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親族・相続

再婚・養子縁組・新しい子がいる場合の養育費―減額の可否と再計算方法(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 再婚・養子縁組は当然に養育費を変えない

1 変更には家庭裁判所の手続を要する
2 普通養子縁組と特別養子縁組の違い

第3 義務者側に新たな家族が増える場合

1 義務者が再婚しただけの場合
2 義務者と再婚相手との間に実子が生まれた場合
3 義務者が再婚相手の連れ子と養子縁組した場合

第4 監護親の再婚相手が対象児と養子縁組した場合

1 養親が第一次的な扶養義務者になる理由
2 養親の資力不足はどう判断されるか
3 「養子縁組すれば必ずゼロ」ではない

第5 養子縁組していない場合―事実上の扶養と養育費
第6 父母双方に事情が生じた場合
第7 従前の合意額を上回る部分の扱い
第8 いつから効力を持つか,どこに相談するか

1 変更の効力発生時期は一律に決まらない
2 一方的に止めず,まず通知する

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養育費の取り決め方―共同養育計画書・合意書・公正証書・調停調書の違い(AI作成)

第1 この記事の対象と読み方1 文書の種類は「合意の有効性」ではなく「支払われないときに何ができるか」で選ぶ2 この記事で扱わない事項第2 四つの選択肢の法的性質1 私的な合意書(共同養育計画書を含む)2 執行認諾文言付き公正証書3 調停調書4 審判・離婚判決の附帯処分及び訴訟上の和解第3 法務省の共同養育計画書とは何か1 制度の目的と作成の手順2 記載する事項の全体像3 私署証書としての証拠力を高める工夫第4 先取特権が新設された後も公正証書等を作成する実益1 月額8万円という分岐点2 履行勧告とワンストップ化という分岐点第5 条項の設計―何を,どこまで具体的に決めるか1 金額,支払開始月及び終期1の2 公正証書手数料の計算上の5年上限2 毎月の支払日及び振込先3 私学費・大学費用・医療費という特別な出費4 収入変動時の再協議5 監護者変更及び連絡先変更6 父母の一方が外国に住む場合第6 文書の選び方(まとめ)第7 弁護士・公証人に相談すべき場面出典1 法令2 裁判所及び法務省の案内

第1 この記事の対象と読み方
1 文書の種類は「合意の有効性」ではなく「支払われないときに何ができるか」で選ぶ

養育費の取決めは,口約束でも契約として有効である。
しかし,支払われなかったときに何を経由せずに強制執行へ進めるか,そして先取特権を実行するための証拠として使えるかという点で,文書の種類によって使える手段が異なる。

本記事は,令和8年に法務省が公表した共同養育計画書を中心に,私的な合意書,執行認諾文言付き公正証書,調停調書という四つの選択肢を比較し,条項として何をどこまで具体的に決めておくべきかを整理するものである。
先取特権(民法308条の2)が新設された後も公正証書等を作成する実益がどこに残るかという点は,第4で正面から扱う。

2 この記事で扱わない事項

養育費の適正額の算定方法及び算定表の見方は,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で説明している。

法定養育費及び養育費債権の先取特権の発生要件,金額の基準,経過措置は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で詳しく説明している。
本記事は,この要件論を前提とした上で,取決めの段階でどの文書を選ぶかという予防法務の視点に焦点を当てる。

取決めをしたにもかかわらず養育費が支払われなくなった場合の履行勧告,差押えの優遇,財産開示・情報取得のワンストップ化,消滅時効及び一部弁済の充当は,養育費を払わない場合の回収方法―履行勧告・給与差押え・先取特権・ワンストップ執行(AI作成)で説明している。
本記事と同記事は表裏の関係にあり,本記事は「これから取り決める」場面,同記事は「取決め後に支払われない」場面を扱う。

父母間で養育費の免除・不請求・清算を合意した場合に,子自身の扶養料請求権がどう扱われるかについては,父母間の養育費合意は子自身の扶養料請求を妨げるか―免除条項・事情変更・二重請求の整理(AI作成)を参照されたい。父母間の合意だけで子の抽象的権利が当然に消滅するわけではないが,具体額は既払分,直接負担分,事情変更及び二重取得防止を踏まえて検討する必要がある。

第2 四つの選択肢の法的性質

養育費の取決めの文書には,主に,私的な合意書(共同養育計画書を含む),執行認諾文言付き公正証書,調停調書,審判・離婚判決の附帯処分という四つの選択肢がある。
以下,それぞれの法的性質を条文に即して整理する。

1 私的な合意書(共同養育計画書を含む)

父母双方が署名・押印した合意書は,契約として有効であり,養育費の分担義務(民法766条)を発生させる。
もっとも,これは民事執行法22条が定める債務名義のいずれにも該当しない。
そのため,合意書に記載された金額が支払われない場合,合意書それ自体を根拠として直ちに強制執行を申し立てることはできず,別途,養育費請求調停・審判等を申し立てて債務名義を取得する必要がある。

他方で,合意書は,養育費債権の先取特権(民法308条の2)を実行するための「担保権の存在を証する文書」(民事執行法193条1項)として用いることができる。
この点の具体的な範囲は,第4で扱う。

2 執行認諾文言付き公正証書

民事執行法22条5号は,債務名義の一類型として次のとおり定める。

「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で,債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され,又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)」

養育費は金銭の支払を目的とする請求であるから,この執行証書の要件を満たす公正証書(実務上「執行認諾文言付き公正証書」と呼ばれる)を作成すれば,合意された金額について,訴訟や調停を経ることなく直ちに強制執行を申し立てることができる。
作成には公証人の関与を要し,原則として父母双方(又はその代理人)が公証役場に赴く必要がある。

3 調停調書

家事調停で養育費の合意が成立し,これが調書に記載されると,家事事件手続法268条1項により,次の効力が生じる。

「調停において当事者間に合意が成立し,これを調書に記載したときは,調停が成立したものとし,その記載は,確定判決(別表第二に掲げる事項にあっては,確定した第三十九条の規定による審判)と同一の効力を有する。」

養育費の分担は家事事件手続法別表第二の事項に当たるため,調停調書は,確定した家事審判と同一の効力を持つという特則が適用される。
調停の成立には家庭裁判所への出頭を要するため,公正証書よりも手続的な負担がかかり得るが,家庭裁判所が関与した取決めであるため,後述する履行勧告の対象となる。

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一度決まった婚姻費用は増額・減額できるか-事情変更・申立時期・必要資料(AI作成)

第1 この記事が扱う対象と読み方
第2 増減額の法的根拠
第3 「事情変更」と認められるための3つの要件
第4 収入の増減が事情変更となるか

1 増減の程度
2 意図的な収入操作が疑われる場合

第5 退職・転職・失業した場合

1 退職と事情変更
2 退職後の収入認定

第6 子の成長・進学・教育費

1 年齢の上昇それ自体
2 進学・私立学校の学費
3 高額な医療費

第7 再婚をした場合

1 事情変更と信義則
2 予測可能性の時間的な目安
3 実子の誕生は別に扱われる

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養育費を払わない場合の回収方法―履行勧告・給与差押え・先取特権・ワンストップ執行(AI作成)

第1 この記事の対象と読み方1 回収方法は,手元にある文書の種類によって変わる2 この記事で扱わない事項
3 養育費が支払われないときは最初に何を確認するか4 相手方又は財産が韓国にある場合第2 七つの出発点と利用できる制度第3 履行勧告・履行命令――費用をかけずに使える第一段階1 履行勧告の要件,申出先及び方法2 履行命令――過料という制裁を伴う一段階上の手段3 履行勧告・履行命令を利用できない文書類型第4 先取特権――債務名義がなくても使える担保権としての差押え1 私的合意書でも先取特権を使えるか2 口約束だけの場合に立証で直面する壁第5 給与等の差押えにおける養育費の優遇1 差押可能範囲が2分の1に拡大される特則2 期限未到来の将来分もまとめて差し押さえられる特則第6 財産開示・情報取得とワンストップ化1 相手の勤務先や取引金融機関が分からない場合2 ワンストップ化の仕組みと利用できる債権者の範囲第7 消滅時効――回収をあきらめる前に確認すべき期間制限1 毎月の養育費は個別に時効にかかる2 確定判決等によって定められた過去分の特則第8 一部だけ支払われた場合の充当1 充当の順序は誰が決めるか2 合意で充当順序を決めておく実益第9 弁護士に相談すべき場面と準備しておく資料1 自分で対応できる場面と弁護士が必要になる場面2 相談前に整理しておく事項出典1 法令2 裁判所及び法務省の案内

第1 この記事の対象と読み方
1 回収方法は,手元にある文書の種類によって変わる

養育費が支払われなくなったとき,どの回収方法を選べるかは,養育費の取決めがどのような文書として残っているかによって異なる。
口約束しかない場合,私的な合意書がある場合,執行認諾文言付きの公正証書がある場合,調停調書や審判がある場合,離婚判決の附帯処分で定められた場合,取決めをしないまま離婚して法定養育費(民法766条の3)が発生している場合では,利用できる制度の組合せが異なる。

本記事は,この「今,手元に何があるか」という起点から,履行勧告,養育費に特有の差押えの優遇,先取特権,財産開示・情報取得のワンストップ化,消滅時効及び一部弁済の充当という順序で,利用できる回収手段を整理するものである。
養育費算定表による金額の算定方法,及び法定養育費・先取特権の要件そのものの詳細は,別記事に譲る。

2 この記事で扱わない事項

養育費の適正額の算定方法,算定表の選び方及び法定養育費との違いは,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で説明している。

法定養育費(民法766条の3)及び養育費債権の先取特権(民法308条の2)の発生要件,金額の基準,経過措置及び主張・立証上の問題は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で詳しく説明している。
本記事は,この要件論を前提とした上で,実際の回収手段の選び方に焦点を当てる。

債権差押命令の一般的な申立方法,第三債務者に対する陳述催告,取立て及び配当の実務は,債権差押命令の申立てと取立て・配当の実務(AIリライト)で説明しており,同記事の第9では養育費等の債権執行の特例にも触れている。
本記事は,同記事と重複する範囲をできる限り避け,養育費の回収に固有の判断順序,履行勧告,消滅時効及び弁済の充当という,同記事が扱っていない部分を中心に扱う。

強制執行を受けた側が取り得る対抗手段は,強制執行に対する債務者の対抗手段(AIリライト)で説明している。

本記事の履行勧告,先取特権及び差押え等は,日本で利用できる債務名義又は法定養育費と日本国内の財産を前提とする。
当事者又は財産が中国にある場合は,外国判断の承認・執行,送達,翻訳及び財産所在地を別に確認する必要があるため,詳しくは中国の養育費(抚养费)の法制度―金額・支払終期・未払いと日中間の請求・執行を参照されたい。

