に支払不能・支払停止を認める事実がないことを処理する。(【適用条件】②を162条の問題として検討する場合。本件譲渡当時に支払不能・支払停止を示す事実がない点を処理する。5関連範囲に記載なし。PDF3頁・3⑴「支払不能又は支払停止に当たる事実」。5 答案全体

一般的な指摘として,根拠条文を正確に摘示し,規範・具体的事実・法的効果を結び付ける。これは独立した重みなしの注意事項であり,40項目の件数及び重み合計に含めない。

6 重みの分布

重み1=0項目,重み2=10項目,重み3=6項目,重み4=14項目,重み5=10項目。合計40項目,重みの合計は143。

主な評価項目は,番号1(Bの財産の保全処分申立て),3(B自身の預金についての保全の必要性・高評価),5(役員責任査定の申立て),6(査定の簡易迅速な手続と債務名義取得),11(B個人の説明義務),15(裁判所によるB宛て郵便物等の回送嘱託),20(相当価格の処分に161条を選択),25(本旨弁済意思の原則を検討),30(廉価処分に160条1項1号を選択),33(H以外の共同担保減少)である。番号3を除く各項目は主ルートの骨格に当たり,番号3は具体的な必要性の評価が評価の分かれ目となる事項である。全項目の適用対象は本問の全答案だが,高評価と必須の区分は維持する。

第5 模範解答1 答案の前提と表記

以下の条文は,会社法と明記したものを除き破産法である。問題文指定の基準時の法令を用いる。答案本文は見出し・改行を含め2342字(Unicodeコードポイントで計算)である。設問3①は,本旨弁済意思に関する原則を示した上で内部者Fへの弁済目的等から否認を肯定する立場を採る。

2 答案

第1 設問1
1 Bは,既に債務超過に陥っていたA社から,資金繰りに窮する弟へ独断で1000万円を貸し付けさせた。A社と弟の資金事情から回収可能性を慎重に検討すべき状況で独断の貸付けを行い,A社に回収不能の損害を与えたとして,忠実義務違反による任務懈怠に基づく損害賠償責任が問題となる(会社法355条,423条1項)。DはA社に帰属するこの請求権を破産財団のために行使する。
2 Dは破産裁判所に,Bの財産に対する保全処分を申し立てられる(破産法177条1項。以下,条文は同法)。A社は法人で開始決定を受け,Bはその取締役である。必要性は,Bが自己の財産を隠匿・費消し,損害賠償請求権の回収が困難になるおそれをいう。BのE銀行に対する預金債権を対象とし,Bが預金を引き出して費消するおそれが認められれば保全を求める。A社の財産の散逸を防ぐ手続とは区別する。趣旨は役員責任の回収の実効性を確保し,総債権者の利益を保護する点にある。
3 Dは,役員責任査定も申し立てられる(178条1項)。本件貸付けと回収不能等の原因事実を疎明する必要がある(同条2項)。ただし,これは申立てについての規律であり,疎明のみで損害賠償責任を認定してよいものではない。裁判所が必要性及び責任の成立を審理し,Bを審尋した上で理由を付した決定をする(179条)。通常訴訟より簡易迅速な決定手続で債務名義を取得し,財団を充実させる制度である。裁判をするのはDではなく裁判所である。
 査定決定に不服があれば,送達から1月の不変期間内に異議の訴えを提起できる(180条1項)。期間内に訴えがなく,又は却下された場合,決定は給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する(181条)。

第2 設問2
1 B自身の破産について,Dは,Bに破産に関する必要な説明を求められ(83条1項前段),Bはこれに応じる義務を負う(40条1項1号)。隠匿が疑われる財産の所在,遊興費の支出と原資,預貯金や財産移転の状況等を具体的に説明させる。「資産がない」との回答だけで必要な説明を尽くしたとはいえない。Dは破産財団に関する帳簿,書類その他の物件を検査できる(83条1項後段)。説明義務と調査権限を対応させ,BがA社の取締役であることを理由に40条1項3号を適用しない。
2 Bは,開始決定後遅滞なく,不動産,現金,有価証券,預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出する義務を負う(41条)。裁判所は,この義務に基づき書面提出を求め,Dはその情報を財産調査に用いる。
3 裁判所は,Dの職務遂行に必要と認めるとき,B宛ての郵便物等をDへ配達すべき旨を信書送達事業者へ嘱託できる(81条1項)。Dはこれを開いて見ることができ(82条1項),金融機関等との通信から資産の手掛かりを得る。嘱託主体は裁判所,受領・開披主体はDである。Bは閲覧又は財団に関しない郵便物の交付を求められる(同条2項)。これらは情報収集の手段であり,財産の換価手続とは異なる。

第3 設問3
1 ①について
(1) 事業価値4000万円に対して同額の金銭を取得しており,161条1項を検討する。同条は160条1項の特則である。相当対価を得る取引では責任財産は直ちに減少しないため,受益者の利益を不当に害さず,換価後の財産の散逸による実質的減少を防ぐために厳格な要件を置く。
(2) 第1号について,事業を流動性の高い金銭へ換えると隠匿・費消等が容易になる。A社は既に債務超過にあり,資金難のまま事業を停止している。この実質的危機時期の現金化は,隠匿等処分の現実的危険を生じさせる。これは種類の変更から客観的に判断し,実際にFへ弁済したことを必須要件とはしない。
(3) 第2号について,Fへの借入金は期限到来済みであり,本旨弁済をする意思は原則として隠匿等処分意思と同視できない。通常の債務弁済まで当然に含めると,偏頗行為否認の規律との区別を失うからである。
 しかし,FはA社の取締役という内部者である。A社が事業を停止し,他の債権者への弁済も見込めない局面で,代金全額を同日にFへ優先的に移す行為は,通常の取引債権者への弁済とは異なる。本件では内部者のために責任財産を散逸させる処分として隠匿等処分に含めるべきであり,同日全額弁済から譲渡時にその意思があったと推認する。
(4) BはA社及びE社双方の代表者であり,E社もこの意思を知っていたと認められる(第3号)。161条2項の悪意推定を類推する必要はない。よってDはE社に対し事業譲渡を否認できる。Fへの弁済自体の否認は本問の対象ではない。
2 ②について
(1) A社が取得した金銭は1000万円であり,廉価譲渡として160条1項1号を検討する。事業譲渡自体は,担保供与又は債務消滅行為ではない。
(2) 債務引受額3000万円を加えると総体として財産減少がないようにも見える。しかし,H以外の債権者にとって,4000万円の引当財産が1000万円に減る。債務引受けによるHの利益は,共同担保への相当対価の流入に代わらず,詐害性を否定しない。この判断に債務引受けの免責的・重畳的の区別は不要である。債務超過という実質的危機時期の処分であり,破産債権者を害する。
(3) A社は自ら危機下で譲渡しており,詐害意思を有する。G社も債務超過,資金難及び事業停止の説明を受けており,債権者を害することを知らなかったとはいえない。したがってDはG社に対し事業譲渡を否認できる。閉店・事業停止の予定の説明だけでは,支払不能の対外的表示である支払停止とはいえず,同項2号を根拠にはしない。
以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
評価項目と答案の対応表

主な評価項目及び条件付きの項目の参照箇所を示す。注意は誤った記述を避けるための項目であり,別構成の記載を一律に求めるものではない。
表に掲げない番号は,4・8~10・18~19・21・23~24・28~29・34・38である。対応する設問の答案と,以下の解説を併せて参照する。

評価項目と答案の対応(重み5・4及び条件付きの項目)番号重み評価項目答案の該当箇所・留保14Dが177条1項に基づくBの財産の保全処分を裁判所へ申し立てられることを示す。答案124保全の趣旨を,役員に対する損害賠償請求権の回収の実効性確保として説明する。答案134保全の必要性を,B自身の預金の隠匿・費消による回収困難のおそれに結び付ける。答案154Dが178条1項に基づく役員責任査定を裁判所へ申し立てられることを示す。答案164査定の趣旨を,通常訴訟より簡易迅速な決定手続による債務名義取得として説明する。答案174Bによる危機下の弟への独断貸付けと回収不能を,役員責任の要件に当てはめる。答案1114B個人が40条1項1号の破産者として必要な説明をする義務を負うことを示す。答案212441条に基づき,開始後遅滞なく重要財産の内容を書面で裁判所へ提出する義務を説明する。答案2134Dが83条1項前段に基づきBへ破産に関する必要な説明を求められることを示す。答案2144Dが83条1項後段に基づき財団に関する帳簿・書類その他の物件を検査できることを示す。答案2154裁判所が81条1項に基づきB宛て郵便物等をDへ配達する旨を嘱託できることを示す。答案216440条1項のBの義務と83条1項前段のDの権限を対応する規律として区別する。答案2174重要財産開示・郵便物管理における裁判所と,説明請求・検査をするDの主体を区別する。答案22054000万円の価値に同額の金銭対価を得た処分として161条1項を選択する。答案3(1)224161条1項1号の隠匿等処分の現実的危険を,事業から金銭への種類変更から客観的に判断する。答案3(1)255期限到来済みの本旨弁済をする意思は原則として隠匿等処分意思と同視できないことを検討する。答案3(1)264FがA社の取締役という内部者である事情を,通常の本旨弁済と比較して第2号の意思判断に反映する。答案3(1)274A社・E社の代表者が同一のBであることから,161条1項3号のE社の知情を検討する。答案3(1)305廉価譲渡として160条1項1号の要件を主位的に検討する。答案3(2)3144000万円の事業価値に対し,責任財産に流入した金銭が1000万円であるという実質的減少を説明する。答案3(2)324金銭対価と3000万円の債務引受けを合わせれば総体として減少がないとの反論を示す。答案3(2)335H以外の債権者の引当財産が減少するため,債務引受けによって詐害性が否定されないと説明する。答案3(2)354A社が危機下の譲渡を自ら行った事情から,破産者の詐害意思を検討する。答案3(2)364G社が債務超過・資金難・事業停止の説明を受けた事情から,受益者の悪意を検討する。答案3(2)372他の債権者の引当財産の減少を論じる範囲では,免責的・重畳的債務引受けを区別しなくてもよい。(【適用条件】160条の詐害性を他の債権者の共同担保から判断する範囲。免責的・重畳的の区別を独立した加点要件にしない。答案3(2)。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。395161条の構成を採るなら,対価が共同担保へ流入せず他の債権者の責任財産が減少する点を丁寧に処理する。(【適用条件】②を161条の問題として構成する場合。160条による主たる構成に39・40を一律に追加しない。答案3(2)。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。405162条の構成を検討するなら,譲渡当時に支払不能・支払停止を認める事実がないことを処理する。(【適用条件】②を162条の問題として検討する場合。本件譲渡当時に支払不能・支払停止を示す事実がない点を処理する。答案3(2)。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。
(1)保全と査定の役割を分ける

保全はB自身の預金の費消等による回収困難を防ぎ,査定は簡易迅速な決定手続により役員責任の債務名義を得る。A社の資金流出だけでBの財産についての保全の必要性を認定しない。178条2項の疎明は申立ての規律であり,責任認定全体を疎明だけで済ませるものではない。

(2)情報を得る相手と権限の主体

Bには個人破産の説明義務と重要財産開示義務がある。DがBへ説明を求め,財団に関する帳簿・書類等を検査する権限は83条1項による。郵便物の回送嘱託は裁判所の措置であり,Dが自ら郵便局へ嘱託する制度ではない。義務の相手方と権限行使主体を対応させ,A社の破産でのBの取締役としての義務と混同しない。

(3)相当価格の処分と本旨弁済

161条1項1号の客観的な隠匿等のおそれと,2号のA社の意思,3号のE社の認識は区別する。実際の代金使途だけで1号を満たすとはいえない。本旨弁済意思は原則として隠匿等の意思に当たらないという出題の趣旨・採点実感の記述を示し,Fが取締役である事実を評価する。否認を否定する立場も,規範と事実評価が一貫していれば排除されない。E社の悪意は,共通代表者Bの実際の認識で検討し,161条2項の推定を安易に類推しない。

(4)債務引受けを含む対価と共同担保

3000万円の債務引受けを考慮すると資産と負債が同額減るという反論はある。しかし,H以外の債権者にとって,価値4000万円の4店舗の事業が現金1000万円へ変われば共同担保が減少する。G社の悪意はA社からの説明等で判断する。店舗閉鎖を当然に支払停止とすることはできない。

(5)完成答案までの補正と確認の限界

事前答案では,保全・査定,主体別の情報収集及び共同担保の減少を復元できた一方,本旨弁済の原則,161条の客観的要件と主観的要件の区別,債務引受けを含む反論が不足していた。初期の資料探索で主担当が対象年の校正記録の一部に接触したため,それを証拠から隔離し,その内容を共有しない別担当が問題文と一次資料から事前答案を作成・固定した。主担当自身の完全未読を意味するものではない。判決原文は独立確認できていないため,公式資料の命題を裁判例確認済みとは表示しない。

第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

1 令和6年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目

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①令和7年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)②令和5年司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―44項目と5段階の重み付け(AI作成)③令和4年司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した46項目と5段階の重み付け(AI作成)④令和3年司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)
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3 偏頗弁済と否認権―破産法160条・161条・162条の使い分け,廉価譲渡,相当対価処分及び債務引受け

第7 出典及び確認状態1 公式資料

1 法務省・令和6年司法試験論文式試験問題集[選択科目](倒産法第1問:2~3頁)
2 法務省・令和6年司法試験論文式試験出題の趣旨(倒産法第1問:23~24頁)
3 法務省・令和6年司法試験の採点実感[選択科目](倒産法総論及び第1問:1~3頁)

出題の趣旨は23頁の倒産法見出しから24頁の第2問見出しの前まで,採点実感は1頁の総論・第1問部分,2頁全部,3頁の第2問見出しの前までを読んだ。各頁の抽出文字数を点検し,対象範囲の引用語句を抽出本文と照合した。採点実感の設問3①第1号の箇所には160条とあるが,文脈と基準時法令から161条を指す誤記と推認した。公式原文の記載とこの推論を区別する。

2 基準時の法令

1 破産法(基準時に適用される改正版)
2 会社法(基準時に適用される改正版)

e-Gov法令APIで改正版本文を取得し,本問で用いる条文を確認した。破産法の保全・査定,情報収集及び否認の各条文と,会社法の忠実義務・取締役の損害賠償責任を確認した。

3 裁判例及び確認状態
公式資料の状態資料状態確認範囲・留保出題の趣旨実読済み原記事の確認記録に基づく。対象の版・頁・関連範囲は以下の記録による。採点実感実読済み原記事の確認記録に基づく。関連範囲,資料間の相違と未確認部分の留保は以下の記録による。

本問に直接対応する判決原文の独立確認は未了(Unknown)である。判例秘書は未検索であり,検索で原文が見つからなかったことを判例の不存在の根拠にしない。公式資料が述べる本旨弁済の原則はSource statement,条文の確認はConfirmed,本件への具体的適用と肯定結論はInferenceとして区別した。

令和6年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した41項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付け3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴2 設問1⑵3 設問1⑶4 設問25 答案全体に関する一般的な指摘6 重みの分布第5 模範解答1 前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問に関連するブログ記事第7 出典及び確認状態1 法務省の公式資料2 法令・裁判例3 確認状態と残る留意点

令和6年司法試験の知的財産法第1問について,2500字以内の模範解答と,法務省の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した41項目を示す。
技術的範囲と発明の要旨の区別,自己公表の例外手続,数量制限違反と消尽の接続が中心である。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 知的財産法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目41項目(重み5:8項目)重みの合計161(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2275字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験・知的財産法第1問である。
設問1ではXの技術的範囲に関する主張を認めず,Y1の無効の抗弁を検討する。
設問2は設問1と独立しており,反論を示した上で数量超過分の販売停止を肯定する構成を採る。

本記事の評価表は,法務省の公式採点基準や配点表ではない。
肯定説・否定説が許容される場面では,結論を揃えることよりも理由と法的効果を一貫させることを重視する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

番号は記事全体で1〜41の通し番号である。
各行を一つの判定対象に分け,「必須」「高評価」「注意」「許容分岐」と適用条件を示した。
条件付きの分岐を全答案への累積要求にはしない。
引用の頁はPDFの通し頁である。
「間接」は関連記述からの推論,「記載なし」は本問の関連範囲を実読した結果を意味する。

2 5段階の重み付け

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重み4の「取り上げた」には具体的な誤りの指摘を含み,すべてを「高く評価された事項」とはしない。
区分と重みは別の軸であり,高評価や注意でも重み5になり得る。
重みの総和166は独自指標で,公式得点ではない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

設問1では,AとBからなる合金の特許について,請求項の上位概念B,実施例α(Aとb1),不適当とされたβ(Aとb2),拒絶理由への意見書が与えられている。
⑴は均等論を除く技術的範囲,⑵は訂正を考慮しない無効の抗弁,⑶は出願9か月前にXが自己公表した場合の主張と手続を問う。

設問2では,通常実施権者Y2が許諾上限10万トンを製造・販売した後,追加2万トンをY3へ販売する。
Y3は許諾の存在を知っているが数量制限を知らず,正規品と超過品の識別は困難である。
契約は解除されていない。
Xの販売停止請求,Y3の反論,自説の理由を検討し,独占禁止法の問題は扱わない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1⑴合金の特許の技術的範囲均等論を除く。出願経過の与件に従う。Xの主張の当否を論じる。設問1⑵Y1の無効の抗弁訂正は考慮しない。要旨認定と技術的範囲を区別して抗弁を検討する。設問1⑶出願9か月前の自己公表公表との起因関係等の不明点は条件を分ける。Xが採る主張と例外手続を示す。設問2Xの販売停止請求とY3の反論契約未解除。数量制限をY3は知らない。独禁法は除く。許諾・数量超過・消尽を検討し,自説の理由を示す。
第4 評価項目と重み1 設問1⑴

本記事で重み5とした評価項目は,元番号4・7・17・22・23・25・28・37の8項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感170条1項により請求項の記載を出発点に技術的範囲を判断する。
【適用条件】適用条件:全答案
4PDF29頁・2。「特許請求の範囲の記載に基づいて確定す」(直接)PDF21頁・2⑴ア・小問⑴。「特許請求の範囲の記載に基づいて確定するこ」(直接)2明細書・意見書と文言のずれを踏まえ,Bの文言どおり範囲を確定できるかを問題にする。
【適用条件】適用条件:全答案
4PDF29頁・2。「意見書の内容などの本問の事実関係に照らして」(直接)PDF21頁・2⑴ア・小問⑴。「文言通り確

(続きを読む...)令和6年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した41項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1:手付金と譲渡所得の計算2 設問2:解除・原状回復と更正の請求3 設問3:違約金の所得分類・年分4 設問4:事業上の貸倒損失5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問と関連する記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験の租税法第1問について,完成答案と,公式資料から独自に抽出した56の評価項目を示す。重みは1~5の5段階であり,法務省の公式採点基準・配点ではない。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 租税法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目56項目(重み5:11項目)重みの合計215(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2269字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験論文式試験・選択科目の租税法第1問(問題PDF8~9頁,配点40点)である。本問では,令和5年分の譲渡所得は350万円,解除と現実の原状回復後はその課税要件事実が遡及的に消滅し,通常の更正の請求を行う。違約金300万円は令和6年分の一時所得,Bの貸倒損失2000万円は令和5年分事業所得の必要経費とする答案を示す。

評価項目は56項目,重みの合計は215,重み5は11項目である。重み5のうち番号54は高評価事項であり,全答案に必須とする趣旨ではない。許容分岐は選んだ構成に限って評価する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

一つの項目に一つの判定対象を置き,適用条件・注意・許容分岐を区別した。注意は明確な誤りや不要な記載を避けるための項目である。表の番号は記事全体で連続し,資料の頁はPDFの物理頁を表す。「記載なし」は第1問に関する範囲を読んだ結果,「間接」は関連する記載から導いた推論である。短い語句を除き,項目本文は独自に具体化したものである。

2 5段階の重み付けの基準

重み5=採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのもの。重み4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。重み3=どちらか一方が明示する中核の理由付け。重み2=一方が軽く触れる補強又は典型的な誤り。重み1=一方が控えめに触れるだけの事項。

重み4を「両資料が高く評価したもの」に限定する基準は採っていない。根拠欄の取り上げ方に従って判断し,段階別の件数は割り当てていない。項目数や重みの合計は,公式得点や合格可能性を意味しない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

Aは平成29年に3000万円で取得した居宅用地を,令和4年12月,時価4000万円のところBへ3500万円で売る契約をし,解約手付と違約手付を兼ねる300万円を受領した。令和5年3月1日に現金2700万円の支払を受け,手付を代金に充当して土地・登記書類を引き渡したが,残代金500万円は未払となった。令和6年4月10日に債務不履行解除し,土地を取り戻して,受領済み3000万円から違約金300万円を控除した2700万円を4月20日に返した。返還時の土地時価は4100万円である。

Bの卸売業に係るCへの売掛債権2000万円は,令和4年分の事業収入に計上済みである。Cは令和5年3月に破産手続開始決定を受け,同年12月15日の終結により全額回収不能が確定した。設問は①令和5年の譲渡所得の計算(譲渡費用100万円),②解除後の計算と更正請求,③違約金の所得分類・年分,④貸倒損失の処理を問う。租税特別措置法は考慮せず,法令は令和6年1月1日施行版による。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1Aの令和5年譲渡所得譲渡費用100万円。令和6年1月1日法,租特法は除く。収入金額・取得費等を区別し計算する。設問2解除による所得計算と更正請求令和6年4月の解除・返還の事実。解除後の計算と請求根拠・期間を示す。設問3控除した違約金300万円解除日・精算日と年分を区別。所得分類と収入すべき年分を理由とともに示す。設問4Bの売掛債権2000万円令和4年収入計上済み。令和5年回収不能確定。貸倒損失の処理と年分を示す。
第4 評価項目と重み1 設問1:手付金と譲渡所得の計算

本記事で重み5とした評価項目は,元番号4・18・23・25・28・37・41・43・44・49・54の11項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感133条3項の総収入金額・取得費・譲渡費用・特別控除の計算構造から検討する。
426頁・設問1:「譲渡所得金額算定の条文」5頁・設問1:「解答の出発点」236条1項の「収入すべき金額」を権利確定主義によって解釈する。
426頁・設問1:「判例が権利確定主義を採用」5頁・設問1:「権利確定主義」3収入金額とその帰属年を一体で特定する。
426頁・設問1:「令和5年分のAの譲渡所得」6頁・設問1:「その年度帰属と不可分の概念」4譲渡における権利確定を売主の全債務履行・同時履行の抗弁消滅に具体化する。
526頁・設問1:「土地の譲渡の場合に何をもって権利確定」6頁・設問1:「同時履行の抗弁権の消滅」5解約手付・違約手付を兼ねる300万円の私法上の性質を踏まえる。
426頁・設問1:「解約手付と違約手付を兼ねる」6頁・設問1:「手付金の民法上の性質」6民法557条1項による売主の手付倍返しの可能性を検討する。
2記載なし(倍返しの具体的記載。関連範囲実読)6頁・設問1:「民法第557条第1項」7手付金の令和4年の受領だけでは確定取得しないと理由付ける。
【適用条件】手付金が令和5年に権利確定する基本構成の場合。18の別構成は、手付の性質・所得類型・控除等を整合的に理由付けた場合に許容される。426頁・設問1:「どの時点で権利確定」6頁・設問1:「いまだ権利確定せず」8令和5年の履行・代金充当により手付金を同年の総収入に含める。
【適用条件】同上。426頁・設問1:「手付金300万円の扱い」6頁・設問1:「手付が売買代金に充当」9現金2700万円・手付300万円・未収500万円を合わせて総収入3500万円とする。
【適用条件】基本構成では総収入金額3,500万円。3,200万円とする別構成は18の条件を満たす場合に限り許容される。426頁・設問1:「総収入金額に算入される金額」6頁・設問1:「3500万円とするのが正答」10未払500万円を未収であることだけで収入から除外しない。
426頁・設問1:「総収入金額に算入される金額」5頁・設問1:「代金債権500万円」11令和6年の解除を期限内申告時の令和5年課税へ先取りしない。
425頁・設問1:「期限内申告」6頁・設問1:「までの事実に基づいて処理」12資産時価4000万円をそのまま総収入金額にしない。
2記載なし(許可関連範囲実読)5頁・設問1:「時価4000万」13契約成立又は支払期限の到来だけで権利確定と決めない。
2記載なし(許可関連範囲実読)6頁・設問1:「契約が成立したことや代金支払期限が到来したことだけ」14取得費3000万円を控除する。
426頁・設問1:「譲渡所得金額算定の条文」6頁・設問1:「取得費」15譲渡費用100万円を控除する。
426頁・設問1:「譲渡所得金額算定の条文」6頁・設問1:「譲渡費用100万円」1633条4項の特別控除50万円を控除する。
426頁・設問1:「第4項」6頁・設問1:「譲渡所得の特別控除額」17保有期間5年超から33条3項2号の長期譲渡所得とする。
426頁・設問1:「保有期間」6頁・設問1:「所有期間5年超」18令和4年計上の別構成を採るなら,手付の性質・所得類型・控除・設問3との整合を論証する。
(当該構成採用時のみ)【適用条件】手付金を令和4年に計上する別構成を採る場合。基本構成に同時に要求しない。5記載なし(許可関連範囲実読)6頁・設問1:「相応の点数を与えた」19譲渡所得と指定されているのに定義・性質の検討を機械的に展開しない。
225頁・設問1:「論じる必要はない」5頁・設問1:「説得力を低下させかね」20権利確定主義を「権利発生主義」と取り違えない。
2記載なし(許可関連範囲実読)5頁・設問1:「発生主義」2 設問2:解除・原状回復と更正の請求番号評価項目重み出題の趣旨採点実感21債務不履行解除を合意解除と取り違えない。
226頁・設問2:「合意解除ではないことに注意」記載なし(許可関連範囲実読)22解除によって売買契約の法的基礎が遡及的に失われることを示す。
426頁・設問2:「売買契約が遡及的に消滅」7頁・設問2:「法的根拠の遡及的消滅」23解除だけで足りず,現金返還と土地回復という現実の原状回復を必要とする。
526頁・設問2:「双方が満足される」7頁・設問2:「2つがそろってはじめて」24原状回復前は経済的成果が残り得るという管理支配上の問題を指摘する。
4記載なし(許可関連範囲実読)7頁・設問2:「税額の遡及的変更には不十分」25私法の変動から資産譲渡・収入の課税要件事実の消滅へ架橋する。
526頁・設問2:「課税要件事実が遡及的」7頁・設問2:「課税要件事実が遡及的にな」26300万円を代金返還と違約金交付に法的に分解する。
426頁・設問2:「原状回復された上での違約金」7頁・設問2:「改めて違約金として交付」27申告済みという23条1項柱書の入口要件を確認する。
426頁・設問2:「同項柱書の他の要件」7頁・設問2:「Aが令和5年の期限内に」2823条1項1号の計算が法規に従わなくなったという要件に当てはめる。
526頁・設問2:「国税に関する法律の規定に従つていなかつた」7頁・設問2:「国税に関する法律の規定に従っていなかった」29税額過大という23条1項1号の要件に当てはめる。
426頁・設問2:「同項柱書の他の要件」7頁・設問2:「税額」30国税通則法23条1項1号の要件を示し、所轄税務署長に対して更正の請求をすることができると結論付ける。
426頁・設問2:「国税通則法第23条第1項第1号」7頁・設問2:「更正の請求」31通常の更正請求は法定申告期限から5年以内であると特定する。
426頁・設問2:「同項柱書の他の要件」7頁・設問2:「法定申告期限から5年以内」3223条2項柱書括弧書きから本件の2月特例を排除する。
4記載なし(許可関連範囲実読)8頁・設問2:「同条第2項は適用できず」33契約存続中の回収不能特例である所得税法64条1項・152条を本件解除に適用しない。
426頁・設問2:間接。「課税要件事実が遡及的」7頁・設問2:「これは誤りである」3423条2項は課税関係安定のための通常請求期間の延長であり,期間内の請求を狭めないと説明する。
【適用条件】23条2項の制度趣旨まで説明できるとより丁寧だが、採点実感8頁は『ここまでの論述を求めているわけではない』と留保する。2記載なし(許可関連範囲実読)8頁・設問2:「ここま」3 設問3:違約金の所得分類・年分番号評価項目重み出題の趣旨採点実感35違約金という名目だけで9条1項18号の非課税としない。
2記載なし(許可関連範囲実読)8頁・設問3:「名目ではなく」36非課税を検討する場合,受領者の損害とその填補・純資産の増加を具体的に検討する。
【適用条件】非課税所得を検討する場合。違約金という名目のみで非課税にしない。4記載なし(許可関連範囲実読)8頁・設問3:「受領者における損害の発生とその填補」37代金の原状回復と別の違約金取得から譲渡所得該当性を否定する。
526頁・設問3:「譲渡所得」8頁・設問3:「返還される一方で」3834条の位置に従い他の所得類型を除外してから一時・雑所得を判定する。
426頁・設問3:「一時所得(所得税法第34条)の条文の位置」8頁・設問3:「他のいずれの所得類型にも当たらない」39単発の売買の解除による非継続的・偶発的収入であると当てはめる。
426頁・設問3:「偶発性(非継続性)」8頁・設問3:「単発の売買契約」40労務・役務又は資産譲渡の対価でないと当てはめる。
426頁・設問3:「非対価性」8頁・設問3:「労務や」41一時所得についても36条1項の権利確定を用いて帰属年を論証する。
526頁・設問3:「権利確定がどの年に」9頁・設問3:「年度帰属は権利確定主義が基準」42令和6年の解除・原状回復後の違約金の取得を理由に令和6年分とする。
【適用条件】令和6年に権利確定する基本構成の場合。43・44の別構成にも同年帰属を重ねて必須にしない。426頁・設問3:「令和6年4月」9頁・設問3:「令和6年」
原典照合補足:問題PDF実頁8頁は、令和6年3月のQ社株式譲渡、4月10日の解除通知、4月20日の差引返金を示す。出題趣旨26頁は4月、採点実感9頁は3月と記す。本問の事実説明は問題文の4月の時系列に従い、基本構成の帰属年は令和6年とする。43令和5年9月帰属を採るなら,残代金による履行完了を望んでいた意思との整合を論証する。
(当該構成採用時のみ)【適用条件】令和5年9月帰属の別構成を採る場合。当事者の意思解釈を含む説得的な理由が必要。5記載なし(許可関連範囲実読)9頁・設問3:「当事者の意思解釈として合理的か」44令和4年12月帰属を採るなら,令和5年の代金充当・設問1の処理との整合を論証する。
(当該構成採用時のみ)【適用条件】令和4年12月帰属の別構成を採る場合。代金充当と設問1の処理との整合が必要。5記載なし(許可関連範囲実読)9頁・設問3:「手付金300万円が代金の一部として」45解除後も代金の一部だったことだけから違約金を譲渡所得としない。
226頁・設問3:「原状回復された上での違約金」8頁・設問3:「法的に成り立」4 設問4:事業上の貸倒損失番号評価項目重み出題の趣旨採点実感46貸倒損失を所得税法51条2項の問題として処理する。
426頁・設問4:「所得税法第51条第2項」9頁・設問4:「所得税法第51条第2項」47Bの債権が事業遂行上生じた売掛金であると当てはめる。
426頁・設問4:「本件Bの債権」9頁・設問4:「事業の遂行上生じた売掛金」48貸倒れの基準として金銭債権全額の回収不能を定立する。
426頁・設問4:「「債権の貸倒れ」の意義」9頁・設問4:「金銭債権の」49全額回収不能が客観的に明らかであるという基準を定立する。
526頁・設問4:「「債権の貸倒れ」の意義」9頁・設問4:「全額の回収不能が客観的に明らか」50令和5年12月15日の破産終結・全額回収不能確定を基準に当てはめる。
426頁・設問4:「本問への当てはめ」9頁・設問4:「令和5年12月15日」512000万円を令和5年分事業所得の必要経費に算入する。
426頁・設問4:「事業所得者の貸倒損失」9頁・設問4:「確定した年度の事業所得の必要経費」52貸倒引当金(52条)と確定した貸倒損失を混同しない。
2記載なし(許可関連範囲実読)9頁・設問4:「異なる制度」53過去年分の所得計算の遡及修正と当年必要経費処理を区別する。
426頁・設問4:「譲渡所得との違い」9頁・設問4:「過去年度の所得計算をやり直す」54反復継続する事業所得では貸倒年の費用として調整する制度趣旨を説明する。
526頁・設問4:「反復継続的な所得」9頁・設問4:「反復継続する事業所得の性質」5 答案全体番号評価項目重み出題の趣旨採点実感55民法上の法律関係を分析して課税要件事実へ接続する。
425頁・答案全体:「課税対象の私法的要素」5頁・答案全体:「民法の基本的」56根拠条文を挙げてその要件を事実に適用する。
425頁・答案全体:「条文の要件を正確に読解」5頁・答案全体:「条文の正確な読解」6 重みの分布

