メインコンテンツへスキップ
       

収入印紙とは―金額・購入場所・貼り方と領収書・契約書の判断(AI作成)

収入印紙は,印紙税,登録免許税,国に納める一定の手数料などの納付に使う証票である。
領収書に貼る場合と,登記や裁判所の手続で使う場合とでは,必要な金額,納付方法及び消印の扱いが異なる。
まず「何のために納めるのか」を確認し,次に文書の内容と金額を調べる必要がある。
この記事は,国税庁の令和8年版資料等に基づき,領収書・契約書の印紙税を中心に,購入から貼付け,貼り忘れ及び還付までの確認方法を説明する。

第1 収入印紙と印紙税の違い

1 収入印紙は納付手段,印紙税は文書に課される税金

印紙税は,印紙税法別表第一に掲げられた課税文書の作成に対して課される税金である。
収入印紙という名称の税金があるわけではなく,印紙を使う全ての手続が印紙税になるわけでもない。
国税庁の「印紙税の手引」表紙は,課税対象を20種類の文書と説明している。

使う場面確認する事項
領収書・請負契約書など印紙税の課税文書に該当するか,非課税規定,記載金額,必要税額を確認する。
不動産登記登録免許税の税額と納付方法を確認する。契約書の印紙税とは別に納める。
裁判所への申立て・記録の閲覧など裁判所手数料の額と事件に適用される納付方法を確認する。新法事件と旧法事件の違いにも注意する。

登記については登録免許税の納付方法,裁判所については民事事件記録の閲覧・謄写手続で具体的に説明している。

2 書類の名前だけで必要・不要を決めない

「領収書」「契約書」という表題だけでは,印紙税が必要かどうかを決められない。
例えば,請求書に「代済」などを記して金銭の受領を証明したものも,受取書に当たり得る。
また,「覚書」「業務委託契約書」でも,記載内容が課税事項を証明するものであれば,課税文書となる場合がある。
国税庁No.7105及びNo.7127に沿って,表題よりも実際に何を証明する文書かを確認する。

第2 領収書にはいくらの収入印紙が必要か

1 売上代金の領収書と5万円の境界

営業に関する紙の売上代金の領収書について,代表的な税額は次のとおりである。
表は,非課税規定や消費税額等の区分記載を確認した後の記載金額に対応するものである。

記載金額印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下600円
300万円を超え500万円以下1000円
500万円を超え1000万円以下2000円

5万円ちょうどは「5万円未満」に含まれない。
1000万円を超える場合などの税額は,国税庁No.7141「印紙税額の一覧表」で確認する。

2 消費税額を区分している領収書

消費税の課税事業者が課税対象取引について作成する受取書では,消費税額等を区分記載するなどして明らかにすれば,その額を印紙税の記載金額に含めない取扱いがある。
例えば,商品代金4万8000円,消費税額等4800円,合計5万2800円と記載した領収書は,この取扱いの要件を満たす場合,記載金額が5万円未満となり非課税である。
「税込」「消費税10%を含む」と記すだけでは,具体的な消費税額等が明らかとは扱われない。
また,免税事業者は,消費税に相当する額を区分して記しても,この取扱いによって記載金額から除くことはできない。
詳しくは国税庁No.7124を参照する。

3 売上以外の受取書・営業に関しない受取書

借入金,担保としての保証金,保険金,損害賠償金などは,売上代金に該当しない。
営業に関する売上代金以外の受取書は,記載金額が5万円未満なら非課税,5万円以上なら200円となる。
売上代金とそれ以外の金額が混在する場合には,5万円未満かどうかの判定と,税率に対応する記載金額の判定を分けて確認する必要がある。
営業に関しない受取書にも非課税規定があり,弁護士個人が業務上作成する受取書の取扱いなどは,収入印紙と弁護士業務で説明している。
弁護士個人と弁護士法人の領収書は,同じものとして判断しない。

4 クレジットカード払いの場合

クレジット販売では,信用取引により商品を引き渡す時点で金銭の受領事実がないため,その際に作る領収書は,第17号の1文書に該当しないとされる。
ただし,国税庁の「クレジット販売の場合の領収書」は,クレジットカード利用であることを領収書に記さないと,第17号の1文書に該当すると説明している。
カードで払ったという取引の実態だけでなく,領収書にその旨を明示しているかも確認する必要がある。
この取扱いを,デビットカード,電子マネー及び全てのコード決済へ一律に当てはめることはしない。

