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親族・相続

旧法の遺留分減殺請求の計算方法―基礎財産・侵害額・減殺率と判例タイムズ1345号の計算シート(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と既存記事との役割分担1 令和元年7月1日より前に開始した相続を扱うこと2 この記事が扱う範囲3 既存記事との役割分担第2 算定式と計算シート1 最高裁が示した算定式2 東京地方裁判所プラクティス委員会が提案した計算シート3 計算シートが選択した説第3 遺留分算定の基礎となる財産1 式と入力欄の対応2 生前贈与を加算する範囲3 金銭の贈与を相続開始時の貨幣価値に引き直すこと4 相続債務の控除5 相続税の申告書から数値を転記するときの注意第4 個別的遺留分額1 総体的遺留分率に法定相続分を乗じること2 計算シートの模擬事案が前提とする法定相続分第5 遺留分侵害額1 計算シートの算定順序2 未処理遺産を分配する基準第6 減殺額と減殺率1 減殺の対象となるのは遺留分超過受遺額であること2 受遺額からみた減殺率3 判決が用いた分母には幅があること4 持分を分数にするときの乗算第7 計算シートの用語が判決の別紙に現れること1 判決文に現れる計算シート由来の用語2 計算過程を検算する際の着眼点第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公的資料4 文献

第1 この記事の対象と既存記事との役割分担

1 令和元年7月1日より前に開始した相続を扱うこと

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)の附則第2条は「この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。」と定める。
遺留分に関する改正規定は同法附則第1条ただし書の各号に掲げられておらず、原則的な施行期日によることになる。
法務省は原則的な施行期日を2019年7月1日と公表しており、同法の公布日は平成30年7月13日である。
したがって、被相続人の死亡日が令和元年7月1日より前であれば、金銭債権化された遺留分侵害額請求ではなく、物権的効果を生ずる遺留分減殺請求として処理する。

判定の基準は相続開始日であって、判決の年でも権利行使の年でもない。
現に、判決日が令和6年や令和7年であっても、相続開始日が施行日前であるために旧法が適用される事案は珍しくない。

2 この記事が扱う範囲

この記事は、旧法の遺留分減殺請求において、基礎財産、個別的遺留分額、遺留分侵害額及び減殺率という四つの数値を、どの順序でどのように出すかという算定過程そのものを扱う。
個別の財産をどう評価するか、争点整理をどう進めるかといった問題は扱わない。

3 既存記事との役割分担

減殺の順序、すなわち遺贈・死因贈与・生前贈与のどれから先に減殺するかという問題は、旧法の遺留分減殺請求の順序―遺贈・死因贈与・生前贈与と通知の先後で扱っている。
遺産をいつの時点の価額で評価するかは旧法事案の遺留分減殺請求における遺産の評価基準時で、減殺の結果生じた共有関係をどう解消するかは改正前の遺留分減殺請求によって共有となった不動産の解消方法で扱っている。
この記事は、それらの前提となる金額の算出に絞る。
令和元年7月1日以後に開始した相続については権利の性質が金銭債権に変わっており、その計算方法は遺留分侵害額請求の計算方法―旧法の減殺請求と何が変わったかで扱っている。

葬儀費用を遺留分の計算から差し引けるかについては,通常の葬儀費用と被相続人の債務との区別,遺言・合意・生前契約及び相続税上の取扱いを,遺留分の計算で葬儀費用を差し引けるか-遺言・合意・相続税との違い(AI作成)で説明している。

第2 算定式と計算シート

1 最高裁が示した算定式

最高裁判所第三小法廷平成8年11月26日判決(民集第50巻10号2747頁)は、遺留分侵害額の算定について、被相続人が相続開始の時に有していた財産全体の価額に贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して基礎財産額を確定し、これに遺留分の割合と法定相続分の割合を乗じ、遺留分権利者が特別受益を得ているときはその価額を控除し、相続によって得た財産があるときはその額を控除して、負担すべき相続債務があるときはその額を加算するという順序を示している。
旧法の計算は、この四段階を順に踏むことに尽きる。

2 東京地方裁判所プラクティス委員会が提案した計算シート

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令和8年成年後見制度改正で弁護士の後見業務は採算が悪化するか(AI作成)

目次

第1 結論と記事の対象

1 結論

2 この記事が扱う範囲

第2 1件当たりの継続収益を低下させる改正

1 必要な権限がなければ補助を開始しない仕組み

2 毎年の必要性確認と補助人の交代

3 任意後見監督人を選任しない場合

第3 報酬算定は令和8年改正だけでは説明できない

1 改正民法876条の19

2 令和7年4月に始まった報告書式の変更

3 報酬は二方向へ動き得る

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旧法の遺留分減殺請求の順序―遺贈・死因贈与・生前贈与と通知の先後(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

1 令和元年7月1日より前に開始した相続を扱うこと
2 負担順序と通知順序は別の問題であること
3 既存記事との役割分担

第2 旧法が定める客観的な減殺順序

1 遺贈を生前贈与より先に減殺すること
2 複数の遺贈は目的価額に応じて減殺すること
3 相続人に対する遺贈の目的価額
4 複数の生前贈与は後の贈与から減殺すること
5 受贈者が共同相続人である場合の減殺額

第3 明文だけでは決まらない三つの論点

1 同時の贈与
2 贈与の先後を判断する基準時
3 死因贈与の位置付け

第4 相手方へ通知する時間的順序

1 客観的減殺額の範囲内では通知順を選べること
2 通知順によって負担を付け替えることはできないこと
3 複数の相手方へ早期に通知する実務上の理由

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旧法事案の遺留分減殺請求における遺産の評価基準時

目次

第1 結論
第2 旧法事案となる相続開始日
第3 遺留分算定の基礎財産は相続開始時に評価する

1 旧民法1029条及び1044条
2 大審院大正7年12月25日判決
3 金銭の生前贈与は相続開始時の貨幣価値に換算する
4 評価時点と財産の状態は分けて考える

第4 旧民法1041条の価額弁償は別の時点で評価する

1 相続開始時評価と価額弁償時評価は目的が異なる
2 現実の弁償時と事実審口頭弁論終結時
3 金銭判決には二段階の意思表示が必要である

第5 減殺請求前に目的物が処分された場合

1 最高裁平成10年3月10日判決
2 処分の時期及び内容を先に確定する

第6 遺産分割及び税務上の評価との区別

1 遺産分割の評価基準時とは異なる
2 相続税評価額がそのまま民法上の時価になるとは限らない
3 相続税の申告書に載る財産の範囲は基礎財産と一致しない

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有料老人ホームの前払金―返還額,死亡時の相続及び施設への確認方法(AI作成)

第1 前払金を調べるときの結論と順序

1 最初に確認すべき五つの資料
2 「5年未満なら一部返金」という表示だけでは金額が決まらない

第2 前払金の返還計算

1 入居後3か月以内に終了した場合
2 入居後3か月を超え,想定居住期間内に終了した場合
3 初期償却は常に無効ではない

第3 死亡時の返還金と相続

1 入居者が前払金を負担した場合
2 返還金受取人の指定がある場合
3 相続人が複数いる場合

第4 前払金に関する裁判例の到達点

1 受取人指定より実質的な負担者を重視した裁判例
2 非返還部分を有効とした裁判例
3 住替え時の再度の初期償却を無効とした裁判例

第5 施設へ資料と支払状況を確認する方法

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夫婦が子を1人ずつ監護する場合の婚姻費用-子の分属と双方負担の個別計算(AI作成)