重み1:0項目,重み2:10項目,重み3:0項目,重み4:35項目,重み5:11項目。総数N=0+10+0+35+11=56,重みの合計は215(0+2×8+3×8+4×21+5×19)。

重み5は11項目である。番号4:譲渡における権利確定を売主の全債務履行・同時履行の抗弁消滅に具体化する。 番号18:令和4年計上の別構成を採るなら,手付の性質・所得類型・控除・設問3との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】手付金を令和4年に計上する別構成を採る場合。基本構成に同時に要求しない。 番号23:解除だけで足りず,現金返還と土地回復という現実の原状回復を必要とする。 番号25:私法の変動から資産譲渡・収入の課税要件事実の消滅へ架橋する。 番号28:23条1項1号の計算が法規に従わなくなったという要件に当てはめる。 番号37:代金の原状回復と別の違約金取得から譲渡所得該当性を否定する。 番号41:一時所得についても36条1項の権利確定を用いて帰属年を論証する。 番号43:令和5年9月帰属を採るなら,残代金による履行完了を望んでいた意思との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】令和5年9月帰属の別構成を採る場合。当事者の意思解釈を含む説得的な理由が必要。 番号44:令和4年12月帰属を採るなら,令和5年の代金充当・設問1の処理との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】令和4年12月帰属の別構成を採る場合。代金充当と設問1の処理との整合が必要。 番号49:全額回収不能が客観的に明らかであるという基準を定立する。 番号54:反復継続する事業所得では貸倒年の費用として調整する制度趣旨を説明する。 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

番号1:33条3項の総収入金額・取得費・譲渡費用・特別控除の計算構造から検討する。(本件の主ルート)番号2:36条1項の「収入すべき金額」を権利確定主義によって解釈する。(本件の主ルート)番号4:譲渡における権利確定を売主の全債務履行・同時履行の抗弁消滅に具体化する。(本件の主ルート)番号5:解約手付・違約手付を兼ねる300万円の私法上の性質を踏まえる。(本件の主ルート)番号8:令和5年の履行・代金充当により手付金を同年の総収入に含める。(本件の主ルート)番号22:解除によって売買契約の法的基礎が遡及的に失われることを示す。(本件の主ルート)番号23:解除だけで足りず,現金返還と土地回復という現実の原状回復を必要とする。(本件の主ルート)番号25:私法の変動から資産譲渡・収入の課税要件事実の消滅へ架橋する。(本件の主ルート)番号28:23条1項1号の計算が法規に従わなくなったという要件に当てはめる。(本件の主ルート)番号29:税額過大という23条1項1号の要件に当てはめる。(本件の主ルート)番号33:契約存続中の回収不能特例である所得税法64条1項・152条を本件解除に適用しない。(注意。本件解除の処理における誤り回避)番号37:代金の原状回復と別の違約金取得から譲渡所得該当性を否定する。(本件の主ルート)番号41:一時所得についても36条1項の権利確定を用いて帰属年を論証する。(本件の主ルート)番号46:貸倒損失を所得税法51条2項の問題として処理する。(本件の主ルート)番号47:Bの債権が事業遂行上生じた売掛金であると当てはめる。(本件の主ルート)番号48:貸倒れの基準として金銭債権全額の回収不能を定立する。(本件の主ルート)番号49:全額回収不能が客観的に明らかであるという基準を定立する。(本件の主ルート)番号51:2000万円を令和5年分事業所得の必要経費に算入する。(本件の主ルート)番号54:反復継続する事業所得では貸倒年の費用として調整する制度趣旨を説明する。(理由付けを深める場合の高評価事項)第5 模範解答1 答案の前提と表記

法令基準日は問題文指定の令和6年1月1日,試験実施日は同年7月10日である。答案は標準的な権利確定構成を採り,手付金を令和5年の譲渡対価へ,違約金を令和6年の一時所得へ分類する。答案本文は改行・空白を除いて2,269字(含めて2,310字)で,選択科目1問当たり2,500字の目安内である。所得税法33条の譲渡所得金額350万円と,22条2項2号による総所得算入額175万円は区別し,設問の求める前者を中心に書く。

2 答案

1 設問1
(1) 所得税法33条3項・4項により,譲渡所得は,その年の総収入金額から取得費及び譲渡費用を引き,特別控除額を控除して算出する。本件では,手付金及び未払代金を含む総収入金額の認識が問題となる。
(2) 同法36条1項の「収入すべき金額」は,現実の受領額ではなく,収入の原因となる権利が確定した金額をいう。これは,受領まで課税を待つと納税者の恣意により課税の公平が害されることを防ぐ権利確定主義である。
売買では,売主が契約上の給付を全て履行し,買主の同時履行の抗弁が消滅して代金を確定的に請求できることが基準となる。単なる契約成立や支払期日の到来だけで判断すべきではない。
(3) 本件手付金は解約手付と違約手付を兼ねる。令和4年12月の交付時には,Aも,Bの履行着手前であれば倍額を現実に提供して解除できる(民法557条1項)。手付の授受は売主の履行着手自体ではなく,履行完了・代金充当又は解除のいずれになるか未確定であり,300万円を譲渡対価として確定取得したとはいえない。
令和5年3月1日,Aは土地を引き渡し,登記手続に必要な書類を交付して売主の給付を完了し,手付金を代金に充当した。したがって,現金2700万円,充当した手付金300万円及び確定した未払代金債権500万円を合わせ,3500万円全額を令和5年分の総収入金額に算入する。権利確定主義による以上,未収500万円を除外しない。時価4000万円に置き換える理由もない。
設問1は期限内申告を問うから,法定申告期限の令和6年3月15日までの事実を基礎とし,後の解除を先取りしない。
(4) 取得費3000万円(同法38条1項)及び譲渡費用100万円を控除した譲渡益は400万円である。平成29年10月1日から令和5年3月1日まで5年を超えるから,33条3項2号の長期譲渡所得となる。他の資産の譲渡はないので,同条4項の特別控除50万円を控除し,譲渡所得の金額は350万円となる。

2 設問2
(1) 債務不履行解除により売買契約は遡及的に消滅し,代金債権の根拠も失われる。ただし,法的根拠の消滅だけでは,受領済み代金をAが管理支配する経済的成果が残り得る。
本件では,Aは現実に土地を取り戻し,原状回復として受領済み代金を返還している。300万円の控除も,法的には代金3000万円を返還した上で,別途違約金300万円を取得したものと評価する。この解除と現実の原状回復の双方によって,令和5年の「資産の譲渡」とそれによる「収入すべき金額」を基礎付けた課税要件事実が遡及的に消滅し,本件譲渡所得はなかったものとなる。返還時の土地時価4100万円による新たな売買ではない。
(2) Aは納税申告書を提出済みであり,この課税要件事実の消滅により,申告書の課税標準・税額の計算が国税に関する法律の規定に従わなくなり,納付すべき税額が過大となる。よって国税通則法23条1項1号に基づき,法定申告期限から5年以内に,税務署長へ令和5年分の減額更正を請求できる。
同条2項柱書括弧書きは,後発的事由に係る期間の満了が1項の通常期間の満了後に到来する場合に限定する。本件解除は通常の5年の期間内であるから,同条2項3号・同法施行令6条1項2号による2月の特例は適用されない。
また,契約自体が存続するのに代金が回収不能となる場面ではないから,所得税法64条1項・152条による特例でもない。

3 設問3
(1) 違約金は,損害賠償金という名目だけで所得税法9条1項18号の非課税にはならない。同法施行令30条の損害の発生とその填補を検討すべきところ,土地は返還され,時価も4100万円であり,本件300万円は資産に加えられた損害を埋めるだけの金額とはいえない。
(2) 前述のとおり譲渡対価は原状回復により返還され,300万円は別の違約金として取得されたから,譲渡所得ではない。他の所得類型にも当たらない。単発の売買の債務不履行解除による一時の収入であり,営利目的の継続的行為によらず,労務その他の役務又は資産譲渡の対価でもないから,同法34条1項の一時所得となる。
(3) 一時所得の帰属年も権利確定主義による。令和4年の手付受領は,令和5年に代金へ充当された。令和5年9月の支払期限徒過時にも,Aは残代金請求による売買の完了を求めていた。令和6年4月10日の解除及びその後の原状回復・精算によって,代金とは別に違約金を取得することが確定したから,令和6年分の一時所得である(同法36条1項)。

4 設問4
(1) 所得税法51条2項は,事業遂行上生じた売掛金等の貸倒れによる損失を,損失発生年の事業所得等の必要経費に算入する。Bの債権は卸売業による商品納入の売掛金であり,この事業関連性を満たす。
(2) 貸倒れには,金銭債権の全額が回収不能であることが客観的に明らかなことを要する。債務者の資産・支払能力,回収費用等を社会通念に従い総合判断する(法人税についての最判平成16年12月24日参照)。本件は,令和5年12月15日のCの破産終結により全額回収不能が確定しており,この基準を満たす。よって2000万円を令和5年分の事業所得の必要経費に算入する。将来の損失の見積りを扱う52条の貸倒引当金ではない。
(3) 反復継続する事業所得では,過去の収入を遡って取り消すより,継続する事業の貸倒年の経費として調整する。他方,単発の譲渡はその課税要件事実の消滅を元の年へ反映する。したがって,Bの令和4年分の事業収入2000万円の計上は維持される。
以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
評価項目と答案の対応表

主な評価項目及び条件付きの項目の参照箇所を示す。注意は誤った記述を避けるための項目であり,別構成の記載を一律に求めるものではない。
表に掲げない番号は,6・12~13・19~21・24・32・34~36・45・52である。対応する設問の答案と,以下の解説を併せて参照する。

評価項目と答案の対応(重み5・4及び条件付きの項目)番号重み評価項目答案の該当箇所・留保1433条3項の総収入金額・取得費・譲渡費用・特別控除の計算構造から検討する。 答案12436条1項の「収入すべき金額」を権利確定主義によって解釈する。 答案134収入金額とその帰属年を一体で特定する。 答案145譲渡における権利確定を売主の全債務履行・同時履行の抗弁消滅に具体化する。 答案154解約手付・違約手付を兼ねる300万円の私法上の性質を踏まえる。 答案174手付金の令和4年の受領だけでは確定取得しないと理由付ける。 【適用条件】手付金が令和5年に権利確定する基本構成の場合。18の別構成は、手付の性質・所得類型・控除等を整合的に理由付けた場合に許容される。答案184令和5年の履行・代金充当により手付金を同年の総収入に含める。 【適用条件】同上。答案194現金2700万円・手付300万円・未収500万円を合わせて総収入3500万円とする。 【適用条件】基本構成では総収入金額3,500万円。3,200万円とする別構成は18の条件を満たす場合に限り許容される。答案1104未払500万円を未収であることだけで収入から除外しない。 答案1114令和6年の解除を期限内申告時の令和5年課税へ先取りしない。 答案1144取得費3000万円を控除する。 答案1154譲渡費用100万円を控除する。 答案116433条4項の特別控除50万円を控除する。 答案1174保有期間5年超から33条3項2号の長期譲渡所得とする。 答案1185令和4年計上の別構成を採るなら,手付の性質・所得類型・控除・設問3との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】手付金を令和4年に計上する別構成を採る場合。基本構成に同時に要求しない。第5の3(別構成の扱い)。答案1。別構成の条件付き項目。本答案は非採用。224解除によって売買契約の法的基礎が遡及的に失われることを示す。 答案2235解除だけで足りず,現金返還と土地回復という現実の原状回復を必要とする。 答案2255私法の変動から資産譲渡・収入の課税要件事実の消滅へ架橋する。 答案2264300万円を代金返還と違約金交付に法的に分解する。 答案2274申告済みという23条1項柱書の入口要件を確認する。 答案228523条1項1号の計算が法規に従わなくなったという要件に当てはめる。 答案2294税額過大という23条1項1号の要件に当てはめる。 答案2304国税通則法23条1項1号の要件を示し、所轄税務署長に対して更正の請求をすることができると結論付ける。 答案2314通常の更正請求は法定申告期限から5年以内であると特定する。 答案2334契約存続中の回収不能特例である所得税法64条1項・152条を本件解除に適用しない。 答案2375代金の原状回復と別の違約金取得から譲渡所得該当性を否定する。 答案338434条の位置に従い他の所得類型を除外してから一時・雑所得を判定する。 答案3394単発の売買の解除による非継続的・偶発的収入であると当てはめる。 答案3404労務・役務又は資産譲渡の対価でないと当てはめる。 答案3415一時所得についても36条1項の権利確定を用いて帰属年を論証する。 答案3424令和6年の解除・原状回復後の違約金の取得を理由に令和6年分とする。 【適用条件】令和6年に権利確定する基本構成の場合。43・44の別構成にも同年帰属を重ねて必須にしない。答案3435令和5年9月帰属を採るなら,残代金による履行完了を望んでいた意思との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】令和5年9月帰属の別構成を採る場合。当事者の意思解釈を含む説得的な理由が必要。第5の3(別構成の扱い)。答案3。別構成の条件付き項目。本答案は非採用。445令和4年12月帰属を採るなら,令和5年の代金充当・設問1の処理との整合を論証する。 (当該構成採用時のみ)【適用条件】令和4年12月帰属の別構成を採る場合。代金充当と設問1の処理との整合が必要。第5の3(別構成の扱い)。答案3。別構成の条件付き項目。本答案は非採用。464貸倒損失を所得税法51条2項の問題として処理する。 答案4474Bの債権が事業遂行上生じた売掛金であると当てはめる。 答案4484貸倒れの基準として金銭債権全額の回収不能を定立する。 答案4495全額回収不能が客観的に明らかであるという基準を定立する。 答案4504令和5年12月15日の破産終結・全額回収不能確定を基準に当てはめる。 答案45142000万円を令和5年分事業所得の必要経費に算入する。 答案4534過去年分の所得計算の遡及修正と当年必要経費処理を区別する。 答案4545反復継続する事業所得では貸倒年の費用として調整する制度趣旨を説明する。 答案4554民法上の法律関係を分析して課税要件事実へ接続する。 答案1~4(私法と課税要件・条文)564根拠条文を挙げてその要件を事実に適用する。 答案1~4(私法と課税要件・条文)
(1) 答案と評価項目の対応

設問1の答案(1)~(4)が番号1~20,設問2が番号21~34,設問3が番号35~45,設問4が番号46~54に対応する。番号55・56は答案全体の私法と課税要件の接続・条文適用を評価する。注意は回避し,条件付きの番号18・43・44は本答案の構成では採用していない。

(2) 手付金の民法上の性質を所得認識へ接続する

番号4~8は,権利確定という名称から一段深める部分である。売主の給付完了・同時履行の抗弁消滅と,解約手付の倍返しの可能性を具体化する。採点実感は,説得的な理由がある場合に限り令和4年に手付を計上し令和5年の総収入を3200万円とする筋も許容している(番号18)。その場合は,令和4年の所得分類・取得費控除・後の代金充当・設問3との整合まで説明する必要がある。管理支配基準を挙げるだけで足りるわけではない。

(3) 解除と現実の原状回復を分ける

番号22~29では,解除で私法的根拠が失われても,受領した金銭の経済的成果が残る限り直ちに課税が消えるとはいえないことを押さえる。現実の原状回復を経て課税要件事実が消滅し,申告計算が法規に従わなくなり税額が過大となる,という順で通常の更正請求へ接続する。番号33の64条・152条は,存続する代金債権の回収不能と本件解除を区別するための注意である。

(4) 違約金の分類と年分を別々に論証する

番号37~42は,代金返還と独立した違約金取得を踏まえ,譲渡所得を除外して非継続・非対価の要件を当てはめる。令和5年9月又は令和4年12月の帰属を説得的に論じた一部の答案も評価されたと採点実感は述べている(番号43・44)。本答案は,Aが履行完了をなお求めていたこと,手付が代金に充当されたことから,令和6年の確定取得を採る。

(5) 貸倒損失の基準と年度調整の理由

番号48~50は,全額回収不能・客観的明白性という基準を先に置き,破産終結と全額回収不能の確定を当てはめる部分である。興銀判決は法人税の判決なので,Bへ法人税法を直接適用するのではなく,所得税法51条2項の貸倒れ概念の解釈に共通する基準として参照する。番号54の反復継続性の制度趣旨は高評価事項である。

(6) 答案の弱点と扱わなかった事項

本答案は手付の令和4年計上・違約金の別年帰属を採用していないため,その枝の完全な計算は枠外で位置付けている。違約金の所得金額の計算,株式譲渡の課税,相続税・贈与税,申告後の不服申立ての詳細は設問外である。法定申告期限を基準にした事実選択と,所得分類・年分・計算の各段階を優先する。

第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

1 令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)
2 令和6年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 令和6年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
4 令和6年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した52項目と5段階の重み付け(AI作成)
5 令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)
6 令和6年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)
7 令和6年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け(AI作成)
8 令和6年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した55項目と5段階の重み付け(AI作成)
9 令和6年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)
10 令和6年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

その他の選択科目の各答案:
知的財産法第1問の模範解答・評価項目
知的財産法第2問の模範解答・評価項目
環境法第1問の模範解答・評価項目
環境法第2問の模範解答・評価項目
経済法第2問の模範解答・評価項目
経済法第1問の模範解答・評価項目
国際公法第1問の模範解答・評価項目
国際関係法(公法系)第2問の模範解答・評価項目
国際関係法(私法系)第1問の模範解答・評価項目
国際私法第2問の模範解答・評価項目
労働法第1問の模範解答・評価項目
労働法第2問の模範解答・評価項目
倒産法第1問の模範解答・評価項目
倒産法第2問の模範解答・評価項目

2 同じ科目の別の年度の記事
①令和7年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)②令和5年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)③令和4年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した36項目と5段階の重み付け(AI作成)④令和3年司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した31項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 本問と関連する記事

投資詐欺・金銭不祥事の被害と税務―損失,返金・自主補償,利息及び貸倒れの区別(AI作成)

売買契約を解除した後の所得税―原状回復,未収代金の貸倒れ,違約金と更正の請求

関連実務記事は後年の紹介であり,本答案の基準時の法状態を改める根拠には用いていない。

第7 出典及び確認状態1 公式資料

① 法務省・令和6年司法試験問題:選択科目PDF8~9頁の租税法第1問。
② 令和6年司法試験論文式試験出題の趣旨:41頁中25~26頁の租税法第1問。
③ 令和6年司法試験の採点実感(選択科目):48頁中5~10頁の租税法第1問と関連総論。
④ 令和6年司法試験の実施日程等。

2 法令

所得税法(令和6年1月1日時点の施行版)
所得税法施行令(令和6年1月1日時点の施行版)
国税通則法施行令(令和6年1月1日時点の施行版)
民法(令和6年1月1日時点の施行版)
国税通則法(令和6年1月1日時点の施行版)

所得税法33・34・36・38・51・64・152条,所得税法施行令30・274条,国税通則法23条,同施行令6条,民法545・557条等の原文を確認した。行政解釈として所得税基本通達36-12・36-13も参照した。

3 裁判例

① 最判昭和53年2月24日第二小法廷(昭和50年(行ツ)123):原文7頁を確認。権利確定と,係争中でも経済的成果を取得した場合の所得実現。
② 最判平成16年12月24日第二小法廷(平成14年(行ヒ)147,興銀事件):事案と理由4の貸倒れ基準・当てはめを確認。

4 確認状態
公式資料の状態資料状態確認範囲・留保出題の趣旨実読済み原記事の確認記録に基づく。対象の版・頁・関連範囲は以下の記録による。採点実感実読済み原記事の確認記録に基づく。関連範囲,資料間の相違と未確認部分の留保は以下の記録による。

公式資料の第1問に関する記載と法令原文は確認済みである。表の重み,評価単位の切り方,法源から本件への当てはめは記事独自の分析である。東京高判昭和61年7月3日は採点実感が紹介する裁判例であるが,その原文は未確認である。更正請求の期間は当時の条文原文から説明する。

採点実感9頁には違約金の権利確定時期を「令和6年3月」とする記載があるが,問題文の解除通知日は4月10日,精算日は4月20日である。本答案は問題文の事実に従い,令和6年分という年分を採用する。後発判例を試験当時の法源として遡って用いていない。

令和6年司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 団交拒否・不誠実団交(労組法7条2号)2 支配介入(労組法7条3号)3 答案全体に関する一般的な指摘4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

本記事は,令和6年司法試験の労働法第2問について,法務省の出題の趣旨及び採点実感から独自に抽出した40の評価項目と,2,329字の模範解答を示す。評価項目と1~5の重みは法務省の公式採点基準又は配点ではない。法令は令和6年1月1日の施行法を,判例は試験実施日である同年7月10日までのものを基準とする。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 労働法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目40項目(重み5:4項目)重みの合計144(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2320字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験論文式試験問題(選択科目)の労働法第2問(PDF26~27頁)である。手当廃止・チェック・オフについての団交拒否と不誠実団交を労組法7条2号で,別組合との二つの協定による支配介入を同条3号で検討し,労働委員会への救済申立てと予想される命令を論ずる。

本答案は両号の不当労働行為を認め,2号では誠実交渉命令と再発防止の文書交付・掲示,3号ではポスト・ノーティス又は文書交付を求める構成を採る。ただし,公式資料が結論を一律に指定しているという意味ではない。チェック・オフに関する3号の否定構成も,交渉経緯を掘り下げた理由付けがあれば許容される。

40項目のうち重み5は4項目である。団交義務と実施・合意の義務,賃金控除協定の締結主体と便益を受ける組合,協定の民事上の効力と組織への事実上の作用,回復すべき状態と合意を直接命ずることを区別するのが答案の中心となる。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。注意は避けるべき記載を表し,許容分岐はその構成を採る場合だけ適用する。全項目を全答案へ累積的に要求するものではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

根拠欄の頁は各PDFの頁数である。「記載なし」は本問の関連範囲を実読した上での表示,「間接」は公式の一般記述から当該基準への具体化が本記事の推論となる表示である。表に掲げる短い語句は引用箇所を探すための手掛かりであり,その語句だけを公式の判断内容全体と扱わない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

本問では,重み4をすべて「高く評価された事項」と表現せず,両資料が取り上げた事項として付した。重み5のうち,規範・主体・救済の骨格に属する項目と,当てはめの評価を分ける項目は,第4の4で区別する。各段階への件数の割当ては行っていない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

Y社は従業員約200名の食品製造会社で,月額3万円の業務手当を令和6年4月に廃止する方針を示した。地域合同労組のX組合はY社の労働者25名を組織し,手当廃止とチェック・オフについて団交を申し入れた。5回の交渉で,Y社は業績の概要1枚を示すのみで,削減効果や他の改善努力を説明せず,少数組合のチェック・オフは法律上困難と述べた。就業規則を変更して廃止を実施し,第6回の団交後は交渉を拒否した。

その後,150名を組織する企業内組合Aが結成され,手当廃止を受け入れた。Y社はAを歓迎し,最初の団交でチェック・オフ協定とユニオン・ショップ協定を締結した。協定内容は,従業員が持ち帰れるニューズレターで周知された。Y社はX組合に解雇意思はないと回答したが,X組合員10名がAへ移籍した。

設問はX組合の立場で,労組法7条2号と3号を分け,主張,求める救済及び労働委員会が発する命令を論ずるものである。労組法5条1項の資格要件は満たすとの仮定がある。手当廃止の私法上の有効性や個別の解雇無効請求を独立の主題としない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点7条2号X組合の立場労組法5条1項の資格要件は充足。廃止の私法上の有効性を主題にしない。団交の主張,求める救済と命令を論じる。7条3号X組合とA組合の取扱いチェック・オフとユニオン・ショップ。個別の解雇無効請求を主題にしない。支配介入を区別し,救済内容と命令を示す。
第4 評価項目と重み