第3 契約書は領収書とは別に判断する

請負に関する紙の契約書は,印紙税の第2号文書に当たり,契約金額に応じて税額が異なる。
領収書の5万円という基準を,契約書一般に当てはめることはできない。
委任・準委任か請負か,継続的取引の基本となる契約書か,変更契約かなどを,契約条項に沿って確認する必要がある。
詳細は契約書の収入印紙は必要か―業務委託・請負・変更契約・電子契約の判断(AI作成)にまとめている。

電磁的記録自体は,印紙税法の課税対象となる文書に含まれない。
ただし,電子契約とは別に紙の課税文書を作成する場合は,その紙について判断する。
当初契約が電子契約でも,紙の変更契約書まで当然に不課税になるわけではない。
国税庁の電子メール送信に関する質疑応答及び電子契約の紙の変更契約書に関する質疑応答も参照する。

第4 収入印紙はどこで購入するか

収入印紙は,郵便局,郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所で購入する。
購入先を探す際には,必要な額面,枚数及び利用する窓口の営業時間を確認しておくとよい。
この購入場所は,経済産業省のエネルギー管理士免状の交付申請に関するQ&A・A7でも案内されている。

コンビニ等で購入しようとする場合は,その店舗が収入印紙を扱うか,必要な額面・枚数があるかを事前に確認する。
全ての店舗で,全ての額面をいつでも買えると考えることはできない。
日本郵便の郵便窓口のキャッシュレス決済案内では,印紙はキャッシュレス決済の対象外とされている。
郵便局で購入する際は,購入に使える支払方法も確認する必要がある。

第5 貼り方と消印―登記用とは扱いが異なる

1 印紙税では文書と印紙にかけて消印する

印紙税を収入印紙で納める場合は,必要額の印紙を課税文書に貼り付け,文書と印紙の彩紋にかけて明瞭に消印する。
印章だけでなく,自筆の署名による方法も認められる。
複数人で共同作成した契約書でも,作成者のうち1人が消印すればよく,双方の消印を必ず要するわけではない。
単に斜線を引いたり,「印」と書いたりする方法では,印章又は署名による消印にはならない。
国税庁No.7129及び「印紙の消印の方法」が根拠となる。

2 登録免許税用の印紙は自分で消印しない

不動産登記の登録免許税を印紙で納める場合は,契約書の印紙税と同じように,自分で印紙を消印しない。
登録免許税法25条は,登記機関が納付の事実を確認し,印紙を消す取扱いを定めている。
申請書と台紙のつづり目にする契印と,収入印紙の消印を混同しないよう,登録免許税の記事の第5及び申請先の法務局の記載例を確認する。

第6 貼り忘れ・金額間違いに気付いた場合

1 貼り忘れと消印忘れ

印紙税を作成時までに納付しなかった場合は,原則として,本来の税額の3倍に相当する過怠税が徴収される。
調査により過怠税の決定を予知してしたものではない自主的な申出など,法律の条件を満たす場合には,1.1倍となる取扱いがある。
印紙を貼ったが消印しなかった場合にも,消されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が問題となる。
原則の不納付・消印忘れの過怠税には合計1000円の最低額の規定がある一方,自主申出による軽減分のみの場合には例外がある。
後から貼るだけで解決すると考えず,対象文書と作成時期を整理して税務署に確認する。
国税庁No.7131及び印紙税法20条を参照する。

2 郵便局での交換と税務署への還付申請

状況確認する制度・窓口
汚損・き損のない印紙を別の額面に換えたい郵便局の交換制度を確認する。現金への交換はできない。
印紙税を多く納めた,課税文書でない紙に誤って貼った印紙税の過誤納還付を確認する。所轄税務署への申請と文書現物の提示が必要となる。
登記や裁判所の手数料で過大納付したそれぞれの税・手数料の還付手続を確認する。印紙税の還付と同一ではない。

国税庁No.7130では,印紙税の過誤納還付の対象,現物の提示及び5年の請求権の期間を説明している。
還付の確認が済む前に,貼った印紙を剥がしたり,文書を処分したりしないよう,現物の取扱いを申請先に確認する。
郵便局での交換については,日本郵便の案内を参照する。
裁判所手数料については,訴訟手数料の還付で,印紙税とは異なる手続を説明している。

第7 判断に迷ったときに確認する資料

印紙税の判断では,書類の表題,本文,別紙,作成者,交付先,金額,消費税の記載及び紙・電子の別を一緒に確認する。
変更契約の場合は,原契約と変更契約の両方を用意する。
課税文書に当たるかを税務署へ相談する際,国税庁の「印紙税の手引」は,電話で相談日時を予約した上で文書を持参するよう案内している。
同じ取引でも,紙面の記載や作成方法が違えば取扱いが変わり得るため,文書の一部分や金額だけで判断しないことが大切である。