第1 子が夫婦双方に分属する場合の結論

1 直接対応する婚姻費用算定表はない

2 標準算定方式へ戻って一度だけ配分する

第2 個別計算に用いる基礎収入と生活費指数

1 最初に夫婦それぞれの基礎収入を求める

2 子の生活費指数は監護世帯ごとに置く

3 二つの世帯の全員を一つの分母に入れる

第3 一般式と支払方向

1 記号と一般式

2 同じ年齢区分の子を1人ずつ監護する場合

3 双方の子の年齢区分が異なる場合

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婚姻費用算定表の結果がおかしいとき-収入・表・年齢・特別事情の確認順序(AI作成)

第1 この記事の対象と確認順序

1 「高すぎる・低すぎる」と感じる原因を分ける

2 算定表の基本的な見方との役割分担

第2 比較している金額をそろえる

1 表の月額,合意額,審判額及び実際の支払額は別である

2 令和8年の2万円及び8万円は算定表の金額ではない

第3 表と子の人数・年齢を確認する

1 婚姻費用は表10から表19までを使う

2 15歳以上の区分と固定額の変更を区別する

第4 収入の入れ方と資料の時点を確認する

1 縦軸と横軸,給与と自営の欄を確認する

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養育費算定表に入れる給与年収-手取り・額面・源泉徴収票,賞与・副業・転職時の扱い(AI作成)

第1 養育費算定表に入れる給与年収の結論と本記事の範囲

1 通常は源泉徴収票の「支払金額」を使う

2 手取り額と「給与所得控除後の金額」は使わない

第2 源泉徴収票の支払金額に含まれる給与

1 賞与,残業代,歩合給及び課税手当

2 支払金額は一暦年の記録である

3 非課税通勤手当等を機械的に加算しない

第3 給与明細から現在年収を計算する場合

1 源泉徴収票だけでは現在収入を示せない場面

2 給与明細を年換算する確認順序

3 給与明細を何か月確認するかは一律ではない

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養育費算定表で子供3人はいくらか-表6~9の選び方と一人当たり額の計算(AI作成)

第1 子供3人という人数だけでは養育費は決まらない

1 算定表が示すのは収入と年齢に応じた標準額である

2 表6~9の帯は一人分ではなく3人分の合計である

第2 表6・表7・表8・表9の選び方

1 15歳以上の子供の人数で4表から選ぶ

2 令和元年版の表と指数を一組で用いる

第3 父母の収入から3人分の総額を読む方法

1 義務者の年収は縦軸,権利者の年収は横軸に当てはめる

2 交差する帯から3人分の合計額を定める

第4 3人分の総額から一人当たり額を計算する方法

1 総額に各人の生活費指数の割合を掛ける

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遺言無効確認請求訴訟の確認の利益―生前提訴・特別縁故者・後の遺言・登記後の扱い(AI作成)

第1 遺言無効確認請求が許される理由

第2 確認の利益が問題となる場面

1 遺言者の生前に提訴する場合
2 生前贈与によって原告の取得分がないとの反論
3 特別縁故者となる可能性がある者
4 後の遺言がある場合
5 遺言に基づく登記が既にされた場合

第3 遺産確認の訴えとの違い

第4 提訴前の確認事項

第5 関連記事

第6 出典

遺言無効確認請求訴訟を提起するためには、遺言が無効であるという主張だけでなく、その確認を判決によって求める法律上の利益が必要である。

確認の利益は、原告の現在の権利又は法律上の地位に現実の不安・危険があり、その除去のために当該確認判決が有効かつ適切であるかという観点から判断される。

第1 遺言無効確認請求が許される理由

最高裁昭和47年2月15日判決(昭和43年(オ)第627号)は、遺言無効確認の訴えを、遺言が有効であれば生ずべき現在の特定の法律関係が存在しないことの確認を求める訴えと理解し、法律上の利益がある場合には適法となる旨を判示した。

したがって、訴状では、単に過去の遺言行為の無効を述べるだけでなく、当該遺言が有効であれば生ずる具体的な法律関係と、それによって原告に生じている不安・危険を示す必要がある。

第2 確認の利益が問題となる場面
1 遺言者の生前に提訴する場合

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遺言無効確認請求訴訟では誰を被告にするか―相続人・受遺者・遺言執行者と必要的共同訴訟(AI作成)

第1 基本的な考え方
第2 相続人及び受遺者
第3 遺言執行者
第4 遺言執行後の登記を争う場合
第5 相続人全員を被告にする必要があるか
第6 被告を決める前の確認事項
第7 関連記事
第8 出典

遺言無効確認請求訴訟では、遺言によって利益を受ける相続人若しくは受遺者又は遺言執行者が被告の候補となる。

もっとも、誰を被告にすべきかは、遺言の内容、執行の進行状況及び遺言無効確認以外に求める請求から逆算して決める必要がある。
第1 基本的な考え方
被告とすべき者は、当該遺言の有効性について原告と対立し、確認判決によって原告の法律上の不安・危険を除去できる者である。

そのため、遺言書に名前がある者を機械的に全員被告とするのではなく、誰が遺言の有効性を主張し、誰に遺言による権利又は権限が帰属しているかを確認する必要がある。
第2 相続人及び受遺者
遺言によって法定相続分を超える財産を取得する相続人又は遺贈を受ける者は、遺言の有効性について直接の利害を有するため、通常、被告の候補となる。

ただし、確認判決だけで紛争が終わらず、既にされた登記の抹消又は金銭の返還を求める必要がある場合は、その給付義務を負う者を相手方とする必要がある。
第3 遺言執行者
民法1012条は、遺言執行者が遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すると定めている。

最高裁昭和31年9月18日判決(昭和29年(オ)第875号)は、相続人が遺言執行者を被告として遺言の無効を主張し、相続財産について自己が持分権を有することの確認を求めることができる旨を判示した。

したがって、遺言執行が終わっておらず、遺言執行者の権限と原告の権利が対立する場合、遺言執行者は被告の候補となる。
第4 遺言執行後の登記を争う場合
最高裁昭和51年7月19日判決(昭和51年(オ)第17号)は、遺贈の目的不動産について受遺者名義の所有権移転登記等が既にされた場合、抹消登記手続請求の相手方は遺言執行者ではなく受遺者であるとした。

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遺言無効確認請求訴訟は何年かかるか―審理期間の資料・長期化要因・併合事件(AI作成)

第1 結論
第2 審理期間に関する過去の研究
第3 訴訟が長期化する主な要因

1 遺言能力に関する資料の収集
2 証人尋問及び事実関係の対立
3 当事者が多い事件
4 控訴及び上告受理申立て

第4 併合されることがある請求
第5 期間を見積もる際の確認事項
第6 関連記事
第7 出典

遺言無効確認請求訴訟の審理期間は、遺言書の種類、争点、証拠の量、証人尋問の有無及び併合する請求によって大きく異なる。

本記事で確認した公開資料の範囲では、遺言無効確認請求事件だけを対象とする最新の公的な平均審理期間は確認できなかった。

過去の研究では1年以上2年未満が最も多いとされているものの、これは平成18年に公表された研究に基づく数字であり、現在の事件についての平均又は見通しとしてそのまま用いることはできない。
第1 結論
遺言無効確認請求訴訟が何年かかるかは、一律には答えられない。

もっとも、提訴前の資料収集、当事者及び請求の整理並びに証人候補者の検討を早期に行うことは、無用な長期化を避けるために重要である。

また、第一審判決までの期間だけでなく、控訴の可能性及び判決後に必要となる登記、金銭返還又は遺産分割の手続まで含めて見通しを立てる必要がある。
第2 審理期間に関する過去の研究
遺言無効確認請求訴訟に関するリンク集で引用した石田明彦ほか「遺言無効確認請求事件の研究(下)」判例タイムズ1195号86頁は、当時の事件について、審理期間は1年以上2年未満が最も多く、次いで6か月以上1年未満が多かったとしている。

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婚姻費用をすぐに受け取る方法-調停前の処分と審判前の保全処分の違い(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 調停中に生活費を確保する3つの方法
第3 調停前の処分

