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司法試験・司法修習

二回試験の勉強方法―集合修習の起案復習と直前期の学習計画(AI作成)

目次第1 二回試験の勉強で最初に整理すること1 設問に答える起案を自分で再現できるようにする2 公式の指示と学習上の提案を区別する第2 集合修習の起案を復習する手順1 自分の答案と講評の差を四つに分ける2 起案要領に照らして直す3 資料を閉じて再起案し,再発を確認する第3 5科目の弱点を記録する1 科目別の確認表を作る(1) 民事裁判では主張整理から認定対象を絞る(2) 刑事裁判では信用性と推認力を分ける2 復習メモは次の行動まで書く第4 残り期間に合わせた学習計画1 集合修習中から起案と講評を対応させる2 直前2週間の計画例第5 時間配分と提出前の確認1 固定の配分を丸暗記する前に自分の所要時間を測る2 内容と形式を別々に点検する第6 出典・参考資料
第1 二回試験の勉強で最初に整理すること
1 設問に答える起案を自分で再現できるようにする

二回試験の勉強では,教材を読んだ量だけでなく,事件記録を読み,設問が求める判断を,自分の言葉で時間内に答案にできるかを確認する必要がある。
何から始めればよいか迷った場合は,集合修習で提出した自分の起案,添削,講評及び使用した教材を科目別にそろえ,直された箇所から復習を始める方法が考えられる。

最高裁判所の司法修習の概要は,集合修習が5科目について修習記録を用いた起案を中心に行われ,教官の添削・講評や修習生相互の討論の素材になると説明している。
そこで,本記事では,その修習成果を学習に戻すための整理方法と,残り期間に応じた計画例を示す。

2 公式の指示と学習上の提案を区別する

本記事の復習表,時間の記録方法及び学習計画は,読者が自分の弱点を整理するための提案である。
司法研修所が指定する学習計画,非公表の採点基準又は合格を保証する方法ではない。
受験する期の起案要領,教官の指導及び応試心得を確認し,内容が異なる場合は当該期の指示に従うべきである。

司法修習生考試(二回試験)の制度,5科目,合否及び再受験の概要は「司法修習生考試(二回試験)の全体像」,公開資料の性質は二回試験の過去問・修習記録・教材の確認方法で整理する。
本記事の公開資料の確認日は令和8年10月5日である。

第2 集合修習の起案を復習する手順
1 自分の答案と講評の差を四つに分ける

復習では,講評を読んで理解したつもりになることと,自分の答案を直せることを区別する。
まず,設問の要求と自分の答案を並べ,差が生じた段階を次のように整理すると,次に行う作業を選びやすい。

差が生じた段階自分の起案で確認すること次の復習作業の例設問の読み取り検討対象,立場,求められた文書又は判断を取り違えなかったか設問ごとに,答える対象と答案に必要な項目を書き出す法的分析適用する法規範,要件,争点と具体的事実がつながっているか教材の該当箇所を読み,事案に必要な要件を整理し直す証拠・事実の評価証拠の内容,認定する事実,評価及び結論の間が飛躍していないか結論を左右する証拠と反対方向の事情を選び,理由を書き直す答案化・時間管理頭で考えた内容が答案に現れているか,書き残した設問がないか該当部分を資料を閉じて再起案し,所要時間も記録する

例えば,講評では反対方向の事情も評価されているのに,自分の答案が結論に有利な事情だけを挙げている場合,教材全体の読み直しに直ちに戻るより,その判断部分を理由付きで書き直すことが考えられる。
他方,適用すべき法規範自体を取り違えた場合は,表現の修正だけでは足りず,法律構成から確認する必要がある。

2 起案要領に照らして直す

司法研修所民事裁判教官室の民事裁判起案の留意点(令和7年2月版)の2頁は,検討対象が起案要領で限定される場合があること,設問によって対象が異なる場合があること及び起案要領の指示を優先することを説明している。
同資料8頁は,重要な間接事実の意味を評価することを重視し,どの事案でも固定的な順番で事実を列挙するような起案を求めてはいない。

このため,復習の際も,書く分量を増やすことだけを目標にせず,「この設問で必要な検討は何か」「この事実が判断にどう関係するか」を確認することが重要である。
この説明は民事裁判の公開指導資料に基づくものであり,他科目の答案形式や現在の二回試験の採点基準を一律に示したものではない。

3 資料を閉じて再起案し,再発を確認する

一度直した部分は,講評や修正答案を閉じ,自分で理由を組み立てて書けるかを確認する。
その際,結論を覚えて再現するだけになっていないか,証拠又は事実から結論に至る説明を自分で示せるかを点検する。

理解が曖昧な点が残る場合は,「どの設問の,どの判断段階で,何が分からないか」を整理して教官に質問する。
修習記録や起案を外部のサービス等に提供して質問する場合は,秘密保持義務及び資料の取扱いに関する指示を確認し,提供できることを確認していない資料を送信してはならない。

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二回試験の過去問は公開されているか―考試問題・修習記録・教材の確認方法(AI作成)

目次第1 二回試験の過去問を探すときの結論1 公開されたPDFが解ける問題とは限らない2 問題・記録・講評・教材を区別する第2 第77期・第78期の掲載PDFで読める範囲1 考試問題の本文は黒塗りである2 修習記録は表紙と本文を取り違えない3 他の期は掲載資料ごとに確認する第3 応試心得と不可答案資料の使い方1 応試心得は当日の運用を確認する資料である2 不可答案の概要は現在の採点基準と同一ではない第4 裁判所が一般公開している実務教材1 民事系の公開資料を確認する2 刑事系の教材は本文と記録編を確認する(1) 困っている作業に合わせて読む箇所を選ぶ第5 手元の資料を確認する順序1 資料名,対象の期及び中身を記録する2 練習には使用できることを確認した課題を用いる第6 出典・参考資料
第1 二回試験の過去問を探すときの結論
1 公開されたPDFが解ける問題とは限らない

二回試験の過去問を探す際は,「考試問題」という名前のPDFがあることと,設問や事案を読んで起案できることを区別する必要がある。
本ブログに掲載している第77期・第78期の考試問題は,設問等の本文が黒塗りになっており,これらのPDFから過去の設問内容を読み取って練習することはできない。
修習記録についても,掲載資料の中心は表紙であり,事件の経過や証拠を収録した記録全体が読めるものではない。

本記事では,令和8年10月5日に確認した資料について,考試問題,修習記録の表紙,応試心得,不可答案の概要及び裁判所が一般公開する教材を分けて案内する。
全期間のあらゆる資料の公開状況を調べ尽くしたものではなく,「二回試験の問題は一切公開されていない」と断定するものでもない。

2 問題・記録・講評・教材を区別する
資料の種類確認する内容学習での位置付け考試問題期,科目,実施日,設問本文が読めるか本文が読めなければ,設問を解くための資料にはできない修習記録表紙だけか,事件経過や証拠を収録した本文があるか表紙だけでは,証拠評価や事実認定の練習はできない応試心得試験時間,持ち物,答案用紙,綴り・提出等の指示当日の準備と形式面の確認に用いる不可答案の概要対象の期,記載された問題点,資料の目的過去の答案の問題点を検討する参考資料である公開教材作成者,改訂年月,本文と記録編の有無,扱う課題実務の基礎を学ぶ教材であり,考試の過去問とは区別する

司法修習生考試(二回試験)の制度と5科目の概要は,「司法修習生考試(二回試験)の全体像」を参照されたい。

第2 第77期・第78期の掲載PDFで読める範囲
1 考試問題の本文は黒塗りである

次の考試問題のPDFは,全頁の表示を確認した。
科目名や実施日の一部が読める一方,問題本文の部分は黒塗りである。黒塗りの部分から設問や事案を推測して,実際の出題内容として紹介すべきではない。

期・掲載資料頁数読める範囲と限界第78期の考試問題21頁科目名等の一部を確認できる。設問等の本文は黒塗りである第77期の考試問題18頁科目名等の一部を確認できる。設問等の本文は黒塗りである

ここでの頁数は,ブログに掲載したPDFファイル全体の頁数である。
原試験で配布された記録の頁数,又は科目ごとの問題の分量を示すものではない。

2 修習記録は表紙と本文を取り違えない
期・掲載資料頁数収録されているもの第78期の修習記録の表紙8頁民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護で用いる修習記録の表紙である。記録の本文ではない第77期の修習記録の表紙10頁1~8頁は修習記録の表紙であり,9~10頁には別の採用面接関係文書が含まれている

表紙からは,資料名,分冊の有無及び取扱いに関する表示などを確認できるが,争点,証拠,供述又は具体的な答案の内容までは分からない。
第77期のPDF全体が10頁であることをもって,修習記録が10頁だったと理解してはならない。

表紙には,返却や複写に関する注意が表示されている。
一般に公開された表紙の閲覧と,修習生に配布された記録全体の複製・共有の可否は別問題であり,配布資料の指示を確認する必要がある。

3 他の期は掲載資料ごとに確認する

過去の期の実施日程と関連資料への入口は,65期以降の二回試験の日程等にまとめている。
別の期の資料を使う場合も,リンクの題名だけで判断せず,PDFを開いて,設問本文,記録本文又は表紙のどれが掲載されているかを確認すべきである。

第3 応試心得と不可答案資料の使い方
1 応試心得は当日の運用を確認する資料である

司法修習生考試応試心得(65期以降)では,本試験及び一部の再試験の応試心得を期別に案内している。

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令和5年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

目次第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系第1問(憲法)2 公法系第2問(行政法)3 民事系第1問(民法)4 民事系第2問(商法)5 民事系第3問(民事訴訟法)6 刑事系第1問(刑法)7 刑事系第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 法務省の公式資料2 本記事の確認範囲
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

本記事は,令和5年司法試験論文式試験の公法系2問,民事系3問及び刑事系2問について,主要7科目の模範解答記事を一覧にしたものである。
対象科目は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目,短答式試験及び予備試験は対象に含めない。

令和8年10月4日時点で公開されている7記事を基礎とする。
各記事が独自に抽出した評価項目は合計414項目であり,負例や許容分岐も含む。
これは法務省の公式採点項目数や配点を示す数字ではない。

対象7記事は,令和7年度と同じ5段階の重み付けに統一している。
本記事では,重み5の82項目を答案の骨格又は評価の分かれ目に関わる事項として整理する。
答案は各記事が示す試験実施日当時の法令及び問題文の前提に基づくAI作成の解答例であり,法務省の公式解答ではない。

第2 7記事の一覧

科目名から,各問の完成版模範解答,評価項目及び解説へ移動できる。

科目主な論点評価項目数重み5公法系第1問(憲法)遺族年金制度の変更と生存権・平等保障50項目9項目公法系第2問(行政法)役員解職勧告の処分性,原告適格,解散命令と執行停止64項目9項目民事系第1問(民法)配偶者の占有権原と共有,買主の不受領,転貸料への物上代位80項目15項目民事系第2問(商法)一人会社の取締役責任,準共有株式の議決権行使と決議取消し43項目11項目民事系第3問(民事訴訟法)違法収集証拠,不利益変更禁止,補助参加と判決の効力75項目13項目刑事系第1問(刑法)詐欺の実行着手,共謀の射程,強盗と業務妨害49項目13項目刑事系第2問(刑事訴訟法)ごみ等の領置,実験・被害再現を記録した実況見分調書の証拠能力53項目12項目合計7問414項目82項目
第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の「番号」は,各科目別記事の評価表にある通し番号を示す。
旧項目IDが科目別記事に併記されている場合は,括弧内にも示す。

1 公法系第1問(憲法)

架空の新遺族年金法案について,配偶者の年齢制限,男女で異なる受給年齢及び既存受給者の資格喪失・経過措置を検討する問題である。
設問1ではXの批判的見解,設問2ではその見解への反論を踏まえた自己の立場を示す。

子記事は,①年金の性質と生活保護との違い,②年齢制限一般と男女の年齢差の目的の違い,③審査基準の選択理由と当てはめ,④資格喪失と経過措置の十分性の区別を,答案作成上の重要点としている。

評価項目は50項目である。
このうち重み5は9項目であり,次の事項に付している。

①番号32(R01):設問1ではXの立場から、判例より立法裁量を狭める批判的見解を示す。
②番号33(R02):設問2で設問1への反論を示し、自己の立場の理由を述べる。
③番号34(R03):配偶者の年齢制限を独立して検討する。
④番号35(R04):夫と妻の受給年齢差を独立して検討する。
⑤番号36(R05):既存受給者の資格喪失を独立して検討する。
⑥番号44(R13):生活保護との違いを踏まえ、年金が生存権の中核に関わる理由を具体的に述べる。
⑦番号14(R31):社会保障の裁量と性別区別を調整し、審査強度を選ぶ理由を述べる。

(続きを読む...)令和5年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

目次第1 この記事の対象第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と重み5の事項1 公法系科目第1問(憲法)2 公法系科目第2問(行政法)3 民事系科目第1問(民法)4 民事系科目第2問(商法)5 民事系科目第3問(民事訴訟法)6 刑事系科目第1問(刑法)7 刑事系科目第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方1 評価項目の抽出2 5段階の重み付け3 模範解答と解説第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,選択科目を除く主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の7問について,山中弁護士ブログに掲載した模範解答の記事7本を一覧にして案内するものである。
7本の記事は,いずれも法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,令和7年度の記事と同じ5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答と,出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を示している。

7本で抽出した評価項目は合計350項目であり,そのうち重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは61項目である。
第2の一覧表で科目ごとの記事を選び,第3で各問題の概要と重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,どこで答案の差がついたのかをつかみやすい。

選択科目の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年10月4日時点で公開している7本の記事の内容に基づく。

第2 7記事の一覧
科目主な論点評価項目重み5公法系科目第1問(憲法)犬猫の販売業の免許制と職業の自由,犬猫の販売の広告でのイラスト・写真・動画の禁止と表現の自由40項目7項目公法系科目第2問(行政法)市街地再開発事業の事業計画の変更の認可の処分性,「軽微な変更」と都市計画基準による違法性,権利変換処分の取消訴訟における違法性の承継52項目6項目民事系科目第1問(民法)他人物賃貸借と所有者による相続,留置権の牽連関係,雨漏りによる賃料の減額と必要費の償還,錯誤取消しと民法95条4項の第三者60項目10項目民事系科目第2問(商法)少数株主が招集する株主総会と監査役による差止め,賛成株主への商品券の贈呈と利益供与,株式の併合による締出しと著しく不当な決議64項目7項目民事系科目第3問(民事訴訟法)明文なき任意的訴訟担当,弁論準備手続期日の自由な議論での陳述と裁判上の自白,判決確定後の解除権の行使と既判力による遮断55項目10項目刑事系科目第1問(刑法)暴行後に生じた財物奪取の意思と強盗罪,暗証番号を聞き出す行為と財産上の利益,誤った暗証番号の入力と不能犯,正当防衛の判断の基準者と違法性の相対性51項目14項目刑事系科目第2問(刑事訴訟法)所持品検査の限界と派生証拠である鑑定書の証拠能力,ビデオ撮影の強制処分該当性と任意処分の限界28項目7項目

評価項目の数には,採点実感が誤り又は不十分な答案として挙げた記述から作った「〜しない」の形の項目を含む。
評価項目の数と重みは,各記事が公式資料の書きぶりから付けたものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と重み5の事項
1 公法系科目第1問(憲法)

本問は,犬又は猫(以下「犬猫」という。)の販売業について,免許制を導入する規制①と,犬猫の販売の広告でイラスト,写真及び動画の使用を禁止する規制②を内容とする架空の法案骨子について,議員連盟から相談を受けた法律家の立場で,その憲法適合性を論じさせるものである。

重み5の7項目は,規制①が狭義の職業選択の自由の制限か職業遂行の自由の制限かの検討,規制目的を消極目的又は積極目的に無理に分類せず,目的だけで審査基準を決めないこと,許可制についての判例の枠組みを踏まえること,許可制それ自体ではなく許可要件ごとに審査すること,主観的制限の要件と客観的制限の要件の区別,規制②について広告の規制に関する判例に言及すること,及び参考とすべき判例の判旨を正確に理解して本問との異同を論じることである。

記事:令和6年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け

2 公法系科目第2問(行政法)

本問は,都市再開発法に基づく組合施行の第一種市街地再開発事業について,隣接市の法制課訟務係長(弁護士)の立場から,事業計画の変更の認可の処分性(設問1⑴),その違法性(設問1⑵)及び後行の権利変換処分の取消訴訟における違法性の承継(設問2)を検討させるものである。
配点の割合は,設問1⑴,設問1⑵及び設問2の順に35:35:30である。

重み5の6項目は,宅地所有者等が公告の日から30日以内に転出か権利の取得かの選択を余儀なくされること,組合設立認可(事業計画)により権利変換処分を受けるべき地位に立たされること,事業計画の変更の認可がその地位を直接に変動させること,施行地区の変更が「軽微な変更」に当たらないこと,違法性の承継について否定・肯定の論拠を挙げた上で依頼者の立場から肯定の立論をすること,及び実体法的観点の肯定論拠である。
記事は,設問別の重みの合計(設問1⑴が60点,設問1⑵が52点,設問2が49点)を示している。
また,公式資料を見ずに作った答案は,権利変換処分の段階で争うと事情判決がされ得ることを処分性の論拠にしていたが,採点実感はこれを論拠にならないとしていると指摘している。

記事:令和6年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した52項目と5段階の重み付け

3 民事系科目第1問(民法)

本問は,他人の土地を自己の名で賃貸した者を所有者が相続した場合の賃借人の占有権原と留置権(設問1⑴),賃貸建物の一室が雨漏りで使えなくなった場合の賃料の減額と,賃借人が自ら業者に修繕させた費用の償還(設問1⑵),並びに離婚に伴う財産分与として譲渡された土地の錯誤取消しと転得者の保護(設問2)を問うものである。
配点の割合は,設問1及び設問2の順に50:50である。

重み5の10項目は,判例を踏まえて所有者の地位と賃貸人の地位が併存するとすること,判例を踏まえて留置権の牽連関係を否定すること,相続という偶然の事情を牽連関係の判断に持ち込まないこと,請求2を賃料の当然減額を前提とする既払賃料の一部の不当利得返還請求と捉えること,修繕権がなくても必要費償還請求権が成立し得ることを論ずること,取消しにより無権利者からの取得者は原則として所有権を取得できないという基本構造,財産分与の意思表示にも錯誤の規定が適用されること,民法95条4項の保護を受けるための登記の要否,Iが保護される場合の所有権移転の経路に遡った構成,及び反対の立場(対抗問題とみる構成)を意識した自説の理由付けである。
記事は,設問2の結論がIが保護された場合の所有権の移転経路をどう考えるかで分かれ,出題の趣旨は反対の結論も許容しているとしている。

(続きを読む...)令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

令和5年司法試験民事系第1問(民法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した80項目と5段階の重み付け(AIリライト)

目次
第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方
2 5段階の重み付けの基準

第3 本問の概要
第4 評価項目と重み1 設問1⑴―請求の根拠と配偶者短期居住権
2 設問1⑵―共有持分と使用利益
3 設問2⑴―受領義務と催告解除
4 設問2⑵―損害賠償の根拠・範囲・額
5 設問3―転貸料への物上代位
6 答案全体
7 重みの分布

第5 模範解答1 答案の前提と表記
2 答案
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答
2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事

第7 出典及び確認状態1 公式資料
2 法令
3 裁判例
4 確認状態

第1 この記事の対象と結論

令和5年司法試験の民事系科目第1問(民法)について,公式問題,出題の趣旨及び採点実感を基に整理した80の評価項目と,約5200字の模範解答を示します。重み5は15項目です。評価項目と重みは本記事の独自分析であり,法務省の採点基準・配点ではありません。

設問1では,配偶者短期居住権の成立・消滅と共有持分による使用権限を分けます。答案は,Dの短期居住権は消滅したと解する一方,共有持分により明渡しを拒めても,持分を超える使用利益の対価までは拒めないとしています。設問2では,個別契約上の受領義務を認めて催告解除を肯定し,代金相当額から保持するコイの価値を控除し,釣堀利益を含む賠償額を40万円としています。設問3では,実体的効力と差押え手続の根拠を分け,異常な転貸借には物上代位を認め,5月分は否定し,6月分以降を肯定します。

第4で評価項目と公式資料の対応を,第5で答案及び枠外の解説を掲載します。別の構成が許される事項と,本文が採った解釈の限界も解説します。

(続きを読む...)令和5年司法試験民事系第1問(民法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した80項目と5段階の重み付け(AIリライト)

令和5年司法試験刑事系科目第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1・領置の適法性2 設問2・実況見分調書の証拠能力3 設問ごとの誤りの回避4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和5年司法試験刑事系科目第2問について,試験当時の刑事訴訟法と判例を基礎に模範解答を示し,出題の趣旨及び採点実感から抽出した53項目を5段階で整理したものである。正方向の項目は31項目,誤りの回避に関する項目は22項目であり,重み5は12項目である。

設問1では,ごみ袋を大家からの任意提出物,使用済み容器を遺留物と捉え,プライバシーの利益と捜査の必要性・相当性を検討して,両捜査を適法とする。設問2では,解錠実験と過去の被害再現を区別し,作成者の真正作成の証言等を条件に証拠能力を判断する。文字によるVの供述部分は,署名又は押印の有無によって結論を分ける。

以下はAI作成の解答例であり,法務省の公式答案・公式採点基準・公式配点ではない。重み5の中心は,領置の二類型とその限界,要証事実の認定,調書作成者と再現者の情報の区別である。第5では答案を枠内に置き,枠外で評価項目との対応を説明する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

各項目は,答案の一つの判定対象が分かる形に整理した。番号は表をまたいで連続させ,種類(必須,高評価,負例,許容分岐)を評価項目欄に,独自の重みを別の欄に示す。必須という種類だけで重み5としたり,負例を書かなかったことを正方向の加点としたりしない。許容分岐は,選んだ立場に応じて用いる。

出題の趣旨と採点実感の根拠は別々の欄に示す。頁はPDFの物理頁であり,本問の範囲では紙面下部の頁番号と一致する。「記載なし」は,本問の対象範囲を実読した上で,当該具体的な記載を確認できない場合に用いる。「間接」は,一般的な検討要求から問題文の事情や条文要件に即して具体化した場合であり,資料がその評価項目をそのまま列挙していることを意味しない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは本記事の分析によるものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も評価又は具体的な誤りの指摘を通じて取り上げた事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項。
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項。

本問では,採点実感の良好・優秀の答案と不良の答案を分ける枠組み,及び結論に至るために不可欠な検討順序を重み5の根拠とした。重み4は,両資料に対応する検討要求がある事項であり,資料が項目別の配点や独立した加点を公表したことを意味しない。各段階への件数割当てはしていない。

第3 本問の概要

設問1は,住居侵入・強盗殺人未遂事件の捜査で,甲がアパートの敷地内のごみ置場へ捨てた袋を大家から受け取った捜査①と,捜査目的を秘して渡した食事の使用済み容器を,甲が公道へ投棄した後に回収した捜査②の適法性を問う。大家による分別確認・搬出の了解,投棄場所,嫌疑の進展,DNA照合の必要性及び取得対象の限定を評価する。

設問2は,甲が同種の錠と用具で解錠した実験の実況見分調書①と,検察官Rの面前でVが過去の被害を再現した実況見分調書②の証拠能力を問う。いずれも弁護人は不同意であり,Vは公判前整理手続終了前に死亡している。設問1の捜査の適法性が証拠能力に与える影響は,設問の指定に従って検討しない。

第4 評価項目と重み
1 設問1・領置の適法性
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1【必須・設問1共通】221条の二類型を挙げ,占有取得に強制の要素がないため令状不要である趣旨を示す。517頁〔設問1〕:221条の二類型と占有取得過程の非強制性。7頁1・2⑴,8頁2⑵:領置の理解と各類型の検討。2【必須・設問1共通】遺留物を,意思によらない占有喪失に加え,意思による占有放棄も含む広い概念として定義する。417頁〔設問1〕:遺失物より広い遺留物の定義。間接(8頁2⑵):遺留物・任意提出物への該当性を求める記述から,定義の正確さを具体化。3【必須・設問1①】敷地内ごみ置場では大家の占有が残り,大家からの任意提出物という経路を採る。517頁〔設問1〕:大家の占有が残る任意提出物かを検討。7頁2⑴・8頁2⑵:大家の占有と保管者性,投棄即遺留物という誤り。4【必須・設問1①】分別確認・搬出の事前了解と指定場所への投棄を,大家の保管者性の具体的根拠にする。4間接(17頁〔設問1〕):大家の任意提出権限の検討を,問題文の管理了解から具体化。間接(7頁2⑴):大家の保管者性の検討を,問題文の分別確認・搬出了解から具体化。5【必須・設問1②】甲の自主的な公道への投棄と管理離脱を,遺留物該当性の根拠にする。517頁〔設問1〕:自己の意思で公道へ投棄した容器の遺留物該当性。7頁2⑴:投棄した容器の遺留物該当性を検討。6【必須・設問1共通】ごみ内容を通常他人に見られない期待に,占有とは別のプライバシー利益を認める。517~18頁〔設問1〕:通常内容を見られない期待の法的保護と要保護性。8頁2⑵:プライバシーの要保護性に配慮した枠組み。7【必須・設問1②】DNA型を知られない期待を法的利益として取り上げ,その事案での要保護性を評価する。417~18頁〔設問1〕:DNA型を知られない期待の法的保護と要保護性。8頁2⑵:個人識別情報という事情だけで不相当とする誤り。8【必須・設問1共通】残存する利益と各領置の必要性を比較衡量し,取得方法・範囲の相当性を判断する。518頁〔設問1〕:具体的状況下の必要性・相当性。7頁1・2⑴,9~10頁3:利益と必要性を比較衡量する枠組み。9【必須・設問1①】重大事件,映像・着衣・時間方向の符合,足跡と対照する必要性を具体的に評価する。418頁〔設問1〕捜査①:重大犯罪と足跡・映像との対照。8頁2⑵捜査①:重大事件の一般論にとどまらない事実分析。10【高評価・設問1①】約2時間後の回収予定を,ごみの処分過程と残存期待の評価につなげる。418頁〔設問1〕捜査①:約2時間後に回収される状況。8頁2⑵捜査①:約2時間後の回収予定への言及不足。11【高評価・設問1①】外観で甲の1袋を特定して取得した限定性を,侵害の範囲の評価につなげる。418頁〔設問1〕捜査①:外観を確認した1袋だけの領置。8頁2⑵捜査①:1袋だけの取得という限定事情の見落とし。12【高評価・設問1②】靴の靴底が足跡と矛盾しなかったこと等を踏まえ,①時点より嫌疑が高まったことを評価する。418頁〔設問1〕捜査②:犯人である可能性がより高まった状況。8頁2⑵捜査②:捜査①と比較した嫌疑の高まりへの言及不足。13【必須・設問1②】凶器と同所のマスク内側血痕が犯人由来である蓋然性とDNA型判明を,照合の有効性につなげる。418頁〔設問1〕捜査②:犯人由来の可能性が高いDNA型の判明。8頁2⑵捜査②:犯人由来の可能性が高いDNA型の判明。14【必須・設問1②】複数人が出入りする住居のごみでは甲単独のDNAを採取しにくい点を,方法選択の必要性に使う。418頁〔設問1〕捜査②:家庭ごみから甲のDNAだけを採取する困難。8頁2⑵捜査②:同事情を踏まえた必要性の検討不足。15【高評価・設問1②】多数の炊き出し容器の中でマークが甲の容器の帰属を確定し,取得が1容器に限られる意味を評価する。4間接(18頁〔設問1〕):取得過程への関与と相当性を検討する要求を,マークの意味から具体化。8頁2⑵捜査②:マークにより甲のDNAだけを特定できる方法。16【必須・設問1②】警察の秘匿接触という不利益事情と,自主投棄後の回収で取得自体への関与が限定的という事情を併せて評価する。518頁〔設問1〕捜査②:目的秘匿・接触と自主投棄後の回収の双方。8頁2⑵捜査②:秘密の接触だけを抽出し,自主投棄を見落とす誤り。17【高評価・設問1比較】①の敷地内・内容プライバシーと②の公道・DNA情報利益を区別して相当性を判断する。418頁〔設問1〕:投棄場所と保護すべき利益の違い。8頁2⑵捜査②:捜査①との比較と個人識別情報への評価。18【許容分岐・設問1共通】適法又は違法の結論だけを唯一の正解とせず,選択した結論への事実評価を閉じる。118頁〔設問1〕:適法・違法の結論より事実の意味の分析を求める。記載なし(適法・違法の各結論を許容する旨の明示)。
2 設問2・実況見分調書の証拠能力
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感19【必須・設問2共通】伝聞証拠を,公判外供述をその内容の真実性の証明に用いる証拠と定義する。3記載なし(伝聞証拠の定義の明示)。8頁末~9頁2⑵:供述内容の真実性を立証する用法を含む定義。20【必須・設問2共通】捜査官自身の公判外の観察記録という調書の伝聞性を,甲・Vの供述層と別に示す。518頁〔設問2〕:捜査官の観察記録と甲・Vの供述を分ける。9頁2⑵:Qの公判外供述と甲の供述との混同を指摘。21【必須・設問2共通】任意の実況見分も五官による観察記録として検証に類似するため321条3項が適用されると解釈する。418頁〔設問2〕:五官による観察・認識と検証調書との類似。9頁2⑵:解釈なしに321条3項を適用する誤り。22【必須・設問2共通】Q・Rそれぞれの公判での証人尋問と真正作成の供述を,321条3項による証拠能力の条件にする。418頁〔設問2〕:作成者の公判証人尋問と真正作成の証言。間接(10頁3⑴):321条3項該当性と条文適用の要求を,条文要件に即して具体化。23【必須・設問2①】要証事実を施錠の解錠可能性とし,犯行日に現実に解錠したという犯罪事実から区別する。518頁〔設問2〕:解錠可能性という立証趣旨と要証事実の関係。9頁2⑵調書①:犯行日に解錠したこととの区別。24【必須・設問2①】同種の錠・用具,能力を問う依頼,実際の解錠を,実況見分時の能力を証明する実験という認定根拠にする。3間接(18頁〔設問2〕):同種の錠前の解錠状況と事実分析の要求。9頁2⑵調書①:少なくとも実況見分時点で可能であったことの根拠。25【必須・設問2①】甲の説明と動作を,実験の理解のための指示として検討し,その供述の真実性を用いないことから内側の伝聞性を否定する。518頁〔設問2〕:甲の供述部分を要証事実との関係で検討。9頁2⑵調書①:供述の真実性を用いない非伝聞の理由付け。26【必須・設問2②】被害再現状況という立証趣旨の実質を,再現どおりの犯罪事実の存在と認定する。518頁〔設問2〕:被害再現状況という立証趣旨と平成17年決定。9頁2⑵調書②:実質的な要証事実は再現どおりの犯罪事実。27【高評価・設問2②】検察庁での被害再現と同旨の被害供述等から,犯行現場でその行為が可能だったことを試す実験ではないと理由付ける。3間接(18頁〔設問2〕):具体的事実に基づく要証事実の検討要求。9頁2⑵調書②:犯行現場での実行可能性を立証する目的でない理由。28【必須・設問2②】写真もVの記憶に基づく動作による供述を記録しているため,機械的撮影だけで非伝聞にしない。518頁〔設問2〕:被害再現写真の性質と要証事実を検討。9頁2⑵調書②:機械的撮影だけで非伝聞とする誤り。29【必須・設問2②】調書の外側321条3項と再現者の内側の例外の両方を必要とし,一方の要件で他方を救済しない。518頁〔設問2〕:321条3項を論じた上でVの供述部分を別に検討。9頁2⑵・10頁3⑷:内側の要件不充足を3項で救済する誤り。30【必須・設問2②】Rは検察官,Vは死亡という事実から321条1項2号前段の供述不能を適用する。3記載なし(適用すべき2号前段・死亡の具体的指定)。9頁2⑵:検察官面前の再現に3号を使う誤り,死亡の見落とし。31【必須・設問2②】文字のV供述録取部分にはVの署名又は押印を要求し,有無未記載を条件として結論を分ける。3記載なし(署名押印の具体的指摘)。9頁2⑵:署名押印への言及欠如。文字と写真の区別・条件付き結論は条文と決定原文による具体化。
3 設問ごとの誤りの回避
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感32【負例・設問1共通】221条を欠き,197条の任意・強制の一般論だけで領置を処理しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:221条を欠き,197条の任意・強制の一般論だけで領置を処理しない。33【負例・設問1共通】任意提出を任意処分と同義にせず,分類だけで適法・違法を決めない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:任意提出を任意処分と同義にせず,分類だけで適法・違法を決めない。34【負例・設問1①】大家の占有を飛ばし,同じ物を甲の遺留物かつ大家の任意提出物と重ねて認定しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:大家の占有を飛ばし,同じ物を甲の遺留物かつ大家の任意提出物と重ねて認定しない。35【負例・設問1共通】プライバシーへの配慮を欠く漫然とした任意処分の限界論にとどまらない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:プライバシーへの配慮を欠く漫然とした任意処分の限界論にとどまらない。36【負例・設問1共通】重大事件の早期検挙という一般的必要性だけで結論付けない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:重大事件の早期検挙という一般的必要性だけで結論付けない。37【負例・設問1②】DNAが個人識別情報であることだけで取得を不相当と断定しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:DNAが個人識別情報であることだけで取得を不相当と断定しない。38【負例・設問1②】秘密の接触だけで不相当とせず,自主投棄と目印による帰属特定も評価する。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。8頁2⑵:秘密の接触だけで不相当とせず,自主投棄と目印による帰属特定も評価する。39【負例・設問2共通】伝聞証拠を単なる公判外の供述とだけ定義しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:伝聞証拠を単なる公判外の供述とだけ定義しない。40【負例・設問2共通】実況見分へ321条3項が適用される理由を省かない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:実況見分へ321条3項が適用される理由を省かない。41【負例・設問2共通】調書作成者Q・Rの供述と甲・Vの供述を混同しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:調書作成者Q・Rの供述と甲・Vの供述を混同しない。42【負例・設問2共通】要証事実を検討せず,伝聞・非伝聞の結論だけを示さない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:要証事実を検討せず,伝聞・非伝聞の結論だけを示さない。43【負例・設問2①】解錠可能性が要証事実なのに甲の供述の真実性が必要だとして伝聞としない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:解錠可能性が要証事実なのに甲の供述の真実性が必要だとして伝聞としない。44【負例・設問2②】調書②の立証趣旨を,別の検面調書の被害状況と誤引用しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:調書②の立証趣旨を,別の検面調書の被害状況と誤引用しない。45【負例・設問2共通】現場指示・現場供述という呼称だけで伝聞性を決めない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:現場指示・現場供述という呼称だけで伝聞性を決めない。46【負例・設問2②】写真記録の機械性を,Vの供述内容の真実性が不要である理由にしない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:写真記録の機械性を,Vの供述内容の真実性が不要である理由にしない。47【負例・設問2②】検察官面前の再現に3号の不可欠性等を移植しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:検察官面前の再現に3号の不可欠性等を移植しない。48【負例・設問2②】死亡したVを生存者として供述不能の要件を処理しない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:死亡したVを生存者として供述不能の要件を処理しない。49【負例・設問2②】署名押印を無視せず,文字と写真で形式要件を分ける。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:署名押印を無視せず,文字と写真で形式要件を分ける。50【負例・設問2②】内側の伝聞例外が満たされなくても321条3項だけで調書全体を採用できるとしない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:内側の伝聞例外が満たされなくても321条3項だけで調書全体を採用できるとしない。51【負例・設問2共通】供述録取書・写真の複数の情報層を324条の再伝聞の問題に取り違えない。2記載なし(この誤りの具体的指摘)。9頁2⑵:供述録取書・写真の複数の情報層を324条の再伝聞の問題に取り違えない。
4 答案全体

次の2項目は,設問ごとの誤りの一覧から答案全体の監査へまとめた既存項目であり,新たに加算した項目ではない。採点実感の9~10頁「3 答案の評価」は,以下の各論点の充実度を総合的に評価する記述であるため,別の重複項目として数えていない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感52【負例・設問1共通】具体的事実を羅列するだけで,法的意味の分析を省かない。218頁〔設問1〕及び〔設問2〕:羅列にとどまらない具体的事実の分析。8頁2⑵:具体的事実を羅列するだけで,法的意味の分析を省かない。53【負例・設問1共通】自己の結論に都合のよい事情だけを拾い,反対事情を無視しない。2間接(18頁〔設問1〕):必要性と相当性の双方の具体的事情を分析する要求。8頁2⑵:自己の結論に都合のよい事情だけを拾い,反対事情を無視しない。

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令和5年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1(1) 解職勧告の処分性2 設問1(2) Dの原告適格3 設問2(1) 重大な損害4 設問2(2) 解散命令の実体的違法性5 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

令和5年司法試験論文式試験・公法系科目第2問(行政法)について,出題の趣旨と採点実感から独自に抽出した64の評価項目と,5段階の重みを示す。
重み5は9項目であり,勧告と解散命令の連動,Dの法定欠格と権利侵害,A自身の事業継続不能,損害の考慮要素への配置,裁量の区分及び比較事例の法的評価が中心となる。

