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遺産分割における非嫡出子の相続分の変遷(AI作成)

現行民法では,嫡出子と嫡出でない子の法定相続分は同一である。しかし,過去に開始した相続を現在になって遺産分割する場合,現在の条文だけを見て相続分を決めることはできない。本記事は,令和8年8月11日現在の法令,裁判例及び公的資料に基づき,旧法の2分の1規定から平成25年の平等化までの変遷と,古い相続を処理する際の判定方法を整理するものである。

本記事では,歴史的な制度名又は事件の検索語として「非嫡出子」を用いる一方,現行民法の表現に合わせて「嫡出でない子」とも表記する。旧民法に現れる「庶子」「私生子」は当時の条文用語であり,現在用いるべき呼称ではない。

第1 現在の結論と過去の相続の判定方法

1 現在は子の相続分に差がない

現行民法900条4号は,同順位の子が複数いるとき,各自の相続分を相等しいものとする。平成25年法律第94号により,嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1とした旧900条4号ただし書前段が削除されたためである。

現在の900条4号ただし書にも「2分の1」という文言は残っているが,これは父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分を,父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする規定である。嫡出子と嫡出でない子の相続分を区別する規定ではない。

2 確認すべき二つの日付

過去の相続では,まず被相続人の死亡日を確認する必要がある。民法882条が「相続は,死亡によって開始する」と定めているため,基準となるのは遺産分割協議日,審判日又は遺言作成日ではなく,相続開始日である。

次に,平成13年7月1日から平成25年9月4日までに開始した相続では,旧規定を前提とする法律関係が,裁判,審判,遺産分割協議その他の合意等によって確定的になった時点を確認する。したがって,実務上の判定軸は,①被相続人の死亡日,②法律関係が確定的になった日及びその対象範囲という二つである。

第2 相続開始時期別の適用関係

1 時期別一覧

相続開始時期基本となる相続分留意点
明治31年7月16日から昭和22年5月2日まで遺産相続では,庶子及び私生子は嫡出子の2分の1家督相続は単独相続であり,現代の遺産分割と区別する
昭和22年5月3日から同年12月31日まで原則として旧民法1004条の2分の1が継続日本国憲法施行日に直ちに平等化したわけではない
昭和23年1月1日から平成12年9月18日まで旧民法900条4号ただし書前段により2分の1最高裁は平成12年9月18日開始の相続にも旧規定を適用した
平成12年9月19日から平成13年6月30日まで条文上は2分の1最高裁が違憲となった正確な始期を直接確定していないため個別検討を要する
平成13年7月1日から平成25年9月4日まで未確定の法律関係では同一相続分旧規定を前提に確定的となった法律関係は覆さない
平成25年9月5日以後同一相続分改正法の公布・施行前の同年9月5日から12月10日までを含む

法務省の公式説明も,平成13年7月1日から平成25年9月4日までに開始した相続について,遺産分割が未了であれば嫡出子と嫡出でない子を同等として相続分を算定し,既に審判又は協議等が終了していればその法律関係を覆さないと説明している。

2 平成12年9月19日から平成13年6月30日までの空白

最高裁平成15年3月31日第一小法廷判決は,平成12年9月18日に開始した相続について旧規定を適用した。他方,最高裁平成25年9月4日大法廷決定は,旧規定が「遅くとも平成13年7月当時」には違憲であったとしたが,違憲となった正確な始期をそれ以前の日まで遡って特定していない。

そのため,平成12年9月19日から平成13年6月30日までに開始した相続は,条文の文言だけを見れば2分の1であるものの,最高裁判例によって合憲・違憲が直接確定された期間ではない。具体的事件では,相続開始時の社会状況等を踏まえた憲法14条1項の主張と,法律関係が既に確定している範囲の双方を検討すべきである。

第3 明治民法から昭和22年改正まで

1 明治民法1004条

明治民法1004条ただし書は,同順位の直系卑属が複数いる場合に,「庶子及ヒ私生子」の相続分を嫡出子の2分の1とした。制定条文は,明治31年法律第9号の官報原本画像で確認できる。

もっとも,明治民法の相続制度には戸主の地位と家産を一人が承継する家督相続と,家族の財産を共同相続する遺産相続が併存していた。1004条は遺産相続における相続分の規定であり,家督相続を現代の共同相続と同じものとして扱うことはできない。

