目次
1 総論
2 登記されていないことの証明申請書
3 令和元年6月施行の,成年後見制度適正化法
1 総論
(1) 登記されていないことの証明書(後見登記等に関する法律4条1項・後見登記等に関する省令17条2項3号)の発行手続は,東京法務局後見登録課,全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課の窓口で行っています。
登記されていないことの証明書を取得するためには,直接,法務局の担当窓口に行くか,東京法務局後見登録課宛に郵送で申請する必要があります。
(2) 登記されていないことの証明書を窓口で取得する場合,運転免許証,健康保険証,パスポート等の,住所,氏名及び生年月日が分かる書類を提示する必要があります。
(3) 東京法務局の場合,「〔処理期間〕申請書を受領してから発送するまで2~3日,したがいまして,申請書を郵送されてから証明書がお手元に届くまで約1週間~10日程度となっております。」(東京法務局HPの「登記されていないことの証明書の申請方法」参照)とのことです。
そのため,1週間以内に確実に取得するためには,全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課の窓口に行って取得する必要があります。
(4)ア 大阪法務局本局の場合,2階の後見登記証明書発行窓口が担当しています(案内図につき大阪法務局HPの「大阪法務局(本局)」参照)。
イ 窓口取扱時間は午前8時30分から午後5時15分までですし,土日祝日は業務を行っていません(大阪法務局HPの「窓口取扱時間等のご案内」参照)。
2 登記されていないことの証明申請書
(1) 「登記されていないことの証明申請書」には300円の収入印紙を貼付する必要があります。
(2) 「証明を受ける方」欄については,住所又は本籍のいずれかを申請書に記載すればいいです(後見登記等に関する省令17条2項4号「証明の対象となる者の氏名、出生の年月日及び住所又は本籍」参照)。
(3) 法務局HPの「登記されていないことの証明申請書」に,記載例が載っています。
(4) 「登記されていないことの証明書」は,自筆した申請書の一部をスキャナーか何かでそのまま取り込んで,その取り込んだ部分を活用して作成されます。
(5) 行政書士こばやし事務所HPの「登記されていないことの証明書の申請」に,証明書を取得した際の体験談が載っています。
3 令和元年6月施行の,成年後見制度適正化法
(1) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(令和元年6月14日法律第37 号)(略称は「成年後見制度適正化法」です。)が公布日に施行されたことに伴い,成年被後見人等であることが司法修習生採用の欠格事由から外れました。
そのため,73期以降の司法修習生となる場合,「登記されていないことの証明書」を提出する必要がなくなりました。
(2) 例えば,令和元年度司法修習生採用選考要項(令和元年7月3日付)では,司法修習生の採用選考における提出書類として,「登記されていないことの証明書」は含まれていません。
(3) 「登記されていないことの証明書」は,弁護士登録をする際にも必要でしたが(改正前の弁護士法7条4号),現在は不要です