弁護士会館

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目次
第1 総論
第2 弁護士会館の入居状況及び地下のお店
第3 弁護士会館の敷地使用に関する文書
第4 行政財産の貸付・使用許可制度
1 国有財産法の関係条文
2 大蔵省管財局長の通達の記載
3 内閣答弁書の記載
4 地方自治体の行政財産(学校施設)の使用許可に関する最高裁判例
第5 東京に弁護士会が三つできたことの経緯等
第6 その他

第1 総論
1 弁護士会館は東京都千代田区霞が関1丁目1番3号にある建物(平成7年6月30日竣工)であって,建物建設費総額は160億2680万円であり,日弁連及び東京三弁護士会等が入居しています(東弁リブラ2009年3月号の「会館委員会」参照)。
2(1)ア 弁護士会館の敷地は行政財産であり,令和2年3月31日までの間,使用許可期間は1年でしたから,日弁連及び東京三弁護士会は毎年,国有財産法18条6項に基づき法務省から使用許可をもらい続けています。
イ 法務省は,日弁連に対し,令和2年3月31日付の国有財産使用許可書により,令和2年4月1日から令和32年3月31日までの間の使用を許可しました。
(2) 日弁連及び東京三弁護士会は,国に対し,毎年,敷地使用料を支払っています。
(3) 国有財産法18条2項に基づく貸付ではないため,使用許可期間が更新されなかったとしても,国有財産法24条2項に基づく補償を受けることはできないのかも知れません。


3 弁護士会館の建設工事業者は大成建設株式会社であり,機械設備工事業者は新菱冷熱工業株式会社であり,電気設備工事業者は株式会社きんでんです(東弁リブラ2005年3月号の「弁護士会館竣工10年目 定期大規模改修計画について」参照)。
4 日弁連五十年史35頁及び36頁の「新会館建設」には以下の記載があります。
   日弁連の長い間の念願であった新弁護士会館が、一九九五(平成七)年六月三〇日、千代田区霞が関の官庁街の一角、日比谷公園を見晴らす最良の環境の地に、日弁連・東京三弁護士会合同の会館として完成した。合同会館の建設の決定から一六年、建設資金の積み立て開始から一四年の月日を要した、日弁連のまさに一大事業であった。
   地上一七階、地下二階建てのこの合同会館は、「弁護士会館」と命名され、日弁連の執務スペースは、一五階から一七階までと一四階の一部となっている。また、二階には九○○名を収容できるホールが設けられ、日弁連と東京弁護士会とが共有している。このホールには、市民からの公募により「クレオ」というニックネームがつけられ、市民集会、シンポジウムなどに広く利用されている。市民に開かれた司法を指向する日弁連にとって、まさに人権擁護、社会正義実現の殿堂と呼ぶにふさわしい会館が完成した。

弁護士会館の正面玄関

第2 弁護士会館の入居状況及び地下のお店
1 弁護士会館の入居状況
   平成31年2月現在,弁護士会館の入居状況は以下のとおりです。
地下1階:レストラン,書店,店舗,防災センター
1階:総合案内,東京三弁護士会法律援助事務センター
2階:日弁連及び東京弁護士会の講堂(クレオ)
3階:東京三弁護士会法律相談センター,法テラス霞が関(法テラス東京霞が関分室)及び日弁連交通事故相談センター受付
4階ないし7階:東京弁護士会(受付は6階)
7階:東京弁護士会及び第二東京弁護士会の合同図書館
8階ないし10階:第二東京弁護士会(受付は9階)
11階ないし13階:第一東京弁護士会(受付は11階)
14階:日弁連交通事故相談センター本部,日本弁護士国民年金基金関東弁護士会連合会東京都弁護士国民健康保険組合全国弁護士協同組合連合会東京都弁護士協同組合
14階ないし17階:日本弁護士連合会(受付は15階)
17階:日弁連法務研究財団
 弁護士会館地下のお店
   平成31年2月現在,弁護士会館の地下(ベンチカ)には以下のお店があります。いずれも平日だけの営業です(東京弁護士会HP「早わかり東京弁護士会」参照)。
(1) 食事処
① 四季旬菜 霞が関別亭 桂
② 銀座 鳳鳴春 霞ヶ関店
③ レストラン メトロ
④ そば処 みとう
(2) 書店・売店
① 弁護士会館ブックセンター(書籍販売)
② 弁護士会館ブックセンター出版部LABO(出版・印刷)
③ 有限会社飯島印店(印鑑・印刷)
④ 大内商店(文具・切手・印紙・宅配便)
⑤ 大越謄写館(訴訟記録謄写)
3 東弁リブラ2008年3月号に「弁護士会館活用法」が載っています。