2 日本国憲法施行後の応急措置

日本国憲法14条1項は法の下の平等を定め,同24条2項は,相続を含む家族に関する法律が個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないと定めた。しかし,昭和22年5月3日の憲法施行と同時に,子の相続分が平等になったわけではない。

民法の応急的措置に関する法律は家督相続を廃止した一方,同法8条及び9条の特則を除き,遺産相続には旧民法の規定を用いる構造を採った。このため,昭和22年5月3日から同年12月31日までの短い期間も,旧民法1004条の2分の1格差が残った。

3 昭和22年法律第222号

昭和22年法律第222号は,家制度を廃止して現行型の共同相続制度を整備し,昭和23年1月1日に施行された。しかし,同法が新設した900条4号ただし書前段は,嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1とする格差を引き継いだ。

昭和22年8月14日の衆議院司法委員会では,この格差と憲法上の平等との関係が質問された。政府側は,法律婚を尊重する一方で嫡出でない子にも相続権を認める調整であるとして合憲性を説明したが,この立法理由が後の判例における最大の対立点となった。

第4 合憲判断から違憲判断への転換

1 最高裁平成7年7月5日大法廷決定

最高裁平成7年7月5日大法廷決定(平成3年(ク)第143号,民集49巻7号1789頁)は,旧900条4号ただし書前段を合憲とした。多数意見は,相続制度の設計について立法府に合理的な裁量を認め,法律婚を尊重して嫡出子を優遇する一方,嫡出でない子にも一定の相続分を保障する規定には合理的根拠があるとした。

これに対し,5裁判官の反対意見は,父母が婚姻していたかどうかは子が選択できない事情であり,これを理由に相続分を減らすことには合理性がないとして違憲を主張した。したがって,同決定を「最高裁が全員一致で格差を容認した」と理解することは誤りである。

2 個別意見と下級審の展開

平成7年大法廷決定後も,最高裁は平成12年,平成15年,平成16年及び平成21年の裁判で結論として旧規定を維持した。しかし,補足意見又は反対意見では,社会状況の変化,諸外国の立法,国際人権機関の指摘及び出生について子に責任がないことを踏まえ,規定の合理性への疑問と立法による是正の必要性が繰り返し示された。

下級審では,東京高裁平成5年6月23日決定及び同平成6年11月30日判決が旧規定を違憲とし,平成22年から平成23年にかけて,遺留分事件と遺産分割事件の双方で違憲判断が相次いだ。他方,平成25年大法廷決定の原審である東京高裁平成24年6月22日決定は旧規定を合憲としたため,最高裁による統一判断が必要な状態となっていた。

3 最高裁平成25年9月4日大法廷決定

最高裁平成25年9月4日大法廷決定(平成24年(ク)第984号・第985号,民集67巻6号1320頁)は,平成13年7月に開始した相続について,旧規定が遅くとも同月当時には憲法14条1項に違反していたと判断し,原決定を破棄して東京高裁に差し戻した。

大法廷は,相続制度の形成について立法裁量を認めながらも,家族形態と国民意識の変化,諸外国の立法動向,国際機関の指摘,国内法制の変化及び従前の最高裁判例に付された個別意見等を総合した。さらに,父母が婚姻関係になかったことは子にとって自ら選択又は修正できない事柄であり,これを理由に不利益を及ぼすことは許されないという個人の尊重の観点を明示した。

4 平成25年法律第94号

国会は大法廷決定を受け,旧900条4号ただし書前段を削除する平成25年法律第94号を制定した。同法は平成25年12月5日に成立し,同月11日に公布・施行されたが,附則2項により,同年9月5日以後に開始した相続に適用される。

したがって,改正法の公布・施行日だけを基準にしてはならない。平成25年9月5日から同年12月10日までに死亡した被相続人の相続にも,平等化後の規定が適用される。

第5 平成25年大法廷決定の時間的効力

1 確定的になった法律関係は覆さない

大法廷は,平成13年7月から平成25年9月4日までに開始した他の相続について,旧規定を前提とする遺産分割審判その他の裁判,遺産分割協議その他の合意等によって確定的となった法律関係には,違憲判断が影響しないとした。違憲判断を過去に遡って全面的に及ぼした場合の法的安定性への影響を避けたものである。

