メインコンテンツへスキップ

弁護士・弁護士会

弁護士の懲戒事由-弁護士法56条の4類型と判断基準(AI作成)

目次

第1 弁護士法56条1項が定める懲戒事由第2 四つの懲戒事由の内容1 弁護士法に違反したとき2 弁護士会又は日本弁護士連合会の会則に違反したとき3 所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき4 その他,品位を失うべき非行があったとき第3 弁護士職務基本規程と懲戒事由の関係1 個別規定の役割2 形式的違反だけで決めないこと3 行動指針又は努力目標とされる規定第4 懲戒事由該当性と処分の判断基準1 最高裁平成18年9月14日判決2 懲戒しないことが明らかな場合3 具体例を見るときの注意点第5 懲戒判断と私法上・刑事上の評価1 契約等の私法上の効力とは別の問題であること2 民事責任及び刑事責任とも区別されること第6 期間制限と関連記事1 懲戒手続の除斥期間2 懲戒手続等の記事第7 出典1 法令,会則及び会規2 裁判例3 公的機関の解説
第1 弁護士法56条1項が定める懲戒事由

弁護士法56条1項は,弁護士及び弁護士法人の懲戒事由を,①弁護士法違反,②所属弁護士会又は日本弁護士連合会の会則違反,③所属弁護士会の秩序又は信用を害する行為,④その他職務の内外を問わない品位を失うべき非行という四つの類型で定めている。
前三者に該当しない行為であっても,具体的事情に照らして④に当たることがあり,複数の類型に同時に該当することもある。

「職務の内外を問わず」と定められているため,受任事件の処理だけが審査対象になるわけではない。
もっとも,弁護士に好ましくない行為があれば直ちに懲戒されるという意味ではなく,懲戒事由該当性,懲戒の要否及び処分の種類は,事案ごとに判断される。

本記事は,令和8年9月7日現在の法令等に基づき,懲戒事由とその判断枠組みを説明するものである。
懲戒請求の手続,処分の種類及び処分歴の公表については,第6に掲げる関連記事で扱っている。

第2 四つの懲戒事由の内容
1 弁護士法に違反したとき

弁護士法には,秘密保持義務,非弁護士との提携の禁止,係争権利の譲受けの禁止等,弁護士の職務及び身分に関する規律が置かれている。
個別行為が弁護士法違反に当たるかは,各条文の要件に即して判断する必要がある。

2 弁護士会又は日本弁護士連合会の会則に違反したとき

弁護士は,所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない(弁護士法22条)。
日本弁護士連合会会則29条は,弁護士が所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則,会規及び規則を守る義務を定めているため,弁護士職務基本規程を含む各規律の内容を確認することになる。

3 所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき

所属弁護士会の組織秩序又は社会的信用を害する行為は,独立の懲戒事由である。
弁護士個人の行為について,所属弁護士会との関係及び信用への影響を具体的に検討する必要がある。

4 その他,品位を失うべき非行があったとき

「品位を失うべき非行」は,個別の禁止規定に形式的に該当する行為だけに限られない。
弁護士の使命,職務の公共性及び社会的信頼との関係から,職務上又は私生活上の行為が実質的に評価される包括的な懲戒事由である。

第3 弁護士職務基本規程と懲戒事由の関係

規程の現行本文,条文別索引及び利益相反・守秘義務等の主要論点は,弁護士職務基本規程の総合記事で確認できる。会則と会規である職務基本規程は,出典と規範の位置付けを区別して参照する。

1 個別規定の役割

弁護士職務基本規程は,依頼者との関係,相手方との関係,共同事務所における規律,非弁護士との関係その他の職務上の行為準則を定めている。
利益相反についても,公職就任中の職務を対象とする同規程81条だけでなく,職務を行い得ない事件を定める同規程27条及び28条等,場面に応じた個別規定を確認する必要がある。

2 形式的違反だけで決めないこと

弁護士職務基本規程82条1項は,弁護士の職務の多様性と個別性に鑑み,弁護士の自由と独立を不当に侵すことのないよう,同規程を実質的に解釈し適用しなければならないとしている。
したがって,弁護士職務基本規程に関する懲戒判断は,個々の条文の文言だけで完結せず,具体的な職務及び行為の実質を検討する必要がある。

(続きを読む...)弁護士の懲戒事由-弁護士法56条の4類型と判断基準(AI作成)