答案例は,解職勧告の処分性を否定し,Dの原告適格を肯定する。
設問2では,Aの立場から重大な損害と解散命令の実体的違法事由を主張し,B県の反論にも応答する。
評価表を第4に,約5,100字の模範答案と枠外の解説を第5に置く。
項目,区分及び重みは法務省の公式採点基準・配点ではなく,答案はAIが作成した学習用の例である。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの項目には一つの判定対象を置き,答案のどの規範,理由付け,当てはめ又は誤りの回避を評価するかが分かる形に整理した。
「必須」24項目,「高評価」18項目,「負例」21項目,「許容分岐」1項目という区分は,重みとは別に判断している。
負例は誤った記載を避けるための項目であり,許容分岐は特定の結論だけを正解としないための条件付きの整理である。

評価表は設問ごとの連続番号1〜64とし,出題趣旨と採点実感の根拠を別欄で示す。
頁はPDFの物理頁,節は各公式資料の節番号である。
「記載なし」は,本問に対応する範囲を実際に読んだ上で,その具体的な補強理由・誤り・分岐の記載を確認できなかったことを示す。
「間接」は,一般的な検討要求又は評価の記述から本項目への対応を導いた箇所を意味し,具体的な記載がある場合と区別する。

2 5段階の重み付けの基準

重みは本記事の分析によるものであり,法務省の公式配点,予測得点又は問題の難易度を示さない。

①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項。
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項。

各項目の根拠と役割から判断し,各段階に件数を割り当てていない。
同じ論点でも,検討対象を捉える項目と,理由付けを深める項目を分けた。
重み5の高評価項目を自動的に必須へ変更していない。
全項目の重み合計は参考値であり,負例や条件付きの分岐を含めて全てを答案に書くことを求めるものではない。

第3 本問の概要

Aは複数の福祉施設・サービスを営む社会福祉法人,Cは理事長,Dは業務執行理事である。AによるDへの無利子・無担保の1億円の貸付けをきっかけに,知事は改善勧告,公表,改善命令,Cの解職勧告を経て,解散命令をした。各段階の効果を区別して検討することが本問の出発点である。

①設問1(1):Aを名宛人とするCの解職勧告の処分性を,反対構成も踏まえて検討する。
②設問1(2):D自身の原告適格を,行訴法9条1項と解散命令の法効果から検討する。
③設問2(1):Aが主張すべき「重大な損害」を,B県の反論も踏まえて検討する。
④設問2(2):Aが主張すべき解散命令の実体的違法事由を,B県の反論も踏まえて検討する。

設問1(2)では行訴法9条2項による検討を行わない。
設問2はAが取消訴訟を適法に提起したことを前提とし,改善勧告・改善命令及び解散命令の手続は適法という設定を維持する。
設問が求めていない訴訟要件や手続的違法を広げず,各問が指定する立場と検討対象に答える。

第4 評価項目と重み
1 設問1(1) 解職勧告の処分性
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1行訴法3条2項の処分性を本件解職勧告について検討する
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
行訴法3条2項の処分性を本件解職勧告について検討する採点実感 PDF 4頁・3(1)
一般基準と法効果性を踏まえた処分該当性2平成17年判決が勧告の処分性を肯定した論拠を示す
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
平成17年判決が勧告の処分性を肯定した論拠を示す採点実感 PDF 4頁・3(1)
平成17年判決に触れ,後続処分との連動を考察3勧告拒否と後続措置の連動関係を条文構造から比較する
【必須】5出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
勧告拒否と後続措置の連動関係を条文構造から比較する採点実感 PDF 7頁・4(2)・平成17年判決
56条7項・8項の構造に則して後続行為を検討4後続解散命令がAへ及ぼす深刻な不利益を処分性の議論に置く
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
後続解散命令がAへ及ぼす深刻な不利益を処分性の議論に置く採点実感 PDF 7頁・4(2)・平成17年判決
Aにとっての解散命令の不利益の深刻度5社会福祉法上の弁明と行手法上の意見聴取を比較する
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
社会福祉法上の弁明と行手法上の意見聴取を比較する採点実感 PDF 4頁・3(1)
56条9項の弁明を踏まえた論理的な検討6自説に対する処分性肯定又は否定の反対構成に応答する
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
自説に対する処分性肯定又は否定の反対構成に応答する採点実感 PDF 7頁・4(2)・平成17年判決
反対の見解も踏まえて56条の構造を分析7処分性の一般的判断基準を正確に定立する
【必須】4間接:出題趣旨 PDF 3頁・設問1(1)
処分該当性の検討に必要な規範として位置付ける採点実感 PDF 4頁・4(2)
処分性の一般的判断基準を正確に定立する8行手法2条6号を挙げ行政指導の非拘束性を示す
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 4頁・3(1)
行手法2条6号を挙げ行政指導の非拘束性を示す9罰則の不存在を非拘束性の理由として検討する
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 4頁・3(1)
罰則の不存在を非拘束性の理由として検討する10勧告段階の早期救済の必要性を反対構成に置く
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 4頁・3(1)
勧告段階の早期救済の必要性を反対構成に置く1124条1項と61条の自主性を処分性否定の根拠へ置く
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 4頁・3(1)
24条1項と61条の自主性を処分性否定の根拠へ置く12勧告拒否と解散を定型的に連動させる運用の有無を検討する
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
勧告拒否と解散を定型的に連動させる運用の有無を検討する13避ける記載:勧告が一方的だから権力性があるとだけ断定する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 6頁・4(1)
勧告が一方的だから権力性があるとだけ断定する14避ける記載:平成17年判決の後続処分を病院開設不許可と取り違える
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
平成17年判決の後続処分を病院開設不許可と取り違える15避ける記載:平成17年判決が勧告に直接の法的効果を認めたと説明する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
平成17年判決が勧告に直接の法的効果を認めたと説明する16避ける記載:56条7項の役員解職勧告と4項の改善勧告を混同する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
56条7項の役員解職勧告と4項の改善勧告を混同する17避ける記載:Aの処分性をC本人の不利益だけで論じる
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
Aの処分性をC本人の不利益だけで論じる18避ける記載:早期救済の必要性だけから勧告の処分性を安易に肯定する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
早期救済の必要性だけから勧告の処分性を安易に肯定する19避ける記載:行手法13条1項1号ニにより聴聞は非処分も対象だとする
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
行手法13条1項1号ニにより聴聞は非処分も対象だとする20避ける記載:行手法の弁明は行政処分以外だけを対象とすると解する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
行手法の弁明は行政処分以外だけを対象とすると解する21避ける記載:56条9項の弁明を受ける主体を所轄庁指定職員とする
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(2)
56条9項の弁明を受ける主体を所轄庁指定職員とする22処分性の肯定・否定を理由付けに応じて許容する
【許容分岐】1記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし間接:採点実感 PDF 4頁・3(1)
処分性の一定の結論と,否定説の論拠を論じる答案の評価(結論の許容は間接)
2 設問1(2) Dの原告適格
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感239条1項の法律上の利益を法効果から判定する
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
9条1項の法律上の利益を法効果から判定する採点実感 PDF 4頁・3(2)
9条1項の一般基準からD自身への法効果を検討24名宛人以外にも法効果による権利制限が及ぶ判例の枠組みを使う
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
名宛人以外にも法効果による権利制限が及ぶ判例の枠組みを使う採点実感 PDF 7頁・4(3)・平成18年判決等
法効果により権利が制限される第三者の判断枠組み2540条1項5号による社会福祉法人一般の評議員欠格を摘示する
【必須】5出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
40条1項5号による社会福祉法人一般の評議員欠格を摘示する採点実感 PDF 8頁・4(3)・侵害されるDの権利等
40条1項5号による社会福祉法人一般の欠格2644条1項の準用により役員欠格まで法効果を追う
【必須】5出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
44条1項の準用により役員欠格まで法効果を追う採点実感 PDF 8頁・4(3)・侵害されるDの権利等
44条1項の準用による役員への欠格の拡張279条1項の一般的な利益侵害基準を先に置く
【必須】4出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
9条1項の法律上の利益を法効果から検討採点実感 PDF 7頁・4(3)
9条1項の一般的な利益侵害基準を先に置く28欠格により制約される本人の権利を職業選択等として具体化する
【高評価】5記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(3)
欠格により制約される本人の権利を職業選択等として具体化する29平成18年判決が直接認めた不服申立適格を正確に述べる
【高評価】3間接:出題趣旨 PDF 3頁・設問1(2)
平成18年判決・平成25年判決による不服申立適格又は原告適格の参照採点実感 PDF 4頁・3(2)
平成18年判決が直接認めた不服申立適格を正確に述べる30平成25年判決の共有者自身への利用制限を説明する
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし間接:採点実感 PDF 4頁・3(2)
平成25年判決への言及と法効果の検討(用益権設定の具体的内容は判決原文で確認)31法人の出訴可能性による役員の救済否定へ応答する
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし間接:採点実感 PDF 5頁・3(2)
反対説とその排斥理由を論じる答案の評価(法人による出訴という具体的反論は間接)32避ける記載:9条2項の保護範囲を詳細に検討する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 6頁・4(1)
9条2項の保護範囲を詳細に検討する33避ける記載:DとAの同一視又は利益の同一性で原告適格を認める
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 7頁・4(3)
DとAの同一視又は利益の同一性で原告適格を認める34避ける記載:違法貸付け等のDの個別行動で原告適格を決める
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(3)
違法貸付け等のDの個別行動で原告適格を決める35避ける記載:欠格をA自身の役員への就任不能だけと理解する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(3)
欠格をA自身の役員への就任不能だけと理解する36避ける記載:業務執行権限の喪失だけで適格を認める
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(3)
業務執行権限の喪失だけで適格を認める
3 設問2(1) 重大な損害
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感37Aの執行停止申立てについて25条2項の重大な損害を論じる
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
Aの執行停止申立てについて25条2項の重大な損害を論じる採点実感 PDF 5頁・3(3)
25条2項・3項による重大な損害の検討3825条3項の考慮事項を判断規範として示す
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
25条3項の考慮事項を判断規範として示す採点実感 PDF 5頁・3(3)
各事情を25条3項の文言に当てはめる論述39平成19年決定の信用・業務信頼の損害を本件へ接続する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
平成19年決定の信用・業務信頼の損害を本件へ接続する採点実感 PDF 5頁・3(3)
平成19年決定を踏まえたAの損害の検討40解散そのものによるAの事業継続不能を先に示す
【必須】5出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
解散そのものによるAの事業継続不能を先に示す採点実感 PDF 8頁・4(4)・損害の内容
まず解散自体による事業継続不能を捉える41利用者等への影響を解散命令の性質として検討する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
利用者等への影響を解散命令の性質として検討する採点実感 PDF 8頁・4(4)・損害の内容
利用者等への影響を法の目的・処分の性質と接続42解散命令が保護する利益を踏まえB県の反論へ応答する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
解散命令が保護する利益を踏まえB県の反論へ応答する採点実感 PDF 9頁・4(4)・B県の反論等
解散命令の保護利益を考慮要素に置き評価する43一時的な3か月の業務停止と法人解散の違いを示す
【高評価】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
本件と平成19年決定の違いを意識して検討採点実感 PDF 5頁・4(4)
一時的な3か月の業務停止と法人解散の違いを示す44各事情を25条3項の具体的考慮要素に割り当てる
【高評価】5出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
各事情を25条3項の考慮要素に当てはめる採点実感 PDF 5頁・3(3)
各事情を25条3項の具体的考慮要素に割り当てる45利用者・従業員の損害をA自身の損害へ引き直す
【高評価】5間接:出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
Aの損害と利用者等への不利益という処分の性質採点実感 PDF 9頁・4(4)
利用者・従業員の損害をA自身の損害へ引き直す46B県の保護利益の反論を処分の内容及び性質に位置付ける
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(4)
B県の保護利益の反論を処分の内容及び性質に位置付ける47B県の反論に理由を示して再反論する
【高評価】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(1)
想定されるB県の反論を踏まえAの主張を検討採点実感 PDF 9頁・4(4)
B県の反論に理由を示して再反論する48避ける記載:重大な損害を金銭賠償で回復困難な損害だけと定義する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(4)
重大な損害を金銭賠償で回復困難な損害だけと定義する49避ける記載:Aの主張を求める問いに重大な損害がないとだけ答える
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 6頁・4(1)
Aの主張を求める問いに重大な損害がないとだけ答える50避ける記載:第三者の損害をそのままAの損害に加算する
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 8頁・4(4)
第三者の損害をそのままAの損害に加算する51避ける記載:B県の反論を理由のない否認だけで済ませる
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(4)
B県の反論を理由のない否認だけで済ませる
4 設問2(2) 解散命令の実体的違法性
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感5256条8項の文言を踏まえ裁量の有無を論じる
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
56条8項の文言を踏まえ裁量の有無を論じる採点実感 PDF 5頁・3(4)
文言・専門性から行政裁量の存否を検討53裁量逸脱濫用の判断枠組みを明示する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
裁量逸脱濫用の判断枠組みを明示する採点実感 PDF 5頁・3(4)
違法となる判断枠組みを示して当てはめる5424条・61条の自主性尊重を処分選択の制約へ接続する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
24条・61条の自主性尊重を処分選択の制約へ接続する採点実感 PDF 5頁・3(4)
24条・61条の自主性尊重を違法事由へ接続55他方法不能を最終手段性・比例原則の要請として解釈する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
他方法不能を最終手段性・比例原則の要請として解釈する採点実感 PDF 5頁・3(4)
過去の例に照らして比例原則違反を検討56監督措置の実績と本件の重要な相違を評価する
【必須】4出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
監督措置の実績と本件の重要な相違を評価する採点実感 PDF 9頁・4(5)・実績資料
具体的相違と監督目的に比した不利益を評価57要件裁量と効果裁量を別の根拠から区分する
【必須】5間接:出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
56条8項に基づく裁量の存否を検討採点実感 PDF 9頁・4(5)
要件裁量と効果裁量を別の根拠から区分する58効果裁量の根拠を文言に加え処分の性質から説明する
【高評価】3記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(5)
効果裁量の根拠を文言に加え処分の性質から説明する59Cの改善努力を考慮不尽等の枠組みに当てはめる
【高評価】4間接:出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
事実関係から監督措置の選択と裁量を検討採点実感 PDF 5頁・3(4)
Cの改善努力を考慮不尽等の枠組みに当てはめる60D起因の不正とCの解職拒否の過重評価を分けて論じる
【高評価】4間接:出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
事実関係から監督措置の選択と裁量を検討採点実感 PDF 5頁・3(4)
D起因の不正とCの解職拒否の過重評価を分けて論じる61比較例との具体差を監督目的とAの不利益の比例へ接続する
【高評価】5出題趣旨 PDF 4頁・設問2(2)
監督措置の実績と比例原則に照らして検討採点実感 PDF 9頁・4(5)
比較例との具体差を監督目的とAの不利益の比例へ接続する62避ける記載:命ずることができるという文言だけで要件裁量を認める
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(5)
命ずることができるという文言だけで要件裁量を認める63避ける記載:解職勧告拒否の考慮自体を他事考慮とする
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(5)
解職勧告拒否の考慮自体を他事考慮とする64避ける記載:比較事例の差を事実列挙のみで済ませる
【負例】2記載なし:この補強理由・誤り又は分岐の具体的な指摘なし採点実感 PDF 9頁・4(5)
比較事例の差を事実列挙のみで済ませる
5 答案全体

判読できる文字で書くこと,条・項・号と根拠文言を正確に示すこと,会議録の指示に答えること,判例の事案・法的仕組みと本件の異同を説明することも必要である。
採点実感5〜6頁・4(1)の一般的な答案作法として示されているため,設問別の64項目とは別に掲げ,集計には加えていない。

6 重みの分布

重み5は9項目,重み4は23項目,重み3は10項目,重み2は21項目,重み1は1項目である。
総項目数は64,重み合計は210(5×9+4×23+3×10+2×21+1×1)となる。

重み5は,3の後続措置との連動,25・26・28の法定欠格とD自身の権利侵害,40・44・45のA自身の損害と考慮要素への配置,57・61の裁量の区分と比例的な法的評価である。
答案の具体的な対応箇所は,第5の3(1)で説明する。

(続きを読む...)令和5年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1(甲の罪責)2 設問1(乙が暗証番号を聞き出そうとした行為)3 設問1(乙がATMで預金を引き出そうとした行為)4 設問2⑴(丙の正当防衛)5 設問2⑵①(丁の幇助犯)とア・イ6 設問2⑵②(甲の共同正犯)と整合性7 答案全体8 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年度司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第1問(刑法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
評価項目と模範解答は,生成AI(Claude)が作成し,判例・条文は原文で確認した。

本問は,【事例1】で甲及び乙の罪責(暴行後に生じた財物奪取の意思と強盗罪,キャッシュカードの暗証番号を聞き出す行為と「財産上不法の利益」,誤った暗証番号を入力した行為と不能犯)を問い,【事例2】で丙に正当防衛が成立することを前提に,幇助犯である丁と共謀共同正犯である甲の罪責を,正当防衛の判断の基準者と違法性の相対性という観点から整合的に説明させるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は51項目(答案に書くべき事項37項目と,採点実感が誤り又は不要と指摘した事項を「〜しない」の形にした14項目)であり,令和7年度の記事と同じ5段階で重み付けをした。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,自ら作出した反抗抑圧状態を利用した財物奪取の問題の所在,新たな暴行・脅迫を必要としその程度を示す規範,同論点での反対の考え方の意識,「持っているものを見せろ」を新たな脅迫として検討しないこと,暗証番号を財産上の利益の取得とみる考え方,本件カードを客体とする奪取罪を検討しないこと,誤った暗証番号の入力について未遂犯か不能犯かの問題の所在・区別基準・反対の考え方の意識,誰を基準として正当防衛の成立要件を判断するか,違法性の判断が共犯者間で異なることがあるか,幇助犯と共同正犯それぞれについての反対の考え方の意識,丁と甲の説明の整合性の14項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で約5000字にまとめ,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(刑事系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
採点実感が誤り又は不要と指摘した事項は,原則として「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階の中で重みを付けた。
ある考え方に立った場合に限って求められる事項は,評価項目の末尾に「(許容分岐)」と付した。
出題の趣旨・採点実感の欄は,根拠となる記述の頁と見出しを示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」とした。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の公式の採点基準・配点ではない。
①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項(「著しく低い評価」,「少なかった」「ごく少数」「ごく僅か」として高く評価された事項で出題の趣旨も検討を求めるもの,問題文が明記した検討事項に「正面から答えていない答案が多く見られた」とされたもの)
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した又は多数の答案の不足を指摘した)事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,当てはめ又は成立要件,若しくは評価を大きく下げる誤り
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項(簡潔に示せば足りる事項を含む。),又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,検討の必要がないとされた事項又は許容される別の構成で求められる事項

第3 本問の概要

【事例1】では,特殊詐欺グループを率いる甲が,配下のAに暴行を加えて肋骨骨折等の傷害を負わせた後,Aが差し出した財布の中の現金が欲しくなり,Aが恐怖で抵抗できないことを知りながら「この財布はもらっておくよ。」と言って財布を自分のポケットに入れる。
甲から財布を渡された乙は,中にあったA名義のキャッシュカードに気付き,バタフライナイフをAの眼前に示して暗証番号を言わせるが,Aはカードを見誤って異なる番号を答える。
乙はその番号をATMに3回入力するが,取引が停止される。

【事例2】では,甲が,Cから殴られた機会を利用してCを痛め付けようと考え,事情を告げずに粗暴な丙を連れてC方に出向く。
Cから一方的に殴られた丙は,甲の「俺がCを押さえるから、Cを殴れ。」との言葉を聞いて1回目の殴打をし,通り掛かった丁の「頑張れ。ここで待っているから終わったらこっちに来い。」との声掛けに発奮して2回目の殴打をする。

設問1は甲及び乙の罪責(盗品等に関する罪,建造物侵入罪及び特別法違反を除く。),設問2⑴は丙に正当防衛が成立すること,設問2⑵は丁の暴行罪の幇助犯と甲の暴行罪の共同正犯の成否を,誰を基準として正当防衛の成立要件を判断するか及び違法性の判断が共犯者間で異なることがあるかの結論・論拠と,両者の説明の整合性に触れながら論じさせる。

第4 評価項目と重み
1 設問1(甲の罪責)

(続きを読む...)令和6年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和5年司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した49項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴―詐欺未遂を認める説明2 設問1⑵―着手時点とそれ以前との差3 設問2―乙・丙の罪責4 設問2―甲の罪責と答案の配分5 設問3―公務の業務該当性6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和5年司法試験論文式試験の刑事系科目第1問(刑法)について,模範解答と,出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した49項目及び5段階の重みを示す。問題文の中心は,詐欺の実行着手,強盗致傷の因果関係,共謀の射程と故意の錯誤,公務に対する業務妨害である。

重み5は13項目であり,着手の説明と時点の対応,介在行為を含む因果関係,共謀の射程を先に検討する順序,妨害対象の特定と指定結論の両立に関わる。重みは法務省の公式配点ではない。第4で評価表を示し,第5で答案と各項目の対応を解説する。

設問1では,欺罔の一部開始を要する説明から③,密接行為から着手を認める説明から⑤を例示する。設問2では乙・丙に強盗致傷等,甲に詐欺未遂の共同正犯を認める一つの構成を採る。設問3では6の威力業務妨害を否定し,7の偽計業務妨害を肯定するための二つの説明を示す。許容される説明の全てを累積して書くことが必須という意味ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一つの項目に一つの判定対象を置き,答案で何を評価するかを示した。番号は1~49を通し,従前のR番号(R01~R49)を対応確認のため併記する。「必須」「高評価」「誤りの回避」「許容分岐」の区分は重みとは別であり,重み5の高評価事項や条件付き分岐が,全答案に必須になるわけではない。

根拠列の頁は各PDFの頁を示す。出題の趣旨は刑事系第1問の設問別説明,採点実感は同問の設問別評価に対応する。「直接記載なし」は,同問の対象範囲を実読して直接対応する記載を確認しなかったことを意味する。「間接」は,一般的な評価要求を個別事実へ適用して整理した事項である。一般的な指摘6事項は別掲し,49項目と重み合計へ重複算入しない。

2 5段階の重み付けの基準

①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項。
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項。

本記事の独自分析であり,法務省の項目別配点・予測得点ではない。段階ごとの件数の割当ては行わない。根拠資料の記述の強さと項目の役割を見て判断する。

第3 本問の概要

甲らは警察官を装い,Aに預金を現金化して自宅へ持ち帰らせ,訪問して現金を預かる計画を進める。設問1は,現金の交付要求前に詐欺未遂を認める論拠と,①~⑥のうち着手を認める時点及びそれ以前との実質的相違を説明する問題である。

設問2では,Bから詐取する計画の実行者乙・丙が,甲に無断で緊縛強盗へ手段を変える。Bは解放後,足のしびれが残った状態で立ち上がって転倒・負傷する。甲,乙及び丙の罪責を検討するが,住居等侵入罪と特別法違反は除外されている。

設問3は,丁がDの追跡を妨げる6と,虚偽通報で応援警察官5名を別の警戒へ転用させる7について,前者の業務妨害を否定し,後者を肯定する説明を求める。6の威力該当性及び公務執行妨害の暴行・脅迫がないことは前提である。自説の結論だけを答える問題ではない。

第4 評価項目と重み
1 設問1⑴―詐欺未遂を認める説明
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1
(R01)欺罔行為を財物の処分・交付に向けられた行為として定義する
【必須】414頁・設問1:財物交付に向けられたものである必要がある1頁・設問1:実行行為で ある欺罔行為の意義2
(R02)詐欺の手段限定を踏まえ構成要件的制約を要するかを明示する
【必須】515頁・設問1:構 成要件的制約の要否の相関関係1頁・設問1:構成要件的制約の要否3
(R03)実行行為前の密接行為から着手を認める場合,未遂処罰根拠から具体的規範を導く
【許容分岐】514頁・設問1:実 行行為の開始前に未遂罪の成立が認められる1頁・設問1:具体的規範を定立して論じる必要4
(R04)欺罔の一部開始を要する構成では交付要求以外の重要なうその欺罔性を説明する
【許容分岐】514頁・設問1:欺罔行為の一部を開始している必要がある1頁・設問1:何をもって 処分行為に向けられた交付の判断の基礎となる重要な事項5
(R05)段階的な複数のうそと最終的な交付要求を一つの犯行計画として位置付ける
【必須】414頁・設問1:段階を踏みながら進められる詐欺事犯の特徴1頁・設問1:複数のうそを積み重ねながら6
(R06)手段限定を無視して一般的な着手基準だけで結論付けない
【誤りの回避】214頁・設問1:欺罔行為を手段として限定している犯罪1頁・設問1:実行の着手の一般的な判断基準の み7
(R07)欺罔の定義だけから未遂成立へ飛躍せず着手基準との関係を示す
【誤りの回避】215頁・設問1:欺罔行為の意義,詐欺未遂罪の成立を認める論拠1頁・設問1:欺罔行為と実行の着手時期との関係8
(R08)平成30年判決の重要事項・直接つながるうそ・危険増大という理論構成を踏まえる
【高評価】415頁・設問1:被害者に現金の交付を求め る行為に直接つながる嘘2頁・設問1:趣旨や理論構成を理解し
2 設問1⑵―着手時点とそれ以前との差
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感9
(R09)(1)で定立した規範と同じ規範を具体的事実に適用する
【必須】515頁・設問1:先に定立した規範と整合する当てはめ2頁・設問1:先に定立した規範との関係10
(R10)着手時点より前に着手を認めない実質的理由を説明する
【必須】515頁・設問1:それより前の時点との実質的相違2頁・設問1:それより 前の時点との実質的相違11
(R11)①に被害者への直接の働き掛けがないことを評価する
【必須】315頁・設問1:Aに対する直接の働き掛けはない直接記載なし。12
(R12)②の虚偽を将来のうそを信じさせる前提と評価する
【必須】415頁・設問1:今後の虚言をAに信じさせるための前提直接記載なし。間接(2頁・設問1⑵):事実の法的意味と先に定立した規範との対応を求める記述から整理。13
(R13)③の捜査必要性の虚偽を現金交付判断の前提に結び付ける
【必須】415頁・設問1:現金を乙らに引き渡 す際の判断の前提2頁・設問1:具体的にいかなる影響を与える行為14
(R14)③の現金持帰り指示を交付への直接連絡と危険増大に結び付ける
【必須】415頁・設問1:現金の交付を求め る行為に直接つながる2頁・設問1:200 万円を乙及び丙に交付するという結果15
(R15)③では預金引出しの実現が不確定な点も評価する
【高評価】315頁・設問1:未だ不確定な要素直接記載なし。16
(R16)④の危険の進行と甲らの新たな行為の不存在を区別する
【必須】415頁・設問1:甲らが何らかの行為を行ったものではない直接記載なし。間接(2頁・設問1⑵):事実の法的意味と先に定立した規範との対応を求める記述から整理。17
(R17)⑤の訪問予告を後続要求への密接性と交付危険増大で評価する
【必須】416頁・設問1:現金を交付する危険性を高める直接記載なし。間接(2頁・設問1⑵):事実の法的意味と先に定立した規範との対応を求める記述から整理。18
(R18)⑥をドアさえ開けば交付要求に至る段階として評価する
【高評価】316頁・設問1:玄関ドアを開けさえすれば直接記載なし。19
(R19)事実を列挙するだけでなく規範に対する法的意味を示す
【誤りの回避】215頁・設問1:具体的事実の持つ意味を規範との関係で評価2頁・設問1:事実が持つ法的 意味を特段論じることなく20
(R20)(1)の規範説明と(2)の当てはめを分け,一般的罪責の羅列にしない
【誤りの回避】214頁・設問1:論拠(設問1⑴)2頁・設問1:一般的 な罪責を論じるかのように
3 設問2―乙・丙の罪責
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感21
(R21)緊縛による反抗抑圧とBの現金の強取を強盗構成要件に当てはめる
【必須】416頁・設問2:強盗罪の構成要件に該当3頁・設問2:強盗罪の構成要件に該 当すること22
(R22)傷害の原因行為が強盗の手段である緊縛と特定する
【必須】416頁・設問2:強盗の手段である暴行3頁・設問2:緊縛行為が強盗の手段そのもの23
(R23)Bの制止違反という介在事情を含む因果関係の問題を把握する
【必須】516頁・設問2:Bの行為が寄与して発生した傷害結果3頁・設問2:Bの行為が介在しているという因果関係24
(R24)因果関係の判断規範を立てて事実に適用する
【必須】416頁・設問2:因果関係の有無を論述する4頁・設問2:判断の基準となる規範を定立25
(R25)緊縛・しびれ・転倒・傷害という経過を具体的に評価する
【必須】416頁・設問2:足のしびれからくる転倒3頁・設問2:緊縛行為が強盗の手段26
(R26)強盗の手段から生じた傷害では機会性の検討を不要とする
【必須】416頁・設問2:強盗の機会性 を検討するまでもなく3頁・設問2:機会説を論じる 必要はない27
(R27)機会説を手段説より原因行為を拡張する説明として理解し無用に展開しない
【誤りの回避】2直接記載なし。3頁・設問2:強盗の手段 説よりも原因行為を拡張する
4 設問2―甲の罪責と答案の配分
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感28
(R28)共謀の射程を故意の錯誤より前に独立の問題として検討する
【必須】516頁・設問2:当初の共謀に基づくものとして罪責を負うか否か3頁・設問2:共謀の射程の問題29
(R29)共同正犯の処罰根拠から共謀に基づく行為かの判断規範を導く
【高評価】5直接記載なし。3頁・設問2:共同正犯の処罰根拠等から30
(R30)意思連絡の内容と犯行態様の差を射程の事実として評価する
【必須】416頁・設問2:意思連絡の内容3頁・設問2:犯行態様が異なる31
(R31)同じ被害者・同じ300万円という目的と動機の連続性を射程判断に用いる
【高評価】416頁・設問2:動機の 同一性・連続性3頁・設問2:同じ被 害者から,より確実に金銭を奪う32
(R32)甲が現金を用意させた寄与が変更後犯行でも利用されたことを評価する
【高評価】416頁・設問2:行為の影響, 関与の程度3頁・設問2:甲が用意させた300 万円33
(R33)当初から甲も分配に含める計画と現実の分配を射程判断に用いる
【高評価】416頁・設問2:甲がこの分配を受けている3頁・設問2:当初から奪った300万円を甲と山分け34
(R34)過去の詐欺の反復や甲の予見可能性から射程否定の反対構成も評価する
【許容分岐】316頁・設問2:甲が全く予見できなかった点直接記載なし。35
(R35)保護法益・態様の差と新たな話合いだけで射程否定に飛躍しない
【誤りの回避】2直接記載なし。3頁・設問2:のみを指摘して36
(R36)共謀の射程を肯定した場合に38条2項の抽象的事実の錯誤を検討する
【必須】516頁・設問2:刑法第38条第2項3頁・設問2:共謀に基づくものとして罪責を負うと解した場合37
(R37)射程否定後に他者の実行を帰責する故意既遂犯の錯誤論を当然に続けない
【誤りの回避】2直接記載なし。3頁・設問2:罪責を負 わないと結論付けたにもかかわらず38
(R38)先行する甲との詐欺共謀について未遂と既遂を正確に区別する
【必須】3直接記載なし。3頁・設問2:詐欺未遂罪の共謀共同 正犯が成立し得る39
(R39)中心的法解釈を手厚くし明白な成立要件を簡潔に処理する
【高評価】3直接記載なし。4頁・設問2:答案全体の バランス
5 設問3―公務の業務該当性
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感40
(R40)6の妨害対象をDの乙逮捕という公務と特定する
【必須】517頁・設問3:警察官Dの乙を逮捕しようとする4頁・設問3:警察官Dの乙を逮捕しようとする41
(R41)7の妨害対象を5名の本来の乙追跡逮捕と特定する
【必須】517頁・設問3:虚 偽通報がなければ遂行されていたはずの公務4頁・設問3:警 察官5名による乙を追跡し,逮捕しようとする42
(R42)強制力による自力排除可能性から公務の業務該当性の範囲を根拠付ける
【必須】517頁・設問3:妨害に対 する自力排除力4頁・設問3:自力排除 力を持つ公務43
(R43)6を強制力行使の段階にある公務として業務該当性を否定する
【必須】417頁・設問3:強制力を行使する権力的公務4頁・設問3:強制力を行使する権力的公務44
(R44)7を未だ強制力行使の段階にない本来の公務として業務に含める説明をする
【許容分岐】417頁・設問3:未だ強制力を行使する段 階にない4頁・設問3:未だ強制力を行使す る段階にない公務45
(R45)偽計には自力排除力がなく全公務を233条の業務に含める説明をする
【許容分岐】417頁・設問3:すべての公務が業務妨害罪の「業務」に含まれる4頁・設問3:すべての公務が含まれる46
(R46)偽計で全公務を保護する構成でも威力では一部公務を除く理由を示す
【必須】417頁・設問3:一定の公務のみが業務妨害罪によって保護5頁・設問3:威力による妨害につ いては47
(R47)規範定立と公務の具体的性質への当てはめを区別する
【高評価】317頁・設問3:理由を説得的に論述5頁・設問3:規範定立と当て はめを区別48
(R48)威力該当性は与件として扱いその否定で6不成立を説明しない
【誤りの回避】217頁・設問3:丁の「威力」5頁・設問3:「威力」であることを否定49
(R49)6否定と7肯定を一つの規範又は手段別の根拠で両立させる
【必須】516頁・設問3:一方については業務妨害罪の成立を肯定4頁・設問3:一定の結論を導くための法解釈
6 答案全体

答案全体に関する次の6事項は,個別争点の49項目とは別の確認事項である。重みを新たに割り当てず,件数・重み合計へ算入しない。手書きの判読可能性は掲載文章から判定できない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感G1基本概念・論点間の体系的な関係を理解する―直接記載なし。5頁・一般的な指摘:刑法の基本概念の理解G2規範と事実の法的意味を接続して論理的な結論を導く―直接記載なし。1頁・一般的な指摘:その導出過程が論理性を保持G3用語・漢字を正確に記載する―直接記載なし。5頁・一般的な指摘:基本的用語の漢字に誤記G4判読できる大きさと丁寧な文字で記載する―直接記載なし。5頁・一般的な指摘:大きめで読みやすい丁寧な文字G5判例の具体的事実と結論までの理論構成を理解する―直接記載なし。6頁・一般的な指摘:結論に至るまでの理論構成G6判例の体系的位置付け・射程・理論的課題を検討する―直接記載なし。6頁・一般的な指摘:規範の体系上の位置付け,その射程

(続きを読む...)令和5年司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した49項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和5年司法試験民事系科目第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1・小問12 設問1・小問23 設問2・原告適格4 設問2・訴えの利益5 設問2・本案6 答案全体7 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和5年司法試験民事系科目第2問(商法・会社法)について,法務省の出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した43項目と,5段階の重み付け,模範答案及び解説を示す。

対象は民事系問題PDFの5頁~8頁であり,出題の趣旨と採点実感に基づいて整理した。

問題の中心は,一人会社の取締役責任と,準共有株式の議決権行使,決議取消訴訟の原告適格・訴えの利益である。重み5は11項目であり,唯一株主の意味,両小問の整合性,黙示免除の具体的検討,会社法106条と共有法の関係,瑕疵の連鎖が中心となる。

掲載答案は,設問1の小問1では任務懈怠を否定し,予備的に黙示免除も検討する。小問2では債権者への影響を踏まえて責任を肯定する。設問2の小問1では取消請求を認め,小問2では有効な後任選任により訴えの利益が消滅するとする。許容される構成の一例であり,唯一の正解ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象とし,答案の何を評価するかが分かる形に言い換えた。番号は記事全体で連続させ,既存の項目IDも残している。根拠欄は各公式PDFの通し頁と,第2問内の節を示す。

「記載なし」は,本問の対象範囲を読み終えたうえで当該事項の明示を確認できなかったことを示す。「間接」は,一般的な要件又は具体的検討の要求から,本記事で判定対象を具体化したものを示す。未確認や閲覧禁止を「記載なし」とは扱わない。

「必須」「高評価」「負例」「許容分岐」は重みと別の区分である。高評価項目を重み5とした場合も,全答案の必須事項へ格上げする意味ではない。許容分岐は採用する構成に応じた事項であり,全ての併記を求めるものではない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・項目別採点基準・予測得点ではない。

①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項。
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項。

重み4の根拠は両資料の対応箇所に,重み5の根拠は答案の骨格又は評価の分かれ目に照らして確認する。段階ごとの件数割当てはせず,重みの合計から合格可能性を算定しない。

第3 本問の概要

設問1は,甲社の唯一株主で代表取締役でもあるAが,個人的な事情から会社に不相当な価格で土地を購入させた事例である。小問1は後に株主となったGによる会社法423条1項の責任追及とAの反論,小問2は会社債権者である乙社の会社法429条1項の請求を検討する。両小問では会社の財務状態が異なる。

設問2では設問1の土地購入・債務負担・Gへの株式譲渡等を引き継がない。Aの4万株をHとIが各2分の1の割合で準共有しているが,権利行使者の指定・通知はない。小問1はHの単独行使による役員選任とJの後続総会招集,小問2はBらの再任とBの後続総会招集,H・Iの共同行使を検討する。

設問1と設問2の配点割合は40対60である。設問1では責任追及等の訴えは適法,売買前の会社法所定手続は履践済みという前提であり,これらの欠缺を勝手に問題としない。設問2では原告適格,訴えの利益及び本案を区別する。

