本記事は「刑事事実認定ガイド(平成28年9月)」についての令和元年6月14日付けの理由説明書と,令和2年10月12日付けの補充理由説明書に関する資料紹介を収録している。第1の不開示理由だけを読んで,全内容が現在も一律に不開示と理解することはできない。後の補充理由説明書では,別表記載の一般的・概括的な解説及び図を開示することが相当であると説明し,その余の部分は不開示情報に相当するとの説明を維持している。
特定の版・申出対象部分についての説明と,他の刑事教材の公開状況は別である。司法研修所が一般公開する「新プロシーディングス刑事裁判」等の案内は,刑事裁判修習の教材を参照されたい。
司法研修所の役割・組織と,通所・寮・教材の目的別案内は,司法研修所とはを参照されたい。
第1 平成28年9月版の不開示理由の説明
・ 令和元年6月14日付の理由説明書には「最高裁判所の考え方及びその理由」として以下の記載があります。
ア 「刑事事実認定ガイド(平成28年9月) 」(以下「本件対象文書」という。)は,毎年,司法修習生に対して,修習開始前に事前発送しているテキスト教材である。同教材は,第1章として,具体的事案の記録と同事案の事実認定に関して検討すべき設問,第2章として,設問の解答を導くために必要な事実認定の基本的な考え方の解説からなり,第2章を参照しつつ第1章の設問を検討することを通じて,修習開始前に,刑事事実認定に関する基本的な視点や考え方を自修することができる構成となっている。
また,修習開始後は,司法研修所教官や分野別実務修習における指導裁判官の指導を受けながら必要に応じて参照し,あるいは通読することにより,修習内容の復習や,定着,深化に役立てることも期待されている。
本件対象文書は,上記のとおり,司法修習生が,司法修習開始前に自修したり,修習中に参照,復習したりして,刑事事件に関する事実認定能力をかん養するための教材文書である。
この教材の内容を開示した場合には,その情報が流布され,設問の検討のポイントや解答案が作成されて一般に公開されることによって,司法修習生が主体的な取組みをしなくなるおそれがあるし,刑事事実認定は個別性が高く,事案の特質に応じて問題となる点は様々であるのに,解説に記載された基本的な考え方のみ習得すれば答えが出せるとの誤解を生み,司法修習生の積極的な学修の妨げとなるおそれもある。
したがって,これらの情報は,開示することにより修習の目的が達成されず,修習事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると言える。
イ また,とりわけ第1章の記録編については,実在の事件記録を題材として作成されたものであるところ,固有名詞や住所,事件内容の一部に加工処理を行うなど,特定の事件に結びつかないよう抽象化処理が行われているものの,他の情報と照合すること等により特定の個人を識別することが可能な場合も考えられえるし,特定の個人を識別することができないとしても,公になることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがある。
そして, このように特定の個人が識別されたり個人の権利利益が害されるような事態となれば,今後,実在の事件記録を題材として教材を作成することが困難となり,修習事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるといえる。
ウ 以上から,本件対象文書には,公にすると個人の権利利益を害するおそれがある情報及び公にすると修習事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報が記載されており,同情報は法第5条第1号及び第6号に定める不開示情報に相当することから,同情報が記載されている部分を開示しないこととした。
したがって,原判断は相当である。
第2 一般的な解説・図の開示と関連資料
令和2年10月12日付け補充理由説明書の写しを掲載している。PDF1頁は同月19日付けの送付書,2頁は補充理由説明,3頁~5頁は開示相当とされた部分の別表である。
(1) 刑事事実認定ガイド1/2及び2/2を掲載しています。
(2) 令和2年10月12日付の補充理由説明書に基づき,事実認定の教材で通常用いられる用語や概念等の一般的・概括的な解説及び図については開示されることとなりました。
R021012 最高裁事務総長の補充理由説明書(刑事事実認定ガイドの一般的・概括的な解説及び図は開示することとした。)を添付しています。 https://t.co/4ZN4yleXDU pic.twitter.com/Ja8wNxFY4r
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) October 25, 2020
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習開始前の送付資料
・ 司法修習生の司法修習に関する事務便覧
>RT
1.被害者の証言は詳細かつ迫真性があり信用できる。
2.被害者があえて虚偽を述べる動機はない。
3.被告人の弁解には裏付けがなく信用できない
4.繊維片等の客観証拠はないが必ず付着するものではないので弁護人の主張は採用できない。
で有罪が日本の刑事司法クオリティ— 深澤諭史 (@fukazawas) May 27, 2017
典型的な刑事裁判判決の認定方法として以下のものがある。
検察側証人A(目撃者)、B(被害者)「Aの供述の信用性を検討する
利害関係がない
供述が客観的な証拠に沿う
迫真性がある
核心部分には変遷がない
Aの供述は信用できるBの供述は信用できるAの供述に沿ったものであり信用できる
— やぎさん (@soushokuyagisan) May 19, 2019