本記事が扱う履行勧告,先取特権及び日本の強制執行は,イングランド及びウェールズのCMSによる給与・口座からの徴収とは別の制度である。
イギリスの養育費の不払い,CMSのCollect and Pay,国外居住者及び日英間の回収については,イギリスの養育費の法制度―CMSの計算・対象年齢・不払い・日本からの請求を参照されたい。

本記事の財産開示,給与・預貯金差押え等は,日本国内での回収を中心に説明する。
義務者の勤務先,預貯金又は不動産がアメリカにある場合,日本の手続だけで米国財産へ直ちに強制執行できるわけではない。
国際裁判管轄,準拠法,米国の州法並びに日本又は米国の裁判の承認・執行を分けて検討する必要があり,詳しくは,アメリカの養育費―州法上の金額・終期,日本からの請求と未払い回収で説明している。

本記事の履行勧告,給与・預金の差押え,財産開示及び情報取得は,日本の裁判所が日本国内の財産に対して行う手続を中心としている。
勤務先,預金その他の財産が台湾にある場合,日本の差押命令をそのまま台湾の財産へ及ぼすことはできず,日本の判断を台湾で承認・執行できるかを別に検討する必要がある。
台湾国内の扶養費執行と日台間の手続は,台湾の養育費(子女扶養費)を参照する。

3 養育費が支払われないときは最初に何を確認するか

最初に,養育費を定めた文書の種類と,何月分がいくら未払いかを確認する。
次に,調停調書・審判書等がある場合は第3の履行勧告等を,私的合意書がある場合や法定養育費が問題となる場合は第4の先取特権を確認する。
差押えを検討する場合は,勤務先や預貯金等の対象財産が分かるかも整理する。

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別居中の婚姻費用と住宅ローン-誰が住み,誰が返済するかで変わる計算方法(AI作成)

第1 この記事が扱う対象と読み方
第2 住宅ローンの支払には「住居費」と「資産形成」という二つの性質がある

1 二つの側面
2 別居時に住んでいない側にとっては,専ら資産形成の費用になる

第3 原則:住宅ローンは婚姻費用の計算に影響しない

1 なぜ全額を差し引いてもらえないのか
2 住宅がオーバーローン(債務超過)の状態でも結論は変わらない

第4 例外:「二重負担」になっている場合だけ調整される

1 二重負担とは何か
2 調整方法の基本形――権利者の標準的住居関係費相当額を控除する
3 控除額には上限がある
4 控除の基準を義務者側の収入に置いた例もある

第5 誰が住み,誰が返済しているかで整理する9つの型
第6 有責配偶者が住宅ローンを払っている場合
第7 権利者に収入がない場合の考え方

1 権利者に現実の収入がなければ,二重負担の調整の前提を欠くことがある
2 権利者に収入がない場合,逆に義務者の負担が増える方向に働く場面もある

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養育費算定表がおかしい?―高すぎる・安すぎると感じたときの確認方法と増減額(AI作成)

第1 算定表がおかしいと感じたときの確認順序

1 初めて計算する場合と既存額を変える場合を分ける
2 算定表は標準額の出発点である
3 8項目を順番に確認する

第2 表・年齢・収入の入力を確認する

1 子の人数と年齢に対応する表を使う
2 給与所得者は手取りではなく総収入を使う
3 自営業者は申告所得をそのまま使うとは限らない
4 収入の変動と稼働能力を分けて考える

第3 算定表に含まれる費用を二重計上しない

1 標準額は費目ゼロからの足し算ではない
2 私立学校費・大学費用
3 特別医療費・障害に伴う費用
4 住宅ローン・家賃・直接払い

第4 算定表をそのまま使えない場合

1 収入が算定表の上限を超える場合
2 低所得・無収入の場合
3 父母双方が相当の日数を監護する場合

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相手が収入資料を出さない場合の婚姻費用-収入の推計・情報開示命令・必要資料(AI作成)

第1 相手方が収入資料を出さなくても婚姻費用は判断できる

1 資料不提出だけで審理は止まらない

2 最初に区別する三つの収入問題

3 収入資料が揃う前でも請求できる

第2 給与・事業・年金等の必要資料

1 給与所得者

2 自営業者・法人経営者

3 年金・給付・無収入

4 資料の対象年と現在性

第3 収入を明らかにする四つの手続

1 当事者への情報開示命令

2 勤務先等への調査嘱託・報告要求

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別居中の生活費(婚姻費用)はいつから請求できるか-請求方法・必要書類・調停・審判(AI作成)

第1 別居中の婚姻費用と請求の始期

1 別居しても婚姻費用の分担義務は消えない
2 家庭裁判所の実務では明確に請求した時が中心となる
3 別居日まで遡るかは個別事情によって決まる

第2 最初に行う請求と証拠の残し方

1 本人間の請求は調停申立ての法律上の前提ではない
2 請求書面には対象,始期,金額及び支払方法を書く
3 請求を繰り返すより申立てへ移る基準を決める

第3 申立てに必要な書類と資料

1 裁判所へ提出する基本書類
2 始期,収入及び既払額を示す資料
3 相手方が収入資料を出さない場合

第4 婚姻費用分担調停の申立て

1 申立人,管轄,費用及び申立方法
2 調停では収入,始期,金額及び支払方法を話し合う
3 調停成立後は調停調書に基づく履行確保が可能となる

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養育費算定表で子供2人はいくらか―表3~5の選び方と一人当たり額の計算(AI作成)

第1 「子供2人はいくらか」に固定額で答えられない理由

1 算定表が示すのは収入と年齢に応じた標準額

2 表の月額は2人分の合計

第2 表3・表4・表5の選び方

1 2人の年齢構成で表を決める

2 現在の年齢区分は0歳~14歳と15歳以上

第3 父母の収入を表へ当てはめる方法

1 義務者は縦軸,権利者は横軸

2 裁判所の設例では2人分が月額10万円~12万円

第4 一人当たり額の計算

1 2人が同じ年齢区分なら合計額を2分の1ずつにする

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ペアローンを組んだ夫婦の離婚と財産分与――評価,連帯保証・求償の帰趨及び課税(AI作成)

第1 この記事が扱う対象1 検討の対象と時点2 この記事が扱わない範囲第2 ペアローンという住宅ローンの仕組み1 契約構造――二本の契約と相互連帯保証2 連帯債務型・収入合算型との違い3 団体信用生命保険の加入形態第3 財産分与の対象となる範囲及び基準1 夫婦共有財産の推定2 負担割合・持分割合・返済実態の食い違い3 基準時及び評価時点第4 不動産の評価とオーバーローンの処理1 評価の方法2 オーバーローンの場合の清算第5 分与の実行と債務関係の帰趨1 財産分与の合意・判決だけでは債務関係は解消しない2 免責的債務引受による整理と金融機関の審査第6 事前の合意・誓約書による定めの効力1 婚姻中の夫婦間契約の取消権の廃止2 財産分与に関する事前合意の有効性3 不貞等を条件とする合意の公序良俗適合性4 財産分与と慰謝料の関係第7 課税上の取扱い1 財産分与による資産移転と譲渡所得課税2 オーバーローンの場合の課税3 居住用財産の3000万円特別控除4 財産分与と贈与税5 住宅ローン控除の承継第8 手続上の留意点及び除斥期間1 財産分与請求権の期間制限2 商品名の検索結果と関連裁判例の区別3 事前に確認すべき事項出典・参考資料1 法令・通達2 裁判例3 公的資料4 ウェブ資料

第1 この記事が扱う対象

1 検討の対象と時点

住宅価格の高騰を背景に,夫婦のそれぞれが住宅ローンを組んで一つの不動産を取得する「ペアローン」の利用が広がっている。共同通信は,令和8年8月17日,ペアローンで購入したマンションについて夫婦が離婚し,財産分与の内容をめぐって訴訟に至った事案を伝えている(もっとも,同記事には裁判所名及び事件番号が示されておらず,本記事はこの事案を裁判例として扱うものではない。あくまで,ペアローンを組んだ夫婦の離婚がどのような法律問題を伴うかを考える手掛かりとして紹介するにとどめる)。本記事は,令和8年8月21日現在の法令及び公表資料に基づき,ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合に生じる財産分与上の論点を整理するものである。生成AIを用いて住宅金融支援機構及び金融機関の公表資料,国税庁の公表資料並びに裁判所ウェブサイト掲載の裁判例を通読し,条文及び内容を原典と照合した上で構成した。

財産分与をめぐる紛争は,令和6年法律33号による民法改正(令和8年4月1日施行)によって請求期間及び分与割合の考え方が変わったところであり,ペアローン特有の論点を検討する前提として,この改正の内容を踏まえておく必要がある。改正の詳細は第8で述べる。

2 この記事が扱わない範囲

財産分与の対象,原則2分の1の考え方,双方の取得財産を踏まえた清算金及び請求期限の入口は,財産分与の総合案内で説明している。
本記事は,ペアローンの契約構造と債務者・連帯保証人の処理を中心に読むための専門記事である。

財産分与の基準時,評価時点及び清算割合という一般的な枠組みは,離婚時の財産分与と税金で既に整理している。自社株式や事業用財産という他の財産類型に固有の論点は,それぞれ経営者の離婚と自社株式の財産分与及び個人事業主の離婚と財産分与で扱っている。本記事は,これらと重複する一般論を繰り返さず,ペアローンという住宅ローンの契約構造に固有の論点――住宅ローンの負担割合と財産分与の関係,離婚後の債務者・連帯保証人の処理,及びこれに伴う課税上の取扱い――に絞って検討する。夫婦の一方の単独名義の住宅のローンを他方が払ってきた場合に,払った分をどう精算するかは,妻が払った夫名義の住宅ローンは取り戻せるかで扱っている。

第2 ペアローンという住宅ローンの仕組み

1 契約構造――二本の契約と相互連帯保証

「ペアローン」とは,一つの物件について,夫婦などの二人がそれぞれ単独の債務者として別個の住宅ローン契約を結び,互いに相手方の連帯保証人になる仕組みをいう。住宅金融支援機構「【フラット35】ペアローン」は,「1つの物件に対し,ご夫婦,親子,パートナーなどがそれぞれ単独で借入申込みを行い,2つの【フラット35】を併せて利用することができる制度」と説明する。三井住友銀行の商品説明も,「1つの住宅に対して,夫婦などの2人が住宅ローンの債務者(主債務者)となり相互に連帯保証人になる仕組み」とする。すなわち,法的には二本の金銭消費貸借契約と,相互の連帯保証契約が組み合わさったものである。