第4 評価項目と重み
1 設問1・小問1
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感

1【必須・A01】423条1項の任務懈怠・会社損害・因果関係に沿って責任を検討する4PDF9頁2(2)PDF8頁3(1)ア2【必須・A02】善管注意義務・忠実義務の本質を論じる5PDF9頁2(2)PDF7~8頁3(1)ア3【必須・A03】唯一株主の意向に沿うという特殊性を任務懈怠の有無に反映する5PDF9頁2(2)PDF8頁3(1)ア・10頁3(1)イ4【必須・A04】資金枯渇・将来資金繰り危険がない前提を債権者保護の要否に用いる4間接・9~10頁2(2)(3)(両小問の違い)PDF14頁3(3)5【許容分岐・A05】任務懈怠否定構成又は別人格等による肯定構成を理由と一貫させる(両説併記は必須ではない)3PDF9頁2(2)PDF8頁3(1)ア・10頁3(1)イ6【必須・A06】Aの立場から唯一株主を理由とする反論とその当否を述べる5PDF10頁2(2)PDF9頁3(1)ア・14~15頁3(3)7【高評価・A07】任務懈怠が否定されない場合に備え,424条による総株主同意の責任免除を予備的に検討する4PDF10頁2(2)PDF9頁3(1)ア8【高評価・A08】明示免除は不明として,Gへの譲渡前に黙示免除の意思表示があったかを具体的に検討する5PDF10頁2(2)PDF9頁3(1)ア・10頁3(1)イ9【許容分岐・A09】間接取引構成を採る場合,423条3項は推定であり,唯一株主の反論を残す1PDF10頁2(2)PDF8~9頁3(1)ア10【負例・A10】所定の取締役会手続未履践を勝手に問題としない2PDF10頁2(2)PDF9~10頁3(1)ア11【負例・A11】適法提訴の前提の下で代表訴訟の訴訟要件を長論しない2PDF9頁2(2)PDF9~10頁3(1)ア12【負例・A12】売買効力・代表権濫用を責任問題の主論点にしない2記載なし(本問の実読範囲)PDF10頁3(1)ア13【負例・A13】経営判断の原則だけで終わり,唯一株主の意味を落とさない2間接・10頁2(2)(反論の中心)PDF9頁3(1)ア・14頁3(3)
2 設問1・小問2
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感

14【必須・A14】429条1項の要件に沿って第三者への責任を検討する4PDF10頁2(3)PDF7~8頁3(1)ア15【必須・A15】判例構成では会社に対する任務懈怠が悪意重過失の対象となる4PDF10頁2(3)PDF7頁3(1)ア16【必須・A16】債務弁済に支障を来す財務悪化の事実を評価する4PDF10頁2(3)PDF8頁3(1)ア17【必須・A18】売買行為の任務懈怠から乙の回収不能に至る因果関係と損害を評価する4間接・10頁2(3)(責任要件)間接・7頁2及び8頁3(1)ア(具体的検討・責任要件)18【負例・A19】唯一株主の考察なく債務負担又は預金取崩しだけで任務懈怠を肯定しない2間接・10頁2(3)(唯一株主の意味)PDF8頁3(1)ア

(続きを読む...)令和5年司法試験民事系科目第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和5年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問12 設問23 設問3・課題14 設問3・課題25 答案全体6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和5年司法試験論文式試験の民事系科目第3問(民事訴訟法)を対象に,出題の趣旨・採点実感から独自に抽出した75の評価項目と,約5000字の模範解答を示す。重みは5段階であり,重み5の13項目は答案の骨格又は評価の分かれ目に関わる。法務省の公式解答・公式配点ではない。

中心となる問いは,違法収集証拠の証拠能力,単独控訴における不利益変更禁止,相殺債権の既判力及び補助参加に関連する判決の効力である。答案では,証拠能力と証明力,審理範囲と判決変更の限界,援用する人と相手を区別する。

本答案は,設問1では信義則に基づく総合衡量により証拠能力を否定する。設問2では訴訟外再相殺の丙に法114条2項を類推適用し,(ア)(イ)は控訴棄却,(ウ)は原判決取消し及び200万円の請求認容とする。設問3・課題1は判決効ごとに検討し,丙の弁済と甲の免除で手続機会の違いを評価する。課題2ではZからYへの参加的効力の援用を認める。採用した構成と許容される別構成は,第5の枠外の解説で区別する。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象を基本とし,公式資料の記述を答案の何を評価するかが分かる形に整理した。表の番号は設問ごとにリセットせず,1から75まで連続させる。出題の趣旨はPDF12~13頁の第3問部分,採点実感はPDF16~24頁の第3問部分を確認し,対応箇所の頁・設問及び要旨を示す。

「記載なし」は,当該資料の第3問部分を実読した範囲で,当該具体的事項の対応記載を確認できなかったことを示す。一般的な記述から導く項目は「間接」とし,根拠箇所を示す。未読・閲覧禁止・検索で未発見を「記載なし」へ置き換えるものではない。

項目の[必須][高評価][負例][許容分岐]は重みと別の区分である。負例は避けるべき説明を示し,許容分岐はその立場を採る場合に適用する。互いに両立しない分岐を全て答案に書くことや,重み5の高評価項目を全答案の必須事項とすることは求めない。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,本記事の分析によるものであり,法務省の項目別配点・予測得点ではない。各段階への件数の割当てはしていない。

①重み5:採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項。
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け。
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項。
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項。

第3 本問の概要

対象は令和5年司法試験論文式・民事系科目第3問(民事訴訟法)である。試験実施日は2023年7月13日であり,問題文中の日時にかかわらず,試験時に施行されていた法令を基準とする。設問1・2・3の公式配点割合は25:35:40である。

XはYに甲債権200万円を請求し,Yは甲の弁済を主位に,乙債権による訴訟上相殺を予備に主張する。Xは乙の弁済及び丙債権による訴訟外相殺を主張し,甲の保証人ZがY側に補助参加する。甲・乙・丙はそれぞれ200万円である。

設問1は証拠能力に限り,証明力や後続事実を検討しない。Yの収集行為は犯罪に当たらないとの前提である。設問2ではXの控訴は適法,甲と丙も審理範囲に含まれ,再相殺の許容性・優先順位・充当の判断は維持される。控訴の利益,利息・損害金・費用は扱わない。設問3課題2では法46条以外の効力を扱わない。

設問1はYが無断で取得した電子メールの証拠能力を,法的根拠・判断基準と具体的な当てはめに分けて問う。設問2は甲・乙・丙の関係を踏まえ,控訴裁判所の三つの心証に応じた判決を問う。設問3は,Xから保証人Zへの後訴と,保証債務を履行したZからYへの求償訴訟とで,前訴判決の作用を区別する。

第4 評価項目と重み
1 設問1
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感1[必須]違法収集証拠の証拠能力を一般的に制限する明文規定がないと示す512頁・設問1:制限した規定はない17頁・設問1:制限した規定がない2[必須]違法な収集を助長するおそれを制限の背景として示す412頁・設問1:助長するおそれ19頁・設問1:違法な証拠収集を助長3[必須]公正な裁判への信頼を損なうおそれを制限の背景として示す412頁・設問1:国民の信頼を損なう19頁・設問1:国民の信頼を損なう4[必須]選択した制限説の法的根拠を示す512頁・設問1:法的根拠及び判断基準17頁・設問1:法的根拠及び判断基準5[必須]収集の手段・態様の違法性を判断要素にする412頁・設問1:手段や態様の違法性17頁・設問1:手段・態様の違法性6[必須]被侵害利益の重大性を判断要素にする412頁・設問1:被侵害利益の重大性17頁・設問1:被侵害利益の重大性7[必須]証拠の重要性・真実発見の要請を肯定方向の要素にする412頁・設問1:証拠の重要性,真実発見の要請18頁・設問1:肯定する方向の要素8[必須]定立した基準と整合する当てはめをする512頁・設問1:判断基準と整合的18頁・設問1:基準と(b)の当てはめが食い違う9[必須]無断で全メールをUSBに保存・持出した態様を評価する3記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:電子メールの全てをUSBメモリに保存10[必須]健康・子の学業の情報をプライバシー利益として評価する3記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:Xのプライバシーに関する情報11[高評価]収集行為の違法性と被侵害利益の重大性を分けて当てはめる5記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:明確に区別して12[必須]他の客観的証拠がないことを本件文書の重要性に結び付ける3記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:唯一の客観的証拠13[必須]衡量を経て本件文書の証拠能力の結論を示す413頁・設問1:総合考慮の結果として18頁・設問1:結論を導く14[許容分岐]人格権保護を根拠に著しく反社会的な収集という基準を採用し得る412頁・設問1:人格権の保護を根拠17頁・設問1:人格権の保護を根拠15[許容分岐]再審事由の法意から制限を導く説には論証が必要と示す3記載なし(第3問部分を実読)17頁・設問1:再審事由16[許容分岐]文書提出制度の提出除外から論じる場合はプライバシーの保護理由を示す3記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:プライバシーが問題になる17[負例]基準を信義則違反という文言の繰返しだけにしない2記載なし(第3問部分を実読)17頁・設問1:文言を繰り返しただけ18[負例]犯罪行為でないことだけで証拠能力を決めない2記載なし(第3問部分を実読)17頁・設問1:犯罪行為による証拠方法19[負例]証拠価値が高いことを排除方向の理由にしない2記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:証拠価値が高いことは20[負例]自由心証主義そのものを説明なしで排除根拠にしない2記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:直接的に証拠能力を制限する根拠21[負例]自己利用文書該当性の論証だけに終始しない2記載なし(第3問部分を実読)18頁・設問1:自己利用文書該当性の検討に終始
2 設問2
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感22[必須]不利益変更禁止の根拠として法304条を示す413頁・設問2:法第304条19頁・設問2:法第304条23[必須]不利益変更禁止の趣旨を説明する413頁・設問2:同原則の趣旨20頁・設問2:同原則の趣旨24[必須]不利益性を原判決と控訴審判決の既判力で比較する513頁・設問2:既判力の比較19頁・設問2:第一審の判決と控訴審の判決を比較25[必須]審理範囲と取消変更の限界を区別する3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:審理の範囲の問題26[必須]乙には相殺以外の理由による不存在判断にも法114条2項の既判力が生じる4間接(13頁・設問2:原判決及び各控訴審判決の既判力の比較から導く)19頁・設問2:相殺の成立以外の理由27[必須]原判決が確定した場合の甲の存在の既判力を示す4間接(13頁・設問2:原判決及び各控訴審判決の既判力の比較から導く)20頁・設問2:原判決が確定した場合28[必須]原判決が確定した場合の乙の不存在の既判力を示す4間接(13頁・設問2:原判決及び各控訴審判決の既判力の比較から導く)20頁・設問2:乙債権の不存在の判断29[必須]訴訟外再相殺の丙に法114条2項を適用・類推するかを理由付きで決める513頁・設問2:法第114条第2項の適用20頁・設問2:適用ないし類推適用30[許容分岐]訴訟外相殺に既判力を否定するなら通説の論拠を踏まえ自説を論証する3記載なし(第3問部分を実読)21頁・設問2:通説の論拠も踏まえて31[必須]アでは甲弁済により予備的相殺の判断が不要になる過程を示す413頁・設問2:甲債権の弁済による消滅20頁・設問2:甲債権の弁済による消滅32[必須]アで甲の給付を失う不利益を比較する413頁・設問2:Xにとり不利益変更20頁・設問2:Xにとって不利益変更33[高評価]アで乙不存在の既判力を失う点を比較する3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:既判力の比較34[必須]アで請求棄却と区別して控訴棄却と書く413頁・設問2:控訴を棄却する旨20頁・設問2:請求棄却と控訴棄却35[必須]イで丙による再相殺が失敗し乙相殺が成立する順序を示す3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:丙債権による乙債権との相殺の効果は生じず36[必須]イで甲・乙が相殺で消滅し心証なら請求棄却と示す3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:甲債権と乙債権が相殺で消滅37[必須]イで乙不存在の既判力を原判決と比較する3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:乙債権と丙債権の不存在38[必須]イで丙不存在の効力を採用説と整合して比較する3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:乙債権と丙債権の不存在39[必須]イで甲の不利益を根拠に控訴棄却と示す413頁・設問2:請求棄却判決がXにとって不利益変更20頁・設問2:不利益変更に当たる40[必須]ウで乙弁済により丙再相殺の判断が不要と示す413頁・設問2:判断が不要20頁・設問2:判断が不要41[必須]ウで甲存在・乙不存在という効力の共通部分を比較する3記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:請求についての判決主文には変わりがない42[必須]ウで丙の判断消失の帰結を採用説と整合して判決へ結び付ける513頁・設問2:帰結について検討21頁・設問2:控訴棄却との結論43[高評価]類推適用説なら同じ主文でも丙不存在の既判力を除く利益を示す513頁・設問2:既判力の範囲に変更20頁・設問2:控訴審判決の方が有利44[高評価]類推適用説ならウで取消し及び200万円の請求認容という具体的主文を示す313頁・設問2:原判決を取り消し21頁・設問2:具体的に記述すべき45[負例]原判決に既に確定的な既判力が生じていると扱わない2記載なし(第3問部分を実読)20頁・設問2:確定的に既判力が生じた46[負例]控訴裁判所の主文を控訴認容・破棄等の曖昧又は不適切な語だけで済ませない2記載なし(第3問部分を実読)21頁・設問2:法律用語を正確に47[負例]甲だけを訴求する本件で400万円の支払を命じない2記載なし(第3問部分を実読)21頁・設問2:400万円の支払
3 設問3・課題1
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感48[必須]Zが法115条の既判力拡張を受ける者でないと当てはめる413頁・設問3・課題1:法第115条21頁・設問3・課題1:法第115条を引用49[必須]参加的効力を既判力とは異なる特別な効力と示す413頁・設問3・課題1:特別な効力21頁・設問3・課題1:特別な効力50[必須]敗訴責任の共同分担から参加的効力はXとZに作用しないと示す413頁・設問3・課題1:参加人と相手方との間22頁・設問3・課題1:参加人と相手方との間には51[高評価]保証人に不利な反射効と保証付従性による有利な作用を区別する3記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:保証人に不利な効力52[必須]争点効又は信義則上の拘束力を独立に検討する513頁・設問3・課題1:争点効又は法第2条22頁・設問3・課題1:争点効又は法第2条53[高評価]丙弁済と甲免除を分けて手続機会の違いを評価する5記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:その違いを具体的に検討54[必須]甲免除の主張・証明をYが妨げた事実を拘束の検討に反映する3記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:甲債権に係る債務の免除55[高評価]丙弁済の実際の審理と両審級の否定を拘束の検討に反映する3記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:丙債権に対する弁済56[必須]認める効力ごとにZが後訴で争える範囲を示す413頁・設問3・課題1:拘束力の作用を認め得るか23頁・設問3・課題1:それぞれについて十分な検討57[負例]補助参加だけを理由にZへ既判力を当然拡張しない2記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:当事者ではない補助参加人にも既判力58[負例]XとZとの参加的効力を,主観的範囲を示さず除外事由だけで否定しない2記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:主観的範囲を示すことなく59[負例]争点効を明文がないとの一言だけで否定しない2記載なし(第3問部分を実読)22頁・設問3・課題1:明文規定がないから認められない
4 設問3・課題2

(続きを読む...)令和5年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和5年司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 年齢制限2 性別による受給年齢差3 既存受給者の資格喪失・経過措置4 答案全体・共通事項5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

令和5年司法試験公法系科目第1問について、問題文、出題の趣旨及び採点実感を基に、完成版模範解答と50の評価項目を示す。架空の新遺族年金法案の年齢制限、男女の受給年齢差、既存受給者の資格喪失・経過措置を、憲法25条と14条1項から検討する問題である。

評価項目は重み5から順に9・19・10・7・5項目で、重みの合計は170である。重み5の9項目は、設問1の批判的立場、設問2の反論と自説、三論点を欠かさないこと、生存権の中核との具体的な関係、性別区別の審査強度の理由、制度後退禁止の根拠、資格喪失と経過措置を分けることである。重みは記事独自の分析であり、公式配点ではない。

答案は、Xの批判を示した後、自己の立場から反論と判断を示す。特定の年金額を憲法上固定せず、年齢・性別による排除の合理性、既存受給者への変更の必要性と方法を分けて検討する。現案の説明には憲法適合性を十分に支える根拠がないという立場を採るが、公式資料は合憲・違憲の一方だけを正解として要求していない。答案本文は従前の約4,800字を維持し、解説は答案枠の外に置く。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

一項目につき一つの判定対象を置き、年齢制限、性別区別、既存受給者、答案全体の順に通し番号を付した。従前のR01~R50は項目の照合用番号として併記し、内容と5段階の重みは維持している。必須は答案の基本要素、高評価は説得力を高める要素、負例は避けるべき誤り又は採用時の注意、許容分岐は理由を示して選べる構成であり、これらの区分と重みは別のものである。

出題の趣旨と採点実感の欄は、確認した頁・節と内容の要約を示す。「記載なし」は当該項目の直接の記述が本問部分にないこと、「間接」は関連する記述からの接続を示し、公式資料がその項目を直接指定したという意味ではない。条件付きの項目や許容分岐を、すべて答案へ盛り込む必要はない。

2 5段階の重み付けの基準

重み5は採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格、重み4は出題の趣旨が求め、採点実感も取り上げた事項、重み3はどちらか一方が明示する中核の理由付け、重み2は軽い補強事項又は典型的な誤り、重み1は控えめに触れられた事項とする。関連する一般的な指摘による裏付けにとどまる場合は、根拠欄に「間接」と明記する。各段階への件数の割当ては行っていない。

重みの合計は各項目の数字を足した参考値であり、得点の予測や問題の難易度を示さない。必須であっても表記上の事項は重み1となり、制度後退禁止の根拠のように、採った構成に応じて重要になる事項は重み5となる。

第3 本問の概要

A省の任期付公務員で法曹資格を有するXが、会話文と新遺族年金法案骨子を踏まえ、批判的な意見をまとめる。設問1では判例だけでなく学説も踏まえたXの見解、設問2ではそれに対する反論を踏まえた自己の立場を論じる。訴訟も念頭に置くが、答案の対象は法案の憲法適合性である。

骨子は、死亡時に妻40歳・夫55歳に達していない配偶者を排除し、新要件を既存受給者にも適用する。既存受給者には2年間の従前給付、3~5年目の半額給付が設けられる。年齢制限一般の就労促進と、男女の年齢差による女性保護は別の目的として検討する。

令和5年7月12日の試験実施時点を基準とし、問題文の架空の制度と提示された立法事実を所与とする。実在する制度の要件や後年の改正・判決を補わない。対象遺族の具体的な家計、15歳差の詳細な根拠、代替給付の充足度、所得比例部分を含む総額差は問題文だけでは確定しない。答案中の月2万円差は、子1人の家庭についての定額部分の比較に限る。

第4 評価項目と重み
1 年齢制限
番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1堀木判決の25条上の広い立法裁量と逸脱濫用基準を示す。
【必須/R18】41頁・2
堀木判決の広い立法裁量と逸脱・濫用の基準を示す。1頁・1⑶、1⑸
間接:判例の内容を論証に生かすことと、判例法理を踏まえた基準を求める。
225条具体化法でも14条違反が別に生じることを示す。
【必須/R19】41頁・2
受給上の不当な区別には14条違反が別に生じ得る。2~3頁・3、4
間接:社会保障上の年齢区別について14条の観点を論じる。
3学生無年金判決等を踏まえ、社会保障上の区別にも広い立法裁量があることを検討する。
【必須/R20】41~2頁・2
堀木・学生無年金判決は社会保障上の区別にも広い裁量を認める。1頁・1⑶、2頁・3⑶
間接:判例への言及と、社会保障立法の広い裁量を踏まえた基準の説明を求める。
4年齢が後段列挙事由にないことを示す。
【必須/R21】3記載なし(本問部分で当該項目の直接の記述なし)2~3頁・4
年齢は後段列挙事由にないことを意識する。
5年齢は本人の意思で変えられない属性であると示す。
【高評価/R22】3記載なし(本問部分で当該項目の直接の記述なし)2~3頁・4
年齢を自らの意思で変えられないことを意識する。
6皆が等しく加齢する点で一定の平等性があることを検討する。
【高評価/R23】3記載なし(本問部分で当該項目の直接の記述なし)2~3頁・4
全員が加齢することに一定の平等性があると論じる。
7年齢自体を社会的身分と断定し、判例も認めたと誤記しない。
【負例/R24】2記載なし(本問部分で当該項目の直接の記述なし)2頁・3⑵
年齢自体の身分性と待命処分判決に関する誤記を指摘する。
8死亡時に若かった配偶者という継続的地位を社会的身分とする場合、広い定義だけで審査を厳格化しない。
【許容分岐/R25】1記載なし(本問部分で当該項目の直接の記述なし)2頁・3⑵
死亡時に若い配偶者という地位を広く身分と定義しても、直ちに典型的不当差別にはならない。
9年齢区別について広い裁量を制約する理由を生活利益・属性から示す。
【必須/R26】42頁・2
年齢差別について厳密な検討が必要な理由を説得的に示す。2~3頁・4
年齢の属性を踏まえた検討を求める。

2 性別による受給年齢差

(続きを読む...)令和5年司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴ア(賃借権の主張の可否)2 設問1⑴イ(留置権の主張の可否)3 設問1⑵ア(請求2:賃料の一部返還)4 設問1⑵イ(請求3:必要費の償還)5 設問2(請求4:所有権に基づく明渡請求)6 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験民事系科目第1問(民法)について,法務省が公表した出題の趣旨及び採点実感から答案の評価項目を60項目抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらを踏まえた模範解答を示すものである。
設問1は他人物賃貸借の賃貸人を所有者が相続した場合の賃借権・留置権の主張と,建物の雨漏りをめぐる賃料減額・必要費償還請求を,設問2は財産分与の錯誤取消しと取消前の第三者の保護を扱う。
評価項目と重みは本記事が独自に付けたものであり,法務省の採点基準又は配点ではない。

本記事の対象は,令和6年司法試験論文式試験問題(民事系科目)の第1問である。
本問の試験日は令和6年7月11日であり,問題文は,令和6年1月1日現在において施行されている法令に基づいて解答するよう指示している。

各設問の結論は次のとおりである。
①設問1⑴ア:Aは所有者としての地位と相続した賃貸人としての地位を併せ持ち,信義則に反する特別の事情がない限り賃貸人としての債務の履行を拒めるから,Cは契約①の賃借権を占有権原として主張できない。
②設問1⑴イ:Cは300万円の損害賠償請求権を持つが,甲土地との牽連関係がないから,留置権を主張できない。
③設問1⑵ア:9月分の賃料は,丙室の割合と20日分に応じて当然に減額されるから,請求2は減額分の不当利得返還として認められる。
④設問1⑵イ:修繕権がなくても必要費償還請求権は成立するが,償還の範囲は適正な報酬額20万円に限られる。
⑤設問2:Gの錯誤取消しは認められるが,Iは民法95条4項の第三者として保護され,Fとの関係でも登記なくして所有権を主張できるから,請求4は認められる(この結論は,Iが保護された場合の所有権の移転経路をどう考えるかで分かれ,出題の趣旨は反対の結論も許容している)。

公式資料から抽出した評価項目は60項目であり,そのうち重み5(答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは10項目である。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(民事系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
「〜しない」の形の項目は,採点実感が誤り若しくは不十分な答案として挙げた記述,又は出題の趣旨・採点実感が論ずる必要がないとした記述から作ったものであり,答案にその記載がなければ満たす。
出題の趣旨が別の考え方として許容した事項は,「(許容分岐)」と付記した。

出題の趣旨は法務省のPDFの頁と見出し番号で,採点実感は民事系科目の採点実感のうち第1問の部分の頁と見出し番号で示した。
一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,所在を頁と見出し番号で示した。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
令和7年度の模範解答の記事と同じ5段階である。

①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が「極めて少なかった」「極めて少数」等と述べて評価の分かれ目とした事項のうち,出題の趣旨も検討を求めるもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(論じた答案を高く評価し,又は多くの答案の不足を指摘した)事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け・当てはめ,又は採点実感が不良の答案の例として挙げた誤り
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成

(続きを読む...)令和6年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した60項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 規制①(犬猫販売業免許)について2 規制②(広告でのイラスト・写真・動画の禁止)について3 答案全体4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第1問(憲法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本記事の評価項目,重み及び模範解答は,いずれもAI(Claude)が作成したものであり,法務省の公式の採点基準,配点又は解答ではない。

本問は,犬又は猫(以下「犬猫」という。)の販売業について,免許制を導入する規制①と,犬猫の販売の広告でイラスト,写真及び動画の使用を禁止する規制②を内容とする架空の法案骨子について,議員連盟から相談を受けた法律家の立場で,その憲法適合性を論じさせるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は40項目である(採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,「〜しない」の形の項目にして同じ5段階に入れた。)。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,参考とすべき判例への言及と判旨の正確な理解,規制①が狭義の職業選択の自由の制約か職業遂行の自由の制約かの検討,規制目的が消極目的でも積極目的でもないことの指摘,許可制についての薬事法事件判決の枠組み,許可要件ごとの審査,主観的制限と客観的制限の要件を審査の段階で区別すること,及びあん摩師等法による灸の適応症広告事件判決への言及の7項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

なお,本記事の作成に当たっては,AIが公式資料を読む前に問題文と判決原文だけで答案を書いて固定し,その後に公式資料と照合した。
その照合では,読む前の答案は,重み付きで評価項目のおおむね8割を満たしていたが,選択と遂行の区別に伴う合憲性の推定の違い,比較判例の対比,既存業者の負担等を欠いていた(第5の3で触れる。)。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(公法系科目第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,頁と見出し番号で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
出題の趣旨の頁は法務省のPDFの頁であり,採点実感の「3⑶」は「3 狭義の職業選択の自由・職業遂行の自由に対する規制の合憲性について」の⑶を指す。
公式資料の文章は引用せず,根拠となる記述の趣旨を括弧内に要約して示している。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項(「しっかりとした記述をした答案のほとんどは、全体的に高得点」「低く評価せざるを得ない」「極めて少なかった」等と述べ,出題の趣旨も検討を求めるもの)
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,当てはめ又は優秀な答案の特徴
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成
採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階で重みを付けた(典型的な誤りは原則として重み2)。

第3 本問の概要

法案骨子の第2は,犬猫の販売業を営もうとする者に,販売場ごとに都道府県知事の免許を受けさせ,①販売場ごとの犬猫飼養施設の状況,②都道府県内の犬猫の需給均衡,③犬猫シェルター収容能力のいずれかの観点から適当でないと認められるときは,免許を与えないことができるとする(規制①)。
骨子の第4は,免許を受けた犬猫販売業者が犬猫の販売に関して広告するときに,犬猫のイラスト,写真及び動画を用いることを禁止する(規制②)。
骨子の第3は,販売時に購入希望者へ対面で情報を提供し,犬猫の現在の状態を直接見せることを義務付けている。

問題文の会話では,本件法案は動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」という。)の特別法として人と動物の共生する社会の実現という目的を共有し,その目的は犬猫の販売業の経営安定でも感染症等による健康被害の防止でもないとされている。
また,犬を飼っている者は31パーセント,猫は29パーセントである一方,犬猫以外のペットを飼う人の割合が50パーセント近くまで増えていることも示されている。

(続きを読む...)令和6年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

違法な捜査の後に得られた証拠の証拠能力―違法性の承継・毒樹の果実と最高裁の「同一目的・直接利用」「密接な関連」「関連性」(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 出発点となる違法収集証拠排除法則1 最高裁昭和53年9月7日判決の基準2 同判決の当てはめ3 派生証拠では検討の段階が増える第3 四つの節点に分けて考える第4 最高裁判例の使い分け1 最高裁昭和61年4月25日判決―同一目的・直接利用2 最高裁平成7年5月30日決定―直接利用し,これに引き続いて3 最高裁平成15年2月14日判決―密接な関連4 最高裁平成21年9月28日決定―関連性があっても排除しない場合5 4件の比較第5 当てはめで見る事情1 違法の重大性を高める事情2 結び付きを弱める事情3 司法審査を経た令状という事情の重み第6 司法試験での出題例第7 関連記事第8 出典1 裁判例2 法令3 公的資料
第1 この記事の対象と結論

違法な所持品検査や違法な逮捕の後に,採尿,任意同行,捜索差押許可状の請求・執行といった別の手続を経て,覚醒剤やその鑑定書などの証拠が得られることがある。
本記事では,このように違法な手続の後に別の手続を経て得られた証拠を「派生証拠」という。

派生証拠の証拠能力は,最初の手続が違法であることから直ちに決まるものではない。
最初の手続の違法の程度と,その手続と後の手続又は証拠との結び付きの強さを合わせて,違法収集証拠排除法則によって判断される。

最高裁判例は,この結び付きを,「同一目的」「直接利用」(最高裁昭和61年4月25日判決,最高裁平成7年5月30日決定),「密接な関連」(最高裁平成15年2月14日判決)及び「関連性」(同判決,最高裁平成21年9月28日決定)という言葉で判断してきた。
他方,「違法性の承継」「毒樹の果実」は判例の用語ではなく,学説上の整理の名称である。
法務省が公表した令和6年司法試験の論文式試験の出題の趣旨も,違法性の承継論,毒樹の果実論,派生証拠にも端的に違法収集証拠排除法則を適用する考え方などを挙げた上で,どの立場に立つにせよ,自説とその論拠,自説と論理的に整合する当てはめを求めている。

本記事は,裁判所ウェブサイトの判決全文で確認した最高裁判例を軸に,判断の枠組みと,当てはめで見る事情を整理する。

第2 出発点となる違法収集証拠排除法則
1 最高裁昭和53年9月7日判決の基準

最高裁昭和53年9月7日判決(刑集32巻6号1672頁)は,証拠物の押収等の手続に,憲法35条及びこれを受けた刑事訴訟法218条1項等の所期する令状主義の精神を没却するような重大な違法があり,これを証拠として許容することが,将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合には,その証拠能力は否定されるとした。

同判決は,その理由として,次の二つを挙げている。
①証拠物は押収手続が違法であっても物それ自体の性質・形状に変わりはないから,直ちに証拠能力を否定することは事案の真相の究明に資するものではないこと
②他方で,事案の真相の究明も,個人の基本的人権の保障を全うしつつ,適正な手続のもとでされなければならないこと

2 同判決の当てはめ

同判決は,警察官が承諾なく被告人の上衣の内ポケットに手を差し入れて所持品を取り出した行為を,捜索に類するものとして,職務質問に附随する所持品検査の許容限度を逸脱した違法なものとした。
しかし,職務質問の要件があり,所持品検査の必要性と緊急性が認められる状況で,必ずしも諾否の態度が明白ではなかった被告人に対し,許容される限度をわずかに超えたにすぎず,令状主義に関する諸規定を潜脱しようとの意図もなかったなどとして,取り出された覚醒剤の証拠能力を肯定した。

3 派生証拠では検討の段階が増える

派生証拠では,違法な手続と証拠との間に,別の手続が挟まる。
そのため,①最初の手続の違法の有無と程度,②後の手続又は証拠との結び付き,③後の手続で得た証拠を排除すべきか,を分けて検討する必要がある。
最初の手続が違法であることを確認しただけで「派生証拠も排除される」と結論付けることも,後に令状が発付されたことだけで「違法は治癒された」と結論付けることも,判例の判断の仕方とは異なる。

第3 四つの節点に分けて考える

派生証拠の問題は,次の四つの節点を図にすると整理しやすい。

先行手続 → 第一次証拠・情報 → 後行手続 → 第二次証拠

節点例確認すること先行手続承諾のない所持品検査,逮捕状を呈示しない逮捕,無令状のX線検査違法の有無と程度,捜査官の意図,違法を隠したか第一次証拠・情報所持品検査で見つけた物,違法な逮捕の当日に採取した尿,X線検査の写真先行手続から直接得たものか,それ自体が排除されるか後行手続任意同行,採尿,捜索差押許可状の請求・発付・執行先行手続の結果を利用したか,目的は同じか,裁判官の審査が介在したか第二次証拠令状で差し押さえた覚醒剤,その鑑定書先行手続又は第一次証拠との結び付きの強さ

学説上の整理は,この図のどの矢印を見るかで異なる。
違法性の承継論は,先行手続の違法が後行手続に及ぶかという,手続と手続の関係を見る。
毒樹の果実論は,違法に得た第一次証拠と,それを手掛かりに得た第二次証拠との,証拠と証拠の関係を見る。

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令和6年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した52項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1⑴(本件事業計画変更認可の処分性)2 設問1⑵(本件事業計画変更認可の違法性)3 設問2(違法性の承継)4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第2問(行政法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,都市再開発法に基づく組合施行の第一種市街地再開発事業について,隣接市の法制課訟務係長(弁護士)の立場から,事業計画の変更の認可の処分性(設問1⑴),その違法性(設問1⑵)及び後行の権利変換処分の取消訴訟における違法性の承継(設問2)を検討させるものである。

公式資料から抽出した評価項目は52項目(うち「〜しない」の形の項目が18)であり,令和7年度の記事と同じ5段階で重み付けをした。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,事業計画の法的効果のうち30日以内の選択を余儀なくされること,事業計画(組合設立認可)により権利変換処分を受けるべき地位に立たされること,事業計画の変更によるその地位の直接的な変動,「軽微な変更」に当たらないこと,違法性の承継を否定する論拠と肯定する論拠を挙げた上での肯定の立論,及び実体法的観点の肯定論拠の6項目である。

本記事の作成過程では,まず公式資料を見ずに模範解答を作り,その後に公式資料と照合した。
その照合で明らかになった主な誤りは,権利変換処分の段階で争うと事情判決がされ得ることを処分性の論拠にしたこと(採点実感が論拠にならないと明言している。),及び違法性の承継の手続法的観点を原告個人の事情で論じたこと(採点実感は制度的・類型的に考察すべきとしている。)であり,第5の模範解答はこれらを改めたものである。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(公法系科目〔第2問〕の部分)又は採点実感(公法系科目第2問の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号(採点実感の「3⑴」は「3 答案に求められる水準」の⑴を,「4⑵」は「4 採点実感」の⑵を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
採点実感が誤り又は不十分とした答案の書き方は,「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階の中で重みを付けた。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
この評価項目は法務省の公式の採点基準ではなく,本記事が公式資料から独自に抽出したものである。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項(採点実感が「ほとんどなかった」「皆無に近く」「多かった」等と多くの答案の不足を述べ,出題の趣旨も検討を求めるもの)
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,優秀な答案の特徴,又は評価を大きく下げる誤り
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項

第3 本問の概要

Q県R市のB地区(約2万平方メートル)では,平成28年3月1日にQ県知事の組合設立認可を受けてB地区市街地再開発組合が設立されたが,事業は停滞していた。
令和4年,R市は,B地区から河川を越えた対岸にある約2千平方メートルの空き地(C地区)を施行区域に編入する都市計画の変更をした。
C地区の周辺からB地区側へは橋が架かっておらず,C地区の土地は全て,B地区の組合員でもあるEが所有していた。

B地区組合は,C地区を施行地区に編入して公園とし,再開発ビルの設計の概要はそれ以外変更しないという事業計画の変更の認可を申請した。
Q県は,これが「軽微な変更」に当たるとして法16条の縦覧・意見書提出手続を行わず,令和5年3月6日に変更を認可して公告した(本件事業計画変更認可)。

同年9月上旬の権利変換計画の縦覧で,C地区の編入により権利床に変換されるべき宅地の総面積が増え,自己の権利床が減ったことを知ったB地区の宅地所有者Dは,同年10月10日の権利変換処分について,令和6年4月7日に取消訴訟を提起した。

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令和6年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1(鑑定書の証拠能力)2 設問2(ビデオ撮影の適法性)3 答案全体4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第2問(刑事訴訟法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,覚醒剤の密売拠点と疑われるアパートの捜査を素材として,〔設問1〕で,職務質問に伴う所持品検査に続いて捜索差押許可状により差し押さえられた覚醒剤の鑑定書の証拠能力を,〔設問2〕で,喫茶店内での約20秒のビデオ撮影(【捜査①】)と,向かいのビルから約2か月間毎日24時間続けたビデオ撮影(【捜査②】)の適法性を論じさせるものである。

公式資料から抽出した評価項目は28項目である。
採点実感が問題のある答案として挙げた事項は,正しい書き方の項目にまとめるか,「〜しない」の形の項目にした。
重み5(答案の骨格)に当たるのは,番号1・3・6・9・10・15・20の7項目であり,所持品検査の違法が派生証拠である鑑定書に影響するという問題の把握,所持品検査の限界の判断基準,違法収集証拠排除法則の判断基準,派生証拠の証拠能力に関する自説とそれに整合する当てはめ,強制処分と任意処分の区別の基準及び任意処分の限界の比較衡量である。

第5の模範解答は,鑑定書の証拠能力を否定し,【捜査①】を適法,【捜査②】を違法とした。
もっとも,出題の趣旨は,鑑定書の証拠能力についても各ビデオ撮影の適否についても,結論はともかく,具体的事実の意味を的確に評価して論じることを求めており,いずれの結論も成り立つ。

本記事は,人工知能(AI)が,まず出題の趣旨・採点実感を読まずに答案を作り,その後に公式資料と照合して書き直した結果をまとめたものである。
第5の3(6)に,公式資料を読まずに作った答案で落ちた点を挙げた。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(刑事系科目〔第2問〕の部分)又は採点実感(刑事系科目第2問)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と,採点実感については見出し番号(「(1)」は「2 採点実感」の⑴,「(2)」は同⑵,「3(1)」は「3 答案の評価」の⑴)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
公式資料の文章は,短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示した。