(続きを読む...)令和6年司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1小問1⑴2 設問1小問1⑵3 設問1小問24 設問25 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

国際裁判管轄と契約準拠法,消滅時効の性質決定,仲裁合意の準拠法を,公式資料から抽出した51項目と2327字の答案で整理する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 国際私法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目51項目(重み5:8項目)重みの合計178(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2327字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験の国際関係法(私法系)第1問である。公式資料の本問関連範囲から独自に抽出した評価単位は51項目,重み5は8項目である。これは法務省の公式採点基準・項目別配点ではない。

本答案は,営業所業務との具体的関連性を要するとして日本の国際裁判管轄を否定し,準拠法の選択がない契約について日本法を採用する。消滅時効は債権の問題と性質決定して甲国法を適用し,Yの期間経過の主張を認める。設問2は却下という与件を守り,仲裁合意について甲国法の黙示選択を認定した判断過程を説明する。

重み5は8項目である。番号5:業務関連性について抽象的関連性説と具体的関連性説の対立を認識し,採る基準を明示する。【適用条件】抽象的関連性説・具体的関連性説のいずれでも、理由と本件事実への当てはめを要する。 番号6:業務関連性の自説を応訴予測可能性など制度趣旨に即して理由付ける。 番号23:日本法の推定を機械的に確定せず,甲国接点との比較から推定が覆るか理由を示す。 番号24:外国の3年期間を債権の運命か訴訟手続かという性質決定から検討する。 番号26:期間を手続事項として法廷地法を選ぶなら通説と異なる説得的理由を示す。【適用条件】時効を手続の問題と性質決定する立場を採る場合に、その根拠と結論を説明する。実体法説と累積要求しない。 番号32:代表者Aへの人的範囲を仲裁合意の効力の問題としてその準拠法により判断する。 番号33:主契約と仲裁合意の準拠法を別個に検討し,主契約法を直結させない。 番号36:主契約の甲国法の明示選択から仲裁合意について甲国法の黙示選択を認定する橋を示す。【適用条件】本件では甲国法に従って判断した過程が問われている。主契約の明示選択がそのまま当然に仲裁合意を支配するという説明では足りない。 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの評価項目には一つの判定対象を置く。「必須」「高評価」「注意(誤りの回避)」「許容分岐」は重みと区別する。適用条件がある行は,その立場・議論を採る場合に限り評価する。全ての許容構成を一答案へ書く必要はない。表の番号は記事全体で連続する。

根拠欄の頁はPDFの通し頁であり,出題の趣旨は38~40頁,採点実感は42~44頁と科目総論47~48頁を用いる。根拠の短い語句は抽出原文との機械照合を行った。「記載なし」は本問関連範囲を読んだ結果であり,未閲覧という意味ではない。評価基準の具体化や重み自体は本記事の分析である。番号18の高評価区分は発展的検討を示す本記事の整理であり,公式が「高く評価」と明記した事項とは区別する。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。本問では,積極的な評価だけでなく具体的な誤りの指摘も含む基準を採る。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

各段階の件数を先に割り当てず,公式資料の本文から項目ごとに判断した。重みの合計は公式得点や合格可能性を意味しない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

日本法人Xは衣料品の製造販売を行い,日本以外に営業所を持たない。甲国法人Yは甲国に本店,日本に営業所を持つが,国内財産はごく少額である。甲国の見本市でY代表者Aが勧誘し,甲国での交渉後,Y本店でXがYの仕様に従い日本で衣料品を製作・販売する契約を締結した。引渡日は2020年5月25日,代金支払期日は翌月末である。

設問1小問1は,準拠法の合意が調わず,両債務の履行地を甲国とする場合の管轄と準拠法を問う。小問2は甲国法の選択・支払地日本を前提に,2023年8月10日の提訴に対する甲国法の3年期間制限を問う。両小問は独立する。

設問2は,主契約の甲国法条項と乙国仲裁地の合意がある中で,XがY代表者Aへ欺罔の不法行為を理由に請求した訴えの却下過程を問う。甲・乙いずれの法でも契約関連の不法行為は仲裁の対象になるが,代表者へ効力が及ぶのは甲国法だけである。設問1と設問2は独立し,国際物品売買契約に関する国際連合条約の適用は除外される。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1小問1Xの契約請求準拠法合意なし。両債務の履行地は甲国。国際裁判管轄と準拠法をそれぞれ論じる。設問1小問2甲国法の期間制限甲国法選択・支払地日本。小問1とは独立。期間制限の扱いと公序を検討する。設問2XのY代表者Aへの不法行為請求甲国法条項・乙国仲裁地。設問1と独立。CISGは除外。仲裁合意の準拠法・人的範囲を検討し,訴え却下の過程を示す。
第4 評価項目と重み

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令和6年司法試験国際私法第2問の模範解答と評価項目―公式資料から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1・小問12 設問1・小問2⑴3 設問1・小問2⑵4 設問2・小問15 設問2・小問26 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

渉外養子縁組・録画遺言・共同預金を素材に,性質決定と準拠法の指定,外国法の適用を段階別に整理する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 国際私法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目43項目(重み5:10項目)重みの合計160(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2361字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和6年司法試験の国際関係法(私法系)第2問を対象とする。公式資料から独自に抽出した43項目を5段階で重み付けし,2,500字以内の模範解答を示す。法務省の公式採点基準・項目別配点ではない。

答案は,養親子関係ごとの分配的適用,甲国からの隠れた反致の肯定,乙国からの反致の否定を採る。甲国の報告主体は日本の手続で代行し,Fを第三者に含めた上で具体的適用結果を公序により排除する。録画遺言は丙国法により方式上有効であり,Cの遺留分請求の準拠法は甲国法となる。解釈の許容分岐は枠外の解説で示す。

重み5は10項目である。番号2:AC間・BC間の法律関係に分けて分配的に準拠法を決める【適用条件】AC・BCを分ける通説・審判例の構成に立つ場合。一本化説を採る場合は理由を十分に説明する。 番号5:準拠法一本化説を採用する場合,分配的処理に代わる説得的な論証をする【適用条件】準拠法を一本化する少数説を採る場合だけの検討。 番号8:甲国法①から養子の常居所地法を指定する双方的抵触規則を導けるか検討する【適用条件】甲国の管轄権的アプローチから双方的抵触規則を導き得るかを検討する。隠れた反致の肯否自体では評価差を付けない。 番号11:両養親子関係に養子Cの乙国法上の保護要件を追加適用する 番号12:乙国法からの反致を検討し,不成立であることを示す 番号17:甲国公認ソーシャルワーカーという報告主体の部分を手続問題と区別する 番号19:家庭裁判所調査官の報告が甲国の報告要件と実質的に同等であると理由付ける 番号21:通則法31条1項後段の「第三者」の範囲について規範を先に示す 番号22:Fを第三者に含める立場では,文言等からその範囲を理由付ける【適用条件】第三者を無限定に解する立場の場合。Fの同意が必要となる帰結と公序を検討する。 番号37:共同預金が丙国法上遺産外でも,その処分による遺留分侵害は相続として扱う理由を示す 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの項目は一つの判定対象とし,適用条件・注意・許容分岐を重みから分けた。番号は記事全体で連続する。「記載なし」は本問の関連範囲を実読した結果を意味する。根拠は合冊PDFの物理頁と見出しによる。代替説の項目は採用条件を示し,相互に排他的な構成を全て要求しない。公式の短い引用は内部の照合に用い,表ではその意味を要約した。

2 5段階の重み付けの基準

5=採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格。
4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
3=一方が明示する中核の理由付け。
2=一方の補強又は典型的な誤り。
1=一方が控えめに触れる事項。重み4を「高く評価した事項」に限定する基準ではない。各段階の件数割当ては行わず,重み合計を公式得点に換算しない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

日本人Aと甲国人Bは日本で暮らす夫婦であり,乙国人Dの5歳の子Cを実親との親族関係が断絶する養子に迎えようとしている。設問1では,各養親の本国法とCの本国法,甲国の管轄一体型の規定,6か月の試験養育と報告,Aの前婚の12歳の子Fの同意が問題となる。Fは10年間Eと暮らしAとの交流がなく,Eが伝達を拒んだため同意を得られていない。

設問2では有効な縁組成立後,Bが死亡する。丙国法を選択した共同預金口座へBが7000万円を送金し,丙国法上は死亡後Aの資産となる。Bは丙国のホテルで,日本の不動産2000万円をA,日本の預金1000万円をCに相続させる遺言を録画した。Cが遺留分侵害額請求をする。管轄,縁組の有効成立,Fの嫡出性は所与であり,指定された小問では反致がない。小問同士は独立しており,遺留分額の計算を求める問題ではない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1小問1A・BによるCの養子縁組各人の本国法と甲国の管轄一体型規定。縁組の準拠法とセーフガード等を検討する。設問1小問2⑴試験養育と報告6か月の試験養育及び報告に関する与件。該当する成立要件と適用を示す。設問1小問2⑵Fの同意が得られない縁組Fの嫡出性は所与。現実の外国法を補わない。同意要件と公序の扱いを理由とともに示す。設問2小問1共同口座と遺留分侵害額請求縁組有効・管轄は所与。小問は独立。指定小問は反致なし。口座の法律関係と相続準拠法を区別して論じる。設問2小問2録画された遺言遺留分額の計算は不要。遺言方式の準拠法と有効性を検討する。
第4 評価項目と重み
1 設問1・小問1

本記事で重み5とした評価項目は,元番号2・5・8・11・12・17・19・21・22・37の10項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1養子縁組の成立と性質決定し,通則法31条1項前段を用いる
440頁・設問1小問1:養子縁組の成立と性質決定し,通則法31条1項前段を用いる44~45頁・3⑵ア:養子縁組の成立と性質決定し,通則法31条1項前段を用いる2AC間・BC間の法律関係に分けて分配的に準拠法を決める
【適用条件】AC・BCを分ける通説・審判例の構成に立つ場合。一本化説を採る場合は理由を十分に説明する。540頁・設問1小問1:AC間・BC間の法律関係に分けて分配的に準拠法を決める44~45頁・3⑵ア:AC間・BC間の法律関係に分けて分配的に準拠法を決める3AC間に日本法,BC間に甲国法を原則として指定する
【適用条件】分配的に適用する構成の帰結。440頁・設問1小問1:AC間に日本法,BC間に甲国法を原則として指定する44~45頁・3⑵ア:AC間に日本法,BC間に甲国法を原則として指定する4異国籍夫婦の共同縁組について準拠法決定に議論があることを認識して理由を示す
440頁・設問1小問1:異国籍夫婦の共同縁組について準拠法決定に議論があることを認識して理由を示す44~45頁・3⑵ア:異国籍夫婦の共同縁組について準拠法決定に議論があることを認識して理由を示す5準拠法一本化説を採用する場合,分配的処理に代わる説得的な論証をする
【適用条件】準拠法を一本化する少数説を採る場合だけの検討。5記載なし(本問関連範囲)44~45頁・3⑵ア:準拠法一本化説を採用する場合,分配的処理に代わる説得的な論証をする6甲国法①を,国際裁判管轄と法廷地法適用を結合する規定と分析する
440頁・設問1小問1:甲国法①を,国際裁判管轄と法廷地法適用を結合する規定と分析する44~45頁・3⑵ア:甲国法①を,国際裁判管轄と法廷地法適用を結合する規定と分析する7甲国法は養子の常居所に基づく管轄の下で法廷地法として適用されると説明する
440頁・設問1小問1:甲国法は養子の常居所に基づく管轄の下で法廷地法として適用されると説明する44~45頁・3⑵ア:甲国法は養子の常居所に基づく管轄の下で法廷地法として適用されると説明する8甲国法①から養子の常居所地法を指定する双方的抵触規則を導けるか検討する
【適用条件】甲国の管轄権的アプローチから双方的抵触規則を導き得るかを検討する。隠れた反致の肯否自体では評価差を付けない。540頁・設問1小問1:甲国法①から養子の常居所地法を指定する双方的抵触規則を導けるか検討する44~45頁・3⑵ア:甲国法①から養子の常居所地法を指定する双方的抵触規則を導けるか検討する9隠れた反致の自説を国際的判決調和等の観点から理由付ける
【適用条件】反致の制度趣旨を根拠に自説を論証する場面。340頁・設問1小問1:隠れた反致の自説を国際的判決調和等の観点から理由付ける44~45頁・3⑵ア:隠れた反致の自説を国際的判決調和等の観点から理由付ける10隠れた反致の肯否に応じ,甲国法の実質要件の要否まで示す
【適用条件】隠れた反致の成否に関する自説に応じ、甲国法の要件を満たす必要の有無を答える。440頁・設問1小問1:隠れた反致の肯否に応じ,甲国法の実質要件の要否まで示す44~45頁・3⑵ア:隠れた反致の肯否に応じ,甲国法の実質要件の要否まで示す11両養親子関係に養子Cの乙国法上の保護要件を追加適用する
540頁・設問1小問1:両養親子関係に養子Cの乙国法上の保護要件を追加適用する44~45頁・3⑵ア:両養親子関係に養子Cの乙国法上の保護要件を追加適用する12乙国法からの反致を検討し,不成立であることを示す
540頁・設問1小問1:乙国法からの反致を検討し,不成立であることを示す44~45頁・3⑵ア:乙国法からの反致を検討し,不成立であることを示す13セーフガードを反致対象とする場合も,乙国の同型規則が同じ保護要件を残すと論じる
【適用条件】セーフガード条項を反致の対象とする立場でも、乙国の抵触規則は日本と同一の法を指定するので反致は成立しない。反対の立場と累積要求しない。4記載なし(本問関連範囲)44~45頁・3⑵ア:セーフガードを反致対象とする場合も,乙国の同型規則が同じ保護要件を残すと論じる14小問1では成立要件の実質的充足を本格的に論じるなど,準拠法の決定から逸脱しない
2記載なし(本問関連範囲)44~45頁・3⑵ア:小問1では成立要件の実質的充足を本格的に論じるなど,準拠法の決定から逸脱しない
2 設問1・小問2⑴

(続きを読む...)令和6年司法試験国際私法第2問の模範解答と評価項目―公式資料から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年司法試験経済法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した34項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 共同性・メーカー及び販売業者2 相互拘束・Y社の関与3 市場画定と競争制限効果4 違反行為の終期5 Y社の課徴金6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験経済法第1問の入札談合について,メーカー・卸業者・販売業者の役割を分けて検討する。
公式の出題の趣旨・採点実感に基づく34項目の評価表と,2500字以内の模範解答を掲載する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 経済法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目34項目(重み5:8項目)重みの合計124(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2294字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験・経済法第1問である。
メーカー9社と卸業者Yの不当な取引制限,販売業者9社の非当事者性,X2の離脱と取決め全体の終期,Yの課徴金を検討する。
答案ではYの課徴金を1億5000万円と算定する。

評価項目は34項目。
重み5は8項目で,番号1・5・10・11・16・29・30・31である。
第4の表で根拠を確認し,第5の答案と解説を対応させて読める。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象とし,公式資料の記述を答案で判定できる内容へ分解した。
各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。
この一覧は法務省の公式採点基準ではなく,項目別配点や合格可能性を示さない。
頁はPDF先頭から数えた物理頁である。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

「直接」は関連する記述があるもの,「間接」は関連記述からの推論,「記載なし」は第1問の関連範囲を実読して直接の記載を認めなかったものである。
注意は誤りの回避として扱い,肯定項目と重複加点しない。
番号12の許容分岐は相互拘束の解釈を選ぶ場合に限り,複数構成を全答案へ累積要求しない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは本記事の分析によるものであり,法務省の配点ではない。
①5:評価の分かれ目,又は答案の骨格そのもの。
②4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
全てを「高く評価された事項」とは扱わない。
③3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④2:一方が軽く触れる補強又は典型的な誤り。
⑤1:一方が控えめに触れるだけの事項。
区分と重みは独立して判定する。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

(続きを読む...)令和6年司法試験経済法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した34項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 主体・市場画定2 行為(a)3 行為(b)4 行為(c)5 排除型私的独占6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

放射性医薬品の供給を利用した競争者排除を,市場・行為・効果の順に整理する。三行為の評価表と完成答案を対応させ,αと新型γに生じる影響を分けて解説する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 経済法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目40項目(重み5:6項目)重みの合計148(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2076字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和6年司法試験の経済法第2問について,法務省の公式資料から独自に抽出した40の評価項目と,2500字以内の模範解答を示す。評価項目及び重みは法務省の公式採点基準・配点ではない。

本問の中心は,放射性医薬品αの既存供給者X社が,新規参入したY社に対して行った三つの妨害である。本答案は南関東・近畿の各α市場における排除型私的独占を主として論じ,(a)(b)の不公正な取引方法と,(c)の新型γ取引への妨害を別個に検討する。

重み5は6項目である。番号6:短い利用可能時間と同じ12地域の拠点から二地域の各市場を画定する。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 番号12:Z経由の供給断念と高費用の直接供給への移行を競争上の不利益と評価する。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 番号19:多くの医療機関の購入断念を取引機会喪失の事実として使う。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 番号23:X社がγを販売しなくてもαで競争するY社が競争関係のある事業者であると理由付ける。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 番号31:γ導入の妨害からαの需要拡大・販売促進阻害への因果経路を示す。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 番号32:三行為の排除効果を総合的に評価する。 適用:全答案(別構成は選択肢のいずれか一つで充足) 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの項目を一つの判定対象とし,適用条件・注意・許容分岐を重みと別に表示する。許容分岐は適切な一つの構成を選び理由を示せばよく,全ての構成を並べる必要はない。注意は避けるべき記述であり,取引拒絶を採らない答案に番号21の検討を加える必要はない。

出題の趣旨は合冊PDF28頁末尾~29頁の経済法第2問,採点実感は選択科目PDF15~16頁の関連採点方針及び18~20頁の第2問を根拠とする。頁はPDFの一から数えた頁数である。「記載なし」は当該関連範囲を読んだ結果を,「間接」は一般的記述を本問の要件・事実へ具体化した推論を表す。表の短い根拠語句以外は記事の言葉で整理した。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

本記事の重み4は,採点実感が高く評価した場合だけでなく,評価や具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げた場合も含む。重み5は骨格に当たる理由を第1及び第5で示す。件数の割当てや旧3段階からの換算は行っていない。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

αはβ検査に必要な放射性医薬品で,使用可能時間が短く安定製造が難しい。X社は最初に商品化し,12地域の製造拠点からZを通じ全国一律価格で供給していた。Y社は同じ12地域に参入し,南関東・近畿では安価なαを販売し,新型自動投与装置γの供給により需要拡大も目指した。

X社は,(a)地域別価格でY社製品を扱えばZへの供給を止めると通知し,(b)Y社から購入した医療機関への供給停止を通知し,(c)検査も根拠もなく新型γではX社製αを使えないと説明した。Y社は高費用の直接販売を強いられ,多くの医療機関が購入を断念し,新型γの導入も妨げられた。設問はX社の行為の独占禁止法上の問題点を中立的に検討するものである。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点全体X社の行為の問題点を中立的に検討(a)~(c)を区別。シェア等の未提示事実を補わない。市場を画定し,私的独占と不公正な取引方法を検討する。
第4 評価項目と重み
1 主体・市場画定

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令和6年司法試験環境法第1問の模範解答・評価項目―31項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴2 設問1⑵3 設問2⑴4 設問2⑵5 設問36 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和6年司法試験・環境法第1問について,法務省の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した31の評価項目と,2,170字の模範解答を示す。重みは1~5の5段階である。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和6年度 環境法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目31項目(重み5:4項目)重みの合計118(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2170字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和6年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和6年司法試験論文式試験・環境法第1問である。
地域脱炭素化促進事業の認定・特例,排出量削減の情報的手法と排出量取引,地球温暖化に関する公害調停の対象範囲を扱う。
評価項目は31項目,主な評価項目は,法務省の公式採点基準・配点ではない。

設問1では事業計画の認定を通じた森林法・自然公園法・環境影響評価法の特例を,設問2では情報の公表とクレジット取引による削減誘因を,設問3では法定の公害と温暖化の機序の違いを説明する。
模範解答は第5に掲載し,補足と別の構成の扱いは枠外で説明する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象を設け,答案に何を書けば満たすかを具体化した。
各項目の適用条件,否定及び参照用番号を区別して示す。
重みと区分は別であり,条件付き項目を全答案への累積要求にはしない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

根拠欄はPDFの物理頁と該当見出しを示す。
「記載なし」は本問の関連範囲を実読した結果,「間接」は関連記述からの整理である。
法令や判決だけで補った事項は,公式に独立項目として記載されたものと区別する。

2 5段階の重み付けの基準

5=採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格。
4=出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項。
3=どちらか一方が明示する中核の理由付け。
2=一方が軽く触れる補強又は典型的な誤り。
1=一方が控えめに触れる事項。

本記事の重み4は「両資料が取り上げる」基準を採用しており,全項目を公式が高く評価したという意味ではない。
件数の割当てや旧方式からの一律換算はしていない。
重み合計は記事独自の整理値である。

3 本問で補った点

本問の重み4には,採点実感による積極的な評価に加え,具体的な不足・誤りの指摘を通じて取り上げられた事項も含む。
各項目の付与理由は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄の記載に従う。許容分岐を全答案への累積要求にはしない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

甲社は,A県B町のC国定公園の普通地域にある所有地で,出力6万キロワットの風力発電事業を計画している。
土地は地域森林計画の対象民有林で,施設整備には森林法上の開発許可,自然公園法上の届出,電気事業法上の工事計画認可が必要である。
B町は計画策定市町村で,設置予定地を促進区域に指定している。
地方公共団体実行計画協議会は組織されていない。

設問1は甲社の認定申請手続と規制緩和,設問2は特定排出者への情報的手法及び地方公共団体の排出量取引,設問3は企業の二酸化炭素排出抑制を求める公害調停が対象外となる理由を問う。
取消訴訟の一般的訴訟要件や気候訴訟のあらゆる救済の成否を論ずる問題ではない。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1甲社の事業計画認定B町は計画策定市町村。協議会は未組織。申請手続と規制緩和を示し,特例の条件を区別する。設問2排出抑制の制度的手法情報的手法と地方公共団体の排出量取引を分ける。制度の仕組みと削減誘因を説明する。設問3企業の排出抑制を求める公害調停一般的な取消訴訟要件や全ての気候訴訟救済は論じない。調停の対象外となる理由を示す。
第4 評価項目と重み1 設問1⑴

本記事で重み5とした評価項目は,元番号8・10・12・25の4項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1風力が再生可能エネルギーであることを本件施設に結び付ける。
2PDF33頁・設問1⑴。明示。「風力発電事業」PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「風力が再生可能エネルギー」2省令2条1号の再生可能エネルギー発電施設に該当すると説明する。
4PDF33頁・設問1⑴。明示。「省令の第2条第1号」PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「省令第2条第1号」3温対法2条6項の地域脱炭素化促進事業として位置付ける。
4PDF33頁・設問1⑴。明示。「温対法第2条第6項」PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「温対法第2条第6項」4事業計画を作成し,温対法22条の2第1項に基づき認定を申請する。
4PDF33頁・設問1⑴。明示。「認定申請」PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「地域脱炭素化促進事業計画を作成」5申請先を計画策定市町村であるB町(町長)と特定する。
4PDF33頁・設問1⑴。明示。「B町長」PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「計画策定市町村」2 設問1⑵番号評価項目重み出題の趣旨採点実感622条の2第3項の認定と認定計画に従う行為を特例の前提とする。
4PDF33頁・設問1⑵。明示。「認定地域脱炭」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「当該認定地域脱炭素化促進事業計画に従って」7森林法10条の2第1項の開発許可という本来の規制を示す。
4PDF33頁・設問1⑵。明示。「森林法」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「森林法第10条の2第1項」8温対法22条の6第1項により開発許可があったものとみなされると示す。
5PDF33頁・設問1⑵。明示。「みなし許可」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「温対法第22条の6第1項」9普通地域の自然公園法33条1項の届出という本来の規制を示す。
4PDF33頁・設問1⑵。明示。「自然公園法」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「自然公園法第33条第1項」10温対法22条の8第2項により自然公園法の関係規定が不適用になると示す。
5PDF33頁・設問1⑵。明示。「関係規定の不適用」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「温対法第22条の8第2項」11出力6万kWを資料の閾値に当てはめ第一種事業と判定する。
4PDF33頁・設問1⑵。間接(関連記述を法源・与件で具体化)。「環境影響評価法」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「第1種事業に該当」12温対法22条の11により計画段階配慮手続が適用除外されると示す。
5PDF33頁・設問1⑵。間接(関連記述を法源・与件で具体化)。「特例措置」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「計画段階配慮手続」3 設問2⑴番号評価項目重み出題の趣旨採点実感13特定排出者の算定排出量報告義務を温対法26条に結び付ける。
4PDF33頁・設問2⑴。明示。「温対法第26条」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「温対法第26条」14報告された事項が温対法29条により公表されると示す。
4PDF33頁・設問2⑴。明示。「報告事項の公表」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「報告された事項を公表」15情報を用いる手続的誘導を実体的基準の遵守を強制する伝統的規制と比較する。
4PDF33頁・設問2⑴。明示。「手続的アプロー」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「伝統的な規制手法との対比」16市場による評価を介して一層の排出削減を誘導する効果を説明する。
4PDF33頁・設問2⑴。明示。「排出抑制状況を市場に評価」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「一層の排」4 設問2⑵番号評価項目重み出題の趣旨採点実感17東京都条例を例に事業者への二酸化炭素排出量の削減義務を示す。
4PDF33頁・設問2⑵。明示。「削減を義務付ける」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「削減を義務付ける」18クレジット購入により削減義務を履行できると説明する。
4PDF34頁・設問2⑵。明示。「クレジットの購入」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「クレジットの購入」19義務量を超える削減をクレジット化できると説明する。
4PDF34頁・設問2⑵。明示。「義務量以上の削減」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「義務量以上の削減」20クレジット化により義務達成後も継続的な削減誘因が働くと説明する。
4PDF34頁・設問2⑵。明示。「継続的な削減イン」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「継続的な削減インセンティブ」21排出量取引の経済的手法を自力での基準達成を強制する従来規制と比較する。
4PDF34頁・設問2⑵。明示。「伝統的な規制手法と対比」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「経済的手法の特徴」5 設問3番号評価項目重み出題の趣旨採点実感22公害紛争処理法2条から環境基本法2条3項への定義の接続を示す。
4PDF34頁・設問3。明示。「公害紛争処理法」PDF33頁・第1問⑴・⑵。明示。「「公害」の定義」23相当範囲の大気汚染等による健康・生活環境被害という公害の定義を示す。
4PDF34頁・設問3。明示。「公害に該当しない」PDF34頁・第1問・各水準の答案。明示。「「公害」の定義を示しつつ」24温暖化を地球環境保全と位置付け,従来の公害対策との制度的相違を説明する。
4PDF34頁・設問3。間接(関連記述を法源・与件で具体化)。「地球温暖化の問題」PDF33頁・第1問⑴・⑵。間接(定義・制度比較の記述)。「制度の経緯とその特徴」25本件CO2大量排出による温暖化が法定の大気汚染に該当しない理由を示す。
5PDF34頁・設問3。明示。「「大気の汚染」ではない」PDF34頁・第1問・各水準の答案。明示。「論理的に説明」26公害被害に係る民事紛争という調停の対象要件に該当しないと説明する。
4PDF34頁・設問3。間接(関連記述を法源・与件で具体化)。「調停」PDF33頁・第1問⑴・⑵。間接(定義・制度比較の記述)。「公害紛争処理法」6 答案全体番号評価項目重み出題の趣旨採点実感27適用条項の誤記・取り違えを避ける。
2記載なし(第1問関連範囲実読)PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「適用条項の指摘」28配付資料を具体的な法解釈・適用に用いる。
2記載なし(第1問関連範囲実読)PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「与えられた資料を丁寧に読み解いて」29規範から事実評価・効果への説明に論理的な飛躍を残さない。
4記載なし(第1問関連範囲実読)PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「論理的に記述」30複数の考え方がある部分で特定結論との一致だけを評価せず筋の通った構成を認める。
【適用
条件】複数の考え方が生じ得る部分では、筋の通る構成を評価する。単一答案に複数構成の累積記載を要求しない。2記載なし(第1問関連範囲実読)PDF32頁・採点方針又は第1問⑴。明示。「筋の通っ」31各設問の中核事項をバランスよく記載する。
2記載なし(第1問関連範囲実読)PDF34頁・第1問・各水準の答案。明示。「バランスの良い記載」7 重みの分布