2 連帯債務型・収入合算型との違い

住宅金融支援機構は,ペアローンと「連帯債務型」を明確に区別している。連帯債務型は,夫婦などが一本のローン契約について連帯して債務を負担する仕組みであり,契約が一本である点でペアローン(契約が二本)と異なる。このほか,主債務者を一人に絞り,他方は連帯保証人にとどまる「収入合算(連帯保証型)」もある。

この違いは,住宅ローン控除(租税特別措置法41条)の適用範囲にも表れる。ペアローンでは各契約者がそれぞれ独立して控除の対象となるのに対し,連帯債務型では一本のローンを各人の負担割合に応じて按分した額が各人の控除対象となる(国税庁質疑応答事例「共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算」)。収入合算型では,連帯保証人にとどまる者は自ら債務者として控除を受ける立場にない。この差異は,離婚時に「誰が何を負っているか」を確認する出発点になる。

3 団体信用生命保険の加入形態

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婚姻費用算定表の見方,計算方法と特別事情(AI作成)

第1 この記事が扱う婚姻費用算定表

1 現行の標準は令和元年版である

2 算定表は法令でも自動計算機でもない

3 婚姻費用の相場は毎月いくらか
4 年収600万円の場合の婚姻費用はいくらか

第2 婚姻費用の法的根拠と養育費との違い

1 民法760条が定める分担義務

2 子の年齢区分は終期を定める基準ではない

3 話合いがまとまらない場合の手続

第3 表10~19の選び方

1 子の人数と年齢に対応する10種類

2 表を選ぶ前に扶養関係を確定する

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養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)

第1 令和元年版の養育費算定表の位置付け

1 現在用いられている算定表

2 令和8年の改正後も算定表は置き換わっていないこと

3 離婚したら養育費を支払う必要があるか
4 養育費を払わなくてよいケースはあるか

第2 算定表の選び方及び読み方

1 子の人数及び年齢に対応する表を選ぶこと

2 縦軸,横軸及び金額帯を読むこと

3 裁判所の使用例

第3 算定表に用いる収入及び計算方法

1 給与所得者の総収入

2 自営業者及び複数の所得がある者の総収入

3 基礎収入及び生活費指数

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離婚届不受理申出の方法と効力――有効期間,取下げ及び受理後の手続(AI作成)

目次

第1 離婚届不受理申出の意味

1 制度の法的根拠

2 申出で止められる届出

第2 申出の方法

1 申出人と申出先

2 申出書,本人確認書類及び費用

3 本人が出頭できない場合

4 有効期間と取下げ

第3 申出後の効果と限界

1 同じ日に離婚届が提出された場合

2 通知の範囲

3 離婚条件及び裁判上の離婚との関係

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相続放棄の手続きを自分でするには―必要書類・費用・申述書の書き方(AI作成)

第1 この記事の対象と手続の全体像

1 自分で進めやすい相続放棄

2 最初に確認する三つの事項

第2 3か月の期限と申述前にしてはいけないこと

1 死亡日から一律に3か月ではない

2 遺産の処分を止める

3 調査が終わらないときは期間伸長を申し立てる

第3 誰がどの家庭裁判所へ申述するか

1 申述人と未成年者の利益相反

2 提出先は被相続人の最後の住所地で決まる

第4 相続順位別の必要書類

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戸籍の公開制度の沿革――明治5年式戸籍から昭和51年・平成19年改正を経て現在まで(AI作成)

第1 戸籍の「公開」を理解するための前提

1 本記事の対象と結論

2 「公開」に含まれる四つの制度

3 公開制度の主要な転換点

第2 明治5年式戸籍から一般公開原則の成立まで

1 明治4年太政官布告第170号と明治5年式戸籍

2 明治19年戸籍取扱手続

3 明治31年戸籍法による一般公開の明文化

4 大正3年戸籍法への承継

第3 戦後の公開原則と昭和43年・昭和51年の制限

1 昭和22年制定時の戸籍法10条

2 昭和43年の明治5年式戸籍に関する二つの通達

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遺産分割と詐害行為取消権・無償行為否認―相続放棄との違い(AI作成)

第1 対象と結論

1 最初に押さえる結論

2 三つの制度を分ける必要

3 この記事の時点と適用法

第2 民法上の詐害行為取消請求

1 遺産分割が取消対象となり得る理由

2 現行民法上の要件

3 法定相続分との差額が直ちに取消額にならない理由

4 受益相続人の善意・悪意

5 取消しの方法・範囲・期間

第3 破産法上の否認権

1 詐害行為否認と無償行為否認

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遺産分割における代償分割―代償金・支払能力・分割払・税務(AI作成)

第1 代償分割の仕組みと本記事の範囲第2 協議・調停と審判の違い1 協議・調停では合意内容を柔軟に設計できる2 審判の直接の根拠は家事事件手続法195条である第3 審判で代償分割を選ぶための条件1 「特別の事情」は現在も条文上の要件である2 代償金の支払能力が必要である3 現物取得者を選ぶ事情を具体化する第4 代償金額と財産評価1 基本は具体的相続分と現物取得額との差額である2 遺産分割の評価額と相続税評価額を区別する3 高額な鑑定へ進む条件を絞る第5 支払能力の立証と資金計画1 支払期限に利用できる資金を示す2 将来の売却だけに依存する計画は弱い3 資金不足が明らかなら分割方法を再検討する第6 分割払・期限猶予と履行確保1 長期分割は相手方へ信用リスクを移す2 支払原因,金額及び期限を確定する3 担保・債務名義・引換給付を区別する第7 代償金が支払われない場合1 原則は解除ではなく代償金請求である2 再合意で税務を当然に巻き戻せるとは限らない第8 代償分割で確認する税金1 現金の代償金と相続税2 不動産の相続登記と不動産取得税3 取得不動産を後日売却するときの所得税4 固有不動産を代償として渡す場合第9 資産別の評価・税務・換価手続1 不動産は時価・正味換価額・税務評価を分ける2 上場株式等は評価基準日と口座所在を確認する3 非上場株式は評価と処分可能性を別に調べる4 退職金・死亡退職金は権利の帰属と支給時期を分ける第10 実務上の確認順序第11 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 裁判所・国税庁等の公表資料4 文献5 関連記事
第1 代償分割の仕組みと本記事の範囲

代償分割とは,共同相続人の一人又は数人が不動産,非上場株式その他の遺産を現物で取得し,取得額がその相続人の取り分を超える部分について,他の相続人に代償金を支払う分割方法である。自宅を売らずに配偶者が取得する場合,同族会社の株式を後継者へ集約する場合,事業用資産の一体性を保つ場合などに用いられる。

京都家庭裁判所の遺産分割調停案内は,遺産の分け方を現物分割,代償分割,共有分割及び換価分割の四つに整理し,代償分割には代償金を支払う相続人の資力が必要であると説明している。それぞれの特徴は次のとおりである。

分割方法
内容
主な注意点

現物分割
遺産そのものを各相続人へ分ける
財産ごとの価値に差があると公平な配分が難しい

代償分割
一部の相続人が現物を取得し,他の相続人へ代償金を支払う
評価額と支払能力が争点になりやすい

換価分割
遺産を売却し,手取金を分ける
売却時期,費用及び譲渡所得税を検討する必要がある

共有分割

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遺産分割協議における錯誤取消し―旧法の要素の錯誤,裁判例と実務対応(AI作成)

第1 この記事の対象と最初に確認すべきこと

1 現在は「錯誤無効」ではなく「錯誤取消し」である

2 結果が不満になっただけでは取り消せない

3 本記事の射程

第2 現行民法95条による判断の順序

1 錯誤には二つの類型がある

2 錯誤は重要なものでなければならない

3 基礎事情は他の共同相続人に表示されていなければならない

4 重大な過失があると原則として取り消せない

5 取消通知,期間及び第三者を別々に確認する

第3 誤認の類型別にみる裁判例

1 存在を知らなかった遺言

2 遺産目録から預貯金又は株式が漏れていた場合

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遺産分割における非嫡出子の相続分の変遷(AI作成)

第1 現在の結論と過去の相続の判定方法

1 現在は子の相続分に差がない

2 確認すべき二つの日付

第2 相続開始時期別の適用関係

1 時期別一覧

2 平成12年9月19日から平成13年6月30日までの空白

第3 明治民法から昭和22年改正まで

1 明治民法1004条

2 日本国憲法施行後の応急措置

3 昭和22年法律第222号

第4 合憲判断から違憲判断への転換

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相続の使途不明金の消滅時効―請求原因・起算点・旧法の見分け方(AI作成)

目次

第1 使途不明金の時効を判断する順序

1 「使途不明金」は請求権の名称ではない

2 取引ごとに時計を分ける

第2 最初に旧法と現行法を分ける

1 令和2年4月1日前に生じた債権

2 施行日前の法律行為が原因となる債権

3 現行民法の5年・10年

第3 請求原因ごとの期間と起算点

1 不当利得返還請求

(1) 時効期間

(2) 善意・悪意と返還範囲

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戸籍謄本・住民票の職務上請求――要件,DV等支援措置,不正取得の責任及びオンライン化(AI作成)

第1 職務上請求の対象と基本原則

1 この記事が扱う範囲

2 窓口で交付されたことと実質的適法性

第2 戸籍と住民票で異なる法的構造

1 各証明書が示す情報

2 以前同じ戸籍だった人の現在住所

3 戸籍法上の請求類型

4 住民基本台帳法上の申出

5 戸籍証明書等の広域交付との違い

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Appleアカウントの相続手続―故人アカウント管理連絡先,iCloudデータ及び端末の扱い(AI作成)

第1 この記事が扱うAppleアカウントの相続

1 対象と結論

2 一つの「相続」として扱えない理由

第2 故人アカウント管理連絡先が設定されている場合

1 アクセス申請に必要なもの

2 承認後のアカウントと3年間の期限

3 取得できるデータと対象外のデータ

第3 管理連絡先又はアクセスキーがない場合

1 日本で受け付けられる代替書類

2 Appleが示す裁判所命令の内容

3 拒否された場合の請求の絞り方

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Googleアカウントの相続手続―死亡後のデータ取得・資金請求・閉鎖(AI作成)

第1 対象範囲と結論

1 この記事の対象

2 アカウント,データ及び金銭を分けて考えること

3 パスワードは開示されないこと

第2 Googleが用意する三つの手続

1 三つの請求の違い

2 データ取得を先に検討する理由

3 処理期間,費用及び開示率

第3 申請前の確認と必要書類

1 低負担の初期確認

2 Googleフォームで求められる資料

3 データ取得と米国裁判所命令

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相続税の対象となる家庭用財産――家財一式,5万円基準及び評価方法(AI作成)