1 要件と性質
2 内容として婚姻費用の仮払を命じ得ること
3 効果と不服申立て

第4 審判前の保全処分の要件

1 審判又は調停の申立てと疎明
2 急迫の危険の具体例

第5 調停の申立てだけで審判前の保全処分を申し立てられるか
第6 審判前の保全処分の効果,執行及び不服申立て
第7 両制度の使い分け
第8 確認順序
出典

1 法令
2 文献

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婚姻費用はいつまで続くか-終期条項の法的性質と同居再開を仮装した支払回避(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 理論上の終期は婚姻の解消
第3 実務における終期条項の定め方とその法的性質
第4 別居状態の解消を仮装した支払回避への対応
第5 未成熟子の監護費用部分を含む場合の調整
第6 養育費の終期との異同
第7 確認順序
出典

1 法令
2 裁判例
3 文献
4 関連記事

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い

婚姻費用の分担を審判・調停又は当事者間の合意で取り決める場合,その支払義務はいつまで続くのかを扱う。

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共同親権・共同監護の場合の養育費―監護日数・直接負担と算定表の限界(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 親権・監護者・監護の分掌という三つの異なる概念
第3 監護の分掌を定めても,養育費の算定方法は変わらない
第4 養育費算定表は「主たる監護+金銭分担」が前提―共同監護への不適合
第5 監護日数が均等でも,養育費がゼロになるわけではない
第6 直接負担・現物負担という言葉の実際

6-1 確立した専門用語ではない
6-2 支払方法としての直接払い

第7 裁判例の現状―算定表の限界を示す空白
第8 確認順序
出典

第1 本記事の対象範囲

本記事は,父母双方が親権者となる場合(共同親権),又は監護の時間・日数を父母で分担する場合(共同監護)に,養育費がどのように扱われるかを扱う。
養育費算定表そのものの基本的な読み方は,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で,法定養育費及び養育費債権の先取特権は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で,共同養育計画書等の取決めの文書は,養育費の取り決め方―共同養育計画書・合意書・公正証書・調停調書の違い(AI作成)で,それぞれ説明している。
本記事は,これらを前提とした上で,監護の日数・態様が父母双方に分かれる場合に固有の論点に絞って説明する。

先に結論を述べると,共同親権の選択それ自体は,養育費の額を自動的に左右するものではない。
また,「監護日数の割合に応じて養育費を機械的に減額する全国統一の算式」は,日本には存在しない。
この2点を正確に理解することが,本記事全体の出発点となる。

第2 親権・監護者・監護の分掌という三つの異なる概念

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養育費算定表の上限を超える高額所得者の計算方法―年収2000万円超の裁判例と実務(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 養育費算定表の上限額
第3 婚姻費用と異なり,養育費に上限があるとされる理由
第4 上限説と,これに批判的な見解
第5 上限を超える場合の実務―特別の事情による加算
第6 上限があっても無制限ではない―大阪高等裁判所の裁判例
第7 確認順序
出典

第1 本記事の対象範囲

本記事は,義務者(養育費を支払う側)又は権利者の収入が,標準的な養育費算定表が想定する上限額を超えている場合に,養育費をどのように計算するかを扱う。
婚姻費用(別居中の夫婦間の生活費)について同様の場面を扱う内容は,高額所得者の婚姻費用(AI作成)で説明されている。
本記事は,同記事を踏まえた上で,養育費に固有の考え方に絞って掘り下げる。

養育費算定表そのものの基本的な読み方,及び法定養育費との違いは,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で,私立学校・大学・留学の費用の加算方法は,私立学校・大学・留学の学費は養育費に加算できるか―標準教育費と超過分の計算(AI作成)で,それぞれ説明している。
本記事は,これらを前提とした上で,収入額そのものが上限を超える場面に絞って説明する。

第2 養育費算定表の上限額

裁判所が公表する標準的算定方式・算定表(令和元年版)は,養育費(表1~表9)について,義務者の年収の上限を,給与所得者2,000万円,自営業者1,567万円としている。
権利者の年収の上限は,給与所得者1,000万円,自営業者763万円である。
これらの数値は,裁判所が公表する表1(養育費・子1人表〔子0~14歳〕)の実物で,縦軸(義務者の年収)及び横軸(権利者の年収)の目盛りそのものとして確認できる。

総収入がこの上限を超える場合,公租公課,職業費,特別経費のいずれの割合も上限額以下の場合と同じであるとは限らないため,算定表をそのまま外挿して用いることはできない。
表1の場合,表が示す最も高い月額帯は,義務者の年収が上限(2,000万円)かつ権利者の年収が下限に近い場合で,月額24~26万円である。

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無職・退職・休職と潜在的稼働能力(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 実収入原則とその例外
第3 潜在的稼働能力を認定するための判断枠組み
第4 収入を推認する際に考慮される要素
第5 退職から再就職までの移行期間
第6 健康上・監護上の事情をどう評価するか
第7 既に相応の努力をして稼働している場合の限界
第8 自己都合による転職・退職の扱い

1 自己研鑽等を理由とする転職は容認されにくい
2 資格取得等,正当な理由がある場合は容認され得る

第9 親族企業等で給与額に本人の意向が影響する場合
第10 強制執行を免れる目的で退職した例
第11 賃金センサスの使い方
第12 確認順序
出典

1 法令
2 裁判例
3 文献
4 関連記事

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養育費はいつから請求できるか―離婚後の過去分・法定養育費・調停申立ての始期(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 通常の養育費の始期―原則は請求時
第3 法定養育費という第二の始期―離婚の日から
第4 認知後の養育費―出生時か,認知の日か

4-1 通常の養育費―大阪高等裁判所平成16年決定
4-2 法定養育費―認知に準用された場合の始期

第5 離婚後の元配偶者という文脈―婚姻費用の「将来分」制約との違い
第6 離婚前の別居期間の監護費用の一括処理―離婚訴訟の附帯処分
第7 今すぐ動くべき理由
出典

第1 本記事の対象範囲

本記事は,養育費を「いつから」請求できるか,すなわち始期の問題を扱う。
養育費の始期には,性質の異なる複数のものが併存しており,これを整理せずに一つの原則だけで理解しようとすると誤解を招きやすい。

具体的には,①協議・調停・審判によって金額が定まる通常の養育費の始期,②令和6年民法等改正で新設された法定養育費(民法766条の3)の始期,③認知によって親子関係が生じた場合に,この①②それぞれにどのような影響が生じるか,④離婚前の別居期間中の監護費用を離婚訴訟の中で一括して処理できるかという4つの論点を扱う。

養育費の適正額の算定方法及び算定表の見方は,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で,法定養育費及び養育費債権の先取特権の発生要件・金額・経過措置の詳細は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で,それぞれ説明している。
本記事は,これらを前提とした上で,「いつから」という一点に絞って掘り下げる。
養育費がいつまで支払われるかという終期の問題は,養育費は18歳・20歳・大学卒業のいつまでか―未成熟子と支払終期(AI作成)で別に説明している。

第2 通常の養育費の始期―原則は請求時

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家庭内別居・同居中の婚姻費用(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 婚姻費用は同居中でも請求できる
第3 家庭内別居の判断・立証
第4 計算上の課題

1 住居費の二重計上問題
2 光熱費等,同居ゆえに分離しにくい費目

第5 終期の実務上の表現
第6 有責性・請求開始時期との関係
第7 確認順序
出典

1 法令
2 裁判例
3 関連記事

第1 この記事が扱う場面

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養育費で相手の年収が分からない場合―収入資料・収入推計・裁判所での確認方法(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 まず法定養育費を請求できる―相手の年収が分からなくても
第3 情報開示命令―養育費事件でも使える収入開示の求め方