重み5:4項目/4:14項目/3:4項目/2:1項目/1:0項目。
総項目数N=0+5+0+22+4=31,重みの合計は118である。

重み5は4項目である。番号8:温対法22条の6第1項により開発許可があったものとみなされると示す。 番号10:温対法22条の8第2項により自然公園法の関係規定が不適用になると示す。 番号12:温対法22条の11により計画段階配慮手続が適用除外されると示す。 番号25:本件CO2大量排出による温暖化が法定の大気汚染に該当しない理由を示す。 各項目の適用条件と注意を併せて確認し、異なる構成を一答案へ一律に累積させない。

番号4:事業計画を作成し,温対法22条の2第1項に基づき認定を申請する。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:申請手続そのものが小問の骨格。番号6:22条の2第3項の認定と認定計画に従う行為を特例の前提とする。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:認定と特例の架橋が答案の骨格。番号8:温対法22条の6第1項により開発許可があったものとみなされると示す。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:許可擬制の直接効果が骨格。番号10:温対法22条の8第2項により自然公園法の関係規定が不適用になると示す。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:不適用の法的効果が骨格。番号11:出力6万kWを資料の閾値に当てはめ第一種事業と判定する。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:数値と環境影響評価法の入口が骨格。番号12:温対法22条の11により計画段階配慮手続が適用除外されると示す。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:免除する段階の限定が骨格。番号13:特定排出者の算定排出量報告義務を温対法26条に結び付ける。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:情報制度の法定義務が骨格。番号15:情報を用いる手続的誘導を実体的基準の遵守を強制する伝統的規制と比較する。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:比較軸が小問の骨格。番号18:クレジット購入により削減義務を履行できると説明する。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:自力遵守からの変更が制度の骨格・評価の分かれ目。番号21:排出量取引の経済的手法を自力での基準達成を強制する従来規制と比較する。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:比較と制度変化が採点実感の評価の分かれ目。番号23:相当範囲の大気汚染等による健康・生活環境被害という公害の定義を示す。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:対象範囲判断の法的骨格。番号25:本件CO2大量排出による温暖化が法定の大気汚染に該当しない理由を示す。 適用条件:当該設問を説明する答案。位置付け:定義を当てはめる理由が優秀答案の骨格。

一般的な指摘:設問ごとに読みやすく改行し,条文・規範・事実・効果をつなぐ。
補足(公式に独立項目として記載なし):協議会不存在と県知事同意の区別,森林審議会の意見聴取,県基準の存在条件,自然公園法33条2項の不適用,アセス全体と工事認可の維持,情報誘因の限界及び費用効率は法令・一次資料を踏まえた補足である。

(続きを読む...)令和6年司法試験環境法第1問の模範解答・評価項目―31項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

目次

第1 この記事の対象第2 16記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 倒産法2 租税法3 経済法4 知的財産法5 労働法6 環境法7 国際関係法(公法系・国際公法)8 国際関係法(私法系)第4 16記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目8科目(倒産法,租税法,経済法,知的財産法,労働法,環境法,国際関係法(公法系)及び国際関係法(私法系))の第1問と第2問,計16問について,山中弁護士ブログに掲載した模範解答の記事16本を一覧にして案内するものである。
受験者が選択するのは,この8科目のうち1科目である。
16本の記事は,いずれも法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答と,出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を示している。

16本で抽出した評価項目は合計463項目であり,そのうち重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは94項目である。
評価項目と重みは,各記事が公式資料から独自に抽出したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。
第2の一覧表で科目と問題を選び,第3で各問題の概要と重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,どこで答案の差がついたのかをつかみやすい。

主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年10月9日時点で公開している16本の記事の内容に基づく。

第2 16記事の一覧
科目・問題主な論点評価項目重み5倒産法第1問破産手続開始時に係属する訴訟の中断と受継,和解後の弁済の否認,遺産分割合意の否認と価額償還38項目6項目倒産法第2問DIP型の再生手続と公平誠実義務,管理命令,再生手続廃止後の破産手続への移行,再度の再生手続開始の申立て28項目4項目租税法第1問水没した自家用車の損失と雑損控除,定住奨励金の所得分類,無届けの民泊の所得分類,必要経費33項目5項目租税法第2問債務確定と寄附金,早期予約販売の益金算入時期,ギフト券・株主優待の所得区分と年度帰属,確定申告の要否43項目11項目経済法第1問事業者団体の決定(独占禁止法8条4号・1号),特例取引の禁止,割増料金の基準料金25項目4項目経済法第2問拘束条件付取引,市場画定,市場閉鎖効果,正当化事由25項目4項目知的財産法第1問特許法の試験研究の例外,並行輸入,リサーチツール,存続期間経過後の譲渡の申出25項目5項目知的財産法第2問要約の掲載と公衆送信権・引用,公開の演説の利用,同一性保持権,名誉回復等の措置35項目5項目労働法第1問競業避止の合意,退職金支給制限条項,産前産後休業・育児休業後の降格24項目5項目労働法第2問ピケッティングと戒告処分,現場監督者の発言と支配介入,弁当代の支給,救済命令の限界33項目5項目環境法第1問土壌汚染対策法の届出・区域の指定・規制,自然由来の汚染,掘削除去費用の請求26項目3項目環境法第2問環境影響評価法の第二種事業の判定,条例による項目の追加と手続の拡充,景観利益と原告適格28項目7項目国際関係法(公法系)第1問署名国の義務,留保と解釈宣言,脱退規定のない条約からの脱退19項目5項目国際関係法(公法系)第2問海峡の通航権,機雷による損害と国家責任,国際海洋法裁判所の管轄権22項目4項目国際関係法(私法系)第1問外国の裁判所を指定した管轄合意,労働契約の準拠法と強行規定,使用者責任の準拠法30項目6項目国際関係法(私法系)第2問失踪宣告の管轄・準拠法・効力の範囲,失踪宣告の取消し,外国の失踪宣告の承認と婚姻の解消29項目4項目

評価項目の数と重みは,各記事の独自の分析によるものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の番号は,各記事の評価表の現在の通し番号である。
番号は記事ごとに1から始まるので,個別の記事の評価表で同じ番号の項目を確かめることができる。

1 倒産法
(1) 第1問

本問は,架空の投資話で借入れをした会社員Aの個人の破産事件を素材に,破産手続開始の決定の時に係属していた二つの訴訟(Bに対する不法行為に基づく損害賠償請求訴訟と,Eに対する名誉毀損による慰謝料請求訴訟)の取扱い(設問1)と,破産管財人による否認権の行使(設問2)を問うものである。
設問2⑴は,任意整理の和解契約の成立後にAが知人Cにだけ支払った弁済を否認できるかを,Cの反論を踏まえて問い,設問2⑵は,弟Dに兄の遺産を取得させた遺産分割合意の否認を前提に,Dに価額償還として請求できる額を問う。
問題文は,令和7年1月1日現在で施行されている法令に基づいて答えるよう指示しており,設問2⑵では附帯請求を考慮しなくてよいとされている。
設問2⑴については,記事によれば,出題の趣旨がいずれの結論もあり得るとしている。

重み5は6項目である。
番号6:慰謝料の具体的な金額が当事者間において客観的に確定しない間は,原則として破産財団に帰属しない(最判昭和58年10月6日)
番号8:本件訴訟は「破産財団に関する訴訟手続」に当たらず,中断しない
番号14:受任通知は申立て前1年以内のものではないから,支払不能は推定されない(162条3項括弧書き)
番号15:Cへの弁済は申立ての日から1年以上前の行為であるから,支払停止を理由として否認できない(166条)
番号16:以上から,支払停止によらず支払不能そのもの及び支払不能についての悪意を検討する必要があるという構造を整理する
番号37:無償行為として否認の対象となるのは法定相続分を超える部分のみであり,相続分を超えて全額を請求できるとしない

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令和7年度司法試験知的財産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した35項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(Aの主張)2 設問1(Bの反論とその妥当性)3 設問2(著作者人格権に基づく請求)4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 知的財産法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目35項目(重み5:5項目)重みの合計135(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2390字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の知的財産法第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,政治家を目指すAが駅前広場で披露した文章Pと,その様子を編集した動画Qを素材として,文章Pを要約した文章P’をブログに掲載した個人ブロガーBに対する削除請求(設問1)と,動画Qの映像をゆがんで表示させる再生ソフトRを公開し,その利用を呼びかけたプログラマーCに対する著作者人格権に基づく請求(設問2)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は35項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,番号1・3・7・11・20・21・25・29の8項目であり,その内容は次のとおりである。
①設問1・2の権利の発生・帰属の主張(番号1・20)
②28条を介した公衆送信権の侵害の主張(番号3)
③類似性がないとの反論(番号7)
④要約引用を容認すべき理由の説明(番号11)
⑤同一性保持権の侵害を理由とする請求の構成(番号21)
⑥名誉回復等の措置の検討(番号25)
⑦最高裁平成13年2月13日判決【ときめきメモリアル事件】を踏まえた検討(番号29)

答案の結論は,設問1では,P’の掲載は公開の演説の利用(40条1項)及び引用(32条1項)として適法であり,削除請求は認められない,というものである。
設問2では,Cに対し,損害賠償と名誉回復等の措置は請求でき,差止めは書き込みの削除に限り認められる,というものである。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で約2,400字に収め,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(知的財産法〔第2問〕の部分)又は採点実感(知的財産法の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号で示した。
出題の趣旨の「(2)」「(3)」は〔第2問〕の段落番号2・3を,採点実感の「2⑵ア」は「2 採点方針」の「⑵ 第2問」の「ア 設問1」を,「3⑵イ」は「3 採点実感」の「⑵ 第2問」の「イ 設問2」を,「3⑶」は「全体を通しての感想」を,「5」は「今後の法科大学院教育に求めるもの」を指す。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
「記載なし」は,その資料の知的財産法第2問に関する部分を全部読んだ上で,該当する記述がなかったことを意味する。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項のうち,独立の注意点は「〜しない」の形の項目にした(番号5・6・13・16・32・33・35)。
公式資料は,設問1の反論の当否や設問2の各請求の可否について結論を一つに定めていないため,結論そのものではなく,理由を示して検討したかを項目にした。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

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令和7年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問⑴(行為①:試験又は研究のためにする実施)2 設問⑵(行為②:並行輸入とリサーチツール)3 設問⑶(行為③:存続期間経過後に譲渡を行う旨の申出)4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 知的財産法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目25項目(重み5:5項目)重みの合計97(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2336字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の知的財産法第1問(特許法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,農薬の特許権者Xが,①後発品の農薬登録のための試験用の生産(行為①),②A国で子会社が販売した検査・実験装置の輸入と使用(行為②)及び③存続期間経過後に販売する旨の存続期間中の申出(行為③)について,損害賠償を請求する事案で,Xの主張,相手方の反論及びその妥当性を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は25項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,最判平成11年4月16日(膵臓疾患治療剤事件)を踏まえた試験研究の反論,存続期間制度の趣旨からの妥当性の検討,最判平成9年7月1日(BBS事件)を踏まえた並行輸入の反論,製品への明確な表示の要件の検討,リサーチツールへの特許法69条1項の適用の検討,存続期間経過後の譲渡が適法であることを根拠とする反論及び譲渡等の申出が独立の実施行為とされている理由を踏まえた検討の7項目である。

模範解答の結論は,設問⑴(行為①)は特許法69条1項により特許権の効力が及ばずXの請求は認められない,設問⑵(行為②)はBBS事件の枠組みにより特許権を行使できずXの請求は認められない,設問⑶(行為③)は存続期間中の譲渡等の申出として侵害に当たりXは損害賠償を請求できる,というものである。
設問⑶の結論は出題の趣旨が指定しておらず,反対の結論もあり得る(第5の3で説明する)。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(知的財産法第1問の部分)又は採点実感(知的財産法の第1問の部分と,第1問・第2問に共通する全体の感想)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号(採点実感の「2⑴ア」は「2 採点方針」の「⑴第1問」の「ア 設問の⑴」を,「3⑴イ」は「3 採点実感」の「⑴第1問」の「イ 設問の⑵」を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,出題の趣旨の「妥当性を具体的に検討することが求められる」等の一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点実感が誤りとして挙げた事項は,「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階の中で重みを付けた。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感が良好・優秀な答案の要素又は不足の指摘として取り上げ,出題の趣旨が妥当性の具体的な検討として間接に求める事項も含めている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

農薬の製造販売業者Xは,農薬取締法の審査・登録を要する農薬の発明について特許権(本件特許権1)を有し,その実施品である農薬Pを製造販売している。
また,Xは,農薬の作物残留試験に用いる検査・実験装置の発明について日本の特許権(本件特許権2)と対応するA国特許権を有し,その実施品である装置Qを,A国の子会社Zに許諾してA国でのみ製造販売させている。
Zは,Xの指示で,全製品のA国外への無断輸出及びA国外での無断使用を禁じる旨を,製品それ自体には表示せず,自社のウェブサイトにだけ掲載した。

Y1は,農薬Pと有効成分等が全て同じ農薬Rを本件特許権1の存続期間経過後に製造販売する計画の下,登録に必要な試験のため存続期間中に農薬Rを生産し(行為①),その作物残留試験を研究所Y2に依頼した。

(続きを読む...)令和7年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 〔設問1〕〔小問1〕(国際裁判管轄)2 〔設問1〕〔小問2〕(労働契約の準拠法と強行規定)3 〔設問2〕(使用者責任の準拠法)4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 国際私法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目30項目(重み5:6項目)重みの合計114(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2277字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の国際関係法(私法系)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
評価項目と重みは公式資料から本記事が独自に抽出・評価したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。

本問は,甲国法人Y社に雇われ,入社1年後から日本で働いている甲国人Xが,乙国への出張中の交通事故について損害賠償を求める事案であり,〔設問1〕では,外国の裁判所を専属的に指定した管轄合意(①条項)がある場合の日本の国際裁判管轄権と,準拠法を甲国法とする合意(②条項)がある場合の労働契約法5条の適用の可否を,〔設問2〕では,乙国で起きた交通事故についての使用者責任の準拠法を問うている。
答案の結論は,〔設問1〕〔小問1〕では①条項は民事訴訟法3条の7第6項により効力がなく,日本の国際裁判管轄権が認められる,〔小問2〕では法の適用に関する通則法12条1項により労働契約法5条も適用されるからY社の主張は認められない,〔設問2〕では乙国法が適用され,同法22条により日本法も累積的に適用される,というものである(〔設問2〕の結論は,公式資料が結論を指定していない許容分岐である)。

公式資料から抽出できた評価項目は30項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,〔小問1〕で管轄合意の効力と管轄原因の2点を論じること,〔小問2〕で労務提供地の変更と短期出張中の出来事を踏まえて労務提供地を解釈すること,〔設問2〕で通則法17条の「結果」の意味を理由付けして示すこと及び規範を示さずに事情を羅列しないことの4項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で,2,500字以内にまとめて示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
法令は試験の実施日(令和7年7月16日)当時のものによっている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(国際関係法(私法系)第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し(採点実感の「3⑴ア」は「3 採点実感等」の「⑴[第1問]について」のアを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
「記載なし」は,両資料の第1問に関する部分を全て読んだ上で記載がなかったことを示す。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点実感が誤りや無用な論述として指摘した事項は,「〜しない」の形の項目(番号9〜11・22・29)にした。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「それほど多くはなかった」「かなり見られた」「多くの答案は…羅列…にとどまっていた」等と指摘して評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの

②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した・多数の答案の不足を指摘した)事項

③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け

④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項

⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項

必須の事項,高く評価される事項,誤りの回避及び許容される別の構成は,重みとは別の区分であり,重み5の事項でも全ての答案に同じ形で求められるとは限らない。
例えば,番号8は管轄原因を先に論じる答案についての事項であり,番号28は〔設問2〕の例外条項を趣旨から解釈する答案についての事項である。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感が多くの答案の到達や不足として取り上げた記述も判断資料としている。

(続きを読む...)令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 適用条文の選択と行為主体2 行為要件(拘束)3 効果要件(公正競争阻害性)4 市場画定5 市場閉鎖効果の当てはめ6 私的独占との関係7 正当化事由8 答案全体9 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 経済法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目25項目(重み5:4項目)重みの合計98(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2227字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目である経済法の第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
評価項目は公式資料から本記事が独自に抽出したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。
法令等は,試験が実施された令和7年7月16日当時のものを基準としている。

本問は,甲地域の農家のほとんどを組合員とするX農業協同組合(以下「X農協」という。)が,農業用設備βの調達資金を低金利で融資するに当たり,組合員が生産する農産品αの80パーセントまでをX農協に出荷することを条件とする計画について,独占禁止法上の評価を問うものである。
問題の中心は,この計画を拘束条件付取引(一般指定12項)として捉え,「拘束」の有無,市場の画定,市場閉鎖効果の有無及びX農協が主張するフリーライド防止の正当化事由を,問題文の事実に即して検討することにある。

公式資料から抽出できた評価項目は25項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,拘束条件付取引を中心に据えた検討(番号1),市場閉鎖効果の前提としての市場画定(番号9),商系業者の集荷に影響が出る作用機序(Theory of harm)の明示(番号18)及び80パーセントの系統出荷の義務付けの相当性の具体的な検討(番号23)の4項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
結論は,本問の計画は,実施されれば拘束条件付取引として独占禁止法19条に違反するというものである。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(経済法第2問の部分)又は採点実感(経済法の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,頁と見出し番号(採点実感の「第3の2⑷ウ」は,「第3 採点実感等」の「2 第2問」の「⑷ 効果要件について」のウを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
「記載なし」は,その資料の経済法第2問に関する部分を全て読んだ上での表示である。

公式資料の文章は,根拠となる記述の中心部分だけを短く引用し,その他は趣旨を要約して示している。
「〜しない」の形の項目(番号25)は,採点実感が評価を下げる理由として挙げた誤りを,避けるべき事項として示したものである。
番号25は特定の論点ではなく答案の組立て全体に関わるため,「答案全体」の表に置いた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

本問では重み1に当たる項目はなかった。
出題の趣旨又は採点実感が別の構成を許容する事項(番号2・20)は,その構成を採る答案にだけ当てはまる項目であり,全ての答案に求められる事項ではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感による評価及び不足の指摘を判断資料としている。

(続きを読む...)令和7年度司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(退職金の半額の返還請求)2 設問2(役職手当の支払請求)3 答案全体4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 労働法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目24項目(重み5:5項目)重みの合計97(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2390字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目(労働法)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,退職後1年間の競業避止を定めた労働契約上の条項に違反して同業他社に就職した労働者に対し,会社が退職金の半額を不当利得として返還請求できるか(設問1)と,産前産後休業及び育児休業から復職する際に役職を外され役職手当を支給されなくなった労働者が,役職手当の支払を請求できるか(設問2)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は24項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,設問1の2つの論点(競業避止の合意と退職金支給制限条項)の区別,競業避止の合意の有効性の具体的な判断枠組み,退職金の功労報償的性格の具体的な検討,均等法9条3項・育児介護休業法10条による検討,両規定の強行規定性,最高裁判例の例外⑴の考慮要素を含めた提示,例外⑵の提示及び両方向の事実の総合評価の8項目である。

第5の模範解答は,設問1について退職金の半額(175万円)の返還請求を認め,設問2について令和5年4月から令和6年3月までの月15万円の役職手当の支払請求を認める結論を採っている。
答案は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(労働法第1問の部分)又は採点実感(労働法の科目総論及び「第1問について」の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と設問で示した(採点実感の「3⑴」は「3 採点実感等」の「⑴ 第1問について」を指す。)。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「〜しない」の形の項目にした(番号3・10・23)。
結論が複数あり得る論点は,結論ではなく検討の有無を項目にした。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
項目数や重みの合計は,得点,合格可能性又は科目間の難易度を示すものでもない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感による高い評価及び不足・誤りの指摘を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

Y社はバイアウト投資事業を営む会社であり,Xは平成24年4月に期間の定めなく雇用された女性労働者である。

(続きを読む...)令和7年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴(損害賠償請求訴訟)2 設問1⑵(名誉毀損による慰謝料請求訴訟)3 設問2⑴(Cに対する支払の否認)4 設問2⑵(遺産分割合意の否認と価額償還)5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 倒産法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目38項目(重み5:6項目)重みの合計150(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2425字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目(倒産法)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,個人の破産事件を素材に,破産手続開始の決定の時に係属していた二つの訴訟(不法行為に基づく損害賠償請求訴訟と名誉毀損による慰謝料請求訴訟)の取扱いと,破産管財人による否認権の行使(和解契約後の一部の債権者への弁済と,遺産分割合意)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は38項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,損害賠償請求訴訟が破産財団に関する訴訟として中断すること,破産管財人がこれを受け継ぐことができること,慰謝料請求訴訟が中断しないこと,受任通知が申立て前1年以内のものでないため支払不能が推定されないこと(破産法162条3項),申立ての日から1年以上前の弁済は支払停止を理由として否認できないこと(同法166条)及びその結果として支払不能と悪意を直接検討するという構造の整理の6項目である。

模範解答の結論は,①損害賠償請求訴訟は中断し,破産管財人が受け継ぐことができる,②慰謝料請求訴訟は中断しない,③令和5年4月以降のCへの支払は否認できるが,同年3月以前の支払は否認できない,④Dに価額償還として請求できる額は,Dが預金を生活費に充てた場合は160万円,浪費した場合は150万円である,というものである。
設問2⑴については,出題の趣旨がいずれの結論もあり得るとしており,第5の解説で別の考え方も示した。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で2,500字以下に収め,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
評価項目と重みは本記事が公式資料から独自に抽出したものであり,法務省の公式の採点基準や配点ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(倒産法第1問の部分)又は採点実感(倒産法の第1問の部分と,第1問・第2問に共通する部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し(出題の趣旨は「〔設問1〕」「〔設問2〕」,採点実感は「2 採点方針」と「3 採点実感等」の「⑴第1問」の「ア」「イ(ア)」「イ(イ)」)で示した。
一方の資料の該当範囲を読んで記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。

採点実感が典型的な誤りとして指摘した事項は,「〜しない」という形の評価項目として表に含めた。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

本問では,重み1に当たる項目はなかった。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感が高く評価したと明言した記述に限らず,説明すべき事項として指摘した記述も判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

(続きを読む...)令和7年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―条約の署名・留保・脱退(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(A国の署名と大統領の通告)2 設問2(B国の声明とC国の異議)3 設問3(D国の自由権規約からの脱退)4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 条約3 国際機関の文書4 確認状態

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和7年・第1問を扱う。主な論点は,条約の署名・留保・脱退である。模範解答,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 国際公法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目19項目(重み5:5項目)重みの合計79(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2382字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の国際関係法(公法系)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)と市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)を素材として,条約への署名の意義,留保と解釈宣言の区別及び脱退規定のない条約からの脱退という,条約法の基本問題を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は19項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,署名国が条約法条約18条の義務を負うこと,大統領の通告がその義務を終了させる効果を持つこと,B国の声明を条約法条約2条1項(d)の留保の定義に照らして性質決定すること,19条(c)の趣旨及び目的との両立性が基準となること,C国の異議が両立しないとの主張に基づくこと,脱退は条約又は条約法条約の適用によってのみ行えること(42条2項)及び56条1項の二つの例外が基準となることの7項目である。

模範解答の結論は,設問1ではA国の通告が署名国としての義務を終了させるもの,設問2ではC国が声明を自由権規約の趣旨及び目的と両立しない留保と主張したもの,設問3ではD国の一方的な脱退は認められないというものである。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で,2,500字以下にまとめて示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

条約法の基本用語と重要条文は,条約法に関するウィーン条約とは―日本の加入,重要条文と条約の基本ルール(AI作成)にまとめている。
本記事では,その一般的な規則を,本問の署名国の通告,声明に対する異議及び脱退の主張に当てはめて読む。

署名国の義務とその終了は設問1の評価項目,留保と解釈宣言は設問2の評価項目,脱退規定のない条約からの脱退は設問3の評価項目を参照。
各設問の具体的な論証は模範解答と解説に示している。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(国際関係法(公法系)第1問の部分)又は採点実感(同科目の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と設問の別(採点実感の「3⑴」は「3 採点実感等」の「⑴ 第1問」を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

採点実感が不十分とした答案(大統領の通告が18条にいう「条約の当事国とならない意図を明らかにする」ものであると述べるにとどまる答案)は,番号5の正しい書き方の裏返しであるため,独立の項目にせず番号5にまとめた。

これらの評価項目は,法務省の公式の採点基準や配点ではなく,公表された資料から本記事が独自に抽出したものである。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感が「確認する必要」「求められる」「優れた答案」等として取り上げた記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要

(続きを読む...)令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―条約の署名・留保・脱退(AI作成)

令和7年度司法試験経済法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問⑴(幹事会の決定による特例取引の禁止)2 設問⑵(総会の決定による各基準料金の設定)3 答案全体4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 経済法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目25項目(重み5:4項目)重みの合計102(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数3241字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の経済法第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,建築資材Aの製造販売業者を会員とする県内唯一の団体であるX協会が,⑴幹事会の決定により,乙市内の建築現場を運搬先とする特例取引を一切禁止したこと,⑵総会の決定により,過小積載及び不使用返送の際の割増料金の基準料金を従来の平均の10パーセント増しと定めたことについて,それぞれ全会員に遵守させている行為の独占禁止法上の問題点を検討させるものである。
出題の趣旨は,⑴を独占禁止法8条4号(構成事業者の機能又は活動の不当な制限)の問題,⑵を同条1号(一定の取引分野における競争の実質的制限)の問題としており,本記事の模範解答も,⑴は8条4号に,⑵は8条1号に違反するとの結論を採っている。

公式資料から抽出できた評価項目は25項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,幹事会の決定を事実上のX協会の決定とみること,⑴で8条4号を,⑵で8条1号を検討の中心に選ぶこと,⑴で会員の合算市場シェアが約90パーセントであることや乙市が県庁所在地であること等の事実を丁寧に拾うこと,及び⑵で割増料金がAの販売代金とは別に請求されてきた点に着目して市場を画定することの5項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(経済法第1問の部分)又は採点実感(経済法の第1問の部分と総論)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号(採点実感の「3・1⑶ア」は「第3 採点実感等」の「1 第1問」の⑶アを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点は「〜しない」の形の項目(番号25)にした。
また,採点実感が「相応に評価」するとした別の構成(⑴で8条1号又は5号を検討する構成)は,許容される構成として番号15に置いた。
この一覧は,公式資料から本記事が独自に抽出したものであり,法務省の公式の採点基準ではない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感による高い評価及び不足の指摘を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

X協会は,甲県に所在する建築資材Aの製造販売業者を会員として設立された県内唯一の法人であり,甲県内のAの製造販売業者のほとんどが会員で,会員の合算市場シェア(売上額に基づく割合)は約90パーセントである。
定款上は総会が決定機関であるが,次回の定時総会までに決定すべき事項は,会長と有力会員4社から成る幹事会が事実上決定し,会員がこれに従い,次回の定時総会で追認する運用が慣行となっている。

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令和7年度司法試験環境法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(第二種事業の判定とその導入理由)2 設問2⑴(人工的環境要素と条例による横出し)3 設問2⑵(意見の取扱いと公聴会の義務付け)4 設問3(Cの原告適格)5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令等3 裁判例4 確認状態

令和7年司法試験の論文式試験の選択科目[環境法]〔第2問〕(太陽光発電施設の設置工事の事業と環境影響評価)について,法務省の出題の趣旨と採点実感から評価項目を抽出し,5段階で重み付けした上で,模範解答と解説を示す。
評価項目と重みは本記事が独自に作成したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 環境法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目28項目(重み5:7項目)重みの合計110(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2333字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目[環境法]〔第2問〕(配点50点)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
試験は令和7年7月16日に実施されたので,法令と判例はその時点のものを前提にしている。

