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日本弁護士政治連盟(弁政連)(AIリライト)

第1 弁政連の位置付け

日本弁護士政治連盟(弁政連)は、昭和34年(1959年)に設立された弁護士の政治団体である。

弁政連公式サイトは、弁政連について、日本弁護士連合会(日弁連)とは別の独立した組織であると説明している。

弁政連の会員は、弁政連の目的に賛同する弁護士であり、弁護士であることによって当然に会員となるものではない。

これに対し、弁護士法8条、36条及び47条によれば、弁護士となるには日弁連の弁護士名簿への登録が必要であり、登録を受けた者は所属弁護士会及び日弁連の会員となる。

したがって、弁政連は任意加入の政治団体であるのに対し、弁護士会及び日弁連は弁護士資格と結び付いた法定の強制加入団体であるという違いがある。

本記事は、令和8年8月29日現在の弁政連公式サイト、現行法令及び総務省公表資料に基づくものである。

第2 目的及び主な活動

日本弁護士政治連盟規約3条は、日弁連及び弁護士会の目的を達成するために必要な政治活動及び政治制度の研究を行うことを弁政連の目的としている。

同規約4条は、国民のための司法の実現、法律制度の改革・改善、弁護士の使命達成に必要な事業及び政治資金規正法に基づく事業などを掲げている。

同規約25条ないし29条によれば、国会議員及び候補者の推薦選考、各政党・国会議員との交流・意見交換、支部設立及び会員拡大並びに広報などが各委員会の任務とされている。

弁政連ニュース第84号に掲載された令和8年度活動方針は、日弁連・弁護士会と国会議員等との橋渡し、国政選挙における候補者の推薦・支援、支部と地方議会・地方自治体との関係強化及び広報の充実などを掲げている。

これらは弁政連が公表した目的及び活動方針であり、個別の政策実現との因果関係を示すものではない。

第3 組織、役員及び会費

弁政連の本部は東京都千代田区霞が関1丁目1番3号に置かれ、必要な地域に支部を置くことができる。

令和7・8年度の役員一覧によれば、任期は令和7年5月13日から令和9年5月までであり、理事長は小林元治弁護士、幹事長は道あゆみ弁護士である。

弁政連規約35条によれば、本部会費は年額1万円であり、弁護士登録5年以内の会員は本部会費を免除される。

弁政連公式サイトの「登録5年未満」という説明と現行規約の「登録5年以内」という文言には差があるため、本記事では現行規約の文言を採用する。

第4 政治資金収支報告書

1 報告及び公表の仕組み

政治資金規正法12条は、政治団体の会計責任者に対し、毎年の収入、支出、会費納入者数その他の事項を記載した収支報告書の提出を義務付けている。

同法20条及び20条の2は、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会によるインターネット公表、3年間の継続公表・保存及び閲覧等を定めている。

調査基準日現在、総務省サイトで確認できる弁政連の最新の定期公表は、令和7年11月28日に公表された令和6年分政治資金収支報告書である。

2 令和6年分の収支

令和6年分収支報告書の主要数値は、次のとおりである(同報告書2頁~2頁)。

項目金額又は人数
収入総額1億1250万8317円
前年からの繰越額7349万1774円
令和6年中の収入3901万6543円
支出総額3416万7331円
翌年への繰越額7834万986円
個人が負担する会費3157万円
会費納入者数3157人

「収入総額」には前年からの繰越額が含まれるため、令和6年中に新たに得た収入は3901万6543円である。

政治資金パーティーを含む事業収入は744万600円である(同報告書3頁~3頁)。

支出総額の内訳は、経常経費222万8736円及び政治活動費3193万8595円である(同報告書5頁~5頁)。

政治活動費の主な内訳は、組織活動費719万629円、選挙関係費165万円、機関紙誌の発行その他の事業費1666万2541円及び寄附・交付金590万円である(同報告書5頁~5頁)。

これらの数値は収支の規模及び費目を示すが、特定の政策が弁政連の活動によって実現したことまで示すものではない。

第5 日弁連・弁護士会との関係

弁政連が日弁連とは別の組織であることと、日弁連及び弁護士会の政策実現のために連携することとは両立する。

弁政連公式サイト及び令和8年度活動方針は、日弁連執行部との緊密な連絡及び日弁連・弁護士会と国会議員等との橋渡しを明記している。

したがって、弁政連の「独立」は組織上・加入上の区別を意味し、政策面で日弁連と無関係であることを意味しない。

最高裁平成8年3月19日判決(平成4年(オ)第1796号、民集50巻3号615頁)は、強制加入団体である税理士会が政治団体に寄附することを目的の範囲外とし、そのために会員から特別会費を徴収する総会決議を無効とした。

もっとも、この判決は税理士会による政治団体への寄附及び特別会費徴収を対象とするものであり、弁政連自体又は弁政連の個別活動の適法性を判断したものではない。

また、弁政連は同判決より前の昭和34年に設立されているため、この判決を弁政連設立の歴史的原因とすることもできない。

同判決は、強制加入の職能団体と任意加入の政治団体を区別して理解するための参考裁判例として位置付けるのが相当である。

第6 弁政連ニュース及び支部ニュース

弁政連ニュースのバックナンバーには、第1号から令和8年7月発行の第84号までがPDFで公開されている。例えば、第68号(令和4年7月発行)1頁~6頁には、子ども、DV被害者及び犯罪被害者の法律援助を扱う座談会「民事扶助・日弁連援助事業の公費・国費化」が、第84号(令和8年7月発行)2頁~3頁には、再審法改正及び地域の活性化と法的サービスをテーマとする政党懇談会の報告が掲載されている。

支部ニュース一覧には、東京、神奈川、大阪及び京都の各支部ニュースが掲載されている。

弁政連の最新の活動方針、会議、推薦・支援及び支部活動を確認する場合、規約だけでなくニュースの発行時点も確認する必要がある。ただし、会報の発言や要請と、法令の内容や裁判所の判断とは区別する必要がある。犯罪被害者支援及び再審手続の制度については、刑事手続及び少年審判における被害者の権利及び刑事再審の仕組みと主な再審事件の現在地を参照されたい。

第7 関連記事

① 日弁連の会長及び副会長

② 日弁連役員に関する記事の一覧

第8 出典

① 日本弁護士政治連盟「弁政連とは」、「日本弁護士政治連盟規約」及び「役員紹介

② 日本弁護士政治連盟(発行)「弁政連ニュース第68号」(令和4年7月13日発行、座談会「民事扶助・日弁連援助事業の公費・国費化」、1頁~6頁)及び「弁政連ニュース第84号」(令和8年7月10日発行、活動方針・政党懇談会報告、1頁~3頁)並びに「弁政連ニュース/バックナンバー」及び「支部ニュース一覧

③ e-Gov法令検索「政治資金規正法」及び「弁護士法

④ 総務省「政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書」及び「日本弁護士政治連盟・令和6年分収支報告書」1頁~3頁、5頁~5頁及び39頁~39頁

⑤ 最高裁平成8年3月19日判決(平成4年(オ)第1796号、民集50巻3号615頁、裁判所ウェブサイト