採点実感が不十分な答案として挙げた事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目の括弧書きにまとめ,独立の注意点は「〜しない」の形の項目(番号14・28)にして,同じ5段階で重みを付けた。
番号28は,採点実感が「不良の水準」の一般的な説明として両設問に共通して挙げた誤りの型のうち,〔設問2〕の例に当たるものであり,設問別の表ではなく「答案全体」の表に置いた。
番号19は,出題の趣旨が強制処分と評価する場合に限って検討を求める事項(許容される別の構成)である。
採点実感だけに現れる事項は,出題の趣旨に由来する事項へ格上げしていない。

この一覧は,法務省の公式な採点基準ではなく,公式資料から独自に抽出した評価単位である。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

①重み5:答案の骨格そのもの(問題の所在,判断の枠組み及び派生証拠の自説)であり,出題の趣旨が検討を求め,採点実感も「答案の評価」の水準を分ける要素として取り上げた事項
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(評価した,又は多くの答案の不足を指摘した)事項,若しくは採点実感が「答案の評価」の水準を分ける要素として挙げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,当てはめ又は事実の評価(採点実感が「不良の水準」の例に挙げた誤りを避けることを含む)
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成

第3 本問の概要

司法警察員Pは,覚醒剤の密売拠点と疑われる本件アパート201号室から出てきた人物が,路上で甲に封筒を渡し,甲がこれを手提げかばんに入れるのを目撃して,甲に職務質問を行った。

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令和6年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1小問1(監査役による開催の差止め)2 設問1小問2(Eの決議取消しの主張)3 設問2(丙社が株式の併合の効力を争う手段)4 答案全体5 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第2問(会社法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,筆頭株主が裁判所の許可を得て招集した臨時株主総会において,議案に賛成した株主に商品券を贈呈すると約束した事案(設問1)と,公開会社でない株式会社が,再建を支援してくれた株主だけを株式の併合で締め出した事案(設問2)について,監査役,反対株主及び締め出された株主がそれぞれ会社法上どのような手段を採り得るかを問うものである。

公式資料から抽出できた評価項目は64項目であり,答案に書くべき事項39項目と,採点実感が不十分な答案として挙げた型を「〜しない」の形にした25項目からなる。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,会社法385条1項が取締役の行為を対象とし少数株主の招集にそのまま適用できないことの指摘,同項の適用又は類推適用の可否の検討,会社法120条1項の「株式会社」「当該株式会社又はその子会社の計算において」という文言の検討,同項が採用されない可能性に配慮した「著しく不公正」の主張の併置,株式の併合が無効の訴えの対象でないことから株主総会決議の効力を争うという手段の選択,「著しく不当な決議」等の判断基準とその理論的根拠,公開会社でない株式会社の少数株主の利益が金銭的価値に尽きないことに着目した一般論の7項目である。

公式資料は,いずれの設問についても結論を一つに限っていない。
本記事の模範解答は,設問1小問1では会社法385条1項の類推適用を肯定し,設問1小問2では会社法120条1項の類推適用を否定した上で決議の方法が著しく不公正であるとし,設問2では本件株式併合の決議が特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議として取り消されるとしたが,これは一つの考え方である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(民事系科目第2問の部分)又は採点実感(民事系科目第2問の部分)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
公式資料の文章は,根拠となる記述の趣旨を要約して示し,判定に必要な短い語句だけを引用している。
採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,「〜しない」の形の項目にして,他の項目と同じ5段階で重みを付けた。
このうち番号64は,採点実感が第2問全体について挙げた誤りの型(問われていることに正面から向き合わず,問われた者の立場からの検討をしないもの)に当たり,〔設問1〕小問2と〔設問2〕の例に当たる項目が設問別の表に無かったので,設問を越える項目として第4の4「答案全体」に置いた。
この評価項目は法務省の採点基準ではなく,公式資料から本記事が独自に抽出したものである。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
段階の数と基準の骨格は,同じ形式の令和7年度の記事にそろえた。

①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目とした事項(「高く評価された」「十分に検討したものと評価することはできない」「評価に差が付いた」「極めて少数」等とされたもの)
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け若しくは事実の評価,又は評価を大きく下げる誤り
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成

評価項目の末尾に「(許容分岐)」と付けたものは,いずれの結論も許される場面での一方の立論であり,答案がその立場を採るときに当てはまる。

第3 本問の概要

甲社は会社法上の公開会社である取締役会設置会社で,発行済株式500万株,株主数1000名である。
監査役Dほか2名は甲社の株式を保有していない。
甲社の20%の株式を有する筆頭株主乙社は,取締役3名及び監査役3名全員の解任・選任を目的とする株主総会の招集を請求したが,甲社が招集しなかったため,裁判所の許可を得て臨時株主総会を招集した。

(続きを読む...)令和6年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和6年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した55項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 評価項目と重み1 設問1(任意的訴訟担当)2 設問2(裁判上の自白)3 設問3(既判力による遮断)4 重みの分布第5 模範解答1 答案の前提と表記2 答案3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説第6 関連記事1 同じ年度の司法試験の別の模範解答2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和6年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第3問(民事訴訟法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から評価項目を抽出し,これを踏まえた模範解答を示すものである。
本記事の模範解答及び評価項目は,生成AI(Claude)が作成し,法令(e-Gov法令検索)及び判決原文(裁判所ウェブサイト)で確認したものである。

作成の手順は,次のとおりである。
①公式の出題の趣旨・採点実感を読まずに,問題文と法令・判決原文だけから答案(未読復元版)を作り,内容を固定した。
②固定した後に公式資料を読み,評価項目を抽出して,未読復元版と照合した。
③照合の結果を踏まえて,本記事の模範解答(完成版)を作った。

本問の各設問の結論は,次のとおりである(設問2及び設問3は,公式資料が複数の結論を許容している)。
①設問1:X1による訴訟担当は,明文なき任意的訴訟担当として認められる。
②設問2:本件陳述について裁判上の自白は成立しない(Yの立場からの主張)。
③設問3:本件では前訴での主張の期待可能性がなかったとはいえず,前訴判決の既判力によって解除権行使の主張を遮断することが相当である。

評価項目は55項目で,重み5から重み1までの5段階で重み付けした(重みの合計は167点)。
本記事の評価項目は,公式資料から本記事が独自に抽出したものであり,法務省の公式の採点基準ではない。
重みも本記事が付けたもので,法務省の配点ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問ごとに,答案を読むだけで「書けている/書けていない」を判定できる単位に分けた。
採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「〜しない」の形の項目にして,同じ5段階の中で重みを付けた。
公式資料が複数の構成を許容している論点は,結論ではなく,その構成を検討したかを項目にした(「許容される別の構成」と表示した)。
出題の趣旨及び採点実感の欄には,公式資料の頁(各PDFの印字頁)と,該当箇所の短い引用を示した。
引用は,PDFから抽出した文字列と機械的に照合した。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:答案の骨格そのもの,又は採点実感が評価の分かれ目(優秀・良好・一応の水準・不良の区別)とした事項
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け,又は評価を大きく下げる誤り
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項,又は許容される別の構成

第3 本問の概要

(続きを読む...)令和6年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した55項目と5段階の重み付け(AI作成)

司法試験の作問・採点と法科大学院教育―考査委員の回想を制度資料で読む(AI作成)

目次第1 回想と制度資料を区別して読む第2 試験が評価するのは知識とその応用である第3 作問と採点方針の共有から学べること第4 大々問の見直しと分野横断の思考力1 回想だけで変更の時期を確定しない2 意見の相違と正式な日程決定を分ける3 形式の変更と学習の目標は別である第5 採点方針と得点調整を混同しない1 評価区分は点数の機械的な割当てではない2 評価内容の共有と統計処理は役割が違う3 最低ラインと通知得点にも区別が必要である第6 公表資料と内部採点基準とAIの予想第7 事例演習を実務の文書作成へつなげる第8 考査委員の教育活動と守秘・公正第9 CBT化と法的能力の評価第10 確認範囲と出典
第1 回想と制度資料を区別して読む

司法試験の作問・採点を理解するには,考査委員経験者の回想から実際の工夫を学び,制度の一般則は法令と司法試験委員会等の公表資料で確かめる必要がある。
本記事は,立命館法学2025年5・6号に掲載された松岡久和教授オーラルヒストリーのうち,学習,法科大学院教育及び司法試験に関する部分を,令和8年10月4日に確認した制度資料と照合したものである。

回想は,当時の経験や認識を知る一次的な証言である。ただし,委員会の正式決定,現在の全科目に共通する手順,又は制度変更の効果を測定した資料とは性質が異なる。
また,同教授の大学での成績評価の説明と,司法試験答案の採点区分は別の制度である。前者の割合を後者へ転用してはならない。

確認する対象適した根拠読み方の注意試験の目的・能力の評価司法試験法,委員会決定等施行時点と適用年度を確認する。過去の作問・採点の経験回想,公表されたヒアリング記録発言者の経験と制度全体の事実を分ける。特定問題の評価・配点当該年度の公式資料公表された説明から内部基準の全文を推定しない。学習・研修への応用根拠を踏まえた学習上の提案公式の採点基準又は効果の実証として扱わない。
第2 試験が評価するのは知識とその応用である

司法試験法1条及び3条は,法曹に必要な学識と応用能力の判定を試験の目的とする。短答式では専門的法律知識と法的推論,論文式では専門的学識と法的な分析・構成・論述の能力を判定する。
同法3条4項は,知識の有無の判定に偏らず,理論的かつ実践的な理解力,思考力及び判断力等にも意を用いるよう求めている。同法1条3項は,法科大学院教育及び司法修習との有機的連携を定める。

したがって,暗記した論点名を列挙することと,事実を選び,法的な問題を構成し,理由を付して結論へ進むことは区別すべきである。ただし,応用を重視することは,基本的な条文や判例を知らなくてもよいという意味ではない。
平成30年8月3日決定「司法試験の方式・内容等の在り方について」も,長文の事例によって過度に事務処理能力を求めるのではなく,事例解析,法令の解釈・適用,論理的な思考及び論述等を試す方針を示している。

受験資格,受験期間及び合格後の流れは,司法試験とは―受験資格,5年間の受験期間,試験科目,合格判定及び合格後の流れを参照されたい。

第3 作問と採点方針の共有から学べること

回想の710~713頁では,問題案の選択と修正,採点基準案の準備,答案を試しに採点して方針を調整する経験が語られている。約100頁に及ぶ基準案や20通程度の試し採点の話は,その経験の具体性を示すものである。
しかし,この頁数や通数を,現在のすべての問題に義務付けられた手順として扱うことはできない。複数の答案を見て評価の意味をすり合わせるという発想と,毎年の具体的な実施手順を分けて読む必要がある。

法律事務所の研修に応用するなら,答案や起案を評価する前に,①課題が求める成果物,②欠けると法的経路が成立しない事項,③複数の構成や結論を認める範囲,④事実評価と理由付けの水準を共有するとよい。
これは回想を踏まえた研修上の提案である。司法試験の公式配点を再現したものではなく,事件固有の記録を公開教材へ転用することを勧めるものでもない。

現在の公開制度にも改善の仕組みがある。前記平成30年決定は,試験後に研究者・実務家の検証担当者が問題,採点,出題の趣旨及び採点実感等を検証し,結果を翌年度の作問・採点の改善に生かすことを定めている。
作問時の想定だけで評価を固定せず,実際の答案と公表後の検証から課題を見直す点が重要である。

第4 大々問の見直しと分野横断の思考力
1 回想だけで変更の時期を確定しない

回想には,新司法試験初期の民事系で複数分野を結び付けた大々問と長い試験時間を用い,時間配分が採点にも影響した経験が記されている。
変更の経緯を確かめるには,同時期の制度資料を併せて読む必要がある。平成21年新司法試験のヒアリング記録には,民事訴訟法の独立した出題と,民法・商法を組み合わせた出題の説明がある。民事系の形式が一度に全面変更されたと単純化することはできない。

2 意見の相違と正式な日程決定を分ける

平成23年新司法試験の実施に関するヒアリング記録では,民法側から大々問の出題の余地を残す意見が示され,民事訴訟法側からは時間配分,能力評価及び融合問題の作成上の制約を理由とする見直し意見が示されている。
これらは検討過程の意見であり,それぞれを委員会の最終決定と呼ぶべきではない。

平成22年7月14日決定「平成23年新司法試験の実施日程等について」は,平成23年の民事系第1問,第2問及び第3問を各2時間とする日程を示している。公法系・刑事系の各問も各2時間である。
現行の前記平成30年決定でも,必須科目は各問2時間,選択科目は2問で3時間という構造が示されている。

3 形式の変更と学習の目標は別である

(続きを読む...)司法試験の作問・採点と法科大学院教育―考査委員の回想を制度資料で読む(AI作成)

平成16年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

目次第1 この記事の対象と読み方1 対象とした試験と資料2 模範答案の前提と表記3 全12問の主な論点第2 憲法1 第1問 性犯罪前科情報の開示とプライバシー2 第2問 被選挙権の年齢制限と両院制第3 民法1 第1問 請負契約の解除,雨漏りと残代金2 第2問 後順位抵当権者と時効援用の代位第4 刑法1 第1問 中止犯,救助の妨害と不作為の殺人2 第2問 不動産の二重売買と横領後の横領第5 商法1 第1問 有利発行と旧株主の救済2 第2問 不実登記と無権限の手形振出し第6 民事訴訟法1 第1問 証明責任と非負担者の立証活動2 第2問 相殺抗弁と既判力の範囲第7 刑事訴訟法1 第1問 逮捕に伴う捜索と別罪証拠の取得2 第2問 偽計による自白と死亡した共同被告人の調書第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例(裁判所ウェブサイト掲載)3 裁判例(裁判所ウェブサイト未掲載)4 公文書
第1 この記事の対象と読み方
1 対象とした試験と資料

本記事は,平成16年度旧司法試験第二次試験論文式試験の全12問について,問題文,法務省の出題趣旨,模範答案,出題趣旨を踏まえた解説,現行法とその後の裁判例を並べたものである。
科目は憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の順とし,模範答案と解説は生成AIを用いて作成した。

公式資料は,法務省の論文式試験問題・出題趣旨に掲載された平成16年度の問題と平成16年度の出題趣旨である。
いずれも全6頁であり,本文の抽出だけでなく全頁の画像で句読点の位置を確認した。

法務省の同一覧ページでは,旧司法試験について問題・出題趣旨が掲載され,採点実感の掲載はない。
本記事の解説は公式の採点実感ではなく,出題趣旨と条文・裁判例を踏まえた答案の検討である。
資料の所在は法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在に,別年度の全問答案は平成14年度の記事にまとめている。

調査の基準日は令和8年10月3日である。
裁判例は裁判所ウェブサイトの個別ページと判決・決定全文,又は判例データベースで確認し,現行条文はe-Gov法令検索で確認した。

2 模範答案の前提と表記

答案は平成16年の出題当時の法令と出題前の裁判例を前提とし,各問おおむね1,700字から1,900字の答案を示す。
民法の債権法改正前の規定,会社法制定前の商法,その後改正された訴訟法の条文を現在の規定と混ぜず,現行法と出題後の裁判例は各問の末尾に分けた。

問題文・出題趣旨は引用枠,模範答案は別の枠で表示する。
答案の数字・英字・括弧を全角,読点を「,」に整え,公式資料の引用は原文の表記を維持した。
括弧書きの判例表示では,事案が異なるものを「参照」等で限定し,判例が確定していない罪数や当てはめは解説で答案独自の判断として説明した。

この模範答案は唯一の正解や合格保証を示すものではない。
中止犯,信義則による時効援用制限,株主固有損害,緊急処分説等については選んだ立場に応じて別の構成があり,解説では答案の弱点と判例の射程も示している。

3 全12問の主な論点
科目・問主な論点憲法第1問前科の秘匿利益,子供の安全,目的・手段の審査,個別化と手続保障憲法第2問立候補の自由,憲法44条・47条,25歳・30歳の区別,同一化と35歳への引上げ民法第1問完成前の641条・債務不履行解除,旧瑕疵担保責任,同時履行,相殺と遅滞民法第2問直接利益,物上保証人の援用権,無資力と債権者代位,承認の中断効と信義則刑法第1問任意性,実行終了後の真摯な努力,第三者への救助依頼,作為・不作為と罪数刑法第2問横領の確定的発現,先行売買の不告知,抵当権設定後の売却,知情買主の共犯商法第1問特別決議欠缺と発行無効,公示欠缺,差額支払責任,株主固有損害と代表訴訟商法第2問会社側の帰責性,不実登記と表見代表,直接相手方と転得者,無権代理・裏書責任民事訴訟法第1問客観的・主観的証明責任,本証・反証,証拠共通,提出義務と事案解明義務民事訴訟法第2問判決主文,民訴法114条1項・2項,対抗額200万円,訴訟外相殺と丙債権刑事訴訟法第1問逮捕着手前の処分,時間・場所の範囲,被疑事実との関連性,現行犯逮捕・任意提出刑事訴訟法第2問刑訴法322条・319条,321条1項3号,供述不能・不可欠性・特信情況,任意性
第2 憲法
1 第1問 性犯罪前科情報の開示とプライバシー
(1) 問題文(問題PDF1頁)

13歳未満の子供の親権者が請求した場合には,国は,子供に対する一定の性的犯罪を常習的に犯して有罪判決が確定した者で,請求者の居住する市町村内に住むものの氏名,住所及び顔写真を,請求者に開示しなければならないという趣旨の法律が制定されたとする。この法律に含まれる憲法上の問題点を論ぜよ。

(2) 出題趣旨(出題趣旨PDF1頁)

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平成15年度旧司法試験論文式試験の模範答案―憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の全12問と出題趣旨を踏まえた解説(AI作成)

目次第1 この記事の対象と読み方1 対象とした試験と資料2 模範答案の前提と表記3 全12問の主な論点第2 憲法1 第1問2 第2問第3 民法1 第1問2 第2問第4 刑法1 第1問2 第2問第5 商法1 第1問2 第2問第6 民事訴訟法1 第1問2 第2問第7 刑事訴訟法1 第1問2 第2問第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例(裁判所ウェブサイト掲載)3 裁判例(裁判所ウェブサイト未掲載)4 公文書
第1 この記事の対象と読み方
1 対象とした試験と資料

この記事は,平成15年度旧司法試験第二次試験論文式試験の憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法について,各2問,合計12問の問題文・出題趣旨・AI作成の模範答案・解説を掲載する。
法務省の論文式試験の試験問題及び出題趣旨の一覧で対象年度と資料を確認した。
旧司法試験の当該欄には採点実感の公表はなく,本記事も出題趣旨を採点実感や公式の模範解答として扱わない。

問題文は平成15年度の問題PDF,出題趣旨は問題と出題趣旨のPDFに基づく。
両PDFは各6頁で,憲法1頁・民法2頁・商法3頁・刑法4頁・民事訴訟法5頁・刑事訴訟法6頁である。
記事の科目順は憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法とし,見出しに表示する頁はPDFの実際の頁に合わせる。

前年の問題との比較には,平成14年度旧司法試験論文式試験の全12問と模範答案・解説を参照されたい。
各年度の答案では,それぞれの出題当時の法令・判例を前提に読む必要がある。

2 模範答案の前提と表記

模範答案は,平成15年度の出題当時の施行法令とそれまでの裁判例を前提として作成した答案を基礎とする。
公式の出題趣旨を踏まえて整えたものであり,法務省が作成又は採点した模範答案ではない。
出題趣旨に挙げられた論点への対応,事実の読み方,評価が分かれる点及び別の構成は,各問の解説で明示する。

問題文と出題趣旨は引用枠,模範答案は答案枠で表示する。
引用は原文の句読点・語句を確認し,紙面の折返しを文章のまとまりに合わせて整理した。
答案は数字・英字・括弧を全角とし,地の文の読点を「,」に統一した。

各問の「現行法とその後の裁判例」は,令和8年10月3日を基準に施行されている条文と,確認した後続裁判例を扱う。
出題後の判決・制度改正を当時答案の根拠へ入れず,過去の事件の事案と本問の相違を示す。
個々の結論に対して直接の先例が確認できない場合は,答案上の評価であることを区別する。

3 全12問の主な論点
科目・問題主な論点憲法第1問法の下の平等,再婚禁止期間,公立女子高校憲法第2問政党の内部自治,政党助成と党内民主主義民法第1問動物占有者責任,第三者の加功,障害と減額民法第2問数量指示売買,二重譲渡,借地権と混同刑法第1問死亡誤信,因果関係の錯誤,後行為者と共犯刑法第2問通称と実名,免許証加工,カード詐欺と現金窃盗商法第1問多額の保証,利益相反,代表取締役兼任と競業商法第2問名板貸,氏名の許諾,営業譲渡と商号続用民事訴訟法第1問職権進行主義,申立て・異議・責問・意見聴取民事訴訟法第2問反訴と別訴,引換給付,既判力と信義則刑事訴訟法第1問継続監視と写真撮影,任意捜査の限界刑事訴訟法第2問共同被告人の検面調書,質問機会,伝聞例外
第2 憲法
1 第1問
(1) 問題文(問題PDF1頁)

以下の場合に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。

1 再婚を希望する女性が,民法の再婚禁止期間規定を理由として婚姻届の受理を拒否された場合

2 女性のみに入学を認める公立高等学校の受験を希望する者が,男性であることを理由として願書の受理を拒否された場合

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令和8年度法曹コースの実態調査-42コース・74協定,進学者数の読み方と実務家教育(AI作成)

目次第1 本記事の資料と読み方第2 42コース・74協定の意味第3 登録から法科大学院進学まで第4 実務家が関わる教育第5 進路相談・教育企画での使い方第6 未確認事項と関連記事第7 出典
第1 本記事の資料と読み方

文部科学省は,令和8年9月29日の中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会第125回に,資料1-1「令和8年度法曹コースの実態調査」を配付した。本記事は,同調査を中心に,法曹コースの規模,進学者数の読み方及び実務家教育を整理する。確認日は令和8年9月30日である。

調査の対象は42大学であり,基準日は令和8年5月1日である。ただし,各表には令和7年度の実績,令和8年度の進学者数及び過年度との比較が混在する。異なる年度の数字を一つの「令和8年度実績」として扱わない。法曹コースは法学部等と法科大学院の連携による教育課程であり,個別大学の募集要項・選抜基準の代わりにはならない。

第2 42コース・74協定の意味

資料1-1によれば,令和8年4月1日現在,法曹コースは42コース,法曹養成連携協定は74件である。コース数と協定件数は異なる単位である。自大学に法科大学院がない大学のコースは10,地方大学枠の対象となるコースは7と記載されている(同資料PDF2頁,6~10頁)。

したがって「法曹コースがある」ことから,自大学の法科大学院への進学や,特定の法科大学院への入学が保証されるとはいえない。志望者は,所属学部がどの法科大学院と協定を結び,どの選抜方式が適用されるかを,各大学の当該年度の公式資料で確認する必要がある。

第3 登録から法科大学院進学まで

法曹コースへの登録,学部3年次での早期卒業,法科大学院の特別選抜への出願・合格,法科大学院への進学・修了,司法試験への合格は,それぞれ別の段階である。早期卒業の要件や特別選抜の方法も大学ごとに異なる。制度の入口の人数を司法試験の成果と取り違えてはならない。

資料1-1の在籍数は概数であり,登録制でないコースでは希望者数等による回答が含まれる。また,法科大学院進学者数は学部が把握した人数で,実際の進学者数と異なる可能性があると注記されている(同資料PDF9頁)。学年別在籍者数と進学者数をそのまま割って「進学率」又は「離脱率」を算出することは,母集団と時点の違いを無視するため避けるべきである。

進路相談では,①登録の条件,②3年早期卒業の要件,③協定先と特別選抜の出願資格・選考方法,④学費・奨学金と通学・転居費用,⑤進路変更時の選択肢を,志望先ごとに確認するのが実務的である。調査の自由記述には,経済面,厳格な早期卒業基準,進学後の学修状況のフィードバックに関する課題も記録されている(同資料PDF50頁,55~56頁)。これは回答校の報告であり,全大学に共通する事情又は効果が独立に検証されたという意味ではない。

第4 実務家が関わる教育

42コース中,連携先の法科大学院教員が担当する科目を置くコースは31,それ以外に法律実務家が参画する授業を置くコースは34と報告されている(資料1-1・PDF37~38頁)。両者は重複し得るため,合算して「65コース」とはしない。

回答に挙がる活動には,法文書の起案と添削,要件事実の学習,模擬裁判・模擬法律相談,裁判傍聴及び法律事務所での職業体験がある。実務家が教育を企画するなら,具体的な事実を整理し,法的要件と照合し,必要資料を探し,短い文書を起案して添削を受ける一連の演習が有用と考えられる。後段は調査内容からの実務上の提案であり,文部科学省が教育効果を検証した結論ではない。

第5 進路相談・教育企画での使い方

相談者には「法曹コースなら必ず早く法曹になれる」と案内せず,大学・年度・協定先・選抜方式を明示して説明する。数値を紹介する際は,資料の基準日,回答の対象,人数の定義及び資料の注記を一緒に示す。

弁護士が講演や演習に協力する場合は,模擬相談や起案課題の成果物,添削内容及び学生からのフィードバックを残すことも考えられる。これは教育改善に使うための提案であり,調査だけから特定の教育方法の優劣を証明するものではない。

第6 未確認事項と関連記事

本記事は第125回の配付資料に基づく。令和8年9月30日時点で同回の議事録を確認できず,会議での最終的な意見やその後の制度変更を記載していない。個々の大学の最新の募集要項,学費及び奨学金も本調査だけでは確定しない。

関連して,法学部生の法曹志望アンケート(令和6年度)は学生の意識調査,法科大学院の新たな評価制度は教育機関の評価案を扱う。対象と母集団が異なるため,各調査の数値を直接比較しない。

第7 出典

①文部科学省「法科大学院等特別委員会(第125回)配付資料」(令和8年9月29日)
②同「令和8年度法曹コースの実態調査」(同回資料1-1)
③法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律(制度の根拠)

本記事の統計・制度説明の一次資料は上記である。裁判例の命題は扱わず,判例秘書の検索又は判決原本の照合は行っていない。

令和8年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の参考答案(AI作成)

目次

第1 この記事の対象
第2 16記事の一覧
第3 科目別の概要と重み5の事項

1 倒産法
2 租税法
3 経済法
4 知的財産法
5 労働法
6 環境法
7 国際関係法(公法系・国際公法)
8 国際関係法(私法系)

第4 16記事に共通する作り方

1 予想評価項目と重み
2 参考答案と確認範囲

第5 重みの分布
第6 関連記事
第7 出典と確認状態

1 公式資料
2 確認状態

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令和8年度司法試験・租税法第2問の参考答案と予想される評価項目――暗号資産による役員退職給与、廃業後の貸倒れ、青色申告承認の承継(AI作成)

目次
第1 この記事の対象と結論
第2 予想評価項目の作り方
第3 問題の概要と結論
第4 予想される評価項目
第5 参考答案
第6 答案の補足解説
第7 公開答案の調査
第8 出典と確認状態

作成日:令和8年9月30日。この記事は法務省とは関係のない独自の予想です。評価項目、重み、解説及び答案は、公式の採点基準や配点を示しません。対象年度の「出題の趣旨」及び「採点実感」は本記事作成時点で公表されておらず、参照していません。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼びます。

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省が掲載した令和8年司法試験の問題のうち、論文式選択科目「租税法」第2問を対象とする。答案はCBT試験の文字数に関する解説を踏まえ、一問につき30字×92行を上限とする想定で作成した。問題の条文適用基準日は、問題文の指定に従い、令和8年1月1日とする。租税特別措置法の適用は考慮しない。

本記事が予想する結論は、次のとおりである。

設問
結論の要旨

設問1
D社がAに暗号資産を現物の役員退職給与として移転した実質を捉える。法人税法61条1項による譲渡益は1,800万円。販売手数料の実体はなく、隠蔽・仮装経理によって支給した役員給与2,000万円は同法34条3項により全額損金不算入。

設問2

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令和8年度司法試験知的財産法第2問の参考答案と予想される評価項目―著作権法の教育利用・二次的著作物をめぐる32項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重みの見方1 評価項目の性質2 5段階の重み第3 問題の概要第4 本記事が独自に予想した32の評価項目1 共通の前提と設問1・行為①2 設問1・行為②3 設問2・行為③4 設問2・行為④と全体5 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提2 答案3 結論が分かれる箇所の補足第6 公開答案との比較第7 出典及び確認状態1 公式問題・法令2 裁判例3 公開答案と資料の限界
第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省掲載の令和8年司法試験問題のうち、選択科目・知的財産法第2問だけを対象とする。
問題冊子の22頁にある設問1・設問2について、著作権法上の主張、反論、判断及び差止めの範囲を検討する。

以下の評価項目、重み及び参考答案は、問題文、条文、裁判例並びに公開答案との比較を踏まえた本記事独自の予想である。
法務省の出題の趣旨、採点実感又は実際の配点を示すものではない。
令和8年9月30日の作成時点で、これらの公式講評は未公表として扱い、参照していない。
本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

結論の中心は、①数行の翻訳・投影では教育機関の例外を当然には使えないが、適切な文法解説のための引用は成立し得ること、②数段落を配る到達度確認テストには著作権法36条の適用が難しいこと、③ドラマの新規場面にも原作者の28条上の権利が及ぶという有力な解釈があること、④人物設定・名称とドラマの具体的な映像表現を区別することにある。
③④は反対説と事実評価によって結論が動くため、理由を示した上で判断する。

第2 評価項目と重みの見方
1 評価項目の性質

32項目は、採点基準の推定値ではなく、答案で検討すべきと予想される判断事項である。
一項目につき一つの判定対象を置き、問題冊子22頁の事実、条文又は裁判例との対応を示した。
設問の配点は第2問全体で50点であるが、下の重みを合計して50点に換算してはならない。

2 5段階の重み

①重み5は、設問の中心的な対立点を処理する事項である。
②重み4は、結論を左右する法的な経路又は重要な反論である。
③重み3は、問題文の個別事実を用いる主要な当てはめである。
④重み2は、判断を補強し、誤答を防ぐ事項である。
⑤重み1は、答案の射程を整える事項である。

第3 問題の概要

小説家Xの短編小説Pには、孤独な高校教師Aが登場し、Aは長髪、丸眼鏡、長身、常に袴という姿で記述される。
設問1では、退職教師Y1らが、公民館の一室を借りた日本語教室で、小説の数行を英訳して原文・訳文を投影し、数段落を抜き出した文法クイズを最後に全員へ配布する。
教室は登録すれば誰でも参加でき、毎回5~10人が集まり、各人から会場費200円を集める。

設問2では、Xの許諾を受けたテレビ局B社がPをドラマQにし、原作に登場しない女性の表情を大写しにした場面でQを終える。
B社の許諾を受けたY2社は、その場面のスクリーンショットをTシャツに印刷・販売し、ドラマで俳優が演じるAの外見をイラスト化したスタンプ画像Rをオンライン販売する。
Xは、①から④の各行為の差止めを求めたい。

第4 本記事が独自に予想した32の評価項目
1 共通の前提と設問1・行為①

(続きを読む...)令和8年度司法試験知的財産法第2問の参考答案と予想される評価項目―著作権法の教育利用・二次的著作物をめぐる32項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験環境法第2問の参考答案と予想される評価項目――自然公園法の地域制・草原保全・風景地保護協定・損失補償(AI作成)

目次第1 この記事の対象と確認状態第2 評価項目の作り方と重み第3 問題の概要第4 本記事が独自に予想する評価項目第5 参考答案(30文字以内×92行)第6 答案の解説と公開答案との照合1 制度の使い分け2 EとCの協定3 不許可と補償は別の判断4 確認できた公開「参考答案」の範囲第7 出典と未確認事項
第1 この記事の対象と確認状態

本記事は、法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目問題のうち、環境法第2問を対象とする。以下の評価項目、重み、答案及び解説は、問題文、法令、裁判例から独自に予想したもので、法務省の出題の趣旨、採点実感、採点基準又は配点ではない。作成時点の令和8年9月30日には、出題の趣旨及び採点実感を参照していない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

答案は、選択科目1問の入力上限である1行30文字・92行に合わせ、見出しを含めて92行、各行30文字以内、合計2562文字とした。改行位置を含む答案本文を第5に示す。文字数を埋めることよりも、各設問の問い、条文の効果及び対立する主張を閉じることを優先した。CBTの答案欄に関する解説及び法務省の試験Q&Aを参照した。出題の基準となる法令は、原則として令和8年1月1日施行のものとされる。

第2 評価項目の作り方と重み

設問が直接求める事項、問題文で対比された事実、自然公園法の要件・効果及び裁判例が示す判断要素を、一項目一判定対象に分けた。重み5は設問の明示的な要求と答案の骨格が重なる事項、4は目立つ事実又は中心となる法の命題、3は主要なあてはめや理由付け、2は補強又は混同防止、1は小さな補足に用いる。31項目の内訳は重み5が9項目、4が9項目、3が9項目、2が4項目、1が0項目である。これは配点や公式評価ではなく、科目間で割合をそろえる基準でもない。条文を挙げるだけでなく、A公園、B草原、C組合、E法人及びXの各事実へ適用できているかを見る。

第3 問題の概要

国立公園Aは、原生林、湿原、草原B及び雑木林Dを含む。原生林には踏圧を抑える利用調整地区があり、草原Bは放牧と火入れによって維持されてきたが、管理の衰退により縮小している。NPO法人Eは所有者Cとの風景地保護協定による回復を望む。Dの所有者Xは落雷後の焼失地に小規模な貸別荘5棟を計画したが、不許可となり、損失補償額0円を争う。設問1は地域制公園の利害、設問2は人為的草原の保護、設問3は協定の制度と内容、設問4は国とXの補償をめぐる主張を求める。

第4 本記事が独自に予想する評価項目
番号設問答案で確認したい内容重み根拠・手掛かり11自然公園を所有権の移転を要しない地域制公園と捉える5法5条・公園Aの広域性21都市公園を設置者が土地の権原を確保する施設型公園と区別する3都市公園法との対比31私有地を含む広い連続生態系を取得費を抑えて保護できる利点を示す4原生林から草原まで41私権との衝突及び積極的管理が所有者の協力に左右される弱点を示す4Cの管理衰退51憲法29条、法4条、地種区分及び法64条の調整を示す3私有地と補償の設問62「自然の風景地」を原生自然に限定しない5法2条2号・草原B72生物多様性条約の保全と持続可能な利用を法1条・3条2項に結び付ける4設問の改正指示82放牧と火入れが数百年にわたり草原景観と生息環境を形成したと評価する5Bの成立経緯92火入れ面積の減少、多年草・低木の侵入、草地縮小という因果を示す3Cの高齢化102第三種特別地域が通常の農林漁業との調整を予定すると示す3施行規則9条の12112法38条の維持回復事業計画と継続的管理を結ぶ2Aの事業計画123⑴利用調整地区の指定・立入り制限・認定を正確に示す3法23・24条133⑴原生林の踏圧という過剰利用を、Bの管理不足と対比する5二つの地域の劣化原因143⑴協定を土地所有者等の合意による積極的管理と捉える4法43条153⑴EはNPO法人であるだけでは締結主体とならず、公園管理団体の指定を要すると示す4法43条1項・49条163⑵所有者Cと、存在するなら使用収益権者全員の合意を要すると示す3法43条1・2項173⑵区域、管理方法、必要施設、期間、違反時措置の5事項を挙げる5法43条1項各号183⑵火入れ、低木除去、草刈り、放牧、監視、費用、防火を具体化する4Bの劣化原因193⑵Cの牧畜を不当に制限せず、所有権移転も要しないと示す3法43条3項2号203⑵大臣の認可、公告・縦覧、承継人への効力を正確に位置付ける2法43条5項、44~48条214新築は許可対象であり、法20条4項は基準不適合時の不許可義務を定めると読む5法20条3項1号・4項224⑴国側で焼失後の再生可能性とDの連続景観を論ずる3落雷から2年234⑴基準適合は当然の許可を意味しないとの国の主張を示す4設計上の全基準適合244⑴既存利用から新規貸別荘への転換、準備費・利益の不確実性を示す3Xの計画と損失内訳254⑵第二種地域、道路沿い、焼失地、8000平方メートル中500平方メートル、景観適合をXに有利に評価する4建築計画の具体的事実264⑵法1条・4条と基準の趣旨から裁量の限界を論じ、自然回復の具体性を問う4不許可理由274不許可の適法性と、法64条に基づく補償の有無を区別する5増額訴訟の対象284憲法29条3項の特別の犠牲と受忍限度を両側から論ずる5法64条・裁判例294旧法下の別荘建築・採石不許可の両裁判例を、地種と事実を区別して使う2裁判所判決全文304通常損失を準備費と逸失利益の単純合計にせず、客観的利用価値・地価の低下と因果関係で論ずる5法64条・採石事例31465条の増額訴訟は通知から6か月以内、被告は国と示す2法65条

評価の中心は、設問1の所有と規制の区別、設問2の二次的自然、設問3の「過剰利用への立入規制/管理不足への協定」という対応関係、設問4の基準適合後も残る許可判断と補償の立証である。特に設問4では、準備費用及び逸失利益というXの請求額を、そのまま法64条の「通常生ずべき損失」と同一視しない。