1 要件と対象
2 開示しない場合・虚偽開示の場合の効果

第4 調査嘱託・文書提出命令という手段
第5 収入資料の信用性が疑わしい場合―賃金センサスによる推計
第6 勤務先も分からない場合―先取特権を使った情報取得

1 先取特権があれば債務名義なしで動ける
2 給与情報を取得できる場合とできない場合

第7 離婚後に特有の注意点
第8 今すぐ動くべき理由
出典

第1 本記事の対象範囲
本記事は,養育費を請求する場面で,相手方(義務者)の年収が分からない場合に何ができるかを扱う。
離婚後は,別居中の婚姻費用の場面と異なり,相手方との日常的な接触が乏しく,源泉徴収票等の収入資料を得にくいことが多い。

源泉徴収票,給与明細等を入手済みであり,どの金額を算定表へ入れるかだけが問題となる場合は,養育費算定表に入れる給与年収で説明している。
本記事は,資料が得られない場合の取得方法,情報開示及び収入推計を担当する。

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高額所得者の婚姻費用(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 標準算定方式の上限額
第3 上限を超える場合の算定方法の全体像
第4 上限額をそのまま採用する方法
第5 基礎収入の割合を修正する方法・貯蓄率を控除する方法

1 基礎収入の割合を修正する方法
2 貯蓄率を控除する方法

第6 同居中の生活レベル等から算定する方法
第7 収入水準に応じた使い分け
第8 婚姻費用の月額に上限があるかという論点
第9 養育費との違い
第10 確認順序
出典

1 法令
2 裁判例
3 文献
4 関連記事

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私立学校・大学・留学の学費は養育費に加算できるか―標準教育費と超過分の計算(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 算定表に含まれている教育費と含まれていない教育費
第3 超過分を義務者に負担させるための要件
第4 超過分の計算方法―複数の考え方
第5 私立学校(幼稚園・小中高)の費用
第6 大学の費用

1 大学生の生活費指数と加算の基本的な考え方
2 国立大学の学費標準額という基準
3 子ども自身の奨学金・アルバイト収入の影響
4 医科・歯科大学等の高額な専門職学部

第7 海外留学の費用
第8 進学前にしておくべきこと
出典

第1 本記事の対象範囲

本記事は,子が私立学校,大学又は海外留学に進学・進学予定である場合に,その学費を養育費・婚姻費用へ加算できるか,加算できるとしていくら加算するかを扱う。

対象とする論点は,①養育費の算定表(標準算定方式)が既にどの範囲の教育費を織り込んでいるか,②織り込まれていない教育費を義務者に負担させるための要件,③加算額の具体的な計算方法,④私立学校・大学・海外留学という進学先ごとの考慮要素の違いである。

養育費の額の算定方法及び生活費指数の基本的な計算は,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違いで説明している。
算定表の額に違和感がある場合の一般的な確認順序は,養育費算定表がおかしい?―高すぎる・安すぎると感じたときの確認方法と増減額で扱っており,本記事はこれと重複する範囲を避け,教育費の加算という論点に絞って掘り下げる。
子が成年に達した後も養育費の対象となるかという未成熟子性・支払終期の問題は,養育費は18歳・20歳・大学卒業のいつまでか―未成熟子と支払終期で扱っており,本記事は,子が引き続き養育費の対象となることを前提に,学費の加算額を検討するものである。

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婚姻費用に私立学校・大学の学費と高額医療費を加算できるか-特別費用の分担方法(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 本記事で扱わない事項

第2 標準算定方式に既に含まれている範囲
第3 特別費用を義務者に分担させるための要件
第4 超過分の分担方法をめぐる2つの考え方
第5 私立小中高等学校・幼稚園・塾の費用

1 基本的な考え方と按分の実例
2 高等学校等就学支援金の扱い

第6 大学の学費

1 未成熟子として扱われる期間
2 奨学金・アルバイト収入との関係
3 義務者が私立進学を承諾していない場合の扱い

第7 医科・歯科大学の学費と扶養義務の限界
第8 高額医療費

1 標準額を超える部分の按分
2 減額事情としても主張され得ること

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養育費は18歳・20歳・大学卒業のいつまでか―未成熟子と支払終期(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 養育費は「未成熟子」に対する義務である
第3 成年年齢引下げは,養育費の終期を当然に18歳とするものではない
第4 既存の合意(令和4年4月より前)の「成年」は20歳のまま
第5 これから取り決める場合の終期の定め方

1 特段の事情がなければ20歳が一つの目安
2 大学卒業まで支払う場合の注意点

第6 心身の障害等で就労できない場合
第7 いつまでに動くべきか

1 一方的に18歳で打ち切ることはできない
2 成年到達後にまとめて請求できる場合がある

出典

第1 本記事の対象範囲

本記事は,父母が離婚した子について,養育費をいつまで支払う(受け取る)ことができるかを扱う。
令和4年4月1日に民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことにより,「養育費は18歳までなのか,20歳までなのか,大学卒業まで続くのか」という疑問を持つ読者が多いと考えられる。

対象とする論点は,①養育費の支払終期を決める基本的な考え方,②成年年齢引下げが既存の取決めに与える影響,③これから養育費を取り決める場合の終期の定め方,④心身の障害等により就労できない場合の扱い,⑤終期をめぐって動くべき時期の5つである。

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不貞・無断別居をした配偶者は婚姻費用を請求できるか-有責性と子の生活費(AI作成)

第1 この記事が扱う場面

1 対象とする問い
2 「有責配偶者からの離婚請求」とは別の問題である

第2 婚姻費用分担義務は有責性を要件としていない
第3 破綻自体を減額事由とする考え方とこれに対する疑問
第4 現在の実務の到達点:信義則・権利濫用による制限
第5 「無断で家を出た」ことは当然に有責性を意味しない

1 同居義務と別居の「正当な理由」
2 別居原因の実質を検討した裁判例

第6 不貞が問題となった裁判例の類型
第7 有責性が認められた場合の制限の程度

1 請求者本人の生活費部分を全部否定した例
2 権利濫用とまでは言えないが減額にとどめた例

第8 夫婦双方に責任がある場合の割合的減額
第9 未成熟子の監護費用相当部分は原則として維持される
第10 有責性の主張立証と審理の程度
第11 請求する側・請求される側の確認順序
出典

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婚姻費用が支払われない場合-履行勧告・給与差押え・令和8年の先取特権(AI作成)

第1 本記事の対象と読み方

1 対象とする場面
2 本記事で扱わない事項

第2 取決めの形式によって利用できる制度が異なる
第3 履行勧告

1 要件と申出の方法
2 効果と限界

第4 履行命令

1 要件
2 効果と限界

第5 金額を決める段階の情報開示命令と,履行がない段階の対応は別の問題

1 家事事件手続法152条の2は審判・調停の手続の中で使う制度である
2 金額が決まった後,履行がない場合の財産調査

第6 通常の強制執行(債務名義に基づく差押え)

1 基本的な仕組み

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再婚・養子縁組・新しい子がいる場合の養育費―減額の可否と再計算方法(AI作成)

第1 本記事の対象範囲
第2 再婚・養子縁組は当然に養育費を変えない

1 変更には家庭裁判所の手続を要する
2 普通養子縁組と特別養子縁組の違い

第3 義務者側に新たな家族が増える場合

1 義務者が再婚しただけの場合
2 義務者と再婚相手との間に実子が生まれた場合
3 義務者が再婚相手の連れ子と養子縁組した場合

第4 監護親の再婚相手が対象児と養子縁組した場合

1 養親が第一次的な扶養義務者になる理由
2 養親の資力不足はどう判断されるか
3 「養子縁組すれば必ずゼロ」ではない

第5 養子縁組していない場合―事実上の扶養と養育費
第6 父母双方に事情が生じた場合
第7 従前の合意額を上回る部分の扱い
第8 いつから効力を持つか,どこに相談するか