したがって,既に成立した遺産分割協議を,旧規定が違憲であったという理由だけで当然にやり直すことはできない。他方,平成25年9月4日までに遺産分割が終わっていなければ,法務省の公式説明上,原則として平等な相続分で処理する。

2 財産又は請求ごとに確定の範囲を確認する

大法廷は,可分債権又は可分債務が相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割されるという抽象的な法律効果だけで,直ちに法律関係が確定的になるわけではないとした。判決,審判,協議,合意,弁済又は処分によって,どの財産について,どの当事者間で,どの範囲まで具体的関係が固まったかを確認する必要がある。

その結果,同じ相続の中でも,既に弁済又は処分されて確定した部分と,未分割のまま残る部分とで扱いが分かれることがあり得る。「協議書があるか」という一問だけでなく,対象財産,合意内容及び履行状況まで調査すべきである。

3 大法廷決定は平成13年7月より前を一律に変更していない

平成25年大法廷決定は,平成13年7月より前に開始した相続について旧規定を合憲とした従前の最高裁判断を当然に変更するものではないと明示した。このため,平成12年9月18日開始の相続について旧規定を適用した最高裁平成15年3月31日判決は,対象時期の限界を考える上で現在も重要である。

「平成25年の違憲決定によって,過去のすべての相続が当然に平等になった」という説明も,「平成25年改正前の相続はすべて2分の1である」という説明も,いずれも正確ではない。

第6 直接関係する裁判例

1 最高裁判例10件

公開資料で特定できた,非嫡出子の相続分規定に直接関係する最高裁裁判例は次の10件である。平成23年3月9日決定は和解によって抗告の利益が失われたことを理由とする却下決定であり,憲法判断を示していない。

裁判例事件番号・掲載誌結論又は意義確認媒体
最高裁平成7年7月5日大法廷決定平成3年(ク)第143号,民集49巻7号1789頁旧規定を合憲としたが,5裁判官の反対意見あり裁判所PDF
最高裁平成12年1月27日第一小法廷判決平成11年(オ)第1453号,裁判集民事196号251頁平成7年大法廷決定を維持平成25年大法廷決定の先例引用,個別全文は裁判所HP未確認
最高裁平成15年3月28日第二小法廷判決平成14年(オ)第1630号,裁判集民事209号347頁預金返還請求事件で旧規定を適用平成25年大法廷決定の先例引用,個別全文は裁判所HP未確認
最高裁平成15年3月31日第一小法廷判決平成14年(オ)第1963号,裁判集民事209号397頁平成12年9月18日開始の相続に旧規定を適用裁判所PDF
最高裁平成16年10月14日第一小法廷判決平成16年(オ)第992号,裁判集民事215号253頁多数意見は旧規定を維持し,反対意見あり裁判所PDF
最高裁平成21年9月30日第二小法廷決定平成20年(ク)第1193号,裁判集民事231号753頁平成12年6月30日開始の相続に旧規定を適用裁判所PDF
最高裁平成23年3月9日第三小法廷決定平成21年(ク)第1027号,民集65巻2号723頁裁判外の和解により抗告の利益を失ったとして却下民集書誌・公刊資料,裁判所HPの全文未確認
最高裁平成25年9月4日大法廷決定平成24年(ク)第984号・第985号,民集67巻6号1320頁平成13年7月当時の旧規定を違憲とし破棄差戻し裁判所PDF
最高裁平成25年9月4日大法廷決定平成24年(ク)第1261号数次相続のうち平成13年11月開始の相続で旧規定を排除最高裁事件一覧・TKC公開情報,裁判所HP全文未確認
最高裁平成25年9月18日大法廷決定平成25年(ク)第132号・第133号数次相続のうち平成15年3月開始の相続で旧規定を排除最高裁事件一覧・TKC公開情報,裁判所HP全文未確認