第1 家庭用財産に相続税がかかる理由

1 原則は課税対象である
2 相続開始時の時価で評価する

第2 誰の家庭用財産かを先に確定する

1 自宅にある物が全て被相続人の財産とは限らない
2 名義よりも取得資金その他の実態が重要である

第3 5万円基準と家財一式の意味

1 原則は1個又は1組ごとの評価である
2 5万円以下の物は一世帯ごとに一括評価できる
3 5万円は非課税枠ではない
4 家財一式10万円という公的な一律基準はない

第4 家庭用財産の評価方法

1 売買実例価額又は精通者意見価格を先に調べる
2 市場資料がない場合に新品小売価額から減価する
3 ゼロ評価には客観的な根拠が必要である

第5 家庭用財産と分けて検討すべき物

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遺産確認の訴えとは――当事者・確認の利益・対象財産・主張立証(AI作成)

第1 遺産確認の訴えが必要となる場面

1 「何を分けるか」を民事訴訟で確定する手続

2 判決で決まる事項と決まらない事項

第2 遺産分割その他の手続との区別

1 家庭裁判所の遺産分割との役割分担

2 別の訴訟物を選ぶべき争い

3 調停前置と管轄

第3 全共同相続人の参加と当事者の確定

1 固有必要的共同訴訟

2 相続分全部譲渡と一部当事者に対する取下げ

3 第三者が権利を主張する場合

第4 確認の利益を判断する基準

1 現実の争いと抜本的解決の必要性

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遺産分割前に預貯金を払い戻す二つの方法―民法909条の2と仮分割の仮処分(AI作成)

第1 結論

1 二つの方法

2 通常の検討順序

第2 預貯金が遺産分割の対象となるまでの経緯

1 最高裁判例

2 平成30年相続法改正

第3 民法909条の2による金融機関での払戻し

1 払戻限度額

(1) 各預貯金債権についての計算
(2) 一金融機関当たり150万円の上限

2 計算例

3 金融機関に提出する資料

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相続回復請求権とは――表見相続人,共同相続人,5年・20年の時効と取得時効(AI作成)

第1 相続回復請求権の基本構造

1 民法884条が定める特別の時効

2 独立した一つの訴えではないこと

3 遺産分割との区別

第2 誰が誰に対して問題となるか

1 真正相続人と包括受遺者

2 表見相続人と単なる無権利者

3 共同相続人に適用される条件

4 共同相続人から財産を取得した第三者

第3 5年と20年の消滅時効

1 侵害を知った時から5年

2 相続開始から20年

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自筆証書遺言の訂正・破棄・隠匿と相続欠格事由(AI作成)

第1 訂正・破棄・隠匿を判断する順序

1 同じ外形でも主体によって法的効果が異なること

2 判断のために先に確定する事実

第2 自筆証書遺言の訂正方法と方式違反の効果

1 現行民法968条3項の訂正方法

2 方式違反があっても遺言全体が当然に無効となるわけではないこと

3 第三者による加筆は遺言の効力と相続欠格を分けて考えること

第3 遺言者本人による破棄と遺言の撤回

1 民法1024条の故意の破棄

2 文面全体への赤色斜線を破棄とした最高裁判例

3 公正証書遺言及び法務局保管遺言との違い

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自筆証書遺言の偽造と相続欠格――遺言無効との違い,立証方法及び裁判例(AI作成)

第1 この記事が扱う問題

1 遺言無効と相続欠格は別の問題である
2 最初に確認すべき結論

第2 遺言無効,相続欠格及び刑事責任の違い

1 偽造された自筆証書遺言はなぜ無効となるか
2 偽造者が相続欠格者となるための追加立証
3 刑事事件の成否及び有罪判決は別問題である

第3 民法891条5号の要件

1 偽造及び間接偽造
2 変造及び方式の補充
3 破棄及び隠匿
4 不当な相続利益を得る目的

第4 主要裁判例が示す判断の分岐

1 最高裁昭和56年4月3日判決――方式を補充した場合
2 最高裁平成9年1月28日判決――不当利益目的がない場合
3 広島高裁平成14年8月27日判決――間接偽造
4 さいたま地裁平成20年9月24日判決――日付の書込み

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秘密証書遺言の作成方法,効力,検認及び令和8年改正(AI作成)

第1 秘密証書遺言の位置付け

1 内容を秘密にしたまま存在を明確にする遺言であること

2 利用件数が少ないこと

第2 現行法による作成方法

1 民法970条1項の4段階

2 本文の日付と訂正

3 口がきけない者及び成年被後見人の特則

第3 遺言本文の作成者である「筆者」

1 パソコンを実際に操作した者が筆者となること

2 専門家の指示で事務職員が入力した事案

第4 証人,費用及び保管

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自筆証書遺言の押印―必要な印と押し方・令和8年改正(AI作成)

第1 現在は自筆証書遺言に押印が必要である

1 本記事の対象と結論

2 現行民法968条の三つの押印

3 令和8年改正は成立したが未施行である

第2 実印・認印・指印・花押の扱い

1 実印でなく認印でも足りる

2 指印は押印に当たる

3 花押やサイン様の略号は押印にならない

4 本人以外が物理的に押した場合

5 押印を全く欠く遺言の例外は極めて狭い

第3 押印の場所・複数枚・押印時期

1 氏名の直下が安全だが法定の場所ではない

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相続させる遺言と特定財産承継遺言――違い,効力,登記及び遺言執行者の権限(AI作成)

第1 「相続させる」遺言と特定財産承継遺言の関係

1 結論――両者は重なるが,同じ意味ではない
2 法定の成立要件
3 「相続させる」という語だけでは決まらない

第2 最高裁平成3年判決が確立した直接承継の仕組み

1 遺産分割方法の指定と解する原則
2 相続開始時の直接承継
3 相続放棄及び遺言と異なる分配

第3 特定遺贈,相続分の指定及び包括遺贈との区別

1 特定遺贈との違い
2 相続分の指定との違い
3 包括遺贈との違い

第4 第三者対抗要件と相続登記

1 旧法下では登記なく第三者に対抗できた
2 現行民法899条の2
3 相続登記申請義務と登録免許税

第5 遺言執行者の権限は旧法と現行法で異なる

1 平穏な未登記事案を扱った最高裁平成7年判決
2 賃借権確認訴訟の被告適格を扱った最高裁平成10年判決

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相続放棄の期限はいつから3か月か―期限を過ぎた場合と期間伸長(AI作成)

第1 相続放棄の「3か月」の意味

1 死亡日から一律に3か月ではない

2 本記事の対象

第2 原則的な起算点

1 死亡と自己の相続人性を知った時

2 後順位相続人

3 共同相続人ごとの個別計算

第3 3か月の計算方法

1 初日不算入と暦による計算

2 期限管理に必要な日付

第4 相続財産を後から知った場合

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限定承認と税金――みなし譲渡,準確定申告,相続税及び住民税(AI作成)

第1 限定承認の税務を理解するための基本構造

1 限定承認が制限するのは相続債務の責任である

2 税金を三つの層に分ける

第2 民法上の手続と税務申告の期限

1 限定承認は共同相続人全員で行う

2 3か月,4か月及び10か月を別々に管理する

第3 死亡時のみなし譲渡所得課税

1 課税対象は相続財産全部ではない

2 課税時点は限定承認申述の受理日ではなく相続開始時である

3 財産超過でもみなし譲渡課税は適用される

4 相続開始時の時価を相続税評価額で代用しない

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遺産分割と未支給年金――相続財産性,受給順位及び手続(AI作成)

第1 この記事が扱う未支給年金1 結論と対象2 未支給年金と遺族年金の違い第2 未支給年金が遺産分割の対象にならない理由1 相続ではなく法定遺族の固有の権利であること2 最高裁平成7年11月7日判決3 遺産分割協議書での扱い第3 誰が未支給年金を請求できるか1 親族の範囲と順位2 同順位者が複数いる場合3 法定の遺族がいない場合第4 生計同一をどのように判断するか1 同居だけで決まる要件ではないこと2 立証に用いる資料3 裁判例が示す判断の分かれ目(1) 別居していても生計同一が認められた例(2) 長期別居で生計同一が否定された例(3) 法律婚と事実婚が競合した例第5 死亡前入金,死亡後入金及び過払の区別1 死亡月分までの未払額2 口座への入金時点で結論が変わること3 支払対象月と受取額の具体例第6 相続放棄及び請求者死亡1 通常の未支給年金と相続放棄2 先順位者が請求前に死亡した場合第7 請求手続,時効及び税務1 請求書及び基本資料2 本人が生前に年金請求をしていなかった場合3 消滅時効4 相続税と所得税5 請求から受取までの目安第8 制度名によって結論が変わる例外1 旧共済年金の一部2 企業年金,確定拠出年金及び個人年金保険第9 実務上の確認順序第10 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 行政資料4 文献及び参考記事第1 この記事が扱う未支給年金
1 結論と対象

通常の国民年金及び厚生年金保険について,受給権者が死亡した時点で未払となっている死亡月分までの年金は,遺産分割の対象となる相続財産ではない。国民年金法19条及び厚生年金保険法37条が,死亡時に受給権者と生計を同じくしていた一定範囲の遺族に,自己の名で請求する固有の権利を与えているためである。

したがって,法定相続人であることだけでは請求できず,反対に,相続人でなくても法定の親族範囲,生計同一及び順位を満たせば請求できることがある。遺産分割協議によって,日本年金機構に対する受給順位を入れ替えたり,生計同一でなかった相続人を請求者にしたりすることはできない。

本記事は,令和8年8月9日現在の国民年金及び厚生年金保険を中心に扱う。
請求手続,受取時期及び税務の補足については,令和8年10月7日に日本年金機構及び国税庁の公開資料を確認した。
旧共済年金,企業年金,確定拠出年金及び個人年金保険は制度ごとに結論が異なるため,第8で別に説明する。

本記事は一般的な法制度及び手続の情報を提供するものであり,個別案件についての法律相談又は税務相談ではない。具体的な事情に即した相談は,「遺言・相続のお問い合わせ」から可能である。

2 未支給年金と遺族年金の違い

未支給年金は,死亡した受給権者に死亡月分まで支給されるべきであった年金について,支払時期又は手続の関係で未払となっている部分である。これに対し,遺族基礎年金及び遺族厚生年金は,被保険者等の死亡を支給事由として遺族に発生する別の給付であり,受給者の範囲,年齢要件,生計維持要件及び失権事由も異なる。