第3 弁護士会館の敷地使用に関する文書
1 以下の資料を掲載しています。
(令和2年度以降の文書)
・ 行政財産(土地)の使用許可期間の更新について(令和2年1月31日付の日弁連及び東京三弁護士会の文書)
・ 国有財産使用許可書(令和2年3月31日付の法務省大臣官房施設課長の文書)
→ 弁護士会館の敷地の使用許可期間は令和2年4月1日から令和32年3月31日までとしています。
・ 令和2年度弁護士会館敷地使用料算定について
(平成30年度の文書)
・ 国有財産使用許可書(平成30年3月8日付の法務省大臣官房施設課長の文書)
・ 平成30年度における弁護士会館敷地使用料について(平成30年10月11日付の法務省大臣官房施設課長の通知)
2 国有財産使用許可書(令和2年3月31日付の法務省大臣官房施設課長の文書)には以下の条文があります。
・ 2条(指定用途)
   使用を許可された者は,前記の物件を弁護士会の事務所及び附属施設等として共同で使用する弁護士会館の敷地の用に供しなければならない。
・ 11条(原状回復)
① 施設課長が使用許可を取消したとき,又は使用を許可した期間が満了したときは,使用を許可された者は,自己の負担で,施設課長の指定する期日までに,使用を許可された物件を原状に回復して返還しなければならない。ただし,施設課長が特に承認したときは, この限りでない。
② 使用を許可された者が原状回復の義務を履行しないときは,施設課長は,使用を許可された者の負担においてこれを行うことができる。この場合使用を許可された者は,施設課長に異議を申し立てることができない。

・ 14条(実地調査等)
   施設課長は,使用を許可した物件について随時に実地調査し,又は所要の報告を求め,その維持使用に関し指示することができる。

第4 行政財産の貸付・使用許可制度

1 国有財産法の関係条文
・ 3条(国有財産の分類及び種類)
① 国有財産は、行政財産と普通財産とに分類する。
② 行政財産とは、次に掲げる種類の財産をいう。
一 公用財産 国において国の事務、事業又はその職員(国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)第二条第二号の職員をいう。)の住居の用に供し、又は供するものと決定したもの
二 公共用財産 国において直接公共の用に供し、又は供するものと決定したもの
三 皇室用財産 国において皇室の用に供し、又は供するものと決定したもの
四 森林経営用財産 国において森林経営の用に供し、又は供するものと決定したもの
③ 普通財産とは、行政財産以外の一切の国有財産をいう。
・ 18条(処分等の制限)
① 行政財産は、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又は私権を設定することができない。
② 前項の規定にかかわらず、行政財産は、次に掲げる場合には、その用途又は目的を妨げない限度において、貸し付け、又は私権を設定することができる。
一 国以外の者が行政財産である土地の上に政令で定める堅固な建物その他の土地に定着する工作物であつて当該行政財産である土地の供用の目的を効果的に達成することに資すると認められるものを所有し、又は所有しようとする場合(国と一棟の建物を区分して所有する場合を除く。)において、その者(当該行政財産を所管する各省各庁の長が当該行政財産の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該土地を貸し付けるとき。
(中略)
⑥ 行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において、その使用又は収益を許可することができる。
(中略)
⑧ 第六項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は収益については、借地借家法(平成三年法律第九十号)の規定は、適用しない。
・ 19条(準用規定)