第5 参考答案(30文字以内×92行)
第1 設問1
1 自然公園法は、土地の所有権を取得せず、優れた自然の風景地
を区域指定して保護し、地種区分ごとに行為を規制する地域制公園
を採る。都市公園法の都市公園は、設置者が土地の権原を得て設
置、管理する施設である。前者では区域の指定と公園計画により保
護・利用の方向を定め、特別地域で工作物の新築等を許可制にする
(法7条、20条3項)。施設としての公園用地を一律に確保する
必要がなく、原生林、湿原、草原、雑木林を含める。
2 地域制なら、私有地を含む広い生態系を連続的に保護でき、用
地取得費も抑えられる。反面、私権を残すため保護と利用が衝突
し、所有者の協力なしに積極的管理をしにくい。憲法29条の財産
権保障から、規制の必要性と強度を区域別に調整し、特別の犠牲に
は同条3項及び法64条による補償を要する。強い保護を要する原
生林を第一種、農林業との共存が必要な草原を第三種とするよう
に、現地の風致と権利の均衡を図るべきである。都市公園は一体的
管理に向くが、用地取得費と土地確保が広域保全を制約する。
第2 設問2
1 法2条2号の「自然の風景地」は、人手のない原生自然に限ら

(続きを読む...)令和8年度司法試験環境法第2問の参考答案と予想される評価項目――自然公園法の地域制・草原保全・風景地保護協定・損失補償(AI作成)

令和8年度司法試験環境法第1問の参考答案と予想される評価項目――廃棄物処理法、事務管理、ごみ処理有料化をめぐる47項目(AI作成)

目次第1 この記事の対象と確認状態第2 予想評価項目の読み方第3 本記事が独自に予想した評価項目(47項目)1 全問に共通する前提2 設問1――報告徴収・立入検査3 設問2――A社に対する複数の措置4 設問3⑴――B県の緊急措置費用とE社等5 設問3⑵――D市に対する事務管理費用償還6 設問4――家庭系ごみ有料化の考え方と効果第4 参考答案(選択科目1問、30文字×92行以内)第5 公開答案・答案構成との照合第6 解説――条文の入口と結論の幅1 設問1:調べる段階では18条と19条2 設問2:施設、処理行為、処分業を分ける3 設問3⑴:E社等への負担は自動ではない4 設問3⑵:D市の区域外でも委託元の責任は残る5 設問4:家庭系と事業系の比較第7 出典・公開答案・確認範囲1 一次資料2 公開答案・答案構成3 記事の形式に関する参考第8 同年度の参考答案と一覧
第1 この記事の対象と確認状態

この記事は、令和8年度司法試験論文式試験の選択科目「環境法」第1問(配点50点)を対象とする。評価項目、重み、解説及び参考答案は、問題文、法令、判例から独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点ではない。 作成時点の令和8年9月30日には、本問の「出題の趣旨」と「採点実感」は公表されておらず、本記事はそれらを読んでいない。公表後の照合は未実施である。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

問題文:https://www.moj.go.jp/content/001466993.pdf (環境法第1問、冊子32~33頁)

本問は、一般廃棄物と産業廃棄物を共に受け入れるA社の最終処分場について、①行政による調査、②A社への是正措置、③A社破産後の緊急措置費用の負担、④家庭系ごみの有料化を問う。B県知事、C市長、委託元D市、排出事業者となり得るE社等の主体ごとに権限・責任を分けることが、答案全体の軸である。

以下の条文確認には、令和8年1月1日時点で施行されていた廃掃法の版を用いた。本記事で使う主要条文は、令和8年7月1日施行版とも条文本文を照合した。なお、環境法第1問の問題文自体には、法令の基準日を令和8年1月1日とする個別の指示はない。

第2 予想評価項目の読み方

各行は、答案に何が書かれていれば確認できるかを示す。重みは本記事独自の5段階であり、足し算して得点に換算するものではない。

5:設問の結論を左右する条文連鎖又は判例の中核。4:主要な要件と具体的事実を結び付ける事項。3:答案の説得力を支える法令上の区別や事実評価。2:補強又は典型的な誤りの回避。1:設問の射程を超えないための注意。

一つの項目を欠いた場合の実際の減点幅も、同じことを別の表現で書いた場合の扱いも、現時点では不明である。以下は自己点検用の予想である。

第3 本記事が独自に予想した評価項目(47項目)
1 全問に共通する前提
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠1A社の施設が一般廃棄物・産業廃棄物の双方を扱い、施設・処理業・処理行為の規制を区別する5問題文32頁、廃掃法8条以下・15条以下・19条以下2D市が委託した物は一般廃棄物だが、E社等の「事業活動に伴って生じた廃棄物」は種類を確かめるまで産業廃棄物と断定しない5問題文32頁、廃掃法2条2・4項3設問2のA社への命令、設問3の行政による直接措置と費用負担を、時点と相手方で分ける4問題文32頁、廃掃法19条の3~84河川の環境基準と、廃掃法の施設基準・処理基準を同一視しない4問題文32頁、環境基本法16条
2 設問1――報告徴収・立入検査
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠5B県知事とC市長の双方について、廃掃法18条1項の報告徴収を挙げる5「状況を知る」、廃掃法18条1項6A社の搬入量・種類・時期・区画・残余容量・浸出水処理、帳簿や契約を照合する目的を示す3許可容量超過の通報、同条の必要限度7E社等の事業者についても必要な限度で報告徴収の対象となり得ると示す2廃掃法18条1項8B県知事とC市長の双方について、19条1項の立入検査を挙げる5廃掃法19条1項9事務所・事業場・処分場、帳簿・埋立地・遮水・排水設備の検査と、試験に必要な廃棄物の無償収去を具体化する3廃掃法19条1項10権限行使の必要限度、職員の証票携帯・提示、犯罪捜査との区別を示す2廃掃法18条1項、19条3・4項
3 設問2――A社に対する複数の措置
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠11人の健康保護に係る環境基準の超過だけで、廃掃法上の特定の違反を直ちに確定しない4河川・地下水の検出値、環境基本法16条12浸出水と汚染の因果関係、地下水汚染、生活・農業用水利用から生活環境保全上の支障又はそのおそれを具体的に認定する5問題文32頁13一般廃棄物処理施設につき、B県知事の9条の2第1項1号の改善・使用停止を検討する4許可容量超過、施設計画・技術基準14産業廃棄物処理施設につき、B県知事の15条の2の7第1号の改善・使用停止を検討する4同上15遮水、浸出水の集排水・処理、埋立て管理を、命令の具体的内容として示す3汚染原因と施設規制の接続16施設許可取消し(9条の2の2、15条の3)は法定要件の検討を要し、取消しだけで汚染が消えないと示す2施設規制の効果17処理基準違反が確認できるとき、一般廃棄物についてC市長の19条の3第1号、産業廃棄物についてB県知事の同条2号を挙げる5改善命令の主体別区別1819条の3の改善命令と、支障又はそのおそれを要する19条の4・5の措置命令とを区別する5条文の要件・効果19一般廃棄物の不適正処分についてC市長の19条の4第1項を検討する4一般廃棄物処理基準違反、支障20産業廃棄物の不適正処分についてB県知事の19条の5第1項を検討する4産業廃棄物処理基準違反、支障21容量超過のみで処理基準違反と断定せず、当該廃棄物・行為・基準との対応を示す4各命令の適用前提22処分業許可に対するC市長の7条の3・7条の4、B県知事の14条の3・14条の3の2を、要件に応じて検討する2処分業と施設許可の別23使用停止、改善、支障除去の効果と必要な範囲を区別し、複数の選択肢を組み合わせて結論づける3設問の「複数の選択肢」
4 設問3⑴――B県の緊急措置費用とE社等
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠24B県の直接措置の入口を19条の8第1項4号とし、先行命令を出すいとまのない緊急性を示す5A社破産後の流入増加25産業廃棄物処理基準違反による支障又はそのおそれという19条の5第1項側の前提を確認する419条の8第1項柱書26E社等への費用負担の直接根拠を19条の8第4項とし、19条の6第1項各号の双方を要求する519条の8第4項27A社破産は資力不足を強く示すが、財産・保険等も見て「処分者等のみでは十分でない」と判断する419条の6第1項1号28E社等が当該産業廃棄物の「排出事業者等」かを確かめ、事業系一般廃棄物を除く5廃掃法2条4項、19条の6第1項29半値以下の料金を適正な対価の不足の有力な事情としつつ、合理的な低価格の説明や認識可能性を検討する519条の6第1項2号、環境省資料30緊急措置後の19条の8第4項による費用負担に、19条の6の先行措置命令を当然の要件としない419条の8第1項4号・4項31各社の廃棄物の性状・数量・処分方法等から相当な額を定め、全費用の均等割りや単純な「処分料の差額」としない419条の8第4項後段
5 設問3⑵――D市に対する事務管理費用償還
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠32C市自身の緊急措置は、一般廃棄物について19条の7第1項4号を入口として位置付ける3問題文32頁33D市の「区域外での具体的な措置義務規定がない」という反論を正面から扱い、民法697条1項・702条1項の事務管理に接続する5設問3⑵の指定34廃掃法1条、4条1項、6条、6条の2第1・2項から、委託元市町村の一般廃棄物適正処理責任を導く5最判令和7年7月14日35委託先・処分場が市外でも、その処理責任は消えないと論じる5同判決、D市の主張36施行令4条9号イの立地市町村への事前通知、特に所在地・面積・残余埋立容量を使う4問題冊子33頁の資料37同号ロ・施行規則1条の8の1年以上の継続委託に対する年1回以上の実地確認を、数年来の委託に当てはめる4問題冊子33頁の資料38C市の措置がC市自身の事務でも、同時にD市の事務管理となり得ることを示す5最判令和7年7月14日39判決が認めたのは事務管理の成立可能性であり、搬入量比例の請求額全額を確定したわけではないとする4同判決は費用額等の審理のため差戻し
6 設問4――家庭系ごみ有料化の考え方と効果
番号答案で確認する内容重み手掛かり・根拠40事業系一般廃棄物も一般廃棄物であり、市町村の一般廃棄物処理計画・処理責任との関係を示す4廃掃法2条・6条・6条の241事業者の3条1項の自己責任と、産業廃棄物を対象とする11条1項を取り違えない4比較対象は「事業系一般廃棄物」42家庭系ごみについて市町村が6条の2第1項の処理責任を負い、有料化後もその責任は残るとする4廃掃法6条の2第1項43排出量に応じた負担の公平、処理費用の見える化、減量の経済的誘因を説明する5有料袋の政策目的、環境省手引き44発生抑制・分別・再使用・再資源化、焼却量・最終処分量の削減を期待効果として挙げる4環境省手引き45指定袋の材料代だけでなく、処理手数料を袋の価格に含める点を「有料化」の核心として区別する3環境省手引きの定義46不法投棄、他自治体への持込み、低所得世帯等の負担を考慮し、料金・減免・分別収集と効果検証に触れる3環境省手引き47条例で手数料を設計する法形式と、設問が主として尋ねる政策目的・効果を区別する1問題文32頁、家庭系ごみ有料化の法的根拠をめぐる議論

重みの分布は、5が16項目、4が19項目、3が7項目、2が4項目、1が1項目で、合計47項目である。重み5は区分・権限・条文の入口・判例の要点などに付けた。この47項目は公式の採点項目でも47点満点の採点表でもない。 重みを掛けた合計186も試験の得点ではない。同じ論述が複数行に関係する場合があり、他科目との数字の比較から難易度や配点を推定することはできない。

第4 参考答案(選択科目1問、30文字×92行以内)

次の答案は、設問1から設問4までを一つの解答欄に書く想定である。見出しを含めて92行、各行30文字以内とした。改行は読みやすさのためのもので、評価項目のすべてを答案に独立の文章として列挙する趣旨ではない。

第1 設問1
B県知事とC市長は、廃掃法18条1項により、A社に対し、法の
施行に必要な限度で、搬入された一般・産業廃棄物の種類、量、埋
立ての時期・場所、残余容量、施設の構造・維持管理、浸出水の処

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令和8年度司法試験知的財産法第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文・判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方第3 問題文の骨格第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1――職務発明と特許権移転請求3 設問2――文言侵害、均等、サポート要件、各請求第5 参考答案1 答案の前提2 答案3 答案の読み方第6 公開答案・再現答案との照合第7 関連記事第8 出典と確認状態第1 対象と結論

この記事は、令和8年司法試験論文式試験問題・知的財産法第1問(問題冊子20~21頁)のうち、特許法の第1問だけを対象とする。令和8年9月30日時点で、同年度の出題の趣旨と採点実感は公表されていない。以下の評価項目、重み、解説、答案は、問題文、法令、裁判例と公開再現答案を照合して独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点を示すものではない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

設問1の結論は、X2社が特許法74条1項に基づく特許権の移転登録を請求することは考えられるが、提示された事実だけでは認められない、というものである。職務発明規程は通知時の承継を定め、発明時の原始帰属を定めていないため、ZからX2社への先行譲渡は有効である。しかし、同じ権利についてX1社が先に出願しており、X2社は先行譲渡を対抗できない。X1社を背信的悪意者とする具体的事実もない。

設問2の結論は、Y製品の製造販売の停止、廃棄、損害賠償はいずれも認められない、というものである。分子量599は「600以上」に文言上含まれない。均等論では境界の非本質性を肯定する余地があるが、任意の整数値600で下限を明示した外形から、第5要件の意識的除外等を認めるのが有力である。さらに、明細書の実験結果だけで請求項の下限付近を支えられるかというサポート要件上の問題がある。ただし、第5要件とサポート要件の個別の結論は、出題の趣旨が未公表の段階では本記事の推論である。

第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方

評価項目の重みは、令和8年度司法試験・主要7科目の参考答案と予想評価項目で用いた5段階の判断基準に沿って、本問の具体的事実から独立に判定した。重み5は設問が明示的に問う答案の核心、4は問題文の手掛かりや近接裁判例の中核、3は具体的事実から導く重要な理由付け、2は補足又は典型的な誤りとの区別、1は限定的な指示遵守を示す。数字は配点ではなく、本記事が予想する相対的重要度である。主要7科目の一覧は選択科目を含まないため、その件数や各段階の割合に本問を機械的に合わせていない。同じ結論に至っても、反対説を正確に示して事実に即して評価した答案は、十分に評価され得る。

設問1と設問2は独立している。設問1でX2社の移転請求を否定したことを、設問2でX1社の権利帰属を省略する理由と取り違えない。また、設問1では無効審判請求、設問2では損害額の検討が不要とされている。

第3 問題文の骨格時点・事実意味ZがX1社の指示による研究で発明を完成職務発明。発生時の特許を受ける権利の帰属が問題となる。X1社の規程は「承継すると決定し、通知した時点で承継」特許法35条3項の発生時帰属と、通知による事後承継を区別する。通知前にZがX2社へ譲渡し、その後X1社が承継通知同一の特許を受ける権利の二重譲渡・対抗関係が生じる。X1社が先に出願し、X2社の同一請求項の後願が拒絶特許法34条1項と39条1項の役割を区別する。請求項は樹脂A~Dの少なくとも1種と吸収剤の分子量600以上Y製品のA・Cは樹脂要件を満たすが、599が数値要件を満たすか問題となる。明細書には558の失敗と656の成功だけが記載され、600は任意均等論の本質的部分・意識的除外、サポート要件の検討材料となる。登録は令和5年8月25日、公報発行は11月10日、Y社は10月23日以降に製造販売差止め、廃棄、損害賠償及び過失推定の時期を区別する。第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 共通の前提№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠1二つの設問を独立の法律関係として扱う421頁の独立指示2発明、譲渡、通知、二つの出願、登録、実施、公報発行の順序を取り違えない220~21頁の時系列3設問1の無効審判請求と設問2の損害額を論じない1各設問の末尾4請求の根拠、相手方の反論、再反論、各請求の結論を対応させる2各設問の文言2 設問1――職務発明と特許権移転請求№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠5X1社の業務範囲とZの現在の職務から職務発明と評価する420頁・特許法35条1項6発明完成時にZに特許を受ける権利が生じることを出発点とする420頁・29条1項、33条1項7X1社の法定通常実施権を、権利そのものの帰属と区別する235条1項835条3項の「発生した時から使用者に帰属」の要件を示す420頁の職務発明規程9本件の「通知した時点で承継」は事後承継であり、発明完成時に遡る原始帰属ではないと論じる520頁の規程の文言・特許庁資料10通知前にZが有した権利のX2社への譲渡を有効と評価する320頁の譲渡時期・33条1項11一方的な規程策定・事前関与の欠如と、相当の利益の合理性を、権利帰属と分けて論じる420頁の「事前関与はなかった」・35条4~7項12X2社への先行譲渡とX1社への後行承継を二重譲渡と把握する520頁の譲渡・通知の順序13出願前の承継は承継人の特許出願がなければ第三者に対抗できないと示す534条1項14X1社の出願が先である事実を対抗関係に当てはめる320頁の二つの出願15後願が拒絶された39条1項の結果を、34条1項の対抗要件と混同しない220頁の後願拒絶16先願者が背信的悪意者なら出願の先後だけで保護されない可能性を検討する4知財高判平成22年2月24日17X1社が先行譲渡を知っていた事実や不当取得の事実がないことを評価する320頁の事実全体18真の権利者による74条1項の移転登録請求と、登録後の2項の効果を示す520頁・74条1・2項19X2社の請求を否定しつつ、背信性が立証された場合は結論が変わり得ることを示す320~21頁・34条1項、74条3 設問2――文言侵害、均等、サポート要件、各請求№評価項目重み問題文の手掛かり・根拠20設定登録日から特許権が生じ、Y社の製造販売が業としての実施に当たると示す320頁・66条1項、68条、2条3項1号21停止を100条1項、廃棄を同条2項、賠償を民法709条に位置付ける421頁の請求内容22樹脂A及びCが「少なくとも1種」を満たすと読む320頁の請求項とY製品23分子量599は600以上に含まれず、文言侵害を否定する520頁・70条1・2項24作用効果の同一性や近接値を理由に、600という下限を丸めたり「程度」と読んだりしない2知財高判令和7年3月4日25ボールスプライン事件最判の均等5要件を正確に示す5最判平成10年2月24日26600の任意性、558の失敗・656の成功、599の同効を第1要件の本質的部分に当てはめる520頁・知財高判令和7年3月4日27599への置換後も本件発明と同じ作用効果を生む事実を第2要件に当てはめる320頁のX1社の分析28対象製品の製造等の時点において599への置換が容易かを第3要件として検討する2均等論第3要件29599の構成が出願時の公知技術等に当たるとの事実は示されていないと指摘する2均等論第4要件30任意に整数の下限600を選んだ外形と、599を含む記載が可能だった点を第5要件に当てはめる520頁・知財高判令和7年3月4日31「思い付いた別構成を単に書かなかった」だけでは除外といえない平成29年最判と本件を区別する4最判平成29年3月24日32出願時の明細書と技術常識から請求項の範囲で課題解決を認識できるかを検討する5558・656のみの実験・36条6項1号33サポート要件違反の判断を無効審判の結論と混同せず、104条の3第1項の抗弁と結び付ける436条6項1号、123条1項4号、104条の334下限を599にする訂正は権利範囲拡張、上げればY製品を捕捉できないと整理する2126条6項・訂正の効果35公報発行前でも登録後の実施には103条の過失推定が及び得ると示す3登録8月25日、実施10月23日、公報11月10日36文言・均等・無効の抗弁を踏まえ、差止め、廃棄、賠償のそれぞれについて結論を示す521頁の三つの請求37設問の指示どおり損害額の算定には進まない121頁の末尾

重み5が10項目、4が9項目、3が8項目、2が8項目、1が2項目で、重みの合計は128である。これは本記事の整理用の数字であり、50点満点の配点に換算したものではない。重み5には、①35条3項と通知時承継の区別、②34条1項と74条の接続、③599と600の文言解釈、④均等第1・第5要件、⑤サポート要件、⑥三つの請求の帰結を置いた。条文の提示と個別事実への当てはめ、補足的な誤読防止はそれぞれの役割に応じて4以下に区別した。

第5 参考答案1 答案の前提

以下は設問1・2を合わせて1問分、1行最大30文字・全92行に収めた答案である。見出し・空白を含む本文は2,645字で、選択科目の上限(4頁、1頁23行、1行30字)内に収まる。改行は答案入力時の行数を想定したものである。法令は令和8年の試験時点、裁判例はそれまでに言い渡されたものを前提とする。

2 答案第1 設問1
1 X2社は、特許法74条1項に基づき、X1社に本件特許権
の移転登録を求める。同条は、特許を受ける権利を有する者が、
無権利者への特許を取り戻す制度である。移転登録がされれば、
権利は設定登録日に遡り請求者に帰属したものとみなされる(同
条2項)。X2社がX1社に優先する権利者かが問題となる。
2 本件発明は、樹脂の研究開発を業とするX1社の業務範囲に
属し、社長の指示によるZの現在の職務に属する職務発明である。
発明者Zに特許を受ける権利が発生するが、使用者X1社には法
定通常実施権がある(同法29条1項、35条1項)。契約、勤務
規則等があらかじめ使用者に権利を取得させると定めれば、権利は
発生時から使用者に帰属する(同条3項)。X1社は、開示済みの
職務発明規程により原始取得した、ゆえにZからの譲渡は無効だと
反論し得る。しかし、規程は取得の可否を事後に検討し、承継の決
定をZに通知した時に承継する旨を明記する。発生時帰属を定めた
ものではない。あらかじめ使用者へ取得させる約束と、完成後に使
用者が取得を選択する約束は法的段階が違う。発明完成時の権利者
はZであり、通知前のX2社への譲渡は当事者間では有効である。
3 規程は一方的に策定されたが、勤務規則による職務発明
の予約承継は許される。Zも開示された規程を知っていた。
策定への事前関与がないだけで承継規程は無効とならず、X1社の
通知時承継も直ちには否定できない。相当の利益の定めがあれば、
協議等の欠如はその給付の合理性及び額に作用し得るが、権利帰属
と混同してはならない(同条4~7項)。本件には相当の利益を定
めた基準や支払額の記載もないから、その合理性を断定できない。
4 Zは同じ権利を先にX2社、後にX1社へ譲った。先の譲
渡だけで第三者に勝てるわけではない。出願前の権利承継は、
承継人が特許出願をしなければ第三者に対抗できない(同法34
条1項)。X1社は後の譲受人としてX2社と対抗関係に立つ。
先に出願したのはX1社であり、X2社の後願は拒絶された。

(続きを読む...)令和8年度司法試験知的財産法第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文・判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験労働法第2問の参考答案と予想される評価項目―賞与不支給、団交拒否、組合ニュースの回収・掲示板停止を検討した33項目(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 評価項目の示し方第3 本問の概要第4 予想される評価項目1 設問1――民事上の賞与請求2 設問2――賞与交渉と不支給3 設問2――レターケース・掲示板・懲戒予告第5 参考答案答案の解説と結論の幅第6 公開「参考答案」の調査と参照範囲第7 出典と確認状態第8 令和8年度のほかの参考答案
第1 対象と結論

本記事は、法務省の令和8年度司法試験論文式問題に掲載された労働法第2問(問題冊子PDFの27~29頁)について、問題文、法令、判例及び労働委員会命令から、答案と評価項目を独自に予想したものである。法務省の出題の趣旨・採点実感、公式配点又は公式模範解答ではない。令和8年9月30日現在、それらの公表を確認しておらず、参照していない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

設問1では、Z組合の妥結通告だけでは労働協約の方式を満たさず、組合員の「基礎額×3.5か月」の確定的な賞与請求権は生じないと考える。設問2では、賞与交渉を計画的残業制度の承諾に従属させた団交拒否及び組合員への賞与不支給は不当労働行為となる。他方、レターケースの使用については、組合員宛ての従前の黙認と、非組合員を含む全員への新たな配布とを分ける。実際に満杯のケースから取り出すことと、全件回収・別の掲示板の全面停止・懲戒予告の相当性も別々に判断する。

第2 評価項目の示し方

以下の重みは本記事独自の予想である。5は設問が求める結論・救済への経路を成す判断、4は問題文が示唆する主要な条文・判例・反対事情、3は具体的事実から導かれる重要な理由付け、2は補強又は典型的な誤りを避ける区別、1は設問の射程を守る整理を表す。数字は配点ではない。「手掛かり」は問題冊子の頁・条項を示す。

第3 本問の概要

Y社は従業員約300人、Z組合は約180人で、本社・工場に分会を持つ。賞与は毎年団交後の協定書調印を経て支給されていた。会社は夏季賞与を基礎額×3.5か月と回答しつつ、計画的残業制度の了承まで賞与交渉をしないと通告した。組合は所定手続を経て賞与部分だけを承諾したが、会社は組合員に支給せず、個別に同意を得た非組合員には同率で支給した。さらに、組合が全従業員のレターケースに組合ニュースを入れたところ、会社は全部を回収し、組合掲示板を1か月停止し、再度の投函があればXの懲戒と掲示板許可取消しをすると告げた。

第4 予想される評価項目
1 設問1――民事上の賞与請求

番号
評価項目
重み
問題文の手掛かり
条文・判例

1
請求主体をXら個々の労働者、請求先をY社と特定する
2
設問1
労働契約

2
就業規則50条1~3項から、支給の原則と額の未確定性を区別する

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令和8年度司法試験倒産法第1問の参考答案と予想される評価項目―相殺・偏頗弁済否認・未払給与の代位(AI作成)

作成日:令和8年9月30日

目次

第1 この記事の対象と結論
第2 評価項目と重みの示し方
第3 問題の概要と答案の結論
第4 予想される評価項目
第5 参考答案
第6 争点の解説と公開答案の検討
第7 関連記事
第8 出典と確認状態

第1 この記事の対象と結論

この記事は、法務省掲載の令和8年度司法試験問題のうち、選択科目「倒産法」第1問(問題冊子2~3頁、配点50点)を対象とする。問題文の指示どおり、令和8年1月1日現在施行の法令で検討した。以下の評価項目、重み、答案及び解説は当ブログ独自の予想であり、法務省の出題の趣旨、採点実感、採点基準又は配点ではない。作成時点で対象年度の出題の趣旨及び採点実感は公表されておらず、参照していない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

結論は、設問1では破産管財人Xは本件定期預金1の1000万円を請求できないが、本件定期預金2の800万円を請求できる、設問2ではC社への150万円全額の弁済を否認できる、設問3ではDが代位取得した従業員の給与債権200万円を財団債権として破産管財人Xに随時請求する、というものである。設問1の定期預金2は、近時の裁判例との関係で異論があり得るため、第6で反対説を説明する。

第2 評価項目と重みの示し方

評価項目は、問題文の設問指示と配置事実、適用条文、関連裁判例から、一項目一判断を原則として抽出した。重みは5を答案の骨格、4を主要な反論・適用、3を中心的な事実評価、2を補強、1を形式・限定事項とする。これは相対的な重要度の目安であって、点数に換算できない。異なる筋でも、条文要件と事実を対応させ、相手方の反論を処理して救済まで示す答案は評価され得る。

令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の参考答案と予想される評価項目と同様に、重み5の件数・割合を他科目に合わせず、設問への応答又は結論に対する各項目の役割から判断した。倒産法は選択科目であり、同記事の7科目・330項目の集計には含まれない。

第3 問題の概要と答案の結論

A社は印刷業を営み、仕入先への支払が令和4年以降滞り、B銀行の2億円の貸金につき令和6年11月20日に期限の利益を失った。B銀行は同年12月10日、請求と従来の定期預金1000万円との相殺を当面控える条件として、印刷代金の同行当座預金口座への振込指定と、入金額の半分を定期預金に振り替えることをA社と合意した。開始時には従来の定期預金1が1000万円、合意後の定期預金2が800万円存在した。

C社は令和7年2月16日、A社に紙の仕入資金100万円を貸した。A社は3月5日、取引先から現金で回収した印刷代金150万円を用い、C社の旧貸付50万円と新貸付100万円を返した。C社はA社の支払能力の欠如を知っていた。DはA社の依頼を受け、同年6月3日、退職した従業員らの4月・5月分未払給与200万円を立て替えた。A社は6月10日に破産を申し立て、同月18日に開始決定を受けた。3設問は独立に検討する。

第4 予想される評価項目
1 設問1:B銀行の相殺と二つの定期預金

番号予想評価項目重み問題文の手掛かり・根拠
1Xの預金払戻請求に対するB銀行の相殺の抗弁から始める。4設問1・破産法67条1項
2自働債権が開始前の2億円の貸金債権、受働債権が各預金払戻請求権であると分ける。3問題冊子2~3頁
3期限の利益喪失と合意の「当面」の猶予を区別し、払戻請求時の満期も踏まえる。4令和6年11月20日・12月10日、設問の仮定
4定期預金1は危機時期前からある1000万円であり、後発債務負担による相殺制限の対象でないと論じる。4令和4年より前の預入れ・破産法71条1項2号
5B銀行が相殺を確定的に放棄したとの読みと、「当面控える」にとどまる読みを区別する。2本件合意の文言

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令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第1問の参考答案と予想される評価項目――公海上の船舶衝突、保険者への直接請求、船荷証券の管轄条項、外国判決の手続的公序(AI作成)

第1 対象と結論

本記事は、法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目の問題のうち、国際関係法(私法系)第1問(問題冊子42・43頁、配点50点)を対象とする。令和8年10月1日現在、同年度の出題の趣旨と採点実感は確認できない。以下の評価項目、重み及び答案は、問題文、法令、裁判例と公開された再現答案を照合して作成した独自の予想であり、法務省の採点基準・配点ではない。公開答案の照合を経た稿であり、問題文だけから作成した未読復元答案とは区別する。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本記事の主案は、①AのBに対する訴えにつき日本の国際裁判管轄を認める、②その損害賠償請求には甲国法と丙国法を累積適用する、③AのCに対する直接請求の存否も同じ法によって判断し、両法が直接請求を認めないため請求を棄却する、④Eの訴えについてAが甲国を選択した結果、日本の訴えを却下する、⑤丙国判決につきAの民訴法118条3号の主張を退ける、というものである。特に③と⑤は解釈及び事実評価の争いがあり、理由を示した別解を一律に誤答と扱う趣旨ではない。

第2 評価項目の作り方と重み

問題文で明示的に問われた法律関係ごとに、条文の選択、連結点、反対説の根拠、事実の評価及び結論を分けた。重み5は設問が検討を求め、欠くと主たる法的経路や結論が崩れる事項、4は問題文の事実が示唆する重要論点又は近接判例の中核命題、3は具体的事実から導く中心的な理由付け、2は補強又は典型的な誤りの回避、1は除外指示等の遵守に用いる。重みの数値を足して実際の点数を推定することはできない。別解を採る場合も、立場の違いだけでなく根拠と帰結が一貫しているかを重視する。

1 設問1・小問1(1)――日本の国際裁判管轄

番号

予想される評価項目

重み

問題文の手掛かり・根拠

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令和8年度司法試験租税法第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に予想した40項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と確認状態
第2 評価項目と重み付けの考え方
第3 本問の概要
第4 本記事が予想した評価項目

1 共通の前提
2 設問1―国庫補助金と圧縮記帳
3 設問2―ソフトウェア業の所得区分
4 設問3―著作権の低額譲渡
5 設問4―外注費と内縁の相手への賃料
6 重みの分布

第5 参考答案

1 答案の条件
2 答案
3 判断が分かれ得る箇所

第6 公開答案の調査結果
第7 判例秘書での裁判例照合
第8 出典
第9 令和8年度の参考答案とハブ記事

第1 この記事の対象と確認状態

本記事は,法務省が公表した令和8年司法試験の選択科目・租税法第1問を対象とする。
参考答案,評価項目,重み付け及び解説は,問題文,法令及び裁判例を基に本記事が独自に作成した予想である。

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令和8年度司法試験労働法第1問の参考答案と予想される評価項目―出向先の途中交替・育児中の単身赴任・解雇を検討した34項目(AI作成)

目次

この記事の対象と結論
評価項目と5段階の重み
事案と判断順序
予想される評価項目
参考答案
公開答案との照合と答案の読み方
関連記事・出典・確認状態

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省が掲載した令和8年司法試験の選択科目問題のうち、労働法第1問(問題冊子24~26頁、配点50)を対象とする。設問1はX3へのA社出向命令、設問2はX1のC社出向命令を拒否したことによる解雇の効力を問う。

本記事の参考答案は、X3にはA社への出向命令に従う義務があり、X1へのC社出向命令は権利濫用で無効、これに従わないことを理由とする解雇も無効とする。いずれも問題文、条文及び判例からの独自の結論である。反対結論も、必要性、人選、具体的な不利益及び解雇の相当性を事実に即して評価すれば論述可能である。

以下の評価項目、5段階の重み及び答案は法務省の採点基準・配点ではない。現時点で令和8年度労働法の出題の趣旨と採点実感は参照していない。公表前の独立した予想として読む必要がある。今回、先に作成した未読復元答案を保存したまま、公開の参考解答も照合した。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

第2 評価項目と5段階の重み

評価項目は、設問が問う法律効果、問題文が詳しく与えた事実、労働契約法14条・16条、育児介護休業法26条及び最高裁平成15年4月18日判決から抽出した。本記事が「書けているか」を確認するための項目であり、各項目の重複評価や機械的な加点を予定しない。

重み
本記事での意味

5
設問の結論に直結する法的判断と中心的な当てはめ

4
条文・判例の重要命題又は結論を左右する反対事情

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令和8年度司法試験倒産法第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 対象と結論の見取り図第2 評価項目を予想する方法と公開答案の照合第3 問題の骨格第4 予想される評価項目第5 参考答案第6 答案の読み方と許容される分岐第7 関連記事第8 出典と確認状態
第1 対象と結論の見取り図

作成日:令和8年9月30日。 令和8年司法試験の出題の趣旨・採点実感が公表される前に、法務省の問題、令和8年1月1日現在の法令、最高裁判決及び公開された同一問題の答案構成を照合して作成した記事である。以下の「評価項目」と「重み」は筆者の予想であり、法務省の採点基準、配点又は合格答案の保証ではない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本記事は、令和8年度司法試験の選択科目・倒産法第2問(民事再生法)だけを扱う。
設問1では、使用を終えた不動産を売るためにも担保権消滅許可を使えるか、許可を認めるとして担保価値をいくらとみるかが中心となる。
設問2では、再生計画による既存株式の取得・消却・減資と、スポンサーへの新株発行を行為ごとに分け、株主総会を経ない特則の要件を示す。
設問3では、解除による前払金返還請求権が本来は共益債権であることと、再生債権として届け出て計画が進んだ後に手続外で行使できるかを分ける。

結論は、設問1の許可には具体的な事業継続上の不可欠性の認定を要し、売価1億円が当然に担保価値とはならないこと、設問2の旧株主の排除とC社への出資を法定手続で実現し得るが募集株式が譲渡制限株式かは問題文から確定しないこと、設問3のE社による200万円全額の計画外請求は最高裁平成25年11月21日判決の射程で許されず、計画上の5%である10万円にとどまること、である。

第2 評価項目を予想する方法と公開答案の照合
1 評価項目と重みの意味

問題文の設問・配置事実を条文の要件と効果へ結び、設問3については対応する最高裁判決の事案・理由・射程を確認した。
重みは次の5段階で、答案上の優先順位を示すために付けた。
重みの合計を実際の得点と扱うことはできない。

重み
本記事での意味

5
設問の結論を左右する中心的な条文、判例又は対立事実

4
中心的な手続・効果、強い反論又は条件分岐

3
個別事実の評価、金額・時点の処理

2
補足的な手続・正確性を示す事項

(続きを読む...)令和8年度司法試験倒産法第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した38項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験経済法第1問の参考答案と予想される評価項目――推奨価格・3%リベート・販売代理店変更の30項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重み付けの方法第3 問題の構造第4 予想される30の評価項目第5 参考答案第6 公開答案との照合と結論の許容幅第7 関連記事第8 出典と確認状況

第1 この記事の対象と結論

本記事は、法務省公表の令和8年司法試験経済法第1問(問題冊子14~15頁)を対象に、独占禁止法上の論点と予想される評価項目を整理し、1行30字以内・92行の答案を示す。評価項目、重み、答案はいずれも本記事独自の予想であり、法務省の採点基準又は配点を示すものではない。令和8年の出題の趣旨・採点実感は、本記事の作成時点では公表されておらず、参照していない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

設例1では、推奨価格を下回る販売代理店に3%のリベートを支払わない方針が通知され、現に多くの代理店が値下げをやめた。独占禁止法2条9項4号イの再販売価格拘束に当たり、正当な理由も認め難く、19条違反と考える。設例2では、他店の登録顧客を獲得する場合だけ署名捺印した変更理由書、A社の確認待ち、書面不提出時のリベート不支給を課す。この一体の仕組みは、顧客切替えを妨げるおそれが強く、同法2条9項6号ニ・一般指定12項の拘束条件付取引として19条違反の可能性が高い。ただし、設例2は実際の価格上昇や変更拒否が与件にないため、価格競争を促す側面を十分に評価して適法とする結論にも議論の余地がある。

第2 評価項目と重み付けの方法

問題文の事実、独占禁止法、公取委「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」、平成17年度相談事例「メーカーによる流通業者に対する販売先制限」を対応させた。公開の令和8年経済法第1問の再現答案も全文を確認し、特に設例2の反対結論を検討した。公開答案は答案の比較対象であり、法源又は公式の採点資料ではない。