1 変更の効力発生時期は一律に決まらない
2 一方的に止めず,まず通知する

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養育費の取り決め方―共同養育計画書・合意書・公正証書・調停調書の違い(AI作成)

第1 この記事の対象と読み方1 文書の種類は「合意の有効性」ではなく「支払われないときに何ができるか」で選ぶ2 この記事で扱わない事項第2 四つの選択肢の法的性質1 私的な合意書(共同養育計画書を含む)2 執行認諾文言付き公正証書3 調停調書4 審判・離婚判決の附帯処分及び訴訟上の和解第3 法務省の共同養育計画書とは何か1 制度の目的と作成の手順2 記載する事項の全体像3 私署証書としての証拠力を高める工夫第4 先取特権が新設された後も公正証書等を作成する実益1 月額8万円という分岐点2 履行勧告とワンストップ化という分岐点第5 条項の設計―何を,どこまで具体的に決めるか1 金額,支払開始月及び終期2 毎月の支払日及び振込先3 私学費・大学費用・医療費という特別な出費4 収入変動時の再協議5 監護者変更及び連絡先変更第6 文書の選び方(まとめ)第7 弁護士・公証人に相談すべき場面出典1 法令2 裁判所及び法務省の案内

第1 この記事の対象と読み方
1 文書の種類は「合意の有効性」ではなく「支払われないときに何ができるか」で選ぶ

養育費の取決めは,口約束でも契約として有効である。
しかし,支払われなかったときに何を経由せずに強制執行へ進めるか,そして先取特権を実行するための証拠として使えるかという点で,文書の種類によって使える手段が異なる。

本記事は,令和8年に法務省が公表した共同養育計画書を中心に,私的な合意書,執行認諾文言付き公正証書,調停調書という四つの選択肢を比較し,条項として何をどこまで具体的に決めておくべきかを整理するものである。
先取特権(民法308条の2)が新設された後も公正証書等を作成する実益がどこに残るかという点は,第4で正面から扱う。

2 この記事で扱わない事項

養育費の適正額の算定方法及び算定表の見方は,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で説明している。

法定養育費及び養育費債権の先取特権の発生要件,金額の基準,経過措置は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で詳しく説明している。
本記事は,この要件論を前提とした上で,取決めの段階でどの文書を選ぶかという予防法務の視点に焦点を当てる。

取決めをしたにもかかわらず養育費が支払われなくなった場合の履行勧告,差押えの優遇,財産開示・情報取得のワンストップ化,消滅時効及び一部弁済の充当は,養育費を払わない場合の回収方法―履行勧告・給与差押え・先取特権・ワンストップ執行(AI作成)で説明している。
本記事と同記事は表裏の関係にあり,本記事は「これから取り決める」場面,同記事は「取決め後に支払われない」場面を扱う。

第2 四つの選択肢の法的性質

養育費の取決めの文書には,主に,私的な合意書(共同養育計画書を含む),執行認諾文言付き公正証書,調停調書,審判・離婚判決の附帯処分という四つの選択肢がある。
以下,それぞれの法的性質を条文に即して整理する。

1 私的な合意書(共同養育計画書を含む)

父母双方が署名・押印した合意書は,契約として有効であり,養育費の分担義務(民法766条)を発生させる。
もっとも,これは民事執行法22条が定める債務名義のいずれにも該当しない。
そのため,合意書に記載された金額が支払われない場合,合意書それ自体を根拠として直ちに強制執行を申し立てることはできず,別途,養育費請求調停・審判等を申し立てて債務名義を取得する必要がある。

他方で,合意書は,養育費債権の先取特権(民法308条の2)を実行するための「担保権の存在を証する文書」(民事執行法193条1項)として用いることができる。
この点の具体的な範囲は,第4で扱う。

2 執行認諾文言付き公正証書

民事執行法22条5号は,債務名義の一類型として次のとおり定める。

「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で,債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され,又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)」

養育費は金銭の支払を目的とする請求であるから,この執行証書の要件を満たす公正証書(実務上「執行認諾文言付き公正証書」と呼ばれる)を作成すれば,合意された金額について,訴訟や調停を経ることなく直ちに強制執行を申し立てることができる。
作成には公証人の関与を要し,原則として父母双方(又はその代理人)が公証役場に赴く必要がある。

3 調停調書

家事調停で養育費の合意が成立し,これが調書に記載されると,家事事件手続法268条1項により,次の効力が生じる。

「調停において当事者間に合意が成立し,これを調書に記載したときは,調停が成立したものとし,その記載は,確定判決(別表第二に掲げる事項にあっては,確定した第三十九条の規定による審判)と同一の効力を有する。」

養育費の分担は家事事件手続法別表第二の事項に当たるため,調停調書は,確定した家事審判と同一の効力を持つという特則が適用される。
調停の成立には家庭裁判所への出頭を要するため,公正証書よりも手続的な負担がかかり得るが,家庭裁判所が関与した取決めであるため,後述する履行勧告の対象となる。

4 審判・離婚判決の附帯処分及び訴訟上の和解

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一度決まった婚姻費用は増額・減額できるか-事情変更・申立時期・必要資料(AI作成)

第1 この記事が扱う対象と読み方
第2 増減額の法的根拠
第3 「事情変更」と認められるための3つの要件
第4 収入の増減が事情変更となるか

1 増減の程度
2 意図的な収入操作が疑われる場合

第5 退職・転職・失業した場合

1 退職と事情変更
2 退職後の収入認定

第6 子の成長・進学・教育費

1 年齢の上昇それ自体
2 進学・私立学校の学費
3 高額な医療費

第7 再婚をした場合

1 事情変更と信義則
2 予測可能性の時間的な目安
3 実子の誕生は別に扱われる

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養育費を払わない場合の回収方法―履行勧告・給与差押え・先取特権・ワンストップ執行(AI作成)

第1 この記事の対象と読み方1 回収方法は,手元にある文書の種類によって変わる2 この記事で扱わない事項第2 七つの出発点と利用できる制度第3 履行勧告・履行命令――費用をかけずに使える第一段階1 履行勧告の要件,申出先及び方法2 履行命令――過料という制裁を伴う一段階上の手段3 履行勧告・履行命令を利用できない文書類型第4 先取特権――債務名義がなくても使える担保権としての差押え1 私的合意書でも先取特権を使えるか2 口約束だけの場合に立証で直面する壁第5 給与等の差押えにおける養育費の優遇1 差押可能範囲が2分の1に拡大される特則2 期限未到来の将来分もまとめて差し押さえられる特則第6 財産開示・情報取得とワンストップ化1 相手の勤務先や取引金融機関が分からない場合2 ワンストップ化の仕組みと利用できる債権者の範囲第7 消滅時効――回収をあきらめる前に確認すべき期間制限1 毎月の養育費は個別に時効にかかる2 確定判決等によって定められた過去分の特則第8 一部だけ支払われた場合の充当1 充当の順序は誰が決めるか2 合意で充当順序を決めておく実益第9 弁護士に相談すべき場面と準備しておく資料1 自分で対応できる場面と弁護士が必要になる場面2 相談前に整理しておく事項出典1 法令2 裁判所及び法務省の案内

第1 この記事の対象と読み方
1 回収方法は,手元にある文書の種類によって変わる

養育費が支払われなくなったとき,どの回収方法を選べるかは,養育費の取決めがどのような文書として残っているかによって異なる。
口約束しかない場合,私的な合意書がある場合,執行認諾文言付きの公正証書がある場合,調停調書や審判がある場合,離婚判決の附帯処分で定められた場合,取決めをしないまま離婚して法定養育費(民法766条の3)が発生している場合では,利用できる制度の組合せが異なる。