本問は,太陽光発電事業者Aが甲川沿いの土地に太陽光発電施設乙を設置する事業を題材に,環境影響評価法(以下「法」という。)の第二種事業の判定(スクリーニング)とその導入目的(設問1),法に基づく環境影響評価の項目と条例による横出し・手続の上乗せの可否(設問2),景観の保全を理由に施設の設置許可の取消しを求める住民Cの原告適格(設問3)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は28項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,項目の選定の指針が環境基本法14条各号の確保を旨とすること(法11条4項)の指摘,公衆参加の拡充という観点による補強,景観利益に関する最高裁平成18年3月30日判決(国立マンション事件)等への言及,及び同判決の示した要件への当てはめの4項目である。

模範解答の結論は,設問1⑴が法4条3項による判定,設問2⑴後段が「法に抵触する」,設問2⑵後段が「法に抵触しない」,設問3が「Cは原告適格を有する」である。
設問2の2つの後段について,出題の趣旨と採点実感は,抵触する・しないのいずれの結論もあり得るとしているので,結論そのものは評価項目にしていない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(環境法〔第2問〕の部分)又は採点実感(環境法の【第2問】の部分と,両問に共通する採点方針)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
番号は記事全体で通しにしている。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,法務省掲載のPDFの頁で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,関連する記述から推し量ったものは「間接」と表示した。
「記載なし」は,その資料の本問に関する部分を全部読んだ上で記載が無かったことを意味する。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

採る結論によって求められる理由付けには,評価項目の欄の冒頭に「(許容分岐)」と付けた。
避けるべき誤りは「〜しない」の形の項目として示した。
重み5の項目も,全ての答案に必須という意味ではない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
本問では,採点実感が「少数にとどまった」「ごく少数」「思いのほか少なく」と述べた事項を評価の分かれ目として重み5とし,出題の趣旨が解答として求め,採点実感も期待した解答として取り上げ又は不足を指摘した事項を重み4とした。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と,採点実感が同じ事項を取り上げた記述を判断資料としている。

(続きを読む...)令和7年度司法試験環境法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 ①Cに対する戒告処分2 ②Aによる意見表明3 ③本件弁当代の支給4 救済命令の内容と限界5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例・労働委員会命令4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 労働法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目33項目(重み5:5項目)重みの合計121(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2271字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の労働法第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
評価項目と重みは公式資料から本記事が独自に抽出・付与したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。
法令と判例は,試験の実施日(令和7年7月16日)当時のものを基準としている。

本問は,冬季一時金をめぐるストライキに関連して,①ストライキを指揮した組合委員長に対する戒告処分,②現場監督者による組合批判の発言,③ストライキ当日に深夜まで勤務した従業員への「弁当代」の支給について,労働組合が労働委員会に救済を申し立てる場合の主張・求める救済と,労働委員会が発する命令を論じさせるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は33項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,ピケッティングの状況の分析・評価,「使用者の意を体して」の意味の理解(使用者の反組合的態度が前提となること),弁当代の支給についての不利益取扱いと支配介入の両面からの検討,及び組合員への金銭の支払まで命じ得るかという救済命令の限界の4項目である。

模範解答の結論は,①の戒告処分は不利益取扱い(労働組合法7条1号)及び支配介入(同条3号)に当たり,②の発言はY社に帰責される支配介入に当たり,③の弁当代の支給は支配介入には当たるが不利益取扱いには当たらず,組合員への支払命令は救済命令の限界を超える,というものである。
③の不利益取扱いの成否と支払命令の可否は,労働委員会の命令例でも結論が分かれており,第5の3で別の結論の命令例も紹介する。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
公式資料が挙げる裁判例のうち1件(東京地裁昭和41年2月26日決定)は,裁判所ウェブサイトに掲載がなく,本記事では判示を確認できていない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(労働法第2問の部分)又は採点実感(労働法の総論及び第2問の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,法務省が公表したPDFの頁と見出しで示した。
採点実感の「3⑵」は「3 採点実感等」の「⑵ 第2問について」を指し,その中の①②③は設問の①②③に関する段落を指す。
一方の資料に記載がない場合は,関連する範囲を読んだ上で「記載なし」と表示し,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
「〜しない」の形の項目は,採点実感が典型的な誤りとして指摘した事項である。
結論が分かれ得る論点は,結論ではなく検討の有無を項目にした。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感による,できていた答案及びできていなかった答案の指摘を判断資料としている。

(続きを読む...)令和7年度司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験倒産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴(DIP型の趣旨と公平誠実義務)2 設問1⑵(管理命令)3 設問2(破産手続への移行)4 設問3(再度の再生手続開始の申立て)5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 倒産法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目28項目(重み5:4項目)重みの合計108(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2378字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の倒産法第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,資金繰りに窮した運送会社A社の再生手続(監督命令が発せられた,いわゆるDIP型の手続)を素材として,スポンサーの選定に不服を持つ再生債権者からの管理命令の申立て(設問1),再生計画案の否決による再生手続廃止の決定後の破産手続への移行(設問2),及び廃止後の再度の再生手続開始の申立て(設問3)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は28項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,スポンサー選定における公平誠実義務の具体的内容の指摘(番号5),再度の申立てが否決された再生計画案の問題点を改善した上でされたことの評価(番号23),及び再生計画案の可決の見込みがないことが明らかとはいえないことの検討(番号26)の3項目である。

答案の結論は,設問1⑵では管理命令の申立てを却下すべきであり,設問3では再生手続開始の決定をすることができる,というものである。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で約2,400字に収め,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(倒産法第2問の部分)又は採点実感(倒産法の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号(採点実感の「3⑵イ」は「3 採点実感等」の「⑵ 第2問」の「イ 設問2」を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
「記載なし」は,その資料の倒産法第2問に関する部分を全部読んだ上で,該当する記述がなかったことを意味する。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項のうち,独立の注意点は「〜しない」の形の項目にした(番号4・11・22・28)。
設問1⑵と設問3の結論は,公式資料が「例えば…との解答が考えられる」として示したものであり,唯一の正答とはされていないため,結論そのものではなく,理由と一貫した結論を導いているかを項目にした(番号10・27)。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,採点実感の採点の主眼,解答例及び評価に関する記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

A社は,運送業の収益悪化で資金繰りに窮し,公租公課も滞納したため,スポンサー候補のB社から意向表明書を受けた上で再生手続開始の申立てをし,監督命令を受けた。
A社は,債権者説明会でB社をスポンサーとする方針を説明し,監督委員の同意を得てB社から3000万円を借り入れ(本件借入れ),再生手続開始の決定を受けた。

B社の条件は,譲渡価格1億3000万円,全従業員の雇用継続,既存取引先との取引継続であった。

(続きを読む...)令和7年度司法試験倒産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―国際海峡・国家責任・ITLOS管轄権(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(X海峡の通航権)2 設問2(B国によるA国の責任追及)3 設問3(国際海洋法裁判所の管轄権)4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和7年・第2問を扱う。主な論点は,国際海峡・国家責任・ITLOS管轄権である。模範解答,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 国際公法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目22項目(重み5:4項目)重みの合計82(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2473字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目「国際関係法(公法系)」の第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
問題文は令和7年司法試験論文式試験問題(選択科目)の35頁にある。

本問は,A国が領有するX島と本土との間の海峡(X海峡)を舞台に,国連海洋法条約上の通航権(設問1),国連海洋法条約の非締約国であるB国の軍艦の触雷による損害についてのA国の国家責任(設問2),締約国であるC国が国際海洋法裁判所に付託した場合の管轄権(設問3)を問うものである。
出題の趣旨によれば,海洋法,国家責任法及び慣習国際法と条約との関係という国際法の基本的分野の知識と理解を確認する問題である。

結論は,次のとおりである。
①設問1:X海峡は37条の国際海峡に当たるが,島の海側に同様に便利な航路があるため38条1項ただし書により通過通航は認められず,45条1項⒜の無害通航が適用され,その無害通航は同条2項により停止できない。
②設問2:A国が機雷を設置した証拠はないから,設置自体の責任は追及できない。B国は,ICJのコルフ海峡事件判決にならい,慣習国際法に基づき,A国が機雷の敷設を知りながら通告・警告をしなかった不作為の責任を追及することになる。
③設問3:両国とも国際海洋法裁判所を選択しているから,選択の相違は管轄権を否定する根拠にならない。A国は,C国自身が軍事的活動に関する紛争を除外する宣言をしていることから,298条3項によりC国はA国の同意なしに本件を付託できないと主張することになる。

公式資料から抽出できた評価項目は22項目である。
そのうち重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,45条2項の停止の禁止(番号6),A国の通告・公表義務と警告義務の指摘(番号10),その不作為の当てはめ(番号11)及び298条3項(番号19)の4項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(国際関係法(公法系)〔第2問〕の部分)又は採点実感(国際関係法(公法系)の「3 採点実感等」のうち第2問の部分である「⑵」)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出しで示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
「記載なし」は,その資料の第2問に関する部分を全て読んだ上で該当する記述がなかったことを意味する。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
番号15と番号21は,公式資料が誤り又は不十分な答案として挙げた事項を「〜しない」の形にした項目である。
番号12と番号13は,義務の根拠についての選択肢であり,いずれか一方を満たせば足りる。

採点実感の「⑶ 答案の水準と評価」と「4 法科大学院教育に求めるもの」は,第1問と第2問に共通する一般的な記述であり,本問の設問に結び付く具体的な指摘を含まないため,独立の評価項目にしていない(そのため「答案全体」の表は置いていない)。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

(続きを読む...)令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―国際海峡・国家責任・ITLOS管轄権(AI作成)

令和7年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(自家用車の水没による損失)2 設問2(定住奨励金の所得分類)3 設問3(無届けの民泊の収入)4 設問4(三つの支出の必要経費該当性)5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 租税法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目33項目(重み5:5項目)重みの合計129(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2378字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の租税法第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,会社員Aについて,豪雨で水没した自家用の軽自動車の損失(設問1),移住先の市から毎年交付される定住奨励金(設問2),無届けで営んだ民泊の収入(設問3)及び民泊に関する三つの支出(設問4)の所得税法上の扱いを問うものである。
解答は,令和7年1月1日現在において施行されている法令に基づき,租税特別措置法の適用は考慮しないとされている。

公式資料から抽出できた評価項目は33項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の段階を分けた事項)に当たるのは,所得税法62条1項と雑損控除の分岐(番号1),施行令178条1項による「生活に通常必要でない資産」の意義の確定(番号7),本件車両の使用態様の説得的な当てはめ(番号12),「一時の所得」の立ち入った検討(番号17),三つの所得分類の検討(番号22),社会通念上の事業性の当てはめ(番号25),必要経費の要件と当てはめ(番号28),罰金を不算入とする明文規定(番号31)及びそれが「別段の定め」であること(番号32)の9項目である。

第5の模範解答は,本件車両を「生活に通常必要な動産」として雑損控除の対象とし,本件奨励金を雑所得,民泊の所得を業務に係る雑所得とし,祈祷料と罰金は必要経費に算入されず,古井戸の解体・撤去費用は必要経費に算入されるとした。
答案は論文式答案で広く使われてきた型で2,500字以下に収め,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(租税法第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,各PDFの印字頁で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」(該当部分を全て読んだ結果である。),一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

採点実感が誤りとして指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「~しない」の形の項目とした(番号5・21・26・33)。
公式資料が両論を許容している結論(設問1で本件車両が「生活に通常必要でない資産」に当たるか,設問3で事業所得か雑所得か)は,結論そのものを項目にせず,検討の有無と当てはめの質を項目にした。

この一覧は法務省の公式の採点基準ではなく,公式資料から本記事が独自に抽出したものである。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と,採点実感が同じ事項を取り上げた記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

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令和7年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1(販売促進費の損金算入時期と寄附金該当性)2 設問2(早期予約販売に係る益金算入時期)3 設問3(ギフト券の利益の所得区分と年度帰属)4 設問4(株主優待の所得区分,年度帰属及び確定申告の要否)5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 租税法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目43項目(重み5:11項目)重みの合計163(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数3711字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の租税法第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,ホテルを経営する上場会社が行った懸賞キャンペーン(旅行ギフト券),早期予約販売及び株主優待を素材として,法人税法上の損金・益金の帰属年度と寄附金該当性,所得税法上の所得区分と年度帰属,及び給与所得者の確定申告の要否を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は43項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,債務確定の3要件による判断(番号4),金額の合理的な算定可能性による損金算入の否定(番号5),法人税法22条の2第1項による益金算入時期の判断(番号15),返還されない1500万円部分への着目(番号19),ギフト券の利益の年度帰属(番号27),非対価性・非継続性による一時所得の判定(番号31),一時所得の検討を経た雑所得の判定(番号40),設問3との条件の違いを踏まえた宿泊券の年度帰属(番号42)及び所得税法121条1項1号による確定申告の要否の判断(番号43)の9項目である。

模範解答の結論は,設問1は1000万円を令和5事業年度の損金に算入できず寄附金にも当たらない,設問2は返還されない1500万円を令和6事業年度の益金とし残りの6000万円を宿泊のあった令和7事業年度の益金とする,設問3は令和6年分の一時所得であり社外取締役の場合も変わらない,設問4は令和7年分の雑所得であり確定申告は要しない,というものである。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(租税法第2問の部分)又は採点実感(租税法の採点方針のうち第2問の部分及び「3 採点実感等」の〔第2問〕の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し(採点実感の「<設問1>」等)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
「〜しない」の形の項目は,採点実感が誤りとして指摘した答案の型であり,答案でその誤りをしないことによって満たすものである。
「(許容分岐)」と付けた項目は,公式資料が許容する複数の構成のうちの一つであり,全ての答案に求められるものではない。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と,採点実感が同じ事項を取り上げた記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

本問の上場会社A社(事業年度は暦年)は,ホテルの売上を増やすため,第一に,ホームページのアンケートの回答者から抽選で10組に海外旅行のギフト券(旅行会社B社から1組100万円で購入)を贈呈するキャンペーンを行い,令和5事業年度の決算で1000万円を販売促進費に計上したが,ギフト券の最終価格は実費や為替レートに応じて増減し,対象期間満了時に精算され,未使用分の対価は全額A社に返還される約定であった。
第二に,宿泊予定日の半年前から1か月前までにネット予約とカード払を済ませると通常料金を25%値引きし,キャンセル時は支払額の20%をキャンセル料として差し引いて返還する早期予約販売を設け,令和7年中の宿泊分として令和6事業年度末までに7500万円を受領したが,同年度の決算で収益に計上しなかった。
第三に,株主に持株数に応じた段階ごとに譲渡自由な宿泊券を付与する株主優待を導入し,給与所得者である株主Dは令和7年中に時価20万円の宿泊券を受け取った(宿泊は令和8年の予定)。

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令和7年度司法試験環境法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した26項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 小問⑴(土地の形質の変更の届出とその理由)2 小問⑵(区域の指定)3 小問⑶(形質変更時要届出区域の規制)4 小問⑷(自然由来の場合の違いとその理由)5 小問⑸(掘削除去費用の請求)6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 環境法第1問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目26項目(重み5:3項目)重みの合計107(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2304字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目(環境法)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,砒素を使用していた貯木場の跡地に大規模なトラックターミナルを建設しようとする土地所有者Xを題材に,土壌汚染対策法の形質変更時の届出・調査,形質変更時要届出区域の指定とその規制,自然由来の汚染の場合の規制の違い,及び汚染原因者に対する民法709条に基づく掘削除去費用の請求の範囲を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は26項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,届出制度の理由としての土地の広さ(番号2),計画変更命令(番号10),汚染土壌処理業者への委託義務(番号12),自然由来の汚染が「公害」に当たらないこと(番号18),法8条が直接は適用されないこと(番号23),法8条の趣旨の及ぼし方(番号24)及び健康被害のおそれが低いという本件の事実(番号25)の7項目である。

模範解答の結論は,小問⑴が法4条1項の届出,小問⑵が形質変更時要届出区域の指定,小問⑶が法12条(届出・計画変更命令)と法16条以下(搬出の届出・処理委託・管理票)の規制,小問⑷が法18条1項2号による処理委託義務の免除,小問⑸が掘削除去費用の全額は請求できないというものである。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(選択科目の環境法〔第1問〕の部分)又は採点実感(環境法の【第1問】の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
法務省の公式の採点基準ではなく,公式資料から本記事が独自に抽出したものである。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と小問の番号(採点実感の「3」は「3 採点実感」の【第1問】の部分を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
「記載なし」は,両資料の該当部分を全て読んだ上でのものである。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点方針のうち両問に共通する一般的な記述(事実に基づくこと,体系的理解に基づくこと,論理的に記述すること等)は,独立の評価項目にせず,番号20の根拠として示した。

番号16と番号17は,小問⑷でどちらの緩和を挙げるかによって一方だけが問題となる項目(許容分岐)であり,全ての答案に両方を求めるものではない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

3 本問で補った点

重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と,採点実感が同じ事項を取り上げた記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

A県の甲土地は,過去に貯木場として使われ,その事業で使われていた砒素が土壌内に放置されたまま整地され,現在は運送事業者Xが事業場として使っている。

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令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した29項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準3 本問で補った点第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1⑴(失踪宣告の国際裁判管轄)2 設問1⑵(死亡擬制の準拠法)3 設問1⑶(死亡擬制の効力の及ぶ範囲)4 設問2小問1(失踪宣告の取消し)5 設問2小問2⑴(外国失踪宣告の承認と民事訴訟法118条)6 設問2小問2⑵(婚姻の解消)7 答案全体8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和7年度 国際私法第2問資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。確認した版・範囲と留保は第7の4を参照。評価項目29項目(重み5:4項目)重みの合計106(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数2380字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)年度別の案内令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の国際関係法(私法系)第2問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,甲国籍の女性Aが甲国で行方不明となった事案について,日本の裁判所がする失踪宣告の国際裁判管轄と準拠法及びその効力の及ぶ範囲(設問1),日本でされた失踪宣告の取消しの国際裁判管轄と準拠法(設問2小問1),並びに甲国でされた失踪宣告の日本での承認と婚姻の解消(設問2小問2)を問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は29項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,不動産ア・イ・ウを財産ごとに区別した法の適用に関する通則法6条2項の当てはめ,失踪宣告の取消しの管轄を認めた後の特別の事情(家事事件手続法3条の14)の検討,家事事件手続法79条の2による民事訴訟法118条の準用の指摘,同条2号が失踪宣告の性質に反する理由,及び婚姻の解消の性質決定(婚姻の効力か離婚か)の5項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で,2,500字以下に収めて示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

本記事の評価項目と重みは,公式資料の記述から本記事が独自に抽出・設定したものであり,法務省の公式の採点基準や配点ではない。
また,法令は試験の実施日(令和7年7月16日)当時のものを前提としている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(国際関係法(私法系)〔第2問〕の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し(採点実感の「3⑵ア」は「3 採点実感等」の「⑵[第2問]について」のアを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項のうち,独立の注意点となるものは「〜しない」の形の項目(番号6・8・14・23・28)とし,同じ5段階の中で重みを付けた。
番号29は,採点実感が答案全体の注意として述べ,本問の〔設問2〕〔小問2〕を例に挙げた事項であるため,「答案全体」の表に置いた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

結論が複数あり得る論点(不動産イに効力が及ぶか,婚姻の解消を婚姻の効力と離婚のどちらと性質決定するか)は,結論ではなく検討の有無を項目にした。
採点実感も,学説が分かれている論点については,結論それ自体によって得点に差を設けず,自説の論拠と論理的な展開を基本として採点したとしている(41頁2)。

3 本問で補った点

重み4の付与では,出題の趣旨の検討要求と,採点実感が同じ事項を取り上げた記述を判断資料としている。
各項目の具体的な根拠は,第4の出題の趣旨欄及び採点実感欄に示す。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

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司法修習生が見た裁判・検察・弁護の現場―第53期の体験記から現在の司法修習を考える(AI作成)

目次

第1 この記事の結論第2 本書と第53期司法修習の位置付け1 本書が作られた経緯2 第53期当時と現在の司法修習の違い第3 裁判修習で見たもの1 裁判官室に出入りする検察官2 勾留・保釈と「人質司法」3 迅速な事件処理と充実した審理4 合議,心証形成及び裁判官の組織5 裁判官によるハラスメントと申告6 裁判官の市民的自由第4 検察修習で見たもの1 司法修習生による取調べ2 供述調書は誰の言葉か3 勾留請求とえん罪への問題意識4 検察官との人間関係と組織第5 弁護修習で見たもの第6 検事任官選考と「女性枠」問題第7 座談会で繰り返された問題1 「事件の筋」と事実認定2 指導と評価による萎縮3 組織の論理と個人の判断第8 現在の司法修習生が本書から学べること1 「実務はこうしている」で検討を終えない2 観察した事実と自分の評価を分ける3 守秘義務と制度批判を両立させる4 現在の制度は現在の資料で確認する第9 まとめ第10 参考資料
第1 この記事の結論

司法修習生は,裁判官,検察官及び弁護士の仕事を外から見学するだけでなく,指導を受けながら実際の事件を素材とする修習を行う。そのため,法曹三者の仕事の進め方,組織の慣行及び当事者との接し方を,同じ時期に比較して見ることができる立場にある。

『司法修習生が見た裁判のウラ側―修習生もびっくり!司法の現場から―』(司法の現実に驚いた53期修習生の会編,現代人文社,2001年)は,第53期司法修習生が実務修習で見聞きした出来事を集めた体験記である。本書は,裁判官室と検察官の関係,勾留・保釈,刑事裁判の進行,合議,取調べと供述調書,国選弁護,検事任官選考等について,公式の制度説明だけでは分からない疑問を具体的に記録している。

ただし,本書が扱うのは主として1999年から2000年頃の実務であり,匿名の体験記を中心とする。個々の記述を現在の裁判所,検察庁又は弁護士会の一般的運用として扱うことはできない。本記事では,本書が記録した当時の体験,本書の編者らによる評価及び現在の公式制度を区別する。

第2 本書と第53期司法修習の位置付け
1 本書が作られた経緯

本書の編者らは,司法試験の学習で理解していた憲法・刑事訴訟法上の原則と,実務修習中に目にした運用との間に隔たりがあるのではないかという疑問から,体験談を集めたと説明している(同書2頁から5頁)。

その一方で,あとがきでは,掲載した事例が全ての実務庁又は全ての実務家に共通するものではなく,多くの優れた実務家から指導を受けたことも明記している。また,個別事件の当事者のプライバシー及び法曹との信頼関係を守りながら,一般化して検討できる制度上の問題を取り上げたとしている(同書206頁及び207頁)。

したがって,本書の価値は,個々の経験だけから司法実務全体を断定できることではない。法曹になる前の司法修習生が何に違和感を持ち,法曹組織の内側と市民から見える姿との間にどのような隔たりを感じたかを記録した点にある。

2 第53期当時と現在の司法修習の違い

第53期の司法修習は,1999年4月から2000年10月までの1年6か月であった。司法研修所での前期修習3か月,実務修習12か月及び後期修習3か月からなり,実務修習では民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の各分野を3か月ずつ修習した(同書8頁から10頁)。

これに対し,裁判所の現在の説明では,司法修習の期間は少なくとも1年間であり,導入修習の後,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護について各2か月,合計約8か月の分野別実務修習を行い,さらに選択型実務修習及び集合修習をそれぞれ約2か月行う。裁判所「司法修習生」及び司法研修所「司法修習の概要」で現行制度を確認できる。

項目第53期当時現在の公式説明修習期間1年6か月少なくとも1年間司法研修所での修習前期3か月・後期3か月導入約1か月・集合約2か月分野別実務修習4分野を各3か月4分野を各2か月その他の課程現在の選択型実務修習はなかった選択型実務修習を約2か月

本書を読む場合は,この制度上の違いを前提とする必要がある。

第3 裁判修習で見たもの
1 裁判官室に出入りする検察官

本書は,刑事部の裁判官室に検察官が出入りし,係属事件,被告人の前科又は暴力団との関係等について話す場面があったとする複数の体験を掲載している(同書13頁から25頁)。修習生らは,起訴状だけを見て予断なく審理を始めるという起訴状一本主義や,裁判所の公平な外観との関係に疑問を示した。

裁判官と検察官が同じ庁舎又は近接する職場で仕事をし,日常的な接点を持つこと自体から,個別事件について不適切な情報交換があったとはいえない。本書の記述が示す重要な点は,裁判の当事者から見えない場所での接触が,公正さに対する信頼へどのような影響を与えるかという問題である。

2 勾留・保釈と「人質司法」

令状担当裁判官の下で修習した執筆者は,勾留請求が多数認められ,否定された事件でも準抗告による取消しを裁判官が意識しているように見えたと記録している。また,証拠隠滅又は逃亡のおそれを個別具体的に検討せず,罪名や事件類型から広く認めているのではないかという疑問を述べている(同書26頁から35頁)。

これは匿名の観察と評価であり,当時の全ての勾留判断を示す統計ではない。しかし,身体拘束による自白への圧力,裁判官の責任回避及び事件処理上の負担が,勾留・保釈の判断に影響していないかという問題は,本書の中心的な問題提起の一つである。

3 迅速な事件処理と充実した審理

本書は,刑事裁判の冒頭手続で,裁判官が被告人又は弁護人に書証への同意を促したように見えた場面や,情状証人を調べるために続行を求める弁護人と,一回で審理を終えようとする裁判所との緊張を記録している(同書36頁から48頁)。

迅速な裁判は被告人の利益にもなるが,審理の速度を優先するために必要な主張・立証が制限されるのであれば問題となる。本書の修習生らは,事件処理件数だけでなく,個々の被告人に必要な審理が行われたかを検討すべきであると考えた。

4 合議,心証形成及び裁判官の組織

合議事件について,本書には,若い裁判官が判決案を作成し,裁判長の意見が結論又は量刑に強く影響したように見えたとの記述がある。他方,配属部によっては自由に意見を述べることができたとの体験もあり,修習生の見方は一様ではない(同書49頁から51頁及び189頁から195頁)。

また,審理前又は審理の早い段階で結論が固まっているように見えた事件,経験則という言葉によって別の見方が退けられたと感じた場面及び裁判官が組織内の評価を意識しているように見えた場面も記録されている(同書52頁から59頁)。

修習生が合議や裁判官の内心を完全に知ることはできない。しかし,理由を明確にし,異なる見方を検討し,組織内の序列から独立して判断することが,裁判への信頼に不可欠であるとの問題提起として読むことができる。

5 裁判官によるハラスメントと申告

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司法試験短答式の年度別難度を得点分布から比較する方法―受験者の重複,制度改正及び受験ルート(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 旧司法試験では年度間で受験者が重なること

1 受験回数の上限がなかったこと
2 平成13年度及び平成14年度の初回出願者
3 公表資料からは分からないこと

第3 受験者層と試験制度の主な節目
第4 得点分布から判断できること

1 同じ制度区分内での位置付け
2 平均点以外に見るべき数値

第5 得点分布だけでは判断できないこと

1 問題文固有の難度
2 合格点・合格率の限界

第6 年度横断比較の実務的な手順
第7 弁護士実務及び税理士実務への応用
第8 関連記事
第9 出典

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短答式の民法は旧試験と現行試験でどう変わったか―出題形式・配点・部分点の比較(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象とする試験と資料2 本記事の結論3 総論と科目別の記事の分担第2 試験の枠組みの比較1 旧試験は3科目60問を3時間30分で解いた2 現行試験の民法は1時間15分・75点満点である3 比較表第3 出題形式の比較1 旧試験の民法は記述の組合せが中心で,会話・学説の素材が多かった2 現行試験の民法はほぼすべてが記述の組合せである3 問題文の分量第4 配点と部分点の比較1 旧試験は各問1点で部分点が無かった2 現行試験の民法は2点が基本で,3点の問題が1問~3問ある3 民法には部分点が無い4 部分点が無いことの意味第5 合否判定と平均点1 旧試験は3科目の合計点で合否を決めた2 現行試験は科目ごとの最低ラインと合計点の二段階で判定する3 旧試験の民法の平均点4 現行試験の民法の平均点5 比べるときの注意第6 旧試験の過去問を読むときの注意第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令2 旧司法試験の資料3 現行試験の資料
第1 本記事の対象と結論
1 対象とする試験と資料