特に,未支給年金で必要なのは原則として「生計同一」であり,遺族年金で問題となる「生計維持」と同じではない。生計維持に関する年収850万円未満等の収入要件を,未支給年金の生計同一要件へそのまま当てはめることはできない。遺族厚生年金の生計維持要件そのもの(収入要件のライン,別居,内縁・重婚的内縁関係及びDVによる別居等の限界事例)については,「遺族厚生年金の生計維持要件——収入,別居,内縁及びDV別居の限界事例」で扱っている。

第2 未支給年金が遺産分割の対象にならない理由
1 相続ではなく法定遺族の固有の権利であること

民法896条は,被相続人の一身に専属するものを除き,相続人が被相続人の権利義務を承継すると定める。しかし,国民年金法19条及び厚生年金保険法37条は,この相続の一般原則とは別に,法定の遺族が自己の名で未支給年金を請求する仕組みを設けている。

この違いは,誰が受け取るかを決定する基準に表れる。遺産であれば相続人,遺言,法定相続分及び遺産分割が問題となるのに対し,未支給年金では親族範囲,死亡時の生計同一及び政令上の順位が問題となる。

2 最高裁平成7年11月7日判決

最高裁平成7年11月7日第三小法廷判決(平成3年(行ツ)第212号,民集49巻9号1829頁)は,昭和60年改正前の国民年金法19条1項が一定の遺族に未支給年金の支給を請求する固有の権利を与えたものであり,死亡した受給権者の未支給年金請求権が相続の対象になるものではないと判示した。本判決は,未支給年金を遺産分割から外す現在の実務の出発点である。

また,本判決は,法定遺族が行政庁への請求及び支給決定を経て具体的な支給を受ける仕組みを重視し,死亡した受給権者本人が提起していた年金支給請求訴訟を遺族が当然に承継することも否定した。受給権者に未払分があったという事実だけから,相続人が当然に金銭債権を承継するわけではない。

3 遺産分割協議書での扱い

遺産分割協議書では,通常の未支給年金を遺産目録に計上し,特定の相続人が相続するという書き方を避けるのが法的構造に合う。記載が必要であれば,「未支給年金は法令上の受給権者が別途請求する」旨を確認事項として置き,遺産そのものの分配条項と区別する方法が考えられる。

もっとも,受領者が家族関係への配慮から他の親族へ金銭を渡すことや,遺産全体の合意解決の中で別の財産配分を調整することまで禁止されるわけではない。ただし,それは未支給年金の受給権を遺産分割した結果ではなく,別個の合意又は金銭移転であるため,合意内容及び税務上の扱いを分けて検討する必要がある。

第3 誰が未支給年金を請求できるか
1 親族の範囲と順位

平成26年4月1日以後に受給権者が死亡した場合,請求できるのは,死亡時に受給権者と生計を同じくしていた①配偶者,②子,③父母,④孫,⑤祖父母,⑥兄弟姉妹,⑦これら以外の三親等内の親族である。
順位もこの順であり,死亡時の生計同一要件を満たす先順位者がいるときは,後順位者に請求権は生じない。
配偶者又は子が存在するというだけで判断せず,その者が生計同一要件を満たしていたかを確認する必要がある。

その他の三親等内の親族には,甥・姪,伯叔父母,曾孫等のほか,三親等内の姻族も含まれる。
具体的な続柄は,日本年金機構の請求書4頁の親族範囲図で確認できるが,図に含まれることだけで受給できるわけではなく,生計同一及び順位の要件も必要である。

平成26年3月31日以前の死亡では,その他の三親等内の親族への拡張前の規定が適用される。古い判例又は実務書に「兄弟姉妹まで」と記載されていても,現在の死亡事案へそのまま用いることはできない。平成26年4月に実施されたその他の年金・雇用保険・精神保健福祉法の改正と,施行日前の事案への適用関係は,平成26年4月の厚生労働省制度変更で整理している。

配偶者には,法律上の婚姻届がある者だけでなく,社会通念上夫婦としての共同生活が認められる事実婚の配偶者が含まれ得る。ただし,法律婚配偶者と事実婚の配偶者が競合する場合は,法律婚の実体,経済的援助,接触状況及び共同生活の実態を具体的に確認する必要がある。

2 同順位者が複数いる場合

同順位者が2人以上いる場合,その1人による請求は全員のために全額についてしたものとみなされ,その1人への支給は全員に対してしたものとみなされる。日本年金機構への請求及び支払は代表者1人にまとめられるが,早く請求した者が全額を終局的に取得するという意味ではない。

法令は,同順位者間の最終的な内部取得割合を明記していない。堀勝洋『年金保険法〔第5版〕』355頁~356頁は頭数による均等を説くが,この点を直接判断した公開裁判例は確認できないため,代表受領者は他の同順位者を確認し,分配方法を記録しておくことが安全である。

3 法定の遺族がいない場合

親族範囲,生計同一及び順位を満たす者がいない通常の国民年金・厚生年金では,未支給年金が相続人一般へ回る仕組みはない。相続人が存在しても,法定の未支給年金受給者に該当しなければ,その相続人は請求できない。

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遺産分割調停・審判の管轄,移送と自庁処理(AI作成)

第1 調停と審判の管轄は異なる

1 基本的な区別

2 同じ裁判所で当然に続くわけではない

3 管轄を調べる前に手続類型を分ける

第2 遺産分割調停の管轄

1 相手方住所地と複数の相手方

2 住所がない場合又は住所が知れない場合

3 調停の合意管轄

4 相続開始地は調停の法定管轄ではない

第3 遺産分割審判の管轄

1 相続開始地の家庭裁判所

2 審判の合意管轄

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大阪家庭裁判所後見センターの利用案内―申立先・必要書類・報告書・窓口(AI作成)

目次

第1 大阪家裁後見センターを利用するときの確認順序第2 申立先・窓口と必要書類第3 選任後の初回報告・定期報告・報酬第4 大阪独自の運用―総合支援型後見監督人第5 大阪独自の運用―市民後見人へのリレー第6 本人が亡くなったときの連絡と事務第7 任意後見と法定後見の優先関係を調べるとき1 大阪高裁決定平成14年6月5日2 大阪高裁決定平成24年9月6日3 福岡高裁・高松高裁・水戸家裁の裁判例第8 辞任・交代・解任と制度改正第9 組織・沿革を調べるための資料と東京家裁との比較第10 日常の後見実務で迷ったときの関連記事出典
第1 大阪家裁後見センターを利用するときの確認順序

大阪家庭裁判所の後見関係手続では,まず本人の現在の住所に対応する申立先を確認し,次に手続の種類と段階に合った最新の書式を選ぶ。
本記事は,大阪家裁の申立先・窓口,申立ての準備,選任後の報告及び状況別の実務記事への入口をまとめたものである。
窓口及び成年後見の手続案内の確認日は令和8年10月17日であり,過去の資料に記載された執務室の配置・期限・金額の目安を,現在の全事件に共通する取扱いとして用いない。

現在の状況確認する内容後見・保佐・補助を申し立てたい第2で申立先とチェック表を確認する。本人自身が申し立てる場合は,本人申立ての専門記事も参照する。後見人等に選任された第3で初回報告,定期報告及び報酬付与申立ての案内を確認する。総合支援型の監督人が付いた第4で通常の報告との違いと専門記事への案内を確認する。後見人等の交代を検討している第5・第8で市民後見人へのリレー,辞任及び解任の説明先を確認する。本人が亡くなった第6で裁判所への連絡と,死後事務・報告書類・相続人への引継ぎの説明先を確認する。未成年後見を利用する未成年後見の要件・申立て・報告と18歳での終了を確認する。成年後見の書式と分けて準備する。

家庭裁判所全体の役割と利用方法は,家庭裁判所とはで説明している。

申立てから審判までの目安は,多くの場合4か月以内であり,最高裁判所の令和7年統計では71.1%が2か月以内,93.8%が4か月以内に終局している。ただし,市町村長申立てでは家裁への申立て前に親族調査等の準備期間がある。両期間の違いと緊急時の対応は「成年後見の市町村長申立てはなぜ遅い?相談から審判までの期間と急ぐ場合の対応」で整理している。

第2 申立先・窓口と必要書類

大阪家裁の公式案内は,後見等の申立先を,本人が現在住んでいる住所地によって確認するよう求めている。
入所施設・入院中の病院などが基準となる場合があり,住民票の住所だけで判断しない。
本庁・堺支部・岸和田支部のどこへ申し立てるかは,公式ページに掲載された「大阪家庭裁判所及び管内の支部」で確認する。

公式窓口案内に掲載された,成年後見・保佐・補助・未成年後見の申立ての窓口は次のとおりである。
進行中の事件に関する連絡は,通知に記載された担当係・担当者を確認する。

裁判所申立ての窓口・階電話番号大阪家庭裁判所本庁後見係・2階06-6943-5872堺支部後見センター・5階072-223-8949岸和田支部後見係・3階072-441-6804

後見・保佐・補助の申立書類は,公式案内の「申立てに際してご用意いただく書類等(チェック表)」で確認する。
全国共通の書式だけでなく,鑑定についてのおたずね,本人の陳述書,候補者照会書など,申立ての形式や候補者に応じた大阪家裁の追加書式も確認する。
費用・必要部数・書式の版は申立ての都度確認し,過去に保存した書式だけで準備を完結させない。

成年後見の公式案内:https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/seinenkouken/index.html
本庁・支部の公式窓口案内:https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/madoguti_kasai/index.html

本人自身が申し立てる場合の手続行為能力,申立意思の確認及び説明状況報告書は,本人による後見等開始の申立てで説明している。
未成年後見の必要書類と就任後の報告は,未成年後見の専門記事で扱っている。

第3 選任後の初回報告・定期報告・報酬

選任された後見人等は,裁判所から交付されたハンドブックを読み,自分の権限,報告の期限及び提出先を確認する。
初回報告の準備と,その後の定期報告の作成は,段階を分けて進める。
監督人が選任されている場合は,監督人の指示も確認する。

就任直後の財産調査,財産目録・収支予定表の作り方及び期限は,大阪家裁への初回報告で説明している。
基本事件番号と,裁判所へ書面で連絡するときの連絡票・要回答・要急の使い方は,同記事の「基本事件番号と連絡票」を参照されたい。

大阪家裁の現在の案内は,定期報告について,本人の誕生日の属する月に毎年提出するよう求めている。
監督人が選任されている場合はその指示に従い,総合支援型の監督では専用書式の有無も確認する。

(続きを読む...)大阪家庭裁判所後見センターの利用案内―申立先・必要書類・報告書・窓口(AI作成)

身元保証人等がいない場合の入院拒否は医師法19条違反か――応招義務と高齢者等終身サポート事業の規制(AI作成)