重み5は、設例への応答で欠くと主たる法的経路が崩れる条文選択又は事実評価の骨格、4は問題文や関連資料が示唆する重要な分析、3は具体的事実から導く主要な理由付け、2は補強や典型的な誤りとの区別、1は記載上の注意を意味する。数値は学習上の優先順位であり、法務省の配点ではない。評価項目は、結論の一致よりも、要件と問題文の事実を結ぶ過程を対象とする。主要7科目のハブ記事と同様、重み5の件数や割合を他科目に機械的に合わせない。経済法は主要7科目の集計対象には含まれない。

第3 問題の構造

A社だけが電子機器甲を製造する。他社の甲型ソフトは機能・効用が類似し、周辺機器込みでも安価なため、新規客の大多数が選ぶ。一方、甲の既存客は操作習得とデータ移行の負担から甲型ソフトへ移りにくく、甲の需要は買換えが中心である。甲と甲型ソフトを併せた市場におけるA社のシェアは25%だが、この数字だけで既存客の代理店選択における競争の重要性は測れない。

甲の代理店は顧客を登録し、カスタマイズ・指導・保守に加え、買換え時にはもともと甲を販売した代理店がデータ移行を行う。そこで安値による顧客奪取を嫌う代理店がA社に制約を求めた。ただし、代理店同士の合意は問題文にない。検討すべき主体はA社であり、二つの設例は独立している。問題文の設例1は14頁、設例2は15頁にある。

第4 予想される30の評価項目
1 共通の前提

番号
評価項目
重み
問題文・根拠

1
設例1と2を独立に検討し、対象をA社の行為とする
4
14頁末、15頁設問

2

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令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第2問の参考答案と予想される評価項目――離婚の方式、嫡出否認、国際扶養(AI作成)

令和8年9月30日作成。

この記事の参考答案、評価項目、重みは、法務省の問題冊子と法令・資料を基に作成した独自の予想であり、法務省の答案、採点基準、配点ではない。令和8年度の本問について、出題の趣旨及び採点実感は作成時点で公表されていない。公開されている受験者の再現答案も参照したが、問題文・法令と照合して採否を決めた。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

目次第1 対象、結論及び答案の前提第2 予想評価項目の作り方第3 事案の概要第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)1 設問1――離婚の準拠法と方式2 設問2――嫡出推定と嫡出否認3 設問3――Eに対する扶養義務4 答案全体第5 参考答案第6 争点と公開答案の検討1 設問1――転居予定と離婚届の方式2 設問2――血縁と法律上の父3 設問3――「未成年」をどう判定するか第7 資料と確認範囲1 問題・法令・裁判例2 公開答案の調査3 確認状態
第1 対象、結論及び答案の前提

本記事は、令和8年度司法試験の選択科目「国際関係法(私法系)」第2問(配点50点、問題冊子の印字頁44~45頁)を扱う。公法系科目の問題でも、同じ選択科目の第1問でもない。問題は法務省の掲載ページから確認できる。

本記事の結論は、設問1の離婚届は受理されるべきであり、設問2ではDはABの嫡出子と推定される一方、Bによる嫡出否認の訴えは甲国法の90日の期間を過ぎていて不適法であり、設問3ではBのEに対する扶養義務が認められる、というものである。設問3は「未成年」の性質決定に異論があり、義務に至る準拠法の経路は一つに確定できない。

各設問は独立しており、問題文の指示どおり反致と国際裁判管轄権は検討しない。法務省の令和8年司法試験Q&AのQ29・30によれば、出題に係る法令の基準時は原則として令和8年1月1日である。したがって、同年4月1日施行の民法改正による新規定をこの答案へ持ち込まない。例えば、親の扶養責務に関する民法817条の12は答案の根拠としない。

第2 予想評価項目の作り方

設問の問い、明示された国籍・常居所・時点、架空甲国法P~U条、対応する日本の抵触規則・実質法から、一行につき一つの確認事項を抽出した。重みは学習上の優先度であり、50点の内訳や実際の採点表ではない。 重み5は、設問への応答又は主たる準拠法の経路を欠かせない判断、4は問題文の事実が示唆する中心的な命題、3は具体的事実から導く重要な理由付け、2は補強や典型的な誤りの回避、1は検討範囲の指示の遵守に置いた。公開答案との一致そのものを重みの根拠にはしていない。

この区分は、令和8年度司法試験・主要7科目の参考答案ハブ記事が示す5段階の重み付けと判断の方向をそろえたものである。本問では、独立した3設問の主たる法的経路を細かく分けた結果、37項目のうち重み5は21項目となった。主要7科目の記事は選択科目を集計対象としておらず、他科目の重み5の割合に合わせて本問の項目を増減させていない。

第3 事案の概要

A男は甲国籍、B女は甲国・日本の重国籍で、共に出生以来甲国に常居所を有していた。設問1では、婚姻から3年後に関係が破綻し、合意による別居判決が確定して8か月後、Bが転居先を探して日本に数日間滞在中に、日本法による協議離婚届を提出した。甲国法は、事実上の2年の別居に基づく裁判離婚とは別に、合意別居の確定判決から6か月後の合意離婚と身分登録役場への届出を定める。

設問2では、ABの裁判離婚から150日後にBがCとの子Dを出産し、Cと共に養育している。甲国法は婚姻解消後300日以内の子を旧夫の嫡出子と推定し、母又は推定上の父による嫡出否認の訴えを出生の翌日から90日以内に限る。BはDの出生から6か月後にAを相手方として調停を申し立て、調停不成立後に訴えを提起した。

設問3では、ABの子Eは甲国・日本の重国籍で、離婚後、Aが単独親権者として甲国でEを養育している。Bは甲国籍を選択して日本に常居所を移した。Eが16歳の頃、失職したAがBへEの扶養料を求める。甲国法は親の「未成年の子」に対する扶養義務と、16歳の成年年齢を定める。

第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)
1 設問1――離婚の準拠法と方式
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠1離婚の実質的成立要件と届出方式を区別する5Q条2項の二つの文、通則法27・34条2通則法27条本文が25条を準用する順序を示す4同一本国法→同一常居所地法→最密接関係地法3Bの重国籍について通則法38条1項ただし書を適用し、日本法をBの本国法とする5Bは甲国・日本の重国籍4AとBに同一本国法はないと判定する4Aは甲国法、Bは日本法5日本への転居予定と数日間の住居探しから、日本への常居所移転を認めない5設問1の滞在目的・期間6日本の常居所を欠くため27条ただし書を適用しない5「日本に常居所を有する日本人」7夫婦の同一常居所地法として甲国法を選ぶ5両者が甲国に継続居住8P条1項の事実上の別居2年とP条2項の合意別居判決を区別する4P条の二つの制度9確定後8か月と双方の離婚合意からQ条2項の実質要件を満たす56か月経過の要件10身分登録役場への届出を方式と性質決定し、その理由を示す5Q条2項後段、通則法34条11通則法34条2項の行為地法による方式を日本の協議離婚届に当てはめる5日本における届出、民法764・739条12問題文にない署名欠缺を仮定せず、受理の結論を示す2双方の離婚合意と届出提出の明示
2 設問2――嫡出推定と嫡出否認
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠13通則法28条1項の夫婦一方の出生時本国法による選択的成立を示す5小問1の「嫡出子と推定」14Aの甲国法と、Bの日本法を出生時の候補法として特定する5国籍、通則法38条1項ただし書15甲国R条の婚姻解消後300日以内を150日に適用する4R条、離婚から出生までの日数16日本民法772条1・2項の推定も示す4日本で有効な離婚、再婚なし17Cとの血縁認識だけでAの嫡出推定が消えないことを説明する4BCの交際・養育と法律上の父の区別18推定の及ばない子に当たる客観的な性交渉不能事情が示されないと検討する3破綻と別居だけでは足りない19嫡出否認を推定と表裏の問題として28条の適用範囲に置く5小問2の訴え20両法で成立する嫡出関係を覆すには両法の否認要件を満たすと論じる528条の成立促進の趣旨21日本法上の母の否認権、相手方、3年の期間を確認する4民法774条3項、775条1項3号、777条1項3号22甲国S条の90日を出生翌日から起算し、6か月後の申立てより前に満了したと示す5S条、時系列23調停不成立やAの放置は期間満了を回復せず、訴えを不適法と結ぶ5甲国法の否認制限、設問の結論要求24期間を単なる日本の訴訟手続とせず、否認の可否に係る要件として扱う228条の保護構造
3 設問3――Eに対する扶養義務
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠25Eの扶養をAB間の離婚後扶養、親権の準拠法と区別する5通則法43条1項、扶養法2・4条26扶養法2条の第一順位としてEの常居所地法たる甲国法を指定する5Eは甲国に常居所27甲国T条「未成年」の性質決定とU条の16歳を検討する5Eは16歳、T・U条28T・U条を一体の甲国実質法とみる構成では第一順位で請求できないと示す5甲国法上の成年29扶養法2条1項ただし書の共通本国法へ順に進む4扶養を受けられない場合の補正的連結30Eの重国籍を扶養法上の共通甲国籍として捉え、通則法38条を機械的に移さない5Bは甲国籍のみ、Eは甲国・日本籍31共通甲国法でも扶養を受けられないため2条2項の日本法へ進む5T・U条と2条2項32日本民法4条・877条1項により、16歳のEへのBの扶養義務を認める5成年18歳、直系血族間の扶養33「未成年」を独立の先決問題とする構成を示し、通則法4・38条から日本法を指定する4東京高決平成18年10月30日を紹介する文献34その構成では甲国T条の段階でBの義務を認め、適用法の違いを明記する4同判例の考え方と本問の差異35Aの監護・失職とBの負担、Eの需要を分け、具体額は未確定とする3民法879条、双方の資力資料なし36Aの監護親としての申立てとEの権利の代理行使を区別し、扶養法6条・利益相反を検討する3Aによる家庭裁判所への申立て
4 答案全体
番号評価項目重み問題文の手掛かり・根拠37各設問を独立に扱い、反致と国際裁判管轄権を論じない1問題文冒頭の指示

37項目の内訳は、重み5が21項目、4が10項目、3が3項目、2が2項目、1が1項目である。この分布も予想にすぎない。特に設問3の番号27~34は、同じ結論でも法的経路の説明に差があるため、機械的なチェック数だけで答案を評価できない。

第5 参考答案

以下は本記事独自の参考答案である。選択科目1問の上限を意識して、見出しを含めて1行30文字以内・92行に整えた。改行は答案の表示用であり、引用元の答案ではない。

第1 設問1
問題は、離婚の実質的成立要件と方式を分けて準拠法を決めること
である。外国の離婚法が協議離婚を許すか、別居判決をどの段階で
要求するかは離婚の可否・要件である。他方、合意をどの官署へ届

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令和8年司法試験・国際公法第1問―外交的保護・犯罪人引渡し・外交官免除と参考答案(AI作成)

目次第1 対象と結論第2 予想評価項目の作り方第3 本問の概要第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)第5 参考答案第6 設問別の解説と異論第7 公開答案の調査結果第8 根拠資料と確認範囲

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和8年・第1問を扱う。主な論点は,外交的保護・犯罪人引渡し・外交官免除である。参考答案,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

作成日:令和8年9月30日

この記事の参考答案、評価項目及び重み付けは、法務省が公表した問題と条約・国際法委員会資料等を基に独自に作成した予想であり、法務省の採点基準・配点を示すものではない。令和8年度の国際関係法(公法系)の出題の趣旨と採点実感は、作成時点で未公表である。これらを読んで作成したものでもない。本記事の答案は、令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため、「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

第1 対象と結論

対象は、令和8年度司法試験の選択科目「国際関係法(公法系)」第1問(配点50点、問題冊子38~39頁)である。「公法系科目第1問(憲法)」とは別の問題である。法務省の問題掲載ページから選択科目の問題冊子を確認できる。

本記事の結論は、①B国はXの財産没収につき、請求提示時までのB国籍継続を前提に外交的保護を行使できる、②C・D間に引渡条約がなければD国は原則として引渡義務を負わず、条約があれば対象犯罪・双方可罰性等の条約上の条件と政治犯罪例外を吟味する、③E国裁判所は、Qによる個人的利得目的の有償講演を、外交関係に関するウィーン条約31条1項(c)の公務外の職業上又は商業上の活動と評価して民事裁判権免除を否定したと考えられる、というものである。③には単発の講演が「活動」に当たるかという解釈上の留保がある。

第2 予想評価項目の作り方

以下の項目は、各設問の動詞と指定事項、問題文に明示された事実、関連条文の要件から予想した。各行は「答案に書かれていれば何を確認できるか」を一つずつ示す。これは独自の学習用チェックリストであり、実際の採点項目や得点を再現したものではない。

重み5は、設問が問う結論を導く答案の骨格となる法源・要件と決定的な当てはめ、重み4は問題文の事実が示唆する重要事項や中心的な補強、重み3は具体的事実から導く主要な理由付け、重み2は補強事項又は典型的な誤りの回避、重み1は除外指示の遵守など控えめな事項とした。この5段階の考え方は令和8年度の主要7科目の参考答案一覧と整合するよう整理した。ただし、各項目の重みは本問の設問と事実に即した予想であり、他科目の件数や比率に合わせて調整していない。重みは点数ではない。令和7年の同科目の採点実感は、基本概念と主要条約・判例の正確な理解、設問に即した事例の考察、論理的な構成と理由付けを重視すると述べる。ただし、これは前年の一般的な採点方針を参照したにとどまり、本問の公式評価項目を示す資料ではない。

第3 本問の概要

XはA国籍で出生し、B国民Yとの婚姻後にB国法によりB国籍を取得し、A国籍を失った。B国に居住し、C国に財産を所有するXは、C国の核開発政策に対する抗議運動に参加し、C国政府に財産を没収された。C国で政府措置による損害を救済する手段は外国人には開かれていない。設問1は、没収の国際違法性を前提に、B国の外交的保護の可否を問う。

A国民Pは同じ抗議運動のリーダーの一人で、D国へ逃亡した。C国は内乱罪による訴追のため引渡しを求める。設問2は、C・D間に引渡条約がない場合とある場合を分け、D国の義務を問う。

C国外交官Qは、E国の新聞社甲にC国事情についての講演を自ら申し出た。「個人的な利得」を目的と明言し、講演料を個人口座で前受けしたが、当日来場せず返金にも応じなかった。設問3は、甲の返金訴訟でE国裁判所がQの民事裁判権免除を否定した理由を問う。C国とE国は外交関係に関するウィーン条約の当事国である。

第4 予想される評価項目(法務省の資料ではない)
1 設問1――外交的保護
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり1B国がXの損害を国家間請求として取り上げる外交的保護の構造を示す4国際法委員会・外交的保護条文案1~3条2没収の国際違法性は設問上の前提として受け入れる2設問1のただし書3国籍国による保護と、被害時から請求提示時までの国籍継続を示す5同条文案3~5条4B国籍取得とA国籍喪失が没収より前であり、Xは被害時にB国民だったと示す5問題冊子38頁の時系列5請求提示時までB国籍が続くことを条件として明示する4同条文案5条1項6A国籍で出生したことやC国での財産所有・短期滞在を、B国の請求資格を否定する事情としない3問題冊子38頁の国籍・居住・財産の事実7国籍の真正な結合を一般的な追加要件として機械的に課さない2国籍の取得は条文案4条、継続は5条で吟味8個人の被害に基づく請求には原則としてC国の国内救済完了が必要と示す5同条文案14条9外国人は全救済手段を利用できないため、実効的に利用可能な国内救済がないと当てはめる5同条文案15条(a)・(d)、問題冊子38頁10B国には行使権があっても、Xに対する行使義務まで当然に生じるわけではないと結ぶ3同条文案2条・19条
2 設問2――犯罪人引渡し
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり11C国の訴追権とD国の引渡義務を分ける4設問2の「D国は…義務を負うか」12引渡条約がない場合に、一般国際法上の包括的な引渡義務はないと示す5国際法委員会2014年最終報告、ICJ・ロッカービー事件の小田裁判官反対意見20段落。後者は法廷意見ではない13内乱罪について別の特別条約・合意による義務は問題文上与えられていないと示す3問題冊子38頁14引渡条約がある場合には、その条約の対象犯罪・条件により義務を判定すると示す5欧州犯罪人引渡条約1~2条は条約条項の比較例15双方可罰性や法定刑の閾値等を、実際の条約文言に従って吟味する4同条約2条。ただしC・D間に直接適用されない16「内乱罪」という罪名のみからD国法での可罰性を断定しない3Pの具体的行為とD国法が不明17内乱罪の政治秩序に対する性質から政治犯罪例外の適否を論じる5同条約3条は比較例18具体的暴力行為や普通犯罪の有無が不明で、例外適用を確定できないと示す3問題冊子38頁の事実の限界19政治犯罪例外がある条約とない条約、義務的・裁量的な拒否事由を一律に扱わない4適用条約の文言は問題文にない20PがA国民である以上、「D国民は引き渡さない」という論点を決定的理由にしない2問題冊子38頁
3 設問3――外交官の民事裁判権免除
番号評価項目重み根拠・問題文の手掛かり21外交官は在任中、私的契約に関する訴訟でも原則として接受国の民事裁判権から免除されると示す5外交関係に関するウィーン条約31条1項2231条1項(c)の例外の「接受国内」「公務外」「職業上又は商業上の活動」「関連訴訟」を挙げる5同条約31条1項(c)23講演内容がC国情勢でも、それだけでQの公務と断定しない3個人的利得目的との明示24Qが自ら講演を提案し、有償の役務提供を引き受けた事実を評価する4問題冊子38頁25講演料の事前振込先がQ個人の口座であることを、個人の収益活動の根拠とする4問題冊子38頁26甲の返金請求は当該講演の取引から直接生じた訴えと示す4問題冊子38~39頁27有償の私的契約一般をすべて「商業上の活動」としない4英国最高裁 Basfar v Wong 判決28~32、59~61段落を参照。家事労働の事案であり本問の結論を直接決めない28一回限りの講演が「活動」に当たるかにつき、継続性を要求する解釈にも触れる3国際法委員会1958年資料57頁29それでもQ自身が対価を得る役務の提供者となった点から、裁判所が例外に当てはめた理由を示す5設問3は免除否定判示の理由を問う3042条の個人利得目的の活動禁止と、31条1項(c)の免除例外を区別する4同条約31条・42条
4 答案全体
番号評価項目重み手掛かり31設問1~3をそれぞれ独立に結論まで書く43つの設問の指示32条文・規範の後に具体的事実を評価し、結論へつなげる4前年の採点方針も参照33与えられない条約文言・具体的犯罪行為・講演の反復性を補って断定しない2問題文が置いていない事実

上表の33項目の内訳は、重み5が10項目、4が12項目、3が7項目、2が4項目、1が0項目である。重み1に当たる周辺事項を独立の項目として立てていないため、5段階の全てに項目を割り当ててはいない。これは問題文から予想した重要度の分布であり、主要7科目の分布と同じ割合にそろえたものではない。

重みの合計を実際の配点に換算することはできない。とくに設問2は条約の内容が示されていないため、引渡義務の有無を無条件で確定する答案より、条件と拒否事由を分ける答案が、問題文に忠実だと考える。

第5 参考答案

以下は、選択科目1問の入力上限を4頁×23行×1行30文字として、92行・各行30文字以下に整えた答案である。改行を除き2643文字。前回作成した未読復元答案をそのまま収録し、本記事のために上書きしていない。CBTの行数・字数の説明も参照されたい。答案中にURLは入れず、出典は第8にまとめた。

第1 設問1
1 外交的保護とは、国が自国民に対する他国の国際違法行為を理
由に、その責任を外交交渉等の平和的手段で追及することである。

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令和8年度司法試験経済法第2問の参考答案と予想される評価項目―共同購入・購入価格の上限合意・一方的追随を3段階で検討する(AI作成)

目次
第1 この記事の対象と結論第2 評価項目と重みの付け方第3 問題の概要と3段階の整理第4 予想される評価項目第5 参考答案第6 公開答案との照合と解説第7 判例秘書での裏取りと校訂第8 出典及び確認状態
第1 この記事の対象と結論

本記事は,法務省が公開した令和8年司法試験論文式試験問題集[選択科目]の経済法第2問(問題冊子16~17頁)について,問題文,独占禁止法及び公正取引委員会の公表資料から独自に作成した答案と予想評価項目を示すものである。法務省の出題の趣旨,採点実感又は採点基準を示すものではない。令和8年9月30日の執筆時点で,これらの公式資料は公表前であるものとして,その内容を参照していない。本記事の答案は,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本記事の結論は,⑴B社・C社の共同購入と価格上限の合意には相互拘束があるが,この段階で競争の実質的制限を認めるには足りない,⑵A社が加わった購入価格上限の合意は国内のα購入市場における不当な取引制限となる,⑶D社は先行3社の行動を知って追随したが,意思の連絡が認められず合意参加者とはならない,というものである。⑴の結論には異論があり得る。公開再現答案には⑴から違法とするものがあるため,第6で根拠を照合した。

本記事には,公開答案との照合及び判例秘書での関連裁判例の確認を経た独立の予想答案を掲載する。評価項目と解説も本記事独自の予想である。

第2 評価項目と重みの付け方

1項目に1つの判定対象を置き,問題文の具体的な手掛かりを対応させた。重み5は設問が各段階で明示に検討を求め,かつ答案の骨格となる事項,4は問題文の事実が示唆する主要論点又は関連判例の中核命題,3は具体的事実から導く中核の理由付け,2は補強又は典型的な誤りの回避,1は数値の正確な表記など控えめな事項を表す。重み5の数を他科目の比率に合わせる調整はしていない。重みは答案作成上の優先順位を示す便宜的な数字であり,公式配点や実際の得点ではない。結論が分かれ得る⑴では,違法・適法のいずれかの結論自体ではなく,市場と効果に即した論証を評価する。

第3 問題の概要と3段階の整理

差別化されない化学製品甲の国内向け販売シェアはA社30%,B社20%,C社20%,D社15%,その他3社と輸入の合計15%である。甲の原材料αは国内の主要10社が製造し,ほぼ全量を甲メーカー7社に供給する。αの輸出入と他用途への転用は限られる。α購入費用は甲の製造費用の約80%,製造費用は甲の製品価格の60~70%である。

⑴B社とC社は,購入希望数量の集約とB社による交渉・供給者選定という方針①,前年度の両社平均購入価格を「目標上限値」としてその額以下で交渉する方針②を合意した。しかし,ほとんどの取引で上限以下の購入には至らなかった。⑵A社は方針①を断り,方針②だけに同調し,A・B・Cの大多数の取引で上限以下の購入が実現した。⑶C社の担当外従業員が私的会食でこの取組をD社調達責任者に伝え,D社は自らの判断で同じ上限を使って交渉した。甲の製造販売は各社が独立して続けた。

本問では,購入側のα市場と販売側の甲市場を分け,B・Cの共同購入とAを含む価格上限合意を分け,時点ごとに合意参加者を確定する必要がある。公取委の共同調達に関する相談事例も,原材料の需要に占める共同購入者の割合と,川下製品の販売シェア・原材料費の割合を別々に検討している。

第4 本記事独自の予想評価項目(法務省の資料ではない)
番号予想される評価項目重み問題文の手掛かり・一次資料
1⑴⑵⑶を別の時点・行為・参加者として整理する5設問「各段階」
2主たる検討条文を独禁法2条6項・3条の不当な取引制限とする5競争者間の共同調達・価格合意
3「共同して」に意思の連絡が必要で,単なる同調だけでは足りないと示す4⑶の一方向の情報提供,公取委の郵便区分機類事件審決
4αの国内購入市場を検討し,輸送困難・輸出入僅少・他用途への転用困難を評価する5冒頭のαに関する事情
5甲の国内向け販売市場を別途検討し,α購入市場と混同しない4甲の用途,輸入品の増加
6甲の販売シェアをαの購入シェアと同一視せず,推認の資料として使う27社へのα供給と各社の甲販売シェア
7方針①の購入数量集約,交渉一元化,供給者選定の共同化を特定する3⑴方針①
8方針②を将来の購入価格交渉に関する共同の上限設定と捉える5⑴方針②
9B・C間の方針①②の明示の合意と相互拘束を認定する4⑴「合意した」
10共同購入による調達の効率化可能性と価格競争の制限可能性を両方評価する3⑴「購入の合理化」,公取委の共同調達相談事例
11⑴のα購入市場で,2社の需要規模に加え,10供給者・他の需要者という競争圧力を評価する4冒頭と⑴
12⑴でほとんど上限以下に購入できなかった事実を,合意不存在ではなく競争効果の事情として扱う4⑴末尾
13⑴の甲販売市場で共通費用と独立販売の両面を評価する3αの費用割合,⑵後の独立販売の記載
14⑴の適法・違法を市場ごとの実質的制限の理由を付けて結論付ける5⑴全体
15Aは方針②のみ参加し,方針①の参加者に含めない4⑵A社調達責任者の発言
16Aの同調表明とその後の実施から,A・B・C間の意思の連絡を認定する5⑵9月・10月の経過

(続きを読む...)令和8年度司法試験経済法第2問の参考答案と予想される評価項目―共同購入・購入価格の上限合意・一方的追随を3段階で検討する(AI作成)

令和8年司法試験・国際公法第2問―難民・武器供与・ICJ管轄権と参考答案(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方1 評価項目の作り方2 5段階の基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み1 設問1―Yの難民該当性2 設問2―B国の武器供与3 設問3―ICJの管轄権に関するA国の反論4 答案全体第5 参考答案1 答案の位置付け2 答案3 設問別の解説と答案の射程第6 公開答案との照合1 本問そのものの公開答案の確認範囲2 類題の公開答案・答案作成例第7 出典及び確認状態1 一次資料2 参考記事・答案作成例3 確認状態と残る不確実性第8 令和8年度の関連答案・一覧

本記事は,司法試験の国際公法(正式科目名「国際関係法(公法系)」)の令和8年・第2問を扱う。主な論点は,難民・武器供与・ICJ管轄権である。参考答案,評価項目と重み付け,設問別の解説を掲載している。年度をまたいで論点を復習する場合は,司法試験の国際公法―過去問・答案と論点別ガイドを参照。分野の基本は,国際公法とは―国際法・国際私法との違いと基本事項で説明している。

第1 この記事の対象と結論

本記事は,法務省が公表した令和8年司法試験の国際関係法(公法系)第2問(問題冊子40頁)を対象とする。
以下の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,問題文,条約及び国際司法裁判所(ICJ)の判決から独自に作成した予想であり,法務省の採点基準,配点又は出題の趣旨を示すものではない。
令和8年9月30日の原稿作成時点では,本問の出題の趣旨及び採点実感は公表されておらず,本記事の作成に当たって読んでいない。
本記事の答案は,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

結論として,設問1のYは政治的意見を理由とする迫害を恐れてA国の外にいる難民に該当し,設問2のB国による反政府武装組織への武器供与は国連憲章2条4項の武力不行使原則に違反すると考える。
設問3では,B国の多数国間条約留保を前提としても,A国は憲章上の請求とは独立した慣習国際法上の武力不行使義務違反を主張し,その請求についてICJに管轄権があると反論できる。
設問3が問うのはA国の管轄権に関する反論であり,本案で必ず勝訴するとの断定ではない。

第2 本記事独自の評価項目と重みの付け方
1 評価項目の作り方

各項目は一つの判定対象に絞った。
問題文の事実から法的要件へのつながりを示す項目,条約・判決の中核命題を示す項目,設問の除外指示を守る項目を区別した。
以下の「重み」は答案で欠けた場合に主たる法的経路がどの程度崩れるかという本記事の見立てであり,公式配点を推測した数字ではない。

2 5段階の基準

①重み5:設問が明示に問う事項のうち,答案の骨格となる要件・判決命題・当てはめ又は結論。
②重み4:問題文の事実が強く示唆する事項,又は中心に近い判決命題・重要な反論。
③重み3:具体的事実から導く重要な理由付け又は法的区別。
④重み2:結論を補強し,典型的な誤りを避ける事項。
⑤重み1:設問の除外指示の遵守などの補助的事項。

この区分は,令和8年度司法試験の主要7科目の参考答案一覧に示された5段階の基準の骨格と整合する。重み別の件数や割合は,設問構成と評価項目の切り方によって変わるため,科目間で同じ分布にそろえず,配点又は得点にも換算しない。

第3 本問の概要

A国ではα党が議席の約9割を占め,党首Xの大統領就任後,β党員への弾圧が始まった。
β党員Yは人権保障と民主制を訴えるデモに参加し,α党への転向を拒んだ後,A国官憲から反復して意識を失うほどの暴行を受け,B国に逃れた。
一方,β党員の一部はA国でβ自由戦線を結成して武装闘争を開始し,B国はA国政府の打倒を目的として同戦線に武器を供与した。
A国・B国は国連加盟国及び難民条約・議定書の当事国であり,いずれもICJ規程36条2項の選択条項受諾宣言をしたが,B国には「多数国間条約の下で生ずる紛争」を除く留保がある。

設問1はYの難民該当性,設問2はB国自身の武器供与が国連憲章上の武力不行使原則に違反するか,設問3はA国がB国の管轄権不存在の主張にどう反論できるかを問う。
設問1は難民条約の時間的・地理的制約,設問2は違法性阻却事由を検討対象から外している。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み

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司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 予想評価項目の前提と限界第3 予想評価項目を作る順序1 設問が指定する立場・成果物・検討範囲を固定する2 求められる法的効果又は救済から主たる法的経路を逆算する3 一つの評価項目を一つの判定対象にする4 有利な事実と不利な事実を対にして置く5 代替構成・補強事情・除外事項を区別する第4 5段階の重み付け第5 重要度と答案の長さは別である第6 条文と判例の使い方第7 模範解答との対応第8 令和7年度と令和8年度の記事の違い第9 予想評価項目の読み方第10 公式資料公表後の照合方法第11 関連記事第12 出典及び確認状態

第1 この記事の対象と結論

予想評価項目を復習に使う手順
①問題文だけを読んで自分の答案又は構成を残す。
②設問の指定に答えているか,規範・事実の評価・結論がつながっているかを確認する。
③評価表の適用条件と自分の採用構成を対応させ,不足した理由付けや当てはめを書き直す。
④公式の出題の趣旨・採点実感が公表された後は,予想と公式資料を分けて照合する。

例えば,別の立場を採った場合にだけ必要となる「許容分岐」の項目は,その立場を採らない答案の不足項目として数えない。重み5の項目であっても,条件付きの項目を全答案へ一律に累積させず,重みの合計を公式得点に換算しない。各年度の答案への入口は,司法試験の過去問・参考答案一覧にまとめている。

本記事は,司法試験論文式試験について,法務省の「出題の趣旨」及び「採点実感」が公表される前に,問題文,法令及び判例から予想評価項目を作る方法と,その予想評価項目を使って模範解答を読む方法を整理するものである。

結論からいえば,予想評価項目は,論点名をできるだけ多く並べる一覧ではない。まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から逆算して,答案の主たる法的経路を組み立てる。その上で,条文又は規範,理由,具体的な事実の評価,法的効果及び結論を,一つの項目に一つの判定対象となるように分けるのが基本である。

5段階の重みは,法務省の配点を示すものではない。重み5は,その記載を欠くと設問への応答又は結論・救済に至る法的経路が崩れる事項を中心とし,重み4以下は,中核の理由付け,当てはめ,補強,典型的な誤りの回避又は除外指示の遵守という機能に応じて付ける。項目数や重みの合計を,得点又は科目間の難易度とみなすことはできない。

第2 予想評価項目の前提と限界

公式資料の公表前に作る評価項目は,あくまで独自の予想である。問題文が明示した事項,問題文から合理的に導かれる事項,法令又は判例から補う事項,なお不明な事項を区別し,法務省の採点基準又は配点であるかのように示してはならない。

予想の根拠は,原則として,①設問の文言,②問題文中の会話・会議録・資料,③問題文に置かれた特徴的な事実,④試験の基準日に施行されている法令,⑤設問との直接の関連性がある判例である。民間の答案解説は,論点の見落としや記載の過不足を再点検するための補助資料にはなるが,それだけを評価項目又は重みの根拠にはしない。

また,公式資料が公表された後に,公表前の予想を公式の評価項目に見せ替えてはならない。公表前の予想はそのまま残し,別に照合結果を示すことで,どこまで予想でき,どこが過剰又は不足であったかを検証できる。

松岡久和教授のオーラルヒストリーには,過去の採点で答案を試しに採点し,採点方針を調整した経験が記されている。この経験談から,現在の問題別の内部採点基準や配点を確認したことにはならない。
法務省の司法試験委員会決定等の掲載ページにある令和8年用の考査委員会議申合せは,答案全体を「優秀」,「良好」,「一応の水準」又は「不良」の4区分で評価する際の得点範囲とおおまかな分布の目安を示し,さらに考査委員・問題による採点格差を平均点と標準偏差で調整する仕組みを定めている。これに対し,本記事の5段階は,個々の予想評価項目が答案の法的経路で果たす重要度を整理するための独自の表示である。「重み5は優秀,重み4は良好」という対応関係はなく,5段階の合計を4区分,公式得点,合格又は順位へ換算することもできない。

第3 予想評価項目を作る順序
1 設問が指定する立場・成果物・検討範囲を固定する

最初に確認するのは論点ではなく,誰の立場で,何を,どの範囲で答えるかである。弁護士,検察官,行政庁の法曹資格者等の立場が指定されていれば,主張の方向,当事者に有利・不利な事情の扱い及び結論の示し方が変わる。設問が「反論」,「要件」,「証拠能力」,「救済方法」等を指定している場合は,その語を答案の見出しと法的経路に反映させる。

設問が明示的に検討不要とした事項や,結論に影響しない手続は,原則として展開しない。「書くことが少ない」という理由で,設問外の論点を付け加えるべきではない。除外指示の遵守自体を低い重みの評価項目として残すことは,答案の範囲を確認する上で有用である。

2 求められる法的効果又は救済から主たる法的経路を逆算する

次に,設問が最終的に求める法的効果又は救済を特定し,そこから逆算する。例えば,取消し,差止め,損害賠償,登記抹消,契約上の請求,無罪,有罪又は証拠排除のいずれを求めているのかを確定し,それに必要な条文,要件,規範,当てはめ及び結論を一本の経路として並べる。

条文又は規範を示しても,問題となる要件を特定せず,具体的な事実を評価しなければ,結論には到達しない。反対に,事実を多数引用しても,どの要件に関係するかが示されなければ,法的な理由付けにならない。評価項目は,答案がこの経路をたどっているかを点検できる順序で置く。

3 一つの評価項目を一つの判定対象にする

一つの項目に,規範,複数の理由,複数の事実及び結論をまとめて入れると,答案のどこまでが書けているかを判定できない。原則として,条文又は規範,規範の理由,主要な事実の評価,反対事実の評価,法的効果及び結論を分ける。

ただし,定型的な条文の指摘と直結する結論のように,答案上も一体として短く書くのが自然な事項まで機械的に分割する必要はない。分割の基準は文章の長さではなく,一部だけを書いた答案を独立に評価する必要があるかどうかである。

4 有利な事実と不利な事実を対にして置く

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司法試験の論文式答案をCBTで書くときの分量と書式―184行・5,520字の上限,改行と行数,入力できる文字及び無効答案(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 入力できる分量の上限1 公表資料の定め2 行数と字数の上限第3 改行と行数の関係1 改行すると行の残りは使えないと考えられる2 段落の分け方で入力できる字数は変わる3 1行おきの記載は無効答案とされ得る第4 入力できる文字と書式の制限1 半角文字と記号2 字下げと禁則処理3 日本語入力第5 答案の編集と保存の機能第6 零点となる答案1 無効答案と答案入力箇所の取違い2 取違いに気付いたときの直し方第7 答案を書くときの実際上の注意第8 関連記事第9 出典及び確認状態1 出典2 確認状態
第1 この記事の対象と結論

本文の字数・書式を確認する前に,設問の指定と必要な理由付けを整理する。規範・事実の評価・結論を省いて字数だけを合わせるのではなく,司法試験の過去問・参考答案一覧から同じ年度・科目の答案と解説を確認する。受験資格・試験科目・合格判定の全体像は,司法試験とはで整理している。

本記事は,令和8年司法試験から導入されたCBT方式(パソコンで答案を入力する方式)の論文式試験について,答案に入力できる分量と,答案の書式に関わる入力上の制限を,法務省の公表資料に基づいて整理するものである。
基準日は令和8年9月28日である。

論文式試験の答案は,1頁23行,1行当たり最大30文字で,必須科目は1問につき8頁,選択科目は1問につき4頁とされている。
したがって,入力できる上限は,必須科目1問につき184行・5,520字,選択科目1問につき92行・2,760字となる。

もっとも,段落ごとに改行して書くと,各段落の最終行の余りは使えないと考えられるため,実際に入力できる字数は5,520字より少なくなる。
例えば,1文ごとに段落を改めた令和8年度公法系第1問の参考答案(本記事の関連記事)は,4,540字で184行となった。
このほか,半角文字は入力できず,一部を除き記号も入力できない一方,見出しに使う「(1)」「①」「ⅰ」等は使用可能とされている。
1行おきに空けて書いた答案は,無効答案(零点)とされる場合がある。