   第二十一条から第二十五条まで(前条第二項第五号又は第六号の規定により地上権又は地役権を設定する場合にあつては第二十一条及び第二十三条を除き、前条第六項の規定により使用又は収益を許可する場合にあつては第二十一条第一項第二号を除く。)の規定は、前条第二項第一号から第四号までの貸付け、同項第五号の地上権若しくは同項第六号の地役権の設定、同条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の貸付け又は同条第六項の許可により行政財産の使用又は収益をさせる場合について準用する。
・ 24条(貸付契約の解除)
① 普通財産を貸し付けた場合において、その貸付期間中に国又は公共団体において公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要を生じたときは、当該財産を所管する各省各庁の長は、その契約を解除することができる。
② 前項の規定により契約を解除した場合においては、借受人は、これによつて生じた損失につき当該財産を所管する各省各庁の長に対し、その補償を求めることができる。
2 大蔵省管財局長の通達の記載
(1) 国有財産法18条6項の「その用途又は目的を妨げない限度」とは、以下のいずれにも該当しないことをいいます(行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について (昭和33年1月7日付の大蔵省管財局長の通達)(リンク先の6頁))。
① 国の事務、事業の遂行に支障の生じるおそれがあること
② 行政財産の管理上支障が生じるおそれがあること
③ 行政財産の公共性、公益性に反する以下の事項
・ 公序良俗に反し、社会通念上不適当であること
・ 特定の個人、団体、企業の活動を行政の中立性を阻害して支援することとなること
・ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴対法」という。)第2条第2号に規定する暴力団の事務所その他これに類するものの用に供しようとすること
・ 上記のほか、貸付け又は使用許可により公共性、公益性を損なうおそれがあること
④ その他行政財産の用途又は目的を妨げるおそれがあること
(2) 行政財産の使用許可ができる具体的類型は以下のとおりです(行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について (昭和33年1月7日付の大蔵省管財局長の通達)(リンク先の23頁))。
① 国の事務、事業の遂行上その必要性が認められる場合
② 行政財産の公共性、公益性、中立性に反せず、一時的又は限定的なため、業務運営上支障が生じない場合
③ 公共的又は公益的な見地から必要不可欠な場合
④ 行政財産の公共性、公益性、中立性に反せず、社会的又は経済的な見地から妥当な場合
⑤ 職員、来庁者や国の施設の利用者等の利便に資する場合
⑥ 災害時の応急的な対応等に資する場合
⑦ 地域の課題の解決や周辺住民の利便に資する場合
(3)ア 行政財産の使用許可期間及び使用許可の更新は以下のとおりです(行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について (昭和33年1月7日付の大蔵省管財局長の通達)(リンク先の23頁))。
① 使用許可期間
 使用許可期間は、原則として5年以内とする。ただし、財産管理者が当該行政財産の使用状況、個々の利用目的及び投資費用の回収に要する期間を審査した上で、使用許可期間を5年以内とすることが実情にそぐわないと認める場合は、法第19条で準用した法第21条又は他の法律の定める期間内において、その必要の程度に応じて定めるものとする。
② 使用許可の更新
 使用許可は必要に応じて、原則として一度に限り更新することができる。ただし、下記第3の1に規定する「公募になじまないと判断される場合」又は更新を認めないことにより国の事務、事業の円滑な遂行に著しい支障を及ぼすこととなる場合は、この限りではない。
イ 「公募になじまないと判断される場合」の例は以下のとおりです(行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について (昭和33年1月7日付の大蔵省管財局長の通達)(リンク先の25頁))。
① 使用許可の内容あるいは目的等から相手方が特定される場合
② 高度の機密保持を要する施設の警備上、公募により相手方を選定することが不適当な場合
③ 緊急に使用許可をしなければならない特殊な事情がある場合
ウ 国有財産法21条(貸付期間)は以下のとおりです。
① 普通財産の貸付けは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める期間とする。
一 植樹を目的として土地及び土地の定着物(建物を除く。以下この条及び第二十七条において同じ。)を貸し付ける場合 六十年以内
二 建物の所有を目的として土地及び土地の定着物を貸し付ける場合において、借地借家法第二十二条の規定に基づく借地権の存続期間を設定するとき 五十年以上
三 前二号の場合を除くほか、土地及び土地の定着物を貸し付ける場合 三十年以内
四 建物その他の物件を貸し付ける場合 十年以内
② 前項の期間は、同項第二号に掲げる場合を除き、更新することができる。この場合においては、更新の日から同項各号に規定する期間とする。
(4) 行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について (昭和33年1月7日付の大蔵省管財局長の通達)(リンク先の27頁)によれば,使用許可の取消に当たって借地借家法等に基づく通知は不要です。
3 内閣答弁書の記載
(1) 衆議院議員長妻昭君提出国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料等に関する質問に対する答弁書(平成15年9月30日付)には以下の記載があります。
 国の施設を使用している店舗等に対しては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号。以下「法」という。)第十八条第三項に基づく行政財産の使用又は収益の許可を行っているが、その場合の使用料の決定及び使用者の選定については、「国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱の基準について」(昭和三十三年一月七日蔵管第一号)に基づき、施設の管理を行っている各府省等において適正に行っている。
 使用又は収益の許可は、国の施設利用の必要性により、一方的に取り消されることがあり、使用者は、民間施設の賃借人に比べ不安定な立場にある等の事情があることから、その使用料について、民間相場と単純に比較することは適当でないと考える。
(2) 上記の答弁書は129MBのPDFであり,1524頁に及ぶ伝説の内閣答弁書です。