弁護士の懲戒制度の概要(AI作成)

第1 制度の目的とこの記事の範囲第2 懲戒事由と処分の種類1 懲戒事由2 弁護士に対する4種類の処分3 弁護士法人に対する処分第3 懲戒請求から処分までの流れ1 誰がどこへ請求するか2 綱紀委員会の調査と懲戒委員会の審査3 日弁連が自ら手続を開始する場合第4 懲戒請求者による異議申出1 異議申出の対象と期間2 日弁連綱紀委員会と日弁連懲戒委員会の役割3 綱紀審査会第5 懲戒を受けた弁護士側の不服申立て第6 3年の除斥期間第7 懲戒処分の判断1 懲戒権者の裁量2 行政手続法12条との関係第8 懲戒請求の限界第9 通知,公告及び処分歴情報第10 関連記事第11 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 職能団体の制度案内・運用資料
第1 制度の目的とこの記事の範囲

本記事は,令和8年9月7日現在の弁護士法に基づき,弁護士に対する懲戒制度の目的,懲戒事由,処分の種類,手続,不服申立て及び公表の概要を説明するものである。
個別の弁護士会が定める提出書式その他の運用は異なり得るため,実際に懲戒請求をするときは,提出先となる弁護士会の最新案内も確認する必要がある。

最高裁昭和49年11月8日判決は,弁護士の懲戒制度について,弁護士会又は日本弁護士連合会の自主的な判断に基づき,弁護士の綱紀,信用及び品位等を保持することを目的とする制度であると述べている。
懲戒請求権と異議申出権は,この目的を適正に達成するという公益的見地から認められたものであり,懲戒請求者個人の損害賠償,返金その他の私的救済を実現するための制度ではない。

第2 懲戒事由と処分の種類
1 懲戒事由

弁護士法56条1項は,①弁護士法又は所属弁護士会若しくは日弁連の会則に違反したとき,②所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき,③職務の内外を問わず品位を失うべき非行があったときに,弁護士及び弁護士法人が懲戒を受けると定めている。
懲戒は,原則として対象となる弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が行う。

2 弁護士に対する4種類の処分

弁護士法57条1項が定める弁護士に対する懲戒処分は,次の4種類である。
①戒告は,規律違反を戒める処分である。
②業務停止は,2年以内の期間,弁護士業務を行うことを禁止する処分である。
③退会命令は,弁護士の身分を失わせるが,弁護士となる資格までは失わせない処分である。
④除名は,弁護士の身分を失わせ,弁護士法7条3号により,処分の日から3年を経過しない間は弁護士となる資格も失わせる処分である。

3 弁護士法人に対する処分

弁護士法人に対しても,戒告,2年以内の業務停止又は法律事務所の業務停止,退会命令及び除名が定められているが,従たる法律事務所だけを有する地域か,主たる法律事務所を有する地域かによって処分の範囲が異なる。
各処分の効果は,弁護士の戒告,業務停止,退会命令及び除名の記事で詳しく説明している。

第3 懲戒請求から処分までの流れ
1 誰がどこへ請求するか

弁護士法58条1項により,何人も,懲戒事由があると思料するときは,その事由の説明を添えて,対象となる弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会に懲戒を求めることができる。
事件の依頼者又は相手方であることは要件ではないが,個人が最初から日弁連へ懲戒請求をすることはできない。

提出方法,書式及び本人確認資料は,提出先の弁護士会の案内を確認することになる。
例えば,大阪弁護士会の案内は,書面による懲戒請求書と本人確認書類の提出を求めている。

2 綱紀委員会の調査と懲戒委員会の審査

所属弁護士会は,懲戒請求を受けたとき,対象となる弁護士等を懲戒の手続に付し,綱紀委員会に事案を調査させなければならない。
綱紀委員会が懲戒委員会に審査を求めないことを相当と議決したときは,弁護士会が懲戒しない旨を決定する。

綱紀委員会が懲戒委員会に審査を求めることを相当と議決したときは,弁護士会が懲戒委員会に審査を求める。
懲戒委員会は,懲戒するかどうか及び懲戒する場合の処分内容を審査して議決し,弁護士会はその議決に基づいて懲戒又は懲戒しない旨の決定をする。

(続きを読む...)弁護士の懲戒制度の概要(AI作成)