2 下級審裁判例11件

下級審では,法令自体を違憲とする判断,具体的事案への適用だけを違憲とする判断及び合憲判断が分かれた。次の一覧には同一事件の各審級を別件として含めている。

裁判例事件番号・掲載誌結論又は位置付け確認媒体
東京高裁平成3年3月29日決定判例タイムズ764号133頁,事件番号未確認旧規定を合憲とした平成7年大法廷決定の原審最高裁公式判決情報・公刊資料,裁判所HP全文未確認
東京高裁平成5年6月23日決定平成4年(ラ)第1033号,高民集46巻2号43頁,判例時報1465号55頁,判例タイムズ823号122頁旧規定を法令違憲とした公刊資料,裁判所HP全文未確認
東京高裁平成6年11月30日判決判例時報1512号3頁,事件番号未確認旧規定を違憲とした国立国会図書館調査資料・学術資料,裁判所HP全文未確認
横浜家裁川崎支部平成7年4月13日審判事件番号・掲載誌未確認旧規定を違憲としたとされる学術資料,原本未確認
東京地裁平成17年3月3日判決未公刊,事件番号未確認遺留分事件で旧規定を違憲としたとされる判例研究・実務書,原本未確認
東京高裁平成22年3月10日判決判例タイムズ1324号210頁,事件番号未確認遺留分事件で具体的適用を違憲とした判例雑誌書誌・公刊資料,裁判所HP全文未確認
大阪家裁平成23年4月20日審判事件番号・掲載誌未確認遺産分割事件で旧規定を違憲とした後続裁判の公刊資料,原本未確認
大阪高裁平成23年8月24日決定判例時報2140号19頁,金融・商事判例1382号40頁,事件番号未確認旧規定を法令違憲とした判例雑誌書誌・公刊資料,裁判所HP全文未確認
名古屋高裁平成23年12月21日判決平成23年(ネ)第866号,判例時報2150号41頁遺留分事件で具体的適用を違憲とした裁判所PDF
東京家裁平成24年3月26日審判平成22年(家)第3942号平成13年7月開始の相続に旧規定を適用東京家裁特別保存事件一覧・平成25年大法廷決定
東京高裁平成24年6月22日決定平成24年(ラ)第955号原審を維持したが,平成25年大法廷決定が破棄差戻し平成25年大法廷決定の裁判所PDF

3 一覧の網羅性に関する限界

上記は,裁判所ウェブサイト,最高裁事件一覧,判例雑誌書誌,国会図書館・国会の調査資料及び公開された判例情報から,令和8年8月11日までに特定できた直接関係裁判例である。最高裁10件,下級審11件を確認したが,非公刊・非公開の家事審判が存在しないことまで確認する手段はなく,「日本に存在する事件が合計21件で尽きる」と断定するものではない。

裁判所ウェブサイトで全文を確認できなかった裁判例について,判旨の細部又は事件番号を訴訟書面等で引用する場合には,判例秘書,D1-Law,判例時報・判例タイムズの原誌又は裁判所記録で再確認する必要がある。最高裁判所の法令違憲判断全体における本決定の位置付けは,最高裁判所の違憲判決一覧でも整理している。

第7 遺産分割に関連する派生論点

1 数次相続と代襲相続

数次相続では,被相続人が複数いるため,各死亡時に別個の相続が開始する。最高裁平成25年9月4日平成24年(ク)第1261号及び同月18日平成25年(ク)第132号・第133号は,古い相続と平成13年7月以後の相続が連鎖する事件で,後者について旧規定を適用できないとした。相続関係図全体に一つの日付を当てはめず,各被相続人について相続開始日と確定性を別々に判定しなければならない。

代襲相続では,民法901条により,代襲相続人は,その直系尊属が受けるべきであった相続分を承継する。基準となるのは対象となる被相続人の相続開始時であり,代襲される者の死亡日に当然に相続分ルールが固定されるわけではない。

2 認知後の価額請求

相続開始後の認知によって相続人となった者が遺産分割を請求する場合に,他の共同相続人が既に分割その他の処分をしていれば,民法910条により価額のみの支払を請求できる。平成25年11月20日の衆議院法務委員会における政府答弁は,平成13年7月以後に開始した相続について,請求権がそれ以前に確定していない限り,平等な相続分を基礎に価額を計算する旨を説明している。

価額の算定基準時は,相続分を決める時点とは別問題である。認知後の価額請求と遺産評価の関係については,遺産相続における非上場株式の評価方法でも触れている。

3 遺留分と遺言

改正前民法1044条は法定相続分規定を遺留分計算に準用していたため,旧900条4号ただし書前段の違憲性は遺留分事件にも波及した。東京高裁平成22年3月10日判決及び名古屋高裁平成23年12月21日判決が遺留分事件であったのは,この構造による。