本記事は,司法試験の短答式試験のうち民法について,旧司法試験第二次試験(以下「旧試験」という。)と現在の司法試験(以下「現行試験」という。)を,出題形式,配点,部分点,試験時間及び平均点の点から比べるものである。
旧試験は,法務省が問題を公開している平成8年度から平成22年度までの15年度分(民法は各年度の第21問から第40問まで,計300問)を確認した。
現行試験は,短答式が憲法・民法・刑法の3科目で行われるようになった平成27年から令和8年までの12年分(計440問)の問題と,各年の「民法の正解及び配点」及び短答式試験の結果を確認した。
調査の基準日は令和8年10月9日である。
出題形式の分類と問題文の字数は,本記事で問題を機械的に読み取って集計したものであり,法務省が公表した数値ではない。
平均点,配点,最低ライン及び試験時間は,いずれも法務省等の公表資料による。

2 本記事の結論

①旧試験の民法は,3科目60問を3時間30分で解く試験の中の20問であり,各問1点,部分点はなかった。
②現行試験の民法は,1時間15分で36問又は37問を解く75点満点の試験であり,1問2点を基本とし,3点の問題が毎年1問から3問ある。
③現行試験の民法には,憲法・刑法と異なり,部分点が無い。平成27年から令和8年までの「民法の正解及び配点」は,いずれも1問に解答欄が1つで,備考欄に部分点の記載が無い。
④旧試験の民法の約8割(300問中245問)は記述の組合せを選ぶ問題であったが,個数,空欄補充,学生と見解の対応などの型もあり,会話や学説を素材にした問題も多かった。
⑤現行試験の民法は,440問中419問が記述の組合せを選ぶ問題であり,平成30年及び令和2年から令和7年までは全問がこの形であった。
⑥旧試験の民法の平均点は20点満点で8.92点~12.38点(得点率44.6%~61.9%),現行試験の民法の平均点は75点満点で43.8点~57.4点(得点率58.4%~76.5%)であった。

3 総論と科目別の記事の分担

旧試験の短答式試験の3科目に共通する事項(試験の構成,平成8年度から平成22年度までの合格点・合格率,問題・正解・結果の所在)は,旧司法試験の短答式試験―試験の構成,平成8年度から平成22年度までの合格点・合格率及び問題・正解の所在で扱っている。
本記事は民法に固有の事項を扱い,憲法は短答式の憲法は旧試験と現行試験でどう変わったか―出題形式・配点・部分点の比較,刑法は短答式の刑法は旧試験と現行試験でどう変わったか―出題形式・配点・部分点の比較で,同じ観点から比べている。

第2 試験の枠組みの比較
1 旧試験は3科目60問を3時間30分で解いた

法務省の旧司法試験の概要は,旧試験の短答式試験について,「憲法,民法及び刑法について,択一式(マークシート方式)で実施されていました。平成22年においては,試験時間は3時間30分,60問の出題がなされていました。」と説明している。
同じページは3科目を通じた試験時間を示すだけで,民法に何分を使うかは受験者が決めることになっていた。
本記事で確認した平成8年度から平成22年度までの問題は,いずれも3科目が1つにまとめられ,民法は第21問から第40問までの20問であった。

2 現行試験の民法は1時間15分・75点満点である

令和8年司法試験受験案内の時間割では,短答式試験の民法は午前10時から午前11時15分まで(1時間15分)であり,憲法(50分)及び刑法(50分)より長い。
民法の満点は75点であり,憲法及び刑法の50点より大きい。
司法試験考査委員会議の申合せ司法試験の方式・内容等について(令和7年11月26日)は,民法の配点について,「1問2点配点を基本とするが、3点以上配点する問題も出題する。」と定めている。

3 比較表
項目旧試験(平成8年度~平成22年度)現行試験(平成27年~令和8年)民法の問題数20問(3科目で60問)36問又は37問試験時間3科目で3時間30分(平成22年)。科目ごとの時間は示されていない民法は1時間15分(令和8年)民法の満点20点(各問1点。3科目で60点)75点配点各問1点1問2点が基本で,3点の問題が毎年1問~3問解答の形式1から5までの選択肢から1つを選ぶ1から5まで(一部の年の単一選択の問題は1から4まで)の選択肢から1つを選ぶ(解答欄は1問に1つ)部分点無い無い合否判定3科目の合計点で判定民法で満点の40%(30点)以上を取ったうえで,3科目の合計点で判定

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短答式の刑法は旧試験と現行試験でどう変わったか―出題形式・配点・部分点の比較(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象と資料2 結論第2 旧司法試験の短答式刑法1 3科目60問の中の20問2 配点は各問1点で部分点はなかった3 合格点の推移4 出題形式の特徴第3 現行司法試験の短答式刑法1 刑法単独の科目として20問・50点2 配点は1問2点・3点・4点3 部分点のルール4 出題形式の特徴第4 旧試験と現行試験の比較1 比較表2 1問の重みと部分点の違い3 解き方の違い4 得点分布から難度を比較する際の限界第5 関連記事第6 出典
第1 本記事の対象と結論
1 対象と資料

本記事は,旧司法試験第二次試験の短答式試験(以下「旧試験」という。)の刑法と,現行の司法試験の短答式試験(以下「現行試験」という。)の刑法とを,出題形式,配点及び部分点の三つの観点から比べるものである。
対象とした年度は,旧試験が平成8年度から平成22年度までの15年度分(刑法の各20問,計300問),現行試験が刑法を単独の科目として出題するようになった平成27年から令和8年までの12年分(各20問,計240問)である。
資料は,法務省ウェブサイトに掲載された各年度の問題,旧試験の「短答式正解等」,現行試験の「正解及び配点」,司法試験の実施日程等及び「旧司法試験の概要」であり,条文はe-Gov法令検索で令和8年10月9日時点の司法試験法を確認した。
出題形式の件数は,本記事の作成に当たり,各年度の刑法の問題文を1問ずつ読み,後記第2の4及び第3の4に記載した基準で機械的に数えた結果である。

2 結論

①旧試験の刑法は,憲法・民法・刑法の3科目60問を通し番号で並べた問題のうちのNo.41からNo.60までの20問であり,各問1点,部分点はなかった。
②現行試験の刑法は,独立の科目として20問・50点満点で出題され,試験時間は50分である(令和2年及び令和8年の実施日程)。
③現行試験の配点は1問2点,3点又は4点であり,5つの記述の正誤をそれぞれ答える問題(配点4点)には,部分点がある(5つの解答欄のうち4つが正しければ2点)。
④現行試験で正しいものを2個選ぶ問題(配点3点)は,順不同で,部分点はない。
⑤旧試験の平成8年度から平成15年度までは,正しい記述や語句の個数・使用回数を答えさせる問題が毎年度4問から13問あったが,平成16年度以降はほとんど出題されなくなった。
⑥旧試験の平成16年度以降は,学生の会話や発言を素材にした学説問題が毎年度12問から17問を占めた。現行試験では,こうした問題は平成27年から令和4年まで2問又は3問であったが,令和5年以降は5問から9問に増えている。

第2 旧司法試験の短答式刑法
1 3科目60問の中の20問

法務省の「旧司法試験の概要」によれば,旧試験の短答式試験は,憲法,民法及び刑法について択一式(マークシート方式)で実施され,平成22年においては,試験時間は3時間30分,出題は60問であった。
問題は3科目を通し番号で並べており,憲法がNo.1からNo.20まで,民法がNo.21からNo.40まで,刑法がNo.41からNo.60までである。
同ページは3科目を通じた試験時間として3時間30分を示しており,科目ごとの試験時間は示していない。
刑法の20問にどれだけの時間を使うかは,受験者が自分で決めることになる。

2 配点は各問1点で部分点はなかった

旧試験の「短答式正解等」は,平成13年度から平成22年度までの正解を掲載しており,多くの年度で,正解の番号に添えて「各問1点,60点満点中46点以上が合格」(平成20年度)のように配点と合格点を示している。
各問は1から5までの番号から一つを選ぶ形式であり,正解の番号を選べば1点,それ以外は0点である。
組合せや個数を答える問題であっても,途中まで正しく考えたことが点数になることはなかった。

3 合格点の推移

「短答式正解等」に記載された合格点(3科目60点満点の合計点)は,次のとおりである。
平成18年度と平成19年度は,正解等のページに配点・合格点の記載がないため,各年度の「短答式試験の結果」のページに記載された合格点(「各問1点で60点満点,46点以上が合格」(平成18年度)等)を示した。
平成12年度以前の正解等は同じページに掲載されておらず,平成8年度以降の全年度の合格点は,後記の関連記事の一覧で扱っている。

年度合格点(60点満点)平成22年度47点平成21年度48点平成20年度46点平成19年度47点平成18年度46点平成17年度42点平成16年度45点平成15年度47点平成14年度41点平成13年度46点

「短答式正解等」の注記は3科目の合計点による合格点だけを示しており,科目ごとの基準点は示していない。

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短答式の憲法は旧試験と現行試験でどう変わったか―出題形式・配点・部分点の比較(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象とする試験と資料2 本記事の結論第2 試験の枠組みの比較1 旧試験は3科目60問を3時間30分で解いた2 現行試験は科目ごとに時間を区切る3 比較表第3 出題形式の比較1 旧試験は5つの選択肢から1つを選ぶ形式の中で型が多様だった2 現行試験は3つの記述の正誤を答える形式がほぼすべてである3 問題文の分量は1問あたり半分になった第4 配点と部分点の比較1 旧試験は各問1点で部分点が無かった2 現行試験は2点の問題と3点の問題がある3 部分点の効き方(計算例)第5 合否判定と平均点1 旧試験は3科目の合計点で合否を決めた2 現行試験は科目ごとの最低ラインと合計点の二段階で判定する3 憲法の平均点第6 旧試験の過去問を読むときの注意第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令2 旧司法試験の資料(法務省)3 現行試験の資料(法務省・司法試験委員会等)
第1 本記事の対象と結論
1 対象とする試験と資料

本記事は,司法試験の短答式試験のうち憲法について,旧司法試験第二次試験(以下「旧試験」という。)と現在の司法試験(以下「現行試験」という。)を,出題形式,配点,部分点,試験時間及び合否判定の仕組みの点から比べるものである。
旧試験は,法務省が問題を公開している平成8年度から平成22年度までの15年度分の問題冊子を確認した。
現行試験は,短答式が憲法・民法・刑法の3科目で行われるようになった平成27年から令和7年までの11年分の問題冊子と,令和8年の受験案内,正解及び配点並びに短答式試験の結果を確認した。
調査の基準日は令和8年10月9日である。

出題形式の分類と問題文の字数は,本記事で問題冊子を機械的に読み取って集計したものであり,法務省が公表した数値ではない。
平均点,合格点,配点及び部分点は,いずれも法務省の公表資料による。

2 本記事の結論

旧試験の短答式は,憲法・民法・刑法の3科目60問を3時間30分で解く試験であり,憲法は20問,各問1点で,部分点はなかった。
現行試験の憲法は,50分で20問を解く50点満点の試験であり,2点の問題が10問,3点の問題が10問という配点が平成27年から令和8年まで続いている。
3点の問題は3つの記述の正誤を一つずつ答える形式で,2問正解すれば部分点1点が付く。

出題形式も大きく変わった。
旧試験の憲法は,5つの選択肢から1つを選ぶ形式の中で,記述の組合せ,個数,空欄補充,並べ替え,会話文への文の挿入など多様な型が出題されていた。
現行試験の憲法は,3つの記述の正誤を答える形式がほぼすべてであり,平成27年から令和7年までの220問に,個数,空欄補充及び並べ替えの問題は無かった。

問題文の分量は,旧試験の憲法が1年度あたり約1万4千字~約2万2千字であったのに対し,現行試験の憲法は約7千字~約1万1千字であり,1問あたりの分量はおおむね半分になった。

第2 試験の枠組みの比較
1 旧試験は3科目60問を3時間30分で解いた

法務省の「旧司法試験の概要」は,旧試験の短答式試験について,「憲法,民法及び刑法について,択一式(マークシート方式)で実施されていました。平成22年においては,試験時間は3時間30分,60問の出題がなされていました。」と説明している。
同じページは,3科目を通じた試験時間を示すだけで,科目ごとの時間を示していない。

本記事で確認した平成8年度から平成22年度までの問題冊子は,いずれも3科目が1冊にまとめられており,憲法が〔No.1〕から〔No.20〕,民法が〔No.21〕から〔No.40〕,刑法が〔No.41〕から〔No.60〕であった。
どの年度も,各問は1から5までの選択肢から1つを選ぶ形式であった。

2 現行試験は科目ごとに時間を区切る

司法試験法3条1項は,短答式試験について,「短答式による筆記試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な専門的な法律知識及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。」と定め,その科目として憲法,民法及び刑法を掲げている。

令和8年司法試験受験案内の時間割では,短答式試験は令和8年7月19日に,民法が午前10時から午前11時15分まで(1時間15分),憲法が正午から午後0時50分まで(50分),刑法が午後2時15分から午後3時5分まで(50分)とされていた。
旧試験と異なり,科目ごとに試験時間が区切られているので,憲法の時間を他の科目に回すことはできない。

法務省の「司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化について」は,司法試験について,令和8年試験から短答式試験及び論文式試験のいずれにもCBT試験を導入するとしている。
CBTの操作や持込品は,司法試験のCBTとオンライン手続で扱っている。

3 比較表

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旧司法試験の短答式試験―試験の構成,平成8年度から平成22年度までの合格点・合格率及び問題・正解の所在(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と確認の方法1 対象2 確認の方法と基準日第2 試験の構成1 憲法,民法及び刑法の各20問,計60問2 配点は各問1点,60点満点3 問題文の分量の変化4 試験時間は3科目で3時間30分5 受験資格第3 合格点と合格率の推移1 年度別の一覧2 合格点3 合格率の推移4 合格者の年齢第4 問題・正解・結果の所在1 正解等の公表は平成13年度から始まった2 短答式正解等のページ3 問題と試験結果のページ4 年度別の一覧第5 科目別の概要1 旧試験の科目別の平均点2 現行試験との比較(科目別)3 科目別の記事第6 資料を探すときに間違えやすい点1 リンクが二重になっているページがある2 古い住所のリンクは開かないことがある3 平成17年度以前と平成18年度以降で名称が違う第7 関連記事第8 出典1 法務省HPの一覧のページ2 法務省の発表資料3 得点別人員調4 現行試験の資料
第1 この記事の対象と確認の方法
1 対象

本記事は,旧司法試験(司法試験第二次試験)の短答式試験について,試験全体の構成,合格点及び合格率の推移,並びに法務省HPに残る問題・正解・結果の所在を整理するものである。
対象とする年度は,法務省HPに問題が掲載されている平成8年度から平成22年度までである。
本記事は3科目に共通する事項と,3科目を並べた一覧を扱い,憲法,民法及び刑法の科目ごとの出題形式,配点及び部分点の詳細は,科目別の記事に委ねる(後記第5)。

2 確認の方法と基準日

本記事の内容は,令和8年10月9日に,法務省HPの第二次試験試験問題・試験結果等のページから,「短答式試験問題」,「短答式正解等」及び「試験結果」の各ページと,そこからリンクされた年度別のページ及びPDFを開いて確認したものである。
出願者数,受験者数及び合格者数は,平成22年度の年度別旧司法試験第二次試験出願数及び短答式試験合格者数調による。
試験時間と受験資格は,法務省の旧司法試験の概要による。
問題文の文字数は,本記事で問題のPDFから文字を取り出して数えた値であり,法務省が公表した数値ではない。

第2 試験の構成
1 憲法,民法及び刑法の各20問,計60問

平成8年度から平成22年度までの問題のPDFは,いずれも憲法,民法及び刑法の科目名の見出しの下に,第1問から第60問までを通し番号で載せている。
憲法が第1問から第20問まで,民法が第21問から第40問まで,刑法が第41問から第60問までであり,各科目20問ずつである。
法務省HPでは,各年度の3科目の問題が1つのPDFにまとめて掲載されている。

2 配点は各問1点,60点満点

平成13年度から平成22年度までの各年度の「短答式試験の結果」には,いずれも「各問1点で60点満点」と書かれている。
短答式正解等の各ページにも,平成18年度及び平成19年度を除く8年度分に,同じ趣旨の記載がある。

平成12年度以前については,法務省HPに配点を示した資料は掲載されていない。
問題のPDFには,表紙や注意事項の頁が含まれておらず,配点の記載もない。
ただし,後記第3の得点別人員調では,平成8年度から平成12年度までの短答式試験の得点が60点を最高点として集計されている。

3 問題文の分量の変化

3科目の問題文の文字数(空白と,選択肢の番号だけの行を除いたもの)は,平成8年度が36,515字,平成22年度が53,883字であり,15年間で約1.5倍になった。
特に平成17年度以降は,平成18年度(47,321字)を除き5万字を超えている。
年度別の文字数は,後記第4の4の一覧に載せた。
仮に各年度とも後記4の平成22年の試験時間(210分)であったとして,3科目の文字数を210分で割ると,1分あたり174字(平成8年度)~268字(平成20年度)となる。

4 試験時間は3科目で3時間30分

法務省の旧司法試験の概要は,短答式試験について,「憲法,民法及び刑法について,択一式(マークシート方式)で実施されていました。平成22年においては,試験時間は3時間30分,60問の出題がなされていました。」と説明している。
同じページは3科目を通じた試験時間を示すだけで,科目ごとの時間は示していない。

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令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

目次

第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系第1問(憲法)2 公法系第2問(行政法)3 民事系第1問(民法)4 民事系第2問(商法)5 民事系第3問(民事訴訟法)6 刑事系第1問(刑法)7 刑事系第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較1 重み5・4・3の分布2 重み2・1,項目数及び重みの合計3 本記事としての整理第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

令和元年司法試験の論文式試験について,選択科目を除く主要7科目7問の模範解答記事を一覧にしたものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目と短答式試験は対象に含まれない。

更新後の子記事の評価表を集計すると,項目数は486,重み5は66,重み合計は1783である。
重み1~5の件数は順に3・74・70・273・66である。
これらは独自分析の件数・単純合計であり,公式配点・予測得点・難易度ではない。

模範解答はAIが作成した答案例であり,法務省の公式解答ではない。
評価項目の切り分けと重みは子記事独自の分析であり,公式採点基準・項目別配点・予測得点を表すものではない。

第2 7記事の一覧
科目主な論点評価項目重み5公法系第1問(憲法)虚偽表現の刑罰規制,選挙時のSNS削除と手続保障679公法系第2問(行政法)土地収用,違法性の承継,無効確認の補充性,裁量審査708民事系第1問(民法)建築請負の所有権・工作物責任,将来賃料譲渡,動機の錯誤689民事系第2問(商法)少数株主の自主招集と提案,買収防衛策,総会決議と取締役責任749民事系第3問(民事訴訟法)管轄合意・留置,請求追加と自白,死亡した作成者の日記659刑事系第1問(刑法)カードすり替え,事後強盗の共犯,被救助者への傷害739刑事系第2問(刑事訴訟法)別件逮捕・勾留,公判前整理手続後の訴因変更6913
第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の番号は,各子記事の現在の公開評価表の通し番号である。
項目本文と区分・条件を一件ずつ対応させており,旧IDを推測して補っていない。
根拠資料の頁・節と重みの判断理由は,リンク先の評価表及び重みの分布の説明に示されている。

1 公法系第1問(憲法)

虚偽の情報が店舗への殺到や選挙の公正への懸念を生じさせたことを背景に,A省への立法助言を行う問題である。
措置①の一般的な虚偽表現の禁止・処罰と,措置②の選挙時のSNS上の表現の削除を分け,投稿者とSNS事業者の自由,過剰削除及び削除命令の手続保障を検討する。
法律家として自己の見解と異なる見解への応答を示し,独立行政委員会という制度自体の合憲性は論じない。
国外事業者への適用に必要な法整備は行われる前提である。
子記事の答案は①を現案のままでは違憲とし,②にも実体的要件と手続の修正が必要とするが,これが唯一の指定結論という意味ではない。

重み5は9項目であり,その全事項は次のとおりである。

番号3:①と②を独立して審査する。
規制対象・主体・手段の差が審査の組立てを変えるため,二つの立法措置を分ける点を5とする。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号14:虚偽又は故意を理由に無検討で保障外・低価値としない。
虚偽又は故意の虚偽を直ちに保障範囲外にするかが,憲法審査を行う経路自体を分ける。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号25:虚偽の恣意的認定が真実の表現を萎縮させる危険を示す。
国家による真偽判定の危険と萎縮を具体化することで,一般的処罰の広さの評価が変わる。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号29:明確性だけで終えず目的・手段審査も行う。
不明確性のみで打ち切らず目的手段審査へ進むことが,法案への助言としての回答範囲を決める。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号43:①より②の対象・時期・害悪要件が限定されていると評価する。
限定時期・対象を規制①との比較へ接続することが,規制②の固有の違憲審査を決める。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号53:13条の故意・重過失のない誤削除免責が予防的過剰削除を誘発すると示す。
免責規定から事業者の過剰削除への誘因を導くことは,削除義務の実際の制約を評価する核心である。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号61:20条が事前の告知・弁明の機会を除外すると把握する。
弁明等が明文で除外されている事実を捉えることが,実体審査と別の手続保障問題への入口になる。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号62:20条が理由提示も除外すると明示して評価する。
理由提示の除外は弁明機会とは別の保障欠缺であり,手続審査から落とさない。 この法的役割を根拠に5を提案する。

番号66:選挙の迅速性と誤削除の回復困難性から一律の手続省略を評価する。
迅速な削除の必要と誤削除の回復困難を具体的に衡量することが,手続保障の結論を支える分岐となる。 この法的役割を根拠に5を提案する。

その他の論点

番号1:A省への立法助言として自己の見解を軸に論じる。

番号4:①の一般的刑罰規制と②の限定された削除規制の差を示す。

番号5:保障・制約・審査規範・具体的当てはめの順で合憲性を判断する。

番号9:厳格な審査規範を適用段階で理由なく緩めない。

番号10:自己の立場を明確にして異なる立場へ具体的に応答する。

番号20:①はSNSに限られず何人にも適用されると把握する。

番号30:①を制限の強い表現内容規制と評価する。

番号35:現実に生じた混乱自体を対象とする代替規制を検討する。

番号38:②で投稿者の表現の自由への制約を示す。

番号39:②でSNS事業者の表現の自由への制約を示す。

番号47:②を合憲とするなら厳格な規範の下で削除の不可避性を具体的に示す。

番号67:採用した審査規範と事実評価から一貫した結論・修正助言を導く。

記事:令和元年司法試験公法系第1問の模範解答・評価項目―67項目と5段階の重み付け(AI作成)

2 公法系第2問(行政法)

道路事業の事業認定と権利取得裁決という二段階の処分を通じた救済を扱う。
設問1は事業認定の違法を裁決の取消訴訟で争えるか,設問2(1)はC市への民事訴訟と裁決無効確認訴訟の救済効果の比較,設問2(2)は事業の利益衡量と判断過程の審査を問う。
子記事の答案は違法性の承継と補充性を肯定する構成を採り,交通量,池の環境・教育価値,代替ルート,地下水及び防災井戸への影響を評価する。
手続は適法に履行されているとの前提を維持し,設問1の正当理由,設問2(2)の重大明白性・土地収用法20条4号・手続違反は検討しない。

(続きを読む...)令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和2年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

目次

第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系第1問(憲法)2 公法系第2問(行政法)3 民事系第1問(民法)4 民事系第2問(商法)5 民事系第3問(民事訴訟法)6 刑事系第1問(刑法)7 刑事系第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

本記事は,令和2年司法試験論文式試験の主要7科目・7問について,公開済みの模範解答記事を案内するものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目・短答式試験・予備試験・旧司法試験は含めない。

更新後の子記事の評価表を集計すると,項目数は440,重み5は40,重み合計は1710である。
重み1~5の件数は順に0・6・78・316・40である。
これらは独自分析の件数・単純合計であり,公式配点・予測得点・難易度ではない。

重要度は重み1~5で示す。
「注意」は誤りを避けるための項目の性質であり,別の重要度や独立した減点ではない。
元の番号・項目数・具体的な適用条件を維持し,採用しない別構成を全答案へ累積要求せず,同じ理解や誤りを重ねて評価しない。

第2 7記事の一覧
科目主な論点評価項目重み5公法系第1問(憲法)生活路線バス維持の参入規制,渋滞区域への自家用車乗入れ規制57項目3項目公法系第2問(行政法)農用地区域からの除外,計画変更・拒絶の処分性,不作為の違法確認64項目7項目民事系第1問(民法)契約不適合と債権譲渡,法定通行権,地役権の解除,日常家事代理と相続68項目7項目民事系第2問(商法)非公開会社の新株発行無効,種類株式の併合,買取請求・差止め・決議取消し68項目6項目民事系第3問(民事訴訟法)敷金返還の訴えの利益,和解発言の心証資料性,一部取下げと証拠共通59項目6項目刑事系第1問(刑法)債権回収と恐喝,銀行払戻しと横領,早期に発生した死亡と強盗殺人68項目6項目刑事系第2問(刑事訴訟法)任意取調べの限界,自白の証拠能力,類似事実による犯人性立証56項目5項目合計主要7科目・7問440項目40項目
第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の「番号」は,各子記事の現在の公開評価表に表示された通し番号である。
数字の字形は本文の表記にそろえているが,番号の値と対象項目は変更していない。
旧IDの併記がない記事は,現在の通し番号だけで示す。
区分・適用条件は各子記事に従い,負例は記載すべき内容ではなく避けるべき誤りとして読む。

1 公法系第1問(憲法)

生活路線バスを維持するための法案について,法律家甲として,規制①と規制②の憲法適合性を検討する問題である。
規制①は,高速路線の運行主体を生活路線の運行事業者に限定し,生活路線への新規参入も制限する。
規制②は,指定された渋滞区域・時間帯における域外からの自家用車乗入れを原則として禁止し,住民・身体障害者の乗車等を除外する。

子記事の答案は規制①を骨子のままでは違憲,規制②を区域・時間・例外の適切な限定を前提に合憲とする。
この結論は設問が指定した唯一解ではなく,自説に必要な反対説への応答を加え,設定した基準と当てはめを一貫させる必要がある。
立案段階の憲法適合性が終点であり,存在しない処分の取消訴訟や補償請求を追加しない。

重み5は3項目であり,全事項は次のとおりである。

番号11:形式的遂行規制でも高速専業には選択規制に等しいと評価する
形式的には職業遂行規制でも,高速専業者には実質的な参入阻害となる点が審査密度を変える。権利の定義を示す4より,本問の規制強度を決める5に置く。

番号24:骨子の移動手段確保を収益改善の先にある目的として捉える
収益改善それ自体で審査を止めず,住民の移動手段の確保という立法目的まで捉えるかが,手段と目的の結び付けを変える。目的の抽象的引用4を超える本件判断の軸として5。

番号39:区域・時間・自家用車という限定から制約の弱さを説明する
区域・時間・自家用車という三つの限定は規制②の強度判断を直接左右する。車両一般が規制に服するという38番の一般事情3とは異なり,本件の審査の強さを決めるため5。

その他の論点

番号2:資料中の具体的事実に法的評価を与える

番号3:権利の性質・制約強度・目的を審査基準へ結び付ける

番号4:設定した基準を当てはめにも一貫して用いる

番号5:規制ごとに憲法適合性の結論を示す

番号9:高速路線の主体限定を職業への制約として特定する

番号10:生活路線への新規参入制限を特定する

番号13:薬事法判決を明示してその論旨を使う

番号19:公共交通維持と生命・身体保護の目的の併存を認識する

番号25:まず規制手段の抽象的な目的促進関係を認めて検討する

番号26:主張する代替手段を具体化して実効性と負担を比較する【許容分岐】(代替手段を理由に審査する場合)

番号29:交通政策と生活路線バスの不可欠性・地域的限定を具体化する

番号32:一時的移動を22条1項の移転に含める理由を説明する

番号33:個別権である22条1項を先に検討する

番号35:自家用車乗入れを移動の方法への制約と評価する

番号38:車の移動が種々の交通規制に服する性質を示す

番号55:本問に独立した平等原則の審査を追加しない【注意】

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年司法試験公法系科目第1問の模範解答・評価項目―57項目と5段階の重み付け

2 公法系第2問(行政法)