第1 この記事が対象とする問題と検索意図

1 検討の対象と時点

第2 医師法19条の応招義務と身元保証人の不存在

1 医師法19条1項の「正当な事由」
2 平成30年通知――身元保証人等がいないことのみを理由とする入院拒否
3 令和元年通知――応招義務の法的性質
4 介護保険施設における並行規律

第3 身元保証人・身元引受人・連帯保証人の法的性格

1 身元保証ニ関スル法律は入院患者に適用されない
2 入院保証書の連帯保証条項と極度額規制
3 医療同意権限との峻別
4 成年後見人が身元保証人欄への署名を求められたとき
5 医療費保証会社による立替え

第4 身元保証等高齢者サポート事業の規制の展開

1 日本ライフ協会の経営破綻と消費者委員会の建議
2 総務省行政評価局による実態調査
3 高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの策定
4 身元保証契約と死因贈与契約を組み合わせた契約をめぐる規律

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後見監督人とは――選任基準,職務,責任及び令和8年改正による制度再編(AI作成)

第1 後見監督人とは何か

1 この記事が扱う範囲と時点
2 後見監督人,保佐監督人,補助監督人及び任意後見監督人の関係
3 未成年後見監督人の役割

第2 選任の基準と実務の運用

1 条文上の選任基準
2 選任される事案の実情
3 選任率の低さという構造的な課題

第3 後見監督人の職務と権限

1 後見人の事務の監督及び後任選任の請求
2 同意権とこれを欠く行為の取消し
3 利益相反行為における被後見人の代表
4 急迫の事情がある場合の処分

第4 報酬,辞任及び解任

1 報酬
2 辞任
3 解任

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東京家庭裁判所後見センター―申立て・書式・窓口案内と運用実務(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 対象とする組織及び一次資料

第2 組織上の位置付け

1 正式名称は家事第一部第二係である
2 所在地及び立川支部後見係との分担

第3 沿革――2003年の開設からの推移

1 2003年開設時の実情
2 管理事件数の増加と2016年の内閣府への報告

第4 後見監督の事務プロセス
第5 後見人・後見監督人の選任基準

1 成年後見人の選任について
2 成年後見監督人の選任について

第6 後見人の「裁量」の範囲
第7 近時の運用変化――令和7年から令和8年

1 全国統一書式の導入と身上保護事務の報告

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成年後見事件における親族の意向の取扱い――選任,職務遂行及び解任の各場面における法的地位(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 検討の対象と時点
2 対象とする文献の基本情報

第2 後見人の選任における親族の法的地位

1 選任の考慮要素(民法843条4項)
2 陳述及び意見の聴取の対象(家事事件手続法120条)
3 選任の結果に対する不服申立ての不存在(家事事件手続法123条)

第3 後見人の職務遂行と親族――「他人」という整理

1 意思尊重及び身上配慮義務の対象(民法858条)
2 判例タイムズ掲載論文が示す実務上の整理

第4 解任の場面における親族の位置づけ
第5 家庭裁判所の運用における転換――「身近な親族」を優先する選任方針

1 平成31年専門家会議が示した選任の基本的考え方
2 第二期成年後見制度利用促進基本計画における権利擁護支援チーム

第6 令和8年改正後の位置づけと他の場面との比較

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成年後見人等の報酬額の目安――大阪家裁の基準,令和7年全国実績及び申立手続(AIリライト)

第1 成年後見人等の報酬を考える前提

1 家庭裁判所が本人の財産から支給する額を定める

2 「めやす」「全国実績」「助成上限額」は別の数字である

3 交通事故の損害として請求する場合は別問題である

第2 大阪家庭裁判所の報酬額のめやす

1 成年後見人等の基本報酬

2 成年後見監督人等の基本報酬

3 付加報酬及び複数選任

4 他の家庭裁判所の取扱い

第3 令和7年の全国集計から見た実際の報酬額

1 集計の対象と注意点

2 財産額別の代表的な分布

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遺産管理人とは――遺産分割調停・審判中の選任要件と権限(AIリライト)

第1 この記事でいう遺産管理人

1 家事事件手続法200条1項の財産の管理者

2 名称が似ている制度との違い

第2 遺産管理人の選任要件

1 遺産分割事件の係属と本案審判の蓋然性

2 財産管理の必要性

3 選任の必要性を基礎付ける例

(1) 保存・管理が行われていない例

(2) 中立的な管理が必要となる例

(3) 賃料の開示をめぐる紛争

第3 申立て,審理及び不服申立て

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相続財産管理人選任申立ての手引

1 令和5年4月改正より前の取扱いに関するものですが,相続財産管理人選任申立ての手引を以下のとおり掲載しています。

・ 相続財産管理人選任申立ての手引(申立てを検討している人向けの説明文書)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(民法918条2項用)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(成年後見人・保佐人・補助人用)
・ 自治体向け財産管理人選任事件申立てQ&A(令和元年11月改訂の,大阪家庭裁判所家事第4部財産管理係書記官室の文書)

2 「大阪家裁後見センターだより」も参照してください。

3 令和5年4月1日以降の相続財産清算人の手続については,次の記事で整理しています。
・ 相続財産清算人とは
・ 相続財産清算人の権限外行為許可
・ 相続財産清算人による不動産の任意売却

4 現行制度と旧資料の読み分け
令和5年4月1日施行の改正後は,保存型の相続財産管理人(民法897条の2)と,相続人のあることが明らかでない場合の相続財産清算人(民法952条)を区別する必要がある。
旧資料の名称だけで申立手続を選ばず,次の記事と現行の裁判所資料を併せて確認されたい。
・ 相続財産管理人の選任申立て―民法897条の2の要件・必要書類・費用と終了
・ 自治体の空き家・用地買収と財産管理人
・ 自治体が保管する遺留金の処理

大阪家庭裁判所の現行手引き(897条の2用,令和8年1月5日版):https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/souzoku_8972_tebikiR80105.pdf

個人事業主の離婚と財産分与――事業用財産の画定,得意先,分与の方法及び課税(AI作成)

第1 この記事が扱う範囲1 対象と,法人を設立している場合との違い2 令和6年民法改正による前提の変化第2 分与の対象となる財産の画定1 名義が個人に集中することの帰結2 家計と事業の区分3 事業用の負債第3 得意先及び営業権1 得意先名簿を現物で分与した例2 営業権を計上する場合の考え方第4 基準時及び評価第5 分与の方法と事業の継続1 現物共有を避けるべき理由2 代償金による清算と分割払い第6 課税上の取扱い1 分与した側に譲渡所得課税が生ずること2 譲渡所得税を分与の相当性の判断で考慮した例3 棚卸資産及び事業用固定資産第7 年金及び共済1 個人事業主本人には分割すべき厚生年金がないこと2 小規模企業共済等の取扱い第8 婚姻費用及び養育費における収入の認定第9 資料の収集,保全及び手続上の留意点1 情報開示命令2 財産分与請求権に基づく債権者代位3 分与を求める財産の一部について裁判をしないことは許されないこと第10 出典・参考資料1 法令・通達2 裁判例3 公的資料4 文献

第1 この記事が扱う範囲

1 対象と,法人を設立している場合との違い

本記事は,法人を設立せずに事業を営む個人事業主が離婚する場合の財産分与を扱う。商店,飲食店,工務店,農業,個人開業の医院,士業の事務所その他,業種や規模を問わず,事業の主体が個人であることに共通する問題を対象とする。

会社を経営している場合との最も大きな違いは,法人格による遮断がないことである。会社の財産は法人に帰属するから原則として分与の対象とならず,実務の標準的な処理は配偶者が保有する株式を評価して算入することで足りる。これに対して個人事業では,店舗,機械,車両,在庫及び売掛金のいずれも名義が個人に属するから,出発点において事業用の財産が分与の対象に含まれることになる。したがって争点は,事業用の財産が対象となるかどうかではなく,どこまでを事業として切り分けられるか,事業を継続させながらどのように清算するか,及び得意先のような無形の価値を計上するかに移る。

会社を設立している場合の対象性,評価及び会社法上の制約は経営者の離婚と自社株式の財産分与で,役員報酬の認定や債権者との関係は経営者の離婚をめぐる四つの局面で,それぞれ扱っている。住宅ローンを夫婦で分担する「ペアローン」に固有の論点はペアローンを組んだ夫婦の離婚と財産分与で扱っている。本記事の作成にはAIを用いており,引用する法令はe-Gov法令検索により,裁判例は裁判所ウェブサイト又は判例秘書により,それぞれ内容を確認している。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,個別の事案に対する法的助言ではない。

2 令和6年民法改正による前提の変化

民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は令和8年4月1日から施行されている。改正後の民法768条2項ただし書は,家庭裁判所に対する協議に代わる処分の請求について「離婚の時から五年を経過したとき」を限界とし,同条3項は考慮すべき事情を列挙した上で,「この場合において,婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は,その程度が異なることが明らかでないときは,相等しいものとする」と定める。

個人事業の事案でこの後段が持つ意味は,会社を経営している場合と同じではない。事業主の側は,事業用の資産は自らの才覚と労働によって形成したものであると主張することが多いが,改正によって寄与の程度を等しいとする推定が条文上置かれた結果,その主張は「異なることが明らかである」といえる事情を示す立場からのものになる。他方で,配偶者が青色事業専従者として現に稼働してきた事案では,推定を維持する側が有利になる。

経過措置は請求期間だけが例外とされている。同法附則2条が改正後の民法の規定を施行前に生じた事項にも適用する旨を定める一方,同法附則4条は,施行日前に離婚した場合の財産の分与に関する処分を請求することができる期間の制限について,なお従前の例によるものとしている。施行日前に成立した離婚では請求期間は従前どおり2年である一方,寄与の程度に関する推定は及ぶという非対称が生ずる。なお,離婚時の年金分割の請求期限も,令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)により同じ令和8年4月1日から2年ではなく5年とされているから,離婚の時期を確認した上で二つの期限を併せて把握することになる。

第2 分与の対象となる財産の画定

1 名義が個人に集中することの帰結

民法762条1項は,夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産を特有財産とし,同条2項は,夫婦のいずれに属するか明らかでない財産を共有に属するものと推定する。個人事業では事業用の口座も事業用の不動産も事業主個人の名義であるから,名義だけを手掛かりにして特有財産と共有財産を仕分けることはできない。婚姻期間中に事業から得た収益によって取得した資産は,名義が事業主個人であっても婚姻中に取得した財産として分与の対象となるのが原則であり,これを対象から外そうとする側が,取得の時期及び原資を示して特有財産であることを主張立証することになる。