本記事は,この「今,手元に何があるか」という起点から,履行勧告,養育費に特有の差押えの優遇,先取特権,財産開示・情報取得のワンストップ化,消滅時効及び一部弁済の充当という順序で,利用できる回収手段を整理するものである。
養育費算定表による金額の算定方法,及び法定養育費・先取特権の要件そのものの詳細は,別記事に譲る。

2 この記事で扱わない事項

養育費の適正額の算定方法,算定表の選び方及び法定養育費との違いは,養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)で説明している。

法定養育費(民法766条の3)及び養育費債権の先取特権(民法308条の2)の発生要件,金額の基準,経過措置及び主張・立証上の問題は,法定養育費と養育費債権の先取特権(AI作成)で詳しく説明している。
本記事は,この要件論を前提とした上で,実際の回収手段の選び方に焦点を当てる。

債権差押命令の一般的な申立方法,第三債務者に対する陳述催告,取立て及び配当の実務は,債権差押命令の申立てと取立て・配当の実務(AIリライト)で説明しており,同記事の第9では養育費等の債権執行の特例にも触れている。
本記事は,同記事と重複する範囲をできる限り避け,養育費の回収に固有の判断順序,履行勧告,消滅時効及び弁済の充当という,同記事が扱っていない部分を中心に扱う。

強制執行を受けた側が取り得る対抗手段は,強制執行に対する債務者の対抗手段(AIリライト)で説明している。

第2 七つの出発点と利用できる制度

養育費の取決めの状態は,おおむね次の七つに分類できる。
それぞれについて,履行勧告・履行命令,先取特権に基づく差押え,通常の強制執行という三つの制度を利用できるかを整理すると,次の表のとおりとなる。

出発点履行勧告・履行命令先取特権に基づく差押え通常の強制執行

①口約束のみ利用できない理論上は排除されないが,額・支払期を示す文書がなく立証が困難利用できない(債務名義がない)
②私的合意書(公正証書化していないもの)利用できない文書による立証がしやすく,月8万円を上限に利用できる利用できない(債務名義がない)
③執行認諾文言付き公正証書利用できない利用できる利用できる(債務名義に当たる)
④調停調書利用できる利用できる利用できる(債務名義に当たる)
⑤審判利用できる利用できる利用できる(債務名義に当たる)
⑥離婚判決の附帯処分・訴訟上の和解利用できる利用できる利用できる(債務名義に当たる)
⑦法定養育費(取決めなし)利用できない(家庭裁判所の裁判で定められた義務ではないため)利用できる(民法766条の3に基づく先取特権)利用できない(債務名義がない)

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別居中の婚姻費用と住宅ローン-誰が住み,誰が返済するかで変わる計算方法(AI作成)

第1 この記事が扱う対象と読み方
第2 住宅ローンの支払には「住居費」と「資産形成」という二つの性質がある

1 二つの側面
2 別居時に住んでいない側にとっては,専ら資産形成の費用になる

第3 原則:住宅ローンは婚姻費用の計算に影響しない

1 なぜ全額を差し引いてもらえないのか
2 住宅がオーバーローン(債務超過)の状態でも結論は変わらない

第4 例外:「二重負担」になっている場合だけ調整される

1 二重負担とは何か
2 調整方法の基本形――権利者の標準的住居関係費相当額を控除する
3 控除額には上限がある
4 控除の基準を義務者側の収入に置いた例もある

第5 誰が住み,誰が返済しているかで整理する9つの型
第6 有責配偶者が住宅ローンを払っている場合
第7 権利者に収入がない場合の考え方

1 権利者に現実の収入がなければ,二重負担の調整の前提を欠くことがある
2 権利者に収入がない場合,逆に義務者の負担が増える方向に働く場面もある

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養育費算定表がおかしい?―高すぎる・安すぎると感じたときの確認方法と増減額(AI作成)

第1 算定表がおかしいと感じたときの確認順序

1 初めて計算する場合と既存額を変える場合を分ける
2 算定表は標準額の出発点である
3 8項目を順番に確認する

第2 表・年齢・収入の入力を確認する

1 子の人数と年齢に対応する表を使う
2 給与所得者は手取りではなく総収入を使う
3 自営業者は申告所得をそのまま使うとは限らない
4 収入の変動と稼働能力を分けて考える

第3 算定表に含まれる費用を二重計上しない

1 標準額は費目ゼロからの足し算ではない
2 私立学校費・大学費用
3 特別医療費・障害に伴う費用
4 住宅ローン・家賃・直接払い

第4 算定表をそのまま使えない場合

1 収入が算定表の上限を超える場合
2 低所得・無収入の場合
3 父母双方が相当の日数を監護する場合

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相手が収入資料を出さない場合の婚姻費用-収入の推計・情報開示命令・必要資料(AI作成)

第1 相手方が収入資料を出さなくても婚姻費用は判断できる

1 資料不提出だけで審理は止まらない

2 最初に区別する三つの収入問題

3 収入資料が揃う前でも請求できる

第2 給与・事業・年金等の必要資料

1 給与所得者

2 自営業者・法人経営者

3 年金・給付・無収入

4 資料の対象年と現在性

第3 収入を明らかにする四つの手続

1 当事者への情報開示命令

2 勤務先等への調査嘱託・報告要求

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別居中の生活費(婚姻費用)はいつから請求できるか-請求方法・必要書類・調停・審判(AI作成)

第1 別居中の婚姻費用と請求の始期

1 別居しても婚姻費用の分担義務は消えない
2 家庭裁判所の実務では明確に請求した時が中心となる
3 別居日まで遡るかは個別事情によって決まる

第2 最初に行う請求と証拠の残し方

1 本人間の請求は調停申立ての法律上の前提ではない
2 請求書面には対象,始期,金額及び支払方法を書く
3 請求を繰り返すより申立てへ移る基準を決める

第3 申立てに必要な書類と資料

1 裁判所へ提出する基本書類
2 始期,収入及び既払額を示す資料
3 相手方が収入資料を出さない場合

第4 婚姻費用分担調停の申立て

1 申立人,管轄,費用及び申立方法
2 調停では収入,始期,金額及び支払方法を話し合う
3 調停成立後は調停調書に基づく履行確保が可能となる

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養育費算定表で子供2人はいくらか―表3~5の選び方と一人当たり額の計算(AI作成)

第1 「子供2人はいくらか」に固定額で答えられない理由

1 算定表が示すのは収入と年齢に応じた標準額

2 表の月額は2人分の合計

第2 表3・表4・表5の選び方

1 2人の年齢構成で表を決める

2 現在の年齢区分は0歳~14歳と15歳以上

第3 父母の収入を表へ当てはめる方法

1 義務者は縦軸,権利者は横軸

2 裁判所の設例では2人分が月額10万円~12万円

第4 一人当たり額の計算

1 2人が同じ年齢区分なら合計額を2分の1ずつにする

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ペアローンを組んだ夫婦の離婚と財産分与――評価,連帯保証・求償の帰趨及び課税(AI作成)

第1 この記事が扱う対象1 検討の対象と時点2 この記事が扱わない範囲第2 ペアローンという住宅ローンの仕組み1 契約構造――二本の契約と相互連帯保証2 連帯債務型・収入合算型との違い3 団体信用生命保険の加入形態第3 財産分与の対象となる範囲及び基準1 夫婦共有財産の推定2 負担割合・持分割合・返済実態の食い違い3 基準時及び評価時点第4 不動産の評価とオーバーローンの処理1 評価の方法2 オーバーローンの場合の清算第5 分与の実行と債務関係の帰趨1 財産分与の合意・判決だけでは債務関係は解消しない2 免責的債務引受による整理と金融機関の審査第6 事前の合意・誓約書による定めの効力1 婚姻中の夫婦間契約の取消権の廃止2 財産分与に関する事前合意と家庭裁判所の裁量3 不貞等を条件とする合意の公序良俗適合性4 財産分与と慰謝料の関係第7 課税上の取扱い1 財産分与による資産移転と譲渡所得課税2 オーバーローンの場合の課税3 居住用財産の3000万円特別控除4 財産分与と贈与税5 住宅ローン控除の承継第8 手続上の留意点及び除斥期間1 財産分与請求権の期間制限2 裁判例の乏しさと和解による解決の実情3 事前に確認すべき事項出典・参考資料1 法令・通達2 裁判例3 公的資料4 ウェブ資料