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

○弁護士法(昭和24年6月10日法律第205号)(現在の弁護士法です。)によって廃止された,弁護士法(昭和8年5月1日公布の法律第53号)(いわゆる「旧弁護士法」です。)の条文は末尾のとおりです。
○旧弁護士法は,弁護士法(明治26年3月4日公布の法律第7号)(いわゆる「旧々弁護士法」です。)と比べて以下の点が異なりました。
① 弁護士の職務について,従前は法文上,訴訟に限定していたのを,あらゆる法律事務に拡張したこと。
② 女性に弁護士資格を認めたこと。
③ 弁護士試補制度が設けられたこと。
○弁護士による法律事務の独占は,昭和11年4月1日施行の法律事務取扱ノ取締ニ関スル法律(昭和8年5月1日法律第54号)によって定められました。

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

第一章 弁護士ノ職務及資格

第一条
弁護士ハ当事者其ノ他ノ関係人ノ委嘱又ハ官庁ノ選任ニ因リ訴訟ニ関スル行為其ノ他一般ノ法律事務ヲ行フコトヲ職務トス

第二条
1 左ノ条件ヲ具フル者ハ弁護士タル資格ヲ有ス
一 帝国臣民ニシテ成年者タルコト
ニ 弁護士試補トシテ一年六月以上ノ実務修習ヲ了へ考試ヲ経タルコト
2 前項第二号ノ実務修習及考試二関スル事項ハ司法大臣之ヲ定ム

第三条
1 弁護士試補タルニハ成規ノ試験二合格スルコトヲ要ス
2 前項ノ試験二関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第四条
左二掲グル者ハ前二条ノ規定二拘ラズ弁護士タル資格ヲ有ス
一 判事又ハ検事ダル資格ヲ有スル者
二 三年以上専任行政裁判所長官又ハ専任行政裁判所評定官タリシ者
三 三年以上陸軍法務官又ハ海軍法務官タリシ者

(続きを読む...)弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(1993年以降の分)(AIリライト)

第1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(原資料)第2 全国の弁護士に対する懲戒請求・懲戒処分の推移(1993年~2025年)第3 日弁連に対する審査請求等の推移第4 弁護士賠償責任保険の支払実績第5 関連記事出典・参考資料1 裁判例2 公的資料

第1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(原資料)

日本弁護士連合会(日弁連)は,各弁護士会に対する懲戒請求,日弁連に対する審査請求,異議申出及び綱紀審査申出の件数を毎年集計し,「懲戒請求事案集計報告」として自由と正義誌及び日弁連ウェブサイトで公表している。この公表は毎年3月中旬から下旬にかけて行われ,直近10年分の推移がまとめて掲載されるのが通例である。日弁連ウェブサイトの「基礎的な統計情報」は,2026年8月時点で2010年版から2025年版まで毎年更新されているが,そこに掲載されている懲戒統計のグラフも,新受件数の推移は2008年分から,懲戒処分率の推移は2002年分からしか遡っていない。本記事は,日弁連が毎年公表する当該年分の集計報告を通算し,1993年分から2025年分までを一覧化したものである。1993年から2002年までの分は,現在の日弁連ウェブサイトでは個別の集計報告として公開されておらず,自由と正義誌のバックナンバーによって確認した。

日弁連が公表している各年分の集計報告(2015年分以降,日弁連ウェブサイトで確認できる分)は次のとおりである。

2015年分
2016年分
2017年分
2018年分
2019年分
2020年分
2021年分
2022年分
2023年分
2024年分
2025年分

第2 全国の弁護士に対する懲戒請求・懲戒処分の推移(1993年~2025年)

次の表は,各年の懲戒請求の新受件数,懲戒処分の内訳(戒告,業務停止,退会命令,除名)及びその合計,並びに懲戒処分率をまとめたものである。懲戒処分率は,日弁連の懲戒委員会で審査が開始された事案のうち,実際に懲戒処分に至った事案の割合であり,日弁連が公表資料で示す「懲戒請求の新受件数に対する処分件数の割合」(2024年分で3.1%)とは分母が異なる別の指標である点に注意されたい。年度のずれ(弁護士会での受付年と日弁連の集計年のずれ)は無視して示している。

年新受戒告業務停止退会命令除名懲戒計処分率

20253,04959514111549.4%

(続きを読む...)弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(1993年以降の分)(AIリライト)