(続きを読む...)令和2年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和元年司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した69項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1―別件逮捕・勾留2 設問2―訴因変更の可否及び許否3 答案全体への一般的な指摘4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和元年司法試験の刑事系第2問を対象に,別件逮捕・勾留と公判前整理手続後の訴因変更を検討する。法務省の問題文,出題の趣旨及び採点実感から,69件の評価項目を独自に抽出した。法務省の公式採点基準・配点を示すものではない。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和元年度 刑事系第2問問題・基準時問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目69項目(重み5:13項目)重みの合計261(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数5131字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)判例・法改正の留保第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。年度別の案内令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は令和元年司法試験論文式試験の刑事系科目第2問(刑事訴訟法)である。試験実施日である令和元年5月18日当時の法状態を基準とする。設問1では身体拘束そのものの適法性と,理論・結論が異なる反対構成,その不採用理由を扱う。設問2では,訴因変更の可否と公判前整理後の許否を分けて扱う。

枠内答案は,別件の拘束要件と独自の捜査を重視して3月20日までの拘束を適法とし,反対説から違法となる理由も示す。訴因変更は基本的事実関係の同一性を認め,変更の契機及び審理計画への影響を検討して許可すべきとする。拘束について適法・違法の一方だけが公式の正解として指定されているわけではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの番号は,一つの判定対象に対応する。「必須」「高評価」「負例」「許容分岐」は項目の性質を示し,重みとは独立する。負例は誤りを避けているかを判定する。許容分岐は当該構成を採る場合にだけ適用するため,全項目を一つの答案への累積要求として扱わない。番号は全表を通じて連続させる。

出典欄の頁はPDFの頁番号である。表中の説明は引用ではなく要約であり,資料が求める一般枠組みを問題文の具体的事実へ対応させたものも含む。「記載なし」は本問の関連範囲を全部読んだ結果,「間接」は一般枠組みからの対応推論を意味する。両者は未閲覧・原文未取得を意味しない。

2 5段階の重み付けの基準

5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。

本問では重み4を,両資料が扱う検討対象という意味で用いる。両資料がそろって「高く評価した」と明言したという意味ではない。個別の事実評価が一方にのみ明示され,他方には一般枠組みしかない場合は重み3とした。件数の割当てや旧3段階からの機械換算は行っていない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

強盗致死事件で甲を逮捕する証拠が足りないと考えた警察官は,会社の集金3万円を着服した別件を捜査し,これによる逮捕・勾留中に強盗致死を取り調べた。別件についても,パチンコ店,パソコン,返済先Yの調査が続き,勾留は3月20日まで延長された。付表では横領が7日・20時間,強盗致死が12日・40時間である。

両事件の併合審理について公判前整理手続が行われ,量刑のみが争点とされた。公判で初めて,甲に集金権限がなかったことが社長の証言により明らかになり,検察官が業務上横領から詐欺へ訴因変更を請求した。甲は権限欠如を認め,当事者双方から追加の証拠調べ請求はない。設問2の中心は,既に請求された変更を許可できるかである。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1別件の逮捕・勾留を利用した本件捜査通常逮捕・当初勾留・延長後勾留の法律上の単位で検討する。自説の基準・事実評価に加え,理論と結論が異なる反対説及び不採用理由を示す。設問2公判前整理手続終了後の詐欺への訴因変更変更は既に請求済み。双方から追加証拠調べの請求はない。公訴事実の同一性による可否と,計画審理等の制度趣旨からの許否を分けて論ずる。
第4 評価項目と重み
1 設問1―別件逮捕・勾留
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1横領を別件,強盗致死を本件とする別件逮捕・勾留の問題を捉える
由来:両者由来。
418頁(設問1・共通)。検討対象・理由付けの根拠。6頁(設問1・共通)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。2身体拘束の適法性の自説の判断基準を明示する
由来:両者由来。
518頁(設問1-1)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-1)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。3採用基準を事件単位の令状審査等の制度的根拠から導く
由来:両者由来。
418頁(設問1-1)。検討対象・理由付けの根拠。8頁(設問1-1)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。4採用理論から違法になる場合の条件を具体化する
由来:両者由来。 適用:全答案・選んだ基準に対応。

518頁(設問1-1)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1-1)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。5横領の逮捕について199条1項・2項の根拠を示す
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。6社長とAの供述及び入金帳簿不存在から横領の相当な嫌疑を検討する
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。7被害額・生活及び証拠状況から逮捕の必要性を具体的に検討する
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。8規則143条の3の逮捕必要性に関する考慮枠組みに言及する
由来:出題の趣旨由来。 適用:逮捕必要性の条文展開をする場合。

318頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)9207条1項による60条1項の準用を明示する
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。10横領の嫌疑と罪証隠滅又は逃亡の理由及び勾留必要性を個別に検討する
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。11208条2項を摘示して延長のやむを得ない事由を説明する
由来:両者由来。
418頁(設問1・法定要件)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・法定要件)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。12Yの出張等による聴取待ちが横領捜査の必要と期間内完了困難に結び付くと説明する
由来:出題の趣旨由来。 適用:延長の判断。

3間接:19頁・設問1(Yの取調べ等の裏付け捜査)。出張による聴取待ちの事実は問題PDF5頁・事例4。9頁(設問1・法定要件)。間接:一般枠組みからの対応推論。13I店のカメラ修理による裏付け待ちを延長の必要へ結び付ける
由来:出題の趣旨由来。 適用:延長の判断。

3間接:19頁・設問1(パチンコ店の防犯カメラの捜査)。修理待ちの事実は問題PDF6頁・事例4。9頁(設問1・法定要件)。間接:一般枠組みからの対応推論。14本件を捨象しても横領が独自に立件・起訴すべき事件か評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:別件の実体・重要性を重視する構成。

319頁(設問1-1)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)15本件逮捕には証拠不足であった請求時の捜査状況を評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。6頁(設問1・事実評価)。間接:一般枠組みからの対応推論。16少額の被害と渋る社長への届出説得を捜査目的の推認へ用いる
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。6頁(設問1・事実評価)。間接:一般枠組みからの対応推論。17Pの他犯罪探索の意図を取り上げる
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。6頁(設問1・事実評価)。間接:一般枠組みからの対応推論。18Rも本件逮捕を視野に並行捜査した意図を独立に評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。6頁(設問1・事実評価)。間接:一般枠組みからの対応推論。19死亡を伴う本件と3万円の別件との重大性の差を評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)20路上ひったくりと集金横領の間に事件として関連性がないことを評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:目的又は実質拘束を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)21横領7日・20時間と強盗12日・40時間の状況を正確に対照する
由来:両者由来。 適用:両事件の捜査比重を評価する構成。

419頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。間接:9頁・設問1(各事件の捜査の具体的状況を踏まえた判断)。7日・20時間と12日・40時間は出題の趣旨19頁及び問題PDF8頁・資料1。22本件自白が自発的でなく追及を契機としたことを拘束利用の評価へ結び付ける
由来:出題の趣旨由来。 適用:本件拘束としての実質を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)23横領の弁解・アリバイ・集金自認・金額自認の段階を区別する
由来:両者由来。 適用:別件捜査の進展を評価する構成。

419頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。間接:9頁・設問1(勾留後の各事件の捜査状況に応じた判断)。供述の具体的段階は出題の趣旨19頁。24パチンコ店,PC,Yの裏付け捜査の継続を具体的に分析する
由来:両者由来。 適用:別件捜査の進展を評価する構成。

419頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。間接:9頁・設問1(別件の捜査状況に応じた判断)。裏付け捜査の具体的内容は出題の趣旨19頁。25第三者事情等を踏まえ,別件捜査の遅延が捜査官の懈怠によらないことを評価する
由来:出題の趣旨由来。 適用:別件捜査完了・延長を評価する構成。

319頁(設問1・事実評価)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)26各事実が自説の基準に対して持つ具体的な意味を述べ結論へ接続する
由来:両者由来。
519頁(設問1-1)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-1)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。27自説と理論構成及び結論の双方が異なる反対説を示す
由来:両者由来。
519頁(設問1-2)。検討対象・理由付けの根拠。10頁(設問1-2)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。28反対説の違法判断基準を明示する
由来:両者由来。
419頁(設問1-2)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-2)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。29反対説の基準を本件令状審査の保障等の理論的根拠から導く
由来:両者由来。
419頁(設問1-2)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-2)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。30反対説に対応する具体的事実を選び異なる結論まで論証する
由来:両者由来。
419頁(設問1-2)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-2)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。31反対説を採用しない理由を自説の根拠と連動させる
由来:両者由来。
519頁(設問1-2)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問1-2)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。32事後事情から目的を推認する反対説に,請求時の目的認定困難だけの批判をしない
由来:採点実感由来。 適用:事後事情を用いて目的を認定する反対説。

2記載なし(関連範囲実読済み)10頁(設問1-2)。誤りの指摘。33余罪取調べの適否と身体拘束自体の適否を取り違えない
由来:両者由来。
518頁(設問1・理論監査)。検討対象・理由付けの根拠。8頁(設問1・理論監査)。誤りの指摘。34本件令状審査欠如を当然違法としつつ別件要件だけで当然適法とする無説明な矛盾を避ける
由来:採点実感由来。 適用:両命題を同一の自説で用いる場合。

4記載なし(関連範囲実読済み)8頁(設問1・理論監査)。誤りの指摘。35本件基準説を本件の逮捕・勾留要件充足だけの審査と理解しない
由来:両者由来。 適用:本件基準説を採用又は比較。

418頁(設問1・理論監査)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・理論監査)。誤りの指摘。36実体喪失を用いる場合は喪失条件と拘束違法への根拠を説明する
由来:両者由来。 適用:実体喪失を用いる答案。

418頁(設問1・理論監査)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・理論監査)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。37適法・違法双方を許容し,単一の公式結論を断定しない
由来:採点実感由来。 適用:全答案・結論自体の採点項目ではない。

3記載なし(関連範囲実読済み)9頁(設問1・結論幅)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。38途中から違法とする場合にはその時点と法的理由を十分に説明する
由来:採点実感由来。 適用:途中違法の結論を採る場合。

4記載なし(関連範囲実読済み)9頁(設問1・結論幅)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。39逮捕,当初勾留,延長後勾留の法律上の単位で全期間の要件を検討する
由来:両者由来。
518頁(設問1・処分単位)。検討対象・理由付けの根拠。9頁(設問1・処分単位)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。40本件取調べ日だけ違法,別件取調べ日だけ適法という細切れ評価を無理由に行わない
由来:採点実感由来。 適用:日別の適否を論じる場合を含む全答案。

2記載なし(関連範囲実読済み)9頁(設問1・処分単位)。誤りの指摘。
2 設問2―訴因変更の可否及び許否
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感41既に請求された訴因変更の可否と公判前整理後の許否を分ける
由来:両者由来。
519頁(設問2・入口)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・入口)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。42訴因変更の要否を主題にして可否・許否を薄くしない
由来:採点実感由来。
2記載なし(関連範囲実読済み)10頁(設問2・入口)。誤りの指摘。43312条1項の同一性による変更限界を示す
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。44本件が単一性ではなく狭義の同一性の問題であると明示する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。8頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。45訴因変更制度の意義から同一性を要求する実質的理由を説明する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。46一回的処理に着目する場合は別訴を許すこととの関係まで説明する
由来:採点実感由来。 適用:一回的処理・二重処罰回避を根拠とする場合。

3記載なし(関連範囲実読済み)10頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。47基本的事実関係の同一性を具体的な判断基準として示す
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。7頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。48非両立性に着目する場合は何が相容れないか説明する
由来:両者由来。 適用:非両立性を補助基準にする場合。

420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。7頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。49犯行日,同一甲,同一Aとの3万円集金場面の共通性を説明する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。50A方付近とA方という場所の差を消さず近接する取引場面として評価する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。10頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。51保管中領得と騙取で財物の法律的説明が異なっても同一3万円の取得であると説明する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。52X社とAという被害者の差を消さず同一受領事実を基礎に評価する
由来:両者由来。
420頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・可否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。53日時・場所・被害金・被害者が全て同じだという誤記や字面だけの比較を避ける
由来:採点実感由来。
2記載なし(関連範囲実読済み)10頁(設問2・可否)。誤りの指摘。54抽象的な社会通念上同一というラベルだけで当てはめを終えない
由来:両者由来。
520頁(設問2・可否)。検討対象・理由付けの根拠。10頁(設問2・可否)。誤りの指摘。55訴因変更請求の手続段階を直接制限する明文がないことを示す
由来:両者由来。
420頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。56316条の32第1項は終了後の証拠調べ請求の制限であると正確に示す
由来:両者由来。
420頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。57公判前整理の目的を充実・継続・計画・迅速な審理と争点証拠整理で説明する
由来:両者由来。
420頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。58変更により争点証拠整理・審理計画が無意味化する危険を制度的根拠として示す
由来:両者由来。
520頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。59新事実が公判で明らかになることは制度上予定されるため一律禁止しない
由来:出題の趣旨由来。
320頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。記載なし(関連範囲実読済み)60制度趣旨を没却するかという許否基準を示す
由来:両者由来。
520頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。61整理手続中に検察官が変更必要性を意識する契機があったかを検討する
由来:両者由来。
420頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。62社長が捜査時には権限欠如を話さず公判で初めて証言した経緯を評価する
由来:両者由来。
420頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。63弁護人の整理段階での権限主張の不存在を事前把握可能性へ結び付ける
由来:出題の趣旨由来。
3間接:20頁・設問2(検察官が訴因変更の必要性を意識する契機の有無)。弁護人の主張がなかった事実は問題PDF7頁・事例8。12頁(設問2・許否)。間接:一般枠組みからの対応推論。64変更により審理計画がどれほど修正されるかを独立の観点から検討する
由来:両者由来。
520頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。12頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。65甲自身が集金権限欠如を認めたことを審理への影響へ結び付ける
由来:出題の趣旨由来。
4間接:20頁・設問2(変更後の審理への影響)。甲自身の集金権限に関する供述は問題PDF7頁・事例8。11頁・設問2(被告人自身も被告人質問で自己に集金権限がなかったことを認めていること)。66双方に追加証拠請求がないことを審理計画への影響へ結び付ける
由来:両者由来。
520頁(設問2・許否)。検討対象・理由付けの根拠。11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。67被告人個人の防御だけで制度的な計画審理の利益を代用しない
由来:採点実感由来。
2記載なし(関連範囲実読済み)11頁(設問2・許否)。誤りの指摘。68訴因変更を通じて防御機会が与えられることを無視して不意打ちと断定しない
由来:採点実感由来。
2記載なし(関連範囲実読済み)11頁(設問2・許否)。誤りの指摘。69316条の32を趣旨参照・類推する場合は訴因変更へ及ぶ理由を説明する
由来:採点実感由来。 適用:316条の32を訴因変更制限の根拠として用いる場合。

4記載なし(関連範囲実読済み)11頁(設問2・許否)。答案の理解・論証・事実評価に関する記載。
3 答案全体への一般的な指摘

規範・根拠・重要事実・法的効果をつなぎ,問題文の人物と時点を保持する。これらは一般的な答案作法であり,重みを付した69項目の集計には含めない。取調べの適否,拘束の適否,自白の証拠能力を混同せず,訴因変更の要否を可否・許否の代わりに長く論じない。

(続きを読む...)令和元年司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した69項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和3年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

目次

第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系第1問(憲法)2 公法系第2問(行政法)3 民事系第1問(民法)4 民事系第2問(商法)5 民事系第3問(民事訴訟法)6 刑事系第1問(刑法)7 刑事系第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較1 重み5・4・3の分布2 重み2・1,項目数及び重みの合計3 本記事としての整理第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

令和3年度司法試験の論文式試験について,選択科目を除く主要7科目7問の模範解答記事を一覧にしたものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目と短答式試験は対象に含まれない。

参照する7記事の評価項目は計497項目であり,重み1=1項目,重み2=12項目,重み3=162項目,重み4=278項目,重み5=44項目となる。重みの単純合計は1843である。条件付き項目を一つの答案へ累積して要求せず,公式配点又は合格可能性を示す値として扱わない。

模範解答はAIが作成した答案例であり,法務省の公式解答ではない。
項目数と重みは子記事独自の分析であり,公式採点基準・項目別配点・予測得点を表すものではない。

第2 7記事の一覧
科目主な論点評価項目重み5公法系第1問(憲法)匿名表現,顔面被覆の禁止,団体観察・活動媒体の報告686公法系第2問(行政法)屋台営業候補者の不選定,処分性,訴えの利益,裁量・推薦尊重696民事系第1問(民法)盗品回復・使用利益,講師契約の解除,連帯保証・求償868民事系第2問(商法)会社の保証,株式引受けの当事者,総会での議決権行使716民事系第3問(民事訴訟法)引換給付判決,訴訟承継,時機に後れた新主張636刑事系第1問(刑法)偽装強盗と窃盗,共犯の錯誤,盗品保管,共犯解消・同時傷害846刑事系第2問(刑事訴訟法)名刺・USBの差押え,メモの伝聞該当性,証言拒絶と刑訴法321条1項3号566
第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の番号は,各子記事の現在の公開評価表の通し番号である。
同じ番号でも科目によって内容が異なるため,科目と番号を併せて確認する。
各行の区分・条件を含めて読み,根拠資料の頁・節及び重み5とした理由は,リンク先の評価表と分布説明で確認できる。

1 公法系第1問(憲法)

集団行進で顔を隠すことの禁止(規制①)と,団体の観察指定・活動媒体の毎月報告(規制②)に関する立法助言を扱う。
子記事の答案は,平穏な匿名参加や政治的活動まで制約する現案に問題があると評価する構成である。
法律家甲として憲法適合性を検討し,必要に応じ判例・異なる見解に触れるが,文言の明確性と手続の適正は対象から除く。
子記事は合憲・違憲の結論を一つに固定せず,権利の主体,制約,審査の厳格度及び事実評価の整合を求めている。

重み5は6項目であり,該当する項目は次のとおりである。各項目の適用条件は,採用する構成に応じて確認する。

番号1:匿名による表現も21条1項の一般的な保障に含まれる理由を示す 適用:全答案
匿名参加を含む保障の根拠が,規制①の制約と審査の出発点になる。

番号20:個々の行進の危険度を問わない一律禁止の広さを評価する 適用:全答案
行進の危険度を区別しない禁止の広さが,手段の過剰性の判断を左右する。

番号27:団体指定・観察・報告義務を一体として捉えつつ各制約を識別する 適用:全答案
指定・観察・報告の各作用を捉えることで,規制②の制約を漏れなく特定できる。

番号30:団体のプライバシーの保護根拠・内容を表現の自由と区別して示す 適用:全答案。団体の権利主体性を示し,構成員個人の情報だけの議論で済ませない。
団体と構成員の権利を識別しなければ,規制②が制約する権利の根拠を説明できない。

番号39:公開情報でも国家への強制報告により萎縮・プライバシー制約が生じ得ると評価する 適用:全答案
情報が公開済みであることと,国家への強制報告による新たな負担とを区別する点が重要である。

番号47:規制②の権利と制約に即して①とは独立に審査枠組みを理由付ける 適用:全答案。同一基準でも固有理由が必要
規制②の固有の権利・負担を,審査枠組みと具体的評価に結び付ける役割を持つ。

記事:令和3年司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け(AI作成)

2 公法系第2問(行政法)

市道上の屋台営業候補者に選定されなかったBの救済を扱う。
設問1⑴は不選定決定の処分性,⑵は処分性を前提として,他の候補者Cの決定が残る場合の訴えの利益を問う。
設問2は訴訟が適法であるとの前提で,Bを支持する立場から,従前の地位,未公表の申合せ,新規応募者の利益,市長の判断内容及び委員会の推薦を覆したこと自体の瑕疵を検討する。
条例自体の違法を論じる設問ではなく,条例9条が審査基準であるとの指定を維持する。
以下の重み5は,対応小問で採用した主ルート又は反論を検討する場合の事項であり,高評価事項をすべての答案に累積して要求しない。

重み5は6項目であり,該当する項目は次のとおりである。各項目の適用条件は,採用する構成に応じて確認する。

番号2:候補者への選定が利益を付与する処分かを先に検討し,不選定を申請拒否として位置付ける。
不選定が拒む利益を先に特定することが,申請拒否処分としての分析の基礎になる。

番号22:行訴法33条2項の拘束力による再応答・比較再審査を説明する。
取消判決によって再選定の可能性が残るかを,拘束力の具体的効果から判断する必要がある。

番号44:許可名義人の権利の当然取得と,Bの営業実績・期待利益の個別判断での考慮を区別する。
許可の権利の当然承継と営業実績への配慮を区別することが,Bの地位の評価を左右する。

番号48:申合せの是認可能性を規則19条各号の解釈として個別に検討する。
申合せを規則の選定基準に照らして評価することが,合理性判断の法的根拠になる。

番号59:B地位・申合せの評価を市長の裁量判断の瑕疵へ接続し,前提検討だけで終わらない。
Bの事情と申合せの評価を,実際の市長の判断の違法事由まで結び付ける必要がある。

番号62:市長が推薦を覆したこと自体の瑕疵を,選定内容の瑕疵と別に検討する。
選定内容の当否と推薦を覆すこと自体の適法性は異なる問題であり,双方の検討が必要である。

(続きを読む...)令和3年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和元年司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した74項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問12 設問23 設問34 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和元年司法試験の商法・会社法の問題を,少数株主の手続,買収防衛策,総会決議と取締役責任という三つの柱から検討する。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和元年度 民事系第2問問題・基準時問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目74項目(重み5:9項目)重みの合計265(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数5709字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)判例・法改正の留保第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。年度別の案内令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和元年司法試験の民事系科目第2問(商法・会社法)を対象とし,法務省の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した74項目と5段階の重み,完成版模範解答を示す。重み5は9項目である。これは法務省の公式採点基準,公式配点,又は合格可能性の推計ではない。

本問の中心は,少数株主の自主招集と株主提案の比較,買収防衛策の差止め,総会決議を遵守した取締役の責任である。答案では,差別的無償割当ての差止めを認め,定款変更を有効とした上で,事情変更後の株主意思確認を怠ったAの責任を認める構成を採る。別の構成が許される事項は,評価表の適用条件と枠外解説で区別する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目には一つの判定対象を置き,必須,高評価,負例(誤りの回避),許容分岐を区別した。条件付きの構成を全答案への累積要求としない。「記載なし」は該当する公式資料の関連範囲を読んだ結果,「間接」は関連記述からの推論である。表の頁は各PDFの物理頁で,法的根拠・重み・原子化はいずれも記事の独自分析である。公式資料の文言は要約している。

2 5段階の重み付けの基準

5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

甲社は上場する公開会社・監査役会設置会社である。乙社は投資ファンドで,議決権を平成29年5月の4%から平成30年1月の15%,3月末の20%へ買い増した。P倉庫等の遊休資産を売却して増配することを求める。設問1は1月時点で自主招集と6月定時総会での提案を比較する。振替法の手続は検討対象外である。

設問2では,甲社の取締役会が総会承認を条件に,乙社だけが行使できず取得対価も1円となる新株予約権無償割当てを決定した。乙社が買増しをしないと確約すれば全予約権を無償取得できる条項がある。6月25日総会は議決権90%が出席し,出席議決権の67%が承認した。翌日の乙社の差止め手段・主張・当否が問われ,総会手続は適法とされる。

設問3は決議結果を反転させ,財産処分を総会でも決められる定款変更とP倉庫売却を可決した前提である。地震でQ倉庫が倒壊しP倉庫が必要になった。売却すれば50億円以上の損害が予測され,留保しても資産価値は維持され違約金もないのに,Aが売却を提案・実行した。定款変更の効力とAの会社に対する責任を接続して検討する。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問11月時点の乙社の自主招集と株主提案公開・取締役会設置会社。振替法の手続は検討外。保有期間・期限・権利の違いと,議事運営・費用・労力・時期の得失を比較する。設問26月25日総会の翌日の乙社の差止め総会手続は適法。取締役会による無償割当てと総会承認を区別する。差止めの根拠,平等原則・不公正の主張と当否を,必要性・相当性と撤退条項に即して示す。設問3定款変更の効力とAの会社に対する責任設問2と異なる可決の仮定。地震後にP倉庫が必要となった。総会権限・決議遵守義務・事情変化から任務懈怠,過失,損害へ接続する。
第4 評価項目と重み
1 設問1
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1公開・取締役会設置会社として招集・提案の規律を選ぶ。4間接:PDF9頁・設問1。会社法第297条等PDF7頁・設問1。甲社は公開会社である
2招集請求には総議決権3%以上の6か月継続保有を要すると示す。4間接:PDF9頁・設問1。会社法第297条等PDF7頁・設問1。100分の3以上
3取締役に議題及び招集理由を示して招集請求すると説明する。4間接:PDF9頁・設問1。少数株主による株主総会の招集の手続PDF7頁・設問1。招集の理由を示して
4請求後遅滞なく手続がされない場合の裁判所許可を説明する。4間接:PDF9頁・設問1。少数株主による株主総会の招集の手続PDF7頁・設問1。遅滞なく招集の手続が行われない場合
5請求日から8週間以内の総会を招集する通知が出ない場合の許可を説明する。4間接:PDF9頁・設問1。少数株主による株主総会の招集の手続PDF7頁・設問1。8週間以内の日を株主総会の日とする

(続きを読む...)令和元年司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した74項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和元年司法試験民事系科目第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1・所有権2 設問1・工作物責任3 設問24 設問35 答案全体(一般的な指摘)6 重みの分布と重み5の事項第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 本問と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和元年司法試験の民事系科目第1問について,約5000字の模範解答と,公式の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した68の評価項目を示す。重み5は9項目である。試験実施日である令和元年5月16日当時の法状態を基準とし,錯誤は改正前民法95条の無効として扱う。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和元年度 民事系第1問問題・基準時問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目68項目(重み5:9項目)重みの合計259(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数4798字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)判例・法改正の留保第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。年度別の案内令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

令和元年司法試験論文式民事系科目の問題の第1問(民法,問題PDFの1~3頁)を対象とする。設問1は建築請負の所有権帰属と土地工作物責任,設問2は先行する将来賃料債権譲渡と賃貸人の交代,設問3は免責的債務引受けに関する動機の錯誤を問う。

以下の答案は,甲建物が完成時にAへ帰属し,AがCに工作物所有者責任を負う構成を採る。設問2ではFを優先し,設問3では賃料取得の動機からHの錯誤無効を認める。これらの結論が唯一の正解という意味ではなく,公式資料は理由付けと当てはめが整合する別構成も許容する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,答案の一つの判断を一行として抽出したもので,法務省の公式採点基準ではない。「必須」「高評価」「負例」「許容分岐」と重みを区別する。許容分岐は,記載した適用条件を満たす構成を採る場合だけの要求であり,全項目を一つの答案へ累積して書く趣旨ではない。負例は,避けるべき誤り又は低優先の記述を示す。

両資料の関連範囲を実読した上で,本文に対応する最小限の引用を記した。頁はPDFの先頭から数える物理頁である。「記載なし」は関連範囲に直接の対応記述がないことを示す。間接的な読み取り,未確認の原文,独自の理由付けは公式の断定と区別する。公開表の番号は1~68の連続番号である。

2 5段階の重み付けの基準

5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。

重み4は,両資料が取り上げたことを基準とし,すべてを「高く評価した事項」と読み替えない。重み5も,適用条件を超えて全答案の必須事項にはしない。件数の割当てを先に決めてはいない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

Aは代金3億6000万円でBに建築を請け負わせ,完成前に80%を支払った。完成後・引渡し前の震度5弱の地震で部材が落下し,Cが負傷した。使用資材の欠陥と製造業者の検査漏れは事故後に判明した。所有権帰属を論じた後,設問1後半はA所有の仮定に従って責任を検討する。