婚姻前から営んでいた事業を婚姻後も継続している場合には,婚姻時点で存在していた事業用資産と,婚姻後に事業の収益で取得した資産とを区別する必要がある。もっとも,機械や車両のように更新を繰り返す資産や,日々出入りのある事業用預金については,婚姻時点の残高がそのまま特有財産として残存していると認定できる場面は限られる。開業時の帳簿,確定申告書及び固定資産台帳をさかのぼって取得の経緯を示せるかどうかが,実際上の分かれ目になる。

2 家計と事業の区分

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個人事業主の離婚と婚姻費用及び養育費――確定申告書からの総収入の認定,減価償却費の取扱い及び回収方法(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

第2 自営業者の総収入は確定申告書の「課税される所得金額」から組み立てる

1 出発点となる書類と最も多い誤り
2 「課税される所得金額」に加算する項目
3 社会保険料控除だけを加算しない理由
4 必要経費そのものを争う場合

第3 減価償却費――令和4年の二つの高等裁判所決定

1 二者択一という枠組み
2 減価償却費を加算した例
3 減価償却費を加算しなかった例
4 分岐点はどこにあるか

第4 給与所得と事業所得が併存する場合の換算

第5 確定申告書が信用できない場合の収入認定

第6 高額所得の個人事業主

1 算定表の上限
2 基礎収入の修正計算

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昭和55年以前に開始した相続の法定相続分――時期区分と改正前民法900条の割合(AI作成)

第1 この記事が扱う相続と,適用される法の決め方1 相続分は相続開始時の法によって定まる2 適用される法の時期区分第2 昭和55年改正が設けた分水嶺1 改正法附則の経過措置2 改正された条文の内容3 e-Gov法令検索で経過措置を確認するときの限界第3 昭和23年1月1日から昭和55年12月31日までの法定相続分1 配偶者と血族相続人の割合2 同順位の相続人が数人あるときの割合3 昭和37年改正が変えたものと変えなかったもの第4 応急措置法が適用される相続の相続分第5 旧民法の遺産相続における相続分1 遺産相続人の順位2 庶子及び私生子の相続分第6 代襲相続の範囲が三段階に変わること第7 嫡出でない子の相続分と違憲決定の射程第8 地域による適用法の違い第9 相続分の計算に連動する制度1 遺留分2 寄与分3 相続税法上の相続分と配偶者の税額軽減第10 計算の手順と誤りやすい点1 計算の手順2 誤りやすい点3 計算した相続分が争われた場合出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公文書・歴史資料4 文献

第1 この記事が扱う相続と,適用される法の決め方

1 相続分は相続開始時の法によって定まる

相続登記が長期間されないまま放置された不動産や,先代・先々代の名義のままになっている土地について遺産分割や相続登記を進めるときは,被相続人が死亡した日を基準として,その当時に施行されていた法律による法定相続分を計算しなければならない。現行の民法900条1号は,子及び配偶者が相続人であるときの相続分を各2分の1と定めているが,この割合が適用されるのは昭和56年1月1日以後に開始した相続に限られる。本記事は,昭和55年12月31日以前に開始した相続について,どの時期にどの割合が適用されるのかを,官報に掲載された公布時の条文にさかのぼって整理するものである。作成に当たっては,AIを用いて官報,国会会議録及び裁判所ウェブサイトの原資料を通読し,条文の文言と数値を原典と逐語で照合した。

この整理の出発点となる経過措置は二つある。一つは,民法及び家事審判法の一部を改正する法律(昭和55年法律第51号)附則第2項であり,「この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、第一条の規定による改正前の民法の規定を適用する」と定める。もう一つは,民法の一部を改正する法律(昭和22年法律第222号)附則第25条第1項であり,「応急措置法施行前に開始した相続に関しては、第二項の場合を除いて、なお、旧法を適用する」と定める。相続分は,相続人の範囲と同じく相続開始時に施行されていた法によって決まり,その後の改正によって遡って変わることはない。

本記事は,被相続人が日本人であり日本法が準拠法となる場合を対象とする。被相続人が外国人であるときは相続の準拠法は本国法であり,最高裁判所第二小法廷昭和37年8月10日判決は,大韓民国人について昭和31年当時に生じた遺産相続の相続人を,当時の同国の慣習によって認定している。在日韓国・朝鮮人が被相続人である事案の相続人調査については在日韓国・朝鮮人の相続人調査で扱っている。また,相続人の範囲そのもの,すなわち家督相続と遺産相続の区別,家督相続人が選定されなかった場合の処理及び家附の継子の相続権については旧民法が適用される相続の相続人の特定で扱っているため,本記事は相続人が確定した後の割合の計算に対象を絞る。

2 適用される法の時期区分

相続開始日によって適用される法は,次の5期に分かれる。境界となる日付は,いずれも各法律の施行期日に関する規定から導かれる。

相続開始日適用される法昭和22年5月2日以前旧民法(明治31年法律第9号として公布された民法第四編親族・第五編相続)。家督相続又は遺産相続昭和22年5月3日から同年12月31日まで日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(昭和22年法律第74号)及び旧民法の遺産相続に関する規定昭和23年1月1日から昭和37年6月30日まで民法(昭和22年法律第222号による改正後のもの)昭和37年7月1日から昭和55年12月31日まで民法(昭和37年法律第40号による改正後のもの)昭和56年1月1日以後民法(昭和55年法律第51号による改正後のもの)

各境界日の根拠は次のとおりである。応急措置法の附則は「この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。」と定めるから,同法は憲法施行日である昭和22年5月3日から適用される。昭和22年法律第222号附則第1条は「この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。」と定める。昭和37年法律第40号附則第1項は「この法律は、昭和三十七年七月一日から施行する。」と定め,昭和55年法律第51号附則第1項は「この法律は、昭和五十六年一月一日から施行する。」と定める。なお,応急措置法の附則には失効期日を定める規定が置かれておらず,同法及び同時期の関係法律の整理に関する法律にも同法を廃止する条項は見当たらないが,新民法の施行によって相続に関する規律が引き継がれた結果,昭和23年1月1日以後に開始した相続には新民法が適用される。

第2 昭和55年改正が設けた分水嶺

1 改正法附則の経過措置

民法及び家事審判法の一部を改正する法律は,昭和55年5月17日に公布され,官報同日付本紙第15994号5頁に掲載された。その附則は7項から成り,相続分の計算に直接かかわるのは次の2項である。

1 この法律は、昭和五十六年一月一日から施行する。

2 この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、第一条の規定による改正前の民法の規定を適用する。

この経過措置は,改正後の規定を施行前に開始した相続へは一切及ぼさないという完全な不遡及を定めるものである。したがって,被相続人が昭和55年12月31日に死亡した相続と,翌日である昭和56年1月1日に死亡した相続とでは,遺産分割や相続登記を現在行うとしても,適用される相続分の割合が異なる。

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令和7年10月1日施行の公証人手数料令改正――公正証書作成手数料の新旧対照,引下げ項目及び経過措置(AI作成)

目次

第1 この記事が扱う対象

1 改正の特定と施行日
2 委任の構造
3 利用者が確認したい費用の基本事項

第2 改正の全体像

第3 法律行為に係る公正証書の作成手数料

第4 新設された3か条

1 死後事務委任に関する公正証書(18条の2)
2 信託に関する公正証書(22条の2)
3 電磁的記録の提供(40条の2)

第5 養育費に関する定期給付の上限

第6 個別の手数料額の改定

1 公正証書の作成に関するもの
2 執行文,送達,交付及び閲覧に関するもの
3 デジタル化に伴う技術的な改正

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経営者の離婚をめぐる四つの局面――役員報酬と婚姻費用,譲渡制限株式の売買価格決定,債権者による取消し及び婚姻後の夫婦間契約(AI作成)

第1 この記事が扱う範囲1 対象及び時点2 令和6年民法改正の経過措置は請求期間だけが例外であること3 同じ日に施行された年金分割の請求期限の伸長第2 役員報酬と婚姻費用及び養育費1 標準算定方式と基礎収入の割合2 同族会社の役員の総収入をどう認定するか3 過去に遡る分担と,財産分与による清算4 いったん定めた分担額を争う方法5 資料を出させる手段としての情報開示命令6 執行の段階で認められている特例第3 譲渡制限株式の売買価格の決定1 現物分与から価格決定に至る道筋2 申立て,審理及び鑑定3 非流動性ディスカウントをめぐる二つの最高裁決定4 二つの決定の関係をどう読むか第4 債権者及び破産管財人から見た財産分与1 詐害行為とならないのが原則であること2 取消しの範囲と,慰謝料の取扱い3 分与者が破産した場合の財産分与金4 婚姻費用の分担に関する債権を被保全債権とする場合5 破産法上の否認をめぐって見解が分かれている点第5 民法754条の削除と婚姻後の夫婦間契約1 削除された規定と,判例による限定2 削除の理由と,法制審議会答申からの経緯3 婚姻の届出前にする夫婦財産契約の制約4 婚姻後にする合意の設計5 自社株式及び株主間契約への影響出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公的資料4 文献5 ウェブ資料
第1 この記事が扱う範囲
1 対象及び時点

非上場会社を経営する者の離婚では,自社株式が財産分与の対象となるか,どのように評価するかが最大の争点になる。もっとも,実際の事件で決着を左右するのはそれだけではない。株式の評価額とは別に毎月の収入が問題になる局面,分与を現実に実行しようとして会社法上の手続に突き当たる局面,分与を第三者である債権者や破産管財人がどう見るかという局面,そして紛争が生じる前に合意で備える局面がある。本記事は,この四つを条文及び判決文に即して整理する。自社株式そのものの対象性,評価及び課税は経営者の離婚と自社株式の財産分与で扱っているため,本記事では重複しない範囲に絞る。本記事の作成にはAIを用いており,引用する法令はe-Gov法令検索により,裁判例は裁判所ウェブサイトにより,それぞれ内容を確認している。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,個別の事案に対する法的助言ではない。

2 令和6年民法改正の経過措置は請求期間だけが例外であること

民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は令和8年4月1日から施行されている。財産分与に関しては,民法768条2項ただし書が家庭裁判所に対する請求の期間を「離婚の時から五年」とし,同条3項が考慮すべき事情を列挙した上で「この場合において,婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は,その程度が異なることが明らかでないときは,相等しいものとする」と定めた。実務上の疑問は,施行日より前に成立した離婚にこれらの規定が及ぶかであるが,この点は同法の附則が明文で処理している。