CBTの端末操作,電子出願,持込品及び端末障害の一般的な説明は,関連記事の「司法試験のCBTとオンライン手続」に譲り,本記事は答案の分量と書式に絞る。

第2 入力できる分量の上限
1 公表資料の定め

司法試験考査委員会議申合せ事項「司法試験の方式・内容等について」(令和7年11月26日)は,論文式試験の「答案の頁数(入力可能文字数)」について,必須科目1問につき8頁,選択科目1問につき4頁とし,1頁は23行,1行当たり最大30文字の入力を可能とすると定めている。
法務省の「令和8年司法試験に関するQ&A」のQ73も,CBT試験で入力できる文字数について,同じ内容を回答している。

2 行数と字数の上限

頁数,行数及び1行当たりの字数を掛け合わせると,上限は次のとおりである。

区分頁数行数の上限字数の上限必須科目(公法系・民事系・刑事系の各問)8頁184行5,520字選択科目(各問)4頁92行2,760字

CBTシステム(体験版)の操作マニュアル(論文式試験)によれば,解答した文字数及び行数は答案入力欄の上部に表示される。
本番でも同じ画面構成であれば,入力しながら残りの行数を確かめることができる。

第3 改行と行数の関係
1 改行すると行の残りは使えないと考えられる

公表資料は,上限を「1頁23行」「1行当たり最大30文字」という行単位で定めており,操作マニュアルも文字数とは別に行数を表示するとしている。
本記事では,このことから,改行すると,その行の残りの字数は次の行に回らず,改行した時点で1行を使い切ると整理する。
ただし,公表資料には改行の扱いを直接説明した記載はなく,この点は本記事の推定である。
正確な挙動は,法務省が公開している体験版で実際に入力して確かめる必要がある。

2 段落の分け方で入力できる字数は変わる

この整理によれば,答案の字数が同じでも,段落の数が多いほど使う行数は増える。
例えば,1行に満たない見出し(「1 設問①について」等)も1行を使い,31字の段落は2行を使う。

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令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の参考答案と予想される評価項目(AI作成)

目次第1 この記事の対象(法務省とは関係のない独自の予想)第2 7記事の一覧第3 各問題の概要と予想した重み5の事項1 公法系科目第1問(憲法)2 公法系科目第2問(行政法)3 民事系科目第1問(民法)4 民事系科目第2問(商法)5 民事系科目第3問(民事訴訟法)6 刑事系科目第1問(刑法)7 刑事系科目第2問(刑事訴訟法)第4 7記事に共通する作り方(独自の予想の方法)1 評価項目の予想2 5段階の重み付けの基準3 参考答案と解説4 CBTの入力上限と答案の行数第5 重みの分布の比較第6 関連記事第7 出典及び確認状態1 公式資料2 確認状態
第1 この記事の対象(法務省とは関係のない独自の予想)

この一覧の使い方
科目別のリンクから個別記事へ進み,問題文の設問に対応する評価項目,答案,解説及び出典を確認する。別年度との比較や他の科目を探すときは,司法試験の過去問・参考答案一覧を参照されたい。試験制度と受験資格は,司法試験とはで説明している。

本記事で一覧にする7本の記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。
法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,選択科目を除く主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の7問について,山中弁護士ブログに掲載した参考答案の記事7本を一覧にして案内するものである。
7本の記事は,いずれも令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」が公表される前に,問題文と判例から答案に求められる評価項目を予想し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案と,予想に基づく解説を示している。
令和7年度の模範解答の記事7本は,法務省が公表した出題の趣旨及び採点実感から評価項目を抽出したものであり,令和8年度の7本とは評価項目の作り方が違う。
令和8年度の7本の答案は,出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

7本で予想した評価項目は合計330項目であり,そのうち重み5(設問又は問題文中の会話・会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成すと各記事が予想した事項)に当たるのは74項目である。
第2の一覧表で科目ごとの記事を選び,第3で各問題の概要と予想した重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,各記事が答案のどこに重みを置いたのかをつかみやすい。

選択科目の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年9月29日時点で公開している7本の記事の内容に基づく。

第2 7記事の一覧
科目主な論点予想した評価項目重み5公法系科目第1問(憲法)市立公園の夜間の独占使用の申請に対する不許可処分(管理上の支障,夜間の独占使用を認める特別な理由)の合憲性37項目8項目公法系科目第2問(行政法)要綱に基づく申請への不応答と「行政庁の不作為」,養護者である子の原告適格,老人福祉法の入所措置とその解除の要件44項目10項目民事系科目第1問(民法)時効完成後に設定された抵当権と再度の取得時効,遺言執行者の就職承諾前の相続人の処分,一括下請負人の出来形の帰属,請負契約の解除後の損害賠償と部分報酬による相殺50項目12項目民事系科目第2問(商法)従業員の株式の買戻し制度と株主名簿,見せ金による増資と議決権の行使,招集通知を欠く株主総会の決議と追認,解任された取締役の報酬相当額の請求48項目11項目民事系科目第3問(民事訴訟法)通常共同訴訟における主張共通,第三者と弁護士が所持する文書の提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務),連帯保証人に対する確定判決と請求異議53項目15項目刑事系科目第1問(刑法)実行の途中の心神耗弱と行為と責任の同時存在の原則,死亡したと誤信した後の行為による窒息死と因果関係,自動車への放火と「公共の危険」45項目9項目刑事系科目第2問(刑事訴訟法)強制採尿の令状の種類・発付要件と有形力の行使,体内の異物を確認するCT検査の令状,再伝聞と特信情況,捜査報告書の説明文の伝聞性53項目9項目

評価項目の数と重みは,各記事が問題文と判例から予想したものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と予想した重み5の事項
1 公法系科目第1問(憲法)

本問は,A市の中心部にある市立公園で,住宅費高騰への抗議として一夜を過ごす活動をするための夜間の独占使用の申請について,市長が,①条例の「管理に支障がある」ことを根拠として,②「夜間の独占使用を認めるべき特別な理由」がないことを根拠として,それぞれ不許可処分をすることが憲法上許されるかを,市の法曹資格者の立場で論じさせるものである。
規定の文言の明確性は,論じる必要がないとされている。

記事が予想した重み5の8項目は,設問①については,公の施設の利用拒否に関する二つの最高裁判決の判断枠組み,危険の程度,「管理上支障」の限定解釈及び敵意ある聴衆の法理であり,設問②については,甲が挙げた二つの理由に対する反論の中核(代替手段論への反論,庁舎前広場の利用と「外見上の政治的中立性」に関する最高裁判決の論理とその射程,及び新幹線延長の催しの許可から導かれる見解差別)である。

記事:令和8年度司法試験公法系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け

2 公法系科目第2問(行政法)

本問は,同居する子(養護者)から十分な食事を与えられないおそれがあるとされた75歳の高齢者について,市が老人福祉法11条1項2号に基づき特別養護老人ホームへの入所措置を採った事案で,若手弁護士の立場から,要綱に基づく緊急一時保護の申請への不応答が行政不服審査法3条の「行政庁の不作為」に当たるか(設問1),養護者である子に入所措置の取消訴訟の原告適格が認められるか(設問2),子が提起した国家賠償請求訴訟で,措置の時点の要件とその後の措置解除の要件について双方がどのような主張・反論をするか(設問3)を検討させるものである。
問題文に示された配点の割合は,設問1から設問3まで20:30:50である。

記事が予想した重み5の10項目は,設問1については,要綱の法的性格と老人福祉法11条が申請の仕組みを設定しているか,設問2については,原告適格の判断枠組み,児童福祉法の親権者の場合との比較及び高齢者虐待防止法14条の評価,設問3については,困難性要件と虐待の有無,並びに措置解除の要件の特定と誓約書等の事情の変化をめぐる双方の主張である。
記事は,設問ごとの重みの合計(36点・43点・73点)を配点の割合におおむね対応させている。

記事:令和8年度司法試験公法系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け

3 民事系科目第1問(民法)

本問は,善意無過失で他人の土地を占有した者が時効完成後に設定された二つの抵当権の登記の抹消を求められるか(設問1(1)),遺言執行者の就職承諾前に相続人から持分を買い受けて登記を備えた者に対し,受遺者が登記の抹消を求められるか(設問1(2)),一括下請負人が材料を提供して築造した出来形の所有権が注文者と下請負人のいずれに帰属するか(設問2(1)),請負契約の解除後に注文者が請負人に請求できる損害賠償の額と,請負人の部分報酬による相殺の当否(設問2(2))を問うものである。

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令和8年度司法試験刑事系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した45項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1―①行為と②行為の関係及び責任能力3 設問1―死亡結果と③行為4 設問2―放火5 答案全体6 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。
法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第1問(刑法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。
評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。
第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,酒席で同僚Aに殺意を抱いた甲及び乙が,Aを殴打した①行為,甲が心神耗弱の状態で鉄製フライパンを用いてAを殴打した②行為,Aが死亡したと誤信してAをスーツケースに押し込み,A所有の自動車(A車)で運んだ③行為(Aは途中で窒息死)について甲乙の罪責を問い(設問1),さらに,港の駐車場でA車にAの死体を乗せたまま放火した行為について甲乙の罪責を問うもの(設問2)である。
設問1は,①行為と②行為の関係をどのように把握するかと,「行為と責任の同時存在の原則」の意義とその根拠に言及することを求めている。

本記事が独自に予想した評価項目は45項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,①②の関係の問題の所在と判断基準,同時存在の原則の意義・根拠と実行途中の心神耗弱の処理,②行為と窒息死との因果関係の問題提起,並びに「公共の危険」の意義・当てはめ・認識の要否の9項目である。

第5の参考答案は,①②を一個の殺人の実行行為と捉えて甲に刑法39条2項を適用せず,窒息死を②行為の危険の現実化として甲乙に殺人罪の共同正犯を認め,設問2では甲乙に建造物等以外放火罪の共同正犯を認める結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。
その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(刑事系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。
判例名は,裁判所名と裁判年月日で示し,事件番号等は第7の3に掲げた。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。
出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:問題文が特に事実を置いて検討を促している事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

(続きを読む...)令和8年度司法試験刑事系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した45項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験刑事系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1の1(令状の種類)3 設問1の1(下線部①の令状の発付要件)4 設問1の1(下線部②の行為の適否)5 設問1の2(CT検査の令状の種類)6 設問2の1(本件DVDの④部分)7 設問2の2(捜査報告書【資料2】)8 答案全体9 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第2問(刑事訴訟法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,覚醒剤の密売事件の捜査を素材として,設問1で,被疑者甲に対する強制採尿の令状の種類,その令状の発付要件及び病院での強制採尿の実施(警察官8名が甲の手足を押さえた点を含む。)の適否と,マイクロSDカードを飲み込んだとみられる被疑者乙に対するCT検査の令状の種類を問い,設問2で,乙の公判において,乙の交際相手W(死亡)が撮影した誕生日動画中のWの発言(乙から聞いた話を含む。)と,動画の静止画に警察官の説明文を付けた捜査報告書の証拠能力を問うものである。

本記事が独自に予想した評価項目は53項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,強制採尿の令状の種類と条件の記載,強制採尿が許される要件と代替手段の不存在の当てはめ,手足を押さえた有形力の限界,Wの発言の再伝聞の構造と特信情況,乙の供述の不利益事実の承認,及び捜査報告書の説明文の伝聞性の9項目である。

第5の参考答案は,下線部①の令状は条件を付した捜索差押許可状であり発付要件を満たし,下線部②の行為は適法である,下線部③は鑑定処分許可状と身体検査令状の併用による,④部分は証拠能力を有する,【資料2】は説明文の部分を除いて証拠能力を有する,との結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,検察官の立証趣旨,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(刑事系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名は,昭和55年決定(最決昭和55年10月23日),平成6年決定(最決平成6年9月16日),令和4年判決(最判令和4年4月28日),平成21年決定(最決平成21年9月28日),昭和32年判決(最判昭和32年1月22日),昭和35年判決(最判昭和35年9月8日),昭和59年決定(最決昭和59年12月21日),平成17年決定(最決平成17年9月27日),平成20年決定(最決平成20年8月27日)及び広島高裁岡山支部平成30年判決(広島高岡山支判平成30年1月12日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:設問の中核の要件,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の範囲の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

H県警察の司法警察員Pは,覚醒剤所持で逮捕したXから,令和8年1月20日夕方に甲から覚醒剤0.3グラムを3万円で購入したとの供述を得て,甲を覚醒剤の譲渡しの被疑事実で逮捕した(本件譲渡し)。甲には覚醒剤所持の前科1犯(執行猶予中)があった。逮捕時,甲の左肘内側に真新しい注射痕様のものがあり,頬がこけ,目を見開き,手足が小刻みに震えるなど覚醒剤常用者特有の様子が見られた。

Pは,午前8時頃から午後2時頃までに計7回,尿の任意提出を求め,水を飲むよう勧めたが,甲は「出ない」と答えて応じず,昼食時にも水を飲まなかった。Pは午後4時頃に強制採尿のための令状(下線部①)の発付を受け,病院で約30分間任意の提出を促した後,泌尿器科専門医のY医師によりカテーテルで甲の尿を採取した。甲は抵抗しなかったが,痛みで暴れて尿道が傷つくおそれがあるとの医師の指示で,警察官8名が甲の両手両足を押さえた(下線部②)。

甲は,本件譲渡しは乙と一緒に行ったと供述し,乙が顧客リストをマイクロSDカードに保存しているはずだと述べた。乙方の捜索の際,乙はノートパソコンの側面から何かをつまんで飲み込むような動作をし,マイクロSDカードは発見されなかった。Pは,消化器病専門医のT医師の意見を踏まえ,CT検査のための令状(下線部③)の発付を受けて乙の体内を撮影し,数日内に自然排出されるとの意見を得た。排出されたマイクロSDカードのファイルはパスワードで開けなかった。

乙のスマートフォンには,交際相手W(令和8年2月に死亡)が毎年乙の誕生日に撮影した動画があり,令和8年1月22日の動画には,Wが,前日に乙から「20日の昼頃は大事な仕事があって,J公園に行って甲と会ってた」と聞いたと述べる場面(下線部④)と,床上の未開封の注射器12本が約1秒映る場面があった。Pは,動画を複製した本件DVDと,注射器の場面の静止画に「覚醒剤の密売人が客に交付することが多い未使用の注射器である。」との説明文を付けた捜査報告書(【資料2】)を作成した。乙の公判で,検察官はこれらを証拠請求し,弁護人は不同意とした。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1設問1の1で,令状の種類,下線部①の令状の発付要件及び下線部②の行為の適否を,段階を分けて論じる45頁(設問1の1)―2身体検査の条件の規定を令和8年1月1日現在の条文(刑訴法218条6項)で示す(昭和55年決定のいう「二一八条五項」は決定当時の項番号である)2―刑訴法218条6項,昭和55年決定3設問2で,検察官の立証趣旨から要証事実を特定し,伝聞証拠に当たるかを要証事実との関係で判断する45頁(立証趣旨,不同意の証拠意見)刑訴法320条1項2 設問1の1(令状の種類)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文4強制採尿が強制処分であり,令状を要することを示す22頁(下線部①)刑訴法197条1項ただし書,憲法35条5体内の尿を証拠物として強制的に採取する行為は捜索・差押えの性質を有し,捜索差押許可状によることを示す52頁(下線部①)昭和55年決定,刑訴法218条1項6身体検査令状に関する条件の規定を準用し,「医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせなければならない」旨の条件の記載が不可欠であることを示す52頁・3頁(Y医師による採尿)昭和55年決定,刑訴法218条6項7身体検査令状と鑑定処分許可状の併用による構成に触れ,採らない理由(物の取得に適合しないこと,鑑定処分としての身体検査には直接強制の規定が準用されていないこと)を示す3―刑訴法168条6項,139条,225条4項3 設問1の1(下線部①の令状の発付要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文8捜索差押許可状の一般的な発付要件(嫌疑,差し押さえるべき物の存在の蓋然性,必要性)を示す2―刑訴法218条1項9強制採尿が許される要件(被疑事件の重大性,嫌疑の存在,証拠の重要性と取得の必要性,適当な代替手段の不存在等に照らし,犯罪の捜査上真にやむを得ない場合の最終的手段)を規範として示す5―昭和55年決定,令和4年判決10被疑事件の重大性を,覚醒剤使用罪の法定刑(10年以下の拘禁刑)から示す26頁(参照条文)覚醒剤取締法41条の3第1項1号11嫌疑について,左肘内側の真新しい注射痕様のもの及び覚醒剤常用者特有の様子をPが直接観察した事実を評価する42頁(逮捕時の甲の様子)―12嫌疑の補強として覚醒剤所持の前科(執行猶予中)と本件譲渡しの嫌疑を用い,前科が「所持」であり使用の直接の根拠ではないことも踏まえる32頁(前科照会,Xの供述)―13証拠の重要性と取得の必要性(使用罪の立証に尿が重要であり,時間の経過で成分が排出されること)を示す3――14適当な代替手段の不存在について,約6時間で計7回の任意提出の要求,飲水の勧めへの不応(昼食時を含む)及び「しつこいな」との発言を評価する52頁(午前8時~午後2時の経過)―15甲が「出ない」と述べるにとどまり明示に拒否していないこと,身柄拘束中で自然の排尿を待てたことという反対方向の事情に触れて評価する32頁(甲の応答)―16令状請求前に任意採尿の説得がなかったため発付を違法とした令和4年判決の事案と,本件との違いを示す42頁令和4年判決17本件譲渡しによる身柄拘束中に使用の嫌疑について強制採尿を行うことが妨げられないことに簡潔に触れる12頁・3頁(逮捕の被疑事実)―4 設問1の1(下線部②の行為の適否)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文18令状の呈示を確認する12頁(午後4時30分の呈示)刑訴法222条1項・110条19病院への同行について,甲が応じたこと(及び強制採尿令状の効力による連行の可否)に触れる22頁(「分かった」)平成6年決定20令状の執行時にも最終的手段性が維持されている必要があるかを検討し,「出さないとは一度も言っていない。待ってくれよ。」との発言を評価する42頁(病院での約30分の経過)昭和55年決定21Y医師の経験,カテーテルによる合理的かつ安全な方法から,令状の条件が守られていることを示す33頁(Y医師の経歴,採取の方法)―22抵抗しない甲の両手両足を警察官8名で押さえた有形力について,根拠(必要な処分)と限界(採尿を安全に実施するための必要最小限度)を示す53頁(手足を押さえた経緯)刑訴法222条1項・111条1項,昭和55年決定23有形力の必要性・相当性を,医師の指示(痛みで暴れ尿道が傷つくおそれ)と,抵抗がないこと及び8名という人数とを対比して評価する43頁―24被告人が激しく抵抗した昭和55年決定の事案との違いを踏まえる23頁(「抵抗することはなかった」)昭和55年決定5 設問1の2(CT検査の令状の種類)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文25CT検査が乙の意思にかかわらず行う強制処分であることを示す24頁(下線部③)―26CT検査は物の占有の取得を目的としないことから,強制採尿の構成(捜索差押許可状)をそのまま持ち込まない44頁(体内にあるか及び自然排出されるかの確認)昭和55年決定27X線により身体内部の状態を認識する処分が検証(身体検査)の性質を有し,身体検査令状を要することを示す44頁刑訴法218条1項後段,平成21年決定28X線の照射と画像の読影・自然排出の判断に医学的専門知識を要することから,鑑定の嘱託と鑑定処分許可状を示す44頁(T医師の意見)刑訴法223条1項,225条1項,168条1項,診療放射線技師法24条29鑑定処分としての身体検査は直接強制ができないため,拒否が予想される乙について身体検査令状を併用する必要を示す43頁・4頁(嚥下の動作,黙秘)刑訴法225条4項,168条6項,222条1項,139条30令状に付すべき条件(医師による医学的に相当な方法等)に触れる2―刑訴法218条6項,168条3項31設問は令状の種類を問うものであり,発付要件や執行の適否を長く論じない15頁(設問1の2)―6 設問2の1(本件DVDの④部分)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文32伝聞法則の趣旨(知覚・記憶・叙述の過程の誤りと反対尋問による吟味)と伝聞証拠の意義を示す3―刑訴法320条1項33要証事実を立証趣旨どおり(乙が1月20日昼頃にJ公園で甲と会ったこと)に特定し,④がWの供述の中に乙の供述を含む再伝聞であることを示す55頁(立証趣旨),7頁(下線部④)―34撮影日から「一昨日の20日」を1月20日,「昨日」を1月21日と特定する27頁(【資料1】)―35動画の記録の過程は機械的であり,署名押印を要しないことを示す(同一性は設問の前提として扱う)25頁(設問2の1のただし書)平成17年決定(写真の署名押印不要)参照36外側のWの供述について,刑訴法321条1項3号の要件(供述不能,不可欠性,絶対的特信情況)を示す4―刑訴法321条1項3号37供述不能として,Wが令和8年2月に交通事故で死亡したことを示す25頁―38不可欠性を,乙の黙秘,共謀の証拠が甲の供述だけであること,顧客リストのファイルを開けないこと及び共犯者供述の危険から評価する33頁・4頁・5頁―39絶対的特信情況を,恒例の誕生日動画,「誰に見せるものでもない」私的な会話,前日に聞いた話であること,Wと甲に面識がないこと等から評価する55頁(Wの特定),7頁(【資料1】)―40Wが連絡不通を「根に持って」いたという反対方向の事情に触れて評価する27頁―41再伝聞を許容する根拠(外側の供述が伝聞例外を満たせば公判供述に代わるものとして刑訴法324条による)を示す4―昭和32年判決,刑訴法324条42内側の乙の供述について,刑訴法324条1項により322条1項が準用され,不利益な事実の承認と任意性を満たすことを示す57頁(乙の発言内容)刑訴法322条1項,324条1項,319条1項7 設問2の2(捜査報告書【資料2】)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文43【資料2】は公判外の書面で不同意とされているから原則として証拠とできないことを示し,部分ごとに検討する35頁(証拠意見)刑訴法320条1項,326条1項44Pが押収したスマートフォンを見分した結果を記載した部分に刑訴法321条3項が適用され,Pの真正作成の供述を要することを示す48頁(【資料2】)刑訴法321条3項,昭和35年判決45添付写真が非供述証拠であり,事件との関連性があれば証拠能力を有することを示す44頁・5頁(静止画の作成)昭和59年決定46関連性を,契約名義が乙で日常的に使用されるスマートフォン,乙方居室での撮影から示し,写真が1月22日の状況であることの限界にも触れる34頁(スマートフォンの解析)―47説明文がPの捜査経験に基づく意見であり,立証趣旨との関係で内容の真実性が問題となる伝聞であることを示す55頁(立証趣旨),8頁(説明文)―48説明文に刑訴法321条3項が及ばない理由(検証の結果に限られること)を示す48頁刑訴法321条3項49説明文が刑訴法321条4項の鑑定書にも当たらないことを示す3―刑訴法321条4項,平成20年決定,広島高裁岡山支部平成30年判決50結論として,説明文の部分を除き,Pの真正作成の供述を条件に証拠能力が認められる(説明文の部分は証拠とできない)ことを示す4――8 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文51規範を判例の命題と問題文の事実に即して当てはめ,事実を写すだけで直ちに結論付けない3――52参照する判例を,どの判例か特定できる形で示す2――53設問が問わない事項(尿の鑑定書の証拠能力,マイクロSDカードの差押えの適否,甲の公判等)を長く論じない1――9 重みの分布

53項目の内訳は,重み5が9項目,重み4が16項目,重み3が11項目,重み2が13項目,重み1が4項目であり,重みの合計は172点である。

重み5の9項目(番号5・6・9・14・22・33・39・42・47)は,設問1については強制採尿に関する昭和55年決定の二つの命題(令状の種類と条件,許容要件)と,本問で特に具体的に置かれた事実(任意提出の要求の経過,抵抗しない甲を8名で押さえたこと)であり,設問2については再伝聞の構造,Wの供述の特信情況,乙の供述の扱い及び説明文の伝聞性である。

第5 参考答案1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,令和8年1月1日現在において施行されている法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。この基準時では,身体の検査に関する条件の規定は218条6項に置かれている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる(①)。」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,本問は設問が「具体的事実を摘示しつつ」論じることを求めているため,規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。段落は1段落1~3文を目安に自然な切れ目で改行した。字数の配分は,おおむね問題提起が1割未満,規範が2割程度,当てはめが5割程度である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「判例に結論同旨」は結論は判例と同じであるが理由付けが本記事独自のもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて約4,500字である。
令和8年司法試験の論文式試験の答案は,「司法試験の方式・内容等について」(令和7年11月26日司法試験考査委員会議申合せ事項)により,必須科目1問につき8頁,1頁は23行,1行当たり最大30文字とされている(1問の上限は184行)。
この答案は,段落ごとに改行し,1行30字で折り返した場合に184行となり,この上限にちょうど収まるように字数を調整した。

2 答案

1 設問1の1について
(1) 下線部①の令状の種類
 下線部①の強制採尿は,甲の意思に反して尿道にカテーテルを挿入し尿を採取する強制処分(197条1項ただし書)であり,令状を要する(憲法35条)。では,いかなる令状によるべきか。
 確かに,身体への侵襲を伴う点で,身体検査令状(218条1項後段)と鑑定処分許可状(225条1項・168条1項)を併用すべきとも思える。
 しかし,身体検査は身体の状態を認識する検証であり,物の取得に適合しない。また,鑑定処分としての身体検査は直接強制ができない(225条4項・168条6項は139条を準用しない)。
 思うに,強制採尿の目的は体内の尿という証拠物の占有取得にあるから,その性質は捜索・差押えである。もっとも,人権侵害のおそれがある点で身体検査と共通する。
 よって,捜索差押許可状(218条1項前段)によるべきであり,218条6項を準用し,医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせる旨の条件の記載が不可欠と解する(判例同旨・最決昭和55年10月23日)。
 この条件は,被疑者の身体の安全と人格の保護を令状により担保するものである。
(2) 下線部①の令状の発付要件
 捜索差押許可状の発付には,嫌疑,差し押さえるべき物の存在の蓋然性及び必要性を要する(218条1項)。
 加えて,強制採尿は屈辱感を伴う身体への侵入行為であるから,①被疑事件の重大性,②嫌疑の存在,③証拠の重要性と取得の必要性,④適当な代替手段の不存在等に照らし,犯罪の捜査上真にやむを得ない場合の最終的手段としてのみ許されると解する(判例同旨・前掲最決昭和55年10月23日,最判令和4年4月28日)。
 本問では,覚醒剤使用罪の法定刑は10年以下の拘禁刑であり(覚醒剤取締法41条の3第1項1号),重大な犯罪である(①)。
 次に,Pは逮捕時,甲の左肘内側の「真新しい注射痕様のもの」と,頬がこけ手足が震えるなどの常用者特有の様子を直接観察している。
 確かに,甲は否認し,前科は所持にとどまる。しかし,これらの観察に,執行猶予中の覚醒剤前科と本件譲渡しの嫌疑が加わり,最近の使用の具体的嫌疑と,尿中の覚醒剤の存在の蓋然性がある(②)。参考人の供述と犯歴だけで請求した前掲令和4年判決の事案とは異なる。
 また,尿は密行性の高い使用罪のほぼ唯一の客観的証拠であり,時間の経過で成分が排出されるから,早期に確保する必要がある(③)。
 さらに,Pは午前8時頃から午後2時頃までに計7回尿の任意提出を求め,飲水も勧めたが,甲は昼食時にも水を飲まず「しつこいな。」と答えた。

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令和8年度司法試験民事系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1小問1(本件取得自体を争うCの主張)2 設問1小問2(二重譲渡と株主名簿)3 設問2小問1(仮装払込みと新株発行の無効)4 設問2小問2(仮装払込み株式の議決権と決議取消し)5 設問3(招集通知の欠缺,追認及び取締役の報酬)6 答案全体7 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第2問(会社法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,公開会社でない取締役会設置会社である甲社について,①創業者Aが従業員に株式を譲渡し退職時に同じ価格で買い戻す制度(本件制度)の下で,退職した従業員Bから株式を譲り受けたCが,Aの取得を争い,自らが株主であることの確認を求める訴え(設問1),②代表取締役Dが仕組んだ資金の還流による5000万円の増資(見せ金)と,その株式を譲り受けた丁社が賛成した定時株主総会決議の効力(設問2),③招集通知が一切発出されなかった臨時株主総会で解任された取締役Fが,追認決議の後に報酬相当額500万円を請求すること(設問3)を論じさせるものである。配点の割合は,設問1から設問3まで35:35:30である。

本記事が独自に予想した評価項目は48項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,従業員の株式保有に関する判例を踏まえた公序良俗の判断枠組み,株主名簿の対抗要件と145条2号のみなし承認,名義書換の不当な拒絶とAの第三者性,見せ金の認定と仮装払込みが無効原因となるか,丁社の議決権行使の制限,決議不存在の基準と追認決議の遡及効,及び339条2項の「正当な理由」の11項目である。

第5の参考答案は,設問1小問1ではCの主張は認められない,小問2ではCの請求は認められる,設問2小問1では無効原因はなく請求は棄却される,小問2では決議は取り消される,設問3ではFの請求は300万円の限度で認められるとの結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実(日付,株式数,金額及び否定の表現を含む),及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例と会社法の条文から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。条文は,特に断らない限り会社法の条文である。判例名は,平成7年判決(最判平成7年4月25日),平成21年判決(最判平成21年2月17日),昭和48年判決(最判昭和48年6月15日),昭和41年判決(最判昭和41年7月28日),昭和43年判決(最判昭和43年8月2日),昭和38年判決(最判昭和38年12月6日),平成24年判決(最判平成24年4月24日),平成9年判決(最判平成9年1月28日),昭和33年判決(最判昭和33年10月3日),昭和60年判決(最判昭和60年12月20日),平成4年10月判決(最判平成4年10月29日),平成4年12月判決(最判平成4年12月18日)及び昭和57年判決(最判昭和57年1月21日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:問題文の事実が示唆する事項,又は最も近い判例・条文の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

甲社は,Aが創業した公開会社でない取締役会設置会社かつ監査役設置会社であり,定款で全部の株式の譲渡に取締役会の承認を要すると定め,株券を発行する旨の定めはない。発行済株式総数は10万株,資本金は1000万円である。

設問1では,Aが,従業員が1株100円でAから株式を譲り受け,退職時にAが1株100円で買い戻す本件制度を設け,甲社の取締役会もこれに賛同した。従業員Bは,退職を停止条件としてAに1株100円で譲り渡す旨等を定めた本件書面に署名して1000株を譲り受けたが,5年後に退職した直後,Cに1株1000円で譲渡する本件譲渡を合意した。甲社は,令和2年8月3日のBの承認・買取請求に対し,同月10日に不承認を通知しただけで,買取りについては何らの通知もしなかった。10月1日にB・Cが名義書換を請求すると,甲社はAの要請を受けて返答を6日まで留保し,その前日までの請求をAに促し,5日にAの取得を承認し,6日にAへの名義書換をした。Cは,甲社とAを被告として株主であることの確認を求めた。

設問2では,代表取締役Dが,資本金5000万円以上の会社とでないと取引をしないとの噂のある乙社との取引のため,甲社から丁社へ,丁社から丙社へと5000万円を融資し,丙社がその資金で払込みをし,丙社が返済しない限り甲社は丁社に返済を求めない旨を合意した上で,株主総会の特別決議を経て丙社に5万株を発行した(払込期日は令和6年10月15日)。丙社はその株式を代物弁済として丁社に譲渡し,丁社は令和7年6月30日の定時株主総会で,総議決権15万のうち賛成9万で可決された取締役再任決議に賛成した。株主Eは同年7月1日にこれらを知った。

設問3では,令和5年6月30日に再任された取締役F(報酬月額100万円)が病気で長期療養となり,令和7年1月31日の臨時株主総会でFの解任決議がされたが,担当者のミスで招集通知が全く発出されていなかった。出席したのはA及び取締役Gら(計5万2000株)である。甲社は4月30日に適法に開催した臨時株主総会で解任を追認する決議をした。Fは7月にこれらを知り,2月分以後任期満了までの報酬相当額500万円を請求した。設問1小問1と設問3は,それぞれCとFの立場において考えられる主張及びその当否を問う。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験民事系第3問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1の課題1(肯定説における主張共通)2 設問1の課題2(否定説の根拠と肯定説の問題点)3 設問2の課題1(保護に値する秘密と本件図面等)4 設問2の課題2(弁護士の黙秘義務と技術の秘密)5 設問3の課題1(既判力の根拠と反射効)6 設問3の課題2(相殺による消滅と請求異議)7 答案全体8 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第3問(民事訴訟法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,請負代金の支払を求める訴えを主債務者Y1と連帯保証人Y2を共同被告として提起した事例について,設問1で通常共同訴訟における主張共通の肯定説・否定説を,設問2で第三者Zが所持する図面等と弁護士L1が所持するその写しについての文書提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務)を,設問3でY2に対する請求認容判決の確定後にY1に対する請求が相殺により棄却されて確定した場合の請求異議の成否を,いずれも会話形式の課題として論じさせるものである。

本記事が独自に予想した評価項目は53項目であり,重み5(会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,肯定説の主張共通の定式と(ア)(イ)への当てはめ,否定説による39条の趣旨の理解,平成18年判例・平成20年判例の判断基準と本件図面等の比較衡量の中核(開示の不利益と証拠の必要性),197条1項2号の趣旨と判断基準の異同,昭和51年判例の理由,並びに昭和40年判例・昭和51年判例と本件の異同及び民法457条3項の評価の15項目である。

第5の参考答案は,設問1では(ア)に主張共通は認められず(イ)には認められるとした上で否定説を妥当とし,設問2では本件図面等についてZが提出を拒むことができ,弁護士の黙秘義務の判断基準は技術の秘密の判断基準と異なるとし,設問3では主張(1)・主張(2)のいずれも認められないとの結論を採った。論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,L1とP,L3とQ及びJとRの各会話で検討が求められた事項,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第3問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名のうち,平成12年判例,平成16年判例,平成18年判例,平成20年判例,昭和40年判例及び昭和51年判例は,問題文が用いる略称である。このほか,昭和43年判決は最判昭和43年9月12日,昭和45年判決は最判昭和45年1月23日の略称である。条文は,問題文の指示に従い,令和8年1月1日現在において施行されている法令による。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会話が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

電子機器の製造・販売業者Xは,同業のY1との間で,Y1が見本市に出品する新製品の部品甲を代金500万円で製造して引き渡す請負契約(本件契約)を締結し,Y2がY1の代金債務を連帯保証した。甲の製造工程の前半は,独自の技術を持つZがXから請け負い,Xが仕上加工をして甲を完成させた。Zの工程は,部外秘とされている主力製品の製造工程と共通する部分が多く,同じく部外秘とされていた。

Xは,Y1とY2を共同被告として500万円の連帯支払を求めて提訴した。Y1は,請求原因事実を認めつつ((ア)),甲の欠陥による修理費用500万円の契約不適合責任に基づく損害賠償債権で相殺すると主張した((イ))。Y2は交付送達を受けながら第1回期日に欠席し,裁判所は続行期日を指定した。設問1は,Y2が続行期日にも欠席した場合を想定し,通常共同訴訟であることを前提に,肯定説で主張共通が認められる主張と(ア)(イ)への当てはめ(課題1),並びに否定説の根拠と肯定説の問題点(課題2)を問う。Y1がY2に当然に補助参加したとする構成は採らないものとされている。

その後,Y2は第2回期日にも欠席し,Y2訴訟は分離・終結されて請求全部認容の判決が確定した。Y1訴訟では甲の欠陥の原因がZの工程かXの工程かが問題となり,Y1は,Zが所持する金型の設計図面や作業工程表等(本件図面等)について,220条4号を原因とする文書提出命令を申し立てた。Zは技術の秘密を理由に提出義務を争った。設問2は,平成18年判例・平成20年判例の判断基準を説明し,Zが提出を拒むことができる方向で立論すること(課題1),並びにXの訴訟代理人L1がZの了解を得て受け取った本件図面等の写しについて,197条1項2号の「黙秘すべきもの」(平成16年判例)と課題1の基準が同一か異なるかを両号の趣旨から検討すること(課題2)を問う。

最終的に,Y1訴訟では請負代金債権と損害賠償債権がいずれも認められ,相殺により請求を棄却する判決が確定した。Y2は,Y1から「何もしなくてよい」と言われて欠席したと主張し,請求異議の訴え(本件後訴)で,Y1訴訟の確定判決の援用(主張(1))と,相殺による保証債務の付従性による消滅(主張(2))を主張した。設問3は,既判力による遮断の根拠と,昭和51年判例のような事案で反射効を認めても保証人が主債務者勝訴判決を援用できない理由(課題1),並びに昭和40年判例・昭和51年判例と本件の異同を整理した上での主張(2)の当否(課題2)を問う。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第3問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験民事系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問1(1)(取得時効と複数の抵当権)3 設問1(2)(遺贈,遺言執行者及び第三者)4 設問2(1)(出来形の所有権の帰属)5 設問2(2)(損害賠償と部分報酬による相殺)6 答案全体7 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第1問(民法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,〔設問1(1)〕善意無過失で他人の土地を占有した者が,時効完成後に設定された二つの抵当権の登記の抹消を求められるか,〔設問1(2)〕遺言執行者の就職承諾前に相続人から持分を買い受けて登記を備えた者に対し,受遺者が登記の抹消を求められるか,〔設問2(1)〕一括下請負人が材料を提供して築造した出来形の所有権が注文者と下請負人のいずれに帰属するか,〔設問2(2)〕請負契約の解除後に注文者が請負人に請求できる損害賠償の額と,請負人の部分報酬による相殺の当否を問うものである。