DはE県に賃貸した乙建物の12年分の将来賃料をFへ譲渡し,内容証明郵便で通知した。その後,Hは先行譲渡を知りながら建物を買い,登記を得れば賃料を取得できると考えた。HはDへ代金を払う代わりに,GのDに対する6000万円債権を免責的に引き受けた。設問2ではHとFの主張を強く構成して当否を述べ,設問3ではF正当という仮定の下で,Gとの引受契約の無効を検討する。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1・前半完成後・引渡前の甲建物の所有権請負人が全材料を調達し,代金80%は支払済み。帰属の原則と例外の根拠・基準を示し,具体的支払と合理的意思へ当てはめる。設問1・後半Aの工作物所有者責任前半の結論にかかわらずA所有と仮定する。工作物の客観的瑕疵と占有者Bの必要注意を分け,所有者責任へ進む。設問2HとFの将来賃料に関する主張と当否先行譲渡の通知後にHが建物を取得・登記した。双方の理論・実質論を強く構成し,賃貸人交代後の債権への譲渡効を論ずる。設問3H・G間の免責的債務引受契約の無効Fの主張が正当との仮定。試験当時の旧民法95条による。動機を特定し,表示・内容化・重要性と重大な過失を区別して引受契約の効果を示す。
第4 評価項目と重み1 設問1・所有権番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1完成建物が敷地と別個独立の所有権客体であることを示す。
全答案4物理p4・民事系第1問・設問1
「建物は,その敷地とは別個独立に所有権の客体となること」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「建物の独立性」2帰属合意を契約自由の原則によって優先する。
全答案4物理p4・民事系第1問・設問1
「契約自 由の原則」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「その理由付けがないものが多く」3合意がなければ材料提供者への帰属を原則とする。
請負人帰属を原則とする構成を採る場合5物理p4・民事系第1問・設問1
「材料の全部又は主要部分の提供者が誰か」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「材料の全部又は主要部分の提供者が誰か」4材料所有権が積み上がり建物となる物権法の根拠を示す。
請負人帰属を原則とする構成を採る場合4物理p4・民事系第1問・設問1
「材料の所有権が積み上げられて完成した建物となること」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「物権法の論理を正確に指摘」5報酬担保だけを請負人帰属の根拠にしない。
請負人帰属の根拠を述べる場合2記載なし物理p2・第1問・3(1) 設問1
「唯一の根拠」6他人の動産の加工を扱う246条を説明なく直接適用しない。
加工による帰属を論ずる場合(禁止される直接適用の監査)2記載なし物理p2・第1問・3(1) 設問1
「加工の対象となる動産の所有者と加工者とが異なると」7分割支払内容から帰属合意を直接認定する構成も許容する。
分割支払から直接に黙示合意を認定する構成を採る場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「代金分割支払の合意内容等を詳細に分析・評価し」記載なし8事故は完成後・引渡前であり代金80%が支払済みと評価する。
全答案4物理p4・民事系第1問・設問1
「代金は8割が支払済み」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「代金の8割を注文者が支払っている」9例外の支払基準を全額か大半か明示する。
支払による帰属の例外を論ずる場合5物理p4・民事系第1問・設問1
「全額の支払を必要とする考え方」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「例外則の内容とその根拠」10支払による例外の根拠と判断基準を一貫させる。
支払による帰属の例外を論ずる場合4物理p4・民事系第1問・設問1
「それと 整合的な理由の提示」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「根拠に立ち返って論ずる必要」11実質的材料提供説では注文者が材料原資を出したことを根拠とする。
別枝:実質的材料提供説を採用する場合3物理p5・民事系第1問・設問1
「注文者が材料の原 資を出している」記載なし12実質的材料提供説では支払額を材料費回収へ接続する。
別枝:実質的材料提供説を採用する場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「支払われた代金が材料の全部又は主要部分の費 用に相当」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「請負人が材料費を回収できる程度」13黙示合意説では双方の合理的意思を説明する。
黙示合意を根拠とする場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「両当事者の意思(黙示の合 意)」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「自己の採用する立場に基づき」14大半支払から合意を認めるとき請負人の報酬確保への懸念を具体的に評価する。
大半支払から黙示合意を認める場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「報酬確保として懸念のない状態」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「報酬請求 権を担保するためであれば」158割という数字だけで帰属を決めず根拠に沿って当てはめる。
支払割合による帰属の当てはめを行う場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「この観点から,本問の事実の評価」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「簡単に片付けるもの」16注文者帰属説を採る場合は請負人帰属説の批判と自己の理由を示す。
別枝:注文者帰属説を採用する場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「請負人帰属 説の内容を示してこれを批判」物理p1末尾〜p2冒頭・第1問・3⑴設問1(注文者帰属説に立つ場合の理由と判例批判)
2 設問1・工作物責任番号評価項目重み出題の趣旨採点実感17後半はA所有の仮定を維持し717条1項ただし書を検討する。
全答案4物理p5・民事系第1問・設問1
「注文者Aが甲建物の所有者であると仮定」物理p1・第1問・3⑴設問1(請負人が建物を占有している中での所有者(注文者)の土地工作物責任)
18建物が土地工作物であることを示す。
全答案3物理p5・民事系第1問・設問1
「建物が土地工作物に該当する」記載なし19通常備えるべき安全性の欠如を基準とする説では,その基準により設置・保存の瑕疵を判断する。
適用条件:通常備えるべき安全性の欠如を基準とする構成を採用又は比較する場合5物理p5・民事系第1問・設問1
「通常備えるべき安全性を欠くこと」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「設置又は 保存の瑕疵の有無」20震度5弱で損傷した強度不足を工作物の安全性欠如へ評価する。
全答案4物理p5・民事系第1問・設問1
「震度5弱の地震に対す る強度を備えておらず」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「設置又は保存の瑕疵と材料の瑕疵」21資材の欠陥と工作物自体の瑕疵を混同しない。
全答案2記載なし物理p2・第1問・3(1) 設問1
「設置又は保存の瑕疵と材料の瑕疵」22負傷による治療費支出という損害を特定する。
全答案3物理p5・民事系第1問・設問1
「治療費の支出を余儀なくさせている」間接:物理p5・第1問・3(4) 全体を通じ補足的に指摘しておくべき事項
「瑕疵や因果関係の有無等の他の要件」23瑕疵から落下・負傷・治療費への因果関係を示す。
全答案4物理p5・民事系第1問・設問1
「因果関係が認められること」物理p5・第1問・3(4) 全体を通じ補足的に指摘しておくべき事項
「因果関係の有無等」24引渡前で管理・支配するBを占有者と認定する。
全答案4物理p5・民事系第1問・設問1
「請負人Bの管理・支配下にある」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「占有者B」25結論を左右しない占有者概念を長く詳述しない。
全答案2物理p5・民事系第1問・設問1
「占有者概念を詳述する必要はない」記載なし26占有者免責後に所有者が二次的責任を負う構造を示す。
全答案5物理p5・民事系第1問・設問1
「占有者であるBが」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「二次 的なものである」27必要注意をその種の占有者が通常尽くすべき注意とする。
必要注意を通常水準と捉える場合4物理p5・民事系第1問・設問1
「その種の占有 者として通常尽くすべき注意」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「必要な注意をしたか否か」28定評があり多くの建物で使用された資材であることを注意義務へ評価する。
全答案4物理p5・民事系第1問・設問1
「この資材は定評があり」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「本問の事実関係では」29製造業者の検査漏れと偶然の欠陥品使用を注意義務へ評価する。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問1
「製造業者において検査漏れがあり」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「本問の事実関係では」30欠陥が事故後の調査で初めて判明したことを注意水準へ接続する。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問1
「初めて明らかになっている」物理p2・第1問・3(1) 設問1
「本問の事実関係では」31必要注意は資材強度の逐一个別検査まで要求しないと説明する。
通常注意説からB免責を導く場合4物理p6・民事系第1問・設問1
「逐一建築資材の 強度を個別に検査することまでは要求されず」物理p5・第1問・3⑷全体を通じ補足的に指摘しておくべき事項(占有者Bが必要な注意を怠ったと認定)
32Bの注意義務を高度に捉えて責任を認める別説では根拠を示す。
別枝:高度注意義務説を採る場合3物理p6・民事系第1問・設問1
「占有者の注意義務を高度なもの」間接:物理p2・第1問・3(1) 設問1
「何らの説明もせず卒然と」33義務違反型の瑕疵概念を採る別説は独自の根拠を示す。
別枝:義務違反型瑕疵概念を採る場合3物理p6・民事系第1問・設問1
「安全性を確保すべき義 務に違反」記載なし34Aが所有者責任を負う場合は,717条3項による製造業者等への求償でAの救済を示す。
適用条件:Aが所有者責任を負う構成を採用又は比較する場合4記載なし物理p5・第1問・3(4) 全体を通じ補足的に指摘しておくべき事項
「建築資材の製造業者に対して求償」35709条・716条の長い論述へ設問をすり替えない。
全答案2記載なし物理p3・第1問・3(1) 設問1
「民法第709条や第 716条の責任を長々」3 設問2番号評価項目重み出題の趣旨採点実感36Hの主張・Fの主張・当否を順に分けて論ずる。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問2
「下線部㋐は」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「順を追って論ずることができていた」37当然承継を採る場合は,前提となるEの引渡しと借地借家法31条の対抗力を示す。
適用条件:賃貸人の地位の当然承継を採る構成を採用又は比較する場合4物理p6・民事系第1問・設問2
「賃貸人の地 位の当然承継」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「借地借家法第31条の定める対抗要件」38所有権の移転に伴う賃貸人地位の承継と理由を示す。
当然承継を採る場合4物理p6・民事系第1問・設問2
「所有権の移転により賃貸人の地位が当然に 移転する理由」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「状態債務」39合意承継を採るとき当事者の合意と賃借人同意不要の理由を示す。
別枝:合意承継を採用する場合3物理p6・民事系第1問・設問2
「賃借人の同意を要し ない理由」記載なし40将来債権が他の債権から識別できる程度に特定されていれば原則有効とする。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問2
「譲渡の目的とされる債権が特定されている場合」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「将来債権譲 渡の有効性」41長期包括譲渡の営業活動制限等による公序良俗上の限界を示す。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問2
「公序良俗違反などのため全部又は」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「判例法理を踏まえて論ずることができた答案は少数」42本件の債務者・発生原因・12年間の期間から対象特定を示す。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「譲渡期間は 12年」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「将来債権譲 渡の有効性」4312年という長さだけで公序良俗違反にならないと評価する。
全答案2物理p7・民事系第1問・設問2
「この一事をもって公序良俗に反するとまではいえない」記載なし44債務者対抗要件467条1項と第三者対抗要件同2項を分ける。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「民法第467条第2項」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「債務者対抗要件」45内容証明郵便が確定日付ある証書であることを本件通知に当てはめる。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「内容証明郵便による通知」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「民法施行法第5条第1項第6号」46HからDは自己取得する債権しか処分できずHに発生する債権に効力が及ばないと主張する。
全答案5物理p7・民事系第1問・設問2
「他人が取得す べき債権を処分することはできない」物理p2・第1問・3(2) 設問2
「その根拠」47H側の実質論として将来債権の不確実性と譲渡当事者間の損失処理を示す。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「当然想定される事態の一つ」間接:物理p3・第1問・3(2) 設問2
「実質的な妥当性の面」48Fから同じ賃貸借から生ずる債権に先行譲渡の効力が及ぶと主張する。
全答案5物理p7・民事系第1問・設問2
「Hの下で生ずる賃料債権も本件賃貸借契 約から生ずる」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「自説 の理論的根拠」49F側で買主の調査可能性又は実際の認識を不測の不利益の評価へ接続する。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「Hは本件譲渡契約がされたことを知りつつ」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「実質的妥当性」50建物譲渡で容易に効力を失わせると将来債権譲渡の有用性が損なわれると論ずる。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「将来賃料債権譲渡の有用性が著しく損なわれて」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「反対説からの反論にも適切に」51単なる対抗要件の先後でなく譲渡効の射程自体を比較する。
全答案4物理p6・民事系第1問・設問2
「将来賃料債権譲渡と目的不動産の譲渡のい ずれの効力」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「対抗 要件の具備の先後で決する」52採用説を理論面と実質的妥当性の両方から根拠付け反対論に応答する。
全答案4物理p7・民事系第1問・設問2
「理論的な理由と結論の妥当性の観点」物理p3・第1問・3(2) 設問2
「複数の論拠を挙げ,反対説からの反論にも適切に」53差押えの判例を任意譲渡にそのまま適用せず相違を明示する。
差押え判例を引用する場合3物理p6・民事系第1問・設問2
「本問のように, 私人間の契約」間接:物理p6・第1問・4法科大学院における今後の学習において望まれる事項(判例を正確に指摘して批判)
4 設問3番号評価項目重み出題の趣旨採点実感54問題となる動機を賃料取得の誤認か売買代金債務負担の誤認か明確に特定する。
全答案5物理p7・民事系第1問・設問3
「2通りの捉え方が可能」物理p4・第1問・3(3) 設問3
「いずれの構成を採るかを明示せず」55売買代金債務を動機にする構成では売買の錯誤無効から代金債務不存在を経て引受けへ接続する。
別枝:売買代金債務負担の動機を採る場合4物理p8・民事系第1問・設問3
「代金債務の 代物弁済」物理p4・第1問・3(3) 設問3
「代金債務の負担が本件債務引受契約の締結の動機」56一方の動機から無効を認めるなら他方を累積要求しないが両方否定なら双方検討する。
一方の動機から無効を認める場合。両動機から否定するときは双方を検討3物理p8・民事系第1問・設問3
「他方について論ずる必 要はない」記載なし57動機錯誤に95条を当然適用せず採用する無効要件と理由を示す。
全答案4物理p8・民事系第1問・設問3
「民法第95条は当然には適用されない」物理p4・第1問・3(3) 設問3
「自説がどのような立場であるか を明確にせず」58問題となる動機の表示の相手方をGと特定する。
全答案4物理p8・民事系第1問・設問3
「動機がGに 表示されていた」記載なし59賃料取得の誤認を動機とする場合は,三者協議という外形だけでなくGの収益性発言・価格・引受けの経緯から黙示表示を認定する。
適用条件:賃料取得の誤認を動機とする構成を採用又は比較する場合4物理p8・民事系第1問・設問3
「そのことがGに明示されているとまではいえない」物理p4・第1問・3(3) 設問3
「外形的な事実 のみを指摘」60動機の表示と法律行為の内容化を別個に要する説では,両者を別の判断として行う。
適用条件:動機の表示と内容化を別個に要する構成を採用又は比較する場合5物理p8・民事系第1問・設問3
「次に,その動機が法律行為の内容」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「別の判断基準」61動機の内容化を要する説では,その意味について了解説か効力前提受入説か等の基準と理由を示す。
適用条件:動機の内容化を要する構成を採用又は比較する場合4物理p8・民事系第1問・設問3
「採るべき立場の内容と理由を明確」物理p4・第1問・3(3) 設問3
「動機が法律行為の内容 になったこと」62Gの認識と一体取引の見返りを内容化の基準へ当てはめる。
全答案4物理p9・民事系第1問・設問3
「何らの見返りもなく単なる友人の多額の債務」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「的確に事案を 分析して当てはめ」63採用する内容化説と整合して錯誤の重要性を判断する。
全答案4物理p8・民事系第1問・設問3
「錯誤の重要性が認められなければな らない」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「要件を明確にし」64賃料という見返り利益の大きな喪失を具体的な重要性評価へ接続する。
全答案3物理p9・民事系第1問・設問3
「その額は4500万円近くになる」記載なし6595条ただし書の重過失を事実に即して判断する。
全答案5物理p9・民事系第1問・設問3
「Hに重大な過失があると認められるか」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「重過失があるとまではいえない」66法解釈の誤りを当然の重過失とせず解釈の未確立性を検討する。
全答案4物理p9・民事系第1問・設問3
「判例も一般的といえる解 釈も存在せず」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「一般人から見て下線部㋑が明らかに正しいとはいえない」67重過失を認める場合にもGとの共通錯誤による信頼保護の限界を検討する。
別枝:Hの重過失を認める場合3物理p9・民事系第1問・設問3
「GはHと同一の錯誤に陥 っていた」記載なし68判例の位置付けを示し自説の表示・内容化の理解を一貫させる。
判例による動機錯誤の内容化を参照する場合4物理p8・民事系第1問・設問3
「判例の理解 を踏まえて採るべき立場」物理p5・第1問・3(3) 設問3
「判例の位置付けを踏まえつつ」5 答案全体(一般的な指摘)

以下は重みを付けない一般的な指摘であり,68項目の集計へ混ぜない。問いが指定した相手方・仮定・検討順序を保ち,採用する構成の規範・事実評価・効果を閉じる。別説は適用条件を明示し,主位構成へ無理由に混ぜない。

6 重みの分布と重み5の事項

重み1=0件,重み2=6件,重み3=10件,重み4=43件,重み5=9件。
総項目数N=68,重み合計W=259である。
この合計は単純合計であり,公式得点・難易度・合格可能性や全答案に要求する達成率へ換算しない。

重み5の全項目は次のとおりである。番号から上の評価表を参照できる。

番号3:合意がなければ材料提供者への帰属を原則とする。 請負人帰属を原則とする構成を採る場合番号9:例外の支払基準を全額か大半か明示する。 支払による帰属の例外を論ずる場合番号19:設置・保存の瑕疵を通常備えるべき安全性の欠如とする。 全答案番号26:占有者免責後に所有者が二次的責任を負う構造を示す。 全答案番号46:HからDは自己取得する債権しか処分できずHに発生する債権に効力が及ばないと主張する。 全答案番号48:Fから同じ賃貸借から生ずる債権に先行譲渡の効力が及ぶと主張する。 全答案番号54:問題となる動機を賃料取得の誤認か売買代金債務負担の誤認か明確に特定する。 全答案番号60:動機の表示と法律行為の内容化を別の判断として行う。 全答案番号65:95条ただし書の重過失を事実に即して判断する。 全答案

その他の論点

番号1:完成建物が敷地と別個独立の所有権客体であることを示す。(全答案)番号2:帰属合意を契約自由の原則によって優先する。(全答案)番号10:支払による例外の根拠と判断基準を一貫させる。(支払による帰属の例外を論ずる場合)番号15:8割という数字だけで帰属を決めず根拠に沿って当てはめる。(支払割合による帰属の当てはめを行う場合)番号27:必要注意をその種の占有者が通常尽くすべき注意とする。(必要注意を通常水準と捉える場合)番号36:Hの主張・Fの主張・当否を順に分けて論ずる。(全答案)番号37:当然承継の前提となるEの引渡しと借地借家法31条の対抗力を示す。(全答案)番号44:債務者対抗要件467条1項と第三者対抗要件同2項を分ける。(全答案)番号51:単なる対抗要件の先後でなく譲渡効の射程自体を比較する。(全答案)番号52:採用説を理論面と実質的妥当性の両方から根拠付け反対論に応答する。(全答案)番号57:動機錯誤に95条を当然適用せず採用する無効要件と理由を示す。(全答案)番号61:内容化の意味について了解説か効力前提受入説か等の基準と理由を示す。(全答案)番号62:Gの認識と一体取引の見返りを内容化の基準へ当てはめる。(全答案)番号63:採用する内容化説と整合して錯誤の重要性を判断する。(全答案)第5 模範解答1 答案の前提と表記

答案は令和元年5月16日当時の民法等による。令和2年施行の改正後95条の取消しや,改正後の将来債権譲渡・賃貸人地位移転の明文を直接適用しない。甲建物の帰属は黙示合意,賃貸人の交代は対抗力ある賃貸借に基づく当然承継,錯誤の内容化は契約の基礎としての了解と重要性を区別する構成を採った。

2 答案

第1 設問1
1 甲建物の所有権
(1)甲建物は完成した鉄骨鉄筋コンクリート造9階建ての建物であり,敷地と別個独立の不動産である。Aが土地所有者であることだけから,付合による建物所有権の取得を導くことはできない。建物の帰属について合意があれば,契約自由の原則からこれに従う。
合意がない場合,請負人が材料全部を供給したときは,完成建物の所有権は請負人に帰属し,引渡しによって注文者に移ると解する。請負人の所有する材料が積み重なり,独立の建物となるため,材料についての所有権が建物の所有権へつながるからである。請負人自身の材料による建築を,他人の動産への加工を扱う民法246条の直接適用で説明することはできない。報酬確保もこの帰属を支えるが,担保の必要だけを所有権の根拠とするものではない。
もっとも,代金の全額又は大半が支払われ,双方の合理的意思から完成時に注文者へ帰属させる黙示の合意を認定できる場合は,その合意に従う。ここで大半支払を例外とする根拠は,注文者が材料の所有者になるということではなく,帰属合意の推認である。したがって,支払割合だけでなく,工事の進行と支払の対応,残代金の規模,引渡しとの関係から,請負人に所有権を留保して報酬を確保する実質的な懸念が残るかを基準に判断する。
(2)本件では,Bが全材料を調達したため,原則によればBに帰属する。事故日は平成30年6月7日で,完成日である同月1日より後,予定引渡日である同月11日より前であり,引渡しによる所有権移転は認められない。
しかし,Aは契約時3600万円,着工時1億800万円,棟上げ時1億4400万円を約定どおり支払っている。合計2億8800万円は代金3億6000万円の80%に達する。出来上がった建物を取得するAとしては,工事の進行に応じて大半を支払った以上,完成時の帰属を期待するのが合理的である。Bも,支払の履行状況から報酬回収への懸念は小さく,残る20%は引渡しと対応させて確保できる。建物全体の所有権を引渡しまで留保する実質的な必要は弱い。
この支払の仕組みと履行状況から,双方は完成建物をAに帰属させることを黙示に合意していたと認められる。80%という数字だけで所有権を移転させるのではない。したがって,甲建物は完成時にAに帰属し,事故時の所有者もAである。
2 Aの工作物所有者責任
(1)以下では前半の結論と切り離し,Aが所有者であるという設問の仮定に従い,民法717条1項によるCの請求を検討する。甲建物は土地の工作物である。「設置又は保存に瑕疵」とは,その工作物が通常備えるべき安全性を欠くことをいう。これは客観的な安全性の判断であり,占有者が必要な注意を尽くしたかとは区別する。
本件の9階建ての建物は震度5弱の地震で一部が損傷して道路へ落下した。通常の建物にはこの程度の地震で歩行者へ部材を落下させない強度が求められるところ,必要強度を欠く資材の使用によって,建物自体がその安全性を欠いていた。資材に定評があったことは,瑕疵の発見可能性に関係しても,現実の建物の安全性欠如を否定しない。
この瑕疵により部材が落下し,Cが負傷して治療費を支出したので,損害と因果関係も認められる。
(2)同項はまず占有者に責任を負わせ,占有者が損害発生を防止するのに必要な注意をしたとき,所有者に二次的な責任を負わせる。引渡し前に建物を施工・管理するBが占有者である。
必要な注意とは,その種の工作物の占有者が通常尽くすべき注意をいう。本件では,Bは契約仕様どおり工事を行い,広く使用され定評もある資材を調達した。製造業者の検査漏れによって必要強度を欠く品が出荷され,それが偶然用いられたことは,事故後の調査で初めて判明した。通常信頼される資材の一つ一つについてBが改めて強度試験をすることまで要求すると,施工者に通常期待される注意を超える。ほかに欠陥を疑わせる事情も示されていない。Bは必要な注意を尽くしたと評価できる。
そこでAが所有者として責任を負う。この責任は被害者保護のための無過失責任であり,A自身が欠陥を発見できなかったことや,原因が製造業者の検査漏れにあることは免責理由にならない。CはAに対し,瑕疵と相当因果関係のある治療費の賠償を請求できる。Aは原因について責任を負う製造業者等に同条3項により求償し得るが,その救済はCの請求を妨げない。

第2 設問2
1 Hの主張
(1)Eは平成24年10月1日に乙建物の引渡しを受け,借地借家法31条1項による賃貸借の対抗力を有する。対抗力のある賃貸借の目的建物が譲渡される場合,特段の事情がなければ,賃貸人の地位は所有権に伴って譲受人へ移る。所有者が使用収益させる義務を負い,その対価として賃料を得る関係を維持する必要があるからである。賃借人に不利益を与えるものではなく,その新たな承諾は要しない。
Hは平成30年2月14日に買い受け,同月20日に登記を得たため,賃貸人の地位の取得をEに対抗でき,3月分以降の賃料は自己に発生すると主張する。

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令和元年司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した73項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要1 問題文と事実関係2 設問が求めること第4 評価項目と重み1 設問1・カードすり替え2 設問2・窃盗後に加わった乙3 設問3・被救助者への傷害4 答案全体の一般的な指摘5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の別の模範解答2 同じ科目の別の年度の記事3 関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態

令和元年司法試験刑事系第1問(刑法)について,カードすり替えの窃盗・詐欺の区別,事後強盗と共犯,防衛行為が被救助者を傷害した場合を,模範解答と73の評価項目で整理する。重みは本記事の独自判断であり,法務省の配点ではない。

第1 この記事の対象と結論
本問の早見表項目内容対象令和元年度 刑事系第1問問題・基準時問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。評価項目73項目(重み5:9項目)重みの合計284(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)答案の字数4555字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)判例・法改正の留保第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。年度別の案内令和元年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)

対象は,令和元年司法試験論文式試験・刑事系科目第1問である。基準時は試験日である令和元年5月18日とし,その後の法改正や裁判例を答案要求へ遡って持ち込まない。

設問1はAの占有と処分意思が残っていたとして窃盗既遂とする。設問2は事後強盗を真正身分犯とする構成を採り,乙に事後強盗未遂の共同正犯を認める一方,脅迫の共同正犯にとどめる構成も説明する。設問3は丙の刑事責任を否定する複数の理論と各難点を比較する。これらの採用解釈が唯一の公式正解という意味ではない。

公式資料から独自に抽出した評価項目は73項目で,重み5は9項目である。条件付きの許容分岐は全答案への累積要求にしない。答案の採用構成に必要な内容と,比較学習のための別構成を分けて読むことができる。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの行を一つの判定対象とし,評価項目に「必須/高評価/負例/許容分岐」と適用条件を付けた。資料の頁はPDFの先頭を1頁とする。出題の趣旨は合冊の14~18頁の第1問部分,採点実感は刑事系科目PDFの1~5頁を用いる。

根拠欄の短句は所在を探すための手掛かりである。「記載なし」は当該問題の関連範囲を読んだ結果であり,未閲覧の意味ではない。一般的な答案作法は集計外へ分けた。通し番号は設問ごとにリセットしない。

2 5段階の重み付けの基準

5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。

本記事の重み4は「採点実感が高く評価した事項」だけに限定する基準ではない。両資料の該当箇所を確認した基準であり,項目の区分や適用条件とは独立している。件数を各重みに割り振るための調整はしていない。

第3 本問の概要
1 問題文と事実関係

設問1では,甲が金融庁職員を装ってA方を訪ね,Aのカードと暗証番号のメモを封筒へ入れる。Aに印鑑を取りに行かせている間にダミーへ交換し,本物をバッグに隠して持ち去る。後日のATM行為も示されるが,問われるのはAに対する罪責である。

設問2では,ATMの窃盗未遂直後に甲を制止したCに,途中から加わった乙がナイフを示して殺害を予告し,甲と逃走する。乙は甲が商品を万引きしたと誤信している。事後強盗の共同正犯と脅迫の共同正犯の双方から説明し,自説と根拠を示すことが求められる。

設問3では,店長Dへの甲のナイフ攻撃を止めようと丙がワインボトルを投げ,狙いが外れてDを傷害する。投擲がDを救う唯一の手段との与件を維持し,Dへの刑事責任を否定する説明と難点を示す。

2 設問が求めること
設問が求めること設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点設問1カードすり替えによる甲のAに対する罪責後日のATM行為をAへの罪責へ混入させない。住居侵入は除外。印鑑を取りに行かせた時点の占有・処分意思を検討し,採用罪の要件を閉じる。設問2窃盗後に加わった乙の責任甲のATM窃盗は未遂。乙は商品窃盗既遂と誤信している。事後強盗と脅迫の共同正犯の双方を理論構成から説明し,自説と目的・認識差の効果を示す。設問3被救助者Dを傷害した丙の責任否定投擲はDを救う唯一の手段との与件を維持する。故意・違法性・責任等の複数の説明と,各構成の難点を区別して示す。
第4 評価項目と重み
1 設問1・カードすり替え
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1窃盗と詐欺の区別を処分行為の有無から論じる
適用:常時514頁・刑事系科目 第1問 設問1(処分行為の有無)1頁・2 採点方針 設問1(処分行為の有無)
2印鑑を取りに行かせた時点を処分行為の判断場面として特定する
適用:常時414頁・刑事系科目 第1問 設問1(印鑑を取りに行かせた場面)1頁・2 採点方針 設問1(印鑑を取)

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