附則2条は「第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)の規定は,この附則に特別の定めがある場合を除き,この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし,同条の規定による改正前の民法(附則第六条において「旧民法」という。)の規定により生じた効力を妨げない」と定め,原則として遡って適用することを明らかにする。その上で,附則4条が「施行日前に離婚し,又は婚姻が取り消された場合における財産の分与に関する処分を家庭裁判所に請求することができる期間の制限については,なお従前の例による」として,請求期間だけを例外に切り出している。したがって,施行日前に離婚した事案では請求期間は従前どおり2年であるのに対し,寄与の程度を相等しいものとする同条3項後段は,施行日前に成立した離婚の財産分与についても適用されることになる。改正の効果を一律に「施行日以後の離婚に適用される」と説明すると,この非対称を落とすことになる。

3 同じ日に施行された年金分割の請求期限の伸長

財産分与と並んで請求期限が伸長されたのが,離婚時の年金分割である。厚生年金保険法78条の2第1項ただし書は,標準報酬の改定又は決定の請求について「当該離婚等をしたときから五年を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは,この限りでない」と定める。これは令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)による改正で,日本年金機構の案内によれば施行日は令和8年4月1日であり,同日前に離婚等をした場合は従前どおり2年以内に請求する必要がある。

この改正には立法の経緯がある。令和6年民法改正の際に参議院法務委員会が付した附帯決議(令和6年5月16日)は,その第13項において,「本法により離婚時の財産分与に係る請求期限が二年から五年となることを踏まえ,二年となっている離婚時の年金分割に係る請求期限の延長について早急に検討を行うこと」と述べていた。財産分与と年金分割は,同じ日に,5年へ伸長する点でも施行日前の離婚を従前どおりとする点でも同じ構造で揃ったことになるから,離婚の相談では二つを対にして期限を確認することになる。

第2 役員報酬と婚姻費用及び養育費
1 標準算定方式と基礎収入の割合

婚姻費用及び養育費の算定は,現在,令和元年12月23日に公表された司法研究(平成30年度司法研究「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」)が提案した改定標準算定方式・算定表によっている。同研究の概要によれば,総収入から公租公課,職業費及び特別経費を控除した基礎収入の割合は,給与所得者でおおむね54パーセントから38パーセント,自営業者でおおむね61パーセントから48パーセントとなり,いずれも高額所得者ほど割合が小さくなる。子の生活費指数は0歳から14歳までが62,15歳以上が85である。自営業者については課税される所得金額を総収入とする点が給与所得者と異なる。

給与所得者を含む算定表全体の選び方,読み方,計算式及び特別事情については,婚姻費用算定表の見方,計算方法と特別事情(AI作成)で説明している。

同研究の概要には,「本研究の発表は,養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない」との記載もある。既に定められた養育費等の額について,算定方式が改定されたこと自体を理由に変更を求めることはできないという趣旨であり,改定の前後をまたぐ事案では確認しておく必要がある。

2 同族会社の役員の総収入をどう認定するか

経営者の事案に固有の難しさは,総収入の認定にある。婚姻費用及び養育費の算定実務を扱う文献は,同族会社の取締役について,代表取締役でない場合であっても「その収入額をその意思で変更することができる立場にあることが多く,その報酬額は,税金対策など様々な事情の影響を受けやすい」と指摘し,源泉徴収票では不十分と思われる事情がある場合には,源泉徴収票のほかに確定申告書等を提出させ,会社の営業内容をも検討すべきであるとする(松本哲泓『婚姻費用・養育費の算定』73頁)。給与所得者であれば源泉徴収票で足りるという前提が,経営者の事案では成り立たないということである。

もっとも,これは相手方が資料を任意に提出することを前提とした議論である。会社の決算資料や役員報酬の決定過程を示す資料は会社が保有しており,経営に関与していない配偶者の側で当然に入手できるものではない。相手方が提出しない場合にどうするかが,実務上の本題になる。

役員報酬の減額が争われた裁判例として,広島高等裁判所平成22年6月24日判決(平成21年(ネ)第569号,裁判所ウェブサイト)がある。夫は,離婚訴訟の原審で自らの年収を1641万円として養育費を主張していたが,本人尋問が行われた口頭弁論期日に,夫が取締役を務める会社の常務会で経費削減を理由に取締役報酬を28.57パーセント減額する決議がされたとする議事録を提出し,減額後の収入で算定すべきであると主張した。同判決は,会社の決算書類が提出されておらず,大幅な減額を要するほど業績が悪化したことを認めるに足りる客観的な証拠がないことなどから,この決議は「本件訴訟における養育費の算定において,その高額化を免れるために意図的に作出されたものとの疑いが残る」として減額を認めず,減額前の年収1641万円を養育費算定上の総収入とした。係争中の役員報酬の減額に対しては,減額の時期と訴訟の経過との関係や,業績を示す決算書類の提出の有無を具体的に指摘することが有効であることを示す例である。

3 過去に遡る分担と,財産分与による清算

婚姻費用の分担については,古くから二つの取扱いが確立している。第一に,最高裁判所大法廷昭和40年6月30日決定(昭和37年(ク)第243号,民集19巻4号1114頁)は,婚姻費用の分担に関する処分の審判が憲法32条及び82条に違反しないとした上で,「家庭裁判所は,審判時から過去に遡つて,婚姻費用の分担に関する処分をすることができる」と判示した。別居後に請求を怠っていた期間についても,遡って分担を求める余地がある。

第二に,最高裁判所第三小法廷昭和53年11月14日判決(昭和53年(オ)第706号,民集32巻8号1529頁)は,「離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたつては,当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる」と判示した。婚姻費用という毎月の収入の問題と,自社株式を含む財産分与という蓄積の問題は,別々の手続に分かれてはいるものの,金額の決定においては接続する。なお,最高裁判所第一小法廷令和2年1月23日決定(平成31年(許)第1号,民集74巻1号1頁)は,婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても婚姻費用分担請求権は消滅しないとしており,離婚成立によって過去分の請求が失われるわけではない。もっとも,過当に負担した婚姻費用の清算を財産分与の額に取り込むには,清算の対象となる財産の額が定まっていることが前提になる。自社株式について,対象を確定する時点と評価する時点をどのように分け,どのような評価方法によるかは,経営者の離婚と自社株式の財産分与の第4で扱っている。

4 いったん定めた分担額を争う方法

経営者の事案では,別居直後に取り交わした合意の金額が,後に判明した実際の収入と大きく食い違うことがある。この場合に,合意の無効を民事訴訟で確認してから審判に進むという道筋が考えられるが,最高裁判所第一小法廷令和7年9月4日判決(令和6年(受)第239号,民集79巻6号2637頁)は,これを否定した。同判決は「夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えは,確認の利益を欠くものとして不適法である」と判示している。

その理由として同判決が挙げるのは,婚姻費用の分担義務が「その時々で変動する夫婦の収入,生活状況等の影響を受け得るもの」であり,「婚姻費用の分担の内容は,婚姻費用合意によって,以後,固定されるものではなく,適時に新たな形成があり得るものである」という点である。そのため,婚姻費用分担審判の手続において合意の成否が争われ,合意と異なる分担の内容を形成することを求める主張がされた場合,家庭裁判所は合意の存否,効力及び内容のみならず夫婦の収入,生活状況等の一切の事情を踏まえて新たに分担の内容を形成することになり,別途民事訴訟で合意の効力が確定されていないからといって,これが妨げられるわけではないとされた。同判決の事案は,夫の当時の年収について実際の額よりも低廉な額を前提として月額16万円とする合意がされ,後の審判が月額29万円等の支払を命じたというものであり,収入を低く示して合意を取り付けたと疑われる場面での争い方を示している。争う場は民事訴訟ではなく婚姻費用分担審判である,というのが実務上の帰結になる。

5 資料を出させる手段としての情報開示命令

令和6年改正で新設された家事事件手続法152条の2は,この分野で最も実務的な意味を持つ規定である。同条1項は,夫婦間の協力扶助に関する処分,婚姻費用の分担に関する処分及び子の監護に要する費用の分担に関する処分の各審判事件について,家庭裁判所が必要があると認めるときは,申立てにより又は職権で,当事者に対し「その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる」と定める。同条2項は,財産の分与に関する処分の審判事件について,「その財産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる」と定める。

さらに同条3項は「前二項の規定により情報の開示を命じられた当事者が,正当な理由なくその情報を開示せず,又は虚偽の情報を開示したときは,家庭裁判所は,十万円以下の過料に処する」と定めており,開示しないこと自体に制裁が用意された。会社の決算資料や役員報酬の実額を相手方が抱えたまま出さないという,経営者の事案に特有の状況に対して,正面から手当てをした規定である。もっとも,命ずるかどうかは家庭裁判所の判断であり,過料の額も10万円以下であるから,これだけで資料が必ず出るとまでは言えない。実務的には,まず情報開示命令の申立てをした上で,出てこない場合に調査嘱託その他の手段を検討するという順序になる。同条2項による財産の状況の開示は,自社株式の評価資料が相手方に偏在する事案でも同じ役割を果たす。資料が出た後に評価が争いとなって鑑定を実施する場合に,費用の負担及び鑑定結果に従う旨の合意をあらかじめ得ておくという調停実務の扱いは,経営者の離婚と自社株式の財産分与の第4の2で扱っている。

6 執行の段階で認められている特例

婚姻費用及び養育費については,執行の段階でも一般債権と異なる扱いがされている。民事執行法151条の2は,民法760条の婚姻費用分担義務や民法766条の子の監護に関する義務等について確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において,その一部に不履行があるときは,「当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても,債権執行を開始することができる」と定める。将来分について改めて申立てを繰り返す必要がないということである。また,同法152条3項は,これらの義務に係る金銭債権を請求する場合には差押禁止の範囲を4分の3から2分の1に読み替えるものとしており,給与債権からの回収可能額が広がる。

(続きを読む...)経営者の離婚をめぐる四つの局面――役員報酬と婚姻費用,譲渡制限株式の売買価格決定,債権者による取消し及び婚姻後の夫婦間契約(AI作成)

公正証書遺言を作成した公証人と連絡が取れない場合の方式遵守の立証方法(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 検討の対象と時点
2 方式遵守の主張立証責任は遺言の有効を主張する側にある
3 遺言公正証書は公文書であること

第2 公証人と連絡が取れなくなる場面

1 公証人法上の身分の変動
2 記憶がない場合と証言を拒絶する場合

第3 原本及び附属書類の所在

1 封印と引継ぎ
2 保存期間
3 附属書類の範囲と7年の保存期間
4 原本の二重保存と滅失時の措置

第4 資料を取得する手順

1 遺言検索システムによる特定
2 閲覧,謄本及び正本の請求
3 訴訟上の証拠収集手段

(続きを読む...)公正証書遺言を作成した公証人と連絡が取れない場合の方式遵守の立証方法(AI作成)