本記事が独自に予想した評価項目は50項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,時効完成後の第三者との対抗関係と再度の取得時効(平成24年判決),Dとの関係での対抗問題,1013条による相続人の処分の無効と就職承諾前の処分への適用,同条2項ただし書の善意と無過失の要否,一括下請負人の出来形の帰属(平成5年判決),634条2号の部分報酬の要件と額,損害額及び認容額の算定などである。

第5の参考答案は,〔設問1(1)〕Cに対する請求は認められ,Dに対する請求は認められない,〔設問1(2)〕Fの請求は認められない,〔設問2(1)〕本件出来形の所有権はAに帰属する,〔設問2(2)〕Aの請求は50万円の範囲で認められる,との結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実(日付,金額,否定の表現等),及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。条文は,特に断らない限り民法の条文である。判例名は,昭和33年判決(最判昭和33年8月28日),昭和35年判決(最判昭和35年7月27日),昭和39年判決(最判昭和39年3月6日),昭和56年判決(最判昭和56年2月17日),昭和62年判決(最判昭和62年4月23日),平成5年判決(最判平成5年10月19日),平成15年判決(最判平成15年10月31日)及び平成24年判決(最判平成24年3月16日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項(結論や金額に直結する事項を含む)
②重み4:問題文の特徴的な事実が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

本問は,配点が〔設問1〕と〔設問2〕で50:50とされ,文中の日時にかかわらず令和8年1月1日現在において施行されている法令に基づいて答えることが求められている。

【事実Ⅰ】では,Aが令和2年1月10日から,B所有の甲土地を自己の乙土地に含まれると過失なく信じて占有し,その後,Bが甲土地に,令和22年4月20日にCの抵当権(本件登記①)を,令和33年2月15日にDの第二順位の抵当権(本件登記②)を設定した。Aは令和35年9月3日に真相を知り,同年10月15日に初めて時効を援用して,C・Dに各登記の抹消を請求した(設問1(1))。

【事実Ⅱ】では,Eが公正証書遺言で丙土地を友人Fに遺贈し,弁護士Gを遺言執行者に指定した。Eの死亡後,遺言の内容を知った相続人Hが,法定相続分による相続登記を経て自己の持分をKに売却し,Kは登記(本件登記③)を備えた。Kは遺言の存在を知らず,Hに遺言の有無を尋ねることもしなかった。Gの就職承諾は売買の後であり,Fは,Kに本件登記③の抹消を請求した(設問1(2))。

【事実Ⅲ-1】では,Aが建築業者Bに自宅の建築を報酬1000万円で請け負わせ(解除時の出来形はAに帰属する旨の合意あり),Bは,Aの書面による承諾を得て,工事の全部をCに報酬800万円で一括して下請負させた(出来形の帰属の合意なし)。Cは材料の全部を調達して工事を進めたが,Bの下請代金の不払により工事を停止し,Aは催告の上で令和8年10月1日に本件契約①を解除した。本件出来形は独立の不動産となっており,その引渡しによるAの利益は完成時の6割であった(設問2(1))。

【事実Ⅲ-2】では,AがCから本件出来形の引渡しを受け,Dに残工事を市場の適正価格である650万円で請け負わせて建物を完成させた。AがBに損害賠償を請求したのに対し,Bは一部完成による報酬請求権との相殺を主張した(設問2(2))。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1令和8年1月1日現在において施行されている法令(改正後の634条,1013条2項ただし書,899条の2等)を基準に論じる22頁(柱書)民法2各請求の根拠(所有権に基づく妨害排除請求としての抹消登記手続請求,415条の損害賠償請求)を特定する22頁~4頁(各設問)―2 設問1(1)(取得時効と複数の抵当権)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文3162条2項の要件(所有の意思,平穏・公然,占有開始時の善意無過失)を示し,令和12年1月10日に取得時効が完成したことを示す32頁(事実Ⅰの1)民法162条2項,186条1項4時効取得者と時効完成後の第三者とは対抗関係に立ち,C・Dはいずれも当初の時効との関係では時効完成後の第三者であることを示す52頁(事実Ⅰの2・3)民法177条,昭和33年判決520年の取得時効(令和22年1月10日完成)もCの登記より前に完成しており,結論を変えないことを確認する22頁(事実Ⅰの1・2)民法162条1項6再度の取得時効の規範(抵当権設定登記後に時効取得に必要な期間の占有を継続すれば,抵当権の容認等の特段の事情がない限り抵当権は消滅する)を示す52頁(事実Ⅰの4・5)平成24年判決7その理由付け(長期間継続した占有を保護する時効制度の趣旨)を示す3―平成24年判決8Cの登記の時点でのAの善意無過失と,令和32年4月20日の再度の時効完成を日付で示す42頁(事実Ⅰの4)民法162条2項9抵当権の存在を令和35年9月3日まで知らなかったことから,抵当権を容認していたなどの特段の事情がないことを評価する42頁(事実Ⅰの4)平成24年判決10Aがそれ以前に時効を援用していないことを指摘し,援用後に起算点をずらすことを否定した判例と区別する42頁(事実Ⅰの5のなお書)平成15年判決11援用時のAの悪意は,占有開始時(再度の時効の起算点)の善意無過失で足りる以上,結論に影響しないことを示す22頁(事実Ⅰの4・5)民法162条2項12効果として,Cの抵当権が消滅し,Cに対する請求が認められることを示す32頁(下線部㋐)民法162条2項,144条,397条13Dの登記は再度の時効完成(令和32年4月20日)の後であり,Dとの関係でも対抗問題となって,登記のないAは対抗できないことを示す52頁(事実Ⅰの3)民法177条14起算点を任意に選択してDの登記後に時効を完成させる主張は許されないことを示す42頁(事実Ⅰの1・3)昭和35年判決15Dの登記の日を起算点とする時効は令和43年2月15日まで完成しないことを示す32頁(事実Ⅰの3・5)民法162条2項16結論をCとDとで分けて示す(Cに対する請求は認められ,Dに対する請求は認められない)32頁(「各請求」)―3 設問1(2)(遺贈,遺言執行者及び第三者)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文17特定遺贈により遺言者の死亡時に所有権が受遺者に移転し,遺言執行者があっても受遺者は自ら第三者に妨害排除を求め得ることを示す32頁・3頁(事実Ⅱの1・6)民法985条1項,1012条2項,昭和62年判決18遺贈による物権変動にも登記を要し,原則として登記のないFは登記を備えたKに対抗できないことを示す43頁(事実Ⅱの3)民法177条,昭和39年判決19899条の2は相続による承継の規律であり,遺贈には適用されないことを示す22頁(事実Ⅱの1:遺贈)民法899条の220遺言執行者がある場合の相続人の処分は無効であること(1013条1項・2項本文)を示す52頁(事実Ⅱの1:遺言執行者の指定)民法1013条21遺言執行者の就職承諾前にされた処分も「遺言執行者がある場合」に当たるかを,制度趣旨から理由を付けて論じる53頁(事実Ⅱの3・4:売買が就職承諾より前)民法1013条1項,昭和62年判決22Hの持分の売却が「相続財産の処分」に当たることを,Hが遺言の内容を知っていた事実とともに示す22頁(事実Ⅱの2・3)民法1013条1項231013条2項ただし書により,無効を善意の第三者に対抗できないことと,Kが本件遺言を知らなかった(善意)ことを示す53頁(事実Ⅱの3のなお書)民法1013条2項ただし書24KがHに遺言の有無を尋ねなかった事実を踏まえ,無過失を要するかを論じ,結論を示す53頁(事実Ⅱの3のなお書)民法1013条2項ただし書25無過失を要しないとする論拠(文言,95条4項・96条3項との対比,第三者の調査の困難,1007条2項の通知等による執行の確保)を示す3―民法95条4項,96条3項,1007条2項26ただし書で保護されたKとFとが177条の対抗関係に立ち,登記を備えたKが優先することを示す43頁(本件登記③)民法177条27改正前の判例(受遺者は登記なくして処分の無効を対抗できる)の結論が,平成30年改正のただし書により修正されていることを示す3―昭和62年判決,民法1013条2項28就職承諾前には1013条が及ばないと解しても,177条により同じ結論になることを示す2―民法177条29単純承認の前提を守り,相続放棄等を論じない13頁(設問1(2)のなお書)―4 設問2(1)(出来形の所有権の帰属)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文30本件出来形が独立の不動産(建物)であり,所有権の客体であることを確認する24頁(事実Ⅲ-1の5)―31本件契約①の解除(令和8年9月2日の催告,10月1日の解除)が有効であり,帰属の合意の前提が満たされることを示す23頁・4頁(事実Ⅲ-1の4)民法541条32反対の立場の論拠として,材料の全部を提供した請負人に所有権が帰属するという考え方を示す43頁(事実Ⅲ-1の3:Cが材料の全部を調達)(大審院以来の判例。本記事では原文未確認)33反対の立場の論拠として,A・B間の帰属の合意は契約当事者でないCを拘束しないことと,本件契約②に帰属の合意がないことを示す43頁(事実Ⅲ-1の2)―34反対の立場の論拠として,Cの報酬の大半が未払であることと,Aの支払額(400万円)が出来形の価値(6割)に満たないことを示す33頁・4頁(事実Ⅲ-1の1~3・6)―35一括下請負人は注文者との関係で元請負人の履行補助者的立場に立ち,特段の事情のない限り出来形は注文者に帰属するとの規範を示す53頁(事実Ⅲ-1の2)平成5年判決36一括下請負であること,Cがそれを知っていたこと,Aの書面による承諾があることを当てはめる43頁(事実Ⅲ-1の2)建設業法22条3項,平成5年判決37平成5年判決の事案(注文者が出来形の価格の2倍以上を支払済み)との違いを指摘し,それでも特段の事情に当たらない理由(元請負人への報酬請求,債権者代位による報酬確保)を示す43頁(事実Ⅲ-1の1)平成5年判決,民法423条38結論(本件出来形の所有権はAに帰属する)を示す34頁(設問2(1))―5 設問2(2)(損害賠償と部分報酬による相殺)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文39債務不履行による解除と履行に代わる損害賠償(415条2項3号)の併存,Bの帰責事由を示す33頁・4頁(事実Ⅲ-1の3・4)民法415条,545条4項40634条2号の要件(仕事の完成前の解除,可分な部分の給付,注文者の利益)を示し,請負人の債務不履行による解除にも適用されることを示す54頁(事実Ⅲ-2の9:Bの反論)民法634条2号41Bの報酬額を1000万円×6割=600万円と算定する54頁(事実Ⅲ-1の6)民法634条42既施工部分には解除の効果が及ばず,既払の400万円の原状回復を求められないことを示す33頁(事実Ⅲ-1の1)昭和56年判決43Dへの650万円を通常損害として評価し,損害額を250万円(600万円+650万円-1000万円)と算定する54頁(事実Ⅲ-2の7・8:市場の適正価格)民法416条1項44報酬残額200万円を自働債権とする相殺の要件(同種の債権,弁済期,509条非該当)を検討し,Bの反論が200万円の限度で理由があることを示す44頁(事実Ⅲ-2の9)民法505条1項,509条,633条45Aの請求が認められる範囲を50万円と金額で示す54頁(設問2(2):金額を示して)―46250万円(損害),200万円(相殺される報酬残額),50万円(認容額)の法的性質を混同しない3――47本件契約②の金額(800万円・200万円)をA・B間の報酬や損害の算定に用いない23頁(事実Ⅲ-1の2)―48遅延賠償を論じない14頁(設問2(2)のなお書)―6 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文49問題文の日付と金額を正確に用い,時効の完成日や損害額の計算過程を示す32頁~4頁―50参照する判例を,どの判例か特定できる形で示す2――7 重みの分布

50項目の内訳は,重み5が12項目,重み4が11項目,重み3が14項目,重み2が11項目,重み1が2項目であり,重みの合計は170点である。

重み5の12項目(番号4・6・13・20・21・23・24・35・40・41・43・45)は,設問1(1)については平成24年判決の再度の取得時効とDとの関係での対抗問題,設問1(2)については1013条の無効と同条2項ただし書の善意・無過失,設問2(1)については平成5年判決の規範,設問2(2)については634条2号の部分報酬と損害額・認容額の算定であり,いずれも結論又は金額を直接左右する。

第5 参考答案1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,問題文の指示に従い,令和8年1月1日現在において施行されている法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる(①)。」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,現行の司法試験では事案の分析と結び付けた判断枠組みの設定や,事実の評価が求められるため,規範の論証は争いの中心に絞り,日付と金額を用いた当てはめと計算に字数を割いた。条文は,特に断らない限り民法の条文である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて約4,063字である。
令和8年から論文式試験はCBT方式(パソコンによる答案作成)で行われ,入力できるのは1頁23行,1行当たり最大30字で,必須科目は1問につき8頁(184行)である(法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q73)。
以下の答案は,1文ごとに改行し,1行30字で折り返すとちょうど184行となり,この上限いっぱいに収まる。

2 答案

1 設問1(1)について
(1) Aの各請求は,時効取得した甲土地の所有権に基づき,C及びDの抵当権の消滅を理由に本件登記①②の抹消を求めるものである。
 Aは,令和2年1月10日,甲土地を自己の所有地と過失なく信じて占有を開始し,所有の意思をもって平穏かつ公然に占有を継続した。
 よって,令和12年1月10日の経過により取得時効が完成した(162条2項)。
 なお,20年の時効(同条1項)の完成もCの登記より前である。
 もっとも,時効取得者と時効完成後に原所有者から権利を取得して登記を備えた第三者とは,対抗関係に立つ(177条,最判昭和33年8月28日民集12巻12号1936頁)。
 C及びDは時効完成後に抵当権設定登記を了した第三者であるから,登記のないAは当初の時効取得を対抗できない。
 そこで,再度の取得時効を主張できないか。
(2)ア 思うに,時効制度は長期間継続した占有を保護する制度である。
 時効完成後に抵当権設定登記がされれば,その後いかに長く占有しても抵当権の負担のない所有権を取得できないと解するのは,この趣旨に反する。
 よって,占有者が抵当権設定登記後も引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その後に時効を援用したときは,抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り,抵当権は消滅すると解する(判例同旨・最判平成24年3月16日民集66巻5号2321頁)。
 他方,援用者が起算点を任意に選択することはできない(判例同旨・最判昭和35年7月27日民集14巻10号1871頁)。
 イ Cについて見ると,Aは,本件登記①がされた令和22年4月20日の時点でも甲土地を自己の所有地と過失なく信じ,その後も占有を継続した。
 Aは甲土地を乙土地と一体の資材置場として占有し続けており,所有の意思に基づく平穏かつ公然の占有といえる。
 よって,令和32年4月20日の経過により再度の取得時効が完成した(162条2項)。
 Aは令和35年9月3日まで抵当権の存在を知らなかったから,これを容認していたとはいえず,特段の事情はない。

(続きを読む...)令和8年度司法試験民事系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した50項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験公法系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1(不作為についての審査請求)2 設問2(Bの原告適格)3 設問3(時点②の入所措置の要件)4 設問3(時点③の措置解除の要件)5 答案全体6 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第2問(行政法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,同居する子(養護者)から十分な食事を与えられないおそれがあるとされた75歳の高齢者について,市が老人福祉法11条1項2号に基づき特別養護老人ホームへの入所措置(本件入所措置)を採った事案で,隣の市の法務担当職員から相談を受けた法律事務所の若手弁護士の立場から,〔設問1〕要綱に基づく緊急一時保護の申請への不応答が行政不服審査法3条の「行政庁の不作為」に当たるか,〔設問2〕養護者である子に本件入所措置の取消訴訟の原告適格が認められるか,〔設問3〕子が提起した国家賠償請求訴訟で,措置の時点の要件(困難性要件・補充性要件)と,その後の措置解除の要件について,双方がどのような主張・反論をするかを検討させるものである。配点割合は20:30:50である。

本記事が独自に予想した評価項目は44項目であり,重み5(設問又は会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,要綱の法的性格と老人福祉法11条が申請の仕組みを設定しているか(設問1),最高裁判例の原告適格の判断枠組みと,児童福祉法の親権者との比較及び高齢者虐待防止法14条の評価(設問2),困難性要件と虐待の有無(設問3の時点②),並びに解除の要件の特定と誓約書等の事情の変化をめぐる双方の主張(設問3の時点③)の10項目である。

第5の参考答案は,設問1では審査請求は不適法,設問2ではBの原告適格は否定されるとの結論を採り,設問3では,時点②の要件は満たされていたが,時点③では困難性要件が満たされなくなっていたと評価される余地が大きいとした。答案は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,法律事務所の会議録で弁護士H・I及び職員Gが検討を求めた事項,問題文に置かれた具体的な事実,関係法令の資料及び参照すべきと考えられる判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(公法系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例は,最大判平成17年12月7日(小田急線連続立体交差事業認可取消訴訟),最判平成15年9月4日(労災就学援護費不支給処分取消訴訟),大阪高判平成13年6月21日(ホームヘルパー派遣決定処分取消等請求控訴事件),最判平成22年6月3日及び最判平成5年3月11日である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問又は会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会議録が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の限定の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

A(75歳)は,判断能力に問題はないが両腕の機能に障害があり,要介護3の認定を受け,子Bの手助けで介護サービス契約を締結して居宅サービスを利用していた。Bは約10年間,Aと同居して介護していた。

Aは令和7年11月20日に意識障害で緊急搬送され,低ナトリウム血症と診断された。同年12月10日,担当医はAとBに,Aには尿に塩分が出やすい症状があるが普通の食事なら問題はなく,原因は自宅での食事と思われると説明し,塩分を控え目にしているというBに対し,塩分を控えすぎた食事の危険を改めて説明した。退院後の同月25日,Aは介護支援専門員に,塩分の少ない食事が変わらず時々めまいがすると話し,その手助けで,C市の高齢者緊急一時保護事業実施要綱(本件要綱)に基づく一時保護を申請したが,福祉事務所長は応答しなかった(時点①)。

令和8年1月5日の血液検査で,Aの血中ナトリウム値は直ちに意識障害が生じる程度ではないが正常値より低く,再発のおそれが指摘されたため,Bは翌6日にAを入院させた。7日には高齢者虐待防止法7条1項の通報があり,担当職員は,自宅療養が続けば生命に重大な危険が生じるおそれがあるとの報告書を提出した。8日,福祉事務所長は,老人福祉法11条1項2号に基づき,AをE園に入所させる措置(本件入所措置)を採り,Bも同日これを知った(時点②)。23日,C市はBに月額5万1800円の負担金額決定を通知した。

Aは入所後に体調が回復した。Bは3月10日に適切な居宅介護と栄養指導を約束して退所を求めたが,Aは帰宅に迷っていると述べ,C市は13日に拒否した。Bは6月15日,施設入所の希望には協力し,居宅介護の場合も定期的な血液検査と数値低下時の直ちの入院・入所を行うとの誓約書を提出したが,Aの受け答えはしっかりせず一貫性を欠き,C市は,Aの認知面の能力低下の可能性とB以外に契約を手助けできる者がいないことを理由に退所させなかった。Bは7月6日,負担金相当額の賠償を求めて国家賠償請求訴訟(本件訴訟)を提起した(時点③)。

設問は,隣のF市の職員G,弁護士H及び若手弁護士Iの会議録を踏まえ,弁護士Iの立場で,〔設問1〕時点①以降の不応答について不作為の審査請求がされた場合の適法性を「行政庁の不作為」の該当性に絞って,〔設問2〕時点②でのBの取消訴訟の原告適格を,〔設問3〕時点②の措置の要件と時点③の解除の要件について,本件訴訟でのBの主張とC市の反論を,それぞれ検討させる。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 設問1(不作為についての審査請求)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文1「行政庁の不作為」の定義(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと)から,本件保護申請が「法令に基づく申請」に当たるかが争点であることを特定する53頁(設問1),5頁(弁護士Hの発言)行政不服審査法3条2「法令に基づく申請」の意義を,法令の明文又はその解釈により申請権が認められ,行政庁が諾否の応答義務を負う行為として示す45頁(弁護士Hの発言)行政不服審査法3条,行政手続法2条1号・3号3本件要綱が法令の委任に基づかない行政内部の定めであり,申請・審査・決定通知の規定(8条・9条)だけでは法令上の申請権が生じないことを示す55頁(弁護士Iの発言),10頁(本件要綱8条・9条)本件要綱8条~10条4緊急一時保護も老人福祉法11条の入所措置の一つであることを前提に,同条が申請の仕組みを設定しているかを検討する55頁(弁護士I・Hの発言)老人福祉法11条1項511条1項の文言(「必要に応じて」「採らなければならない」)から,市町村の職権による措置の仕組みであることを示す47頁(老人福祉法11条)老人福祉法11条1項6同法に措置の申請の規定がないこと(施設設置認可の申請,12条の解除の「申出」,生活保護法7条の申請保護の原則との対比)を示す37頁~8頁(老人福祉法12条)老人福祉法12条・15条6項,生活保護法7条7高齢者虐待防止法9条の通報・届出が職権発動の端緒にとどまることを示す29頁(高齢者虐待防止法9条2項)高齢者虐待防止法9条8本件要綱の申請・決定通知の構造から申請権を肯定する立場を取り上げ,法律が給付の仕組みを予定していた労災就学援護費判決との違いを示す310頁(本件要綱)最判平成15年9月4日9結論として,不応答は「行政庁の不作為」に当たらず,審査請求は不適法であるとする43頁(設問1)行政不服審査法3条10設問の限定(「行政庁の不作為」の該当性に絞る)を守り,審査請求先や期間等に立ち入らない13頁(設問1)行政不服審査法4条2 設問2(Bの原告適格)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文11Bが本件入所措置の名宛人ではないことから,「法律上の利益を有する者」への該当性が問題となることを示す44頁(設問2),5頁(弁護士Iの発言)行政事件訴訟法9条1項12「法律上の利益を有する者」の意義(自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者,個別的利益としての保護)を判例に即して示す55頁(弁護士Iの発言)最大判平成17年12月7日13第三者の原告適格の判断における考慮事項(根拠法令の趣旨・目的,目的を共通にする関係法令,利益の内容・性質)を示す45頁~6頁(弁護士Hの発言)行政事件訴訟法9条2項14本件入所措置によりB自身の権利が制限されるかを,Bの主張(約10年間の同居・介護関係の断絶)と対比して検討する32頁(Bの介護),6頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条15児童福祉法27条4項(親権者の意に反する措置の禁止)・28条1項(家庭裁判所の承認)と比較し,親権者の場合との違いを示す55頁~6頁(弁護士Hの発言),10頁(児童福祉法)児童福祉法27条4項・28条1項16高齢者の子である養護者には親権に相当する監護権がなく,老人福祉法11条・12条も養護者の同意や意見聴取を定めていないことを示す46頁(弁護士Hの発言),7頁(老人福祉法12条)老人福祉法11条・12条17老人福祉法5条の4が「養護者」を福祉の措置の対象に掲げることをB側の根拠として取り上げ,その意味を評価する37頁(老人福祉法5条の4)老人福祉法5条の4・10条の418高齢者虐待防止法14条(及び1条・6条)の養護者支援の規定をB側の根拠として取り上げ,それだけでは原告適格を基礎付けにくい理由を示す56頁(弁護士Hの発言),8頁~9頁(同法1条・6条・14条)高齢者虐待防止法1条・6条・14条19高齢者虐待防止法が,生命又は身体に重大な危険が生じている高齢者について,一時的な保護のための迅速な措置(養護者との分離を含む。)を予定していること(9条2項)を示す39頁(同法9条2項)高齢者虐待防止法9条2項20老人福祉法28条の費用徴収(扶養義務者)による財産上の利益を検討し,別個の負担金額決定によること,時点②では決定がないことを評価する33頁(負担金額決定),8頁(老人福祉法28条)老人福祉法28条1項21結論として,Bの原告適格を否定する(肯定する場合も,上記の根拠を踏まえた理由付けを示す)44頁(設問2)行政事件訴訟法9条3 設問3(時点②の入所措置の要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文22本件訴訟が国家賠償請求訴訟であり,取消判決を経ずに本件入所措置の違法を主張できることを示す23頁(本件訴訟),5頁(職員Gの発言)最判平成22年6月3日23国家賠償法上の違法の判断枠組み(職務上通常尽くすべき注意義務)をC市の反論として位置付ける23頁(本件訴訟)国家賠償法1条1項,最判平成5年3月11日24老人福祉法11条1項2号の要件を分解し,年齢と常時の介護の必要性は満たすと簡潔に処理した上で,困難性要件と補充性要件を争点として特定する45頁(弁護士Hの発言),6頁(職員Gの発言)老人福祉法11条1項2号25要件の判断に裁量があるかについて,C市の主張(「認めるとき」,専門的・緊急的判断)とBの主張(居所を公権的に定める措置の重大性)を示す37頁(老人福祉法11条)老人福祉法11条1項2号26困難性要件が居宅に虐待がある場合に満たされるとの手掛かりから,虐待(高齢者虐待防止法2条4項1号ロ)の有無を争点とする56頁(弁護士Hの発言),8頁(同法2条4項)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ27Bの主張として,「塩分控え目のものを十分」食べさせていたこと,尿に塩分が出やすい症状,1月5日の数値の程度,1月6日の入院,在宅の支援体制及び時点②で入院中であったことを挙げる42頁(事実関係)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ28C市の反論として,12月10日の医師の説明後も食事が改められなかったこと,12月25日のめまい,1月5日の数値と再発のおそれ,1月7日の報告書を挙げ,虐待は客観的に判断すべきとする42頁(事実関係)高齢者虐待防止法2条4項1号ロ・9条2項29補充性要件の意義(自ら介護老人福祉施設等と入所契約を締結することが困難な場合等)を示す46頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号30Bの主張として,Aの判断能力に問題がないこと,Bの手助けによる介護サービス契約の実績,介護支援専門員の手助けによる申請,要介護3で介護老人福祉施設に入所し得ることを挙げる42頁(事実関係)介護保険法8条22項・27項,同法施行規則17条の931C市の反論として,両腕の障害で契約はBの手助けに依存していたこと,Bに虐待のおそれがあること,生命の危険と「迅速」な保護の要請を挙げる42頁~3頁(事実関係),9頁(同法9条2項)高齢者虐待防止法9条2項32虐待の事実又はそのおそれの有無によって補充性要件の充足が左右されるという連動を示す36頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号33C市の判断(担当職員の報告書に依拠し,自ら契約することも困難と判断したこと)に対し,判断過程の不合理をBの予備的主張として示す22頁~3頁(1月8日の判断)老人福祉法11条1項2号4 設問3(時点③の措置解除の要件)番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文34老人福祉法12条が解除の手続を定めるにすぎないことを示し,措置の継続は11条1項2号の要件の存続を前提とし,一方の要件でも満たされなくなれば解除すべきであるとして解除の要件を特定する56頁(弁護士Hの発言),7頁~8頁(同法12条)老人福祉法11条1項2号・12条,同法施行規則6条35時点②の事実関係と,その後時点③までの事実の変化を区別して整理する43頁(事実関係),6頁(弁護士Hの発言)老人福祉法11条1項2号36Bの主張として,Aの回復,原因が食事にあったこと,3月10日の約束,6月15日の誓約書(定期的な血液検査,数値低下時の直ちの入院又は入所)から,困難性要件が消滅したとする53頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号37C市が3月13日に「確実であるとはいえない」として拒否したことを,要件の存続ではなく安全の確実性を求める誤った基準として指摘する33頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号38Bの主張として,施設入所への協力の誓約と,契約能力に問題があれば後見開始等の審判請求ができることから,補充性要件も消滅したとする33頁(誓約書),9頁(同法9条2項)老人福祉法32条39C市の反論として,医師の説明後も改善しなかった経緯,約束・誓約の実効性の欠如,Aの認知面の能力低下と要介護状態の重度化の可能性から,困難性要件が存続するとする53頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号40C市の反論として,Aが自ら契約することは困難であり,B以外に契約を手助けできる者がおらず,Bに代理権もないことから,補充性要件が存続するとする43頁(事実関係)老人福祉法11条1項2号41Aの意思(3月11日の「迷っている」,6月16日の「帰宅してもよい」と受け答えの不一貫)を双方の立場から評価する33頁(事実関係)老人福祉法12条5 答案全体番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文42設問の配点割合(20:30:50)に応じて分量を配分する22頁(配点)―43設問3で,Bの主張とC市の反論を要件ごとに対にして示す34頁(設問3)―44設問1と設問2の追加的な事実関係を別個独立のものとして扱う13頁(本文末尾)―6 重みの分布

44項目の内訳は,重み5が10項目,重み4が15項目,重み3が12項目,重み2が5項目,重み1が2項目であり,重みの合計は158点である。

重み5の10項目(番号1・3・4・12・15・18・26・34・36・39)は,設問1については会議録で弁護士Hが注意を促した要綱の法的性格と老人福祉法11条の申請の仕組み,設問2については弁護士Hが検討を求めた判断枠組み,児童虐待の場合との比較及び高齢者虐待防止法14条,設問3については弁護士Hが示した困難性要件と虐待の関係,解除の要件の特定及び時点③までの事情の変化をめぐる双方の主張である。

設問ごとの重みの合計は,設問1が36点,設問2が43点,設問3が73点であり,問題文の配点割合(20:30:50)とおおむね対応するようにした。

第5 参考答案1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目を満たすように作成したものであり,弁護士Iの立場で,令和8年1月1日現在において施行されている法令及び問題文の各時点の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,本問は会議録で検討の方向がかなり示されており,設問3は双方の主張・反論を問うものであるから,規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。

字数は見出しを含めて4,197字である。
令和8年司法試験のCBT方式の論文式試験では,答案は1頁23行,1行当たり最大30文字で,必須科目は1問につき8頁(184行)が上限である(法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q73)。この答案は,1文ごとに段落を改めて改行し,1行30字で折り返すと184行となり,8頁の上限をちょうど使い切る分量にした。設問ごとの行数は,設問1が38行,設問2が55行,設問3が91行である。

2 答案

1 設問1について
(1) Aの本件要綱に基づく一時保護の申請(以下「本件保護申請」という。)への不応答は,「行政庁の不作為」(行政不服審査法3条)に当たるか。
 同条は,不作為を「法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないこと」と定義する。
 そこで,本件保護申請が「法令に基づく申請」に当たるかが問題となる。
 思うに,同条の審査請求は,応答義務を怠る行政庁から申請者を救済する制度である。
 よって,「法令に基づく申請」とは,法令の明文又は解釈により申請権が認められ,行政庁が諾否の応答義務を負うものをいうと解する(行政手続法2条3号参照)。
(2)ア 本件要綱は,申請(8条),審査及び決定通知(9条)を定める。
 しかし,要綱は法令の委任に基づかない行政内部の定めであり,私人に対する法的拘束力を持たない。
 したがって,本件要綱だけでは法令上の申請権は生じない。
イ では,老人福祉法11条の解釈により申請権が認められないか。
 緊急一時保護も,法的には同条の入所措置の一つである。
 同条1項は「必要に応じて,次の措置を採らなければならない」と定め,市町村が職権で措置を採る仕組みである。
 同法は施設設置認可の「申請」(15条6項)を定める一方,措置には申請の規定を置かず,本人の意思が現れるのは解除の「申出」(12条ただし書)のみである。
 これは,保護を「申請に基いて」開始する生活保護法7条と対照的である。
 高齢者虐待防止法9条の通報・届出も,職権発動の端緒にすぎない。
 確かに,要綱の申請手続に基づく給付の決定を処分とした判例がある(最判平成15年9月4日)。
 しかし,同判決は法律自体が給付の仕組みを予定していた事案であり,根拠法が職権による措置を定める本件とは異なる。

(続きを読む...)令和8年度司法試験公法系第2問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和8年度司法試験公法系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準1 評価項目の示し方2 5段階の重み付けの基準第3 本問の概要第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)1 共通の前提2 設問①(管理上の支障)3 設問②(特別な理由)―判断枠組みと代替手段4 設問②(特別な理由)―政治的中立性5 答案全体6 重みの分布第5 参考答案1 答案の前提と表記2 答案3 本記事独自の予想に基づく解説第6 関連記事1 前年度の同じ科目の模範解答2 本問の参考答案と関連する山中弁護士ブログの記事3 同じ年度の主要7科目の参考答案第7 出典及び確認状態1 公式資料2 法令3 裁判例4 確認状態
第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び参考答案は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,公法系科目第1問(憲法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす参考答案を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月29日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。第5の答案も,令和8年の出題の趣旨及び採点実感を踏まえたものではないため,「模範解答」ではなく「参考答案」と呼ぶ。

本問は,A市の中心部にある市立公園(本件公園)で,住宅費高騰への抗議として寝袋や段ボールで一夜を過ごす活動をするための夜間の独占使用の申請(本件申請)について,市長が,①条例5条3項5号の「管理に支障がある」ことを根拠として,②条例8条2項の「夜間の独占使用を認めるべき特別な理由」がないことを根拠として,それぞれ不許可処分をすることが憲法上許されるかを,市の法曹資格者の立場で論じさせるものである。

本記事が独自に予想した評価項目は37項目であり,重み5(設問又は会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,泉佐野市民会館事件判決の判断枠組みと危険の程度,上尾市福祉会館事件判決の「管理上支障」の限定解釈と敵意ある聴衆の法理,代替手段論への反論,金沢市庁舎前広場事件判決の「外見上の政治的中立性」の論理とその射程,及び新幹線延長の催しの許可から導かれる見解差別の8項目である。

第5の参考答案は,①②のいずれについても不許可処分は憲法上許されないとの結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,甲と乙の会話で検討が求められた事項,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(公法系科目の問題冊子の第1問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。判例名は,泉佐野市民会館事件判決(最判平成7年3月7日),上尾市福祉会館事件判決(最判平成8年3月15日),金沢市庁舎前広場事件判決(最判令和5年2月21日),皇居外苑事件判決(最大判昭和28年12月23日),呉市立中学校事件判決(最判平成18年2月7日)及び吉祥寺駅事件判決(最判昭和59年12月18日)の略称である。

評価項目を作る順序は,まず設問が指定する立場,求める成果物及び検討範囲を固定し,求められる法的効果又は救済から,条文又は規範,理由,具体的な当てはめ及び結論という主たる法的経路を逆算する,というものである。論点名が想起できるかではなく,答案が設問に答えて結論まで到達できるかを基準にした。

問題文に相反する事実が置かれている場合は,有利な事実と不利な事実を対にして評価する。主たる理由,代替構成,補強事情及び設問上の除外事項を区別し,「書くことが少ない」という理由だけで設問外の論点を加えない。

判例は,事件名又は結論を挙げるだけでなく,本問で使う判断枠組み,規範の理由,考慮要素又は法的効果を特定し,本件との共通点・相違点と射程を示すものとした。

予想評価項目の作り方と読み方の詳細は,司法試験論文式の予想評価項目の作り方と読み方―公式資料公表前の問題文・法令・判例による5段階評価(AI作成)にまとめた。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問又は甲・乙の会話が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会話が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重みは,答案で費やす文字数とは一致しない。短く書ける条文上の出発点でも,欠くと結論又は救済に至る法的経路が崩れるなら重く,具体的な当てはめに長い記載を要しても,個々の補強事情まで自動的に重み5になるわけではない。

各項目を読む際には,必須,累積,代替,補強又は除外のどの機能を持つかを区別する。重み5の数を前年度又は他科目に合わせるための調整はせず,その項目を欠くと設問への応答又は主たる法的経路が崩れるかを項目ごとに判断した。

第3 本問の概要

本件公園は,A市が都市公園法に基づいて設置した60メートル四方の市立公園であり,同規模の市立公園のうち市の中心部にあるのは本件公園だけで,南側の中央大通りは昼夜を問わず通行人が多い。公園の一部又は全部の独占使用には市長の許可が必要であり(本件条例5条1項),これまで国際交流団体の行事や原水爆禁止を訴える集会が開かれたことがある。

夜間の暴走族の集会や未成年者の飲酒への陳情を受けて,本件条例8条1項は本件公園の夜間(午後7時から翌日午前7時まで)の利用を禁止し,A市は公園を柵で囲んで夜間は施錠している。ただし,同条2項により,特別な理由があるときは夜間の独占使用が許可され,星座鑑賞会や盆踊り等,例年10~20件が許可されている。新幹線延長を訴える無料ビアガーデンも許可され,市議会で政治的中立性を問題とする質問を受けた市長は,新幹線延長は自身の公約で市の基本政策であるから批判は当たらないと答弁した。

市民団体Xは,住宅費高騰への抗議として世界各地の都市で同時刻に一夜を過ごす国際的なプロジェクトに呼応し,7月1日午後8時から翌2日午前6時まで本件公園を独占使用する申請をした。参加者は幹部6人と会員の約20名で,一般市民は立ち入らせない。幹部の一人Bは,外国人排斥デモに対するカウンターデモを行う団体Cの代表で,衝突の際に逮捕されたが不起訴となっている。

総務部長甲は,Bの存在による暴力の危険と警察官の配備の困難(管理上の支障),昼間の公園や公民館でも活動できることと市の政治的中立性(特別な理由がないこと)を理由に不許可にしたいと考え,法曹資格者の乙に相談した。設問は,乙の立場で①②の不許可処分が憲法上許されるかを論じさせ,参考とすべき判例や自己の見解と異なる立場への言及を求める一方,規定の文言の明確性は論じる必要がないとしている。

(続きを読む...)令和8年度司法試験公法系第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け(AI作成)