4 地方自治体の行政財産(学校施設)の使用許可に関する最高裁判例
(1) 最高裁平成18年2月7日判決(裁判所HPに掲載)は以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 地方自治法238条の4第4項,学校教育法85条(山中注:現在の学校教育法137条)の上記文言に加えて,学校施設は,一般公衆の共同使用に供することを主たる目的とする道路や公民館等の施設とは異なり,本来学校教育の目的に使用すべきものとして設置され,それ以外の目的に使用することを基本的に制限されている(学校施設令1条,3条)ことからすれば,学校施設の目的外使用を許可するか否かは,原則として,管理者の裁量にゆだねられているものと解するのが相当である。
すなわち,学校教育上支障があれば使用を許可することができないことは明らかであるが,そのような支障がないからといって当然に許可しなくてはならないものではなく,行政財産である学校施設の目的及び用途と目的外使用の目的,態様等との関係に配慮した合理的な裁量判断により使用許可をしないこともできるものである。

② 学校教育上の支障とは,物理的支障に限らず,教育的配慮の観点から,児童,生徒に対し精神的悪影響を与え,学校の教育方針にもとることとなる場合も含まれ,現在の具体的な支障だけでなく,将来における教育上の支障が生ずるおそれが明白に認められる場合も含まれる。
③ また,管理者の裁量判断は,許可申請に係る使用の日時,場所,目的及び態様,使用者の範囲,使用の必要性の程度,許可をするに当たっての支障又は許可をした場合の弊害若しくは影響の内容及び程度,代替施設確保の困難性など許可をしないことによる申請者側の不都合又は影響の内容及び程度等の諸般の事情を総合考慮してされるものであり,その裁量権の行使が逸脱濫用に当たるか否かの司法審査においては,その判断が裁量権の行使としてされたことを前提とした上で,その判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くところがない かを検討し,その判断が,重要な事実の基礎を欠くか,又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って,裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとすべきものと解するのが相当である。
(2) 地方自治法238条の4(行政財産の管理及び処分)の条文は以下のとおりです。
① 行政財産は、次項から第四項までに定めるものを除くほか、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができない。
(中略)
⑦ 行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。
⑧ 前項の規定による許可を受けてする行政財産の使用については、借地借家法(平成三年法律第九十号)の規定は、これを適用しない。
⑨ 第七項の規定により行政財産の使用を許可した場合において、公用若しくは公共用に供するため必要を生じたとき、又は許可の条件に違反する行為があると認めるときは、普通地方公共団体の長又は委員会は、その許可を取り消すことができる。