第1 この記事が扱う対象

1 検討の対象と時点

住宅価格の高騰を背景に,夫婦のそれぞれが住宅ローンを組んで一つの不動産を取得する「ペアローン」の利用が広がっている。共同通信は,令和8年8月17日,ペアローンで購入したマンションについて夫婦が離婚し,財産分与の内容をめぐって訴訟に至った事案を伝えている(もっとも,同記事には裁判所名及び事件番号が示されておらず,本記事はこの事案を裁判例として扱うものではない。あくまで,ペアローンを組んだ夫婦の離婚がどのような法律問題を伴うかを考える手掛かりとして紹介するにとどめる)。本記事は,令和8年8月21日現在の法令及び公表資料に基づき,ペアローンを組んだ夫婦が離婚する場合に生じる財産分与上の論点を整理するものである。生成AIを用いて住宅金融支援機構及び金融機関の公表資料,国税庁の公表資料並びに裁判所ウェブサイト掲載の裁判例を通読し,条文及び内容を原典と照合した上で構成した。

財産分与をめぐる紛争は,令和6年法律33号による民法改正(令和8年4月1日施行)によって請求期間及び分与割合の考え方が変わったところであり,ペアローン特有の論点を検討する前提として,この改正の内容を踏まえておく必要がある。改正の詳細は第8で述べる。

2 この記事が扱わない範囲

財産分与の基準時,評価時点及び清算割合という一般的な枠組みは,離婚時の財産分与と税金で既に整理している。自社株式や事業用財産という他の財産類型に固有の論点は,それぞれ経営者の離婚と自社株式の財産分与及び個人事業主の離婚と財産分与で扱っている。本記事は,これらと重複する一般論を繰り返さず,ペアローンという住宅ローンの契約構造に固有の論点――住宅ローンの負担割合と財産分与の関係,離婚後の債務者・連帯保証人の処理,及びこれに伴う課税上の取扱い――に絞って検討する。夫婦の一方の単独名義の住宅のローンを他方が払ってきた場合に,払った分をどう精算するかは,妻が払った夫名義の住宅ローンは取り戻せるかで扱っている。

第2 ペアローンという住宅ローンの仕組み

1 契約構造――二本の契約と相互連帯保証

「ペアローン」とは,一つの物件について,夫婦などの二人がそれぞれ単独の債務者として別個の住宅ローン契約を結び,互いに相手方の連帯保証人になる仕組みをいう。住宅金融支援機構「【フラット35】ペアローン」は,「1つの物件に対し,ご夫婦,親子,パートナーなどがそれぞれ単独で借入申込みを行い,2つの【フラット35】を併せて利用することができる制度」と説明する。三井住友銀行の商品説明も,「1つの住宅に対して,夫婦などの2人が住宅ローンの債務者(主債務者)となり相互に連帯保証人になる仕組み」とする。すなわち,法的には二本の金銭消費貸借契約と,相互の連帯保証契約が組み合わさったものである。

2 連帯債務型・収入合算型との違い

住宅金融支援機構は,ペアローンと「連帯債務型」を明確に区別している。連帯債務型は,夫婦などが一本のローン契約について連帯して債務を負担する仕組みであり,契約が一本である点でペアローン(契約が二本)と異なる。このほか,主債務者を一人に絞り,他方は連帯保証人にとどまる「収入合算(連帯保証型)」もある。

この違いは,住宅ローン控除(租税特別措置法41条)の適用範囲にも表れる。ペアローンでは各契約者がそれぞれ独立して控除の対象となるのに対し,連帯債務型では一本のローンを各人の負担割合に応じて按分した額が各人の控除対象となる(国税庁質疑応答事例「共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算」)。収入合算型では,連帯保証人にとどまる者は自ら債務者として控除を受ける立場にない。この差異は,離婚時に「誰が何を負っているか」を確認する出発点になる。

3 団体信用生命保険の加入形態

団体信用生命保険(団信)についても,ペアローンでは契約者それぞれが個別に加入するため,一方が死亡等した場合にはその者の残高のみが保険金で弁済され,他方の債務は残る。住宅金融支援機構の説明も,「一方のお客さまに万が一のことがあった場合でも,もう一方のお客さまはご自身の債務について返済を継続する必要があります」とする。この点は,連帯債務型の一部商品で夫婦連生の団信が用意されている場合があるのとは異なり,ペアローンでは各人の債務が独立して存続することを意味する。

(続きを読む...)ペアローンを組んだ夫婦の離婚と財産分与――評価,連帯保証・求償の帰趨及び課税(AI作成)

婚姻費用算定表の見方,計算方法と特別事情(AI作成)

第1 この記事が扱う婚姻費用算定表

1 現行の標準は令和元年版である

2 算定表は法令でも自動計算機でもない

第2 婚姻費用の法的根拠と養育費との違い

1 民法760条が定める分担義務

2 子の年齢区分は終期を定める基準ではない

3 話合いがまとまらない場合の手続

第3 表10~19の選び方

1 子の人数と年齢に対応する10種類

2 表を選ぶ前に扶養関係を確定する

第4 年収を入れて算定表を読む方法

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養育費算定表の見方,計算方法及び法定養育費との違い(AI作成)

第1 令和元年版の養育費算定表の位置付け

1 現在用いられている算定表

2 令和8年の改正後も算定表は置き換わっていないこと

第2 算定表の選び方及び読み方

1 子の人数及び年齢に対応する表を選ぶこと

2 縦軸,横軸及び金額帯を読むこと

3 裁判所の使用例

第3 算定表に用いる収入及び計算方法

1 給与所得者の総収入

2 自営業者及び複数の所得がある者の総収入

3 基礎収入及び生活費指数

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離婚届不受理申出の方法と効力――有効期間,取下げ及び受理後の手続(AI作成)

目次

第1 離婚届不受理申出の意味

1 制度の法的根拠

2 申出で止められる届出

第2 申出の方法

1 申出人と申出先

2 申出書,本人確認書類及び費用

3 本人が出頭できない場合

4 有効期間と取下げ

第3 申出後の効果と限界

1 同じ日に離婚届が提出された場合

2 通知の範囲

3 離婚条件及び裁判上の離婚との関係

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相続放棄の手続を自分でする方法―必要書類・申述書の書き方・受理後の対応(AI作成)

第1 この記事の対象と手続の全体像

1 自分で進めやすい相続放棄

2 最初に確認する三つの事項

第2 3か月の期限と申述前にしてはいけないこと

1 死亡日から一律に3か月ではない

2 遺産の処分を止める

3 調査が終わらないときは期間伸長を申し立てる

第3 誰がどの家庭裁判所へ申述するか

1 申述人と未成年者の利益相反

2 提出先は被相続人の最後の住所地で決まる

第4 相続順位別の必要書類

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戸籍の公開制度の沿革――明治5年式戸籍から昭和51年・平成19年改正を経て現在まで(AI作成)

第1 戸籍の「公開」を理解するための前提

1 本記事の対象と結論

2 「公開」に含まれる四つの制度

3 公開制度の主要な転換点

第2 明治5年式戸籍から一般公開原則の成立まで

1 明治4年太政官布告第170号と明治5年式戸籍

2 明治19年戸籍取扱手続

3 明治31年戸籍法による一般公開の明文化

4 大正3年戸籍法への承継

第3 戦後の公開原則と昭和43年・昭和51年の制限

1 昭和22年制定時の戸籍法10条

2 昭和43年の明治5年式戸籍に関する二つの通達

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遺産分割と詐害行為取消権・無償行為否認―相続放棄との違い(AI作成)