現行民法1042条2項も,共同相続人が複数いる場合の各自の遺留分を,900条及び901条による相続分に連動させている。ただし,法定相続分が平等であることと,被相続人が遺言によって必ず平等に財産を取得させなければならないことは同じではない。遺言による配分の自由と,各相続人の遺留分を分けて検討する必要がある。

4 相続税及び所得税

国税庁の相続税に関する取扱いは,平成25年大法廷決定と民法改正を受けた税額計算及び更正の請求の範囲を示している。既に申告・納付した相続税がある場合でも,民事上の相続分が変わり得ることだけを理由に,当然に税額確定をやり直せるわけではない。

未分割遺産から生ずる不動産所得についても,国税庁の所得税に関する情報が公表されている。古い相続を処理するときは,民事上の分割だけでなく,相続税,所得税及び更正期間を別に確認すべきである。

第8 古い相続を処理する際の確認事項

1 相続開始日と各相続の切り分け

最初に,戸籍,除籍及び改製原戸籍により各被相続人の死亡日を確定する。数次相続がある場合は,相続ごとに相続人関係図を分け,それぞれについて第2の時期別一覧を当てはめる。

2 法律関係の確定資料

平成13年7月1日から平成25年9月4日までの相続では,①確定判決・審判,②遺産分割協議書その他の合意,③預貯金の払戻し・弁済,④不動産・株式その他の処分,⑤合意の履行状況を確認する。資料が存在するだけでなく,どの財産と当事者について法律関係を確定させたものかを読む必要がある。

3 親子関係と相続人の確定

嫡出でない子が父を相続するには,原則として認知その他により法律上の父子関係が必要である。認知の時期が相続開始後であり,既に他の共同相続人が分割その他の処分をしている場合には,民法910条の価額請求として処理するかを検討する。

4 未確認裁判例を引用する場合

裁判所ウェブサイトに全文がない下級審裁判例は,公刊資料によって存在と大要を把握できても,判旨の細部又は事件番号が確定していないものがある。具体的事件の準備書面,意見書又は鑑定意見で用いる際は,原誌又は商用判例データベースで全文を再確認することが不可欠である。

出典・参考資料

1 法令

民法(明治29年法律第89号)882条,900条,901条,910条及び1042条(e-Gov法令検索)。

日本国憲法14条1項及び24条2項(e-Gov法令検索)。

明治31年法律第9号・民法第四編第五編1004条(官報原本画像,国立国会図書館デジタルコレクション)。

民法の一部を改正する法律(昭和22年法律第222号)本文並びに附則1条,25条及び32条(衆議院)。

民法の一部を改正する法律(平成25年法律第94号)本文及び附則(参議院)。

2 裁判例

最高裁平成7年7月5日大法廷決定(平成3年(ク)第143号,民集49巻7号1789頁)。

最高裁平成15年3月31日第一小法廷判決(平成14年(オ)第1963号,裁判集民事209号397頁)。

最高裁平成16年10月14日第一小法廷判決(平成16年(オ)第992号,裁判集民事215号253頁)。

最高裁平成21年9月30日第二小法廷決定(平成20年(ク)第1193号,裁判集民事231号753頁)。

最高裁平成25年9月4日大法廷決定(平成24年(ク)第984号・第985号,民集67巻6号1320頁)。

名古屋高裁平成23年12月21日判決(平成23年(ネ)第866号,判例時報2150号41頁)。

3 立法資料・行政資料

昭和22年8月14日衆議院司法委員会会議録(第1回国会衆議院司法委員会第21号)。

平成25年11月20日衆議院法務委員会会議録(第185回国会衆議院法務委員会第9号)。

法務省「民法の一部が改正されました」

国税庁「相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて」

国税庁「平成25年分の所得税における未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱いについて」

4 文献

①床谷文雄ほか『新プリメール民法5 家族法〔第4版〕』(法律文化社,令和8年)159頁。

②中込一洋『相続開始時別 相続人の範囲と遺産の割合』(新日本法規,令和5年)220頁~221頁。

③近藤敦『人権法[第3版]』(日本評論社,令和7年)140頁。