司法修習生の欠席に関する地裁所長経験者の説明等


30期の山名学司法研修所長(前千葉地裁所長)は,平成26年6月4日の第28回司法修習委員会において以下の発言をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 司法研修所の所長としての立場ではなく,前任の千葉地裁の所長をやっていた経験から,裁判所の中での修習生の実情を少し紹介したい。
   学生気分が抜けきらないというのは,飲み会の席で話を聞いている時に感じることはあるが,合議をしたり,起案をしたり,法廷傍聴をしたりといった修習中にそのようなことを感じることはない。
2 就職が気になるという点は,気になっている修習生もいるとは思うが,裁判官室で色々と日常的に議論をしている際に,それが尾を引いて議論が活発にならないといったことはない。
   ただ,弁護士事務所の就職面談のための欠席承認申請というものは時折ある。この日に何故就職面談に行かなければならないのかというような疑問を持つことが裁判所の方からするとあるが,弁護士事務所の指定する日時なので,法廷傍聴の方が大事だから行くなというわけにもいかない。将来がかかっているので,ある程度大目に見て欠席を承認して事務所訪問をさせている。
   大きな目で見ると,就職状況に問題があって少し就職の方に気が行っていることが見えることはあるが,本筋として,修習で手を抜いているといった現象は,裁判所にいる時期には見かけないと理解している。

東弁リブラ2009年2月号「60年安保と三井三池争議の渦中,出会った本に肩を押されて」には以下の記載があります。
   実務修習中の1960 年が,いわゆる60 年安保の年である。修習生たちは毎日裁判所の玄関に集まって裁判所職員の人たちと一緒になってデモや集会に行った。文字通り毎日である。
   東京では裁判官たちがデモに参加している,と聞いたが,福岡の裁判官でデモに行った人はいなかったと思う。その代わり修習生たちが法廷傍聴も判決起案も全部パスしてデモに明け暮れていてもまったくお咎めなしであった。


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