53期司法修習まで存在していたかもしれない,新任検事の採用における女性枠

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目次
1 女性司法修習生の検事採用に関する平成13年3月22日の国会答弁
2 法務大臣宛の要望書(平成13年9月11日付)
3 修習終了者からの検察官任官者のうちの,女性の数
4 関連記事その他

1 女性司法修習生の検事採用に関する平成13年3月22日の国会答弁
・ 21期の但木敬一法務大臣官房長は,平成13年3月22日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 平成十二年の十月四日に第五十三期司法修習生有志から請願の文書が出ております。この中では、多数の男性検事が、女性検事は使いにくい、使えない、女性検事は取り調べに向かないなどと口外することが日常茶飯事だと書かれております。それから、一部報道機関では、現職の検事あるいはOBの検事が、暴力団の調べなどには女性は向かないんだというようなことを言っておるというような記事が出ております。
    ただ、御指摘の修習生の教官、これは、御趣旨は多分、研修所の教官という意味ではなくて各実務修習地での教官という御趣旨なのか、教官がそういうことを言ったということについては私は承知はしておりません。
    ただ、いずれにいたしましてもそういうようなことを言っている検事がいるのではないかという御指摘で、私もそのすべてが、そんな人は一人もいませんと言うつもりはございません、やっぱりそういう長い間男性中心の職場であったことは否めないわけでありまして、そういう意味では、そういう意識でいる検事もいなくはないだろうなと思います。
    ただ、そういう時代は確実に終わろうとしているというふうに思っておりまして、現に今、若い女性が随分検事に任官されて、いろいろな部署で活躍をされています。東京地検の特捜部にも女性検事が何人も輩出しましたし、あるいは本省で働いている女性検事も随分ふえてまいりました。また、被害者の声を重視する検察ということが皆さんからも求められている時代に、女性が被害者である事件について、第二次的な性的暴力と言われている取り調べを女性検事がするということは非常に大事なことだろうと思っておりますし、別にそういう性別にかかわらず、普通の事件を男女区別なく、能力ある人にやっていただく時代にもう既に到達しているというふうに思っておりますので、そのような向きが全くないとは申しませんけれども、それは大きな時代の流れでいえば、そういう時代は終わったんだというふうに認識しております。
② 私が申しましたように、性別を問わず適性のある人が検事になるべきだというふうに思っております。この枠問題というのは、実は数字を見るとそうではないかというふうに大分疑われて追及されておるんですが、法務省としてそういう枠をつくったつもりは全くございません。
    教官からそういう発言があったということもありまして、大分心配して司法研修所の教官にも聞いてみたんですが、そういうような意識はないと思っております。現に司法研修所の教官の中にも女性の教官が既におりますので、研修所の教官がそういう意識を持つということはないだろうというふうに思っております。


2 法務大臣宛の要望書(平成13年9月11日付)
(1) 日弁連HPに載ってある「森山法務大臣に対する検察官任命に関する要望書」(平成13年9月11日付)には以下の記載があります。
    司法研修所49期から53期については、1クラス3名以上の女性任命者がいるクラスはなく、0~1名ないし2名である。アンケート調査及び面接調査によると、「女性枠」の存在は、司法修習生のほぼ共通認識となっていることがうかがわれる。は、司法修習生間の単なるうわさ話などというものではない。女性任命者の数を原則1クラス1名、例外的に2名とするという情報は、司法研修所検察教官及び他の教官並びに実務修習での指導担当検事等から司法修習生に与えられており、被調査者の「女性枠」に関する供述は、日時・場所・状況・内容等が具体的かつ明確である。しかも、単に、教官等から「女性枠」の存在についての発言があったということにとどまらず、実際に検察教官などが任官志望者に対し、「女性枠」を前提に任官を薦めたり諦めさせたりしている具体的な事実が確認されており、十分信用できる。
(2) 日弁連は,「検察官任官における『女性枠』を考える53期修習生の会」(土井香苗代表)より、司法研修所における検察官任命の「女性枠」に関する要請があったことを受けて,特別調査チームを設け,平成13年1月から調査を行っていました。


3 修習終了者からの検察官任官者のうちの,女性の数
・ それぞれの修習期のクラス数のほか,修習終了者からの検察官任官者のうち,女性の数は以下のとおりでした。
10クラスの46期:75人が任官し,そのうちの女性は11人
10クラスの47期:86人が任官し,そのうちの女性は16人
12クラスの48期:71人が任官し,そのうちの女性は12人
12クラスの49期:70人が任官し,そのうちの女性は16人
12クラスの50期:73人が任官し,そのうちの女性は11人
12クラスの51期:72人が任官し,そのうちの女性は16人
12クラスの52期:69人が任官し,そのうちの女性は16人
12クラスの53期:74人が任官し,そのうちの女性は10人
(54期が採用されたのは平成13年10月)
14クラスの54期:76人が任官し,そのうちの女性は20人
14クラスの55期:75人が任官し,そのうちの女性は22人
14クラスの56期:75人が任官し,そのうちの女性は19人
16クラスの57期:77人が任官し,そのうちの女性は19人
16クラスの58期:96人が任官し,そのうちの女性は30人
20クラスの59期:87人が任官し,そのうちの女性は26人


4 関連記事その他
(1) 司法の病巣119頁には以下の記載があります。
   土井らは、複数の検察官出身教官の言葉や過去数年間のクラス別の女性の検事任官者数の追跡から、「女性枠」の存在を指摘した。調査では対象となった六十クラスのうち、女性の任官者ゼロが九クラス、一人が三十三クラス、二人が十八クラス、三人はゼロだった。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 昭和51年の30期前期修習で発生した,女性司法修習生に対する司法研修所裁判教官等の差別発言問題(教官等の弁明が正しいことを前提として厳重注意で終了した事件)
・ 女性判事及び女性判事補の人数及び割合の推移
・ 日弁連の女性副会長
・ 日弁連の女性理事

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