第1 対象と結論

1 最初に押さえる結論

2 三つの制度を分ける必要

3 この記事の時点と適用法

第2 民法上の詐害行為取消請求

1 遺産分割が取消対象となり得る理由

2 現行民法上の要件

3 法定相続分との差額が直ちに取消額にならない理由

4 受益相続人の善意・悪意

5 取消しの方法・範囲・期間

第3 破産法上の否認権

1 詐害行為否認と無償行為否認

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遺産分割における代償分割―代償金・支払能力・分割払・税務(AI作成)

第1 代償分割の仕組みと本記事の範囲第2 協議・調停と審判の違い1 協議・調停では合意内容を柔軟に設計できる2 審判の直接の根拠は家事事件手続法195条である第3 審判で代償分割を選ぶための条件1 「特別の事情」は現在も条文上の要件である2 代償金の支払能力が必要である3 現物取得者を選ぶ事情を具体化する第4 代償金額と財産評価1 基本は具体的相続分と現物取得額との差額である2 遺産分割の評価額と相続税評価額を区別する3 高額な鑑定へ進む条件を絞る第5 支払能力の立証と資金計画1 支払期限に利用できる資金を示す2 将来の売却だけに依存する計画は弱い3 資金不足が明らかなら分割方法を再検討する第6 分割払・期限猶予と履行確保1 長期分割は相手方へ信用リスクを移す2 支払原因,金額及び期限を確定する3 担保・債務名義・引換給付を区別する第7 代償金が支払われない場合1 原則は解除ではなく代償金請求である2 再合意で税務を当然に巻き戻せるとは限らない第8 相続税・所得税と固有財産による支払1 相続税の課税価格には代償財産を加減する2 代償金は取得した相続財産の取得費に加算されない3 相続人の固有財産を移転すると譲渡所得が生じ得る第9 資産別の評価・税務・換価手続1 不動産は時価・正味換価額・税務評価を分ける2 上場株式等は評価基準日と口座所在を確認する3 非上場株式は評価と処分可能性を別に調べる4 退職金・死亡退職金は権利の帰属と支給時期を分ける第10 実務上の確認順序第11 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 裁判所・国税庁等の公表資料4 文献5 関連記事
第1 代償分割の仕組みと本記事の範囲

代償分割とは,共同相続人の一人又は数人が不動産,非上場株式その他の遺産を現物で取得し,取得額がその相続人の取り分を超える部分について,他の相続人に代償金を支払う分割方法である。自宅を売らずに配偶者が取得する場合,同族会社の株式を後継者へ集約する場合,事業用資産の一体性を保つ場合などに用いられる。

京都家庭裁判所の遺産分割調停案内は,遺産の分け方を現物分割,代償分割,共有分割及び換価分割の四つに整理し,代償分割には代償金を支払う相続人の資力が必要であると説明している。それぞれの特徴は次のとおりである。

分割方法
内容
主な注意点

現物分割
遺産そのものを各相続人へ分ける
財産ごとの価値に差があると公平な配分が難しい

代償分割
一部の相続人が現物を取得し,他の相続人へ代償金を支払う
評価額と支払能力が争点になりやすい

換価分割
遺産を売却し,手取金を分ける
売却時期,費用及び譲渡所得税を検討する必要がある

共有分割

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遺産分割協議における錯誤取消し―旧法の要素の錯誤,裁判例と実務対応(AI作成)

第1 この記事の対象と最初に確認すべきこと

1 現在は「錯誤無効」ではなく「錯誤取消し」である

2 結果が不満になっただけでは取り消せない

3 本記事の射程

第2 現行民法95条による判断の順序

1 錯誤には二つの類型がある

2 錯誤は重要なものでなければならない

3 基礎事情は他の共同相続人に表示されていなければならない

4 重大な過失があると原則として取り消せない

5 取消通知,期間及び第三者を別々に確認する

第3 誤認の類型別にみる裁判例

1 存在を知らなかった遺言

2 遺産目録から預貯金又は株式が漏れていた場合

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遺産分割における非嫡出子の相続分の変遷(AI作成)

第1 現在の結論と過去の相続の判定方法

1 現在は子の相続分に差がない

2 確認すべき二つの日付

第2 相続開始時期別の適用関係

1 時期別一覧

2 平成12年9月19日から平成13年6月30日までの空白

第3 明治民法から昭和22年改正まで

1 明治民法1004条

2 日本国憲法施行後の応急措置

3 昭和22年法律第222号

第4 合憲判断から違憲判断への転換

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相続の使途不明金の消滅時効―請求原因・起算点・旧法の見分け方(AI作成)

目次

第1 使途不明金の時効を判断する順序

1 「使途不明金」は請求権の名称ではない

2 取引ごとに時計を分ける

第2 最初に旧法と現行法を分ける

1 令和2年4月1日前に生じた債権

2 施行日前の法律行為が原因となる債権

3 現行民法の5年・10年

第3 請求原因ごとの期間と起算点

1 不当利得返還請求

(1) 時効期間

(2) 善意・悪意と返還範囲

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戸籍謄本・住民票の職務上請求――要件,DV等支援措置,不正取得の責任及びオンライン化(AI作成)

第1 職務上請求の対象と基本原則

1 この記事が扱う範囲

2 窓口で交付されたことと実質的適法性

第2 戸籍と住民票で異なる法的構造

1 各証明書が示す情報

2 以前同じ戸籍だった人の現在住所

3 戸籍法上の請求類型

4 住民基本台帳法上の申出

5 戸籍証明書等の広域交付との違い

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Appleアカウントの相続手続―故人アカウント管理連絡先,iCloudデータ及び端末の扱い(AI作成)

第1 この記事が扱うAppleアカウントの相続

1 対象と結論

2 一つの「相続」として扱えない理由

第2 故人アカウント管理連絡先が設定されている場合

1 アクセス申請に必要なもの

2 承認後のアカウントと3年間の期限

3 取得できるデータと対象外のデータ

第3 管理連絡先又はアクセスキーがない場合

1 日本で受け付けられる代替書類

2 Appleが示す裁判所命令の内容

3 拒否された場合の請求の絞り方

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Googleアカウントの相続手続―死亡後のデータ取得・資金請求・閉鎖(AI作成)

第1 対象範囲と結論

1 この記事の対象

2 アカウント,データ及び金銭を分けて考えること

3 パスワードは開示されないこと

第2 Googleが用意する三つの手続

1 三つの請求の違い

2 データ取得を先に検討する理由

3 処理期間,費用及び開示率

第3 申請前の確認と必要書類

1 低負担の初期確認

2 Googleフォームで求められる資料

3 データ取得と米国裁判所命令

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相続税の対象となる家庭用財産――家財一式,5万円基準及び評価方法(AI作成)

第1 家庭用財産に相続税がかかる理由

1 原則は課税対象である
2 相続開始時の時価で評価する

第2 誰の家庭用財産かを先に確定する

1 自宅にある物が全て被相続人の財産とは限らない
2 名義よりも取得資金その他の実態が重要である

第3 5万円基準と家財一式の意味

1 原則は1個又は1組ごとの評価である
2 5万円以下の物は一世帯ごとに一括評価できる
3 5万円は非課税枠ではない
4 家財一式10万円という公的な一律基準はない

第4 家庭用財産の評価方法

1 売買実例価額又は精通者意見価格を先に調べる
2 市場資料がない場合に新品小売価額から減価する
3 ゼロ評価には客観的な根拠が必要である

第5 家庭用財産と分けて検討すべき物

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