第5 東京に弁護士会が三つできたことの経緯等
1 法曹百年史(昭和44年10月10日発行)665頁には「五 東京三会の分立」として以下の記載があります(改行を追加しています。)。
   本会(山中注:東京弁護士会)の会長その他役員は久しく長老連に独占され、これが新陳代謝を要望する声が強まっていたが容易に実現しなかったところ、大正十一年度の役員改選に当って革新派の乾政彦が会長に当選した。
   長老派はこれを快しとせず、東京弁護士協会なる私的団体を設立し、これに対抗せんとしたが問題とせられず、同年十二月九日の日本弁護士協会の理事選挙においても革新派の勝利に帰したため、長老会員は自派に属する弁護士出身代議士に働きかけ、大正十二年四月十七日公布の法律第五十一号(山中注:摂政宮の署名日が4月17日であって,公布日は翌日です。)をもって、弁護士法の一部を改正せしめ、同法第十八条に「一ノ弁護士会二属スル弁護士三百名以上ニシテ内百名以上ノ同意アルトキ、司法大臣ノ認可ヲ受ケテ別二弁護士会ヲ設立スルコトヲ得」との一項を挿入スルコトニ成功シ、同法施行の日の同年五月二十日、本会々員三百八十四名は本会を退会し、新たに第一東京弁護士会を設立して分離した。
   次いで、大正十五年三月本々員中百五十名が退会し、第一東京弁護士会を退会した五十余名と合して、新たに第二東京弁護士会を設立して分立した。
   弁護士法が当初に規定した一地方裁判所一弁護士会の原則は破れて、東京地方裁判所管内には三会が鼎立することとなったのである。しかし、現在においては、三会は相提携し協調しつつある。
2 「東京三会合併の理念」(筆者は峠野愈弁護士)には,以下の記載があります(自由と正義41巻4号(平成2年4月発行)148頁ないし150頁。それぞれの引用箇所にナンバリングを付けています。)。
① 新会館(山中注:現在の弁護士会館)建設に当たっては、自由、人権の殿堂として、百年の理想を実現する構想が練られるべきところ、三つの会のそれぞれの専有面積をどれだけにするか、というだけで一年近くに亘って協議を重ね、いささか醜い議論が繰り返されている様子がもれ聞こえてきた。講堂をどうするか、図書館をどうするか、法律相談窓口はどうか、その他、三会が存在するが故に問題となることばかりである。
② 戦前の弁護士会は、懇親団体的機能を多分に有していた。従って、東京に三つの弁護士会が存在しても、特別に不便はなかったものと考えられる。然しながら、現在の弁護士会は、行政的機能(言葉として不適切かもわからない)を多く持ってきていると考えられる。東京弁護士会が副会長を六人制にしたのも、多くの事務職員を抱えて、OA機器を駆使して事務処理をすることになったのも、政治的事務が増加していることを物語る現象と考えて良いであろう。
③ 全弁護士会労働組合東京三会支部は、昭和五九年五月四日、三会会長宛に要望書を提出しているが、その第九項に「会館の建設を機に、東京三会の合同をなされたい。」としている。既に五年以上も前のことである。
   そして、その理由として「市民は普通,東京に弁護士会が三つ存在することを知らない。そして、次にその存在を知ったとき、不安感と戸惑いを覚えるであろう」と。
   また、「政策の違いは単一会の内部で論議すれば良く、会を分ける必要はないのではないか。」とも述べている。
3 「弁護士会の会派」も参照してください。

第6 その他
1 第二東京弁護士会HPの「アクセス」に,弁護士会館周辺の地図が載っています。
2 弁護士会館は,地下鉄丸ノ内線の「霞ヶ関駅」B1-b出口(池袋方面です。)に直結しています。
3 第二東京弁護士会のキッズひまわりHP「見学ツアー」(弁護士会館に関するもの)が載っています。
4 財務省HPに行政財産に関する課題について」(平成30年9月28日付の財務省理財局の文書)が載っています。
5 私は,弁護士会の懲戒基準を理解する能力を有していないことを付言しておきます「弁護士会副会長経験者に対する懲戒請求事件について,日弁連懲戒委員会に定型文で棄却された体験談(私が情報公開請求を開始した経緯も記載しています。)」参照)。

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